市町村教育委員会における活性化に関する研究 : 会議の在り方を中心にして
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(2) 目. 次. はじめに…一… 第1章市町村教育委員会の現状…一一一…一・. 1 3. 1.市町村教育委員会の機能……一・一. 3. 2.市町村教育委員会の実:態… 一…. 5. 3.市町村教育委員会が機能しない理由. 7. 第2章市町村教育委員会の会議・……・・一一・・. 15. 1.会議の位置づけ・…一一一・・一一一一・……. 15. 2.活性化した会議…一…一一・一一…一一・…. 17. 3.会議の位置づけ表…・一…一…・…一一一. 20. 第3章 市町村教育委員会の会議の問題点一…. 21. 1.調査の概要一一一一・一一一. 21. 2.調査内容一. 21. 第4章 市町村教育委員会の課題…一一…. 35. 1.会議運営の問題点一一一一…・一一. 35. 2.活性化した会議実現の提言一……一. 41. おわりに・…一…一…・ 参考文献・参考資料一覧 資料編. 49.
(3) ζま. じ. め. ここ. 臨時教育審議会第2次答申が21世紀の展望と改革への意欲が不足し ている教育委員会が少なくないと「教育委員会の活性化」を求めたこと に応え、教育委員会の活性化を阻む一要因が教育委員会の『会議の在り 方』にあるととらえこの研究をすすめた。. 「活性化」についての先行研究の「「活性化」とはいったい何を意味 するのであろうか。それは、ある制度、組織が本来果たすべき機能を充 分に果たしていることであろう。」また、教育委員会の活性化が必要な 条件として要約された中に「二つめには、実質的な当事者能力と機敏な 行動力、明快な責任感があげられている。三つめには、地域住民に密着 した教育行政を推進していく主体性をもっことである。」と述べ、 「し. たがって地方自治体ごとに置かれている教育委員会は主体的に問題解決 にあたることを求められている。」という指摘〔1)を学び取り、第一に、. 地方自治体にある教育委員会が主体的に問題解決にあたるという基本姿 勢を持って、第二に、 「活性化」の必要条件としてあげられた実質的な. 当事者能力が発揮されることを期待してこの研究をすすめ、「活性化」 への道を探りたい。. 市町村教育委員会の「活性化」への方法は様々あるが、 『会議の在り. 方』を「活性化」の一要因としてとらえ、多くの問題性をはらむ市町村 教育委員会の『会議の在り方』を中心にして論述したい。. 本論文の構成は、. 第1章において、本来の機能を発揮していないと指摘される市町村教育 委員会の現状に基づき、本来の機能を発揮しない理由を明らかにした 一 1 一.
(4) い。. 第2章において、本来の機能を発揮しない理由が『会議の在り方』と関 わることから教育委員会の会議を職務執行において位置づけ、会議運 営の基本を提示したい。. 第3章において、『会議の在り方』が教育委員会の「活性化」の要因で あることから兵庫県下の市町村教育委員会における『会議の在り方』 の実態を調査し、結果の考察をすすめ、 『会議の在り方』の問題点を 解明したい。. 第4章において、解明された問題点を解決するため、「活性化」した会 議のモデルを実現する具体的プロセスと実践マニュアルを示したい。. 会議を「活性化」させるための課題は、第一に、教育委員の会議での 発言の取り組みについて、第二に、教育委員の自主的な研修について、 第三に、教育委員会の会議の計画性についてである。. 以上の課題を解決する提言をまとめ、市町村教育委員会においてこの 提言に基づき市町村教育委員会の「活性化」の実践に生かされるよう期 待したい。. [注]. (1)清水俊彦「教育委員会の活性化 一市町村教育委員会を中心にし. て一 」日本教育行政学会年報・14(1988)58頁 一 2 一.
(5) 第■章市町村教育委員会の現状 本章においては、臨教審第2次答申によって教育委員会が本来の機能 を発揮していないと指摘された市町村教育委員会の現状を明らかにする。. 1.市町村教育委員会の機能. 1)教育委員会制度の趣旨. 1948年教育委員会法が公布され教育委員会が設置された。教育委 員会制度の趣旨は、教育行政方針の決定が専門家の独断に陥らぬよう広 い分野の意見を総合して教育行政を行うものであるとするレイマンコン トロールである。自治意識が未成熟で、改革に消極的なたあ制度の趣旨. が生かされなかった歴史的経験を踏まえ、1956年教育委員会制度を 基本に地方教育行政の組織および運営に関する法律が成立した。教育委 員会法の理念・原則である地方分権化、一般行政からの独立すなわち自 主性、民衆統制すなわち民主化の三点が地教行法の理念である教育行政 と一般行政との調和、政治的中立、教育行政の安定であり、調和の精神 が最も重要視されていると考える。. 2)市町村教育委員会の役割と権限 市町村教育委員会の役割は、情報伝達、理念・技術の修正伝達、理念 技術の創始伝達(1)で、市町村は地域の特性を踏まえ、果たす役割が重. 要であるという趣旨に基づき教育委員会の活性化に関する協力者会議が あげている学校教育の充実、生涯学習体制の整備、急激な社会の変化へ の対応、関連する行政課題の解決の五点が役割である。 一 3 一.
(6) 市町村教育委員会の権限は、地方自治法の規定に基づき市町村教育委 員会の処理する事務すなわち学校の管理をはじめとする団体事務および 地方自治法に規定する学齢簿の作成をはじめとした機関委任事務である。. またこれらの事務は事務委任者である教育委員会が教育委員会規則を制 定し受任者である教育長に委任することができる。教育委員は教育委員 会の会議において教育行政に関する重要な方針決定を行い、教育長は会 議の決定にしたがい教育委員会の指揮監督の基に事務局を統括しあらゆ る会議に出席し助言を行い教育委員会で決定された方針を執行する。. 3)市町村教育委員の機能 教育委員は教育委員会において合議制執行機関の構成員として会議に 出席し、討議・議決など委員固有の職務を執行する。委員個人としては. 権限を持たないが、教育委員の会議における機能は地教行法第28条に 規定する権限で、委員においては、①教育委員長の選出および教育委員 長代行の指定②教育委員会規則の制定・教育長への事務委任③教育長候 補の選出および任命④動議の提出および議事の表決⑤教育長の指揮監督 ・事務局内部組織編成である。委員長においては、会議の告示、会議の. 招集・開催、会議の主宰。開閉の宣言、議決における可否同数の際の裁 決、委員の発言の許可、請願・傍聴の採否の諮問などで教育長を指揮監 督するものである。. 4)組織事務局 教育委員会事務局は教育長によって統括され、教育長の推薦により委 員会が任命した指導主事、事務職員、技術職員などの職員が置かれ学校 教育の専門的事項について職務を行い会議での決定事項を執行する。 一 4 一.
(7) 2.市町村教育委員会の実態. 1)教育委員会 木田宏は教育委員会の今日的課題として「教育委員会の存在が誠に軽 い。教育委員会の行政における位置づけが不分明で責任の帰属が不鮮明. であり、地教行法第48条は都道府県が直接市町村を指導するようにな っていないにも拘らず文部省→都道府県→学校という指導体制の実態が あり、これが市町村の教育委員・教育長に責任意識を稀薄にしている。. すなわち都道府県が職責と能力に欠け、中央からの一律な施策でなく地 域に則した行政施策の展開を図らなければならない」と指摘している。. 2)委員 教育委員の実態は、文部省1990年12月「教育委員会の活性化に 関するアンケート調査」によれば〔2)、活性化について市町村教育委三 会の取り組みを都道府県教育委員会の教育長はそれを重要な課題と認識 しているが、市町村教育委員会においては「どのように実現するか現在 検討中」 (47.0%)、 「まだ具体的には何もしていない。」 (13.. 3%)とまとめている。市町村教育委員会では活性化についての取り組. みははかばかしくないとしているのである。また、文部省1993年5 月地方教育行政調査は〔3〕、市町村教育委員会の類型が、町(57.4. %)、村(16.8%)であり小規模教育委員会の占める比率は大きい。. 人ロ規模では,10万人未満の市町村にある教育委員会が97.2%で ある。日本の教育委員会を象徴するのは機能発揮に問題性を持つ小規模 市町村教育委員会であり、その申にあって市町村教育委員は会議の構成. 員として活動しているのである。委員の総数は、13,460人でこの 一 5 一.
(8) 内65歳以上が5,734人で総数に占める割合は(42.6%)であ. る。年齢は、60歳∼64歳が3,514人で(同26.1%)となっ ている。女性委員は1,461人で(同10.9%)で、委員の平均在 職期間は5.5年である。最短が3年、最長が7.9年とその差が大き. い。教職経験のある委員は4,741人で(同35.2%)である。報. 酬金額は、月額制を採る委員会では、18,000円から60,000 円未満が66%である。. 3)会議 会議の実態は、同行政調査によれば〔3)、市町村では定例会、臨時会 および教育委員協議会の一教育委員会あたりの開催回数は、全国平均で. それぞれ8.3回、3.8回、1.1回で、定例会と臨時会を合わせた 開催回数は、9.5回から17.3回までかなりの差がある。人口規模 別では規模の大きい教育委員会ほど開催回数が多い。. 会議は兵庫県における同年調査で、定例会が市では11.9回、町で. は8.5回開催されている。文部省1990年前調査{2)が示すごとく 都道府県教育長の認識は、組織・制度面の改善と共に運営面の改善をあ. げているが、会議の充実は重要としながらも運営改善課題の約8.4% (表5)ととらえられ、それ程重要視されていない実態である。市町村 教育委員会においては教育委員会の在り方が問題である。苦情処理体制、. 事務処理体制の広域化、管内の指導体制、指導主事の不足などの問題が あるが、教育委員会の会議における運営の実態が事務局報告や議案の承 認に偏り、十分な討議による議決をする時間を欠くのではないか。委員 自身の研修の機会が少なく、運営方法の改善努力も必要である。その上、. 教育委員の人選の在り方にも問題があり、最も重要な意思決定をすべき 一 6 一.
(9) 教育・人事などの方針、予算の首長に対する意見説明の検討が十分に行 われていない状態であると考える。. 3.市町村教育委員会が機能しない理由. 1)教育委員 教育委員のこの機能への関わりは,首長に任命され委員は抱負と意欲 を持って就任するが、会議に出席すれば会議は事務局の報告と委員の形 式的な議決に終り、問題の対応には教育的配慮で片付けられる。首長部 局に提示する予算要求内容は議会の一部の批判を恐れ会議に対して詳し い説明が直なはれていない状態と考えられる。委員としての意識を深あ るために企画された研修会は形式的で事務局は教育委員に対しては必ず しも信頼感を持たないのではないだろうか。また、学校訪問では学校の 実情を視察し学校と交流する。教師は委員に敬意を払うが期待感までは 持っていないのではないだろうか。事務局の要請で校舎・教育関係施設 の建築を視察し、卒業式、運動会、研究発表会など諸行事に案内され訪 問する。他方、学校・地域社会では判断の困難な問題が継続的に起きる。. 教育委員が教育的理念を持ちそれらを判断し、対応するための活動の機 会は少ないと考えられる。教育委員の実態から会議を機能させない理由. は教育委員自体に問題がある。(1)委員の平均年齢が61,9歳と高齢 であること。最近の幼児・児童・生徒の学校不適応、いじめなど生活指 導上の問題、多様な障害を持つ子への実態に応じた障害児指導等に十分 な認識があるとは考えられない。(2)女性の委員が少ないこと。児童・. 生徒の半数が女子である。男性委員のみでは女子の非行 問題,多数の 婦人教飾の権利確保などの対応への認識は困難と考えられる。(3)教職. 一 7 一.
(10) 経験のない委員が過半数である。学校事故をはじめ教育問題が訴訟にま で発展する事例が増加し、教育情報の公開への条件整備をも求あられる. 教育行政上の実態に、60%(兵庫県下)に近い教職経験のない委員は 教育行政課題への判断と対応に不安を感じると考えられる。(4)委員の. 報酬は適切な額とは言えない。他の行政委員会に比較すれば高額である が、住民が要求する教育問題など多くの課題を処理するには委員の活動 量が過重である。(5)権限の内容や法的根拠の理解が難しい。教育委員. 会制度の趣旨である教育委員会法における民衆統制と地教行法における 行政の調和の理念を理解し、地教行法に述べられている教育委員会の職 務権限など法律知識を相応の研修なくしては理解できないと考えられる。. 全国的に開催される教育委員の1年1回の新任研修、毎年1回の全県、 地区別研修会程度では法律と理念の研修を深める実態でない{4)。市町 村単位で研修会を持つことは困難である。. 2)会議 教育委員が十分に機能していないという実態は教育委員会の会議が十 分に機能していないと言わざるを得ない。月1回半日程度の会議では、 大部分の時間を占める教育長報告と承認案件に時間を費やされ当面する f 困難な教育問題を討議し、重要な方針の意思決定ができるとは言い難い。 会議は住民の意向に積極的に応えていない。会議や教育情報の公開の要 望があるが積極的に機会の提供をすることはなく、また、教育委員会独 自の広報・広聴活動は少ない。市町村教育委員会は、事務処理体制・指 導主事組織が十分に整備されず教育委員会は主体的・独立的に職務執行 し難い実態にある。その中にあって教育委員が主体的な職務意識を持ち 続けるとは考えられない。教育委員は会議において、全員が出席し、質. 一8 一.
(11) 問・意見を活発にし、緊急事態には即時会議の開催をし、議題を長期的 ・総合的に決め、議決に際しては趣旨と役割と権限を認識し会議の運営 にあたらなければならないが上述のとおり機能しているとは考えられな い。. 3)委員会の活性化 教育委員会の活性化について先行研究は〔5}臨時教育審議会第2次答 申をまとめて、①地域住民の教育上の意見、批判、要望に精通する。② 実質的な当事者能力と機敏な行動力、明快な責任感。③住民に密着した 教育行政を推進する主体性としている。また、地方自治体ごとに置かれ ている教育委員会は主体的に問題解決にあたることを求め結論づけてい る。活性化のとらえ方および活性化の基本姿勢をそのように認識し研究 をすすめる。. 教育委員会の活性化は、教育委員会本来の機能を果たすことととらえ、 その方策には、 「制度改革」と「意識改革」の両者がある。 「制度改革」. とは、教育委員の公選制、教育長の専任制など職制の問題と、事務処理 体制の合理化、事務局の統合など組織上の問題がある。 「意識改革」と. は、教育委員会の会議において教育委員会制度の趣旨である民意の反映 を基盤にして教育委員会の役割である学校教育の充実、生涯学習体制の 整備、社会の変化への対応、行政課題の解決を議題として方針決定する 理念および方針決定における会議運営法がある。教育委員は、教育委員 会の職務権限である会議に出席し議案を討議し表決するなど会議を運営 する職務責任を果たす。 「制度改革」、 「意識改革」は共に重要である が、 「制度改革」は法の改正を待たなければならない。 「意識改革」に. 取り組むことは、市町村教育委員会が主体的にできる活性化への実現の 一 9 一.
(12) 可能性の高い方策である。. すなわち教育委員会の『会議の在り方』は、教育委員会が合議制の執 行機関であることから、会議が教育委員会の職務執行における最も重要 な機能となり、活性化を問題にするとき、まず、『会議の在り方』を取 り上げなければならない。. 会議に関して先行研究は(6) 「…. 提案された議題に単に承認を与. えるといった形で会議が進行するのではなくて、意見の対立が生ずるほ どに議論が活発に交わされるような会議運営そのそのものが委員の職務 遂行にとって促進的な風土として作用し、委員の意欲的な職務遂行を刺 激する環境を醸成して。・・」として、会議における教育長と委員の両 者の在り方が会議の方針決定において重要であることを実証した。この ことは会議を機能する最も重要なファクターである。しかるに教育委員 会関係者である教育長が会議の運営法についての調査回答において会議 を重要視していない。文部省行政資料によれば(2〕、 「会議の状況」. (図11)として市町村教育委員会の会議の運営改善の取り組みが「ど. ちらかといえば活発である」の回答は、58.8%と「あまり活発でな い」は、18.5%で双方の回答から市町村教育委員会鉢会議の運営改 善に活発に取り組んでいないという実態がある。 また、文部省同調査によれば(2)、活性化について市町村の教育委員. 会の「会議の充実」を取り上げ重要と認識している都道府県の教育長は. 16である(表1)。同じく市町村の教育委員会が「会議の充実」を今 後、力を入れていきたいとした回答をまとあた都道府県数は11である (表5)。市町村教育委員会の「会議の充実」への認識と取り組みが極 めて低調である。. 市町村教育委員会は都道府県教育委員会に比べ組織体制が劣ることか. 一 10 一.
(13) ら市町村教育委員会の「会議の在り方』を取り上げることは重要であり 「意識改革」の一方法である。教育委員会が本来の機能を果たしていな. い一要因が『会議の在り方』にあることからこのことを追求することを この研究の目的とする。. 組織体制が劣る実態を都道府県と比較すれば、教育長については、市 町村、都道府県両者共任命・承認と手順は同様だが、市町村は互選によ る委員との兼任であり、都道府県は専任である。都道府県は行政推進の 立場で職務を執行するが、市町村においては対立する両者の立場に一人 の教育長が立ち複雑な状態を生ずる場合がある。住民の意向の伝達・実 現に対して行政推進の立場との両者の対峙の中で適切に会議を運営する ことはまさに調和が求められる。また、文部省同行政調査によれば。3}. 市町村教育長の教育行政経験は66.4%(第11表)、都道府県は、 59.6%(第2A表) 、一般行政経験においては、市町村は31.% (第11表)、都道府県は63.8%、(第24表)と市町村の教育長が 一般行政経験の低率で、その差が30%以上ある。行政経験の少ないこ とは職務執行に困難さが伴うと予想される。教育委員については、能力. を都道府県と比べれば劣勢である。女性委員は、10.9%(第9表)、. 都道府県は18.3%(第21表)である。多様な判断に女性の参加が 求められると考えられる。職業においては、専門職・技術職経験は会議. における判断と識見に差が出る。市町村は61%(第6表)、都道府県. は53.8%(第22表)と両者とも低いが、管理職は22%(第6表) 、都道府県は36.9%(第22表)と市町村がかなり低い。会議につ いては、年間開催回数は市町村は平均8。3回(第18表)であり、都. 道府県は平均13.3回(第28表)、兵庫県においては23回である。 市町村は人口規模別に大きく差がある。会議の回数が必ずしも活動量と. 一 11 一.
(14) 相関するとはいえないが、月!同程度は確保すべきである。市町村教育 委員会自体「会議の充実」’を重要視していない実態および市町村教育委. 員会の組織・制度が都道府県に比べ劣勢である実態を看過することがで きない。そのことは市町村教育委員会の組織運営における活性化に関し て『会議の在り方』を取り上げるこ.とは自明の理である。. 注(2)文部省(1990). 驚甥笏. (市町村〕. (表1)教育委員会の活性化についての教育長の日頃の考え 会諺の. [ 実. 教育委員. 教育長 4. 都道府県・指定都市. 18. 12. 市. ユ6. 43. 町. 村. 19. 箏務局. 事務局. g 縁. E 員. 首長部. 国、都道府. ヌとの A 挽. ァ、市町村. 広報・広. ニの連携 ョ活動. その他. 10. 18. 10. 13. 12. 11. 24. 15. 26. 0. 24. 23. (表5)親織運営の改善・充;ξについて、今後、力を入れていきたいこと 会議の. [ 実. 教育委員. 教育長. 事務局. g 織. 事務局. 着長部. 国、都道府. E員. ヌとの A 携. ァ、市町村. 広報・広. ニの逗携 ョ活動. その他. 都道府県・指定都市. 5. 3. o. 31. 14. 4. 4. 7. 11. 市. 11. 35. 1. 38. 29. 19. 5. 16. 11. (注1. 町. 村. Q欝灘譲驚の意騰要をとりまとめて回答したものである(したがって棚の. 一 12 一.
(15) 注 (3)文部省地方行政調査(1993年5月1日現在) 第6表 市町村教訓婁員会の醸箕別の教育委員数の推移 、年、1. 織. 宇責元年詫(構哉比). 菓. 総. 人. 教. %. 人. 人. 人. 13,蔦3. 二3.371. i3,444. :∴53. 2.二謁. 2,1‘2. 樺務従事者 販売・学一ビス従事者. 年. 齢. 繕. 置. 40銭未扇 40、49窟 50∼59盆. 2,50Q. 2,663 (三9.8}. 944 (22.9. 3,6く6. 3.460 (25.η. 221. 三35. 223 ( 1.1). Σ呂弓. 1アア. 20尋. 105 ( 2.8) 37 ( 1.O) 209 ( 5、5). 4.383 (3Z.5). ‘副. 99三. :、023. 1,015. 194 (!.4) %王 ( 7,P. 3謁4. 3,6D2. 3」74 (28,ω. {.602. {,708. 4.741 (35L2,. 174. 143. 22d. … ( …). 人. 人. 人. 3211(1DO.o). 3,2ユ6. 3202. 3.箆8. 3.21】(!OOIの. ;(o,D. ξ. 3. 2. 2(0」). θo、64憲. 65歳以上. 57. 雫均年齢. 平浅元年窪. @(構成比} .. @㈲氏比) 人. 弩. 人. 825. 769. 「2ε. L308. 1,2!1. Lzu. 1.ユ51(39.岱). 弱5(z§.D. 1,022. L150. しお3. L188(37.o). 8. 印 U2.o引ε2.披. 5Lε歳. 9. .8. 62,ア司. 融. ■ ,●. .4年度. 人. 人. 人. 234. 235. 篇3. 2謁(】oo,o》. 1. 1. ,(一) 3(L3). %. 1. 6(2.6). 3. ;. 総 教 教. 胸. 胃 職. 60∼54a 65a以上. 110(47.2). 1Z2. !34. !‘!. (うち了。歳以上). 47(20.2). 57. 51. 59. 50(2L3). 欝数のうち女注. 鵠(!6.3). 39. 40. 舵. 艇G8.7). .早均年齢1. 人1. ,ρ■. 「r●. !.330 (41.4). 467 (M.5). そ. 37. 61. 53. 64副652司. 599 (18.7). 5年度 (構成比). 人1 3,228. L348 L349. 1,364. 38. 人. 494 (15.4) V37 (23.0). 492.. 17. %. 3.211 (100.O) 29 ( 0.9) 1.397 (43.5)・. 36. V52. 13. 15 ( 0.5). 他. 4年倒. 463・. 482 .763 742. V54 (23.5). 国 家 公 ・務 員. 人. 3.216 3.202. 42. 46 ( L4). 長 員. 教育委員会関係職員 n 方 公 移 員 の. 12鰻3鞭. 人 % 3,2U (100.0). 数. 15. 13 ( 0.4). 569. 541 (16、8). 2,172 Q,l17. 2.203 (68.6). 5ε7 5ア4. 甲. 教職経験有(再掲). 2,D9ア (65.3) P,8D3 (56.2). ウ青行政経験有(再掲) 一紐行盈経験有(再掲). 2』D1.2,129. … ( …). ヒL943iL963. LO39, 997. Q,131 C66.の. 996 (3LO). i.OO61. 第18表 人0親頓別の1市町村敏育委員会当たりの会羅の開催回数 人. ロ. 親. 模. 定例会. 舗会 g. 言÷. 教青委員. ヲ議会 回. 回. 83. 回. 回 3.8. 12.1. 1.1. 50万人以上 R0万人以上穂万人未満 10万人以上30万人未満. 13.2. 6,L. 19.3. 6.7. 5万人以上1砺人未満 3万人以上5万人未満. 10.6. U.o 4.2 3.7. 総. 数. 1.5万人以上3万人未満. 8千人以上L5万人未満 @5千人以上8千人未満. @5千人未満 S部教育亭務組合一部教育事務組合. 共同設置教育委員会. %. 37(15.η 54(∼3.o〕. 1覗(60.ω. (再掲). ε2臓.. 1職八割(構成比). 歴. 人. ε91箆.6). 36. 第ll表 市町村教育委員会の直前歴別の教理長数の推移 直. 1. @(構ま比). 39 69. 47(20.2》. 50∼59窪. 12(o.ζ). 3年置. 1(o.の. 弓。∼49歳. 襯(23.ω. 5年置. 2年置. 233Goo.o). 盈. のa衰満. 30(o.9). 細〔π.ひ. …( …). ■●■. 124 ( o.9). 5年置. 1.貌3(q.2). 微のうち姓 (甜). 35. ‘墜. 65 ( L7) 205 ( 55). 第21表 都道府県教育委員会の年齢別の教育婁員数の推移. 4年目.. 51(L9). 2,308 (61.2). 2,593. 3竿置. 入 %. %. 3.774 (!00.O). 3.「三5. 1襯. @(構戚比). 人. %. 2.三ε5 (16.2). 22{. 第9表 市町村教胃委員会の年齢別の教育長数の椎三 平氏元彰置. 人. 13.460 (IOO.の. 2,鄭. 3・{121. 当該教育委負会所在地非居侮. {5年星). 3,§23. LD35 ( 7.了) 3,199 (23.7). 職. フ醐η匠. 5年置 (構戚比). 4年置. 2.131 (15.8) 2、698 (2⑪.① 3.973 (29.5). 238 ( L8) 2D1 ( L5). 教撤珪験有(再揚). 3三ヌ. 13.{75 (三〇〇.O). 專門的・按術的職菜謹厚者 管翌的職莫従纂看 曇抹・論莱作莱者 生重従;者. 無. うち職契が無職の協含. F. PL5 1L6. P7.4 L5.8. S.1 2.6. 9.7. 4.2. 9.o 8.5. 3.7. 14.3 . 13.9 12.7. 3.6. 12.l. o.8. Wほ. R.9. 撃k9. P.0. S.2. P0.7. P20.3. P4.o. ハ4.0. U己2.7. 11.δ. 一 13 一. 戟D8. S.5. 3.2. M.8. 1.3 0.9. L1. 0.2. 64.臓.
(16) 第22衷 翻道府県教育委員会の織業別の紋膏委員数の推移 うち職茱が無職の場合の直朗歴. 職. 莱. 平霞元年度(構成比). 3年産. 4年度. 人. 人. 人. 233 銘. 5年度 (構成比) (5年度). 人. 総. 2年慶. 数. %. 233 (100.0). 2コ4. 80 (34,3》 94 (40.3) 4 ( し7) 一 ( 一). 69. 235 72. 103. 102. 3. 3. 専門的・鋒術的至剛三富者. 管理凶夢菓従事者 農林・漁莫作粟者 生 産 従 事 者 瑛 務 従 事 者. 一 ( 一) 一 ( 一). 版売 ・サービス従事者 無 識. 間. 一. 鴫. 一. 人. 101. 1 2 2. %. 人. 65(IOO.0). 65 (27.7) 103 (43.8) 一 ( 一) 一 ( 一). 35(53.8) 24(36,9). 59. 58. 59. 一. 一 ( 一) 65 (27.7). ( …). 86. 87. 86. 86 (36.6). 教臓疑験有(再掲). 一. 一( 一( L( 一(. 2 ( 0.9). 55 (23.6). 一. %. 235 (100.0). 一) 一) L5) 一). 5( 7.7). 第24表 都道府県教育委員会の直前歴別の教育長数の推移 直. 荊. 麗 平成元年魔(構成比) 人. 総. 2年度 3年度 %. 4年匿. 5年度 (溝成比). 人望6u291. 人. 該. v. 育. ウ. %. S7 (互00.O)一 ( 一). 長. 職. 員. U ( 12,8). ウ胃委員会関係載員. P4 (29.8) Q6 (55.3). n 方 公 莇 員図 家 公 傍 員. P ( 2」)一 ( 一). サ. の. 他. 教職経験有(再掲). ウ胃行政一年有(再渇)一観行政麗験有(再渇). 20 (42.6). i8293L. Q9 (61.7)… ( …〕. 20 R0 Q8. 16. 18 (38.3) Q8 (59,6) R0 (63.8). Q8 R2. 粥28翼 会羅の開催回数の椎移. 会議の種頽 ? 臨. 例 時. 1昭和63年箋閉1平成元年度間. 回. 会. 且3.2 4.8. 会. 教育委員鵠議会等. 1. 3.8. . 2年度悶. 3年土間. 4年曳問. 回. 回. 回. 回. P3.[. P3.3. P3.2. P3.3. 4.4. 4.0. 4.5. 4.4. 4.3. 3.6. 3.6. 3.7. [注コ. (1)児島邦宏「学校の革新と教育委員会の役割」日本教育行政学会年. 報・9(1983)28頁 (2)文部省「教育委員会の活性化に関するアケート調査」 (1990). (3)文部省地方行政調査(1993年5月1日現在) (4)清水俊彦「教育委員会の活性化 一市町村教育委員会を中心にし. て一 」日本教育行政学会年報・14(1988)66頁. (5)同上 58頁 (6)堀 和郎・加治佐哲也「教育委員会の活性化を支える教育委員像」 一市町村教育委員会の全国調査から一 日本教育行政学会年報・. 14(1988)88頁 一 14 一.
(17) 市町村教育委員会の会議. 第2章. 本章においては、教育委員会の会議が教育委員会の制度上および運営 上どう位置づけられているかを述べる。. 1.会議の位置づけ. ’. 教育委員会の会議は、地方教育行政の組織と運営に関する法律で次の とおり位置づけられる。. 1)法的根拠 ①会議運営の目的. 第1条 この法律は、教育委員会の設置、学校その他の教育機関の 職員の身分取扱いその他地方公共団体における教育行政の組織及 び運営の基本を定めることを目的とする。 ②会議運営の構成. 第3条 教育委員会は、五人の委員をもって組織する。ただし、町 村の教育委員会にあっては、条例で定めるところにより、三人の 委員をもって組織することができる。 ③会議の機能. 第12条一3 委員長は、教育委員会の会議を主宰し、教育委員会 を代表する。. 第13条 教育委員会の会議は委員長が招集する。 同条 一2 教育委員会は、委員長及び在任委員の半数以上が出 席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。. 同条 一3 教育委員会の会議の議事は、出席委員の過半数で決 一 15 一.
(18) し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。. 合議制の執行機関としての運営の基本を定め、会議において職務権限. を執行する構成員の数を5名あるいは3名と定め、会議の機能を委員長 が主宰し、招集し、半数以上の委員で会議を開催し、議決すると定めて いる。. また、会議の運営法については、. 教育委員会会議規則(文部省準則案)で次のとおり規定されている。. 第2章会議 第5条 会議の招集は、会議開催の場所及び日時、会議に付議すべき事 件を、あらかじめ 各委員に通知して行う。. 第6条 委員は、招集の当日、指定の時刻までに、指定の場所に参集し なければならない。. ②委員は、招集に応ずることができないときは、その事由を具して会 議開催前までに委員長に届けなければならない。. 第8条 会議は、おおむね次の順序で行う。 1. 開会. 2. 前壷会議録の承認. 3. 教育長の報告. 4. 議事. 5. その他. 6. 閉会. 第9条 委員は、動議を提出することができる。 ②動議が提出されたときは、委員長は、会議にはかってこれを議題と しなければならない。. 第10条 動議を提出し、または提出しようとするものは、委員長の許 一一 16 一一.
(19) 可を得て、発言しなければならない。. 第13条 委員長に論旨が尽きたと認めたときは、会議にはかって採決 しなければならない。. 第14条 委員長は、順次、各委員の賛否の意見を求めて採決する。 会議を招集する際は、委員に前もって会議議題などを通知しなければ ならないとし、委員は会議に出席の義務があり、もし欠席の時は、理由 と共に届けをしなければならないとしている。会議の進行は、開会宣言 に始まって、前壷会議録の承認、教育長の報告、議事、そして、その他 と続いている。委員は議題を提出する権限があり、委員長は委員長の判 断で論議の打ち切りをし、委員に賛否を求めて採決を行う。. 2.活性化した会議 会議が法的根拠に基づいて運営されることにより教育委員会が本来の. 機能を果たすことになる。地教行法第28条および教育委員会会議規則 に基づき運営された活性化した会議のモデルは次に示すとおりである。. ①[欠席の状況]会議に委員が欠席していないこと。. 会議は在任委員全員の出席によって開催される。会議において委員 会の議決により方針が決定されるので委員長の会議招集に応じて会議 に出席しなければならない義務と責任を負う。在任委員全員の出席が 求められることは当然である。教育委員会会議規則(文部省準則案) は次のとおり規定している。. 第2章 会議 第6条 委員は、招集の当日、指定の時刻までに、指定の場所に参集 しなければならない。. 一 17 一.
(20) ②委員は、招集に応ずることができないときは、その事由を具して 会議開催前までに委員長に届けなければならない。. このことは会議出席の重要性を示している。会議に欠席のないこと が前提である。したがって、欠席した委員への対応も慎重にすること が求められる。全員出席の状態で会議が進行していることが会議が活 性化している一因と考える。. ②[発言の状況]会議で委員の発言が活発になされていること。. 会議では出席委員が活発に発言することが求められる。質問、意見、 動議提出など職務責任として民意の実現と役割・権瞑の執行を果たす ためには活発な発言が求められる。他方、委員長の会議の進行に協力 し、他の委員の発言を尊重することは民主主義の基本である。会議は 委員が討議する時間を確保しなければならない。議決することは委員 会の重要な職務権限であるので討議時間の保証のないところ業務を執. 行できないことは当然である6活発な発言とは、単に発言が活発であ るということでなく職務責任において権限を執行する立場での発言で なければならない。. ③[開催の状況コ会議が計画的・合理的に開催されていること。. 会議は計画性を持って、合目的的に開催されなければならない。学 校教育は年度ごとの計画によって行われている。教育委員会の会議は 学校教育に関することが多いのでその計画に沿って開催の年間計画表 は作成される。特に、定例会は議題の計画が立てられるので会議ごと に議題を決めることは解消すべきである。ほとんどの会議の開催が計 画的にされるので教育委員会事務局は資料を作成し、事前に委員に配 布して議決を容易に運べるようすべきである。また、会議は開催理由 をそれぞれ異にする。定例会の議題の理解をするため委員が協議会を. 一 18 一.
(21) することが定例会を効率的に運営することになる。また、緊急事態の 発生を想定し、非常勤の委員が緊急に由席し会議開催できる手立てが 求められる。そこに充実した会議運営ができるのである。 ④[会議の在り方見直し状況]会議運営の見直しをしていること。. 会議が活性化した状態で運営されるよう絶えず『会議の在り方』を 見直さなければならない。点検によって会議運営が改善されるのであ る。合議制の執行機関として会議は生命なので詳細にわたって、時間、 場所、期日はもちろん、司会進行、質問意見、議決の在り方、… など話し合によって改善すべきである。. ⑤[議題の取り組み状況〕議題の取り組みが活発であること。. 会議は議決するためにあるので議題の取り組みが活発でなければな らない。会議が議題に取り組む前提は、住民の意向を会議に伝え地域 の特性を踏まえて住民の意向を実現する道筋が求められる。議決に際 しては、役割と権限を果たす。教育委員会にとっては先導的に果たさ. なければならないのが生涯学習体制の整備である。教員人事の方針の 決定は教育長に対する重要な機能であるので取り組みに活発さを求め られる。校舎建築に関わる物的環境の取り組みが重要である。また、. 予算獲得には首長による意見聴取に対して委員会にとっては関心をも たなければならない。重要な議題を決定するためには委員に対して議 題に対する研修が求められる。また、決定された内容を決定した委員 が積極的に行動へ移そうとする結果をもたらすことは会議の取り組み が活性化していることの表れである。. 以上が活性化した会議のモデルである。会議が本来の機能を果たし、 活性化した状態であるかをモデルに基づき調査によって明らかにする。. 一 19 一.
(22) 3.1会議の位置づけ表. 教育委員会の活性化. 意識・運営改革. 制度・組織改革. 制度の趣旨・民意反映. 職制. 権 限. 役. 委 老. 学生社行. I. 一. g 諸 ?事 ア 務. Z正会政. C. :専. 割. 組織. 委 教. ・事. ? 育. ウ教変課. @. 任. O下化題. @. 制. 事. ア 務 ? 局. ? 統 L 合 忠サ. O体三豊‘. タ制応決. i会 議 活 動. ●. 6. ●. 活性化した会議. Q無欠席. ●. マ1「[rl議回議[ ?c 案旧事会. 寥≒ネ委員に報告. 行 動 化 *広報誌発行. 膜. 乙.. 寰ソ問。意見活発. 聴会開催. 膜、修会参加. キ議議案 ののの議. 寰i会に協力. 鮪タ践交流会実施. フ招主裁 討議運規. 尅シ委員の発言尊重. 抹カ化視察実施. E集宰決 議決営一. n討議時間の確保. 槙w校訪問実施. ?nL」]. O会議の在り方点検. 亦n域事業参加. 寞ル急会講開催に塩力. 鮪ミ会教育団体. LI. 1. 寞c題の年間計画. 鮪. O委員協議会の活用. 幕c会と接触. n事前の資料配布. 槙w校行事参加. 寰ゥ主研修会の実施 n議題取り組み活発. 一 20 一一. 長へ働き掛け.
(23) 第3章. 市町村教育委員会の会議の 問題点. 本章においては、研究の目的で示した活性化した会議のモデルに基づ き兵庫県における市町村教育委員会の実態を調査しその結果を考察する。. 調査の概要および調査結果は以下のとおりである。. 1.調査の概要. 1)調査時期一一一一1995年10月26日∼同年11月6日 2)調査対象一一一一一兵庫県下の市、町、共同設置の総数80の教育委. 員会の教育委員長に回答を求めた。 ・政令指定都市(神戸市)、事務組合は除外した。 3)調査方法一一一一質問紙、郵送法(回答無記名). 4)回収結果. 80. 発送総数. 人. 3万以上 3万未満. 23 57. 回収総数 口 規 模 回収数 回収数. 68. 回収率 85%. 別. 21 47. 回収率 91.3% 回収率 82.4%. 2.調査内容 次の内容について調査を実施した。. ①欠席状況. ②発言状況. ④会議在り方見直し状況. 一 21 一. ③会議開催状況 ⑤議題取り組み状況.
(24) 1)調査結果の分析と考察 (注) 文中の全体とは回収総数80の教育委員会である。. 人ロ3万以上を大規模、3万以下を小規模と呼ぶ。 ①欠席状況について. 表1会議の欠席状況 調 査 全 体 委員会数. 比 率 %. 31 33. 嗣ぐない ほとんどない. 人口3万以上 1人口3万未溝 数. 45.5 48.5. 15 5. 比率%1 数. 71.4116 23.8i28. 少しはある. 4. 5.8. 1. よくある. 0. 0. 0 0 1 0. 比率%. 34 59.5. 4.71 3. 6.3 0. 表2欠席委員への決定事項の報告 報飢ている. 倭員会数. 比’率 %. 150. 73.5. 報告していない 1 3 4.4 無 答. 15. 22. 3万以上 %, 3万未満 %. ?2. j 219,511 5 7. 工 1 3 8. 7 33.3. 8 0. 8. 8. 2.1 工7. 会議の欠席状況(表1)で、欠席が「全くない」が全体で45.5% である。小規模においては34%となっている。大規模との率の差が3 7.4%と両者の差が余りにも大きいのである。合議体の会議であるの で委員全員の参加が求められる。教育長を除くと委員は4名となり委員. 長が司会するため委員は3名となり1名の欠席があれば委員長は2名の 委員に賛否を求めることになる。小規模の「全くない」が34%である のは、委員の仕事の都合上の欠席か、委員の意識や自覚に問題があるの か、または、委員会が会議の機能をそれほど重視していないのではない かと予想される。委員会が小規模であることは機能発揮と関わると考え る。行政資料“}では、教育委員会の会議状況に対する考えで、 「あま り活発でな・い」、 「活発でない」を選んだ理由に委員が多忙なためとい. う回答が市町村で145(都道府県教育長の認知として、その回答が選 一 22 一一.
(25) ばれた都道府県の延べ数)である。(1)欠席の理由は、委員の多忙と予. 想される。欠席委員へ決定事項の報告(表2)がなされているのが、7. 3.5%と低率である。大規模では、57.1%となされているのが約 半数である。.欠席があれば欠席委員への決定事項の報告を行うための手. 立てが求められる。欠席委員自身が決定内容を求めるか、事務局が報告 しなければ、少数の委員で重要な方針を決定したことに不安が予想され る。. ②発言状況について. 表 3 会議での質問状況 委員会数. 非常に活発である. 活発である. 19. 1 47. あまり活発でない. 活発でない. 2. 1 0. 3万以上 %r 3万未溝 %. 比 率 %. 2ブ.9. 8. 69.1. 11. 38 巨1 52.3 36. 2. 2.9. 一〇. 0. 23.4 76.5. 9.5 0. 0. 0 10. 0. 表 4 会議での意見発表状況. 非常に活発である. 活発である あまり活発でない. i. 委員会数. 比 率. 18. 26。. 49 } 1 0. 活発でない. 4. 72. 11・. lo. 0. 無 答. %. 4. 0. 3万以上. %1. 5 23.. 8. 15171.. 4. oio 7. 6i 34け2. 31. Iolo 0 0. 表 5 会議進行への協力状況 委員会数1. 比 率 %. 66.1 33.8. 非常に協力的である } 45 盤力的である 23 1 ?ワり協力的でない. 0. 0. 協力的でない. 0. 0. 一 23 一. 3万以上 %i 3万未満 %. 17 4. 8 0. 9 i 2 8. 1工 g. I. %. 13 27. O1 0. 0 0. 114.. 3万未満. I1 9. ? o i o O 0 0、 0 0. 5 9. 5. 40. 4. i. i.
(26) 表 6 他の委員の発言の尊重 委員会数. 24 44. 非常に尊重している 尊重している. 0. あまり尊重していない. 尊重していない. 比 率 %. 35.2 64.7 0 0. 0. 3万以上 %. 11 10 0 0. 3万未満 %. 52.3 47.6. 13 34. 27.6 72.3. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 表7委員の意見交換の場の設定 委員会数. 設定している. 67. 設定していない } 1. 比 率 %. 3万以上 %. 3万未満 %. 98.5. 21. 100. 46. 1.4. 0. 0. 1. 97.8 1.5. 会議での質問状況(表3)で、 「非常に活発である」が27.9%、 「活発である」が69.1%となっている。 「活発でない」は皆無であ る。会議での意見発表状況(表4)で、 「非常に活発である」が26.. 4%、 「活発である」が72%であり、共に満足である。これも「活発 でない」は皆無である。会議において委員は活発に発言しており活性化 した会議であると予想できる。先行研究(2)で、市町村教育委員会の会. 議の様相について教育長の認知として“会議ではではいろいろな意見が 交わされて論議が尽くされる”の様相に対して、 「全くよくあてはまる」. が26.7%、 「あてはまる」が54.5%となっており会議は活発と 指摘され、本調査でも同様の結果である。会議進行への協力状況(表5) で、 「非常に協力的である」が66.1%、 「協力的である」が33. 8%で「あまり協力的でない」、 「協力的でない」は皆無である。委員. 長の会議進行により会議はスムーズに運んでいると予想できる。大規模. で、 「非常に協力的である」が小規模に比べ21.4%の差があり、そ の差は大きい。同上の先行研究〔3)において、 “会議は異義なく進行す. る”の様相に対して「全くよくあてはまる」が13.4%、「あてはま 一 24 一一.
(27) る」が51.9%と秩序正しく会議が進行しているという指摘と同様の 結果となっている。また、会議において他の委員の発言尊重の状況(表 6)で、 「非常に尊重している」が35.2%、 「尊重している」が6. 4.7%と共に高率である。委員長の司会に協力的であり、他の委員の 発言を尊重している結果は、会議で民主主義のルールが確立していると 予想される。委員の意見交換の場の設定(表7)では、 「設定している」. が98,5%となってとり満足な状態といえる。委員が会議において役 割と権限を果たすことができると考える。. ③会議開催状況について. 表 9 緊急時の会議開催 委員会数. 比 率 %. 59. 開催している 開催していない. 1. 開催の事態にない. 8. 3万以上 %. 3万未満 %. 39. 20. 95.2. 86.7 1.4. 0. 0. 1. 11.7. 1. 4.7 7. 82.9 2.‘. P. 14.8. 表11 臨時会、委員協議会の活用 委員会数. 9. 非常に活用している. 活用している. 48. 1. 3. 13.2. 16. } 70.5. 隣まり活用していない 1. 活用していない. 3万以上 %1 3万未満 %. 比 率 %. 9 2. 1. 13.2. 1. 2.9. 6 13.3 32 68.8 8 17.7 4.7 0 4.7i 1. 14.2 76.1. 表10 会議の年間計画 委員年数. 数か月ごと. 11 10. 会議ごと. 46. 決めている. 無 答. 1. 比 率 %. 3万以上 %1 3万未満 %. 16.1 14.7 67.6. 5. 23.81 6. 3. 14.2 7 61.9 33. ユ3. 1.4. 一一. @25 一. 0. 0. 1. 12.7 14.8 70.2 2.1.
(28) 表14 会議の資料配布 1委員会数 伽 「つも配布されてい剤. 48.5 時々配布されているi23 33.8 配布されていない 11 116.1. 無答. 33. } 1 i 1.. 3万未満 %. 3万以上 %. 比 率 %. 4. 17 80。9 3114.. 16 33.3. 2120144.4. 1. 0. 0. O l1. 20. 10. 1.8. 緊急時の会議開催(表9)で、 「開催している」が86,7%と緊急 時への対応の体制は確立している。臨時会、協議会の活用(表11)で、. 「非常に活用している」が13.2%、 「活用している」が70,5% とほとんどの委員会が活用していることは、定例会では討議時間が不足 なのか、協議の形で意見交換しなければならない問題が多いのかどちら かと予想される。他方、 「あまり活用していない」の13.2%の委員 会もある。会議の年間計画(表10)で、 「会議ごとに決めている」が. 67,6%は会議の取り組みの姿勢に問題がある。会議の資料配布(表 14)で、 「いつも配布されている」が48.5%と半数以下の配布で ある。大規模の80.9%は考えられる率であるが、小規模の「時々配 布されている」の44.4%、 「配布されていない」の20%では会議 への取り組み姿勢に問題がある。. ④会議の在り方の見直しについて. 表 8 「会議の在り方」への見直し 委員会数 ある ない. 25 43. 比 率. 3万以上 %. 36.7 63.2. 6. 26 一. 15. 28.5 71.4. 3万未満 %. 19 28. 40.4 59.2.
(29) 表8−2「内 容」 委員会数. 3万以上 5. 12. 会議の時刻、開催回数. 13万未満 7. 臨時会、委員協議会. 6. 2. 4. 意見・質問、提案. 8. 1. 7. 進行上の問題. 6. 2. } 4.. 0. 2. その他. 2. 会議の在り方への意見(表8)で、「出された.ことがある」の36.. 7%は満足できる状態だ。多くの委員会が『会議の在り方』を見直して いる。その意見に対しては会議充実のため早急に対応すべきである。意. 見の内容(表8−2)において、会議の時刻と開催回数をあげた委員会 数の12が最高で、意見・質問・提案などを含め会議における委員の討 議時間と関わる問題と考える。会議における討議時聞がどうなっている のだろうか。. ⑤議題の取り組みについて. 表12 地域住民の意向の伝達 委員会数 十分伝えている 伝えている. あまり伝えていない. 伝えていない. 比 率 %. 3万以上 %i 3万未満 %. 16 48. 23.5 70.5. 4. 5.8. 0. 0. 0. 0. 8. 13. 38. 8. 61.9i35 0. 4. 0. 0. 17.7 73.3 8.8. 0. 表13 地域の特性の反映 委員会数 十分反映されている. 9. 比 率 %. 3万以上 3. %. 3万未満 6. %. 55. 13.2 80.8. あまり反映されてない. 4. 6.1. 0. 0. 4. 8.8. 反映されていない. 0. 5.8. 0. 0. 0. 0. 反映されている. 18. 14.2 85.7. 37. 13.3 77.7. 地域住民の意向の伝達(表12)で、 「十分伝えている」が23.5 d一 27 一.
(30) %、 [伝えている」が70.5%と満足な回答である。地域の特性の反. 映(表13)で、 「十分反映されている」が13.2%「反映されてい る」が80.8%とこれも満足な回答である。市町村教育委員会にとっ て最も重要な制度の趣旨レイマンコントロール、民衆統制が生かされて いると考える。教育委員会の「活性化」のすすめ方として地方自治体の 主体性を表し教育委員が職務責任を負っていると考えられる。. 表16 議題の取り組み. 生涯学習体制の整備 委員会数. 非常に積極的. 積極的. 3万以上 %. 比 率 %. 1 12 「 17.6. 1 42. 6 28.5. 1 61.7. 2. 6. ‘. X 42.8133 L. T 23.81 7. あまり積極的でいない 12 17.6 取り組んでいない l o l o. 1無答. 3万未満 %. 010 10. 2.9. 1. 4. 7. 1 i. 11.1 71.1 15.5 0. 1. 8. 生涯学習体制整備において、 「非常に積極的である」の17.6%は. 取り組みに問題がある。小規模で、「あまり積極的でない」が23.8 %とあるのは、行政として取り組むとき生涯学習に関する内容は学校を はじめ社会教育における文化・スポーツと多方面にわたる上に教育行政 と一般行政との連携の問題があるなどそれに取り組みに困難性がある。. 教員の人事異動方針 委員会数. 非常に積極的. 21. 積極的. 32 10. あまり積極的でない. 取り組んでない. 5. 比 率 %. 3万以上 %1 3万未満 %. 30.8. 7. 33,3巨4 28.8. 1. 47. 7. 33.325153.3. 14.7. 6. 7.3. 1. 伽 Q8.5 4 8.8 4,7 4 8.8. 一 28 一一.
(31) 教員の人事異動方針への関心が取り組みでは、 「非常に積極的である」. が30.8%あり、生涯学習体制整備と比較すると、13.2%の差が ある。大規模では、人事に「あまり積極的でない」が28,5%と、こ れも大規模の特徴で大規模教育委員会は広範囲で様々な状況をもってい ると考えられる。人事異動には様々な問題があり教育長の取り組みのす べてを理解し難い面があり事務局に任そうという配慮も働くとも考えら れる。. 校舎の建築・改築 委員会数. 26 36. 非常に積極的 積極的. 比 率 %. 38.2 52.9. 取り組んでない. 4 1 5.8 1 1 1。4. 無 答. 1. あまり積極的でない. 1.4. 3万以上 %i 3万未満 % 8. 10 3. 38. 18 37.7 26 57.7 0 14.2i 1. .47.6. O. 0. 1. 11. 2.2 2.2. o o l1. 校舎の建築・改築で、 「非常に積極的である」が38.2%は取り組 みに関心の深さが表れている。同上の先行研究〔4)で指摘された通りで ある。物的環境は住民に分かりやすく住民の意向が強く委員も判断しや すいので関心が深い状況になると考える。. 教 育 予 算 委員会数 非常に積極的 積学的. あまり積詩的でない. 22 34 10. 取り組んでない. 1. 無 答. ユ. 比 率 %. 3万以上 % 6. 32.3 50. 11. 14.7. 4. 1.4 1.4. 0. 0. 3万未満 %. 28.5 16 52。3 23. 19 16 0. 0. 1 1. 33.3 48.8 13.3 2.2 2.2. 教育予算においては、 「非常に積極的である」が32.3%となって いる。会議では予算には関心が深い。行政は予算が伴わなければ実績を 一一 29 一.
(32) あげることができない。事務局は予算獲得に直接関わるので現実的であ るが、会議は行政の前進化を望むので積極的になる。. 表15 教育委員の自主研修会 ’. 開催した. 42. 開催しなかった. 25. 61.7 36.7. 11 10. 1.4. 0. 1. 無 答. 3万以上 %. 比 率 %. 委員会数. 3万未満 %. 52.3131 47.6 15 0. 66.6 31.1 江.「・8「. ! 1. 教育委員の自主的研修会(表15)は、 「開催した」が61,7%と 極めて低率である。特に、大規模では「開催しなかった」が47.6% と「開催しなかった」という実態は問題である。委員の会議における活 動の重要性と課題の取り組みに困難性がるとしてもなおざりにできない。. 表17 委員の積極的な行動 比 率 %. ㎜委員会数. 9. 52.3 42.8. 30 16. 63.8 34.7. 2.9. 1. 4.7. 1. 2.1. 0. 0. 0. 0. 0. 41 25. 60.2 36.7. あまり積極的でない. 2. 積極的でない. 0. 非常に積極的である 積極的である. 3万未満 %. 3万以上 %. 11. 委員の積極的な行動(表17)では、 「非常に積極的である」の60.. 2%「積極的である」の36.7%と共に極めて満足である。方針決定 された問題への委員の関心と意欲がうかがえる。会議が委員を行動に駆 り立てる経緯を示している。. 表16 議題全体の取り組み 委員会数. 非常に積極的 積掻的. 1 79. 1 ユ44. 比率 %. 29.2 53。3. あまり積極的でない 1 36. 13.3. 取り組んでいない. 7. 2.5. 無 答. 4. 1.4 一一. @30 一. 3万以上%. 3万未満 %. 27133.3. 5、0 27.7. 3414エ.9. 104 57.7. 1822.211帽 9.4 1 エ.21 6 3.3 1 1.21 3i 1.6.
(33) 議題の取り組み状況(表16)で、の4議題全体の平均から、 「非常. に積極的である」の29.2%、 「積極的である」の53.3%と議題 に対する取り組みは全体的に積極的である。委員の役割意識・職務意識 共に満足する状況と考えられる。大規模で、 「あまり積極的でない」の. 22.2%は、議題によって取り組みに差異があり、大規模の持つ特徴 とも考えられる。. 2)考察の総括 (1)活性化した状況で運営されている点. ①委員の発言 会議において委員が活発に発言している点である。教育長はじめ事務 局課長の提案説明する内容および他の委員が会議で地域の意向を伝えそ いる内容は、相亦の事前の研究がなければ判断でき難いと考える。発言 することをなおざりにせず質問や意見を述べることは会議に参加してい る委員にとっては職務遂行上の責任として最も重要である。委員の発言 が活発であることは委員が意欲的に会議に参加していることを証明して おり会議が活性化した状態と判断できる。また、委員にとって議決が最 も重要な職責であるが故に議案に対して委員が自身の意見を活発に発表 していることは当然であり、会議で決められた方針が機能を果たす結果 を生ずると考える。委員会で決定された教育行政・教育問題の方針は教 育長・事務局において執行されるのである。 ②会議の開催. 会議が適切に開催され、充実した運営がなされている。緊急時に会議 開催ができる態勢にあることは教育委員会の機能が確立している証左で ある。委員が非常勤であることから緊急時の対応の態勢は是非確立しな 一 31 一.
(34) ければならない。委員長の司会に極めて協力的であることは会議が円滑 に進行しており、会議が混乱するようでは会議の存在価値がない。. ③『会議の在り方』見直し 『会議の在り方』を見直ししている状況は機能が充実しているといえ る。『会議の在り方』についての問題提起がほとんど時間に関わる問題 である。会議が機能する重要な要因は時間との関わりである。発言が活 発なところに時間の取り方が問題として提起されるのだろう。会議の決 定事項が委員の行動化へと連携されている。会議の決定は教育長の指揮 で事務局が執行するのであるが、委員においても教育委員会の職務執行 を支援する意欲と行動が求められる。行動への意欲が高揚していること は会議が活性化している証明である。. ④議題の取り組み. 4議題全体の取り組みが活発である。それぞれの議題において取り 組みの活発さに差はあるが、全体としては満足な状況と考える。教育 委員会の役割と権限を理解していると予想される。. (2)会議が活性化しない状況で運営されている点 ①委員の欠席. 緊急時は例外であるが、定例会は期日が決定されている。決定された 期日に委員は自己の行動予定を整理すべきであり、全員の出席で会議が. 開催されるのが原則である6会議に欠席した委員への報告・連絡は必ず 行うべきで、欠席委員は合議に参加していないので、構成員の欠けた決 定内容を弱体化させないよう努めるべきだ。委員・事務局共に職務権限 者の蓮痔と意欲に関わる問題である。組織体を活性化させる重要な鍵は 構成員を遊離させないことである。そのことは事務局または、委員長が. 一 32 一.
(35) 配慮すべきである。前回会議録の承認で済ますようでは決して会議が活 性化しない。住民に対して伝達の機能を果たしていないと言わざるを得 ない。. ②会議の開催 会議における資料の配布が完全でないことである。合議機関の会議に は、議決すべき議案の参考資料が確実に与えられなければならない。当 日の配布では議案の理解が十分にできないと考えられる。会議の案内状 と共に、あるいは資料作成終了次第配布するよう事務局担当の事務課に 求めたい。. ③『会議の在り方』の見直し 見直しは、時間に関わる問題がかなり多く取り上げられてている。会 議の時刻、開催回数、討議時間、進行上のことなどと共に議決の資料不 足も関わりがある。委員協議会が活用されている実態は様々なことが予 想されるが、会議における時間の不足を補らていることが自然な見方で あろう。定例会が年間を通して計画されている上に、学校教育は年間計 画に基づいて実施されているなどから会議の議題が会議ごとに決められ ていることは最も改善しなければならない問題である。年度初あに教育 委員会会議の年間計画が出されなければならないと考える。 ④議題の取り組み. 生涯学習体制の整備に関する議題の取り組みが活発でない。生涯学習 が現在の教育行政で取り組まねばならない問題である。生涯を通して、. 高齢者福祉、乳幼児保護の問題など学校教育・社会教育はそれを繋げる 機関の責任者が教育委員会である。膨大な予算を伴いまた、それは新し い取り組みなので委員会にとって研究が必要であり、時間を掛けてとり 上げる課題と考えるが、それへの取り組みが弱い。その他、教員人事は、. 一 33 一.
(36) 当事者である教育長・人事担当課長とは違った客観的な立場で積極的に 取り組む必要があると考える。予算の問題は財政権の在り方として問題 性は明瞭であるが、教育長が行政の立場で絶えず首長と接しているので、. 委員会は住民の意向の伝達者として首長の判断を補強する位置にあるの で重点的に取り組むべきと考える。 注(.1)文部省(1990)教育委員会活性{ヒァ.≧ケート調査 (表4>1あまり活発でない」「活発でない」を選んだ理由. 1 i. 選択肢内容. 1 差し迫った課題が多く、長期的な観点からの. 都道府県・. 指定都市. 市町村. 1. 107. 4. 465. 1. 145. 2. 277. 議論が困難である。. l12 委員会の議案が報告・承認案件に偏っており il. 3 委員が多忙なたあ、会議を臨機応変に開催す ることができない。. {・㈱な会議進行が習臨・い翫 1. [注]. (1)文部省「教育委員会の活性化に関するアンケート調査」 (199. 0) (2)堀 和郎・加治佐哲也「市町村教育委員会に関する調査研究一. 『教育行政の住民統制』の理念と現実一」 (1988)市町村教育. 委員会の会議の様相:教育長の認知 表4−22 (3)堀 和郎・加治佐哲也「市町村教育委員会に関する調査研究一. 『教育行政の住民統制』の理念と現実一」 (1988)市町村教育. 委員会と教育長の関係:民意実現の側面 a教育委員会の職務意識. ・職務活動 表4−19 一一 34 一.
(37) 第4章 市町村教育委員会の課題 本章においては、調査に基づき会議の活性化に関わる問題点が、 「委 員の自由な意見交換の機会が確保されている・」および、 「委員の自主研. 修会が活発に開催されていない」ことの2点ととらえ考察を深める。. 1,会議運営の問題点. 1)委員の自由な意見交換. 間7 委員が自由に意見の交換をする場を設けていますか。. 『ハイ』. 『イイエ』. の質問に対する回答で、. 『ハイ』の回答は、67 教育委員会で回答全体での比率は98.5 %である。. 『イイエ』の回答は、1 教育委員会である。. 大規模教育委員会は100%の肯定回答である。回答全体は委員が自 由に発言できる機会を確保していることを示す。教育委員会の会議は、. 合議制の執行機関であるので構成員である教育委員が自由に意見を述べ られる機会が保証されなければ成立しない。委員が自由に発言しエキス. パートである教育長をコントロールする制度の趣旨が生かされているこ とは評価すべきである。問題は会議運営における議事のすすめ方である。 一一 35 一.
(38) 議事が一方的に事務局の提案のみで委員会がそれを消極的に審議し決定 するようでは委員の意見が活かされたとはいえない。委員が職務責任を 自覚し議事を審議決定するとともに議案の決定段階で積極的に関わるこ とである。そのために議事順序における“協議”の項または“その他”. の項で次回の議題の確認をすべきではなかろうか。積極的に意見発表の 機会を確保する姿勢がなければ会議が活性化するとは考えられない。す なわち、行政資料では〔2〕、市町村教育委員会からの回答結果が、会議. では、教育長報告、議案の承認などが多くて討議の時間が不十分とされ ている(表4)。 『会議の在り方』の中で委員の意見発表の機会の確保 は重要なファクターとなるので論を深めたい。教育委員会の活性化1こ関 する調査協力者会議の報告では、教育委員会の会議の運営について「・ ・・. ?c事態が常に活発に開催され、会議においては充実した審議が行. われ、そして、それに基づいて適切な意思決定が行われなければならな い。」と述べている。 「活発」は質問、意見発表、動議提出を指すもの と考える。 「充実」は時間を十分に取って、十分な資料に基づいて意見. 交換をすることであろう。「適切」は制度の趣旨を踏まえ、役割に基づ いて、権限を行使し、を意味するのであろう。また、教育委員会の活性 化についての通知(2〕で文部省教育助成局長は、教育委員会の運営等と. して「ア.…. 今日の様々な教育課題に迅速かっ的確に対応できるよ. う、定例会はもとより、臨時会や委員協議会などの方式を積極的に活用 すること。イ.教育委員会の会議においては、教育に関する基本方針の 決定等、長期的、計画的な教育行政の課題に積極的に取り組むこと。」. と通知している。定例の会議は月1回程度の回数で開催されている。臨 時会は会議が適切な権限行使をするには行政事務上数回は必要だろう。. 意思疎通と学習のため委員協議会を定例会と同様程度開催すれば長期的. 一 36 一.
(39) な課題を取り上げ積極的に審議が可能と考えるが、会議回数の増大は委 員にとっても事務局にとっても複雑な問題があると予想される。委員が 関わる会議時間、委員に対する費用弁償、委員が非常勤制度など問題が ある。行政資料では(1〕、会議の状況について、 「あまり活発でない」. 「活発でない」を回答した理由として、委員会の会議時間が報告・承認. 案件に偏り実質的な論議の機会が少ないとしている。市町村教育委員会. で465、回答全体の32%(表4)が時間の確保ができないとしてい ることは当然の実態と考える。また前記報告では、その対応として教育 長に事務委任を増やすことなど述べているが、事務委任を増大させるこ とは委員会の職務権限に問題が生ずる心配がある。一例を上げれば、兵. 庫県下人口2万2千の夢前町教育委員会の事務委任の内容を検討すれば、 「学校教育・社会教育の一般方針、学校、公民館などの設置・廃止、1. 件5万円以上の財産取得、教員人事の方針、職員の任免の内申、服務の. 一般方針、教育機関の長の任免、学校などの敷地の選定、1件5万円以 上の工事の計画、教育委員会規則の改廃、議会の議決を要する議案の意 見の申出、社会教育委員などの委嘱、教員研修の一般方針、児童・生徒 の学校の区域の設定」を除いて、教育長に委任している。審議時間を軽 減するため、これちの重要な事務のどれを教育長に委任するとしても教 育委員会の機能に問題を生ずるのではないだろうか。意見交換の機会の 確保には極めて解決困難な要因があると考えられる。. 文部省の教育委員会の活性化事例集「活力ある教育行政を求めて」第 1分冊の教育委員会組織の充実によれば、. ・栃木県西方村、 (人口 6,490)の取り組みの報告で、会議の定 例化を取り上げている。具体的展開として、①県と地域の事業を踏まえ. て年間行事を作成、②年間10回開催し予想される議題をあげて定例会 一 37 一.
(40) に研修内容を組み入れた。極めて大きな改善を実践している。会議の定. 例化を今、1995年置行っている実態である。臨時教育審議会で活性. 化が指摘されて(1987年)8年後である。 ・大津市教育委員会は、人口26万余りで女性委員1名あり委員会で、 改善の取り組みとして、報告事項・議案説明の簡略化をし、協議会を活 用し、会議終了時刻を明示し委員間の討議時間の確保をした。また、会. 議の平均時間の2時間5分を長すぎると報告している。その他終了時刻 の明示など会議時間の長さだけでなく議題の内容も改善していることは. 評価すべきである。改善前は月2回であったことから以前は会議の時間 が相当浪費されていたと予想できる。. ・人口26万の下関市教育委員会では、会議が形式的しマンネリ化して いることから委員会会議は出席者全員のディスカッションの場であるべ きとして討議を起こし、発展的な改善点を見出したと報告している。会 議で一部の委員のみ活発に活動していた実態があったと予想される。. ・兵庫県下人口2万2千の夢前町教育委員会の平成5年度実態では、定. 例会の年間開催回数12回、所要時間平均2時間20分、教育長報告年. 間平均25.5件、報告内容は学校教育83件、社会教育65件、議会 関係18件、事務局関係41件あり、議事数の平均が1.75件、協議 案件が年間平均2件である。この実態であれば適切な会議時間を1時間 30分とすればかなりの整理が必要である。教育長報告は整理できると. しても、約2件の議事は1時間近く時間を要する。その上、協議2件あ り、委員長の司会進行の技術と委員の協力意識が求められると考えられ る。これら会議所要時間に偏りがある中で委員の自由な意見交換の機会 を設定することは困難と考える。. 38.
(41) 問7の回答は委員の自由な意見交換の機会が確保されているとされて いるが、教育委員会制度の趣旨である民意の吸収・伝達・実現のために はより充実した意見交換の機会が設定されなければならないのではない だろうか。委員が必要であると認識すればたあらわず動議の提出をし、 積極的に議案決定に関わることである。. 教育委員会が本来の機能を果たす道筋は、教育委員会の会議において 委員が民意を確実に生かすことにある。そのために委員が自由に意見を 述べまた、必要と考えるだけの機会と時間が十分に確保されなければ活 性化への活力には到底ならないと考える。. 2)委員の自主研修会の開催. 問15 あなたの教育委員会で行政上の課題のために、独自 に教育委員の研修会を開いたことがありますか。. 『 ハイ 』. 『 イイエ 』. 問 15の質問の答えで、. 『ハイ』の回答は、42 委員会で全体の比率は61.7%である。 『イイエ』の回答は、25 委員会で、比率は36.7%である。. 規模別にみると比較的小規模委員会が自主研修会を開催している。課 題の増大が理由か、課題の理解の困難性があることが理由か、または、. 課題に取り組む姿勢に差があるのか不明である。市町村教育委員会にと 一 39 一一.
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