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高速データ・レートでのジッタ解析

Application Note 1432

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目次

図 図1. 理想クロックと正弦波ジッタのあるクロックの比較。 . . . .2 図2. アイ・ダイアグラムと用語の定義 . . . .2 図3. BERへのランダム・ジッタ(RJ)の影響を示す、RJが存在する アイ・ダイアグラム . . . .3 図4. ランダム・ジッタ(RJ)とデターミニスティック・ジッタ(DJ) の両方が存在するアイ・ダイアグラム。ジッタ実効値をRJに起因する ジッタの実効値(JRJ rms)、全p-pジッタ(Jpp)をDJに起因する p-pジッタ(JDJ pp)とそれぞれ区別している . . . .3 図5. ジッタ耐力/伝達関数測定に不可欠なコンポーネントを含む ジッタ解析システムの基本要素 . . . .5 図6. (a)OC-48のジッタ伝達関数と(b)ジッタ耐力の例、 マスクを含む . . . .5 図7. ストレス・アイ・レシーバ・テストのブロック・ダイアグラム . . .7 図8. ジッタ伝達関数測定へのクロック・リカバリ(CR)回路の ジッタの影響 . . . .9 図9. 位相雑音解析システム . . . .10 図10. 単側波帯位相雑音スペクトラム . . . .11 図11. JS-1000で測定されたジッタのヒストグラム。 . . . .12 図12. マイクロ波トランジション・アナライザのブロック・ ダイアグラム . . . .13 図13. 71501Dを用いたジッタ解析用のテスト・セットアップ。 . . .14 図14. OmniBERのジッタ解析システムは位相検波器を使用します。 . .16 図15. サンプリング・オシロスコープによるジッタの測定 . . . .18 図16. (a)タイム・ヒストグラムの投影によるディジタル・ コミュニケーション・アナライザのアイ・ダイアグラムの 交差ポイント N (t, P)。(b)ガウス分布をヒストグラムに フィッティングすることによる、RJとDJの分離 . . . .19 図17. RJとDJが大きい領域を示すバスタブ・プロットの BER対時間 . . . .21 図18. 位相雑音と振幅雑音の関係 . . . .24 表 表1. BERとランダム・ジッタ、σ=JRJ rmsのp-p値との関係 . . . .4 表2. OmniBERのジッタ・ノイズ・フロア、再現性、 伝達関数の確度 . . . .17 表3. 本書で考察したジッタ解析手法の比較の概要 . . . .23 1. 概要 . . . .1 2. ジッタ . . . .2 2.1 ジッタ解析の基礎 . . . .2 2.1.1 ジッタ . . . .3 2.1.2 ジッタ伝達関数とジッタ耐力 . . . .4 2.2 SONET/SDH/OTNアプリケーションにおけるジッタ . . . .5 2.3 ギガビット・イーサネット・アプリケーションにおけるジッタ . .6 2.3.1 ギガビット・イーサネット . . . .6 2.3.2 10ギガビット・イーサネット . . . .7 2.4 ジッタ測定の不確かさ . . . .8 2.5 ジッタ測定におけるクロック・リカバリ回路の役割 . . . .9 3. ジッタ解析 . . . .10 3.1 高性能位相雑音解析:JS-1000 . . . .10 3.1.1 アプリケーション . . . .10 3.1.2 ジッタの位相雑音解析 . . . .10 3.1.3 JS-1000システム . . . .12 3.2 マイクロ波トランジション解析:71501D . . . .13 3.2.1 アプリケーション . . . .13 3.2.2 ジッタのマイクロ波トランジション解析 . . . .13 3.2.3 71501Dジッタ解析システム . . . .14 3.2.4 71501Dの仕様の概要 . . . .15 3.3 固定データ・レートでの位相に敏感な検波:OmniBER . . . .15 3.3.1 アプリケーション . . . .15 3.3.2 位相検波器を使ったジッタ解析 . . . .16 3.3.3 OmniBERのジッタ解析仕様の概要 . . . .17 3.4 サンプリング・オシロスコープによるジッタ解析: 86100 Infiniiumディジタル・コミュニケーション・アナライザ . . .17 3.4.1 アプリケーション . . . .17 3.4.2 サンプリング・オシロスコープ . . . .18 3.4.3 サンプリング・オシロスコープを使ったジッタの測定 . .18 3.4.4 DCAデータを使ったRJとDJの分離 . . . .19 3.5 ビット・エラー・レート・テスタのアプリケーション: 「バスタブ・プロット」 . . . .20 3.5.1 アプリケーション . . . .20 3.5.2 BERTを使ったジッタの測定 . . . .21 4. 手法の比較 . . . .23

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Gb/sレベルを超えるデータ・レートでは、ジッタの問題を理 解し、解決する能力が不可欠です。OC 768(約40Gb/s)の SONET/SDHネットワークからギガビット・イーサネットや 10ギガビット・イーサネットに至るまで、高速データ・レー トには、タイム・インターバル解析(TIA)1、サイクル間およ び周期ジッタ解析2などのリアルタイム・データ収集による 低速データ・レートのジッタ解析手法はあまり有効ではあり ません。高速データ・レートでは、低雑音位相検波、高速サ ンプリング、間接解析などの手法が必要です。 難解なジッタの問題を解決するには、同期/非同期ネットワ ークに用いられている様々な技術を理解する必要がありま す。このアプリケーション・ノートでは、高速データ・レー トのネットワーキング・コンポーネントやシステムのジッタ 性能を理解するために、ジッタ理論を簡潔に紹介すると同時 に、SONET/SDH、ギガビット・イーサネット、Fibre Channel のエンジニアが使用する一般的な手法について説明します。 こうした手法がAgilent Technologiesの機器にどのように導入 されているかを説明することによって原理が明らかになるの で、作業に最適なソリューションを簡単に決定することがで きます。 ここで説明する手法は、研究開発から診断やシステム・イン テグレーション、製造に至るまでの広範囲のジッタ解析アプ リケーションが対象です。 1. Agilent TechnologiesのJS-1000パフォーマンス・ジッタ・ソ リューションは、かつてない感度と低速データ・レート から40Gb/s以上までをカバーするダイナミック・レンジを 備え、位相雑音解析機能を用いてジッタを測定します。 このソリューションは、ジッタの原因や種類を十分に理 解する必要がある研究開発環境に最適なツールで、徹底 したSONET/SDH/OTNジッタ適合試験を実現します。 2. Agilent Technologiesの71501Dジッタ解析システムは、高 度なサンプリング手法を活用する、50Mb/s∼12.5Gb/sデー タ・レートの専用ジッタ解析ツールです。診断ツールと しての本システムは、タイム・ドメインと周波数ドメイ ンの両方の復調ジッタ信号を生成します。また、ビッ ト ・ エ ラ ー ・ レ ー ト ・ テ ス タ と 組 合 わ せ て 用 い れ ば 、 SONET/SDH/OTN仕様にしたがって、ジッタ伝達関数/耐 力を自動的に測定することができます。71501Dは、10ギ ガビット・イーサネット光適合試験の重要な要素の1つで もあります。 3. Agilent TechnologiesのOmniBERコミュニケーション・パ フォーマンス・アナライザは、リアルタイム位相検波機 能を用いて、SONET/SDH/OTN仕様に対するネットワー ク適合試験を行います。このテスト・スイートは、OC-192およびG.709までの標準レートにおけるジッタ生成機 能やジッタ耐力/伝達関数の自動掃引測定機能を備えて います。 4. 光/電気レシーバ搭載のAgilent Technologiesの86100 Infiniiumディジタル・コミュニケーション・アナライザ (DCA)は、各種アイ・ダイアグラム解析に最適なサンプ リング・オシロスコープです。このアナライザを使用す ることにより、アイ・ダイアグラムやパルス波形でジッ タの特性を確認できます。DCAによって収集されたデー タを間接的に解析して、デターミニスティック・ジッタ とランダム・ジッタに分離することができます。 5. Agilentの86130、71612C、81250などのビット・エラー・ レート・テスタ(BERT)は、ビット・エラー・レート (BER)をサンプリング・ポイント位置の関数BER (t) とし て測定でき、その測定値をジッタ解析に用いることがで きます。さらに、それからデターミニスティック・ジッ タとランダム・ジッタを抽出することが可能です。 本書の中で繰り返し言及されているSONET/SDH/OTNの規格 と仕様3は、主としてITU-T 0.172、G.709、Bellcore GR-253-COREを指しています。ギガビット・イーサネット/10ギガビ ット・イーサネットの規格と仕様4は、主としてIEEE 802.3z と802.3aeをそれぞれ指しています。 本書は次のような構成になっています。セクション2(2ペー ジ)では、ジッタについて簡潔に説明するとともに、高速デ ータ・レートでのジッタ解析における主な問題点について説 明します。セクション3(10ページ)では、5種類の解析手法に ついて詳細に説明します。セクション4(23ページ)では、5種 類の解析手法の違いを説明するとともに、それらの推奨用途 を紹介します。

1. 概要

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規格の定義5:ジッタとは、ディジタル信号の有意な瞬間の 理想的な時間位置からの短期変動です。一般的には、10Hz以 上の非加算的な変動と関係があります。10Hz以下の加算的な 位相変動は、通常ワンダと定義されています。図1は、正弦 波的に変動するジッタの例を示したものです。

2.1 ジッタ解析の基礎

ジッタは、基本的には位相雑音が表れたものです。数学的に は、ジッタは、次式のϕ(t)項によって表される信号の位相 の不要な変動です。 S (t) = P(2π fdt+ϕ (t)) ここで、Sは受信信号で、Pは信号パルスのシーケンスを時間 の関数として表したものです。また、fdはデータ・レートを 表します。ϕ(t)がラジアンまたは度で測定可能な場合には、 ジッタは秒または単位インターバルで測定されます。秒また は単位インターバル(UI)で測定されたジッタJとラジアンで 測定された位相変動∆ϕの関係は、次式で表されます。 1 1

J [s] = ––––––∆ϕ [rad] または J [UI] = ––––∆ϕ [rad]

2π fd 2π 位相雑音と周波数雑音、さらにその結果としてのジッタが深 く関係します。信号の位相は、Φ(t)=2πfdt+ϕ(t)によって 表されるため、周波数は次式で表されます。 1 d 1 d ƒ (t) = ––– ––– Φ(t) = ƒd+ ––– –––ϕ (t). 2π dt 2π dt また、周波数雑音は次式で表されます。 1 d ∆ƒ (t) = ƒ (t) − ƒd = ––– –––ϕ (t) 2π dt この式からは、ジッタ/位相雑音の測定には、周波数雑音の 測定を伴うことがわかります。本書の中で用いられている座 標系や用語の多くは、図2のアイ・ダイアグラムの中で定義 されています。

2. ジッタ

図1. 理想クロックと正弦波ジッタのあるクロックの比較。ジッタ振幅は2/ 3UI 図2. アイ・ダイアグラムと用語の定義 理想クロック: ジッタのある クロック: ジッタ:

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2.1.1 ジッタ ジッタ(固有ジッタ)とは、コンポーネントによって生成され るジッタ、すなわち、入力にジッタがない場合のコンポーネ ントの出力ジッタです。通常は、ジッタのp-p値(Jpp)と実効 値(Jrms)の2つの量によって表されます。ジッタは、ランダ ム・ジッタとデターミニスティック・ジッタを組み合わせた ものです。 ランダム・ジッタ(RJ)とは、熱雑音やショット雑音などのラ ンダム・プロセスに起因するジッタです。一般的には、平均 値(µ)と幅(σ)で特徴付けられるガウス分布を持つと仮定さ れます(図3を参照)。デターミニスティック・ジッタがない 場合には、RJによってエッジの位置が決まります。エッジが サンプリング・ポイントと交差してビット・エラーを引き起 こす確率は、ガウス分布になります。分布の幅は、ジッタ全 体の実効値へのランダム・ジッタの影響を表し、JRJrms=σと なります。ガウス分布のテイルは無限に広がるため、RJのp-p値(JRJ pp)は無限です。つまり、長い時間J RJ ppを測定するほど、 値は大きくなりますが、JRJ rmsは測定中の真の値の周りの変動 に過ぎません。 デターミニスティック・ジッタ(DJ)とは、さまざまな規則性 に起因するジッタです。原因としては、デューティ・サイク ル歪み(DCD)、符号間干渉(ISI)、正弦波/周期的ジッタ(PJ)、 クロストークがあります。DCDは、クロック・サイクルの非 対称性、例えば立上がり時間と立下がり時間の差に起因しま す。ISIは、分散やデータ依存効果などの現象に起因する変動 の結果として、例えばロジック "1" が長い "0" 文字列の後に 続く場合に発生します。PJは、他の周期的なソース、例えば 電源のフィードスルーによる周期的な雑音に起因します。ク ロストークは、電磁波障害などの他の信号からの雑音によっ て生じます。DJの特徴は、RJのp-p値が任意の大きさの値を 取り得るのに対して、p-p値が有限であるという点です。RJ とDJに関しては、p-p値のDJ(JDJ pp)と実効値のRJ(J RJ rms)の組 み合わせとしてシステム全体のジッタを評価すると便利です。 RJとDJを理解するために、異なるパルス波形がいくつか見ら れる図4について考察します。DJが原因でさまざまなパルス 波形が生じています。ラインの太さはRJにより決まります。 すなわち、DJにより与えられたビットがたどるラインが決ま り、RJによりそのビットがDJにより決定された平均値付近で どの程度変動するかが決まります。JDJ ppは、最も離れたDJに よ り 決 ま る エ ッ ジ 間 の 距 離 に よ っ て 表 さ れ ま す 。 ま た 、 JrmsRJは、与えられたエッジ近傍での偏移の実効値を表します。 通常は、DJによって図4のアイ・ダイアグラムに見られるよ うな異なるエッジが生じることはありません。 ギガビット・イーサネットに共通の有効なデザイン手法は、 全p-pジッタを与えられたジッタの許容値に制限することで す。しかし、p-pジッタの測定値の解釈は複雑になる可能性 があります。ジッタを正確に測定するには、大量のデータ・ サンプルが必要ですが、RJはガウス分布であるため、p-p値 はサンプル数が多くなると増加します。このため、JRJ ppの値 があいまいになります。こうしたあいまいさをなくすために、 次の2通りの手法がよく用いられます。SONET/SDH/OTNの 場合、指定のタイム・インターバルにわたってJppを測定し ます。ギガビット・イーサネットやFibre Channelの場合は、 DJがない場合には、RJ分布の幅(σ)によってビット・エラ ー・レート(BER)が決まり、特定のBERに一致するように JppRJが定義されるという事実を用います。表1は、DJまたはそ の他の雑音源がない場合のRJのp-p値と実効値の関係を示し たものです。JRJ ppをσ=J RJ rmsの倍数で定義して、DJが存在しな 図3. BERへのランダム・ジッタ(RJ)の影響を示す、RJが存在す るアイ・ダイアグラム 図4. ランダム・ジッタ(RJ)とデターミニスティック・ジッタ(DJ)の 両方が存在するアイ・ダイアグラム。ジッタ実効値をRJに起因するジッ タの実効値(JRJ rms)、全p-pジッタ(Jpp)をDJに起因するp-pジッタ (JDJ pp)とそれぞれ区別している サンプリング・ポイント 重なりはBERを表す

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い状況の与えられたBERと対応させるのが妥当です。これに より、次式のように、JRJ ppとJppDJを組み合わせて全p-pジッタを 求め、ジッタとBER値の組合わせと比較することができます。 JTJ= n ×σ + JPDPJ JTJ= n × JrRmJs + JPDPJ (1) RJとDJを分離しないでJppを測定する場合は、データ・サン プルの増加に伴ってRJ成分が増加し、p-p測定値になります。 JppとJDJppだけでなく、JrmsとJ RJ rmsも図4(3ページ)では区別さ れています。p-pジッタ(Jpp)は、あいまいさはありますが、 大きな値はエラーの原因となるイベントをあらわすため、極 めて有用な量です。SONET/SDH/OTNアプリケーションでは、 ほとんどの場合、Jppに対する要件を満たすことはかなり困 難です。 ランダム・ジッタと数種類のデターミニスティック・ジッタ については、測定された帯域幅によって値が異なる可能性が あります。このことを理解するために、RJの主な原因である 熱雑音について考察します。すべての白色雑音と同様に、熱 雑音は周波数スペクトラム全体で一定であるという傾向があ ります。このため、測定値は測定帯域幅によって異なります。 SONET/SDH/OTNではジッタを測定する帯域幅が指定されて いますが、電子計測器は帯域幅をこのような範囲に限定して いません。例えば、サンプリング・オシロスコープの帯域幅 は非常に広いので、それに対応して広い帯域幅にわたるジッ タを測定します。ジッタ・テスト・セットを使ってジッタを 仕様に合わせて測定する場合には、規格に固有のフィルタを 使って帯域幅を適切に制限することが大切です。サンプリン グ・オシロスコープまたはビット・エラー・レート・テスタ を用いたジッタ測定の場合、ジッタ帯域幅を制限することは 容易ではありません。 RJの主要要因としてトランスミッタがあります。外部変調さ れたレーザ・トランスミッタにより生じるジッタの大部分 は、レーザやマスタ・リファレンス・クロックからのランダ ム雑音に起因します。逆に、レシーバによって生成されるジ ッタの大部分はDJで、ISIを引き起こすプリアンプとポスト アンプの接続部のAC結合に起因します。直接変調されたレ ーザ・トランスミッタには、RJとDJの両方のジッタが生じま す。媒体は以下のいずれかの道をたどることになります。光 ファイバは、分散効果によるDJやさまざまな散乱効果による RJの原因になる可能性があります。伝送媒体は、帯域制限に より低周波よりも高周波を減衰するため、DJが大部分を占め る傾向にあります。 表1. BERとランダム・ジッタ、σ=JRJ rmsのp-p値との関係 ビット・エラー・レート(BER) p-p RJ JRJ pp=n×σ 10−10 12.7×σ 10−11 13.4×σ 10−12 14.1×σ 10−13 14.7×σ 10−14 15.3×σ 2.1.2 ジッタ伝達関数とジッタ耐力 ジッタ伝達関数は、ネットワークやネットワーク要素のクロ ック・リカバリ性能をジッタ周波数の関数として評価するも のです。指定の振幅や周波数の正弦波ジッタϕ(t )=AA p p l sin(2πfJt)をデータに印加し、その周波数の出力ジッタ振幅 Aout(fJ)を測定することによって評価されます。ジッタ伝達

関数は、XTfer(fJ)=Aout(fJ)/AAppl(fJ)で与えられます。

ジッタ耐力は、主に受信側のデバイスやシステムがBERを低 下させずに大量のジッタをトラッキングできる能力を評価す るものです。ジッタ耐力とは、1dBの感度低下と等価な、デ バイスに印加された正弦波ジッタの振幅です。この測定では、 最初にジッタを印加せずに被試験デバイス(DUT)のBERを測 定します。信号パワーを、エラーが発生するか、指定の BER(通常は10−12)を上回るまで減衰します。減衰量を1dB引

き下げ、正弦波ジッタϕ(t)=AApplsin(2πfJt)をクロックに印

加して信号を伝送します。ジッタ振幅を、エラーが発生する か、指定のBERを上回るまで増加させます。その結果生じる

ジッタ振幅が、その周波数におけるジッタ耐力、ATol(fJ)です。

ジッタ耐力と伝達関数は、SONET/SDH/OTNアプリケーショ ンにおける主な指標です。

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2.2 SONET/SDH/OTNアプリケーション

におけるジッタ

同期プロトコルであるSONET、SDH、OTNは、正確で安定し たクロックに強く依存します。ネットワーク全体へのジッタ の伝搬に比べると、ジッタにはそれほど重点が置かれていま せん。SONET/SDH/OTNにおけるジッタ解析は、周波数ドメ インにおけるジッタの影響に重点が置かれます。測定は帯域 制限されていて、ジッタとワンダに関する個別の要件が定め られています。 SONET/SDH/OTNのジッタにおいては、規制適合要件は帯域 制限されたp-p値と実効値に基づいており、ジッタをRJ成分 とDJ成分に分離していません。p-pジッタの測定値(Jpp)は、 p-p値ですが、表1と同様の理由から、6×σ(係数6は「クレス ト・ファクタ」と呼ばれる)として与えられる場合もありま す。SONET/SDH/OTNでは、ロジック0または1が長く続く文 字列を防ぐためにペイロードがスクランブルされますが、フ レーム・ヘッダはスクランブルされません。その結果として 生じるデータ依存DJが、システム内で最も大きな要因になる 場合があります。このため、Jppを正確に測定することが、 こうしたネットワークの特性評価の鍵となります。再現性の 高い測定を実現するには、データ周波数を中心とするバンド パス・フィルタに信号を通過させることによって、帯域を制 限します。フィルタの帯域幅と中心周波数は、各データ・レ ートに固有です。一般的な要件は、6×σジッタがビット周期 の10%未満(100mUI)というものです。 被試験 デバイス データ 出力 クロック 出力 エラー・ ディテクタ パターン・ ジェネレータ ジッタ・ ソース ジッタ・テスト・セット ビット・エラー・レート・テスタ クロック バンドパス・ フィルタ バンドパス・ フィルタ ジッタ・ アナライザ 図5. ジッタ耐力/伝達関数測定に不可欠なコンポーネントを含むジッタ解析システムの基本要素 図6. (a)OC-48のジッタ伝達関数と(b)ジッタ耐力の例、マスクを含む 伝達関数 (dB) 振幅 (UI) ジッタ伝達関数 変調周波数(Hz) 変調周波数(Hz) ジッタ耐力

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ジッタ伝達関数を測定するには、図5(5ページ)に示されてい るように、ジッタ・ソースをクロックに印加します。クロッ クは、パターン・ジェネレータからのデータのタイミングを 定義します。このデータは、DUTに送られます。ジッタ伝達 関数や耐力を測定するには、ジッタ・ソースが、少なくとも 仕様の要件である振幅AApplの正弦波ジッタAApplsin(2πfJt)を与

えることができなければなりません。SONET/SDH/OTNのジ ッタ伝達関数測定で、印加される正弦波ジッタの振幅要件は、 低周波の場合は振幅の大きいテンプレートに準拠し、高周波 の場合は振幅の小さいテンプレートに準拠します。また、他 のジッタ波形(例えば、三角波、方形波、ランダム雑音)を用 いてDUTにストレスを印加して、DUTのジッタ応答を評価す ることも有益です。SONET/SDH/OTNのジッタ伝達関数の要 件は、各伝送レートごとにマスクとして提供されます。図6a (5ページ)にOC-48(2.488Gb/s)の場合が示されています。 XTfer対fJのグラフがマスクより下にあれば、システムは規格 に適合しています。 ジッタ耐力を測定するには、図5(5ページ)に示されているよ うに、DUTのデータ出力をビット・エラー・レート・テスタ (BERT)のエラー・ディテクタに送ります。SONET/SDH/OTN のジッタ耐力要件も、図6b(5ページ)に示されているように、 マスクとして提供されます。AAppl対fJのグラフがマスクより 上にあれば、システムは規格に適合しています。システムの ジッタ耐力が仕様をどの程度上回っているか(マージン)は、 エラーが発生するか、指定のBERを上回るまで、各周波数で 印加されるジッタの振幅を増加させることによって測定でき ます。これはジッタ耐力サーチと呼ばれます。

2.3 ギガビット・イーサネット・アプリケーション

におけるジッタ

ギガビット・イーサネットと10ギガビット・イーサネットに おけるジッタ解析は、ジッタの制限を前提としています。イ ーサネットは同期ネットワークではないため、明確なジッタ 伝達関数/耐力要件はありませんが、ネットワーク要素の伝 達関数/耐力を理解することは、ギガビット・イーサネット のコンポーネントのデザインやデバッグに有益です。フェー ズ・ロック・ループの帯域幅については、ストレス・アイ・ レシーバ・テストで間接的にテストされるジッタ伝達関数と 同様の要件があります。測定は帯域制限されているため、低 周波/ニアキャリア・ワンダもジッタ測定の暗黙の対象とな ります。 2.3.1 ギガビット・イーサネット 1ギガビット・イーサネットのジッタ要件は、後でモデル化さ れましたが、Fibre Channelの仕様と類似しています。全ジッ タ(TJ)値が与えられ、それが断片的にシステム内の異なる部 分に割り当てられています。TJは、セクション2.1.1に定義さ れているように、p-p DJとRJの和であり、JTJ=JDJ pp+n×J RJ rms と表されます。DJは、特定のデータ・パターン、回路、伝送 媒体に対して定義されています。RJとDJを区別してジッタ・ マージンを求める手法については、セクション3.5(20ペー ジ )で 説 明 し ま す 。 ビ ッ ト ・ エ ラ ー ・ レ ー ト ・ テ ス タ (BERT)を使ってバスタブ・プロット、すなわち、BERのサン プリング・ポイントの時間位置への依存度BER(t)を算出しま す。バスタブ・プロットの解析により、RJとDJ、さらにある 程度までのDJのさまざまな原因を特定することができます。

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2.3.2 10ギガビット・イーサネット 10ギガビット・イーサネットの仕様には、ジッタの直接的な 評価はありません。その代わりに、トランスミッタとレシー バに関する個別の要件が定められています。 トランスミッタに関しては、仕様ではトランスミッタ分散ペ ナルティ(TDP)を規定しています。TDPとは、リファレン ス・レシーバでサンプリング・ポイントに±5psのディザが 追加されるまでBERを増加させるために必要なトランスミッ タの減衰レベルです。TDPは、結局は、ジッタを制限するた めの1つの方法です。 レシーバに関しては、ストレス・アイ・レシーバ感度テストが 行なわれます。このテストは、レシーバがワーストケースの 許容信号を受け取った場合でも10−12より良いBERで動作でき ることを検証することが目的です。テスト信号は、RJ、DJ、 干渉、減衰など、さまざまなストレスをシミュレートするこ とを目的とします。このテストは、ジッタ耐力テストと類似 しています。RJとDJの両方のジッタが指定の振幅で印加し、 レシーバを標準準拠のトランスミッタのワーストケースのジ ッタと比較して評価します。テスト・システムは、最大許容 値を上回るトランスミッタ・ジッタを生成できなければなり ません。テスト・システムは、図7に示されているように、DJ をシミュレートするために印加された正弦波ジッタとフィル タの組み合わせにより構成されています。RJや垂直方向のア イ・クロージャをシミュレートするために、1∼2GHzの正弦波 干渉信号がパターンに追加されます(混合されるわけではあり ません)。 10ギガビット・イーサネットに関しては、RJやDJの印加レベ ルが定められていますが、生成方法については特に定められ ていません。SONET/SDH/OTNと同様に、印加される正弦波 ジッタの振幅は、低周波の場合は振幅の大きいテンプレート に準拠し、高周波の場合は振幅の小さいテンプレートに準拠 します。同軸ケーブルの長さを延長したり、ローパス・フィ ルタをテスト・システムのトランスミッタの前に挿入するこ とにより、ランダム・ジッタを雑音注入やデータ依存ジッタ によってシミュレートすることも可能です。 規格適合マージンは、アイにさらにストレスを加えることに よって測定することができます。ストレス・アイ・テストの 要素はすべて個別に設定できます。例えば、シミュレートさ れたRJやDJの入出力を切り替えたり、正弦波ジッタの振幅を 調整して被試験デバイスの信頼性を見極めたり、減衰や正弦 波干渉を調整することが可能です。こうしたジッタの定性テ ストの実行機能や水平方向のアイ・クロージャの本質的な評 価機能以外にも、ストレス・アイ・テスト・セットには、垂 直方向のアイ・クロージャのための光学雑音のシミュレーシ ョン機能が備わっています。 被試験 デバイス サンプリング・ オシロスコープ 7.5GHz ローパス・ フィルタ パターン・ ジェネレータ エラー・ ディテクタ 1∼2GHzまでの 正弦波

Σ

ジッタ・ ソース ジッタ・テスト・セット ビット・エラー・ レート・テスタ クロック アッテネータ ジッタ・アナライザ レーザ 図7. ストレス・アイ・レシーバ・テストのブロック・ダイアグラム

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2.4 ジッタ測定の不確かさ

ジッタ測定の確度は、テスト・システムのノイズ・フロアJNF と再現性 Rによって制限されます。ノイズ・フロアは、システ ムにより生じたジッタで、28ページの参考文献3では、レシー バ固有のジッタまたはテスト機器の固定エラーWとも呼ばれま す。再現性とは、与えられた測定値の不確かさ†のことで、測 定値がJtruth=Jmeas±Rの区間に入る割合です。通常は、測定 値に比例し、パーセントで表され、Jtruth=Jmeas(1±100×R) となります。ノイズ・フロアと再現性の組み合わせによって、 テスト・システムで一貫性のある測定ができる最低ジッタ・ レベルが制限されます。測定値は再現性の約1/3の幅を持つ 真の値を中心とするガウス分布にしたがうという統計理論の 仮定を使うと、実測ジッタJが以下を満たす場合には95%の 信頼度レベルで、与えられた測定値は雑音と区別することが できます。6 9 JN 2 F J> R 1+ ––––––– (Rが秒またはUIの場合) R2 (2) 3 JNF J> –––––––––––––––––––– –– (Rがパーセントの場合)

√

1 − (100 × R)2 式(2)は、システムが実行できる最小ジッタ測定を規定しま す。例えば、0.100 UI(Jmin)のジッタを一貫して測定する必 要があり、測定の再現性がR=10%である場合は、テスト・ システムのジッタは約JNF<0.035 UIでなければなりません。 測定値Jがノイズ・フロアのR内である場合は、DUTの実際の ジッタは測定値を下回ります(約95%の信頼度)。ノイズ・フ ロアも再現性も、測定範囲を超えて校正することはできませ ん。ジッタは広帯域雑音であるため、ノイズ・フロアは測定 帯域幅に依存します。 ジッタ伝達関数の測定では、測定ジッタ帯域幅が印加ジッタ 周波数を中心とするわずかな範囲に制限されるため、ノイ ズ・フロアが低下します。さらに、伝達関数は受信ジッタ振 幅と送信ジッタ振幅の比であるため、トランスミッタに起因 する不確かさの大部分がキャンセルされます。ただし、印加 ジッタ振幅が大きくなったり、受信ジッタ振幅がDUTの特性 に依存して大きく変化する可能性があります。例えば、狭帯 域デバイスからのジッタの出力振幅は、印加ジッタ周波数が 通過帯域内にある場合には大きくなります。ジッタ伝達関数 の測定の再現性は、一般に測定伝達関数に比例します。 不確かさが既知の場合にのみ、異なる方法を用いた結果を比 較することができます。異なるテスト・システムによるジッ タ測定の比較は、システムのノイズ・フロアや再現性に違い があると一貫性のないものになってしまいます。また、テス ト手法に体系的な違いがあっても一貫性のないものになって しまう可能性があります。例えば、以下で説明する2つの方 法、サンプリング・オシロスコープ(DCA)を使ったジッタ 測定とビット・エラー・レート・テスタを使ったジッタ測定 は、系統的な不確かさが他の方法と全く異なります。 † 繰り返し測定の分布という点では、「測定の不確かさ」に関する業界標準の定義は ありません。Agilent Technologiesは、測定の不確かさについて、最低でも95% の信頼度区間を報告しています。本書では、控えめな方法で、全測定値の95%が 真の値の再現性の1単位範囲内となる不確かさを定義しています。

(11)

2.5 ジッタ測定におけるクロック・リカバリ回路

の役割

図5(5ページ)に示されているように、ジッタは常に、低雑音 リファレンス・クロックとして実装されている理想的なタイ ムスケールに対して測定されます。クロック・リカバリ (CR)/クロック・データ・リカバリ(CDR)回路のないDUT のジッタ測定は複雑になります。データ信号上のジッタや伝 達関数を測定するには(耐力は除く)、DUTジッタを通過させ るCR回路をDUTのデータ出力とジッタ・テスト・システム の間に挿入する必要があります。DUTのジッタを透過的に通 過させるには、CRに以下の特性が必要です。 1. システムのノイズ・フロアが、有効なテストに不可欠な レ ベ ル を 上 回 ら な い 、 極 め て 低 レ ベ ル の ジ ッ タ 生 成 。 JCR<3JNFが推奨されます 2. 必要な最大ジッタ周波数のジッタを通過させるのに十分 な広い帯域幅 3. DUTのジッタに歪みを生じさせないためのフラットな伝 達関数 これら3つの要件を満たしている周波数アジャイルCRやCDR は簡単には手に入らないため、以下で説明するAgilent JS-1000と71501Dの2つの周波数アジャイル・システムでは、必 要なクロック・レートで動作する外部CR回路が必要です。 OmniBERは、標準レートでクロック信号を通過させるための 専用のCRを備えています。 CRのジッタは、テスト・システムのノイズ・フロアを増加 させますが、校正することはできません。完全なシステムで あるという仮定の下で、DUTとCRのジッタの実効値につい て考えます。両者は、以下のシステムの共分散を用いて合計 することができます。 Jm2eas= JD2UT+ JC2R+ρ JDUT JCR CRとDUTの相関ρは、CRがDUTジッタにどのように反応する かを表します。DUTジッタとCRが無関係の場合には、ρ=0 となるため、CRとDUTジッタの区別は簡単です。しかし、 実際には、2つのシステムのジッタが複雑に干渉し合い、ρの 測定が不可能になります。このため、次のようなジッタが極 めて少ないCRが必要です:JCR/JDUT<<1、すなわちJDUTJmeas±R。 場合によっては、交互パターン(10101010....)など、クロック 成分の多い信号でドライブすることにより、クロックを復元 しないで、デバイス上でRJやDJの一部を測定することも可能 です。このような信号の場合、DUT出力がクロック信号によ く似ているため、データ・パターンに依存しないジッタがす べて通過します。この測定では、パターン依存ジッタによる DJの影響、周期ジッタによる何らかの影響、各種パターン・ シーケンスに多角的に影響を及ぼす可能性のあるクロストー クが含まれません。この測定では位相偏移(ジッタ振幅)が半 減しますが、ジッタ周波数は変わりません。したがって、帯 域制限測定では、データ・レートfdがクロック・レート2×fd の半分であったとしても、フル・クロック・レートでの測定 の帯域制限に用いられるフィルタと同じものを使用する必要 があります。 ジッタ伝達関数測定の場合、CRの帯域幅が印加される最大ジ ッタ周波数を上回っていなければなりません。この測定では、 テスト・システムは正弦波位相雑音(すなわち、位相変調)を システムに送ります。Japplied(t)=A sin(2πfJt)となります。 DUTの効果は、JDUT(t)=A' sin(2πfJt)+Jg(t)になるように振

幅が変化することです。Jg(t)はDUTのジッタによる影響です。 図8(5ページ)に示されているように、印加ジッタの振幅が CRのジッタよりはるかに大きい限り(常にそうであるはずで す)、印加ジッタに対するDUTの応答が測定値の大部分にな るため、確度の高い伝達関数測定を実現できます。 ネットワークのタイミングの整合性を維持するために、狭帯 域のCR回路を使用しているシステム・コンポーネントの場 合、クロック・リカバリの状況はまったく異なります。 ジッタ耐力の測定の場合も状況は異なります。ジッタ耐力の 目的は、レシーバがBERを劣化させることなくジッタをトラ ッキングできる能力を評価することです。図5(5ページ)に示 されているように、DUTのデータ出力はBERTのエラー・デ ィテクタに直接送られます。データと同期させて、同調させ るために、エラー・ディテクタにクロック信号も必要です。 耐力はシステムのジッタに対する信頼性の高さを評価するこ とを意図していないため、ジッタのないシステム・クロック が必要ですが、BERTのパターン・ジェネレータをドライブ するクロックが印加したジッタ信号によって変調されます。 このため、データだけの信号のジッタ耐力を測定するには、 狭帯域、低雑音のCRが必要です。 図8. ジッタ伝達関数測定へのクロック・リカバリ(CR)回路のジッタの影響

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高速データ・レートでは、現在の技術で実現可能なリアルタ イム方式は、アナログ・ベースの位相検波だけです。他の手 法は、サンプリング方式に依存します。サンプリング方式の 欠点は、各ビットの位相変動を測定しないため、過渡現象を 見逃してしまう可能性があるということです。Agilentは、ビ ット・エラー・レート・テスタを使用する間接的なディジタ ル 方 式 は も ち ろ ん 、 リ ア ル タ イ ム 方 式( J S - 1 0 0 0 や OmniBER)とサンプリング方式(71501Dや86100)の両方の方 式を提供しています。

3.1 高性能位相雑音解析:JS-1000

3.1.1 アプリケーション JS-1000は、業界最高の性能を誇るジッタ解析システムです。 2.4∼3.125Gb/s、9∼13Gb/s、38∼45Gb/sのデータ・レートの クロック信号のジッタ特性を評価するための位相雑音測定シ ステムで、その他のデータ・レートでの解析用にカスタマイ ズすることも可能です。データだけの信号のジッタや伝達関 数の評価に関するセクション2.5(9ページ)で述べたように、 JS-1000は、特定のデータ・レートの低ジッタ、フラットな ジッタ伝達関数、広帯域クロック・リカバリ(CR)干渉に対 応したものをオーダすることも可能です。 JS-1000は、ノイズ・フロアが非常に低い研究開発用デザイ ン・ツールです。SONET/SDH/OTN規格への適合をはるかに 上回る優れたジッタ、耐力、伝達関数測定を行なえるだけで なく、図7(7ページ)に示されているように、ストレス・ア イ・レシーバ・テスト・セットに組み込むことが可能です。 このシステムでは、一般にギガビット・イーサネット/Fibre Channel解析に用いられている方式のようなRJ-DJの分離は不 可能ですが、以下で説明するように、ϕ(t)の解析によって、 さまざまなDJ源からの特定の影響を識別したり、位相雑音ア ナライザの帯域幅内の異なるタイプのRJを区別することがで きます。位相雑音データの2、3の仮定に基づいて、ジッタ・ モデルを開発することも可能です。このレベルでのジッタ源 の識別機能は、製品設計の簡素化やジッタ問題の解決に便利 なツールです。 3.1.2 ジッタの位相雑音解析 位相雑音解析7は、周波数ドメインで実行される正確な手法 です。位相検波器(ミキサ)は、キャリアを除去し、信号から 位相雑音を抽出しますが、確度はリファレンス・クロックの 位相雑音により制限されます。図9に示されているように、

ミキサへの入力は、リファレンス・クロックVref(t)=Arefsin

(2πfdt+π/2)とDUTクロックVDUT(t)=ADUTsin(2πfdt+ϕ(t))

です。リファレンス・クロックの相対位相π/2は、ミキサの 前のリファレンス・クロックの直後の移相器によって維持さ れます。ローパス・フィルタの直後の出力は、V(t)=Kϕsin (ϕ(t))です。小さな位相変動(∆ϕ<<1rad)に対しては、Kϕ sin(ϕ(t))Kϕϕ(t)を使用します。Kϕ は、V/rad単位の位相-電圧変換係数です。位相検波器の出力は、スペクトラム・ア ナライザに送られ、以下の位相スペクトラム密度を抽出する ことができます。 1 ∆Vr 2 ms ( f ) ∆ϕr 2 ms ( f ) Sϕ( f ) = –––– –––––––––––= –––––––––––---

[

rad2

/

Hz

]

Kϕ2 ∆ f ∆ f ここで、fは位相雑音成分の周波数で、Sϕ(f)は周波数間隔す なわち帯域∆fにわたる2乗平均位相変動∆ϕ2rms(f)です。p-pジ ッタや振幅の大きいジッタ(例えば、∆ϕ>2πrad)を測定する ために、JS-1000システムにはオシロスコープが組み込まれ ています。 キャリアを除去し、位相雑音を抽出するための同様の方法と しては、搬送波周波数L(f)を基準とした単側波帯(SSB)パワ

ーを使用する方法があります。信号VDUT(t)=ADUTsin(2π

fdt+ϕ(t))がスペクトラム・アナライザに送られる場合、ス ペクトラムは、位相変動に起因する側波帯を持つ搬送波周波 数の強い信号によって構成されます。SSB位相雑音L(f)は、 以下のように、スペクトラムから抽出できます。

3. ジッタ解析

図9. 位相雑音解析システム 1 ∆P ( f ) 1つの位相変調側波帯のパワー密度 L ( f ) = ––––– ––––––––– = ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 2PC ∆f 搬送波パワー

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付録Aから次のようになります。 L( f )

[

1

/

Hz

]

=1 ⁄2 Sϕ( f )

[

rad 2

/

Hz

]

(3) 位相検波器で測定された位相雑音スペクトラムと比べると、 スペクトラム・アナライザから抽出されたSSBスペクトラム には2つの欠点があります。1つは、付録Aで示されているよ うに、振幅雑音がSSBスペクトラムに影響することです。 SSBスペクトラムからジッタを確実に抽出するには、振幅雑 音の影響が位相雑音の影響より20dB下回っていなければなり ません。もう1つは、スペクトラム・アナライザのフィルタ 形状により、搬送波に隣接する振幅の大きい雑音の一部が漏 れて、SSBスペクトラムに歪みが生じることです。汎用のス ペクトラム・アナライザは、SSBスペクトラム全体のジッタ の監視には極めて有効ですが、ジッタ性能の徹底的な評価や ジッタ問題の切分けに必要な性能を備えていない場合があり ます。 式(3)は、ある期間にわたって測定された単位周波数インタ ーバル当たりの位相雑音振幅の2乗∆ϕ2rms(f)/fです。したが って、例えば図10に示されているように、L(f)を積分するこ とにより、ジッタの実効値(ラジアン単位)を抽出することが できます。 ∆ϕ2 rms ( f ) J rms= f2

f1 –––––––––––– df ∆f J rms= f2

f1 Sϕ ( f )df = f2

f1 2L ( f )df (4) 位相雑音プロットからDJに最も大きな影響を与える成分を識 別するには、式(4)を積分し、抽出されるジッタに大きく影 響するスプリアスだけを検討します。JS-1000は、任意のス プリアスと平坦なバックグラウンドの組み合わせの位相雑音 スペクトラムを積分できます。 位相雑音スペクトラムL(f)を解析することによって、異なる タイプのデターミニスティック・ジッタを識別し、分離する ことができます。図10に示されているスペクトラムについて 考察します。スペクトラムの低周波端にあるピークは、搬送 波近くの小さなゆらぎによるもので、60Hzのノイズに起因す るスプリアスとその高調波がはっきりと確認できます。また、 約100Hz∼約1MHzにバックグラウンドからの影響があり、高 周波端の5MHz近くに明確なストラクチャがあります。擬似 ランダム・バイナリ・シーケンス(PRBS)などの繰り返しデ ータ・パターンは、繰り返し周波数とその高調波に急峻なス プリアスが生じます。 図10. 単側波帯位相雑音スペクトラム

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60Hzのノイズは、周期的なDJにより、その周期の周波数とそ の高調波でスプリアスが生じることを示す例です。位相雑音 スペクトラムの周波数バンド内におけるRJやDJのL(f)への影 響については、ランダム・プロセス・モデル、例えば指数則 雑音モデル8にフィッティングすることにより、オフライン 解析で知ることができます。 ∞ L Random( f )= ∑ hnf n n= ∞ (5) ここで、hは異なる周波数項の係数です。通常、位相雑音スペ クトラムの大部分は次の5つの項になります。n=−2(ランダ ム・ウォークFM)、n=−1(フリッカFM)、n=0(ホワイト FM)、n=1(フリッカPM)、n=2(ホワイトPM)。係数は、式 (5)を測定スペクトラムにフィッティングして求めることがで きます。滑らかなフィッティング曲線からの偏移は、周波数 ドメインにおけるDJへの因子の特性を示しています。 p-pジッタは、JS-1000によって、ビット単位の位相偏移を累 積することにより測定できます。RJの取り得る範囲が無限で あるため、p-pジッタは測定回数とともに増加します。JS-1000のリアルタイム測定では、各ビットからp-p値を算出し、 表示します。サンプリング方式よりも大きなp-p測定値が、 同じタイム・インターバルで得られます。JS-1000によって 累積された2つのジッタ・ヒストグラムの例を図11に示しま す。図11aは、大きなデターミニスティック・ジッタが見ら れるデバイスのジッタ・ヒストグラムを示したものです。ガ ウス分布に従っていないことは明らかです。図11bは、デタ ーミニスティック・ジッタが極めて小さいデバイスのヒスト グラムを示したもので、PRBSパターンに依存した形状にな ります。低レベルのデータ依存型のデターミニスティック・ ジッタは、PRBSパターンの反復によって、信号に歪みが生 じ、ガウス分布からはずれます。 3.1.3 JS-1000システム JS-1000は、E5510位相雑音測定システムをベースとしたジッ タ解析システムで、以下の機器が追加されています:位相変 調発生器、低位相雑音マイクロ波スペクトラム・アナライザ、 マイクロ波信号源、100MHzディジタイジング・オシロスコ ープ、10MHz FFTベースバンド・アナライザ。このシステム は、クロック信号のジッタを測定できるので、フェーズ・ロ ック・ループ(PLL)、電圧制御発振器(VCO)、増幅器、クロ ック・データ・リカバリ(CDR)回路の特性評価に最適です。 ジッタ耐力を測定するには、71612CなどのBERTを追加する 必要があります。 ジッタは、式(4)(12ページ)を用いて、周波数f1からf2までの 与えられたバンドに対して抽出されます。ジッタ伝達関数と 耐力は、位相変調発生器によって正弦波ジッタをシステムに 加えることにより測定されます。ジッタ伝達関数測定では、 出力ジッタは生成された周波数で測定され、セクション 2 . 1 . 2( 1 2 ペ ー ジ )で 定 義 し た 伝 達 関 数 、 XT f e r( fJ)= Aout(fJ)/AAppl(fJ)が求められます。SONET/SDH/OTNの要件を 大幅に上回る振幅を持つ正弦波ジッタを与えることが可能で す。JS-1000は、以下のセクション3.2(13ページ)で説明する 71501Dと同様の柔軟性と、ジッタの伝達関数と耐力の両方を 評価するためのマージン・テスト機能を備えています。印加 ジッタの最大振幅は、規格で定められている最大振幅を大き く上回っています。 ●500kUI(10Hz∼10kHz)500UI(10∼400kHz)6.25UI(400kHz∼4MHz)0.625UI(4∼5MHz)0.5UI(5∼80MHz) 重要な仕様は以下の通りです。 ●ジッタのノイズ・フロアは50µUI未満、測定の再現性(不確 かさ)は±0.2dBです。 ●ジッタ伝達関数は、0.005dBの分解能、10MHzの変調帯域幅 まで±0.01dBの確度、−20dBまで±0.2dBのロールオフ確 度、−40dBまで±0.4dBのロールオフ確度で測定されます。 ●ジッタ耐力測定では、80MHz帯域幅で±0.5dBの確度の印 加ジッタが可能です。 図11. JS-1000で測定されたジッタのヒストグラム。(a)では、DUTはDJの影響を大きく受けています。(b)では、DUTにはほとんどDJ の影響は見られません。

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3.2 マイクロ波トランジション解析:71501D

3.2.1 アプリケーション 71501Dシステムは、SONET/SDH/OTN仕様に従って、ジッタ、 伝達関数、耐力を自動的に測定します。このシステムは、10ギ ガビット・イーサネット・コンポーネントの適合試験用スト レス・アイ・テスト・セットに組み込むことができます。 50Mb/s∼12.5Gb/sの任意の変調周波数でジッタ特性を評価で きます。また、被試験デバイス(DUT)から提供されるクロッ ク信号をサンプリングすることによって、ジッタを測定しま すが、セクション2.5(9ページ)で説明したように、適切なレ ートのクロック・リカバリ(CR)回路が付属している場合に は、データだけの信号に起因するジッタを測定することがで きます。ジッタ耐力を測定するには、71603、86130または 71612 BERTを追加する必要があります。BERTは、ジッタをRJ 成分とDJ成分に分けることはできませんが、復調されたジッ タ信号を表示して、DJ周波数を識別することができます。 ジッタは、強力なマイクロ波トランジション解析によって測 定されます。リファレンス・クロックとDUTリカバリ・クロ ックは、70820Aマイクロ波トランジション・アナライザ (MTA)9によってサンプリングされます。MTAは、同期デュ アル・チャネル・レシーバを使って両方の信号を検出できま す。MTAには、信号にジッタを印加するための83752ファン クション・ジェネレータ、33250Aファンクション・ジェネレ ータ、N1015A変調テスト・セットなどの低位相雑音リファ レンス・クロックが付属していて、71501Dジッタ解析システ ムを完全なものにします。 MTAで用いられているサンプリング方式の利点は、アイ・ダ イアグラム解析を実行できるソフトウェアをオプションとし て71501にインストール可能なことです。 3.2.2 ジッタのマイクロ波トランジション解析 MTAは、DC∼40GHzの帯域幅をカバーする2チャネル測定器 です。本器は、繰り返しサンプリングによって波形を捕捉し ます。サンプリング周波数は、入力信号の周波数とタイムス ケールに基づいて、内部で合成されます。入力信号の周波数 成分のエリアジングを防ぐために、サンプリング周波数は自 動的に調整されます。本器が固有ジッタの解析に適したツー ルである理由はいくつかあります。1つは、公称搬送波周波 数とサンプリング周波数を相関させて、ジッタ信号を復調し てϕ(t)を求められることです。もう1つは、MTAはサンプリ ング周波数を制御できるので、正弦波、方形波、三角波、ラ ンダムなどの印加ジッタ信号の解析はもちろん、シームレス なジッタ伝達関数測定用の印加ジッタ信号を制御/復調する ことが可能です。 MTA方式(図12)を理解するために、サンプラについて考察 します。サンプラは、周波数変換用のミキサとして用いられ ます。サンプラの出力信号は、入力信号と内部で合成された トリガ信号の積です。理想的なサンプラでは、入力ポートは 周期的に出力ポートに接続されます。接続されている時は出 力信号は入力信号と同じになり、接続されていない時はゼロ になります。シンセサイズド・トリガは、接続を時間の関数 として定義する周期的なパルスです。したがって、周期的な パルスは、振幅と位相がsin(2πfT)/2πf T、すなわち方形パル スの周波数スペクトラムによって変調された周波数コムで 切替可能な ローパス・ フィルタ トリガ回路 マイクロ プロセッサ サンプラ IFステップ 利得増幅器 サンプル/ ホールド サンプリング・ レート・ シンセサイザ パルス・ ジェネレータ メモリ DSP ADC チャネル1 切替可能な ローパス・ フィルタ IFステップ 利得増幅器 サンプル/ ホールド ADC メモリ DSP チャネル2 サンプラ 図12. マイクロ波トランジション・アナライザのブロック・ダイアグラム

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す。その結果、入力信号の周波数スペクトラムが周期的なパ ルスのスペクトラムに重畳され、サンプラの出力中間周波 数(IF)信号にスペクトラムが発生します。方形パルス形状か らのずれ、すなわちコンボリューションと出力が、MTAディ ジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で補正されます。ADC の出力は、高速フーリエ変換を用いることによって、時間ま たは周波数ドメインで簡単に解析できる復調ジッタ信号が得 られます。 シンセサイズド・サンプリング周波数とDSPにより、MTAは ジッタの復調/解析に最適なツールになります。ただし、繰 り返しサンプリングのため、低速の過渡現象は検出されない 可能性があります。 3.2.3 71501Dジッタ解析システム 図13は、SONET/SDH/OTNジッタ解析用の71501Dセットアッ プのブロック・ダイアグラムを示したものです。71501Dジッ タ・ソース、クロック、パターン・ジェネレータは、セクシ ョン2.3.2(7ページ)で説明した10ギガビット・イーサネット のストレス・アイ・レシーバ・テスト用に図7(7ページ)に組 み込むことも可能です。これは、図5(ページ5)の基本構成と 同じで、変調テスト・セットが追加されています。変調テス ト・セットは、以下の2つのことを実行します。印加ジッタ 周波数を拡大し、クロック・ソースからコモン・モード・ジ ッタを除去して、ノイズ・フロアを低減します。71501Dには、 標準のSONET/SDHレート(155、622、2488、9953Mb/s)用の ハードウェア・フィルタが付属しています。完全な周波数ア ジリティを確保するために、任意レートのフィルタを実装す るためのテンプレートも含まれています。フィルタは、ジッ タ生成用のスペクトラムを設定するためだけでなく、ポス ト・プロセッシングやその後の伝達関数の精度を劣化させる 高調波を除去することができます。 ジッタを測定するには、ジッタのないデータ・パターンを使 ってDUTをシミュレートします。DUTにより復元されたクロ ックはMTAによってサンプリングされます。時間と周波数の 両方のドメインの復調ジッタ信号とリファレンス・クロック の表示は、ジッタの多い環境での有用なデバッグ・ツールで す。復調ジッタ信号の実効値レベルから、ジッタの実効値 Jrmsが測定され、復調ジッタ信号のp-p値からp-pジッタJppが 求まります。 ジッタ伝達関数を測定するには、パターン・ジェネレータが、 ジッタ耐力を測定するには、86130Aや71612Cなどのアナラ イザ(またはエラー・ディテクタ)を内蔵したBERTが必要で す。ジッタ伝達関数の場合、図12(13ページ)に示されている ように、印加ジッタ周波数を中心とする狭い帯域で、DUTか ら 受 信 し た ジ ッ タ 振 幅 と デ ー タ に 印 加 し た 振 幅 の 比

XTfer(fJ)=Aout(fJ)/AAppl(fJ)を正確に測定するために、2つの入

力チャネルを同時に(10ps以内で)サンプリングします。カス タム仕様はもちろん、周波数レンジやインターバルもユーザ が設定できます。71501Dは、入力レートと出力レートが違う デバイスのジッタ伝達関数を測定することもできるので、マ ルチプレクサやデマルチプレクサのテストに最適です。 ジッタ・ ソース クロック 71501Dジッタ・テスト・セット 被試験 デバイス データ 出力 エラー・ ディテクタ パターン・ ジェネレータ ビット・エラー・レート・テスタ 変調テスト・セット 印加ジッタ 信号 ジッタのある クロック 図13. 71501Dを用いたジッタ解析用のテスト・セットアップ。このセットアップには、SONET/SDHテスト用の完全なBERT(すなわち、 エラー・ディテクタを備えたパターン・ジェネレータ)が含まれています。

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ジッタ耐力を測定するために、DUTにより復元されたクロッ クがBERTエラー・ディテクタに供給され、DUT信号がエラ ー・ディテクタによって解析されます。SONET/SDH/OTNの 適合試験以外にも、ユーザはパス/フェール・ステータスを 決定するためのBERレベルを設定することができます。また、 各テスト・ポイントのジッタ振幅のマージン(%)を調整して マージン・テストを行うこともできます。さらに耐力サーチ 機能もあります。このモードでは、71501Dは最初に、ジッ タ・レベルをテンプレートのジッタ・レベルに設定してBER テストを実行します。その後、ユーザ定義の係数分だけジッ タを増加し、BERリミット値かテスト・システムの生成能力 のいずれかを上回るまで、BERテストが実行されます。サー チ係数は、ほとんどすべてのBERでAAppl(fJ)を測定できるよ うに、正または負のレベルに設定することが可能です。 3.2.4 71501Dの仕様の概要 71501Dは、SONET/SDH/OTN規格に従って、ジッタ、伝達関 数、耐力を自動的に測定します。また、50Mb/s∼12.5Gb/sの データ・レートで、10Hz∼80MHzのジッタを印加して、ジッ タを測定することができます。ジッタのノイズ・フロアの実 効値とp-p値は、それぞれ2mUIと20mUIです。ジッタ測定の 再現性は±10%です。 71501Dは、カスタマイズ可能なテンプレートだけでなく、 SONET/SDHの伝達関数/耐力適合試験用の標準テンプレー トも備えています。また、正弦波、方形波、三角波、ランダ ム信号のさまざまな周波数レンジのジッタを印加することが できます。10ジッタ伝達関数測定の不確かさは、印加ジッタ 周波数によって異なります。 ●±0.05dB(10Hz∼500kHz)±0.01dB(500kHz∼4MHz)±0.02dB(4MHz∼80MHz) 10ギガビット・イーサネット規格のストレス・アイ・レシー バ・テスト・システムでは、71501Dは校正されたジッタを DUTに印加することができます。

3.3 固定データ・レートでの位相に敏感な検波:

OmniBER

3.3.1 アプリケーション OmniBERには多くのモデルがあり、さまざまなレート・セッ トの各種SONET/SDH、光伝ネットワーク(OTN)、非同期転

送モード(ATM)、Packet Over SONET(POS)テスト・スイー

ト を 提 供 し て い ま す 。 主 と し て 、 こ れ ら は 1 . 5 M b / s ∼ 10.71Gb/sのデータ・レートをカバーするSONET/SDH/OTNフ ァンクション/データリンク層テスト・セットで、光トラン スミッタとレシーバが内蔵されています。機能の一部として、 SONET/SDH/OTNフレームド・データ、トランスミッタ/レ シーバのアラーム/エラーでのイベント・トリガ、すべての STS/AU信号、エラー、アラームの監視、フレームの捕捉、 オーバヘッド・シーケンスの生成/捕捉、サービス中断/ア クティブAPSテストなどの自動保護スイッチンング(APS)テ ストがあります。物理層のテストには、BERテスト、受光パ ワ ー の 測 定 、 デ ー タ ・ レ ー ト の 公 称 レ ー ト か ら の 偏 移 、 SONET/SDH/OTN適合レベルを上回るジッタのテスト(オプ ション機能)が含まれます。ジッタ・テストは、本書で扱っ ているOmniBERの唯一の機能です。 OmniBERは、ジッタ、ジッタ耐力、ジッタ伝達関数、さらに ソフトウェアがインストールされていれば、ワンダを自動的 に測定できます。標準のSONET/SDH/OTNやE1/E2/E3/E4/ DS1/DS3クロック・レートに限られているため、周波数アジ ャイルではありません。セクション2.5(9ページ)で説明した ように、OmniBERには、データだけのジッタを測定するため に特別に設計されたクロック・リカバリ(CR)回路が内蔵さ れています。

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3.3.2 位相検波器を使ったジッタ解析 OmniBERは、図14に示されているように、DUTから復元され たクロック出力が得られない場合には、位相検波器を使って、 DUTのクロック・リカバリ出力またはデータ出力からのジッ タを測定します。DUTのクロックか、OmniBERのCRによる 復元されたクロックのいずれかが混合されます。データ信号 とリファレンス・クロックは、フェーズ・ロック・ループ (PLL)回路によって直交位相に保たれます。ミキサの出力は、 SONET/SDH/OTN規格のバンドパス・フィルタで、高周波成 分が除去され、必要なジッタ帯域の復調ジッタ信号ϕ(t)が 生成されます。OmniBERは、ジッタ信号を解析して、標準の ジッタ測定値を抽出します。また、オシロスコープ、ディジ タル・コミュニケーション・アナライザ、スペクトラム・ア ナライザ用の復調電圧出力を提供するので、大きなジッタの あるDUTのデバッグにも最適な診断ツールです。 OmniBERのCR回路は、セクション2.5(9ページ)で説明した データ信号のジッタの通過条件を満たしています。この回路 は、内部クロックをデータの遷移と同期させるだけでなく、 SONET/SDH/OTN規格をはるかに下回るジッタの測定機能、 広い帯域幅、必要な帯域幅全体にわたる平坦な伝達関数を備 えており、データのジッタを位相検波器に渡します。 復調ジッタ信号をリアルタイムで監視して、RJとDJを区別す ることなくJrmsとJppを得ることにより、ジッタを測定します。 p-pジッタは、ユーザ定義の測定時間で監視され、測定時間 が終わる度に結果が更新されます。 伝達関数/耐力テストでは、OmniBERは内蔵のシンセサイザ を使って、SONET/SDH/OTN規格の振幅と周波数を持つ正弦 波ジッタを生成し、パターン・ジェネレータを管理するクロ ック・ソースに与えます。外部入力は、ジッタ注入に用いる こ と も 可 能 で す 。 デ ー タ ・ パ タ ー ン は 、 フ レ ー ム ド SONET/SDH/OTNデータか、アンフレームド擬似ランダム・ バイナリ・シーケンス(PRBS)が可能です。OmniBERには完 全なBERT、専用のリファレンス・クロック・ソース、ジッ タ・クロック・ソースが組み込まれているため、ジッタ耐力 を簡単にテストできます。ジッタ耐力/伝達関数は、対応す るSONET/SDH/OTNマスクを使ってグラフィック表示や自動 実行が可能です。 OmniBER ジッタ解析 セクション 被試験 デバイス データ出力 データ入力 クロック出力 (使用可能な場合) ジッタ・ソース ジッタのあるクロック トランスミッタの クロック・ソース リファレンス・ クロック・ソース バンドパス・ フィルタ 復調ジッタ出力 外部ジッタ 変調入力 PLL パターン・ ジェネレータ クロック・ リカバリ マイクロプロセッサ 図14. OmniBERのジッタ解析システムは位相検波器を使用します。

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3.3.3 OmniBERのジッタ解析仕様の概要 OmniBER 2.5Gb/s製品(718、719、725モデル)は、1.5Mb/s∼ 2.5Gb/sの固定データ・レートで、SONET/SDH規格に準拠し た測定を自動的に実行します。異なるノイズ・フロアを持つ、 2つのオプション(CR回路を含む)を利用できます。オプショ ン200は50mUI以下のノイズ・フロアを持っていて、オプシ ョン210は35mUIです。 OmniBER OTNは52Mb/s∼10.71Gb/sの固定データ・レートで、 SONET/SDH/OTN規格に準拠した測定を自動的に実行しま す。ノイズ・フロアは70mUI以下で、CR回路が内蔵されてい ます。詳細なマージン・テストを含め、伝達関数マスクや耐 力マスクは、ユーザが制御できます。OmniBER OTNに固有 の機能として、5種類の周波数バンドで同時にジッタを測定 でき、特定のジッタを簡単に識別できます。 ジッタのp-p値/実効値測定におけるジッタ測定ノイズ・フ ロアおよび再現性、ジッタ伝達関数の確度については、表2 に示されています。

3.4 サンプリング・オシロスコープによるジッタ

解析:86100 Infiniiumディジタル・

コミュニケーション・アナライザ

3.4.1 アプリケーション Infiniiumディジタル・コミュニケーション・アナライザ (DCA)は、高速サンプリング・オシロスコープで、p-pジッ タ(Jpp)、実効値ジッタ(Jrms)などの様々なパルス形状/ア イ・ダイアグラム測定を実行できます。Infiniium DCAは、ジ ッタ耐力/ジッタ伝達関数の測定はできません。また、現在 デターミニスティック・ジッタ(DJ)とランダム・ジッタ (RJ)を分離するためのソフトウェアも内蔵されていませんが、 セクション3.4.4(19ページ)で説明するように、DCAによっ て累積されたデータ・セットをPCにダウンロードして、DC とRJをオフラインで分離することは可能です。このようにし て解析されたデータ・セットには、高速サンプリング・タイ ム・インターバル・アナライザ(TIA)から得られる情報と同 様の重要な情報が含まれています。 表2. OmniBERのジッタ・ノイズ・フロア、再現性、伝達関数の確度 ビット・レート ジッタ振幅の ノイズ・フロア ジッタ周波数の 再現性 (Gb/s) 範囲(UI) UI p-p UI rms 範囲(MHz) 0.622 <1.6 0.05 0.004 0.001∼0.3 ±2% 1.6∼16 0.07 0.015 0.3∼1 ±3% 16∼256 8 1.6 1∼3 ±5% 3∼5 ±10% 2.488 <1.6 0.05 0.004 0.005∼0.3 ±2% 1.6∼64 0.1 0.03 0.3∼1 ±3% 64∼1024 24 8 1∼3 ±5% 3∼10 ±10% 10∼20 ±15% 9.95/10.7 <0.070 <<0.070 0.02∼0.3 ±2% 0.3∼1 ±3% 3∼10 ±10% 10∼80 ±15% レシーバの ジッタ伝達関数 ジッタ(UI) の確度(dB) >0.3 0.04 0.3∼0.1 0.15 0.1∼0.03 0.25 0.03∼0.01 0.5 0.01∼0.03 1 0.003∼0.001 3

参照

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