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初診 時、すでに両股関節に滑膜性骨軟骨腫(4 〜5 個)が確認された

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業))  分担研究報告書 

 

進行性骨化性線維異形成症例における滑膜性骨軟骨腫症に関する研究   

研究分担者  中島康晴  九州大学整形外科  准教授   

研究要旨  過去に進行性骨化性線維異形成症(以下 FOP)における滑膜性骨軟骨 腫症の合併を調査し、2 例に股関節滑膜性骨軟骨腫症を認められることを報告し た。今回、その経過について調査した。2 例にうち、1 例(34 歳女性)は 20 歳時 点で数個の骨軟骨腫が認められるが、その後の増加はなかった。しかし、残り 1 例(11 歳男児)では極めて多数の骨軟骨腫が経年的に増加しており、さらに locking などの臨床症状も呈するようになった。 

 

A.  研究目的 

FOP に合併する滑膜性骨軟骨腫症を調査 した。 

 

B.研究方法 

当科および北九州八幡総合病院に通院中 の FOP 症例 10 例で検討した。 

 

(倫理面での配慮) 

すべての個人情報は匿名化した。 

 

C.研究結果 

症例 1:34 歳  女性   

10 歳代に確定診断された FOP 症例。初診 時、すでに両股関節に滑膜性骨軟骨腫(4

〜5 個)が確認された。経時的に増大した が、20 歳以降の増悪傾向はなく、股関節痛 はない。しかし軽度の変形性股関節症性変 化と屈曲は約 90 度と可動域制限を認める。 

 

症例 2: 11 歳  男児 

1 歳時に背部の骨化で診断された FOP 症 例。  7 歳までの X 線では明らかな左股関 節内骨化像はない。8 歳時の X 線で骨化し た小腫瘤の存在が確認され、その後おびた

だしい数の滑膜性骨軟骨腫が確認される。

可視化される骨軟骨腫はその後も経年的に 増加しており、腫瘍数の増加および骨軟骨 腫 の 一 部 骨 化 が そ の 理 由 と 思 わ れ る 。 locking 様の出現頻度が増し、股関節痛の 原因となっている。右股関節には明らかな 骨軟骨腫はない。 

 

D.考察  E.結論 

文献上は、1993 年にほぼ同様の所見を示 す股関節内滑膜性骨軟骨腫の 1 例が報告さ れている。FOP の本態である異所性骨化で はないものの、関連する合併症の可能性が あり、今後の経過観察を要する。 

 

F.健康危険情報   特記事項なし。

 

G.研究発表  1.論文発表  なし  2.学会発表  なし   

H.知的財産権の出願・登録状況  なし 

(2)

 

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