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近郊の自然環境でおこなう継続型登山授業の実践報告 ―

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Academic year: 2021

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(1)

1.はじめに

生涯スポーツ社会実現けた課題として、各 ライフステージの特性じたスポーツレクリエー ションプログラムの開発められている(文部科学 省,1997)。近年、野外活動つの重要領域 されておりその重要性一層高まっている(文部科

学省,2011)。このような背景中、体育・スポーツ 系大学1においては23校(95.8%野外実習 科目開講しており、教育、健康、生きがいづくりの 観点から、各種実践がなされている

さて、各大学での野外実習くは宿泊 外集中実習という形態実施されているが(東山・大 石,2012)、予算日程問題、宿泊集中 実習への受講者減少いていることも報告されて いる(向後ほか2013;武田ほか2013)。受講 する抵抗感かつ、目的効果的達成する ための実施方法形態工夫、各大学共通 課題といえる

そこで、本学では平成27年度宿泊わない

トレッキング」実習開講したトレッキング2 登山活動つであり、重装備背負って頂上 登山、比較的平坦地形くハイキングの 中間強度軽登山すものとしていられている

(日本トレッキング協会,2007)。この実習、安全 かつ快適登山活動実践する能力育成目的 して、日帰4軽登山をおこなうものであった

展開にあたっては、「内陸移動する旅」というト レッキングの語源(日本トレッキング協会,2007 のせて、単発活動しではなく、複数回 活動して目的達成ることをみた

他大学実践報告概観しても、継続型登山活 報告したものはられている(掘出・橘,2006;渡邉,

2015)。また、遠隔地でおこなうキャンプ」実習 キー」実習とはなり、授業期間中、大学近郊 自然環境、継続的・反復的活動をおこなう形態 特色あるものとえる。本学たなみであるこ とからも、本稿では実習みとその成果報告

する

2.実習の概要

1、全4回行程実習概要した

1)実習期間

平成2710月上旬から11月下旬週末・隔週開 基本とした。開講にあたっては、予算、日程 受講者負担えることに配慮した

2)実習地

実習地選定にあたっては、本学立地(国立市)

から2時間前後移動可能、登山開始9時前後

(遠方から学生への配慮)、下山16時前後(秋 日没時間考慮)設定できる山域条件とした

近郊の自然環境でおこなう継続型登山授業の実践報告

平成27年度トレッキング実習

Practical Report of Multiple Outing Session in Practical Classes on Trekking

キーワードトレッキング、継続型、野外実習

東山 昌央

HIGASHIYAMA Masao

(2)

このような条件下、富士山展望れる山梨県 大月市3・都留市周辺山域決定した。登山時 、登3 4時間、下2 3時間程度とし、回 うごとに運動量・強度段階的めていくことに 配慮したまた、受講者達成感喚起をねらいと して、富士山づいていくことを実感できるようコー 決定した

3)受講者

受講者、大学34年生25であった。大半 野外スポーツコースに所属しておりキャンプ

スキー実習等参加経験がある学生であったワン ダーフォーゲル所属している2には補助学生 してのかかわりを依頼、他受講者2334 6グループに編成したメンバー編成はランダム におこない、期間中にグループの変更はおこなわな かった

2準備品一覧した。受講にあたりトレッ キングシューズのみ各自購入することとしウェア 防寒着、登山した服装機能説明したう えで、今回山域においてはジャージ運動着 問題ないことをえたレインウェアについては 1.実習の概要

2.準備品一覧

(3)

望者貸与ガスストーブ、調理用具等、共同 装備としてグループに貸与した。各回学生負担 、往復交通費、食費、各回保険代などであっ (表1)。

4)指導者

野外運動専門とする教員2名、野外運動専門 としない教員2名(実習12回目1名)、教務補佐

1名、補助学生2名、計6 7であった

3.実習の内容 1)実習の基本的考え方

1、実習基本的考した

①達成感と快適さの追求

一般的、登山経験ないほど、「登山 しいものという認識いている4。登山「快適 」楽しむためには知識・技術必要でありこの には時間する。本実習では、継続的・反復的 実践じて「達成感快適追求、受講者 またりにきたいという意欲喚起をねらいと した。具体的到達レベルは500 1,500m程度

近郊山域において、春から秋季にかけ、日帰登山 安全かつ快適におこなうことのできる能力とした

3つの道筋

上述「達成感快適追求するために3 道筋設定した1知識・技術習得するこ とである。具体的には、「適切歩行ペース につけること」、「地図めるようになること」、「登 山中行程管理主体的におこなえるようになること である2、山しみることである 山域ならではのしい自然満喫すること、山 をつくりべること、下山後活動(温泉など しさをることとした3、人とのかかわりを めることであるメンバーとの共感的関係くこと 達成感、快適さをめるとなるとえた

PDCAサイクルの実践

以上をオリエンテーションにおいて受講 えるとともに、山域決定授業構造、グルー 編成などに反映されていることをえたその

各自適切準備実践、ふりかえりと課題設定をくり かえすことすなわちPDCAサイクルの実践重要 となることをえた

1.実習の基本的考え方

(4)

2)実習のながれ

2、準備から実施までのながれをした。実 では、事前準備によって現地での成果めるとと もに、得られた体験課題共有する機会適宜設

、次回活動につなげていくことにんだ まず、各実習1週間前、各回主要テーマの 説明講義をおこなった(事前1)。次、実習前日 当日のながれの最終確認、グループ作業(ルート 最終確認等)をおこなった(事前2)。いずれの 、昼休みの時間帯(50分前後)でおこなった

実習当日、主要テーマにそった課題をグループ 実践、下山後アンケートによるふりかえりをお こなった(事後1)。内容、充実度快適度、疲 労感する設問(「とてもある5点、「まったくない 1点)、地図読みや歩行ペースなどの登山技術 する設問(とてもあてはまる5点、「まったくあては まらない1点)、本日感想グループのエピソー ドの自由記述などであった

実習1週間後には、前回実習のふりかえり(事 2、次回実習わせ(準備1わせ ておこなった。前回のふりかえりとしてスクリーンに 活動中写真しながらテーマの達成度、各

ループのエピソード、改善点共有したこれらの 理解すために、下山後のアンケート内容集約 した資料配布したその後、次回のテーマに移行 するというながれであった

3)各回のテーマと課題

3、各回準備現地課題内容した なテーマは、地図読1回目)、食事づくり2 回目)、歩行技術・ペース調整(2回目)、行程管理(3 回目)、環境配慮行動(4回目)であった。地図読 歩行技術・ペース調整、理解習得時間 るものと、実習前半配置した。山での食事 登山充実度める重要要因、食事 くりは前半から配置した。前半2実習では、休 時間・場所、出発時間などの管理をスタッフが おこなったがグループとしてのステップアップをね らいとして、山行れてきた3回目行程管理 した。登山のマナーについては、初回資料配布 説明をおこなったが、登山者としてのさらなる意識 向上をねらいとして4回目主要テーマに環境配慮 行動設定した

2.準備から実施の流れ

(5)

4.実習の記録

以下、各回内容記述する

1)1回目:倉岳山

①事前準備

初回主要なテーマは地図読みであった1週間 地図について講義をおこなった。実習 前日(準備2、地形図尾根・谷判別 作業をおこないルートの特徴再確認した

②当日のながれ

830梁川駅集合、地形図風景照合 をおこなわせ、地図情報りを確認した後、

9登山開始した。山頂までは50分歩行、10 分休憩のサイクルを基本としたうえで、各グループ での行動とした。途中、登2所、下1にス タッフが待機グループごとに地図上現在地

判断する課題ませたなおスタッフは、先頭、

最後尾、グループ間、課題担当かれて行動 。先頭グループの山頂到着1215分、下山 開始13時、最後尾グループの下山時刻15 であった

③参与観察

現地課題をおこなったためか、地形図風景 確認する様子がみられた。課題正否はグルー プにばらつきがみられ、整置理解しているかどうか

事前尾根・谷判別作業適切におこなっている かどうかが影響している印象った

りにおいて、立野峠から山頂までの急登区間 疲労する学生られた。「ペースが全体的 くなってしまったな反省しました」、などの 感想がみられた。下りにおいても「登りよりりの 神経使うしったをしましたなど、歩行技 やペース調整苦労する様子がうかがえた 3.各回の準備と現地課題

(6)

④定性的データ

4各回充実度・快適度・疲労感した 充実度4.58±0.51、快適度4.26±0.65であった

みんなめて不安もあったが、話 はずみ、楽しめた」、「地図読みもしっかりみんな 協力しながらルート確認ができたなどコミュニ ケーションをとりながら山行しむことができたよう であった。疲労感3.53±0.90であった。初回 動量・強度としては適切であったとわれる

22回目:高川山

①事前準備

主要テーマは食事づくりと歩行ペースの習得 あったまず、参考書籍(小雀,2014グループ 貸与、昼食のメニューを検討するようえた。次 、日常歩行登山道での歩行いを動画説明 、大学校舎非常階段にて登高スピードの測定 おこなった。登山時歩行ペースが日常歩行べて どのくらいなるのか、実感させることをねらいとした

②当日のながれ

815大月駅集合、準備ができたグルー プから登山開始した。途中区間(登山口−むすび 山:水平距離200m、標高差70mにスタッフが 、各グループに登高スピードの計測とペースの チェックをおこなわせた。先頭グループの山頂到着 1300であった。食事づくりをおこない、下山 開始1420分、最後尾グループの下山時刻 1600であった

③参与観察

「前回よりきやすいペースだった」、「座学 んだをやってみたら、登りもそんなに負担 はなかったしれにくかったなどの感想がみられた

「今自分のいる位置注意しながらきましたなど 前回のテーマも継続して様子もうかがえた 食事づくりは、各グループの創意特色があらわれ ており、「山頂みんなでったごはんはとても おいしかった!」などの感想られた

4.各回の充実度・快適度・疲労感

(7)

山頂到着、標準コースタイムよりも1時間ほど れた。理由として、平坦地形でもペースをとして いたこと、休憩時間くとりすぎていたこと、一般登 山者とのすれいによる時間などがえられた また、食事づくりにバーナーがれる出来事

があった。安全意識向上るためこのことにつ いてふりかえりの共有した

④定性的データ

充実度4.47±0.51、快適度4.47±0.61 ずれもした。天候かったことも影響 たとわれる。疲労感3.68±1.00であったテー マに沿った行動によりある程度疲労をおさえること ができたのではないかとわれる

33回目:滝子山

①事前準備

3回目行程、総距離、累積標高ともに実習 のピークであった。主要テーマはグループでの 程管理であり、指定された時間内にチェックポイント 到着することを課題としたまたグループが べき機能説明したうえでリーダー、記録、食事、

装備係などの役割めさせた

②当日のながれ

800笹子駅集合、準備ができたグルー プから登山開始した。山頂手前のチェックポイント

(鎮西池分岐、昼食場所)12から1230 までに到着すること13までに下山開始すること

16までに初狩駅到着することを課題としたスタッ フはグループのろについたルート判断、ペー 調整については介入指導しないものとした。先頭 グループのチェックポイント到着1143分、最 後尾グループの到着127であった。初狩駅 到着時間、先頭グループが1616分、最後尾 グループは1630であった

③参与観察

りの歩行ペース、休憩適切実行 きており、概ねコースタイム以内くことができてい

。「前回反省かしてペースもごはんも できてすごくしく登山ができた」、「今日はいまま での一番高だったけど、一番登りがだっ などペース調整成果がうかがえたまた「何 より紅葉がきれいで感動した」、「紅葉両方楽 しめてめて景色素晴らしいとったトレッキン グのさがようやくかった!」など、自然満喫

充実感られた様子もうかがえた

下山では、全ての制限時間16をオーバー した。「下山のとき、一歩一歩きくなり、足元 意識散漫してしまった」、「下山っている かった。落えづらかったなど、下 りの苦労している様子がうかがえた。日没 秋季には行動めることや、下山時危険 ついてふりかえりの共有した

④定性的データ

充実度4.47±0.51、快適度4.11±0.66、疲 労感4.16±0.83であった。前回べると、充実 にはそれほどはないが、快適度、疲労感 くなった。行動時間くなったこと、下山 したことなどが影響したものとわれる

4)4回目:三ツ峠山

①事前準備

主要なテーマは、環境配慮行動であった。登山 としての意識向上をさらにることをねらいとして 米国野外教育手法つであるLeave no Trace

(松本・遠藤,2014紹介、自然環境する 配慮仕方について講義をおこなった。現地課題 各自ゴミを1以上拾うというものであった

②当日のながれ

河口湖駅845集合、登山口までバスで 移動したグループごとに登山開始チェックポ イント(四季楽園山荘)12から1230までに すること16までにグリーンセンターに するよう指示した。先頭グループのチェックポイン 到着1147分、最後尾グループは1200 あったグリーンセンター到着、先頭グループが

(8)

1530分、最後尾グループは1550であった

③参与観察

りは距離いことこれまでの経験もあることか 、快適ることができたようであるまた、「よく てみると様々なゴミがあり、捨ててしまうがいるんだ なぁとった」、「ゴミを意識をしたら、視野 くなったがしますなど、課題意図沿った行動 がみられた。昼食ではどのグループにも3 みをまえた工夫られ、山での食事 づくりをしむ様子られた

下山では、「足元えにくく、何度ったり ひねったりしたという感想一方、「どこにをお いてけばいいかわかってきたなど、歩のコツ みつつある様子もうかがえた

舗装路からグリーンセンターまでの区間 おいて、学生1捻挫をしたためグリーンセン ターに車両でのピックアップを依頼した。登山道上 受傷した場合対応についてふりかえりの 共有した

④定性的データ

充実度4.63±0.60、快適度4.32±0.75、疲 労感3.47±1.12であったこれまでの成果かそ うとするみが随所でうかがえたこともあり、概 実習のねらいに沿った結果られたものとえる

5)実習のまとめ

実習1週間後にまとめをおこなった。前回のふり かえりをおこなった後、実習基本的考再度

確認したその後、アンケートへの記入、最終課 説明をおこなった。課題、近郊山域でおこ なうオリジナルの登山計画、登山計画書 するというものであった。最後、実習様子 でふりかえり、終了とした

5.アンケート結果

以下、実習のまとめアンケートの結果記述する

1)トレッキングの楽しさ

5トレッキングのしさについての結果 した

実習では「達成感快適追求するため、登山 知識・技術習得すること、山しみるこ 、人とのかかわりをめることを道筋としてした レッキングを快適におこなうしさを実感」 していることからそれぞれの道筋沿って 体験られたのではないかとえる。「今まで 登山ってとてもしくることができました」、

「徐々にレベ ルがあがっていき、山、楽しく 登山ができましたなどの感想からもそのことがうか がえる

しみることは「自然しさの実感」、

ワンバーナークッキングのしさ ていることがその成果といえる。感想として、「自然 れるしさやありがたみをれた」、「紅葉時期 けたのがすごくよかったなどがられた。「下 山後活動」相対的かった。温泉場所等 周知していたが、実際学生られていた 5.実習のまとめアンケート1(トレッキングの楽しさ)

(9)

ゴール地点設定仕方検討することなどが必要 かもしれない

とのかかわりをめることは、「仲間との関係 まり」、「新たないができたして いることがその成果といえる。「仲間しさ 、食事をつくるしさをった」、「富士山との距離 づくにつれ、仲間との距離づいたように などの感想からかかわりを課題設定 そのことによって前向きなみがされたも のとえる

2)登山の知識・技術

6登山知識・技術習得状況について

「歩行技術・ペース調整」では、「斜度じた スピードの調整」、「疲労えるりの

した。「登斜面でペースを ずに、息がらない程度ることができたなど 感想からも、実習してりの できたようであり、事前講義、現地課題適切であっ たとわれる。一方、下りの相対的 、理解習得時間がかかることがうかがえた。下 りではスピードがてしまう者、スリップするがしば しば見受けられ、特りの標高差1,000m 回(第3回:滝子山、第4回:三峠山)でそれが 顕著であった。下山時安全めるための講義、

現地課題必要であろう

「地図読みの習得」では、概したも のの、「どちらともいえない」以下回答する られた。現地地図参照する習慣 ついたが、判断精度には課題があるレベルといえ 。理解習得をさらにるためには、第1回目、2

6.実習のまとめアンケート2(登山の知識・技術)

図 4 .トレッキングの実践意欲

参照

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