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魚類血液の生化学的研究XV : 血清蛋白質と色素イオンの結合性にみられる種属特異性

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(1)

魚類血液の生化学的研究XV : 血清蛋白質と色素イ

オンの結合性にみられる種属特異性

著者

斎藤 要

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

9

ページ

1-15

別言語のタイトル

Biochemical Studies on the Fish Blood XV : On

the Species Specificity in the Combinatuib of

Serum Protein with Anionic and Cationic Dyes

URL

http://hdl.handle.net/10232/13884

(2)

第 9 巻

鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要

昭和35年12月

魚 類 血 液 の 生 化 学 的 研 究 一 X V

一 血 清 蛋 白 質 と 色 素 イ オ ン の 結 合 性 に

みられる種属特異性一

斎 藤 要 BiochemicalStudiesontheFishBlood-XV OntheSpeciesSpeciiicityintheCombinationofSerum ProteinwithAnionicandCationicDyes KanameSAIT5 Abstract Combinationoffishserumproteinwithacationicdye‘methyleneblueandwith twoanionicdyes,methylorangeandbromophenolblue,wasstudiedbyequilibrium dialysis,paperelectrophoreticanalysisandspectrophotometry・Theresultsobtained weresummarizedasfollows、 1)Astothebindingabilitywithmethylorangeofvariousserumproteins,it wasascertainedthataconsiderableamountofmethylorangecanbeboundwiththe serumproteinofteleostssuchas,SCO版6GF。r”eノノzoc”〃αI郡,Mノワルo〃叩"1“"s,Cカノツ”‐ pルノッ8ノ"αjoハ、“"“rノカy”“,CO〃p〃αe"αノi”"ノ・",FandMZ堰〃cepルα/“,andalsowith themammaliansemmprotein(1.abbitandbovine),buttotheserumproteinof elasmobranchssuchasDα”α"‘s'αkfZ/α,似恋reノ“gノ・』‘Fg“,Oノ・ecro/obzJsjZmo"IC“and “ノ℃力αノ伽唖αノ6/mα増加αr”,suchbjndingabilitywaebarelyobserved.(Fig.1).while, theamolmtofmethyleneblueboundtosemmproteinwasfoundtobequitesmall inanycases.(Fig.2).Incaseofteleosts,thebindingabilitywithmethy1orange ofserumproteinvariedwithkindsofiishandwasfoundinthefollowingorder, Bovine(contro])>Scom6eI・mpej"ocepAα/"s,、ノiz"z””ノカy""畑>CルノッJQpルノッw"α/or, M1壇〃cep〃α/"8, 2)Intheelectrophoreticdlagramsobtainedfromthemixtureofserumand bromophenolblue,incaseofteleostsandcontrolanimalsthereweretwopeaksof AandB,whileinelasmobranchstherewasone(A)peakonly.(Fig.5).PeakA (purple)isoccassionedbyfreebromophenolblueandPeakB(blue)isbroughtforth bythecombinationofalbuminfractionandbromophenolblue、Namely,incaseof serumproteinofteleostsandcontrolanimalstherewereobservedthecombination ofbromophenolbluewithalbumincomponentandametachromaslsaccordingto thiscombination,butincaseofserumproteinofelasmobmnchsnosuchphenomenon couldbeobserved, 3)Intheadsorptionspectraobtainedfromthemixtureofsemmandbromo‐ phenolblue,incaseofelasmobranchstheadsorptionmaxlmumwasobserved,asm thecaseoffreebromophenolblue(blank),atabout595m",whileinte]eostsand controlanimalsthemaxlmumwasatabout605m座.(Fig.6).Thatis,theserum proteinofelasmobranchsdoesnotshowmetacromasis・Inthecaseinwhichme‐ thyleneblueandcongoredwereusedinplaceofbromophenolbluenosuchdifTer‐ enceinadsorptionmaximumwasfoundbetweenanysamples.(Fig.7and8).From theseresultsithasbeenascertainedthattheserumproteinofelasmobranchs,unlike thatofteleostsorhighervertebrates,islackinginalbumincomponentwhichisrich incationradicals,

(3)

2 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960) 1.色素イオンの結合能*

最近,蛋白質と色素イオンとの結合量を測定して,蛋白分子内にある近づき易く,且つ

自由にイオン化出来る基を簡単に定錘することが可能となり,これによって蛋白質の性質

とか組成を比較し得るようになった.

Klotz等')の研究によって,浦乳動物では血清蛋白質の種類により色素イオンの結合量が

著しく異ることが明らかにされているから,各種動物の血清蛋白質について色素イオンの

結合量を求め,これを比較検討することにより組成の一端を伺うことも可能と考えられる.

しかし魚類を対象としたこの種の研究は未だ行われていなよいうである.

著者は平衡透析法によって魚種別に血清蛋白質と色素イオンとの結合量を求めたところ,

硬骨魚類と軟骨魚類とでは該蛋白質とmethylorange(anion)との結合量に著しい差異の

あることと,その差異は前報2,3,4)で述べた魚類血清蛋白質の組成にみられる種届特異性と密

接な関係のあることを確認し得た. 実 験 の 部 実 験 材 料

実験材料の選択にあたっては前報5)で述べた事項に留意し,同種の材料には出来得る限り

環境及び生理,生態的諸条件の類似したものを用いた.

魚種:供試魚の種名と各々の平均体重を示すと次の如くである.

硬 骨 魚 類 . ィ C y j ワ ノ ” , s c a I ‘ 〆 o ( L I N N も ) 5 3 0 9 ポラMZIgi/cepルα/"sLINNf 480g

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アラノVゆAo7zs”20皿sCuvIERetVALENcIENNEs 1,420g

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ゴマサバScom6eノ.r”e加oc”ルα/",FBLEEKER960g カシオKtz/sw。"IIsPe/α"7js(LINN自)1,310g マ グ ロ T7iz”、sオルJノ"""s(LINNも)71kg 軟 骨 魚 類 シロザメMZJsre/zJsgr・酌g"sPIETscHMANN2,180g オ ォ セ O F e c r o / 0 6 " s j ” o " j a I S R E G A N 2 2 k g ツマジロCa1℃ルα,.〃""sα/6”α咽"7αr"s(RtjppLL)14kg アヵェィ、α”αがsα”ei(MtjLLERetHENLE)1,890g ツノザメS9"α/zJs〃7"s城”〃JORDANetFOWLER11kg

対照動物としては人間,家兎及びウシを用い,また標準血清蛋白質としては精製albumin

(米国.ArmourLab,牛血製)を用いた.

採集の時期と水域:供試海産魚類は1958年10月から1959年3月までの間に鹿児島湾及

びその近海で採集したもので,当時の水温.は表層で17∼19℃,100米層で13∼14°Cを示

*本報告は1959年4月日木水産学会年次大会(東京)て発表した.

(4)

、 斎藤:魚類血液の生化学的研究一XV 3 した.またコイは鹿児島市内の養魚池より同時期に求めたもので当時の水温は10∼14℃で あった. 実 験 方 法

採血法:採集直後直ちに,魚体の胸部或は鮒孔の後部膜を切開して心臓を幾分露出させ,

注射針を動脈球から心室の方向に入れ,心臓の収縮期に従って採血した.

血清の分離法:血液を氷蔵庫(4∼6°C)中に約6時間放置した後に遠心分離(3,000r、p、m,

10分間)して得られる血清を使用した.

血清蛋白質溶液の調製:分離した血清をセロファン紙蕊に入れ,MOI/15燐酸塩緩衝液

(PH7.3)中において約4℃で20時間透析した後,所定濃度(蛋白態窒素2.5∼3.0mg/5

mI)の溶液を調製した.なお必要に応じて血清をそのまま同緩衝液で所定濃度の蛋白質溶

液となるように稀釈して用いた.

結合量の測定法:KIotz氏6)の用いている平衡透析法に準拠した.即ち色素溶液と蛋白質

溶液をセロファン膜で界し,両者が平衡に達した後,色素溶液の濃度を測定し,一方対照 として蛋白質を含まないだけで,その他は同一条件とした場合の色素溶液の濃度を測定し, 両者の差から蛋白質と結合した.色素量を算出した. 色素としてはanionのmethylorange(国産特級品の再結晶品)とcationのmethylene blue(Merck製,化学用)を用いた. methylOrange

11−nS−GN二N-GN(CH,),

methyleneblue

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透析器:セロファン紙はかなり色素を吸着するので表面積の僅かな差も大きく影響する ことになる.methyleneblueの場合は特にこの傾向が強くみられた.そこで表面積を一定

にするため著者は直径31mm,長さ60mmの硝子管の一端にセロファン紙をはりつけた

透析器を用いた. 管の側面にセロファン紙を密着させるためゴムバンドを数回まき,その上に融点約60℃ のパラフィンを塗り,ゴムバンドの部分とセロファン紙の折り曲げた部分を完全にパラフィ ンで覆う.セロファン紙は予め蒸留水で30分間煮沸した後,新しい蒸留水に一夜浸漬した ものを用いた.また用いたセロファン紙は略を均質とみなし得ることは一枚の紙から9個 の切片を切り各煮前記の如くして作った透析器を用いて,methylorange(濃度10×10-5 MCl/ノ)を溶媒に対し透析し,平衡達成後,色素の濃度を測定した結果,信頼限界度5.52± 0.04×10-5MCl//を得たことから諒解される.

透析操作:前記の血清蛋白質溶液5m/を透析器内に入れ,これを一列の濃度の色素溶液

10mIを入れた管瓶中に各☆浸し,管瓶にゴム栓を施し,6∼8℃の冷室に48時間静置す

(5)

■ 4 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960)

る.なお管瓶底面と透析器のセロファン紙とが密着しないように,直径約3mmの硝子棒

を三角形に折り曲げたものを敷いて,その上に透析器を置いた.

色素の結合凧及び結合能力の比較:平衡達成後,色素溶液柚中の色素濃度を比色定量す

る.(EPO-II日立光電光度計,液層巾1cm,測定波長methylorange溶液では460坪,

methyleneblue溶液では670mメ‘).この濃度〔A〕は結合に与らなかった色素の濃度であ

る.同様にして対照(色素溶液一蛋白質の溶媒系)における色素の平衡濃度〔A・〕を求める

と,〔A、〕一〔A〕から蛋白質と結合した色素の最がわかる.この結合量から各種血清蛋白質

の色素に対する結合能力を比較するため,色素濃度を広い範囲に変化させて検討し,Klotz

氏等6)に従い色素濃度〔A〕(対数目盛)と蛋白態窒素1mg洲りの色素結合11tγとの関係

を図示した. 実 験 結 果 A・実験条件の吟味

結合蛙の測定は前述の平衡透析法によったが,更に二・三の実験条件について検討した.

緩衝液のpHと色素濃度の影響:Klotz氏等8)のウシの血清albuminについての結果で

は,燐酸イオンは.色素と蛋白質の結合を妨げることが最も少ないとされている.そこで本

実験でも燐酸塩緩衝液(Mol/15KH2PO4-Mol/15Na2HPO4混液)を用いたが,次に家兎の

血清蛋白質を試料とし,methylorangeとの結合に及ぼす緩衝液のpHと色素濃度の影響

について検討・した結果をTablelに示した. Table1.InfluenceofpHofM./l5phosphatebuHer solutionuponthebindingofmethylo・angc torabbitserumprotein. Concn,ofdye (10−6M./1.) 40 80 pH5.3 13.5 28.5 Bounddye(10-8M.) pH7.3 13.5 28.8 pH8.7 13.8 29.2

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cellophanefor48hr・at6∼8℃、Controldialysiswassetupinordertomakecor-rectionforadsorptionofdyeonmembraneitself、Amolmtofbounddyewascalculated fromthedifferenceintheequilibriumconcentrationoffreedyeintheoutsidecell betweenprotein-containingdialysissystemandcontrol.

この結果によると,実験のpH域では何れのpHでも結合量に大差のないことが諒解さ

れ,このような結果はコイ及びシロザメの血清蛋白質の場合にも認められた.更に色素濃

度を2倍にしても結合蛾が2倍になるとは限らないことも明らかである.

以上の結果に基き本実験では血清の生理的pHに近いpH7.3の燐酸塩緩衝液を使用し,

色素濃度を比較的広い範囲に変化させて実験した.

緩衝液中の蛋白質濃度の影響:対照試料とした標準血清albuminとウシの血清蛋白質を

用い,これらとmethylorangeの結合に及ぼす蛋白質濃度の影響について検討した結果を

Tabel2に示した.この結果によると,試料液の蛋白質濃度が増加しても,それに比例して

結合量は増加しないことが認められる.従って本実験では,蛋白質濃度が25∼3.0mg/5m/

になるように条件を規定して実験した.

(6)

5 斎藤3魚類血液の生化学的研究一XV 28.5 19.5 11.2 B、血清蛋白質とmethyIorange及びmethyleneblueとの結合

透析血清の結合曲線:前述の条件で調製した供試材料の血清蛋白質溶液を用い,methyl

orange及びmethyleneblueの所定濃度における該蛋白質の色素結合最γを求めて得た結

合曲線はFig.1及び2の如くである.なお,この結果は各材料とも6∼10個体について

求めた値の平均値である.

Fig.1の〔A〕は対照とした標準血清albuminとウシの血清蛋白質の結合曲線であるが,

両者共にmethylorangeの濃度に応じてかなりの結合量を示すことは明らかである.また

単位蛋白態窒素量当りの結合量は前者が後者よりかなり多い結果となっている.

次に図の〔B〕,〔C〕は硬骨魚類に属するボラ,マグイ,アラ及びゴマサバ等の結合曲線

であるが,これらの硬骨魚類でも血清蛋白質はmethylorangeとかなり結合することは明

らかである.しかし各麦の結合能力は対照動物の場合より一般に小さく,魚種により若干

の差があることも伺える.即ちゴマサバとかマグロの如きiIl1泳魚はマグイとかボラ等より

結合能力が高い結果となっている.魚肉のactomyosinに対するmethylorangeの結合量

にも魚種による差のあることを右田,大竹氏等が報告7)している.

図の〔D〕は軟骨魚類に属するシロザメ,オオセ,ツマジロ及びアカエイの結果であるが,

これらの魚類の場合は血清蛋白質とmethylorangeとの結合が明らかでない.即ち対照動

物及び硬骨魚類の場合に比べ結合能に著しい差異が認められる.

Fig.2はcation色素であるmethyleneblueの場合の結果であるが,これによると対-照

動物及び各供試魚共に血清蛋白質とmethyleneblueとの結合能は;極めて小さいことが諒解

され,anion色素の場合にみられたような顕著な種属的差異は認められない.

原血清の結合曲線:軟骨魚類と硬骨魚類とでは血清の成分組成,特に非蛋白態窒素化合

物量5)に著しい差異がある.そこで,これらの物質(主として尿素とtrimethylamineoxide)

が共存した場合の影響を知る意味で,透析処理をしない原血清を用いてmethylorangeと の結合曲線を求めてみた.その代表的な結果がFig.3である. これによると,各試料とも原血清の場合も透析血清の場合と略,々同様な結合曲線を示す ことが諒解される.Klotz氏等9)は高濃度の尿素が血清albuminとmethylorangeとの結合 を妨げるばかりでなく,既に出来上がっている結合をも切ると報告しているが,本実験条 件下では原血清(供試軟骨魚の.血清尿素量762∼897mg/d/)をそのまま使用しても血清蛋 Table2.Influenceofproteinconcentrationuponthe bindingofmethylorangetoserumProtem. Concn・ofdye40×10−6M./1.,M./l5posphatebuffersolutionpH7.3. *ThebovineserumalbuminwasobtainedfromArmour Laboratories(U、S、A、). 粋Dialyzedserum. Bovine** Bounddye (10-8M.) Concn・ofprotein (Nmg./5,1.) Sample 22.2 15.4 8.7 005 曲■■ 631 000 。●& 421 Albumin*

(7)

︷0 鹿児島大学水産学部紀要Ⅱ第9巻(1960) 50100 〔A) 5 1 0 5 0 1 0 0 20 (C〕 〔B〕 20 o ゴ マ サ バ ・ Scombeγねァ“ノz,OCCノワノiI匹処s

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C/ZTySOp/Z可S/7ZaJ” ろ[×、押拒池 5 1 1 5 「 ︵の①[○[員︶①拷口己ロゴ○画 ロ①切○淵揖ロロ画]O消山 0 . ' 5 一園 8 [Ⅱ 5 6 5 ロ①即○料﹄︻ロロ﹃の砦○揖四 0 '0 Fig.1.Bindingofmethylorangetoserumproteinsofiishesand bovineinphosphatebuffersolutionatpH7.3. 〔A〕:Control.〔B〕:Marineteleosts.〔C〕:Marineteleosts. 〔D〕:Marineelasmobranchs,

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混合血清の結合曲線:前述の如く軟骨魚類の血清蛋白質はmethylorangeとの結合が顕

著でないが,これに結合の顕著な標準血清albumin及び他の供試血清を種煮の割合で混合

した場合についても結合量を求めてみた.次に等蛋白質量混合液について得られた結合曲

線をFig.4に示した.

この結果よりも明らかな如く,シロザメとかアカエイ等の血清に標準血清albumin,ウ

シ及びマダイ等の血清を混合すると色素濃度に応じてかなりの結合量を示すようになる.

このような傾向は透析血清を用いた混合血清の場合にも同様に認められた.なお軟骨魚

類の血清には生理的pHに近い燐酸塩緩衝液の添加によって沈殿する易動度の極めて低い

特殊な蛋白質の存在することを発見10)しているが,この蛋白質を透析管中に共存させた場合

5 1 0 5 0 1 0 D Freedye×106M./1.

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aめjノ7zαγy2,凡α,"s ﹃8 5 1 0 5 0 I D O Freedye×106M./1. で石口。○四 白質と該色素の結合性に対する共存成分の影響は殆んどないことが明らかである. 混合血清の結合曲線:前述の如く軟骨魚類の血清蛋白質はmethylorangeとa 5

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(8)

(C) 斎藤:魚類血液の生化学的研究一XV ︵。“︹画︶口の助○消揖ロロ﹃①]○消四 l ︵の当C[口︶の湯で己ロゴ○四 7 5『 、 Freedye×106M./1. Fig.3.Bindingofmethylorangetoserum offishesandbovineinphosphatebuffer solutionatpH7.3.

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*本報告は1958年11月,日本水産学会九州大 会で発表した. 厨 ③○

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〔D〕:Marineelasmobranchs. 15 5 1 0 5 0 1 0 0

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も除去した場合も両色素の結合性に殆んど

変化のないことを確認している.

2.色素イオンによる変色'性 (metachromasis)*

A,血清と色素混液の泳動図にみられる

metachromasis

魚類の血清蛋白質の漉紙電気泳動法によ

る分析結果については前報3)で述べたが,

著者はその実験中に血清蛋白質とbromo‐

phenolblueとの結合現象について興味あ ろ[×

(9)

a 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960) 日 F、1 3 5' 15 『 0 2 § ]

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泳動装置:東洋穂紙式電気泳動装置C号を一部改造して用いた.即ち本装置附・属の開放

型電極槽を密閉型とし,装置を自製の氷箱中に納め得るように改造した.(詳細は前報3)参

照)

泳動条件:前報3』で検討した結果に基づき東洋臆紙No.51と燐酸緩衝液(pH7.8,‘"0.1)

を用い,電流値0.32mA/cm,泳動時間15時間,泳動温度6∼8°C,蛋白質濃度0.2∼0.3

mg/cmの条件で泳動した.

泳動曲線:泳動後の漉紙を乾燥後,流動パラフィンに浸し,東洋理化工業式浦紙光電比

色計(S-1型,hlterV=02)によって求めた. OH 8 r、 △ T h e equalconcentration. 串0 B 5 1 0 5 0 1 0 0 5 1 0 5 0 1 0 0 ー l Freebye×106M./LFreedye×106M./1.Fr, Fig.4.Bindingofmethylorangetomixedserumin] buffersolutionatpH7、3. mixturescontainedeachserumproteinsinapproximately . ’ 5 1 0 5 0 Freedye×106M./L inPhosphate 、 bromophenol blue HO B1、

る事実を見いだした.即ち施紙電気泳動法では相対-易動度を求める際の基準となる血清

albuminの一定時間後における移動量を簡単に知るために,予め血清albUmin叉は,人間の

血清にbromophenolblueを混合して泳動することがある.この方法をたまたま軟骨魚類の

血清に適用したところ,同魚類の血清蛋白質は,他の供試動物の場合と異なりbromophenol

blueの結合に伴うmetachromasisを起さないという種属特異性のあることを確認し得た.

実 験 の 部 実験に供した魚種及び各交の平均‘体重並びにそれらの採集時期及び水域等は本報lと同 様である. 実 験 方 法

血.清一色素混液の調製:bromophenolblue(国産特級品),methylorange(国産特級品),

methyleneblue(Merck製化学用)及びcongored(国産一級品)を用い,各友の血清飽

和溶液を調製した. C B r B r

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(10)

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9 A:Purplecoloredpeak. B:BluecoloredPeak. 斎藤:魚類血液の生化学的研究一XV 実 験 結 果 bromophenolblueと血清混液の泳動図:供試血清の該色素飽和溶液を所定条件下で泳動 し,櫨紙光電比色計により求めた泳動曲線を示すとFig.5の如くである.図の〔A〕は blomophenolblueのみを単独で泳動した場合の結果であるが,anion色素であるbrOmo‐ phenolblueは陽極に向ってかなり移動することが諒解される.図の〔B〕は標準血清 albuminとbromophenolblue混液の泳動曲線であるが,この場合はAとBの二つの泳動峰 がみられる.Bはalbuminとbromophenolb]ueの結合物の泳動峰で,Aはalbuminと は結合しない遊離のbromophenolblueの泳動峰であることは各尚の易動度より確認でき る.この場合A峰は紫色であるのに対しBI峰は青色を呈した.この事実より血清albumin はbromophenolblueと結合すると共に変,色現象,即ちmetachromasisを起すことが諒解 される. 図の〔C〕はウシの血清にbromophenolblueを混合した場合の泳動曲線であるが,この 場合には〔B〕の血清albuminの場合と同様にAとBの泳動峰が認められ,albumin以 (A) B・PB.(blank) 0.0 5 4

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8 10 ウシb⑥vine・ A 〔A〕,〔B〕and〔C〕:Control. 〔D〕and〔E〕:Teleosts. 〔F〕and〔G〕:Elasmobranchs. 05432 0 T g m

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6 8 1 0 A

(11)

10 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960) 外の蛋白質(α1,α2,β及びγ-globulin区分)の泳動部分にはbromophenolblUeによる 着色,即ち結合が認められない.勿論これらのglobulin区分でも,常法'1)により変性剤 (HgCl2)を含むblomophenolblue溶液で染色すると着色する.(前報3)参照) 図の〔D〕と〔E〕は硬骨魚類に属するコイとマグイの泳動曲線であるが,これらの場合 も対照動物の場合と略為同様に2個の泳動峰とmetachromasisが認められる.このような 現象は他の供試硬骨魚の場合にもみられた. 一方軟骨魚類に属するシロザメとアカエイでは〔F〕及び〔G〕に示した如く,〔A〕の場 合と略倉同様な泳動曲線を示す.即ちAの泳動峰のみがみられ,対照動物と硬骨魚類に翠 られたBの青色の泳動峰は認められない.このような現象は他の供試軟骨魚の場合にも確 認された.以上の事実より,軟骨魚類の血清には他の実験材料にみられるようなalbumin 区分が殆んど存在しないことが証明され,そのために同魚類の血清蛋白質はbromophenol blUeとmetachromasisを起さないという種届特異性を示すことが諒解される. 他の色素と血清混液の泳動図:平衡透析法ではalbuminと明らかな結合を示したmethyl orangeについても同様な条件で泳動図を求めて承たが,本色素は所定時間における陽極に 対する易動度がalbumin区分より小さく,bromophenolblueの場合にみられたような同 区分との結合とか,それに伴う変色現象が認められなかった. この結果より同じくanion色素であるがbromophenolblueの方がmethylorangeより も,血清albUminとの結合が強固であると推定される.次にcation色素であるmethylene blueでは血清蛋白質とは逆に陰極側に泳動し,またcongoredでは通電しても原点附・近に 止まり,これらの両色素と血清混液の泳動図には種属的差異は全く認められなかった. B・血清と色素混液の吸収曲線*

蛋白質と色素混液の吸収曲線についてはKlotz9),Teresil2)氏等の詳細な研究がある.

前述の如く,軟骨魚類では血清とbromophenolblue混液の泳動図にmetachromasisが 認められないのに対し対照動物と硬骨魚類の場合には顕著なmetachmmasisが認められ た.このようなmetachromasisが起きると,当然色素原液と混液との間に最大波長の変化 が伴うと考えられる.そこで炉紙上で認めた前述の現象を更に確認する意味で分光光電光 度計を用い,血清にbromophenolblue及び,他の色素を加えて吸収曲線を求めたところ, metachromasisを更に数値的に解明できた. 実 験 の 部 実 験 材 料 実験に供した魚種及び各友の平均体重並にそれらの採集時期及び水域等は本報1.と同様 である. 実 験 方 法

血清一色素混液の調製:使用した光電光度計の性能を考慮して,種禽検討した結果に基き,

血清0.2,Jに所定pHのMol/15燐酸塩緩衝液2,Jを加え,これに0.015%bromophenol

b1ue溶液0.1m1,またmethyleneblueとcongoredの場合は0.01%溶液0.1mIを添加

して波長の測定に供した.なお標準血清albmninでは蛋白態窒素1mg/mノの溶液,また *本報告は1958年11月,日本水産学会九州大会で発表した.

(12)

斎藤s魚類血液の生化学的研究一xV li

透析血清の場合は蛋白態窒素2.5mg/mノの溶液を調製し,これらの0.2mjを用いた.

吸収曲線の作成:日立分光光電光度計EPU 2型で求めたDを縦軸に,横軸にス(皿)

をとって表わした. 実 験 結 果

bromophenolblueと血清混液の吸収曲線:pH7.3の燐酸塩緩衝液を用い,前述の条件

で調製したbromophenolblueと血清の混液について求めた吸収曲線をFig.6に示した.

0,6 C、4 , 0.2 、I、 皿目 0.4 , 0.2 :咽Ⅱ nL6 0.4 , 0.2 〔A〕 /V沙s”雌s9γZ‘s“s 5r705805906006IO620630 入(m僻) 〔C) 5 T m 記 0 5 9 0 6 0 0 6 1 0 6 2 0 6 3 0 入(m,(4) 〔E〕

脆易‘態g『…s

06』 0.4 , 02 0.0 0,6 0.4 , 02 0.0 0.6 ”α虹s o4 , 0.2 (8) 570.580590600610620630 入(mノ仏) 〔p〕 5 7 0 5 8 0 5 9 0 6 0 0 6 1 0 6 2 0 6 3 0 7L(mノα,) 〔F)

遜認α何β‘

=職洲R・鯨i’

…鋤。認O590600610唾0630…副05805乳(柵61o62063.

入(m〃) Fig.6.Absorptionspectraofbromophenolbluesolutionin serumoffishesandbovine. 〔A〕,〔B〕and〔C〕:Originalserum.〔D〕:Dialyzedserum. 〔E〕sEffectofpH.〔F〕:Effectofproteinconcentration・ Theserum-dyemixtureconsistedof0.1,1.of0.015%bromophenol blue,2.0,1.ofM./l5phosphatebuKersolution,and0.2,1.ofserum. 630 ロ皿 0.0

(13)

−M.巳(bl4nk) 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960)

息│羊患然蝋

図〔A〕の結果より,bromophenolblueのblankでは最大波長が595m〃附・近にみられ るのに対し,これに標準血清albuminとかウシの血清を添加すると最大波長が605m〃附 近に変化することが諒解される. 魚類では図の〔A〕,〔B〕,及び〔C〕に示すように,軟骨魚類に属するシロゼメ,アカエ イ,オオセ等の血清ではbromophenolblueのblankと略を同様に最大波長が.595坪附 近にみられるのに対しコイ,ゴマサバ,アラ,マダイ及びボラの如き硬骨魚類の血清では 標準血清albumin及び対照動物の場合と同様に605m必附近に最大波長が認められる. 以上の結果より供試軟骨魚類の血清は他の実験材-料の血清とは異りbromophenolblUe とmetachromasisを起さないという種属特異性のあることが明らかである. この様な特異性は緩衝液のpHを変化(pH5.3∼8.7)させた場合とか,混液中の蛋白質 量を変化(窒素として05∼2.5mg)させた場合にも同様に認められた(Fig.6〔E〕及び 〔F〕参照). 以上は血清をそのまま使用した場合の結果であるが,前述の如く硬骨魚類と軟骨魚類と では血清の非蛋白態窒素量に著しい差異があるので,蛋白質以外の共存成分の影響を知る 意味で,透析処理をした血清についても同様に検討してみた. その結果をFig,6〔D〕に示したが,各試料共に前述の原血清の場合と大差のない結果 であった.これらの鞭実より原血清の示すmetachromasisに対しては共存する蛋白質以外 の成分の影響は極めて少ないことが伺える. 他の色素と、血清混液の吸収曲線:供試血清とmethyleneb1ueの混液について求めた吸収 曲線をFig.7に示した. 印 入 ( m ′ " ) 入 ( I T M ム ) Fig.7.Absorptionspectraofmethylenebluesolutionin serumoffishesandbovine・ Theserum-dyemixtureconsistedof0.1,1.of0.01形methyleneblL1e,2.0,1. ofM./l5phosphatebuffersolution(pH7.3),and0.2mLofserum. 即ち本色素のblankでは最大波長が665m‘“附近にあるが,これに対照動物(人及び家 兎),硬骨魚類に属するコイ,ゴマサバ,マグイ及び軟骨魚類に属するシロザメ,アカェイ 等の血清を添加しても最大波長に殆んど変化がみられない. 次にcongoredと血清の混液について求めた吸収曲線をFig.8図に示した. congoredのblankでは最大波長が495m‘“附・近にあるが,これに供試血清を添加して も 最 大 波 長 に 殆 ん ど 変 化 が み ら れ な い . 6 4 0 G 5 0 6 6 0 E J T O 6 8 0 田 0 皿8 0 . 司卜 0.4 , 4卜 O OD 12

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6 4 0 6 5 0 6 6 0 6 m 6 8 0 6 9 0 21. U] のk“gZ nm 00、

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0.6 斎藤g魚類血液の生化学的研究一XV 副0.4 ⅢHg Theserum−dyemixture consistedof0.1,1.of 0.01%congored,2.0,1.of M./l5phosphatebufrerso‐ lution(pH7.3),and0.2 ,1.ofserum. Fig.8. Absorptionspectraofcongo redsolutioninserum offishes. 13 考 察

以上の実験結果より,血清蛋白質と色素の結合性にみられる種属的差異は,実験材料間

の血清蛋白質組成の差異に由来すると推察されるので,両者の関係について若干の考察を

試みた.

Klotz氏等の報告')によると,15種の球状蛋白質の中で,pH7附・近でcation色素と結合し

たものは殆んどなく,またmethylorangeと結合したものは血清albuminとβ−1actoglobulin

の承で,血清globulin等は結合しないとのことである.本実験でも血清albumin(牛血製)

はmethylorange(anion)と明らかに結合するのに対しmethyleneblue(cation)との結

合は殆んど認められなかった.これらの事実より,Fig.1〔A〕に示したウシの血清蛋白質

の結合曲線には,それに含まれる血清albumin(総蛋白質量の約50%を占める)が支配的

に関係していることは確かである.またmethylorangeとかなりの結合量を示した供試硬

骨魚類の血清蛋白質にもalbumin区分の存在することは既に確認2,3)しているが,methyl

Orangeとの結合が明らかでない供試軟骨魚類の血清蛋白質には,前報2,3)で述べた如く

albumin区分が認められないことは注目に値する.これらの血清蛋白質でも,これに精製

albumin或はalbumin区分を含む血清蛋白質を添加するとかなりの結合量を示す事実や,

前述のKlotz氏等')の結果等よりしても同魚類の血清蛋白質とmethylorangeとの結合性に

みられ特異性は,その血.浩蛋白質にalbumin区分を欠いている事実に由来する現象と解さ

れる.このことは特にFig5の実験結果より立証される.

孜に木報の実験結果によれば,血清蛋白質と色素イオンとの結合性にみられる種属的差

異は,何れもanion色素であるmethylorangeとbromophenolblueの場合に認められ

た.一般に.血清蛋白質と色素イオンが結合するためには,蛋白分子内に対応するイオン基

の存在を必要とするが,只存在するというだけでは不充分で,そのイオン基は色素イオン

が近づき得るような位置にあり,且つ分子内結合等でしばられていない自由にイオン化出

0.0'一魂o4jTo柏o伯o恩jo5io520530540 入(、′仏)

即ち,これらの色素ではbromophenolblueの場合にみられた様なmetachromasisにお

ける顕著な種属的差異は認められなかった.尤もmethyleneblueの場合は一色性の色素で

あるから,これが当然の結果とも考えられる. 江 α ,″ ク, 2s o“私 .”叩・︾ 、Jα牢9 旅C︾、tメS

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(15)

14 鹿児島大学水産学部紀要第9巻(1960)

来る基でなければならない.このようなイオン化基は蛋白分子中で最も反応性に富んだ基

であって,蛋白質の機能に大きな影響を与えるものであるところに,この反応のもつ重要

な意義がある.前述の如くKlotz氏等!)の試みた約15種の球状蛋白質では,7に近いpH

で,cation色素と結合したものは殆んどないのであるが,この現象に対して同氏等は用い

た蛋白質の分子内のOH基が酸性アミノ酸残基のCOO−と特に強い水素結合を造るため

ではないかと想像している.供試魚の血清蛋白質でも種類の如何を問わずcation色素と結

合し難いことが認められたことより,その分子内には色素イオンに近づき易いイオン化し

たanion基量の極めて少ない索は推察し得る.またanion色素であるmethylorangeの

場合,血清albuminはかなりの結合量を示すのに対-し同じく球状蛋白質でありながらγ一

globulinは結合しないのである.この現象はγ一gIobuinでは分子中にhydroxyamino酸残

基が多いのでcation基はOH基と分子内結合を起しているのに対しalbuminでは分子中

にOH基よりcation基がかなり多いためanion色素と顕著に結合すると考えられる').

魚類の血.清蛋白質のアミノ酸残基の組成は不明であるから詳細な考察は出来ないが,本実

験の結果より,軟骨魚類は血清中にalbumin区分を欠き硬骨魚類よりも血清蛋白質の分子

中におけるイオン化したcation基最,即ち反応性に富む基の量が著しく少ないという種属

特異性のあることは諒解される.それにも拘らず軟骨魚類は硬骨魚類に側優るとも劣らぬ活

発な生活現象を営んでいることは比較生化学的にも興味深い問題を提示しているようで

ある. 摘 要

拾数種の魚類について血清蛋白質とmethylorange(anion色素),bromophenolblue

(anion色素)及びmethyleneblue(cation色素)等との結合性を所定条件下の平衡透析

法,電気泳動法及び吸収波長測定法により検討.し,硬骨魚類と軟骨魚類とでは血清蛋白質

とanion色素との結合体にかなり種届特異性のあることを明らかにした.

I)硬骨魚類に属する供試魚の血清蛋白質は対照動物(人間,家兎及びウシ)の場合と

同様にmethylorangeと顕著な結合を示すのに対し軟骨魚類に属するものでは両者の結合

が明らかでなかった.一方methyleneblueに対-しては,各試料共に結合鼓は極めて少な

く,methylorangeの場合に翠られたような明確な種属的差異は認められなかった.これ

らの‘1『実より硬骨魚類と軟骨魚類とでは雲血清蛋白質分子中のイオン化したcation基量にか

なり相異のあることが諒解される.

methylorangeの単位.血清蛋白質}Tいしiりの結合股は供試魚が対照動物の場合より一般に

少なく,また硬骨魚類に属するものでも魚種により若干の差のあることを認めた.

11)血清とbromophenolblue混液の泳動図を求めたところ》対照動物と硬骨魚類の場

合はbromophenolblue(紫色)とalbumin区分の結合した泳動峰(青色)が認められた

のに対し,軟骨魚類の場合は,この泳動峰がみられなかった.即ち対照動物と硬骨魚類の

血清ではalbumin区分に対するbromophenolblueの結合と,それに伴うmetachromasis

が認められるが軟骨魚類に属する供試魚の.血清ではこの現象が全く認められなかった.こ

の事実からも軟骨魚類の血清蛋白質はalbumin区分を欠いていることが諒解された.

、)血清または血清蛋白質とbromophenolblue混液の吸収曲線を求めたところ,軟骨

魚類に属する供試魚ではbromophenolblueのblankと同様に約595m“に最大吸収波長

(16)

斎藤:魚類血液の生化学的研究一xv 15

が認められるのに対し,対照動物と硬骨魚類の場合は最大吸収波長が約605m“に変化し,

metachromasisが明らかにみられた.bromophenolblueの代りに,methyleneblue或は

congoredを用いた場合は各試料共に最大吸収波長の変化が殆んどみられなかった.

以上述べた如く硬骨魚類と軟骨魚類とでは血清蛋白質とanion色素との結合性に顕著な

種属的差異のあることを認めたが,これは両魚類間における血清蛋白質組成の差異,特に

軟骨魚類の血清にはイオン化したcation基量に富むalbumin区分が認められないという

半実に起因すると各種の実験結果より推定した.

終りに木研究をイラうに当り,北海道大学中村幸彦教授並に文献を御教示下さった東海区

水産研究所大竹茂夫技官に深謝する.また本研究費の一部は文部省科,学研究費の支出に仰

いだ.記して謝意を表する. 文 献

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2)斎藤要8,水誌.,22,752∼759(1957). 3)斎藤要:n水誌,22,760∼767(1957). 4)斎藤要:F1水誌.,24,531∼534(1958). 5)斎藤要:「I水誌‘,20,196∼201(1954).

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(1946). 7)右、正男,大竹茂夫:日水誌.,22,260∼264(1956).

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9)KIotz,1.M.,HTriwushandF,MarianWalker:エA"Z。Cノie"z・SOC.,70,2935∼2941

(1948). 'O)斎藤要:F1木水産学会秋期大会(仙台),講演発表(1960).

11)森天彦,小林茂三郎§“炉紙電気泳動法の実際",南江堂,東京(1955)pp,113∼115.

12)Teresi,』.,.:』.′4ノ刀.CAe"7.SOC.,72,3972∼3978(1950).

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