Title 筋線維芽細胞のアポトーシスのブロックによる梗塞後心室リモデリングと心不全の予防( はしがき ) Author(s) 竹村, 元三 Report No. 平成11年度-平成12年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2) 課題番号11670668) 研究成果報告書 Issue Date 2000 Type 研究報告書 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/500 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
は し が き 心筋梗塞後の左室リモデリングに伴う慢性心不全は近年ますます増加しているにもか かわらず、対症療法や心臓移植以外に適切な治療法がなく現在循環器学の最大の課題の ひとつである。さて、心筋梗塞発症後2∼3週間後の困芽期に、梗塞巣では平滑筋細胞 と線維芽細胞の両方0)性質を持つ筋線維芽細胞(myofibroblast)が著しく増殖(梗塞巣 の40%以上を占拠)するが、1∼2ケ月後には消失し、線椎性癖痕に置換される。・最近 われわれはこの細胞死のメカニズムがネクローシスではなくアポトーシスであることを 発見した(CircRes,1998)。筋線維芽細胞は弱いながら収縮能があり、かつその走行は 梗塞周囲の残存心筋と平行であるため、心筋収縮力の一助となる可能性がある。さらに コラーゲン産生能があり、心室壁の罪薄化を予防している。ヰこで、「アポトーシスを ブロックすることにより筋線維芽細胞死を抑制すれば梗塞後心室リモデリングや梗塞後 心不全を予防できる」という仮説をわれわれは考えた。 本研究では上記仮説を証明するためにラット梗塞後慢性心不全モデルを用いて以下の 2点を検討した。 1.ラット心筋梗塞後に増殖した筋線維芽細胞のアポトーシスをブロックできるアポトー シス抑制因子の決定。 2.このアポトーシス抑制因子投与による増殖した筋線雄藩細胞の残存は梗塞後心室リモ デリングや心不全を予防するか? 研究組織 研究経費 研究代表者:竹村元三 (岐阜大学医学部附属病院講師) 研究分担者:藤原久義 (岐阜大学医学部教授) 平成11年度 平成12年度 2,400千円 1,400千円