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博士(工学)都 在銖 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)都   在銖 学位論文題名

ウェーブレット変換符号化用ベクトル量子化器の汎用化に関する研究

学位論文内容の要旨

  近年,ウェーブレット変換を用いた画像符号化の研究・開発が盛んである.ウェーブレット 変 換の画 像処理 への応 用はS. Mallatが多重解像度表現上に直交ウェープレット基底を導入 し て画像符号化が可能であることを示したことから始まる,S. Mallatの後,I.Daubechies は ウ ェ ー プ レ ッ ト 変 換 を す る た め の タ ッ プ 数 の 短 い 直 交 フ イ ル 、 タ を 設 計 し た .   画 像の変 換符号 化にお いて量 子化操 作は復 元画像 の画質を 決定づ ける最も重要な要因で あ る.種 々の信 号の符 号化法が提案されているが,特にべクトル量子化は原理的にレート歪 み限界に近い性能を達成し得ることから注目を集めている.

  これまでに提案されているウェーブレット変換を用いたべクトル量子化法にはI. Daubechies ら が提案 した多 重解像 度ベク トル量 子化があ る.し かし, このべ クトル 量子化法は符号化 対 象画像 以外の 複数の 実画像のウェーブレット変換係数を学習系列として用いている,この 場 合,学 習系列 の統計 的性質 が不明 確なまま 使用す るので ,量子 化対象 画像の統計的性質 と 大きな 差異を 生ずる 可能性 がある .この不 適合性 は当然 量子化 器の性 能の劣化にっなが る .従っ てこの 方法で 汎用性の高い高性能ベクトル量子化器の設計は難しい.また,量子化 器の適用範囲を明確にすることができなぃとぃう問題点がある.

  本 論文は 、ウェ ープレ ット変換符号化に使える汎用性の高いべクトル量子化を研究の目的 と する. 特に, 汎用ベ クトル 量子化 器設計の ための 学習系 列の作 成が汎 用化のために重要 な ので, これに 重点を おいて 検討を 行う,こ のよう にして 統計的 理論に 基づぃて設計した 学 習 系 列 を 使 い , よ り 汎 用 性 の 高 い 高 能 率 量 子 化 器 の 設 計 法 に つ い て 検 討 す る ,   第2章では ウェー プレッ ト変換 の基本 的な概 念について述べた.ウェーブレット関数の定 義 ,ウェ ープレ ット変 換を満足させるためのアドミッシプル条件,多重解像度解析などにつ い て概説 した. そして ,最も 簡単なHaarウェー ブレッ トを用 いて, ウェープレット変換の 分 解と再 構成の アルゴ リズム を説明 した.ま た,フ ーリエ 変換法 との比 較によルウェープ レットの特徴を示し,次章の理解の下準備をした.

  第3章 では, 画像デ ー夕圧 縮符号 化に用 いられ てきた 変換符 号化やサ ブバン ド符号 化と 各 種 ウ ェ ーブ レ ッ ト 変換 に つ い て概 説 し た .JPEG方式 に 採用 されて いるDCT符 号化の シ ミ ューレ ション を行い ,低ビットレート符号化の場合に目立つ,プロック歪みなどの問題点 を 指摘し た.さ らに, その問 題点の 解決法と してい くっか のウェ ープレ ット変換法による フイルタ設計の例を挙げ,概説した.この中で,I. Daubechiesの直交フイルタは有限次数で,

厳 密 な 線形 位相特 性を持 たない が,完 全再生のQMFと良 く似た 特性を示 す.直 交ウェ ーブ レ ット基 底の正 規直交 条件を緩め,双直交条件へと緩和することで,有限次数で線形位相性

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と完全再合成を同時 に満足する双直交ウェーブ レットが設計できる.本研究 ではこの双直交 ウ ェ ー プ レ ッ ト フ イ ル タ を 採 用 し , 画 像 ウ ェ ー プ レ ッ ト 変 換 を 行 う .   第4章 では 最近 , 高能 率符 号化 法 とし て注 目を 集め て いるべクトル量子化 法について詳 しく 述 べた .ベ クト ル量 子 化は べクトルの次元数 を充分大きくしていくと, 符号化性能が レ ー ト 歪 み 限 界 に 近 づく こと が 知ら れて いる ,し か し, 実際 にLBGア ルゴ リズ ム にし た がっ て 量子 化器 を設 計す る 際, 計算量や学習系列 の選ぴ方などに問題点があ る.この章で は 、これらの問題 点に起因する符号化性能の 劣化を低減し,汎用性を向上 させるためのの アプローチについて 述べた.

  第5章 では ,統 計 的理 論に 基づ ぃ て構 成し た擬 似画 像 による学習系列の作 成法を提案す る.LBGアルゴリズム にしたがって設計したべクト ル量子化器で画像の符号化 を行う場合,

その 量 子化 器の 代表 ベク ト ルの 生成に使われた学 習系列の統計的性質は符号 化結果に大き い影 響 を及 ぽす .実 画像 デ ータ を学習系列として 用いて生成した代表ベクト ルから構成さ れた従来方式のぺク トル量子化器によるシミューレションを行い,・学習系列の統計的性質の 違い が 符号 化特 性に 及ぼ す 影響 を確認した.さら に,従来方式の問題点を補 うため,無相 関ガウス乱数(白色 雑音).に実画像の幾っか の統計量を加えて作成した擬 似画像を代表ベ クト ル 生成 の学 習系 列と す る手 法を提案する.こ の提案法によって作成され た学習系列に より 生 成し た代 表ベ クト ル を量 子化に用いること で,適用範囲が保証できる 量子化器の設 計が可能であること をシミューレションにより 示した,また,このシミュー レション結果に より量子化設計にお いて重要な画像の統計量を 明らかにした,

  第6章 では ,擬 似 画像 を学 習系 列 に用 いた 汎用 ペク ト ル量子化器の幾っか の設計法を提 案し た .提 案手 法に より 作 成し た異なるエッジを 持つ複数枚の擬似画像を学 習系列に用い て2種類 の汎 用性 を 目指 した 量子 化 器を 設計 した .複 数 のべクトル量子化器 を用意し,符 号化 対 象画 像の 相関 とエ ッ ジ部 の平均電カによっ て適当な量子化器を自動選 択する汎用量 子化 法 とエ ッジ 量の 異な る 複数 の擬似画像をまと めてーつの学習系列にして 設計した単一 の汎 用 量子 化器 を使 用す る 方法 について説明した .複数のべクトル量子化器 から構成され た汎 用 量子 化器 の場 合, 量 子化 器を選択するパラ メータの閾値決定の問題が 符号化結果に 大き い 影響 を及 ぼす こと を 示し た.また,複数の 擬似画像をまとめてーつの 学習系列にし て設計されたべクト ル量子化器は,実画像を用 いたシミューレションで色々 な符号化対象画 像に 対 して 優れ た符 号化 結 果が 得られ,その有効 性が立証できた.また,こ の場合はーつ の量 子 化器 で済 むと いう 大 きな 特徴がある.更に ,提案手法で設計した汎用 ベクトル量子 化器をクラス分けウ ェープレット変換に用いて 低ビットレート符号化を行い ,その有効性を 示した.

  最後に,第7章で は、本研究を総括している.

    以上のように本 研究は,静止画像のウェー ブレット変換符号化用ベクト ル量子化につい て検 討 を行 い, 符号 化対 象 画像 の性質によらず高 い符号化性能を示す汎用ベ クトル量子化 器 の 設 計 法 を 提 案 し , そ の 有 効 性 を 数 値 実 験 に よ り 明 ら か に し た .

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学位論文審査の要旨 主 査    教 授    小 川吉 彦 副 査    教 授    北 島秀 夫 副 査    教 授    栃 内香 次 副査   助教授   三木信弘

学 位 論 文 題 名

ウェーブレット変換符号化用ベクトル量子化器の汎用化に関する研究

  高 能 率 な 画 像 デ ー 夕 圧 縮 に 対 す る 要 求 が 、 マ ル チ メ デ ィ ア の 普 及 と 共 に 一 段 と 強 ま っ て い る 。 現 在 の 高 能 率 画 像 デ ー 夕 圧 縮 法 で 代 表 的 な も の はDCT(離 散 コ サ イ ン 変 換 ) を 使 用 し た も の で 、JPEGに も 採 用 さ れ て い る 。 し か し 、 こ の 方 法 は 低 ビ ッ ト レ ー ト 化 す る と 、 特 有 の ブ 口 ッ ク 歪 や モ ス キ ー ト 雑 音 が 目 立 っ よ う に な る 。 そ こ で 、 原 理 的 に こ れ ら の 問 題 を 生 じ な い ウ ェ ー ブ レ ッ ト 変 換 を 用 い た 画 像 符 号 化 の 研 究 が 近 年 盛 ん に な っ て い る 。 こ の 手 法 で の デ ー 夕 圧 縮 の 中 心 は ベ ク ト ル 量 子 化 で あ る 。 ペ ク ト ル 量 子 化 器 の 設 計 に は 学 習 デ ー 夕 系 列 を 必 要 と す る が 、 従 来 は こ れ を 理 論 的 に 構 築 す る 手 法 が 存 在 レ て い な か っ た 。 そ の た め 、 幾 っ か の 限 ら れ た 実 画 像 デ 一 夕 を 使 っ て 設 計 し て い た の で 、 符 号 化 対 象 画 像 の 統 計 的 性 質 が 学 習 デ ー タ の そ れ と 異 な る と 符 号 化 特 性 が 劣 化 す る こ と が あ り 、 汎 用 性 に 劣 る 問 題 点 が あ っ た 。   本 論 文 で は 、 ウ ェ ー ブ レ ッ ト 変 換 符 号 化 に 使 え る 汎 用 性 の 高 い べ ク ト ル 量 子 化 器 を 設 計 す る こ と を 研 究 の 目 的 と し て お り 、 こ の た め に 特 に 統 計 的 理 論 に 基 づ い て 構 築 し た 擬 似 画 像 に よ っ て 学 習 系 列 を 形 成 す る こ と に 主 眼 を 置 い て い る 。 さ ら に 画 像 の 相 関 性 と エ ッ ジ 成 分 割 合 い と の 関 連 性 を 詳 細 に 検 討 レ て 高 能 率 な 量 子 化 器 の 設 計 法 を 確 立 し て い る 。   本 論 文 は7章 か ら 構 成 さ れ 、 各 章 の 概 要 は 以 下 の 通 り で あ る 。

  第 1章 で は 、 画 像 符 号 化 研 究 の 歴 史 的 背 景 と 本 研 究 の 意 義 を 述 べ て い る 。 . .   第2章 で は 、 ウ ェ ー ブ レ ッ ト 変 換 を 使 用 し た 多 重 解 像 度 解 析 に よ る 階 層 画 像 構 築 で 画 像 の 分 解 を 行 い 、 さ ら に 再 構 成 に よ り 画 像 復 元 を 行 う 手 法 を 述 べ て い る 。   第3章 で は 、 ま ずJPEG方 式 で 採 用 さ れ て い るDCT符 号 化 に つ い て 、 低 ビ ッ ト 符 号 化 で は ブ ロ ッ ク 歪 や モ ス キ ー ト 雑 音 が 目 立 つ こ と を 計 算 シ ミ ュレ ーシ ョン で 示し てい る。 さら に、

こ れ ら の 問 題 点 を 解 決 で き る 各 種 ウ ェ ー ブ レ ッ ト 変 換 法 に よ る フ ィ ル 夕 設 計 手 法 を 比 較 し た 。 そ の 結 果 、I.Daubechiesら が 提 案 し た 双 直 交 ウ ェ ー ブ レ ッ ト を 使 用 レ た フ ィ ル タ が 有 限 次 数 性 、 線 形 位 相 特 性 お よ び 完 全 再 合 成 性 の 点 で 最 も 優 れ て い る と 結 論 し て い る 。   第4章 で は 、 ペ ク ト ル 量 子 化 手 法 に つ い て 述 べ て お り 、LBGア ル ゴ リ ズ ム に 従 っ て べ ク ト ル 量 子 化 器 を 設 計 す る 際 、 学 習 系 列 の 選 び 方 に よ っ て 符 号 化 性 能 が 劣 化 す る 問 題 が あ り 、

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汎 用 性 を 向 上 さ せ る た め の ア プ ロ ー チ の 仕 方 に つ い て 述 べ て い る 。    第5 章では、統計的理論に基づいて構築した擬似画像による学習系列の作成法を新たに提 案レている。すなわち、無相関ガウス乱数(白色雑音)に実画像の相関を加味レた擬似画像を 作成し、更にこれを小ブ口ックに分割してランダムに再配列することで画像のエッジ成分を 発生させる手法を提案レた。工ッジ成分の細かさは、分割ブ口ックサイズに対応させる。こ れをウェーブレッ卜変換したものは、同じ相関を有する実画像のウェーブレット変換と良く 一致する確率密度関数を有することを確認した。さらに、これを学習系列として採用して設 計したぺクトル量子化器は高性能であるこーとを計算シミュレーションにより示レた。

   第6 章では、種々の実画像について相関とエッジ成分との関係を克明に調べ、画像を 4 種 の相関に分類し、更にその各々を4 種のエッジ成分に分類して、合計16 種類のべクトル量 子化器があれば殆ど全ての画像に対応できることを調べた。その後、これを4 種類に減少す る手法を考案レ、更にこの各々に使用する学習系列をーつに纏めて1 種類のベクトル量子化 器を設計することで汎用性に優れたべクトル量子化器を作成した。これによる符号化性能を、

従来の実画像を学習系列に使用した量子化器と計算シミュレーションで比較し、その高性能 性を確認している。また、ウェーブレット変換の各階層間の対応変換係数の相関性を利用し たクラス分類によるぺクトル量子化に提案量子化器を適用して、更なる低ビットレート化の 手法も提案している。

   第7 章は結諭である。

   以上のように、本論文は画像のウェーブレット変換符号化に必要な汎用性の高いべクトル 量子化器を初めて理論的に構築レ、画像デ一夕の高能率符号化に大きく寄与したものであり、

画像処理工学分野に寄与するところ大である。

   よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照