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集 団 ヒ ス テ リ ー

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(1)

中 村

Tsuyoshi Nakamura:Epiderrlic Hysteria

< 索 引用 語 : 集 団 ヒス テ リー, 社 会 ・文 化 的背 景 , 同 一 化 >

<Keywords: epidernic hysteria,  socio― cultural background,  identification>

岡J

は じめ に

異 常 な精 神 状 態 が多 くの人 々 に伝 染 す る感 応現 象 は, 古 来 さまざまな表 現形 態 が知 られ て い る。

私 の課題 は, そ うい った感 応 現 象 の うちで も,   と くに 集団 ヒステ リー" といわれ る現象 の紹介であ るが, この概念 ははな はだ曖味 で あ る。 しか し, 一般 に集団 ヒステ リーとよばれ る現象 の存在す る

こと も事実 で あ るので,そ れ を支点 に して,本 稿 で は まず研究者 た ちが それぞれ に集 団 ヒステ リー とみ る現象 を展望 したい。 そ して この現象 にみ ら れ る特徴 的 な ことが らを拾 い出 して若干 の考察 を 加 え たい。

I 対   象

本邦 の事 例 ( 以下 , 各 事 例 を D C   1   0   0   0 1 9 と よぶ)と 外 国の事例27(同 様 に, FC1 0 0027) の46例を観察 の対象 とす る。後述 の よ うに,集 団

ヒステ リーは感応精神病 や 日常 の大衆行動 と流動 的 に移行 しあ うもので あ り, 集 団 ヒス テ リー " と い う用語 も現象の実態 にふ さわ しくない。 したが っ て,本 稿 で はあ らか じめ対象選択 の基準 を設 けな いで,諸 家 が それぞれの社 会 ・文化環境 の もとで 集 団 ヒステ リー と診 た もの を その ま ま対象 と し,

発生 の機制 や形態 が対 象事 例 のそれ に似 て いて も 報 告者 自身 が集 団 ヒス テ リー とよん で い な い もの

は参考 資料 に とどめ る ことにす る。

なお,本 邦 の事 例 はで きるだ け網羅 す るよ うに し たが,外 国 の事例 は発生 の時代,地 域,臨 床形態 な どを参考 に手許の 資料 の なかか ら例示 的 に選 び 出 した。

Ⅱ 事 例 の概 観

事 例 の概 略 は表 1 ,   2 に 示 した。 本稿 で対 象 と す る事例 は, 私 が例示 的 に採用 した ものであ るか ら統計的 な観察 は行 わ ない。 ここで は表 に掲 げな か った臨床 的事 象 の うち,症 状 伝播 の形式 と持続 期 間 につ いて補足 して お く。

A   症 状 の伝播形式

症 状伝播 の形式 は, そ の外観 に従 い, い ちお う 次 の 4 型 に分 け られ る と思 う。

1 ) 突 発 ・爆 発 的 な伝播 :(例 1:F C22);ア メ リカの一共学 高校 で,少 年 が誤 って他 の少 年 を撃 ち傷 を負 わ せ た。 現 場 に は約 2 0 0 人が 居 合 わせ たが, 1 6 人 が ほ とん ど即 座 に号 泣, 哄笑, 振 戦 な どの症状 を示 した。他 にD C 2 ,

6 , 1 1 , F C 2 , 1 0 , 1 5 , 2 4 が この型 に属 す る。

著者所属 :富 山大学保健管理 セ ンター,The Department of Health Services,Toyama University

(2)

1172

表 1 本 邦の事例

臨床精神医学 第 9巻 第11号 (中 参考資料)

事   例

報 告 者

( 報告 年度) 発症者 の数 ・性別 0年 齢 発 生場 所 と所属母 集 団 主 要 症 状

DC l 森  田 34) (1904)

主 分

詳 者 不 発 齢 原 年 し

女 子 ︐は

名 > 病 5 婦 裂 高 力! 県の戸数 5 戸 か らな る山間

の部落. 住 民数不 明 人 格 変換 ( 犬神憑 き) , 狂 暴 賤 罵 ・街 奇的言 動

DC 2 村  上 )

( 1 9 5 2 )

1 4 名,女 子,14〜 16歳 北海 道 の中学校 の修 学 旅行 中青 森駅 で, 参 加者9 1 名 ( 男4 1 , 女 50)

四1 女 痙攣 ・しびれ, 号泣 ・叫 喚, 意識 消失

DC 3 村  上 86)

(1952)

2 0 名,女 子,14〜 15歳

D C

4 2 ︐

2 と 同 じ, 参 加者9 0 名 ( 男

女4 2 , 引 率 6 )

DC 2と ほ ぼ 同 じ

DC 4

官  内 32)

(1956) 1 6 名,女 子,中 学生 香川 県下, 山 村 の中学校 , 生 徒

数不詳 痙 攣発作

DC 5 黒  田 19) (1961)

7 名 , 女 子 , 1 4 〜 1 5 歳 ( ただ し, 原 発者 は分裂 病)

札幌 市 内の中学 3 年 生 の修 学旅 行 中. 参 加者 数 1 6 3

立 悶 失 苦

常 安 異 不 覚 ︐ 知 喚 肢 叫 四 ・

失 状 呼 吸 歩 態 ︐ 困 難 号 ︐ 泣

DC 6 植   田 6 0 )

(1963)

5 名 , 女 子 , 1 3 〜 1 4 歳 中学 2 年 生 の同一 クラス

生徒数不詳 ( ク ラス同級 生) 過 呼吸 , 不 安状態

DC*7 Ikcda9) ( 1 9 6 6 )

1 1 名, 女 子 , 平 均年齢2 9

歳 ライ病療 養所

看護 婦  6 7 名 抑 うつ状態, 不 眠, 頭 痛, 食 欲 不振, 不 安 ・恐怖, 妄 覚

DC 8

森33)

(1967) 1 0 名,女 子 ,16〜 19歳 某小紡績工場の寮 寮生数不詳

ヒステ リー性 意識喪失 , 運 動系 症 状 を主 とした古典的 ヒステ リ

ー症状

DC 9

島  薗 4 9 )

(1968)

11名 ,男 子 2名 ,女 子 9 名,12〜 15歳

高 知県山村 の中学の修学 旅行 に 初発 し, 学 校 で も。旅 行参加9 7 名 ( 男4 1 , 女 5 6 )

呼吸 促 進, 全 身 の強直 性痙 摯, 四肢 の冷 ・しびれ感, 意 識 消失 ( 土)

DC 10 山   川 6 3 )

( 1 9 6 9 )

6 名 , 女 子 , 1 5 〜 1 8 歳 北 九州市 の家庭 科 を主 とす る女

子 高校. 生 徒 数 1 , 4 0 0 過 呼吸 , 硬 直性 痙 摯, 感覚鈍麻, 時 に号 泣 ・叫 喚

DC ll 大   堂 5 4 )

(1970)

6 名 ,女 子 ,14〜 15歳 某 中学校 ,   3 年 生.

生徒 数不詳 過呼吸,失 神,後 弓反張様発作

DC 12

青  木 1 )

(1970) 2 名 , 女 子 , 高 校 生 某高校

生徒 数不 詳 心悸 充 進 , 過 呼吸 , 四 肢 の しび

れ感

DC 13

木 村 16) (1973)

1 7 名, 女 子 , 中 学 1 0 3

年生 山 口県岩 国市 の離 島 の小 ・中学

校 , 生 徒 数不詳 失 神 , 呼 吸 困難 , 痙 攣

DC 14 西  田 38) (1974)

3 名 , 女 子 , 1 6 歳

2 名 , 女 子 , 1 4 歳 福 岡県 の高校 福 岡県 の中学校

( 1 ) 呼 吸 困難 , 失 神, ス トッキ ング様 知覚脱失

( 2 ) 呼 吸 困難, 失 神 , 過 呼 吸 .

DC 15

日下部20)

(1976) 6 名 ,女 子,13歳 群馬 県 の中学校

中学 2 年 生 , 生 徒 数不詳 膝 関 節痛, 自 己催 眠状 態 ( コ ッ ク リさん遊 びに関連)

DC 16 今   井 1 0 )

(1977)

8 7 名,女 子 ,中 学生 鳥 取 市 内の某 中学校

生徒 数 4 9 0 余

膝 関 節痛,   足 の 運 動 まひ, 不 安 ・恐怖 (キ ュー ビッ トさん遊 びに関連)

DC 17 河   野 1 3 )

(1978) 8 名 , 女 子 , 1 5 〜 1 6 歳

北海 道 ・僻 村 の某高校 ,

高校 1 年 生 ( 女子生徒 数  3 4 )

過 呼 吸 症 状 群

DC 18

日下部22)

(1979)

2 名 , 女子 2 名 , 女子 2 名 , 女子 6 名 , 女子

年 年 年 年 学 学 学 学 中 中 中 中

( 1 ) 〜( 4 ) : そ れ ぞれ 群馬 県下 の

中学校 過呼 吸, 四 肢 強直, 意 識 消失 な

DC 19

柏 瀬 14)

(1980) 4 名 ,女 子,15〜 16歳 栃木 県 の一高校

生徒 数不詳 過 呼吸発作

(3)

1980年11月

1173

表 2   外 国 の事 例

事   例

報  告   者

( 報告 年度) 発 症者 の数, 性 別,年 齢 発 生場 所 と所属母 集 団

要 症 状

FC l Sceligmtincr48)

(1877)

9 名 ,女 子,12〜 27歳 ドイ ツの農場宿舎

女子 出稼 労働者 ( 約3 0 名)

下 激

載 ︐脚 鯖 間 嚇 脱 幻 失 ︐ 視

︐ 党 禁 ︐ 攣 感 失 為 痙

の 動

行 性 手 情 力 直

・ 

︐ 暴 強 腿 痛 の

FC 2 Pal=ncr40)

( 1 8 9 2 )

13名,女 子,11〜 13歳 ドイ ツの カ トリック系女子 小 学校 , 学 童 数不詳

失 神 , 痙 撃 , せ ん妄 , 幻 視.

息 者 間 の面罵 ・暴 力行為

FC 3 H i r t 7 )

(1892)

2 0 名,女 子, 5〜 12歳 ドイ ツの ある村 の小学校

学童 数7 0 名 (男32,女 38)

意 ︐ 奮

張 興 緊 ・ り 安 な 不 弓 ︐

識 間 代 消 性 失 ︐ 痙 幻 摯 ︐ 覚

FC 4 Schitte47) (1906)

多 数,男 女(女子 に多 い),

9〜 13歳 ドイ ツ, マ イセ ン市 の 2 〜

3 の 小 中学校, 生 徒 数不詳 前 腕 尺 側 か ら上行 す る振戦 , 時 に他 側 に もみ られ る

FC 5 Licbcrmeister24) (1917)

詳 ・ 中 役 不 兵 齢 し 年

︐ た だ 野

名 莉

ロ シ ドイ ツの捕 虜収容所,   ロシ

ア兵 1 , 3 ∞名. ほ か 1 5 , ∞0 名 の捕 虜

下肢 の偽痙性 麻痺, 心 因性坐 骨神 経痛 , 歩 行障害 , 脊 椎 の 支持 障害

FC 6

Schuler46) (1943)

f君 ,1妻 寧 :16‑18歳

( 第 2 段 階 ) : 父 兄 の軽 卒 な行 為 の た め 学 校 中 が パ ニ ックに

ルイ ジアナ州, フ ラ ンス系 住 民 の村 に あ る共学 高校 , 生徒 数 2 7 5

( 第 1 段 階) : 下 肢 の痙 撃 , 描 拐, ジ ャン ピング

( 第 2 段 階) : 父 兄 が伝染 病 と 思 い 「救助」 に きたの で不 安

・恐怖, 号 泣 , 叫 喚 な どのパ ニ ック発 生

FC 7

JOhnSOn12) (1945)

3 0 名以上, 女 子が9 3 % , 20‑601民

イ リノイ州 の マ トー ン市, マ ドー ソ市住民, 人 口約 1 6 , 0 0 0

歩 行障害 , 下 肢 の運 動 麻 痺 , 嘔 吐 , 動 悸 : ( 幻 の加害 者 が 使用 す る麻 酔薬 に よる症状 )

FC 8 Parin41, (1948)

3 , ∞0 人以 上, 男 ・女,

"LI■17^v22歳

ユ ー ゴス ラビアの民族解放 軍 とそ の協 力者, 大 多数 は ユ ー ゴス ラビア人

パ ルチザ ン病 とよばれ る状 態 (痙攣 発作,粗 暴 とな り,叫 び,射 撃 の真似 を し た り す る)

FC 9 Michaux31)

(1952) 5 名 , 女 子 , 1 4 〜 1 6 歳

フ ラ ンス, 仏 国 鉄 の職 業 訓 練 校 とそ の 寮 , 入 寮 者 数 不 詳

全 身 の痙 摯発作( 意識 消失 土) , 上肢 の振戦

FC 10 Thcopold58) (1955)

約3 5 名, 男 子 2 名 , 女 子 約33名 , 11〜 15歳

ドイ ツ 0 ヘ ッセ ン州 の小 さ な町 の小学校, 生 徒 数  不 詳

右 手〜 肩 の痛 み, 指 の感覚 麻 痺

FC ll

Bcl12) (1958)

5 5 名, 女 子, 1 6 〜 5 2 歳

添 魅 継掌 ち ` 加 量踏 贅 急車 ォ ー ス トラ リアの あ る衣 服 工場, 従 業 員 1 6 6 名

顔 面 ・頸 部 の赤 色発疹 , 意 識 消失, 暴 力行為 ( ト ランス状 態 下 の) ,   喉頭痛,   限 の刺激 症状

FC 12 Taylor56)

(1958)

5 名 ,女 子 ,18〜 38歳

イギ リスの病院 ・女子開放 病 棟, 神 経症 や心 身症 の女 子 入院息 者2 4 名

2 名 に体 感幻覚 ( 出産体験) , 偽 親族 的 共生的生活

FC 13 Champion4) (1963)

6 2 名, 男 子 3 名 , 女 子5 9 名, 年齢不詳 , 概 して若 い

南 カ ロライナ州, 織物工場, 従 業 員 9 6 6 名

虫 に さされ た感 し, 嘔 気 , 失 神, 頭 痛

FC 14 Rankin42) (1963)

1 5 2 名, 女 子, 1 2 〜 1 8 歳

爺縁貨単福篠層嘉実サ 晟

発者 多数)

タ ンガ ニ イ カの あ る村 の女 子 中 学 校 ( 全 寮 制 ) , 生徒 数 159

哄 笑 ・号泣 発作, 頭 の中の体 感 異常, 追 跡 妄想様 の訴 え, 焦躁 感, 暴 力

FC 15 Tan55) (1963)

2 9 名, 女 子, 年 齢( 不詳) 推 定1 5 〜2 0 歳

マ レイ シ アの イ ス ラム教 系 の共 学 中学校 . 生 徒 数 約 200

幻 視 ( 幽霊 をみ る) 。号泣 ・

叫 喚, 失 神

(4)

1174

2 ) 前 駆 期 を伴 う爆 発 的 な伝播 :(例 2:FC 3 ) : ド イ ツの あ る小学 校。 10歳の少女 が右 手 に始 ま り全 身 に広 が る間代 性 けいれん を発 症 した。 3 0 分持続 して軽快 , 翌 日数人 に類似 の症状 がみ られ たが,数 日をへて一挙 に拡大, 2 0 人が発作 を起 こす ので学校 は一 時休校 に追 い込 まれ た。 他 に DC9, FCl, 6, 7,

1 1 , 1 3 , 1 6 , 1 8 , 2 0 , 2 1 , 2 5 〜 2 7 が これ に属 す

臨床精 神医学 第 9巻 第11号

る。

3)連 鎖循環 的 ない しびまん的 な伝播 :(例 3:

F C12);24名 収 容 の精 神科 女 子 病 棟。 神経 症 患者 の間 で威勢 をお、る う一 患者 (女医 ・未 婚)の 悪夢 (妊娠 し家族が見守 るなかで叔母 ・ 姉 の介助 で分娩)が 病棟 中 に知 られ,そ の後 患 者 たちの話 は性 0誕 生 0死 に集 中。 19日後 38歳,21日 後32歳の患者 が おのおの 出産 "を

者 D

上口許

報 級

事 発 症者 の数 , 性 別, 年 齢 発 生場 所 と所属母 集 団

FC馬I Raマ 窃 め 2 1 名, 女 子 が多し 平均 年齢 約2 4 歳

南太西 洋上 の平地 の少 ない 小 島, 事 例 発生 当時 ( 1 9 3 7 ) 島民 2 0 0 余人

第 1 型 : 失 神 ( 時に 1 時 間以 上 も持続) . 第 2 型 : 失 神後 , 四 肢 の動 き

激 し くな り激 昴 第 3 型 : 窒 息感 あ り空気 を求

め粗 暴 な行為

I Ka協 ち

FC

約 300名 ,男女はぼ同数,

6〜 55歳 (11〜40歳 が90

%)

一  シ

パ ギ 詳 バ ム 不 の   ︐ 日 ダ 校 人 ソ 学

︐ ガ と 症 ウ 村 発

レ付近 の

ュ族 だけ 焦 燥 感,   多 弁,   暴 力,   無 食 欲 , 喫 煙渇望 , 幻 覚 ・妄 想 , 次 い で抑 うつ状 態

FC

I Kn出 ぁ 2 2 名以 上, 男 子 1 名 , 女 子2 1 名以 上, 1 0 〜 1 7 歳

ルイ ジアナ州の黒人学校 生徒 数 4 0 0

意識 消失 , 不 安 ・過 呼吸, 粗 大な振戦

F C

I JaCti誌 :) 2 1 名,男 女,各 年齢層

市 台

・ 民 市 湾 ム ロ 北 台

信 で 確 リ

の ソ

傷 ミ 被 カ る よ が 児

> に 歳 と 魔 8

︐ り た 通 児 れ

の 乳

ら 幻

< 切

F C

I Y° ざ ::6)

1 4 0 名以 上,女 子,10〜

1 6 歳 イギ リス, 女 子 中学校 ,

生徒 数  不 詳 過 呼 吸, 強 直性 痙 攣, 失 神

FC

1遣冨 ° 約 1 0 5 名, 女 子, 1 0 〜 1 5

歳 イギ リス. 女 子中学校

生徒 数 2 7 2 失 神, 違 和感

「C

I HC出 の 16名 ,男 子 2名 ,女 子14 名, 14〜 18歳

ア メ リカ束部 の共学 の高校 : カ フェテ リアでの発砲傷 害事 件, 現場 に生徒2 , 5 0 0 名

振戦 , 喘 泣 , 哄 笑

F C 器

I   M C H つ

5 名 ︐雌

嚇↓ 野聴 嘲

略略 霞 叩

・ 9

・ 9

< 生

女 子

・学

イギ リス,病 院,病 院 関 係 者,総 数 2,360(男 600, 女 1,760)

四肢 の運動麻痺, 感 覚脱失 異 常, 過 呼吸

FC

I Lyび Ъ )

2 9 名,男 子 1名 ,女 子28 名, 1 1 〜 1 4 歳

ス生

アイ ル ラ ソ ド ・ベル フ ト郊 外 の共学 の中学校.

徒 数約 4 0 0 名

失 神,   強 直,   呼 吸促 進,   頻 b F R , 不安 ・喘 泣

FC%│°賢鰐) 55名 ,男 子12名 ,女 子43

名, 15〜 19歳 イ リノイ州の男女共学高校

生徒数 1 0 6 ( 黒人が9 5 % ) 激 しい 胃痛, 軽 度 の痙攣 , 振 戦

FC 2♀

I TC(さ ∬ )5) 7 名 ,女 子,12〜 17歳 マ レーシア, 田 合 の中学校 とそ の女子寮, 寮 生5 0 名

過 呼吸, 強 直性 痙攣, 幻 覚 ・ 幻聴 ,   トランス様状 態 で人格 変 換. 号 泣 ・叫 喚

FC 27 1  Lcc〔 1980) 1 7 名, 男 子 1 名 , 女 子1 6 名 , 大 学生

西 部 マ レイ シア の 大 学 学 生 数 3 3 7 ( 男 1 6 3 名 ,女 1 7 4 名)

失 神 , 叫 喚 ・嘩 泣 ・哄 笑, 不

気 味 な ものの幻視

(5)

体験 。 この数 日後 か ら18歳の患 者 を交 え,互 いに親子 関係 を主張 す る集 団が成立 し,他 の 患者 たちか ら20日間 にわた って孤立 した。他 に DC7, 8,14,FC4, 9が これ に属 す る。

4)拡 散 的 な伝播 :(例 4:F C14);タ ンガニ イカの全寮制女子中学で1962年 1月 30日哄笑 ・ 号 泣 発作 が発生 し急速 に蔓延。 3月 18日〜 5 月20日 の間 臨時休 校 したが, 6月 末 に また休 校 に追 い込 まれ た。 この間 152名が罹 症 ,体 校 で帰 省 した生徒 を介 し,近 辺 の村 々や他 の 数校 に も伝播 した。 他 に FC5, 8,17,23 が これ に属 す る。

B 持 続期 間

集 団罹 症 の は じま りか ら終息 までの期 間 は上述 の伝 播形 式 と も関連 す る。 1), 2)型 は持 続 期 間 が短 く, 3), 4)は 概 して長 い。

一方,こ の種の現象は合理的な対処の仕方 によっ て その持続期 間 を短縮 で きる :(例 5:F C24);

アイル ラ ン ドの首都郊外。新設 の共学 中学校 で朝 礼 中 に 1人 が失 神 し,次 々に感染。 教室 に帰 ると さ らに継 発者 が 出て合計29名が罹症 した。教職 員 と看護婦 は冷静 に対処 し,校 長 の落 ちつ いた態度 は生徒 に安心感 を与 え た。地方新聞 の大 げ さな報 道 に PTAは 踊 らされず,の ちほど開 かれ た説 明 会 で は学校 の措 置 の適切 さを了承 した。集 団 ヒス テ リーは一度 か ぎ りで終 わ った。

反対 に,無 責任 な噂 や憶 測 な どはその経 過 を長 びか せ る もとにな る :(例 6:F C18);ル イ ジア ナ州 の黒人学校 で は不純異性交遊 が 目に余 り,妊 娠 した生 徒 の処 罰 が あ いつ いだ。 その うちに生徒 全 員 に妊娠 テス トが実施 され る との噂 を背景 に, 女 子 20名 と男子 1名 に失 神 ・過 呼 吸 発 作 が次 々

と伝播。 関係者 は,原 因 と して麻薬 が もっと も怪 しい とみ た。 転校生 が麻薬 を持 ち込 ん だ とか付近 の商店 の ガ ムが怪 しい とい う噂が立 ち,科 学 的検 査で否定 されて も校長 は依然 と して中毒物質 を疑 っ た。保護者 の中 には黒魔術説 もみ られ た。 本事例 は終息 まで 3ヶ 月半 を要 した。

したが って,集 団 ヒステ リーの経過 は,通 常 の 社会情勢 の もとで はま った く人為的 に決定 され る

とみて よ い。

Ⅲ 症 状 伝 播 の 病 理

症状伝播 の機制 は, これ を個体,集 団,お よび 社 会 ・文化環 境 の 3つ の側 面 に分 けて観 察 す る。

A 個   体 1)原 発者

原 発者 の示 す症 状 は,そ れが継 発者 に受 け 継 が れ て集 団 ヒス テ リーの症 状 形 態 を決定 す る。 し か し, よ り重 要 な ことは,inducerと して の原 発者 が その集 団 内部 に与 え る影響 力 で あ ろ う。 DC5, 9で の原 発者 は グル ープ 内 の主 導 的地位 にあ り,継 発 順序 は交友 関係 の緊密 な成 員 か ら凝 集度 の低 い者 へ と及 ん だ とい う。 原 発者 の影 響 が もっと も強 く現 れ る の は小 集 団 で の連 鎖 循 環 型 に お い て で あ り (例 3参 照 ),反 対 に拡散型 や突発 0爆 発型 で は原発者 を特定 で きな い ことが多 く,そ の存 在 の意義 も小 さい。

前 駆 期 を伴 う爆 発 型 で は,原 発者 の症 状 が まず数 人 に引 き継 がれ る ことによ って 「幻 の 病毒 」 に関 す る信 憑性 が高 ま り,つ いに爆 発 的発症 を惹起す ることがある :(例 7:F Cll);

オ ー ス トラ リアの衣服工場 で木 食虫 の防除用 薬剤 を床 や壁 に散布 した。散布 作業 の最終 日 に19歳の女子従業 員 が皮 膚 の刺激症状 を訴 え て失神。 その後 2, 3時 間 内 に 2人 ,翌 日 1 人 が 同様 の症状 で発症 ,科 学 的調 査 で空気 汚 染 は否 定 され たが,続 く11日間 で55名が継発

した。

なお,原 発者 は症状 を伝 え るだ けで,そ の 原 疾 患 を伝 え るわ けで はな い。 したが って原 発 者 の疾 患 は, ヒ ス テ リーの ほか,分 裂 病 (DCl, 5),て んかん発作 の疑 い (FC5),

リウマ チ (FC5),扁 桃 腺 炎 の高 熱 に よ る 失 神 (F C24)な ど何 で あ って もよい。

2)継 発者

継 発者 の資質 につ いて は,諸 説 紛 々 と して

い るが,い ずれの説 も単一 の事例 の観 察結果

(6)

に基 づ いて い るか らむ しろそれが 当然 といえ る。 以下 ,性 別,年 齢 ,知 能,性 格傾 向の順 にそれをみて い きたい。

性 別 :継 発 者 の圧 倒 的 多数 が女性 で あ る こ とは周知 の事 実 で あ り, こ の傾 向 は感応現象 全般 につ いて も妥 当す る。集 団 ヒステ リーの 予 後 調 査 の結 果 か ら,McEvedy&Beard291

は,女 性 が女性 に話 す ときは男性 か ら女性 の と きに比 べてず っと些細 な愁訴 を もちだす と い う傾 向 を見 いだ した。 彼 らは この傾 向 と集 団 ヒス テ リー との親 和 性 を示唆 して い る。 さ らに,女 子生 徒 は男子 に比 べ て 「コ ック リさ ん遊 び」 に積極性 を示 す とい う日下部 と中沢 の調 査 が あ る21]。参 加 者 自身 は この遊 び を

「超 自然 的 な力 に あやつ られ て試 み る 卜占 と 受 け取 って い る」 ので あ るか ら,そ の行為 を 意 識 的,積 極 的 に志 す思春 期女性 の心性 は, 集 団 ヒス テ リー継 発者 に女性 が多 い ことと関 連 して はな はだ興 味深 い。

他方 ,広 範 な地域 に またが り多数 の継 発者 を 生 ず る事 例 で は男女 差 が み られ な くな る傾 向 がある。 また,こ うした事例の背景 には社会 ・ 文化 的特 殊 性 が み られ る (なお,い わ ゆ る原 始 反 応 の伝 播 につ いて み る と,」 umping64], Amok62]は 男 性 , Imu59],  Latah64], Miryachit6司は女性 の間 に伝播 しやす い)。

年 齢 :思 春 期,前 青 年 期 の継 発者 が圧 倒 的 に多 い こと も周知 の とお りで あ る。 この点 に 関 して は,西 田3□が思春期心性 の特徴 と して の 同一化 欲求 の高 ま り "に

注 目 し, こ の こと が思春期感応現象 のための格好 の培地 であ る, と指摘 して い る。

一 方,症 状伝播 の経過が進 む と新 しい継発 者 が低 い年 齢 層 に移 行 す る, と い う観 察 結 果 が あ る :(例 9:F C21);イ ギ リスの女子 中 学 で木 曜午 後 , 3年 の 1ク ラスの半 数 の生 徒 が嘔吐,腹 痛 を訴 え た。 翌 日の朝礼 時 に爆 発 的発症 が あ り,身 体違和感 を訴 え続 々 と失神, 次 週 の月曜 日に再 び発症 をみ たが,そ の後 は 散 発 的発症 だ けで, 9日 間 で終 息。 月曜 日の

集 団発症 につ いてみ ると,12時 30分以前 の発 症 者 は 4 ,   3 ,   2 ,   1 年 にそれ ぞれ1 6 , 1 9 ,

6 ,   3 名 ,対 照 的 に午後 の発症 はそれぞれ 0, 7 , 1 6 ,   1 3 名 で あ った。 これ につ いてMoss

& M c E v e d y 3 5 ] ゃ M c E v e d y & G r i f f i t h 2 6 ] は感 染 が よ り低 い年齢 層 へ移行 す るの は,若 年者

ほ ど感受性 が強 いか らだ と説 明 して い る。

知 能 : 継 発者 が知 的 に優 れて い る とい う報 告 は F C 6 , 1 0 ,   2 4 に お い て み られ る。 反 対 に F C 9 , 1 9 で はその低 さが指摘 されて い る : ( 例 9 : F C 9 ) ; フ ラ ンス国有鉄道 の職 業 訓 練 校 女 子寮 で1 9 5 0 年6 月 , 1 6 歳 のM . D 。 が全身 けいれん発作 を起 こ し意識 を失 った。

発作 は頻発 し, 彼 女 は同年 1 2 月に退学 した。

翌 年 6 月 , 1 4 歳 の J o   P . が 同様 の発 作 を起 こす よ うにな り,同 年 10月〜 12月にか けて14

〜 15歳の 3人 が発症 した。 この 5名 の IQは それぞれ7 7 , 6 9 , 8 0 , 7 0 , お よび正常値 で あ っ た。

この よ うに知能 につ いて も諸説 が あ るが, 私 は単 に知能 の高低 を論 ず るよ りも, 罹 症者 た ちの知 的水準 が近似 して い る点 に注 目すべ きで あ る と思 う。知能 が同等 の集 団 は凝集度 が高 い と推定 され るか らで あ る。

性 格傾 向 : 思 春期 の女子継発者 の場合, 島 薗 ら 4 9 ] ゃ 杉 山 ら 5 2 ] が

主 張 す るよ うに,た とえ ば ヒス テ リー性格 な ど とい った性 格傾 向 は目 立 たず, む しろ性格 ・社会性 と も未熟 で,純 朴 な印象 を与 え る者 が多 い。 したが って発症 の状況依存性 が高 い と思 われ る。Theopold5□

も罹症生徒 に種 々の心理 テス トを試 みた結果, 性 格 の異 常 は皆 無 で, む しろ学 業 の優 秀 な者 が多 く,被 暗示性 の程度 も普通 で あ った, と 述 べ て い る。 しか し異論 もあ る。K n i g h t ら 1 7 ] はM M P I 所 見 か ら, 「 精 神 的 な もの を身 体 症 状 へ転 換 す る傾 向, 非 現 実 的 な思 考傾 向, 活 動 や着想 の過剰形成」 を指摘 して い る。

こ う した見解 はいずれ も横 断面 で の診 断 に 基 づ く もの で あ るが , M c E v e d y & B e a r d 2 9 ]

とR a w n s l e y & L o u d o n 4 3 ] は , 予 後 調 査 を通

(7)

して罹症者 と非罹症者 との間 に性格傾 向 の違 いを見 いだ して い る。 前者 は1955年に ロ ン ド ンの病 院職員 に流行 した原 因不 明の伝染病 に つ いて資料 を分析 した結果,そ れが集 団 ヒス テ リーで あ った疑 いが濃厚 で あ る と して,19 68年 にそ の予後 を調 査 した。 そ して対照群 に 比較 す ると罹症者群 には,① 神経症 的傾 向が 強 く,② 1955年以 前 か ら愁訴 が多 く,病 欠 日 数 も多 か った な ど,総 じて神経症 を発症 しや す い傾 向が認 め られ た とい う。

Rawnsley&Loudonの 追 跡 調 査 で も同様 の結 果 が得 られて い る :(例 10:FC16);南 太 平 洋 に浮 か ぶ 直径 1lkmの 火 山 島 Tristan da Cunhaに は1816年頃か らばつぼつ人 が住 む よ

うにな り,1961年 次 の人 口は264であ る。 1937 年 8月 ,島 民 の間 に集団 ヒステ リーが発生 し, 女 性 を中心 に21人 (人口の約 1割 )が 罹症 し た (症状 は表 2参 照 )。 流行 は翌年 1月 末 に 終 息 した。 23年後 の1961年に この21人中 の生 存者 19人を追 跡調 査 す る と,対 照群 に比 べ て 罹 症 群 は医 師 を受 診 す る回数 と心 因性 の頭痛 持 ちが有 意 に多 か った。 したが って罹症者 の 資質 に問題 が あ りそ うだ とい う。

以上 2つ の予後調査 によれ ば,あ らか じめ 心 気症 な い し神経症 的 な素 因 を持 つ者 が継発 者 に な りや す い と考 え られ る。 し か し, McEvedy&Beardの 研 究 は対 象 例 が少 な い

こ と,Rawnsley&Loudonの 研 究 は例 外 的 な特殊 閉鎖集 団が対 象 に されて い る ことに問 題 が あ る。 要 す るに,継 発者 か ら特異 な素 因 あ るい は性格傾 向 を抽 出 しよ うとす る試 み は いず れ も十分 な成果 をあ げて いないが,今 一 つ この問題 を考察 す る うえで示唆 に富 む事例 が あ る :(例 11:DC 9);山 間僻 村 の某 中学 3年 生 (97名)が 修学旅行 中,女 子生徒 4名 が 発症 した (症状 は表 1参 照 )。 帰 村 後 も各 種 の催 しに さい して集 団発作 を くりかえ し, 罹症 者 は合計 11名とな った。 この集 団 ヒステ

リーの原発者 B子 は一 卵 性 双生 児 の妹 で あ っ たが,対 偶者 で あ る姉 のA子 は10人の継 発者

を眼前 に しなが らつ いに発症 しなか った。

双 生 児 法 によ る神経症 の研究 によ る と,一 卵性 双生 児 の罹病一致 率 は強迫反応 で高 く, 転 換反 応 で低 い ことが知 られて い る。 飯 田の 研 究 8 ] で

も, 強 迫 反 応 の一致 率8/10に対 して 転 換 反 応 の それ は0 / 4 であ り, 後 者 は環境 に よ って規定 され る可能性 が大 きい とい う。 し たが って この次元 で はA, B子 の不一致 は特 に問題視 す るほどの ことで はないで あろ うが, 素 因 ・家庭環境 の両面 と もに異 な る友達 の間 に継発者 が 出て い るのを尻 目に,A子 が終始 健常 で あ った ことは興 味深 い。 この事例 の調 査 に随行 した一 人 と して,私 は幼児期 か ら続 くA 子 とB 子 の心 理 的相 互 関係 を重 視 した い と思 う。 す なわ ち,A子 は 自分 自身 とB子 と の間 を客観 的 にみ なが ら相互 の協調 を維持 す る心得 を習慣 のなかで会得 して いたのであ る。

この態度 は 自我 と他我 の客体視 で あ り,A子 が i n d u c e d され なか った大 きな要 因 の一 つ で あ ろ う。 少 な くと もこの事例 につ いてみ るか ぎ り,私 は継発者 に狭 い意味 での特殊 な素質 や性格傾 向 を求 めて もあ ま り意 味が な い と考 え て い る。

B   集   団

集 団 につ いて は, ひ とを没個性化 させ る特有 の 内在 的機能 と, 集 団 内の人 間関係 との両方 向か ら

これを観察 す る。

1 ) 集 団 の力

集 団 の力が個 々の意思 0 判 断力 を低下 させ, 人 々を不可解 な行動 に走 らせ る ことが あ る : ( エ ピソー ド1 ) 6 1 ] : 1 9 2 5 年, カ ンサ ス州 の町 で,前 日営業 を しなか った銀行 へ,取 り付 け の群 衆 が押 し寄 せ た。 預 金 通 帳 を持 参 した

「正規 の」 客 はその1/3とみ られ た。 20ドルの 現 金化 に悪戦苦 闘 した富裕 の ご婦 人 は高価 な ドレスを破 られ,騒 ぎが鎮 ま って気 がつ いて み る と,銀 行 の出納係 2人 も預金 をお ろ して いたのだ った。

集 団成 員 が共有 して いた はず の悲喜 の感情

が,集 団 の力 の前 に圧縮 ・消去 され,た だ感

(8)

62

情 の昂 揚 だ けが増 幅 され る こ と もあ る :(エ ピソー ド2)団:ミ シシッピー川 デル タに在 る町 の黒人居住地域 で人望篤 く Sister President"

の尊称 で呼 ばれて いた婦 人 が急死 した。葬儀 は教会 で始 ま ったが,多 人数 の圧 力 で壁 が裂 けそ うにな った。 ひ と りの発案 で場所替 えが 始 ま り,棺 と と もに群衆 が学校 へ殺 到 し,逃 げ ま ど う生 徒 を よそに講堂 で座席 の争奪戦 を 展 開。追悼 の辞 に立 った尊 師 はわれを忘 れ, 詠誦歌 とと もに人 々 は踊 り,足 を踏 み な らし, あ る者 は抱擁 し,他 の者 は殴 り合 い,墓 穴 に とび こむ者 も出 た。

こ う した行動 が大 規模 な破 壊 的 (mOb), な い しは破 局 的 (panic)な 状 況 を招 くこと

もあ る。 Brown3]に よ る と,集 団 の なか で は 成 員 各 自の匿名性 が意 識 され。 そ こか ら生 じ る責任感 の減 弱 に伴 って情動 的 で非合理 的 な 行 動 が解 放 され る。 さ らにそ う した行動 に は 相 互 作 用 が生 じるた め に,個 人 の3ゝるまいに 比 べ る とあ とで蒙 るはね返 りの小 さい ことが 集団 の激情行動 を容易 にす るとい う。 したが っ て,集 団 の もつ没個性化,等 質行動指 向性 は 集 団 ヒス テ リーの発生 を助長 す る有 力 な要 因

と考 え られ る。

さて,集 団 ヒステ リー発生 の背景 に,グ ルー プ と しての心 的不安 0緊 張 を指摘 す る ものが 多 い。 そ れ は明 らか な外 的 脅 威 で あ った り (FC5, 8), グ ル ープ 自体 の内部 での問題 で あ った り (F C12)す るが,前 者 につ いて は文化 ・社会環 境 の項 で観察 したい。

2)集 団 内の人間関係

前 述 の よ うに連鎖 循環型 の例 で は, グル ー プ 内 にお け る対 人 関係 が緊密 で folie a deux を想 起 させ るよ うな罹症者融合体 が成立 す る ことが あ る (D C14,18,F C12な ど)。前駆 期 を伴 う爆 発 的伝播 型 で も,詳 しく調 べ る と 罹 症 者 同士 の密 接 な連帯 をみ いだす ことが で きる。例 えば DC9の 場合,罹 症 した生徒 は,

①山間僻村の閉鎖的環境で生活 し,② 親戚と か隣同士で,③ 小さな中学に通学し,④ バレー

部 員 で, ⑤ 修学旅 行 中 は同室 の者 もあ った。

集 団 内 で の こ う した継 続 的人 間 関係 に注 目 し た研 究 が あ る。 Kerckhoffら 1 5 ] はF C13を 対 象 に した ソ シオ メ トリーの結 果 を分析 した。

まず, この事例 の概 略 を紹介 して お く :(例 1 2 : F   C 1 3 ) ; 南 カ ロ ライナの織物工場 (従業 員9 6 5 人) 。2 2 歳の女 性 社 員 が 「虫」 に刺 され て ま もな く失神 した。 3日 後 に数人 が や は り

「虫」 に刺 され失 神。 そ の翌 日に爆 発 的発症 とな った。 「虫」 を見 た者 は皆 無 だが,発 症 者 6 2 人の うちの5 2 人は刺 され た部 位 を正 確 に 指摘 した。 ほか の症 状 と して は吐 き気, 頭 痛 が多 か った。

この事例 の ソ シオ メ トリーの結 果 は,集 団 ヒステ リーの症状 が伝播 す る過程 を よ く描 き だ して い る と思 う。 す なわ ち, 2回 の集 団発 症 を中心 と して時期 を 4 つ に区切 り, 各 期 の 初発者数 をみ ると, 群 発前 1 0 人, 群 発 1 2 4 人, 群 発 Ⅱ2 0 人, 群 発後 4 人 とな る。 ここで, 群 発前 の発症 には疎外 され た者 が多 く, 群 発時

は相互交流 が盛 ん な者 同士 が発症,群 発後 は s o c i o m e t r i c   c h a n n e l s の 枠 外 の者 が 継 発 者 に な る。 したが って,伝 播初期 には継発閾値 が 低 い者 が 発症 す る こ とに よ って, 「 虫 」 の脅 威 が汎化 , 客 観 化 され, そ の結 果親 しい者 同 士 の爆 発的発症 とな り, 最 後 には第一次集 団 の枠外へ と波及す る,と い う解釈 が な りたつ。

この結 果 は某大学 の資料処理 セ ンター女性職 員約3 5 人の集 団 「ガス中毒事件」 につ いて も 妥 当す る とい う 5 1 ] 。

なお,突 発 0爆 発伝播型 で は結実因子 が現 実 化す る以前 に罹症者 の間 に共通 の心 的緊張 が み な ぎ ってお り,拡 散伝播型 で は集 団が共 有 す る社 会 ・文化 的要 因 ( 集団 表象 な ど) が 各成員 を結 びつ けて い るのであ る。

C   社 会 ・文化環境

社 会 ・文化 的要 因 は通常あ ま り目立 たないが,

感応現 象 のな りたち と表現形態 に強 い影響 を及 ぼ

す ことが知 られて い る。 これを次 の 3 事 例 につ い

て具体 的 に眺 めてみ たい。

(9)

例 13(FC8):第 二 次 世 界大戦 下 の ユ ー ゴス ラ ビア。 後背地 で は若者 を中心 とす るパ ルチザ ン の活動 が盛 んで あ った。 隊員 は 自我 の抑制,攻 撃 性 の強化,指 揮官 と隊友 との同一化 を求 め られて いた。 しか し,そ れ は現実 的不安 で あ る死 の恐怖 との間 に葛藤 を生 む結果 とな り, 自 我形成 の未分 化 な地方 出身者 に古典的 な ヒステ リーの流行 とな っ て現 れ た。 現実 的不安 の抑圧 と敢 闘精神 の堅持 と い う意識 は,発 作 中 も敢 闘好戦 的 な行動 と して表 出 され た (症状 は表 2参 照 )。 この例 は戦 争 とい う異常 な社 会情勢 が発作 の機制 ,形 態 とその伝播 に重 く生 々 しく投影 され た もので あ る。

例 14(F C19):1956年 5月 , 台 北市 に 「通 り 魔 に よ る被 害」 が続 出 した。 「犠 牲者 」 は生 後 6

ヶ月 か ら 8歳 まで の子 ど もで,「 身体 を剃 刀 の よ うな刃物 で切 られ た」 とい う。新 聞が大 げ さに報 道 した ため に 2週 間 で21件 の 「被害届」 が 出 され た。 当局 の調査 によ る と,そ れ らは誤報 (5件 ), 単 純 な怪 我 (7件 ),剃 刀 によ らな い切 り傷 (8 件)お よび想像 的産物 (1件 )で あ った。

こので きごとの社会的背景 と して,著 者 JacObs は, 日 本 とそれ に続 く中国 の台湾統治下 で都市 の 低 文 化階層 がつね に冷遇 され,生 活不安 と欲求不 満 に喘 いで きた こ と,対 大 陸戦 略 に好都合 な世論 を喚起 す るため住民 の被 暗示性 を高 め る政策 が と られて いた ことを指摘 して いる。 また 「切 られ た」

とい う誤認 は,中 国人社会 が古 来 「相手 の身体 の 一 部 を切 り取 る」 とい う形 でその攻撃性 を表現 し て きた ことに関連 す る, と 述 べて い る。 これ に近 似 した事例 と して は FC7と 1954年 シア トルで流 行 した 「自動 車 の窓 に小 さな くばみや気泡 が生 じ た事 件」 (参考 資料 )が あ り30], この場 合 は核実 験 の降灰 をめ ぐる社会不安 の反 映 とされて い る。

例 15(F C26):1971年 , 2ヶ 月余 にわ た リマ レー シアの中学校女子寮 で生徒 7人 が発作 を くり 返 した。 症状 は古典 的 ヒステ リーのそれ に似 て衝 撃 的 で,な かで も主 導的 な立場 にあ るN.Z。 (15歳) は人格変換下 で寮生 間 の敵意,不 品行 を指弾 し, 女 子 学 生 が 自然 霊 」inの 領 域 を汚 した と非 難 ,人 血 の贄 を要 求 した。校長 の嘆願 によ リニ ワ トリを

生 贄 に した鎮魂祈祷 が と り行 われ,事 態 は収拾 さ れ た。

この事例 はマ レー シアにお け る因襲 的思考 ・風 俗 と, そ れ を打 ち破 ろ うとす る新 しい風 潮 との対 立 と混乱 を鮮 明 に描写 して い る。 す なわ ち, この 国 で は個人 の意思 を,   と くに女性 が明言 す る とい う ことは不謹慎 とされ る。 したが って地方 の母親 た ちは,生 徒 の 自由意思 を育 む教育 の場 に子弟 を 預 ける ことに対 して不安 を隠 さない とい う。

同 じ理 由か らF   C 2 7 の 大学 生 は地域 住民 に自眼 視 され て いたので あ る。 と ころが, 人 格変換状態 で の発言 は この社会 の俗信 によ って第二者 の言葉 とみ な され,承 認 され る。 とす れ ば,N.Z.は 自 己 の意 見 を」i n によ って表 現 したわ けで あ り,そ こに私 は自由な意思発表 へ の欲求,古 い因習 への こだわ りと迷信 的思考形成, とい う新 旧価値体系 の混在 とその間 の葛藤 が見 いだせ ると思 う。 新 旧 価 値観 念 の交代 とそれ に伴 う混乱 の時期 に感応現 象 が好 発 す る こ とは よ く知 られ て お り, 豊 富 な社 会 ・歴史 資料 を分析 した R o s e n の 研究 もそれ を支 持 して い る 4 4 0 。

Ⅳ  疾  病  論

「集 団 ヒステ リー」 は,罹 症者 が構成 す る一集 合 体 の病 態像 を い いあ らわす言葉 で あ る。 その さ い,継 発者 ひ と りひ と りが 「ヒステ リー」 か ど う か は重要 で な い。彼 らの大 多数 は集 団発症 の前後 にお いて健康 な 日々を過 ご してお り,発 作 が一度 だ けで終 わ った者 もい る。 29人の集 団発症 が一 日 で終 わ った例 (例 5に 紹介)す らあ り,見 方 によ れ ば た また ま居合 わせ て 「巻 き添 え を食 った」 よ

うな継発者 が少 な くないので あ る。

そ うい う意 味 で,「 ヒス テ リー とは,精 神 的葛

藤 が主 と して転 換 症 状 と して現 れ る もの を い うの

で,集 団 ヒステ リーの場 合 も痙 撃,四 肢麻痺,失

神 な どの身体 症 状 とと もに精神 的興奮 や洸惚状態

を伴 うもの にか ぎ って 000(精 神 医学事典, 弘

文 堂 , 1 9 7 5 ) 」 とい う見 方 は,   ヒ ス テ リー とい う

字 句 に と らわ れす ぎた もので あ る。 ヒステ リー と

(10)

64

診 断 で きな い継発者 に転換症状 を期待 す る論理 の 矛盾 に陥 って い る。

ヒステ リー と集 団 ヒステ リー とは,本 来 その発 症機制を異 に している。 この ことは諏訪 53]ゃ

桜井 45]

が神経症 と心 因反応 の分類 を試 み た さい,間 接 的 に認 めて い る。諏訪 の考 え によ る と, ヒ ステ リー 状 態 は 「性 格 要 因 に重 点 が おか れ て い る神 経 症 の 中 で,特 定 の状 態像 と して完 結 され た反応 型」 に 属 し,感 応精 神病 (集団 ヒス テ リーを含 む, と推 定 され る)は らい因 にお ける環境要 因 の比重 が と くに大 き く,そ れ に反 して性 格要 因 の関与 が比較 的少 ない心 因反応」 の下位概念 に入 る。 桜井 の分 類 に倣 って もだ いた い同 じ結論 が得 られ る。 また, テキ ス ト ・ブ ックの中 に も両者 を は じめか ら別 の 概念で取 り扱 って いるものがあ る (Comprehensive Textbook of Psychiatry,second ed。,1976。   現 代 精 神 医学 大 系6B,1978な ど)。 したが って,両 者 の概念上 の違 いははっきりと認識 されているとい っ て よい。

しか し,具 体例 に遭遇 す る と,そ の発生機序 よ り も症状形 態 の ほ うに 目を奪 われが ちにな る こと も事実 で あ る。 いまその過程 をた ど ってみ よ う。

F C24と F Cllは それ ぞ れ例 5, 7と して本文 中 に紹介 したが,精 神科 医 の多 くが これ を集 団 ヒス テ リー と呼ぶ ことに異論 を唱 えないであ ろ う。

さて,両 例 の違 い は, F C24で は原発者 の 「失 神」 が単純 に受 けつ が れ たの に対 し, F Cllで は

「殺 虫剤 の脅 威」 が集 団成 員 の間 に誤 って意識 さ れて い る こ とで あ る。

この よ うに誤認 が原 因 とな り,地 域住民 の間 に 集 団 ヒス テ リーが 発 生 した例 が あ る :(例 16:F

C7);イ リノ イ州 マ トー ン市。 「通 り魔 が麻酔 ガスを噴霧 したので 自分 と娘 の足 が麻痺 し,気 分 が悪 くな った」 と主婦 が警察 へ通告。新 聞報道 に 煽 られ,翌 日以 降 の 「被 害 届」 は30に達 したが, 通 り魔 が幻 の存在 と判 明 した とたん,そ の反動 で 警 察通 告 が普段 よ りは るか に減 少 した。

この例 にみ る市民 の心理機 序 は前 述 の例 14(台 北 の通 り魔 )の それ に よ く似 て い る。 ただ前者 で

は 「被害届」 に明瞭 な転換症状 がみ られ るの に対

して,後 者 で は子 ど もの傷 を 「切 られ た」 と思 い こむ誤認 が唯一 の症状 で あ る。 しか し後者 を報告 した」acobsは発生 の機序 の ほ うを重視 し,そ れを 西 欧型集 団 ヒス テ リー とみ な した。私 もこの見解 に同意す るが,す ると直 ちに次 の例 にゆ きあたる : (例17:参 考 資 料 ); Koro"は 中 国人 に伝 わ る迷 信 に発 す る心 因性精 神 障害 で あ る。 患者 はペニ ス が腹 中 に没 し,そ の結果死 ぬ と妄信 し,不 安 の あ ま リペ ニスを物理 的 に固定 しよ うとす る。 1967年 シ ンガポ ール在 留 中国人 に Koroが 爆 発 的 に流行 し, 2つ の総 合病 院 だ けで も男 220人,女 8人 が あ られ もな い姿 で運 び込 まれ た。 伝染病 の予 防注 射 を受 けた豚 を食 べ る と KOroに な る とい う噂 が 誘 因 だ った。

この事例 にみ る妄信伝播 の機序 は例 14のそれ と 同 じで あ り,表 現形 態 の奇抜 さは南部 中国人 の集 団表象 か ら了解 可能 で あ る。 したが って これ を集 団 ヒス テ リー とす る もの もあ り 501, 私 もそ れ に 同意 す る。 しか しこの事例 が い きな り単独 で提示 され た場 合, これを集 団 ヒステ リー とみ る ことに は抵抗 が あ り,そ こに前述 の よ うな混乱 が生 ず る のであ る。

一 方, このよ うな仕方で類似の事例 を順 に訪 ね て い くと集 団 ヒステ リー とい う現象 が一 つの極 で 感応精神病 と,別 の極 で は 日常 の政治 ・宗教集 会 にお け る共 感性 の昂揚状態,あ るいはパ ニ ック状 態 な どへ と流動 的 に移行 して ゆ く様子 が観察 され る。 したが って, この視点 か らさ らに多 くの事例 観 察 を積 み上 げ る ことに よ って,集 団 ヒス テ リー の研究 は精 神病理学 の経験 の基礎 を拡 大 し,社 会 学 ,人 類学 な どへ の貴重 な橋渡 しの役 を演 ず る可 能性 が あ る。 この種 の問題 に関 す る学 際 的 な研究 の進展 が期待 され るゆえんで あ る。

文  献

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この 論 文 は 「臨 床 精 神 医 学 9 : 1 1 7 1 ‑ 1 1 8 1 , 1 9 8 0 」 を転 載 した もの で あ る。転 載 を許 可 され た K . K . ア ー ク

メ デ ィアに深謝 す る。

参照

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”, The Japan Chronicle, Sept.

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にも物騒に見える。南岸の中部付近まで来ると崖が多く、容易に汀線を渡ることが出