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Visibility of the hilar lymph nodes using advanced virtual monoenergetic low-keV images for preoperative evaluation of lung cancer(イメージを用いた肺癌術前評価における肺門リンパ節の視認性の検討)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1738号 学 位 記 番 号 第1235号 氏 名 関口 知也 授 与 年 月 日 令和 2 年 3 月 25 日 学位論文の題名

Visibility of the hilar lymph nodes using advanced virtual

monoenergetic low-keV images for preoperative evaluation of lung cancer

(イメージを用いた肺癌術前評価における肺門リンパ節の視認性の検討) Br J Radiol. 2019 Nov;92(1103):20180734

論文審査担当者 主査: 中西 良一

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 【背景】 肺門リンパ節の描出目的の造影CT は、肺動静脈の造影効果が高く、リンパ節の造影効果の低い 造影早期相が優れているが、腫瘍や胸膜、縦隔病変の描出には十分な造影効果が得られにくい。 それらの評価には造影遅延相が望ましく、肺癌をはじめとした胸部悪性疾患の評価には前述の目 的のため早期、後期2相の造影CT を施行するのが理想的である。Dual Energy CT は低電圧画 像と通常120kVp 相当画像が同時に得られることができる。低電圧画像においてはヨードの造影 効果が高まり、コントラストが上昇する。さらにDual Energy CT の monoenergetic imaging plus による低ノイズlow keV 画像を用いることで、よりリンパ節描出能を向上できる可能性がある。 よって今回の目的はmonoenergetic plus による低ノイズ low keV 画像におけるリンパ節描出能を 造影早期相CT (120kVp)と比較して評価することである。

【方法】

2015 年 11 月から 2016 年 4 月に肺癌が疑われ、手術目的に造影 CT が撮像された 50 人(36-84 歳) を対象とした。病理結果が得られたのは38 例(転移あり 10 例、転移なし 28 例)であった。 各々に対して5種類(A; 20s 120kV, B; 60s 40keV, C; 60s 50keV, D; 60s 120kV, E; 60s 100kV) のCT 画像を検討した。(1) 肺動脈 CT値、(2) 肺静脈CT 値、(3) 肺門リンパ節の CT 値(CT number)、 (4) CT 値測定した肺門リンパ節の短径(mm)、(5) 肺動脈-リンパ節コントラスト(=1)-3))、(6) 肺静脈-リンパ節コントラス(=2)-3))を計測した。

視覚的に肺門リンパ節と肺動静脈コントラストの評価を行い、4 つの Grade で判定した。転移の ある群とない群に分けた視覚評価も同様に行った。

SVC の造影剤由来アーチファクト(beam-hardening streak artifacts)についても各々に対し てA~E の画像を検討し、4 つの Grade で判定した。

上記の視覚評価は異なる2名の放射線科医師により行われた。 【結果】

5種類(A; 20s 120kV, B; 60s 40keV, C; 60s 50keV, D; 60s 120kV, E; 60s 100kV)の結果について 示す。

肺動脈-リンパ節コントラスト(HU)は A 415、B 299、 C 180、D 80、E 100 であった。肺静脈リ ンパ節コントラスト(HU)は A 306、B 287、C 177、D 78、E 99 であった。肺動脈-リンパ節コン トラストではB は A に次いで高い値を示した。肺静脈-リンパ節コントラストでは A と B はほぼ 同様の値を示した。monoenergetic image(B,C)は D,E の画像と比して高い値を示した。

視覚評価では肺動脈-リンパ節コントラスでは平均で A 4.0、B 3.2、C 2.9、D 1.6、E 1.6、 肺静 脈-リンパ節コントラストでは平均で A 3.8、B 3.2、C 2.9、D 1.6、E 1.7 であり、B はAに最も 近い値を示した。転移の有無に関わらずmonoenergetic image(B,C)は D,E よりも高い値を示し、 B はAに最も近い値を示した。

SVC アーチファクトのスコアの平均では A 1.4、B 3.5、C 3.5、D 3.9、E 3.9 であり、B,C,D,E はA と比して有意に高い値を示した。

【考察】

DualEnergy CT での撮像によりヨードの吸収値が最も上昇する 33.2keV に近い低エネルギーの monoenergetic image(以下 mono+)を作成することが可能となり、様々な領域での応用が期待さ

(3)

れる。本研究でもmono+(40keV)は 60 秒の後期相での撮像でありながら、高い肺動静脈の造影効 果を示し、肺動静脈-リンパ節コントラストも客観的評価、視覚評価において造影早期相(20s 120kVp)に近い値を示した。SVC 由来のアーチファクトも従来の造影 CT 後期相と比べても同様 に低い値を示している。 リンパ節転移の有無など質的評価については現段階で検討の余地があるが、リンパ節の視覚評価 の向上により、転移の評価に今後寄与する可能性もある。また、mono+により従来の造影早期相、 後期相の2回撮像から1回撮像のみで必要な情報を得ることができる可能性があり、被ばく低減 の側面からも有用と考える。 【結論】

Advanced virtual monoenergetic image による造影後期相での肺門リンパ節の評価は高い肺動静 脈-リンパ節コントラスト、SVC 由来アーチファクトの低減が可能となり、有用と考える。

(4)

論文審査の結果の要旨 【目的】肺門リンパ節の描出目的の造影 CT は、肺動静脈の造影効果が高く、リンパ節の造影効果の 低い造影早期相が優れているが、腫瘍や胸膜、縦隔病変の描出には十分な造影効果が得られにくい。 それらの評価には造影遅延相が望ましく、肺癌をはじめとした胸部悪性疾患の評価には前述の目的の ため早期、後期2相の造影 CT を施行するのが理想的である。Dual Energy CT は低電圧画像と通常 120kVp 相当画像が同時に得られることができる。低電圧画像においてはヨードの造影効果が高ま り、コントラストが上昇する。さらに Dual Energy CT の monoenergetic imaging plus による低ノイ ズ low keV 画像を用いることで、よりリンパ節描出能を向上できる可能性がある。

よって今回の目的は monoenergetic plus による低ノイズ low keV 画像におけるリンパ節描出能を 造影早期相 CT (120kVp)と比較して評価することである。

【方法】2015 年 11 月から 2016 年 4 月に肺癌が疑われ、手術目的に造影 CT が撮像された 50 人(36-84 歳)を対象とした。病理結果が得られたのは 38 例(転移あり 10 例、転移なし 28 例)であった。 各々に対して5種類(A; 20s 120kV, B; 60s 40keV, C; 60s 50keV, D; 60s 120kV, E; 60s 100kV)の CT 画像を検討した。(1) 肺動脈 CT 値、(2) 肺静脈 CT 値、(3) 肺門リンパ節の CT 値(CT number)、 (4) CT 値を測定した肺門リンパ節の短径(mm)、(5) 肺動脈-リンパ節コントラスト(=1)-3))、(6) 肺静脈-リンパ節コントラス(=2)-3))を計測した。

視覚的に肺門リンパ節と肺動静脈コントラストの評価を行い、4 つの Grade で判定した。転移のある 群とない群に分けた視覚評価も同様に行った。SVC の造影剤由来アーチファクト(beam-hardening streak artifacts)についても各々に対して A~E の画像を検討し、4 つの Grade で判定した。

上記の視覚評価は異なる2名の放射線科医師により行われた。

【結果】5種類(A; 20s 120kV, B; 60s 40keV, C; 60s 50keV, D; 60s 120kV, E; 60s 100kV)の結果 について示す。肺動脈-リンパ節コントラスト(HU)は A 415、B 299、C 180、D 80、E 100 であった。 肺静脈リンパ節コントラスト(HU)は A 306、B 287、C 177、D 78、E 99 であった。肺動脈-リンパ節 コントラストでは B は A に次いで高い値を示した。肺静脈-リンパ節コントラストでは A と B はほぼ 同様の値を示した。monoenergetic image(B,C)は D,E の画像と比して高い値を示した。視覚評価では 肺動脈-リンパ節コントラスでは平均で A 4.0、B 3.2、C 2.9、D 1.6、E 1.6、 肺静脈-リンパ節コ ントラストでは平均で A 3.8、B 3.2、C 2.9、D 1.6、E 1.7 であり、B はAに最も近い値を示した。 転移の有無に関わらず monoenergetic image(B,C)は D,E よりも高い値を示し、B はAに最も近い値を 示した。SVC アーチファクトのスコアの平均では A 1.4、B 3.5、C 3.5、D 3.9、E 3.9 であり、 B,C,D,E は A と比して有意に高い値を示した。

【考察】Dual energy CT での撮像によりヨードの吸収値が最も上昇する 33.2keV に近い低エネルギ ーの monoenergetic image(以下 mono+)を作成することが可能となり、様々な領域での応用が期待さ れる。本研究でも mono+(40keV)は 60 秒の後期相での撮像でありながら、高い肺動静脈の造影効果を 示し、肺動静脈-リンパ節コントラストも客観的評価、視覚評価において造影早期相(20s 120kVp)に 近い値を示した。SVC 由来のアーチファクトも従来の造影 CT 後期相と比べても同様に低い値を示し ている。リンパ節転移の有無など質的評価については現段階で検討の余地があるが、リンパ節の視覚 評価の向上により、転移の評価に今後寄与する可能性もある。また、mono+により従来の造影早期 相、後期相の2回撮像から1回撮像のみで必要な情報を得ることができる可能性があり、被ばく低減 の側面からも有用と考える。

【結論】Advanced virtual monoenergetic image による造影後期相での肺門リンパ節の評価は高い 肺動静脈-リンパ節コントラスト、SVC 由来アーチファクトの低減が可能となり、有用と考える。 【審査の内容】上記の論文要旨が申請者より発表された後、主査の中西教授から、Dual energy CT の利点や欠点、どのような機序で診断に貢献できるか、リンパ節と SVC アーチファクトの Grade 評価 についての再現性はどうか等の計 9 項目の質問およびコメントがあった。続いて第一副査の新実教授 からは、患者の同意の省略は妥当か、50 例の最終診断は全例肺癌か等の計 9 項目の質問があった。 次に第二副査の高橋教授より、読影した放射線科2名の経験年数、Dual energy CT にすることで被 曝量は増えるか等の計 8 項目の質問があった。これらの質問に対して、一部は回答に苦慮したが、概 ねほぼ満足するべき回答が得られ、学位論文の趣旨を十分理解していると判断した。

本研究は Dual energy CT の virtual monoenergetic image によるリンパ節の視覚評価の向上、SVC 由来のアーチファクト低減について報告し、医学的に意義があると考えられた。よって本論文の筆頭 論者は博士(医学)の学位を授与されるにふさわしいと判定された。

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