コ レ ラ菌 の 酵 素 活 性 に 対 す る免 疫 血 清 の 影 響
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(2) 96. 岡. コ ハ ク 酸,ア. ス パ ラ ギ ン 酸,シ. テ イ ン はM/500,他. はM/100と. 田. 二. ス テ ィ ン と し,シ. ス. 釈 とな るよ うに添 加 した際 の02消 費 は それ ぞ れ177,. な る よ ろ に し,対. 照. 112, 52μlで あ り,血 清 中 に は基 質 とな り うる物 質. と して基 質 の代 りに水 を 加 え た 場 合に つ いて も行 な つ た.. が多 量 含 ま れて い るた め血 清 濃 度 の 大 な る程O2消 費が 大 となつ て い る.. 又 免 疫 血 清,正. 常 血 清 は10倍,. 釈 の 各 段 階 と し, pH 7.4と. 100倍,. 1,000倍. 稀. し た.. 原 型 菌 に 於 け る 各 基 質 に つ い て の 成 績 は 第1表. 実 験 例1の. に. respiration)で. 常 血 清 を10倍,. 94, 56μl. に於 い て は正 常 血 清 の場 合 に 比 しO2消. 費 はや や小. とな つ た.. 欄 に 見 られ る 如 く基 質 な しの 場 合 に は,. 対 し,正. 釈 と な るよ う. 費 は そ れぞ れ124,. で あ り,低 濃度 で は 正 常 血清 と大 差 な い が,高 濃度. し た.. 一 括 して 示 し た 如 くで あ る .. 血 清 無 添 加(endogenous. 免 疫 血 清 を10倍, 100倍, 1,000稀 添 加 した場 合 のO2消. 菌 量 は 各 供 試 菌 共 湿 菌 量40mg/cupと. 48μlに. 豊. の02消. 100倍,. 1,000倍. 費 稀. 高 濃度 の 免 疫 血 清 添 加 で は菌 は凝 集 す る傾 向 が見 られ,こ の ため 正 常 血清 に 於 け るよ り もO2消 小 とな る もの と考 え られ る.. 第1表. O2消. 費 に 対 す る 免 疫 血 清 の 影 響(原. 型 菌). 第2表. O2消. 費 に 対 す る 免 疫 血 清 の 影 響(中 間 型 菌). 費が.
(3) コ レラ菌 の 酵素 活 性 に対 す る免 疫 血 清の 影響. 第3表. 第1図. O2消. 濃度 別 血清 の02消 原. 型. 99. 費 に 対 す る 免 疫 血 清 の 影 響(異 型 菌). 費 に対 す る影 響 菌. は254μlと な つて,グ ル コ ー スのみ 或 い は血 清 の み の 場合 よ りややO2消 費 が大 とな り,血 清 濃度 が100 倍 稀 釈, 1,000倍 稀 釈 と小 に な るに つ れて02消. 費は. 小 とな つ た. これ に対 し基 質(グ ル コー ス)+免. 疫 血清 の 場 合. には,血 清 濃度10倍, 100倍, 1,000倍 で それ ぞれ207, 186, 158μlの(均 消費 で あ り,血清濃 度 が大 な 場 合 の O2消 費 は正 常 血 清 に於 け るよ りもか な り小 で あつ た. この 関 係 を図 示 す ると第1図 の如 くで あ る.縦 軸 にO2消. 費 量,横 軸 に 血 清濃 度(稀 釈 度)を と ると,. 基質 な しの場 合,正 常 血 清添 加 で は 太点 線,免 疫 血 清添 加 で は細 点 線 の 如 くで あ り,基 質 を グル コー ス と した 場合,正 常 血清 添 加で は太 実 線,免 疫 血 清 添 加 で は細 実線 の 如 くで あ る. 他 の 基 質乳 酸,焦 性 ブ ドー酸,コ ハ ク酸,ア スパ ラギ ン酸,シ ス テイ ンの 場 合 もそれ ぞれ 実 験例3〜 7の 如 く,グ ル コー ス を基 質 と した 場 合 と大 差 ない 傾 向が 見 られ,又 中間 型 菌,異 型 菌 で も第2,. 3表. に示 す 如 く原 型 菌 と ほぼ 同様 の 成 績 で あつ た. 2,補 実験 例2は 基 質 と して グル コー スを 用 いた 場 合 の 成 績 で あ り,グ ル コー ス単 独 で はO2消. 費184μlで. あ り,基 質(グ ル コー ス)+正 常 血 清(10倍 稀 釈)で. 体 を加 え た場 合. 次 に補 体 添 加 に於 け る免 疫 血 清の02消. 費 に 対す. る影響 を 見 た. 前 実 験 同様Warburg検. 圧 計 を 用い,主 室 に菌 液.
(4) 98. 岡. 第4表. O2消. 第5表. O2消. (湿 菌 量40mg/cup),側 入 れ, 30分 間 のO2消. 田. 豊. 二. 費 に 対 す る 補 体 及 び 免 疫 血 清 の 影 響(原 型菌). 費 に 対 す る 補 体 及 び 免 疫 血 清 の 影 響(中 間 型 菌). 室 に補 体,免 疫 血 清,基 質 を 費 を 測定 した(pH. 7.4).. 補 体 は5倍 稀 釈 と な るよ うに し,免 疫 血 清 は10倍,. 基 質 無 添 加 の 場 合 は 実 験 例1の dogenous. respiration. 消 費232μlで. あ り,補. 51μlに. が 多 量 含 有 さ れ て い る た め にO2消. 同 様 グル コース 以下6種 類 と し,対 照 と して 基 質無. の と 見 做 され る.. の み,補. 体 の み,補. 体+基 質 を 添 加 した場 合 のO2. 又 補 体+免 30倍,. 100倍,. en. 体 の み のO2. 体 の 中 に 基 質 と な り う る物 質. 30倍, 100倍, 300倍, 1,000倍 の5段 階,基 質 は 前 実験. 添 加 の 場合 につ いて も行 な つ た.又 比 較の た め 基質. 如 く で あ り,. 対 し,補. 費 が 大 とな る も. 疫 血 清 添 加 に 於 い て は 血 清 稀 釈 度10倍, 300倍, 176,. 127,. 1.000倍 117,. に 於 け るO2消. 消費 も同 時 に 測定 した.. れ ぞ れ187,. 原 型 菌に 於 け る各 基 質 に つ いて の 成績 は第4表 に 一 括 して 示 した.. 稀 釈 血 清 添 加 に よ つ て も 若 干O2消. 196μlで. 費 はそ. あ つ て,. 10倍. 費 は補 体 の みの. 場 合 よ り低 下 す る が,血 清 濃 度 が や や 小 と な つ た100.
(5) コ レラ菌 の酵 素 活 性 に対 す る免疫 血清 の 影響. 第2図. 濃 度 別 免 疫 血清 及 び 補 体 のO2消 対 す る影 響 原. 型. 費に. 99. 倍 稀 釈, 300倍 稀釈 の 附 近 で最 もO2消 費 阻 害が 大 と な り,更 に 血 清濃 度 が小 と な ると 阻害 は 再 び小 とな. 菌. つ た. グ ル コー ス を基 質 と した場 合 は実 験 例2の 如 くで あ る.基 質(グ ル コー ス)の み のO2消 費 は173μ1,補 体 の みで は227μlで あ るの に 対 し,補 体+基 質(グ ル コース)で は254μlと な つて,グ 補 体 単 独 の 場 合のO2消. ル コース 或 い は. 費 と大 差 な い.. 補 体+基 質+免 疫 血 清 添 加 で は血 清10倍, 30倍, 100倍, 300倍,. 1,000倍 稀 釈 に於 け るO2消 費 は それ. ぞ れ217, 186, 157, 140, 262μlで あ り免 疫 血清 濃 度 が100倍 〜300倍 の 附 近 で02消. 費阻 害 は や は り最. 大 とな つ た. これ らの 関 係 を図 示 す ると第2図 の如 くで あ り, 第3図. 濃 度 別免 疫血 清 及 び補 体 のO2消 対 す る影 響 異 型 菌. 費に. 縦 軸 にO2消. 費 量,横 軸 に添 加物 質 を と ると,基 質. 無 添 加 で は点 線,基 質 グル コ ース で は実 線 の通 りと な る. 従 つ て前 に記 した補 体 無 添加 の 場 合とは 免疫 血 清 のO2消. 費 阻害 の 最 も大 な 濃 度が 明 らか に異 なつ て. い る. 基 質 と して 乳 酸,焦 性 ブ ドー酸,コ ハ ク酸,ア ス パ ラギ ン酸,シ ス テ ィ ンを用 い た 場 合は それ ぞ れ 実 験 例3〜7に. 示 す 如 くで あ り,グ ル コー ス に於 け る. と ほぼ 類似 の 傾 向 で あつ た. 以 上原 型 菌に於 け る成 績 と同 様 の傾 向 は 中間 型 菌 (第5表)に. 於 い て も認 め られ た.. 然 し異型 菌で は や や,様 相 を異 に して お り,第6 表 及 び 第3図 の 如 く,基 質 無 添加 の 場 合(第6表, 第6表. O2消. 費 に 対 す る 補 体 及 び 免 疫 血 清 の 影 響(異 型菌).
(6) 100. 岡. 実 験 例1)に. はendogenous. 田. reapiration 42μl,補 体. 豊. 二. 見 られ,明. らか に補 体無 添 加 の 場 合 と は阻 害 の最大. の み で は206μlで あ り,補 体+免 疫 血 清 添 加 に於 い. の血 清 濃 度 を実 に して い る.こ の濃 度 は 次 編 に も記. て 血 清 濃度10倍, 30倍, 100倍, 300倍, 1,000倍 の場. す 如 く.溶 菌 作用 の最 も大 な濃 度 で あ る.. 合 のO2消 費 は それ ぞ れ161, 162, 187, 182, 227μl とな つてO2消. 費 阻害 は血 清 濃 度の 高 い方 が大 きい. 結 果 で あ り,他 菌 に 見 られ た よ うな100〜300倍 の 附 近 に 阻害 度 の 最 大 が あ るとい う所見 は著 明 に は認 め. 然 し本 実 験 で は菌 液 に補 体,免 疫 血 清,基 質 添加 直 後 よ り30分 間 のO2消. 費を 測 定 して 居 るため.未. だ溶 菌 は殆 ん ど起 つ て居 ない と見做 され る. そ れ に も拘 らず 呼吸 阻 害 の 起 るこ と は,菌 に免疫. られ ず又 一 般 に阻害 度 は他 菌 に 於 け るよ り も小 で あ. 血 清 が 結合 附 着 し,菌 体 表 面 の機 構 を変 化 せ しめ,. つ た.又 グ ル コ ース を基 質 と し た 場 合(実 験 例2). 基 質 の摂 取,排 泄,そ の 他 菌体 表 面 の本 来 の機 能を. に も免疫 血 清 の 阻害 は血 清 濃 度 の高 い 方 が大 で あ つ. 障 害 した結 果 と考 え られ る.換 言 す る と,菌 は ζの. た.. よ うな 障害 を 受 け,何 れ は 溶 菌 に至 る状 態,即 ち溶. そ の他 の基 質 に 於 いて も実 験 例3〜7の. 如 くグル. コー ス の場 合 と類 似 の 傾 向 で あつ た.. 菌 直 前 の状 態 に あ る もの と 想像 され る. 而 して 本 実 験 の範 囲 で は これ ら免疫 血 清 に よ るO2 消 費 阻害 は 基 質 に よ る阻害 度 の差 異 は殆 ん ど認 め ら. IV.総 括 及 び考 案. れず,抗 体 は ただ 単 に 菌体 表 面 に 結 合 して 凝集 せ し. コ レ ラ菌 で は 免疫 血 清 を働 かす と凝 集 反 応 の他,. め,或 い は次 に起 るべ き溶 菌 へ の態 勢 を とと のえ る. 補体 の 存 在 に 於 いて は溶 血現 象 が 見 られ る こと は周. と い う作 用 を す るの みか,又 は特 定 の酵 素 反応 に対. 知 の 通 りで あ る.. して は 阻害 剤 的 に も働 くもの か は明 らか に こし得ず,. 本編 で は上 述 の順 序 に従 つて 補 体 の 存在 す る場 合 と,然. これ は 溶 菌機 序 の解 明 と と もに今 後 の 課題 と考 え る.. らざ る場 合 とに 分 ち,種 々の濃 度 の 免疫 血 清 V.結. の 各種 基 質 に ご於 け る菌体 酵素 活 性 に対 す る影 響 を比. 言. コ レ ラ菌 原 型 稻葉 株,中 間 型 彦 島 株,異 型 小川 株. 較 検 討 した. 先 づ 補 体 無添 加の 場 合 の成 績 につ い て 見 る.免 疫. を供 試 菌 と し,静 比 菌 液 に補 体 の 添 加及 び 無 添加 に. 血 清 は抗体 の他,正 常 血清 と同 様 の多 くの血 清 成 分. 於 い て,免 疫 血清 を 種 々の濃 度 で 基 質 と共 に加 えO2. を 含む の で,正 常 血 清 を 対照 と して 比 較 す ると,正. 消 費 に対 す る影 響 を検 討 して 次 の 結果 を得 た.. 常 血 清 添 加 で は基 質 の 如何 を 問 わず 血 清 濃度 の 大 な ほ どO2消. 1.補. 体 無 添 加の 場 合 に は免 疫 血 清 はO2消. 費に. 費 は大 で あ り,こ れ は勿 論 血 清 中の 基 質. 対 しやや 阻害 的 に働 き,且 つ 血 清濃 度 の大 な程 阻害. とな り う る多 くの 成 分 の存 在 に よ るが,免 疫 血 清添. 度 も大 で な り,こ の阻 害 は菌 の 凝集 に よつ て起 る も. 加 で は 一般 にO2消. の と考 え られ る.. 費 は 阻害 され る傾 向 が見 られ,. 血 清 濃度 が 大 な ほ ど正 常 血 清 添 加の 場 合 とのO2消. 2.補. 体 添加 の場 合 に もO2消. 費 は免疫 血 清 に よ. 費 阻害 の差 が 大 とな り,こ れ は抗 元抗 体 反 応 に よ る. り阻害 され,こ の 場 合 には 血 清 濃度 が 比 較 的低 い と. 菌 凝集 の た め と考 え られ る.. ころ(100〜300倍. これ に対 し補体 添加 に 於 いて は,各 菌共 免疫 血 清 濃 度100〜300倍 稀 釈 の 附 近 にO2消. 第2編 1.緒. 費阻 害 の最 大 が. 稀釈)で 特 に強 く現 わ れ る.. 而 して こ の場 合は 菌が 溶 菌 を起 す 直 前 の準 備 期と して の 阻害 と考 え られ る.. 溶 菌 に と も な う酵 素 活 性 の 変 化 言. コ レ ラ菌 は菌体 表 面 が粘 稠 な 物 質 に よつて お おわ れ て 居 り,一 見 保 護作 用を 受 けて 居 るか に見 受 け ら れ るが,事 実 は 洗滌 操 作,特 に蒸 溜水 な ど不 適 当 な. 前 編 で は静止 菌液 に 免疫 血 清,及 び補 体 を基 質 と 同時 に 添 加 した 場合 の影 響 を検 討 し,免 疫 血清 は溶 菌に至 る以 前 か らす で に 酵素 活 性 を若 干 低 下せ しめ ること を認 め た. 本編 で は これ に 引 きつ づ き,菌 液 に免 疫 血清,及. 媒 質 に よ る洗 滌 に よつ て 容 易 に こ酵 素 活 性 を失 い,ひ. び 補体 を 加 え溶 菌に至 る迄,時 間 を追 つ て 酵 素活性. い て は 自家 融解 を 起 し,又 免疫 血清 及 び 補 体 の添 加. の 変化 を 追求 した.. に よつて 容 易に 溶 菌 す る こと もこの 菌 の特 徴 で あ る..
(7) コ レ ラ菌 の酵 素活 性 に対 す る免疫 血 清 の影 響. a.実 供 試菌:コ. 第8表 験 材 料 及 び 実験 方 法. 101. 菌 体 洗 滌 媒質 と酵 素 活性 の低 下 の 関係 中 間 型. 菌. レ ラ菌原 型 稻葉 株,中 間 型 彦 島株,異. 型小 川 株 の 標準 株 を普 通寒 天 に37℃, 18時 間 培 養 し て 使 用 した. 免疫 血 清,補 体:何 れ も前編 同様 O2消 費 量 の 測定:前 編 同様Warburg検. 圧計を用. い,常 法 に 従 つ た. H2Sの 定 量:試 料 溶 液 を燐 酸を 以 つ て弱 酸 性 と し, 空 気 を通 じてH2Sを. 追 出 し, 1‑N醋. 酸亜 鉛 溶 液 に. 導 き,こ れ に硫 酸 第2鉄 ア ンモ ン,ヂ メチ ル‑p‑フ エニ レ ンヂ ア ミンを加 え て 比色 す るSt . Lorandの 方 法11)に よつ た. NH4+の. 定 量: Neasler法12)に. イ ン ドール の定 量. Ehrlichの. よ り 比 色 した .. ア ルデ ヒ ド試 薬 を 用. 第9表. い る方 法13)に よつ た. III.実 1.自. 菌 体洗 滌 媒 質 と酵 素 活 性 低下 の 関 係 異. 験. 成. 型. 菌. 績. 家 融解 に よ る溶 菌 と酵 素 活性 の 関係. コ レラ菌 で は菌 体 を 蒸 溜水 で 洗 滌 す る と,食 塩 水 を 加え て 等 張 と した燐 酸緩 衝 液 で 洗滌 した場 合 よ り も著 し く酵 素活 性 が低 下 す る. これ を 更 に詳 細 に検 討 す るた め,普 通 寒天18時 間 培 養 菌 体 を 集 菌 後, (1)0.85%食 (2)燐. 塩 加燐 酸緩 衝 液,. 酸緩 衝 液(食 塩 無 添 加), (3)0.85%食. 水, (4)蒸. 溜 水 の各 媒 質(何 れ もpH. 塩. 7.4)を 以 つ. て 洗 滌 し,再 び それ に 浮游 せ しめ て,数 種基 質 につ いて の02消. 費量 を 測 定 した.. 基 質 は グル コー ス,乳 酸,焦 性 ブ ドー酸,コ ハ ク 酸,ア ス パ ラギ ン酸,グ ル タ ミン酸,シ ステ イ ンを 選 び シス テ イ ン」 以外 はM/100,シ 第7表. ス テ イ ンはM/500. 菌 体洗 滌 の 基 質 と酵 素 活 性低 下 の 関係 原. 型. 菌. とな る よ うに した.菌 量 は湿 菌量40mg/cupと. し,. 測 定 時間30分 間 と した. 原 型 菌 で は第7表 に示 す結 果 で あ り,食 塩 加緩 衝 液 で 洗滌,浮 游 した 菌体 は各 基質 共 に著 明なO2消 費 を示 す の に対 し,他 の媒 質 で洗 滌,浮 游 した 菌体 の 酵素 活 性 は殆 ん どの基 質 に於 いて も極 めて低 く, 特 に蒸 溜 水 で洗 滌,浮 游 せ しめ た もの は この傾 向が 著 しか つ た.た だ シス テ イ ンの酸 化能 の低 下 は比 較 的少 ない 傾 向 で あつ た. 中間 型 菌,異 型 菌 で もそれ ぞれ 第8,. 9表 の如 く. 同 様 の傾 向 が見 られ たが,た だ異 型 菌 で は緩 衝液, 或 い は食 塩水 を用 い た場 合の低 下 が 他 の2菌 程 著 し くな かつ た. 以上 の 如 く,菌 体 を蒸 溜水 な どで 洗滌 浮游 す ると 酵 素活 性 が著 し く低 下 した が,次 に蒸 溜水 で2回 洗 滌 した 菌体 を食 塩 加緩 衝 液 に浮 游 した場 合,食 塩 加 緩 衝 液 で洗 滌 した 菌体 を 蒸 溜水 に浮游 した場 合 につ.
(8) 102. 岡. い てO2消. 田. 費 を 測 定 した,尚 比 較 の た め,蒸 溜 水 で. 洗 滌,浮 游 した場 合 に つ いて の測 定 値 を も附 加 した. 菌 量 そ の他 は前 実 験 と同 様 に し,基 質 は グ ル コー ス の み と した.. O2消. 二. よ うに 浮游 せ しめ て 室温 に放 置 し, 30分 毎 に1ccつ つ を 取 出 し生 菌 数 の 測定 を行 なつ て 見 た. 菌 数 測定 は試 料1ccを9cc普. 通 寒 天 と混 和 してか. ら平 板 と し, 32℃, 24時 間放 置 して か ら コロニ ー数. 原 型 菌 に 於 け る結 果 は第10表 の如 くで あ り,各 菌 第10表. 豊. 費 に対 す る菌洗 滌及 び 浮 游媒 質. の影響. を計 算 す る常 法 に よつ た. 結 果 は 第11表 の 如 くで あ り,各 菌共 食 塩 加緩 液 に 浮 游 させ た ものは120分 に 至 つ て も生 菌数 の 減少 は. 基 質:グ ル コ ー ス. 殆 ん ど起 らな い と見做 され る. 然 し他 の媒 質 に 浮 游 させ て 放 置 す る と, 30分 頃 よ りす で に菌 の死 滅 が起 り、 特 に蒸 溜 水浮 游 で は60〜 90分 間 の放 置で生 菌 数 は著 明 に 減少 した. 菌 別 に見 る と異 型 菌 は他 菌 に 比 しや や抵 抗性 が大 きい よ うで あ り,菌 の死 滅 は 前述 のO2消 共 一度 蒸 溜 水 で 洗滌 す ると,再 び食塩 加緩 衝 液 に 浮 游 して も酵 素活 性の 回 復 は 見 られ ず,又 食 塩 加 緩 衝 液 で洗 滌 して も,蒸 溜 水に 浮 游 す る と酵素 活 性 は 失 わ れて しま う.他 菌で も表 示 は 省略 した が ほ ぼ間 様 の傾 向が 見 られ た. 以上 の 如 くコ レ ラ菌 で は蒸 溜水 な どに一 旦 浮 游 せ しめ る と不 可逆 的 な酵 素 の失 活 が 起 る もの と考 え ら れ,従 つ て この よ う な媒 質 に 菌 を浮 游 放 置 す る と比. そ こで 次 に 培 地 よ り集 め た 菌体 を 無 菌 的 に食 塩 加. 第11表. 各種 媒質 処 珪 に よ る菌 の死 滅. 従 つ て蒸 溜水 そ の他 菌 に とつて 不 適 当 な媒 質 に浮 游 させ て置 くと,菌 の酵 素 活 性 の低 下,即 ち新 陳代 謝 の 停 止が 起 り,菌 は死 滅 しや がて 自家 融解 が 起 る もの と推 定 され る. 2.免. 疫 血 清 に よ る溶 菌 と酵 素 活 性 の関 係. 菌 に 免疫 血 清及 び 補 体 を 加 え放 置 す ると酵 素活 性 は低 下 し,や がて は溶 菌 に至 るが,こ れ に と もない 酵 素活 性 は如 何 に変 化 して 行 くか を 見 た.即 ち先 づ. 較 的短 時 間 の 間 に 菌 は死 滅 す ると予 想 され る.. 緩 衝 液,緩 衝 液,食 塩 水,蒸 溜水 に1mg/ccと. 費の低 下. と大体 平行 的 関係 で あつ た.. なる. 菌液(食 塩 加緩 衝 液 に 浮游,湿 菌 量40mg/cc) 10.0cc 補体(5倍. 稀 釈). 1.5cc. 免液 血 清. 1.5cc. 食 塩 加 緩 衝液. 2.0cc. 全. 量. 15.0cc. pH 7.4. 上 の 如 く菌 液 に 免 疫 血 清(10,. 30, 100, 300,. 1,000倍 稀 釈 とな るよ うに す る),及 び補 体 を 加 えて 30, 60分 及 び90分 放 置 して か ら,そ Warburg検. の2ccづ. つを. 圧 計 容 器 に 入 れ,グ ル コー ス,乳 酸,. 焦 性 ブ ドー酸,コ ハ ク酸,ア スパ ラギ ン酸,シ ステ インを基 質 と したO2消 質 な しのO2消. 費 量,並 び に対 照 と して 基. 費 量(endogenous. respiraion)を 測. 定 した.基 質 は シス テ イ ンはM/500,他. はM/100. とな るよ うに し,測 定 時間30分 と した. 結 果 は原 型 菌 に つ いて は 第12表 に一 括 して示 した 如 くで あ り, 100〜300倍 稀 釈 附近 の濃 度 の 免疫 血 清 に よ り処理 した 菌体 が 最 も02消. 費能 の低 下 を来 し. て 居 り,そ れ よ り高 濃 度,及 び低 濃 度 の血 清 で処 理 した もの は酵 素活 盤 低 下 が比 較 的 少 な かつ た. 処 理 時 間 につ い て 見 る と, 30分 間処 理 で は それ 程 著 しい酵 素 活性 低 下 は 見 られ な い が, 60分 で は急 激 に活 性 低 下が 見 られ た..
(9) コ レラ菌 の 酵 素活 性 に対 す る免疫 血 清 の影 響. 103. 第13表. 免 疫 血 清 処 理 菌 体 のO2消. 費(原. 型菌). 第13表. 免 疫 血 清 処 理 菌 体 のO2消. 費(中. 間 型菌).
(10) 104. 岡. 第14表. 田. 二. 免 疫 血 清 処 理 菌 体 のO2消. 又 基 質 別 に見 ると グル コー ス,焦 性 ブ ドー 酸,ア スパ ラギ ン酸 を 基質 と したO2消. 豊. 第15表. 費(異. 型 菌). 免 疫 血清 処 理 に よる 菌の 死 滅. 費 の低 下 は著 し く. 60〜90分 間 の 処 理 に よ り殆 ん ど完 全 にO2消. 費能 を. 失 うが,乳 酸,コ ハ ク酸,シ ステ イ ンを基 質 とした O2消 費 能 の低 下 は比 較 的少 な い よ うで あ つ た. 中関 型 菌,異 型 菌 で も第13, 14表 の如 く原 型 菌 と ほ ぼ 同様 の 結 果 で あつ た が,た だ異 型 菌で は他 菌 に 比 し免 疫 血 清 処 理 に よ る酵 素活 性 低 下 がや や少 ない 傾 向が 見 られ た. 以 上 の 如 く免疫 血 清 及 び補 体 を 加 えて 処 理 した菌 体 は,処 理 時 間 と共 に酵 素活 性 が低 下 す るが,こ れ は勿 論,免 疫 血清 に よ る菌 の死 滅 内至 は溶 菌 と関 係 が あ ると考 え られ る. そ こで 前記 と 同様 の 割合 で菌 液 に 免疫 血 清,補 体 を添 加 し, 30分, 60分 及 び90分 間 放 置 し た 後そ の 0.1ccを10ccの した 後,コ. 普 通寒 天 に混 合 し37℃,. 24時 間 培 養. ロニ ー数 を 計算 した.. 結 果 は 第15表 の如 くで あ り,免疫 血 清 濃 度 が100〜 300倍 稀 釈 の 場合 菌 の死 滅 が 著 し く,それ よ り高 濃 度 及 び 低 濃 度 で は致 死 効 果 はや や少 で あ る. 100〜300借 稀 釈 血.清で は, 30分 間 の 処理 に よ りか な りの生 菌数 の 減少 が 見 られ, 60〜90分 の処 理 に よ つ て は生 菌数 は 著明 に減 少 した.. 又 菌別 に 見 ると異 型 菌 は他 菌 に比 し抵 抗 性 が やや 大 き い ようで あつ た..
(11) コ レラ菌 の酵 素 活 性 に対 す る免疫 血 清 の 影響. 前 述 の 如 く,免 疫血 清 及 び 補体 を添 加 して放 置す る ことに よ り一 般 に酵 素 活 性 は低 下 す るが,乳 酸, コハ ク酸,シ ス テ イ ンの酸 化 能 は 尚か な り残 存 す る. そ こで これ ら基 質 の酸 化 酵 素 が 溶菌 後 媒 質 中 に溶. 105. 側 室:シ ス テ イ ン(又 は水). 0.3cc. 原 型 菌 に於 け る結 果 は第17表 の如 くで あ り,対 照 と して 用 い た無 処 理 菌体,即. ち培地 よ り集 菌 し,食. 塩 加 緩 衝 液 で洗 滌 した直 後 の 菌 体 で はO2消. 費,. 出 す る もの か否 か を見 るため,前 記 同 様 の割 合 で 菌. RH4+生. 液 に免 疫 血清(100倍 稀 釈)及 び補 体 を 加 えて60分 間. で あ るの に対 し, 60分 間 蒸 溜 水 に浮 游 せ しめ た もの. 放 置 し,一 部 はそ の ま ま,一 部 は10,000rpm,. 30分. 間遠 沈 して 上清 と沈渣 に分 ち,こ れ らを 各 々検 圧 計. 成, H2S生 成 は それ ぞ れ10.7, 3.2, 4.9μM. 第17表. 処理 方 法 と シ ステ イ ンの分解 の関 係 原. 型. 菌. 容 器に 入 れ,乳 酸,コ ハ ク酸,シ ス テ イ ンを基 質 と したO2消. 費量 を 測定 した.. 尚 こ の遠 沈 沈渣 は完 全 に溶 菌 せ ず に残 存 した 菌, 又 は 菌 の破 片 と考 え られ る. 結果 は原 型 菌 に つ いて 第16表 に示 す如 くで あ り, 遠 沈 上 清,及 び 沈 渣共 にO2消. 費 能 を有 し,こ れ ら. 基 質 の 酸 化酵 素 は溶 菌後 媒 質 中 に溶 出 す る もの と見 做 され る. 第16表. 免 疫 血清(100倍. 稀 釈)添 加60分 処 理. 後 の 遠沈 上 清 及 び沈 渣 の酵 素 活性 O2消 費 μl, 30min.. で は遠 沈 上 清,沈 渣 菌 にO2消. 費 は著 し く少 で あ る. が,免 疫 血 清 に よ り溶 菌せ しめ た もの の上 清,沈 渣 は,こ れ よよ りややO2消 場 含 も02消. 費 が大 で あ り,又 何 れの. 費 に対 す るNH4+,. 合 は 対照(無 処 理 菌体)よ. E2Sの 生 成 量 の割. り も大 で あつ た.. 中 間 型菌,異 型菌 で もほぼ 同 様の 成 績 であ り,こ れ は 対照 菌 体 で は シ ステ イ ンの脱 ア ミノ,脱H2S反 応 の 次 に続 い て他 の 酸 化反 応 が 起 り,又NH4+は. 他. のア ミノ酸生 成 に一部 使わ れ るが,溶 菌後 の遠 沈 上 清 或 い は沈 渣 で は この よ うな 副 反応 が 起 り難 い ため と想像 され る. 次 に コレ ラ菌 の特 徴 の1つ で あ る トリプ トフ ァン よ りの イ ン ドー ル生 成 反応 に つ いて 見 る,即 ち前 実 験 と 同様 に して 処 理 した溶 菌 後 の遠 沈 上清 及 び沈 渣, 次 に シス テ イ ンの 酸化(分 解)様 式 が蒸 溜 水,又. 並 び に対 照 と して 未処 理 菌体 を 用い,卜. は免疫 血清 に よ り溶 菌 した後 の もの と,無 処 理 の菌. ンをM/500と. 体 によ る もの とで 相違 す るか 否 かを 見 た.. らイ ン ドー ルの生 成 量 を比 較 した.. ① 菌体 を 蒸 溜水 に浮 游 させ80mg/cc. 60分 放 置. ② 菌体 を 食塩 加緩 衝 液 に 浮游 し,免疫 血 清(100倍 稀 釈 とす る),補 体 を 加 え て60分 放 置(菌 は80mg/cc とな るよ うに す る) 上 の2つ の 方法 に よ り処理 した後遠 沈 して 上清 と 沈渣 に分 ち,沈 渣 は食塩 加緩 衝 液 を加 えて もと の容 量 と し,そ の 各 々 を酵 素液 と し次 の割 合 で検 圧 計 容 器 に入 れ て60分 間 のO2消 量 とを 測 定 した. 主 室:酵 素液. 2.0cc. 緩衝液. 0.7cc. 費 量 とNH4+,. H2S生 成. リプ トフ ァ. な るよ うに添 加 して2時 間振 盪 して か. 結 果 は 原型 菌 につ いて 第18表 に示 す 如 くで あ り, 第18表. 処理 方 法 と 卜リ ブ 卜フ ァ ン よ りイ ン ド ー ル の生成 能の 関 係.
(12) 106. 岡. 田. 対 照 菌 体 で は 著 明 な イ ン ドール生 成 が 認 め られ るに 対 し,蒸 溜 水 に 浮游 せ しめ て放 置 した 菌体,或 い は. 豊. 二. は酵 素 活 性 の低 下 を平 行 して 著 し くな つて 居 る. 而 して 菌液 に補体,及. び溶 菌 作 用 の最 大 の濃度 に. 免 疫 血 清,補 体 を加 え て 溶 菌 せ しめ た 遠沈 及 び 上 清. 血 清 を加 え, 60分 作 用 せ しめ た後 の 酵 素 活性(O2消. で は何 れ もイ ン ドール生 成 は極 めて 微 弱 で あつ た.. 費能)を 基 質別 に見 る と,グ ル コ ース,焦 性 ブ ドー. 中間 型 菌,異 型 菌で も同 様 で あ り,ト ンよ り イ ン ドー ル を生 成 す る酵素,ト. リプ トフ ァ. リプ トフ ァナ. ー ゼ の適 応 的 産生 は こ のよ うに処 理 した 菌 で は起 り に くい もの と見 做 され る.. 酸,ア ス パ ラギ ン酸 な ど の酸 化 能 の 低下 は極 め て著 し く,乳 酸,コ ハ ク酸,シ ス テ イ ンな どの 酸 化能 の 低 下 は比較 的 少 な い. これ は菌 を磨砕 しcell freeeayractと. した場 合. と類 似 の所 見 で あ つ て, 1つ に は酵 素 自体 の 安定度 IV.総 括 及 び 考案. に も起 因 しよ うが,. コ レ ラ菌 は 免 疫血 清 によ り容 易 に溶 菌 し,又 菌 浮. 1つ に は菌 体 が機 械 的 に,或 い. は溶 菌 に よ り破 壊 され,酵 素 系 が媒 質 中に 溶 出,分. 游 液 を放 置 す るか,或 い は不 適 当 な媒 質 に 浮游 せ し. 散 す るた め,多. め ると 容 易 に酵 素活 性 の低 下 を来 す 点 が他 の多 くの. る酸 化 反応 は急 激 に 衰え,乳 酸,コ ハ ク酸,シ ステ. 細 菌 と異 なつ て い る.. くの酵 素 或 い は補 助 因子 を 必要 とす. イ ンな どの 酸 化 の如 く比 較 的 簡単 な酵 素 系 に よ る も. 供 試 菌原 型,中 間型,異 型 の 各 菌 に於 い て も食 塩 加 燐 酸緩 衝 液 で 洗 滌 す ると酵 素 活性 の低 下 は比 較 的 少 な い が,食 塩 無 添 加緩 衝 液,生 理 的 食塩 水,或 い は蒸 溜 水 で洗 滌 す る と急速 に酵 素活 性 の低 下 を来 し,. の め 低 下 は少 な い もの と考 え られ る. この こと は溶 菌後 の遠 沈 上 清 もこれ ら基 質 の酸化 能 を 有 す るこ とか らも うか が わ れ る. 従 つ て免 疫 血清 処 理 に よ つて は溶 菌現 象 が比 較的 早 期 に起 り,菌 体 内部 の酵 素 は比 較 的 安定 した ま ま. 特 に蒸 溜 水 の 場合 に 著 しい. 而 して 食塩 加緩 衝 液 で洗 滌 した 菌体 も,不 適 当な. 外 液 中 に溶 出 し,そ の後 もあ る種 酵 素 は活 性 を 維持. 媒 質 に 浮 游せ しめ る と直 ち に不活 化 を来 し,又 一 旦. す るの に対 し,蒸 溜水 等 不適 当 な媒 質 に 浮游 した場. 不 活 化 した 菌 は再 び 食塩 加緩 衝 液 に浮 游 せ しめて も. 合 に は 溶菌(自 家 融 解)が 起 る以 前 に 菌体 内部 でか. 回 復 は されず,こ の 失活 は不 可 逆 的 な もの と見 做 さ. な りの 失活 を 来 す もの と想像 され る.. れ る. 一 方 これ ら不 適 当 な媒 質 に浮 游せ しめ ると30分 頃. 後 で比 較す る.. よ りす で に生 菌数 は 減少 し, 60〜90分 に して著 明 な. 次 に シ ス テ インの 分 解 に於 け る量 的関 係 を 溶菌 前 シス テ イ ンは種 々の 細菌 に於 いて,一 種 類 の酵 素 で14),或 い は別 々の酵 素 で15)16)脱 ア ミノと 脱 硫 化. 減 少 が 認 め られ る. 一 般 に 酵素 は基 質 と結合 した状 態 に於 いて 最 も安 定 で あ ると され て い るが,こ れ と 同様 な 意味 で コ レ. 水 素 を受 け ると され て い る. コ レラ菌 に 於 いて も溶菌 前(無 処理 菌体),及 び溶. ラ菌 で は,燐 酸 の 存 在 が酵 素 の 安定 に必要 で あ り,. 菌 後共 に脱 ア ミノ,脱 硫 化 水 素 が 認 め られ る.然 し. これ を欠 く媒 質 へ の 浮 游 は菌 の 酵素 活 性 の不 活 化 を. これ が 同一 酵 素 に よ るが,別 々の 酵 素 に よ るか は判. 来 す と考 え られ,又 食 塩 無 添 加 の緩 衝 液 へ の浮 游 で. 明 しな かつ た.. は 滲 透圧 の低 下 によ つて 不 活 化 が起 る もの と見 做 さ. 而 して溶 菌 前 で はO2消. 費 に射 す るNH4+,. H2S. 生 成 量 の割 合 は比 較 的 小で あ り,こ れ は シ ステ イ ン. れ る. 従 つ て これ ら不 適 当 な媒 質 に 於 いて は 全般 的 な 菌. が 脱 ア ミノ.脱 硫 化 水 素反 応 を 受 け た後,更 に続 い. 体 酵 素活 性 の低 下 に と も な い,菌 は死滅 し,や が. て 次 の 酸化 反 応が 起 るた め と考 え られ るのVL対 し,. て は 負家 融解 に よつて 溶 菌 す るに至 る と考 え られ る.. 溶 菌 後 では02消. 次 に免 疫 血 清 及 び補 体 添 加 に よ る溶 菌 と,こ れ に と もな う酵 素 活 性 の変 化 に つ いて 見 る. 菌 液 に免 疫 血 清濃 度 を10〜1,000倍. 稀 釈 の範 囲 で. 種 々変 えて,補 体 と共 に加 え て作 用 せ しめ,時 間 を 追 つて 酵 素 活 性 の推 移 を 見 ると,血 清 濃度100〜300 倍稀釈 に ご於 い て 酵素 活 性 の低 下 は最 も著 し く,又 活 性 低 下 は一 般 に 血清 作 用 時間 に平 行 して 著 し くな る. 又 血 清 作 用 後 生菌 数 を 測定 す る と,生 菌 数 の 減少. 費 に対 す るNH4+,IiZS生. 成量が. 大 で あ り,こ れ は脱 ア ミノ,脱 硫 化水 素 に続 く三次 的 反応 が起 り難 いた め と考 え られ る. 次 に トリプ トフ ァ ンよ りの イ ン ドール生 成 反応 に つ いて 見 る. イ ン ドー ル生 成 酵 素(ト. リプ 卜フ ァナ ー ゼ)は 一. 般 に適 応 酵素 であ り,コ レ ラ菌 に こ於 いて も菌体 を ト リプ トフ ァ ンに接 触 せ しめ る こと に よ り適応 的に生 成 す る。.
(13) コレラ菌の酵素活性に対す る免疫 血清の影響 然 し溶 菌 後 に 於 いて は この イ ン ドー ル生 成 反応 が. 共 に酵 素 活 性 は低 下 し,溶 菌 が起 る血 清 濃 度100〜. 起 り難 く,適 応酵 素産 生 能 は 溶 菌 に よつ て失 われ る. 300倍 稀 釈 で こ の傾 向 が最 も著 しい.. と見做 され る.. 3.基 V.結. 107. 質別 に見 る と,グ ル コー ス,焦 性 ブ ドー酸,. ア スパ ラギ ン酸 な どの 酸化 能 は溶 菌 によ つ て著 し く. 言. 低 下 し,乳 酸,コ ハ ク酸,シ ステ イ ンな どの酸 化 能 前編 同様 コ レ ラ菌3株 を 供試 菌 と し,菌 体 を種 々. は比 較 的低 下が 少 な く,溶 菌 後 の遠 沈 上清 に も これ. の 媒質 に浮 游 せ しめ た場 合 の酵 素活 性 の 変化,及 び. ら酸 化 能 は残 存 す る.. 菌 液 に免 疫 血 清,補 体 を 加 え溶 菌 に至 る迄 時 間 を追. 4.シ. つ て酵 素 活 性 の 変化 を 検 討 して次 の 結 果 を得 た. 1.菌. ス テ イ ンの脱 ア ミノ,脱 硫 化 水素 反 応 は共. に溶 菌 後 も残 存 す るが,ト. 体 を 食塩 加燐 酸 緩 衝 液 で洗 滌 す ると酵 素 活. リプ トフ ァン よ りの イン. ドール坐 成 能 は溶 菌 に よつて 失 わ れ る.. 性 は余 り低 下 しな いが,食 塩 無 添 加緩 衝 液,食 塩 水, 蒸 溜 水 な どで 洗 滌 す ると急 激 に酵 素 活 性 が低 下 す る 終 りに臨 み,御 指 導 と御 校 閲を 賜 つ た恩 師 村上 教. と共 に生 菌 数 は減 少 す る. 2.菌. 液 に免 疫 血 清及 び 補体 を加 え ると,時 間 と. 参 1). 授 に深 甚 な る謝 意を 表 します. Peterson, Rev.. W.. H.. &. Peterson,. M.. S.:. 考. Bact. 文. .. 9(1945).. 2). 水 野,小. 坂:日. 本 細 菌 学 雑 誌,. 7,. 229(1952). .. 3). 水 野,入. 江:日. 本 細 菌 学 雑 誌,. 7,. 227(1952). .. 4). 鷹 取:日. 本 編 菌 学 雑 誌,. 7,. 251,. 5). 新 井:日. 本 細 菌 学 雑 誌,. 7,. 343(1952). .. 6). 刈 屋:日. 本 細 菌 学 雑 誌,. 9,. 147(1954). .. 7). Harie,. J. O... J.. 8). Sevag,. M.. &. 9). 新 井:神. G.. Bact., Miller,. 56, R.. 253(1952). J.. 10). Umbreit,. 11). 斉 藤:光. 12). St.. et. 13). .. Lorland:. 後 藤:大. Effect. 4号,. of Immune. Z.. Techniques.. Phieiol.. Chem.,. 37,. 95 .. 228,. 2413(1938). P. & Fromageot,. 300. C... .. Enzymol.,. 6, 80 (1939). 15) Fromageot,. Bact.,. 55. Biol.,. 23,. 16) Desnuelle, 6巻,. Manometric. 阪 医 学 会 雑 誌,. 14) Desnuelle,. (1948). 戸 医 科 大 学 紀 要,. al.:. 電 比 色 計 に よ る 臨 床 化 学 横 査,. (1930).. 3(1948). E.:. 献. 1(1956).. Enzymol.,. Serum. on. of Vibrio. the. the. C. & Kium,. P. K.:. Bull.. Chem.. 147 (1941). P., Wookey E. & Fromageot,. C.:. 8, 225 (1940).. Enzyme. Activity. Cholera. By Toyozi Department. Part. I. Effect. OKADA. of Microbiology, Okayama University Medical School (Director: Prof. Sakae MURAKAMI). of Immune. Serum. and. Complement. on O2. Uptake. Using the 3 strains of Vibrio cholera, original strain (INABA's strain), intermediate variant strain (HIKOZIMA's strain) and variant strain (OGAWA's strain), the author studied the effect of immune serum and complement on O2 uptake of the resting cells of these microorganism. Immune serum was added into the resting cell suspension, in which complement.
(14) 1O8. 岡. 田. 豊. 二. was added in an experiment and was not in another experiment, in a various concentration with substrate. And obtained the following results 1) With absence of complement O2 uptake was inhibited to a slight degree by the addition of immune serum. The inhibition was increased. carrespondingly with the concen tration of the serum This findings was supposedly due to the agglutination of bacteria by the action of the immune serum. 2) In the presence of complement, O2 uptake was also inhibited by the addition of immune serum; especially, strongly inhibited at a low concentration of that, i.e. in dilutions of 1: 300-1: 400. The inhibition was supposed to be arisen from the lesion on the cells being to be bacteriolysis shertly after that. Part. II. Enzyme. Activities. Affectad. by. Bacteriolysis. Using the 3 strains of Vibrio cholera as in the part I, the author observed the changes on the enzyme activities of the bacterial cells by affecting the cells by means of suspension into various media or immune reaction. The following results were obtained. 1) The enzyme activities were not so decreased by the washing of the cells with saline added phosphate buffer. But the activities and the numbers of surviving cells were markedly decreased in the case of the washing with saline unadded phosphate buffer, saline solution or distilled water. 2) The enzyme activities were decrealed proportionally to the affection time of immune serum and complement, and eventually qacteriolysis occured. This finding was most distinctive in dilutions of 1:100-1:300 of serum. 3) The decrease of oxidation capacity by bacteriolysis was differ in the substrate oxydized. That was very prominient in the case of glucose, pyruvate and aspartate, while that was rather slight at the oxidation of lactate, succinate and cysteine, and the presence of the oxidation capacities was also found in the centrifuged supernatant of bacteriolysed cells. 4) The deaminative and the desulfhydrative abilities for cysteine were retained after the lysis of bacteria, but these for formation of indol were not found at that state..
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