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学校評価および生徒質問紙調査によるカリキュラム評価

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Academic year: 2022

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評価

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第4章 カリキュラム評価

学校評価および生徒質問紙調査によるカリキュラム評価

澤田 一彦

1.学校評価 (1)学校評価について

学校評価は,教員のみが行う従来の評価ではなく,

保護者および生徒による質問紙の回答を教員が分析 し,その資料を学校評議員会,PTA 総会に提示し,助 言を得て,今後の学校運営や教育を充実させることに 資するものである。また,集計結果を保護者,生徒に,

学校通信等で公表する。以上のような学校評価を平成 18 年度から 6 年間継続している。

(2)質問紙の内容と実施方法

①質問紙の内容

質問紙は,生徒,保護者を対象に,「強くそう思う」

「そう思う」「あまり思わない」「思わない」の 4 段 階の質問項目のほか,自由記述欄を設けている。項目 は,以下の 3 つのコンセプトで設計した。

ア.保護者質問紙と生徒質問紙の関連性を持たせる 保護者が回答する内容と生徒が回答する内容に,関 連性を持たせ,保護者の思いと生徒の思いを一緒に考 察できるようにした。

イ.教員組織と関連させる

本校教員は,教務部,研究部,生活指導部のグルー プ(企画部)のいずれかに属する。加えて,副校長と 主幹教諭で評価,研修などを行う校務部を成している。

目標と成果,課題と対策について,企画部ごとに話 し合うため,学校評価と従来の教員のみが行う教師評 価の質問項目を企画部ごとにまとまめるようにした。

ウ.単年度の評価にしない

年次ごとの変容を調査することができるように,数 年間,おもな質問項目は同じ内容にした。

②実施方法

保護者質問紙,生徒質問紙ともに,A4 版の再生紙に,

質問と回答が連続するように 20 の質問項目をマーク シートで印刷している。保護者質問紙は,回答が生徒 の目に触れないように別に茶封筒を配付し,一週間以

上の回答期間を設けるようにした。

③集計処理

集計は,富士通のシートフィードスキャナ(Scan snap)とコンピュータで行った。質問紙はシートフィ ードスキャナできちんと読み取ることができる上質紙 を使用した。自動集計ソフトによって,少人数で集計 処理を行うことができた。

④質問紙の内容

質問紙の 20 の質問項目のうち,研究部に関連した学 習活動に関する 8 項目を次表に示す。

保護者質問紙 生徒質問紙

A教科の指導の充実を図り,

確かな基礎・基本を身につけ させたい。

B情報の学習を通して,イン ターネットなどの情報モラル とマナーを身につけさせた い。

Cビワコタイムを通して,自 ら学ぶ実行力を身につけさせ たい。

Dビワコタイムを通して,郷 土を愛する心を育ませたい。

E韓国の中学校との交流や国 際理解学習により,国際的な 視野を広げさせたい。

F職業調べや職業体験,進路 学習により,将来の生き方に 関心を持たせたい。

G選択学習(教科)を通じて,

応用・発展的な力を身につけ させたい。

Hエネルギーや環境問題に関 心を持たせたい。

A教科の学習によって,確か な基礎・基本が身についてい る。

B情報の学習を通して,情報 モラルとマナーが身につい た。

Cビワコタイムを通して,自 ら学ぶ実行力が身についた。

Dビワコタイムを通して,郷 土を大切に思うようになっ た。

E韓国の中学校との交流や国 際理解学習を通し,国際的な 視野が広がった。

F職業調べや職業体験,進路 学習により,将来の生き方に 関心を持った。

G選択学習(教科)を通じて,

応用・発展的な力が身につい ている。

Hエネルギーや環境問題に関 心を持っている。

本論の趣旨

本校の教育課程について,保護者および生徒は実際にどのような感想を持っているのか。平成 23 年 11 月に 実施した全校生徒・保護者質問紙調査に基づく学校評価において,カリキュラムに関する項目を考察する。

また,本校のカリキュラム全般についてさらに詳しく検証するため,平成 24 年 3 月に全校生徒を対象に実施 した生徒質問紙調査の結果を考察する。

キーワード

学校評価,質問紙調査,生徒,保護者,カリキュラム

— 151 —

   

(2)

評価

2

(3)調査方法,回答人数

無記名の質問形式,回答のあった保護者 317 人およ び,欠席・無効をのぞく生徒 346 名。

(4)集計結果とグラフ

校内向けには,年次変化,年度変化,学年別に帯グ ラフで示して考察するが,本報告では,研究部に関連 した学習活動に関する質問項目A~Hのみ,平均値の みクモグラフで示す。

平均値は,「強くそう思う」を「

4

」~「ぜんぜん思 わない」を「

1

」の数字に置換して示す。したがって,

保護者平均値は数値が高いほど希望が強く,生徒平均 値は数値が高いほど良い評価を意味する。

質問項目 保護者

平均値

生徒 平均値 A教科の学習 基礎・基本

3.43 2.98

B情報の学習 モラルとマナー

3.31 2.96

Cビワコタイム 自ら学ぶ実行力

3.27 2.78

Dビワコタイム 郷土を愛する心

3.20 2.69

E国際理解学習 国際的な視野

3.24 2.76

F進路学習 将来の生き方

3.46 2.98

G選択学習 応用・発展的な力

3.31 2.95

Hエネルギーや環境問題 関心

3.18 2.76

上表の数値をグラフ化したものが第 1 図である。

第 1 図 質問紙の各項目の生徒・保護者平均値

(5)分析結果

質問紙の結果では,質問項目A~Hともに保護者の 本校学習活動への大きな期待が明らかになった。一方,

生徒の質問紙からは,昨年度も同じ選択教科だけでは なく,必修教科と情報の学習によっても学力が高まっ ていると実感していることが明らかになった。

これらをもとに教員は,それぞれの項目の負の部分 に対する対応策を考えるとともに,情報の時間を充実 させた効果が必修教科に波及しているという正の効果 を見いだすことができた。

2.年度末生徒質問紙調査 (1)実施方法

A4 版の再生紙に,質問と回答が連続するように 15 の質問項目をマークシートで印刷した。集計は,シー トフィードスキャナとコンピュータで行った。自由記 述部分は別にまとめた。

(2) 調査方法,回答人数

無記名の質問紙形式,欠席・無効を除く 1~3 年生の 生徒 313 名。

(3)質問紙の内容

質問項目は,カリキュラムを改善したり,生徒の実 態の変容を把握したりできるように,平成 17 年度より 7 年間同じ内容にしている。これらの結果をあわせて,

開発研究の最終年度は,本校 9 年間の研究の推移にあ わせた検証が可能となる。

項目 回答方法

①学習が楽しい

②ゆとりがある

③満足感・充実感がある

④これから役に立つ

⑤驚きや発見がある

⑥興味を持てる

⑦身に付いたことが多い

⑧先生の指導が役に立っ ている

⑨友達と意見を交流し合 いながら学習を進める ことがおもしろい

はい┣━━╋━━╋━━┫いいえ 1 2 3 4

「選択学習」「ビワコタイム

(BT)「国際理解」「情報の時間」

の各学習で,左の項目について 自分の感想が当てはまるかどう か,「1」~「4」の 4 段階で回答。

数値が低いほど,良い評価を意 味する。

⑩基礎・基本をじっくり 学習する時間がもっと ほしい

⑪発展・応用的なことを 学習する時間がもっと ほしい

⑫教科や内容を選択して 学習する時間がもっと ほしい

⑬自分で課題を決め,計 画的に進める学習をも っとしたい

⑭先生が教える形の学習 の時間がもっとほしい

はい┣━━╋━━╋━━┫いいえ 1 2 3 4 左のような学習について,あ てはまるかどうか,「1」~「4」

の 4 段階で回答。数値が低いほ ど,希望が強いことを意味する。

— 152 —

(3)

評価

3

(4)集計結果とグラフ

項目

平均値 選択

学習 ビワ コタ イム

国際 理解

情報 の時

①学習が楽しい 1.40 2.07 2.17 1.74

②ゆとりがある 1.91 2.28 2.23 2.05

③満足感・充実感がある 1.63 2.12 2.19 1.95

④これから役に立つ 1.99 2.04 1.63 1.48

⑤驚きや発見がある 1.70 1.88 2.07 1.71

⑥興味を持てる 1.45 2.10 2.11 1.79

⑦身に付いたことが多い 1.77 2.09 2.05 1.59

⑧先生の指導が役に立っ

ている 1.75 2.32 2.09 1.61

⑨友だちと意見を交流し 合いながら学習を進め

ることがおもしろい 1.75 1.87 2.15 1.88 表をグラフにしたものを第 2 図~第 6 図に示す。数 値が低いほど(グラフの上方向)肯定の評価,数値が 高いほど否定の評価が得られていることを意味する。

第 2 図 選択学習(選択教科)

第 3 図 ビワコタイム(BT)

第 4 図 国際理解~共生社会への参加~

第 5 図 情報の時間

第 6 図 カリキュラム全般について

(5)分析結果

質問紙の結果では,それぞれの学習に特有の生徒の 傾向が明らかになった。選択学習(選択教科)は,項 目にあげた学習の中で最も生徒の評価が高い。とくに

「楽しさ」や「興味」をあげた生徒の割合がずば抜け て高い。ビワコタイムは,「友だちと意見を交流し合 いながら学習を進めることがおもしろい」と答えた生 徒の割合が高く,反対に「よとりがある」と答えた生 徒の割合が低く時間数に課題が見える。国際理解学習 は,「これから役に立つ」と答えた生徒の割合が高い。

情報の時間は,「これから役に立つ」や「身に付い たことが多い」と答えた生徒の割合が高い。

カリキュラム全般については,「内容を選択して学 習する時間がもっとほしい」と答えた生徒の割合が最 も高く,選択学習(教科)を通じて応用・発展的な力 をつけることを生徒が望んでいることが,この項目か らも明らかになった。 (澤田一彦)

項目 平均値

⑩基礎・基本をじっくり学習する時間がもっと

ほしい 2.07

⑪発展・応用的なことを学習する時間がもっと

ほしい 1.88

⑫教科や内容を選択して学習する時間がもっと

ほしい 1.66

⑬自分で課題を決め,計画的に進める学習をも

っとしたい 2.09

⑭先生が教える形の学習の時間がもっとほしい 2.49

— 153 —

   

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