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植物防疫

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Academic year: 2021

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60 植物防疫 第72巻第8号(2018年)

ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリックモジュレーター

は じ め に

CropLife International傘 下 のInsecticide Resistance Action Committee(IRAC)は,害虫の抵抗性発達を回 避するための参考となるよう,殺虫剤の作用機構を体系 的に分類している。本稿では,IRACの作用機構分類の

グループ5,ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)

アロステリックモジュレーターに(農薬工業会,2007

(表―1)ついて解説する。

I 開 発 の 経 緯

スピノシン系(Spinosyn)殺虫剤は,ダウ・アグロサ イエンスにより発見された天然物を起源とした殺虫成分 である。1982年に米国領バージン諸島にあるラム酒醸 造所跡地(図―1)で土壌サンプルが採取され,そのサン プルから微生物を単離,1985年に微生物から作られた 醗酵液が蚊の幼虫およびヨトウムシに対して殺虫活性を 持つことが確認された。1988年にその活性物質を産生 する菌が,土壌放線菌サッカロポリスポラ スピノサ

(Saccharopolyspora spinosa)と同定された。1989年には 殺虫活性物質の単離に成功した。国内では,1999年に 有効成分スピノサドがスピノエース顆粒水和剤,スピノ エースフロアブルとして野菜,果樹,茶に農薬登録が取 得されている。2011年には,スピノシン類を化学修飾

したスピネトラムが住友化学株式会社により,ディアナ WDG,ディアナSCとして農薬登録が取得されている。

II  サッカロポリスポラ スピノサ

土壌放線菌サッカロポリスポラ スピノサ(Saccha- ropolyspora spinosa)はサッカロポリスポラ属の微生物

ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)

アロステリックモジュレーター

―スピノシン系―

大  上     恵

ダウ・アグロサイエンス日本株式会社

農薬編―

7

Spinosyn Insecticides as Nicotinic Acetylcholine Receptor

nAChR Allosteric Modulators.  By Megu OUE

(キーワード:スピノシン,土壌放線菌,スピノサド,スピネト ラム,作用機構,殺虫剤)

表−1 IRACの殺虫剤作用機構分類(一部抜粋,加筆)

主要グループと一次作用部位 サブグループ

あるいは代表的有効成分 有効成分 農薬名(例)

(剤型省略)

標的 生理機能

5

ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR アロステリックモジュレーター

5

スピノシン系

スピネトラム ディアナ

神経作用 スピノサド スピノエース

図−1 土壌放線菌サッカロポリスポラ スピノサ

(Saccharopolyspora spinosa)が発見された バージン諸島のラム酒工場跡地

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