線虫の生殖巣リーダー細胞の移動を制御する
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(2) 2014 年度 修士論文要旨. 線虫の生殖巣リーダー細胞の移動を制御する. flp-10 遺伝子の解析 関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻 西脇研究室 森田 啓介 動物の器官形成ではチューブ状上皮の伸長を伴う形態形成運動がしばしば見 られる。線虫 Caenorhabditis elegans の雌雄同体における U 字型生殖巣はチュ ーブ状上皮でできており、生殖巣原基両端のリーダー細胞である遠端細胞 (Distal Tip Cell; DTC)が幼虫期に体壁内面に沿って U 字型に移動することによ り形成される。本研究では DTC の移動方向や距離が異常となり、結果的に生殖 巣の形態形成に異常を示す突然変異体 flp-10(tk28)に着目し、その解析を行った。 flp-10(tk28)変異体では神経ペプチドである FMRFamide like peptides(FLP)の 一種をコードする遺伝子、flp-10 に変異が生じている。FLP-10 は 67 アミノ酸 の前駆体から、シグナルペプチドと、A、B、C という 3 つのペプチドが生じる と予想されている。しかし、これら 3 つのペプチドがどのように生殖巣形態形 成において、機能しているかは不明である。本研究では生殖巣形態形成に必要 なペプチドを同定し、その機能を解析することで、細胞移動における flp-10 の 新たな機能を明らかにすることを目的とする。flp-10(tk28)変異体では、後ろ側 の DTC が蛇行・迷走するという表現型を示した。FLP-10 のシグナルペプチド の下流に A または C のペプチドを繋いだ 2 種類のコンストラクトを flp-10(tk28) 変異体に導入したところ、C ペプチドのみ DTC 移動異常が回復した。GFP と C ペプチドを繋いだコンストラクト(GFP::C)を flp-10(tk28)変異体に導入した結 果、GFP::C は頭部及び尾部の 2 つの神経細胞と線虫の体腔内に存在するスカベ ンジャー細胞(セロモサイト)で発現していることが分かった。flp-10(tk28)変 異体において、DTC、体壁筋、Touch neuron で C ペプチドを特異的に発現さ せたところ、いずれの場合も DTC 移動異常を回復した。多くの神経ペプチドを 輸送するデンスコアベシクルの分泌・輸送に異常をきたす pkc-1 変異体におい て、生殖巣形態形成異常は見られなかった。C ペプチドと相互作用する分子を 同定するため、プルダウンアッセイを行ったところ、ATP 合成酵素のαサブユ ニットをコードする H28O16.1 遺伝子が C ペプチドと相互作用する分子の候補 として挙げられた。H28O16.1 は線虫が生産する C ペプチドとも相互作用する のかどうかを確認するため、GFP::C を発現している線虫を用いて、GFP 抗体 で免疫沈降を行い、ATP 合成酵素αサブユニット抗体でウエスタンブロットを.
(3) 行った。その結果、特異的なシグナルが検出された。H28O16.1 の細胞移動にお ける機能を確認するため、DTC 特異的に H28O16.1 を過剰発現する線虫株を観 察した結果、野生型と比べて有意な異常が確認できた。また、この異常は GFP::C を過剰発現させることで回復することができ、DTC 特異的にシグナルペプチド を欠いた C ペプチドを過剰発現させた場合では回復することができなかった。.
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1 投稿資格 本学会員とする(共同研究者も含む)。 2
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