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横田理子*赤津隆稔**佐藤恭子**高野祐一**     田崎栄一**沢畑好朗**野田洋平**

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(1)

女子の未熟者における遠投動作パターン

Throwing Movement of Unexperienced Womefi

横田理子*赤津隆稔**佐藤恭子**高野祐一**

    田崎栄一**沢畑好朗**野田洋平**

1 研究目的

 投げの目的(初速・距離・正確性),投げる物体(形・大きさ・重量),投げの主体者の置かれている 外部環境動作の制限時間などにより 投げ に採用される動作様式は多岐にわたる1)。

これまで投動作に関する研究は「片手オーバーハンドスローによる距離投げ」を中心にして数多く なされてきている。そして,主としてその研究動向は,

 (1)投動作の発達  (2)投動作のメカニズム

 ③投動作(パフォーマンス)の改善 の3つに大別できる。

 「投動作の発達」に関しては,宮丸2)が,発達過程における投動作パターンを分類しようと試みて いる。そして,投動作をより詳細に診断評価するには判断基準が問題となると述べている。また,

奥野ら3)が発達期にある小・中学生を対象に投能力の加齢による発達と練習効果の側面から投運動学 習の適時期を検討している。

 「投動作のメカニズム」に関しては,豊島ら4)が投球動作における上肢筋の運動を,風帆ら5)が野球 の投動作(オーバーハンドスロー)における上肢,上肢筋群の作用機序を,桜井ら6)がソフトボール 遠投動作中の投げる側の腕の運動を分析している。また,尾県ら7)は,一般女子学生を対象に体力的 要素と投距離の関連について重回帰分析をし,投運動と関連の深い体力要素を抽出している。

 「投動作(パフォーマンス)の改善」に関しては,深代ら8>が幼児を対象にトレーニングによる投動 作の改善について9項目の判断基準を用いて検討している。

 しかし,それらの研究において,未習熟者の技術的要素と記録との関連について運動動作を計量す ることで,統計的手法を用いて検討したものは,管見ではあまり見当たらない。

 統計的手法を用いて運動動作を解明した研究は,服部・住田ら9)がバスケットボールフリースロー 動作について,野田ち10),赤津ら11>がハードル走のハードリング動作について,佐藤ら12)が走り幅 跳びの踏み切り動作について,高野ら13)がロングキック運動技能の構造についてそれぞれ行ってい る。そこで本研究は,女子学生を対象に,オーバーハンドスローによるソフトボール遠投動作をVideo Cameraで撮影し,未習熟語にみられる特徴的な動作に注目し,記録に影響していると思われる動作

*茨城キリスト教学園 **茨城大学教育学部保健体育講座

(2)

82 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

パターンについて検討することを目的とした。

H 研究方法

 測定は,遠投距離の測定及び投動作のVTR撮影から構成した。本研究では,投げる側の手を投げ 手,反対側の手を自由手と操作的に定義した。

1.遠投距離の測定

 被験者は,健康な女子大学生65名であった。

表1に被験者の身体      表1 特性を示した。

遠投距離の測定に は日本ソフトボー ル協会検定の3号 ボール(ゴム製)を 使用し,日本体育協

会スポーツ科学委員会の定める方法14)により測定した。

2.投動作の分析

 被験者の遠投動作を3台のVide◎Cameraで両側 方と正面から撮影した。図1にVTRカメラの設定 位置を示した。

 右側方からの撮影はVideo・Camera(NV 一M900

・Panasonic)を使用し,半径1mの投てきサrクルの 中心点から投射方向に対して右側方へ25m,高さ 1mの地点から行った。

 左側方からの撮影はVideo・Camera(NV・一 MS IOO

被験者の身体特性

記録 iM)

年齢

iyrs)

身長

icm)

体重

ikg)

座高

icm)

手長

icm)

指極

icm)

平   均

20.7 20.1 158.4 51.8 86.2 18.8 158.2

標準偏差 53

0.9 4.4

52

2.4

09

5.4

・National)を使用し,半径1mの投てきサークルの 中心点から投射方向に対して左側方へ25m,高さ lmの地点から行った。

 正面からの撮影はVideo・Camera(NV−M15・

National)を使用し,半径lmの投てきサークルの中 心点から投射方向に対して正面へ50m,高さ1mの 地点から行った。

 撮影画面は,3台とも画面の中心点をサークルの 中心から高さlmとした。

 撮影範囲は,3台とも中心点より前後2rnずつ,

4mとした。

 また,フィルム画像を知るスケールとして,図2 に示した目盛りポールを設置した。なお,運動動 作を正確にとらえるために肩峰,肘関節,手関節,

腸骨稜,大転子,膝関節のそれぞれ両側計12ケ所

4

左イ則方カメ

25m

25 m

右側方カメ

50 m

→投射方向

正面 カメラ

pa 1 ビデオカメラの設定位置

5 O.5 R=1

投射方向

図2 目盛りポールの設置(単位:m)

(3)

にマークを貼付した。

 遠投動作の運動局面は,ボールを最も後方へひ いた時点(図3−A)から,ボールをリリースする 時点(図3−B)までを主要局面とし,その前後を それぞれ準備局面,終末局面と定義した。

皿 結果

 観察動作項目は,これまでの投動作の報告を参 考にして合計34の動作項目(アイテム)を設け,そ れを判断する基準(カテゴリー)を定めた。そし て,各カテゴリーの出現率および平均記録と標準 偏差を求め,数量化理論瑛頁を適用するためにア イテム内のカテゴリー関係を再考し,最終的に33 項目,73カテゴリーとした。表2に精選された動 作項目を示した。

 表3には,数量化理論1類適用の際に選定され ていく観察動作項目のStep lからStep

O.73となり,決定係数が53%となってしまうので,

した。表4には,Step

IV考察

A:ホールを最も 後方へ引いた時点

B:ボールをリリース

 する時点

輔顯→ト←叢顯→トー蘇画

図3 遠投動作の運動局面

       6までを一覧表で示した。ここで,Step 6の重:相関係数が       Step 5までの結果を採択し,考察をすることに 5における項目ごとのカテゴリー数量レンジ,偏相関係数を示した。

 本研究では,数量化理論1類適用の結果,遠投距離の約64%が9の観察動作項目により説明された。

これらStep 5で抽出された9の項目は,「ボールを最も後方に引いた時の体幹の傾き・後傾している ほうが記録が伸びる>〉」のように,一般的に言われている投動作の技術も含まれているが,投動作の 指導書には見られない項目も多く含まれている。このことは,観察動作項目のなかに投動作の指導 書には見られない,あるいはよい技術とは相反する項目が多く含まれていたためと考えられる。投 のPerfo㎜manceを高めるのに,ステップなどの予備動作は有効であると言われており15),本研究では 全被験者が予備動作としてステップを行った。ステップの役割の一つとして,ボールに一定のスピー ドを与えることが言われているが16),本研究においては速度計測を行わなかったため明確な判断がで きなかった。

 ステップの果たすもう一つの役割として,身体を投方向に対して横向きにしながら,さらに肩を後 方に引き,肩と腰のねじりをつくることがあげられる16)。すなわち,ステップにより生じたねじれを 元に戻すことにより,腰と肩の回転が起き,投距離に多大な影響を与えるとされている17)。本研究に おいても,この動作を観察する項目である「投射方向に対する上体の状態」において,ボールを最 も後方に引いた時,つまり,主動作の開始時に,投射方向に背中を向けている群のほうが,基準カ テゴリー数量の値がプラスであった。同様に「正面からみたボールの位置」も投げ手を大きく後方 に引き,正面からみてボールを自由手側までひいている群のほうが,基準カテゴリー数量の値がプ ラスであった。同様に「正面からみたボールの位置」も投げ手を大きく後方に引き,正面からみて ボールを自由手側まで引いている群のほうが,基準カテゴリー数量の値がプラスであった。これら のことから,遠投距離を増大させるためには,手動作でより大きくボールを加速できるように投げ 手側の肩を後方に引き,体幹のひねりをつくることが重要であると考えられた。

(4)

84 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

表2数量化理論を適用する観察動作項目

準備局面 Aまでの動作

 1ホップ・ステップの有無

  1)ある

  2)ない

 2バックスイング動作   i)弧を描くように引いている   2)直線的に引いている

主要局面

A.ボールを最も後方に引いた時  3 顎の状態

  1)出している   2)普通

 4体幹の傾き

  1)後傾   2)自然体

 5顔の向き

  1)投射方向を向いている   2)投射方向を向いていない

 6 真横からみた肘の状態(投げ手)

  1)曲がっている

  2)伸びている  7 肘の位置(投げ手)

  1)肩と同じあるいは肩より上   2)肩より下

 8 手首の位置(投げ手)

  1)肩より上

  2)肩と同じ

  3)肩より下  9肘の状態(自由手)

  1)曲がっている

  2)伸びている

 10肘の位置(自由手)

  1)投射方向にある

  2)体側にある

 11手首の位置(自由手)

  1)投射方向にある

  2)体側にある

 12つま先の方向(投げ手側)

  1)横向き

  2)横向きではない

13 膝の状態(投げ手側)

 1)曲がっている  2)伸びている

14 つま先の方向(自由手職)

 1)横向き  2)横向きではない 15 膝の状態(自由手側)

 1)曲がっている  2)伸びている

16真横からみたボールの位置

 1)肩より上

 2)肩と同じ  3)肩より下

17正面からみたボールの位置

 1)自由手側にある

 2)からだの後ろあるいは投げ   手前にある

18 投射方向に対する上体の状態  1)背中を向けている

 2)背中を向けていない

B。ボール・リリース時

 19 真横からみたボールの位置

  1)耳より前方

  2)耳の上方   3)耳の後方

 20 正面からみたボールの位置

  1)自由手側にある

  2)肩の上にある   3)投げ手合にある

 21顎の状態

  1)出している   2)普通

 22体幹の傾き

  1)後傾   2)自然体   3)前傾

 23 真横からみた肘の状態(投げ手)

  1)曲がっている   2)伸びている

 24肘の状態(自由手)

  1)曲がっている   2)伸びている

25 手首の位置(自由手)

 1)投射方向にある  2)体側にある

26膝の状態(投げ手側)

 1)曲がっている  2)伸びている

27膝の状態(自由手側)

 D懸がっている

 2)伸びている

28投げ手側の足底  D接地している

 2)接地していない

29つま先の方向(自由手側)

 1)投げ手底を向いている  2)投射方向を向いている

AからBまでの動作  30踏み出し足の接地方法

  1)踵から

  2)つま先から   3)足底全部

 31ステップの身長比

  1)60%以上   2)6◎%未満

終末局面 Bからの動作  32 スナップの有無

  1)ある

  2)ない(押している)

 33投げ手の振りおろし   1)手首が腰より下にくる   2)手首が腰の位置にくる   3)手首が腰より上にくる

(5)

表3数量化理論適用項目一覧表(STEP lからSTEP 6まで)

No, 観察動作項目

ST£P1 STEP2 ST£P3 STBP4. ST£P5 STEP6

準一A

1

ホップ・ステップの有無

一圃匪魍匪岡鵬 闘㈱鵬噂1 圃囲囲ゆ2

準一A

2

バックスイング動作

脚畷囲嘩3

主 A

3

顎の状態

主 A

4

体幹の傾き

圃         圏

囲圃 鵬 圃圃圏岬4

⇒⇒4

主 A

5

顔の向き

團監鯉隅蘭剛㎜ 卿㎜㎜鴫5

脚姻鵬鱒6

主A 6 真横からみた肘の状態(投げ手)

幽圃嘔ゆ7

主 A

7 肘の位置(投げ手)

㈱      魑遮醤 国膣口圃岡囲

鵬一㎜噂8

主 A

8 手首の位置(投げ手) 姻畷脇婁畷岡蘭 ⇒⇒8

圃凹麗躍西圃鵬 麟㎜職濁岬9

主 A

9 肘の状態(自由手)

圃鰯翻㎜麗晦

主 A

10 肘の位置(自由手)

10

主 A

ll 手首の位置(自由手)

主 A

12 つま先の方向(投げ手側) 願㎜㎜韓 ㎜

圃一眠籔鵬

鵬繍鋤繍

姻魯㎜国囲瞬

11 圏㎜囲噂 12 ⇒⇒12

主 A

13 膝の状態(投げ掌側)

麗麗幽隅国闘圏鯉躍隅㎜ B

主 A

14 つま先の方向(自由手側)

隠溺職曝澱回㎜ 圃臨躍瞬購副塵訟四

主 A

15 膝の状態(自由手側)

㎜瓢願㎜毎噂 ㎜⑳ 鵬   画薩魁画麗四囚嘩囲艦瞬

鯛鰯岡㎜噂

主 A

16

真横からみたボールの位置

⇒⇒16

14 国圃一圃團囮

圏囲囲岡囲⑱

15

主 A

17

正面からみたボールの位置

圃輿臨職躍湿副蘭繭 畷甥鯉㎜魔駅駆㈱㎜

17

鰯田翻畷1鷹齢

主 A

18

投射方向に対する上体の状態

醜闘臨臨鵠㎜圏㎜

憾囮㎜岡ゆ

脳躍響㎜魑圃国躍醤

16

主 B

19

真横からみたボールの位置

⇒⇒19

熈曝岡麗阿㎜㎜

18

魑臨顕團圏皿

主 B

2◎

正面からみたボールの位置

圃 圏 圏圃岡臨噂

主 B

21

顎の状態

圃 鵬 20

塵塵四㎜圏躍四唾回踵園

囲圏㎜噂

主 B

22

体幹の傾き

⇒⇒22

圃嘩躍田㎎臨3画麟團

麟㎎磁扉園爾鰯

欄四麗四圏晦

19

主 B

23 真横からみた肘の状態(投げ手)

闘㎜簸醒菖鵬職賑職諏絃翻鷹鵬㎜畷姻囮岡

21

皿墜糧團㎜圖麗8墨狸臨

主 B 24

肘の状態(自由手) ⇒⇒24

㎜囲團圃

囮團2㎜霊麗吟 圃圃属躍田函

主 B

25 手首の位置(自由手)

囲幽皿四皿晦囲一

23

確珊躍四皿雛ゆ

主 B

26 膝の状態(投げ手中)

職 鰯 働 22

主 B

27 膝の状態(自由中側)

㎜㎜岡醗駆㎎ ㎎麗獲圏口躍囲曜麗障圏風

主 B

28

投げ手脚の足底

醐㎜㎜㎜

岡鵬阻四陪瞭 麟細鷹繊腰翻噸〉

主 B

29

っま先の方向

26

雌3膣灘㎜圏恥

4畷職蘭

主A8

30

踏み出し足の接地方法 邸駆㎜醒關ゆ 鵬駆鰯器㎜噂

30 25

主AB

31

ステップの身長比

27 28

終B一 32 ステップの有無

㎜㎜圃㎜㎜

圃置㎎1塵幽曜浄

岡頗㎜姻

終B一 33 投げ手の振り下ろし

皿駆四岡一一岡 29

数量化理論1類適用項目数

33 22 14 ll 9 7

重  相  関  係  数 097 ◎.96 ◎.91

0.85 0.80 α73

決   定   係   数

94% 92% 83% 72% 64% 53%

(6)

86 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

表4数量化理論1類による分析(step 5)

主要局面

A.ボールを最も後方に引いた時  4体幹の傾き

  1)後傾   2)自然体

 8手首の位置(投げ手)

  1)肩より上   2)肩と同じ   3)肩より下

 12つま先の方向(投げ手側>

  1)横向き

  2)横向きではない

 15 膝の状態(自由手側)

  1)曲がっている   2)伸びている

 16 真横からみたボールの位置

  1)肩より上

  2)肩と同じ   3)肩より下

B.ボール・リリース時  19 真横からみたボールの位置

  1)耳より前方

  2)耳の上方   3)耳より後方

 22体幹の傾き

  1)後傾   2)自然体   3)前傾

 24 肘の状態(自由手)

  1)鶴がっている   2)伸びている  25 手首の位置(自由手)

  1)投射方向にある

  2)体側にある

基準カテゴリー数:量: レ

 1.68

一 2.22

 5.01  0.90

一 13.IO

 1.53

一 2.e2

 1.38

一 2.07

一 3.14

 10.47  13.82

一1.韮O

 e.48  3.83

一 3.55

 2.19

一 1.35

 0.54

一 8.31

一 O.82

 401

3.90

18.l1

3.55

3.45

16.96

4.93

5.74

8.85

4.83

偏相関係数

e.48

O.55

O.44

O.39

e.52

O.46

053

e.42

O.40

:重相関係数  0.80

(7)

 星川18)は,投運動動作の巧拙の評価基準は体のひねりとWhiplike action(ムチ動作)にあるとしてい る。本研究においては,ムチ動作の有無を客観的に測定する項目の設定ができなかったため,残念 ながら,数量化理論1類を適用して判断することはできなかった。

 力学的には,ボールに大きな力が長い距離にわたり加えられると,高い初速度に結び付く。このた めeヒは大きな投動作が有利と考えられる19)。本研究においては,ボールを最も後方に引いたときの「体 幹の傾き」によって検討した。つまり,後傾することによって力を加える距離が増加するものと考 えた。基準カテゴリー数量の値から,ボールを最も後方に引いた時には,体幹を後傾させることが 遠投距離に記録をプラスにする要因であると判断できる。

 尾県ら20>は,ボールを引いた時に肘関節をより大きく伸展させることが,遠投距離を増大させる のではないかと推測している。これに関連して,平野と浅見21)は,投球に必要な肩や肘の筋がPre・一 stretchされる(引き伸ばされる)ことにより,それらの筋に弾性エネルギーが蓄えられると指摘して

いる。本研究においては,ボールを最も後方に引いた時の「真横からみた肘の状態」の項目で検討 した。基準カテゴリーの値からは,曲がっている方が,わずかではあるが遠投距離の記録をプラス にする要因であると判断できる。この結果は先の見解に反するものとなった。

V まとめ

 以上のことから次のような知見を得た。

 (1)遠投距離の記録と,遠投動作の関連の程度が高い9の項目により,遠投距離のおよそ64%が説   明された。

 (2)遠投距離の記録に関連の高い動作は,大きい順に「投げ手の手首の位置(ボールを最も後方に   引いた時」,「真横からみたボールの位置(ボールを最も後方に引いた時」,「自由手の肘の状態(

  ボール・リリース時)」であった。

(3)以上のことより,以下の9項目が遠投距離を指導するときの要点であると判断した。

 ボールを最も後方に引いた時の   1体幹の傾き

  2投げ手の手首の位置   3投げ手側のつま先の方向   4 自由手側の膝の状態   5真横からみたボールの位置  ボール・リリース時の

  6真横からみたボールの位置   7体幹の傾き

  8 自由手の肘の状態   9 自由手の手首の位置

   なお,1−9は全て主要局面において出現する観察動作項目であった。

(4)オーバーハンドスローによるソフトボール遠投の技術指導としては,本研究から次のように示   唆できる。

・ボールを最も後方に引いた時の姿勢に注目する。(体幹の後傾,ボールを引く位置,下肢の状態)

・自由手を利用して投げるように助言する。

・リリースポイント(ボールを投げ出す位置が適正であるかを観察する。)

(8)

88

茨城大学教育学部教育研究所紀要:第25号(1993)

文献

1)平野裕一「投げに関する文献紹介」   J. J. sports Sci.,1−2:110・一113,1982.

2)宮丸凱史「投動作の発達」体育の科学,35−3:211−218,1989.

3)奥野揚通「後藤幸弘・辻野昭「小・中学生のオーバーハンドスu一の練習効果について」

 渡部和彦(編),第9回日本バイオニクス学会大会論集,119 一125,1989.

4)豊島進太郎・松井秀治・宮下充正「投動作における上肢筋の筋電図学的研究」体育学研究15 一

 2:103 一 llO, 1971.

5)風井面恭・熊本水心・岡本勉・山下謙智・後藤幸弘・丸山宣武「野球の投動作(オーバーハンドス  ロー)における上肢・上肢筋群の作用機序」体育学研究,21−3:137 一144,1976.

6)桜井伸二・池上康男・矢部京之助・岡本敦e豊島進太郎「投動作のキネマティクスーソフトボー  ル遠投動作の三次元的分析の試み一」渡部和彦(編),第9回日本バイオメカニクス学会大会論集,

 186 一 190, 1989.

7)尾部貢・中田順造・山本章雄・熊山貴美江「成人女性におけるオーバーハンドスロー動作の検討  一投距離に影響を与える体力要因を考慮して一」体育学研究,34 一163 一 72,1989。

8)深代千之・稲葉勝弘・小林規・宮下充正「幼児にみられる投能力の発達」J.J.Sports.,1−3:231−

 236, 1982.

9)服部恒明e住田秀二「バスケットボールフリースローの動作パターンの多変量分析」茨:城大学教  養部紀要第20号1988.

10)野田洋平・服部恒明・小磯香「ハードル走におけるクリアランス動作パターンの多変量分析一未  習熟者場合一」茨城大学教育学部研究所紀要第22号1990.

U)赤津隆稔・佐藤恭子・高野祐一一一・一一一e西嶋尚彦・服部恒明・野田洋平「未習熟者のハードリング動作」

 陸上競技研究第8号:12 一19,1992.

12)佐藤恭子・赤津隆稔・高野祐一一一. e西嶋尚彦・服部恒明・野田洋平「走幅跳びにおける未習熟者の踏  み切り動作」陸上競技研究第7号:22・一 28,1992.

13)高野祐一・沢畑好朗・田崎栄一・吉賀美栄e佐藤恭子・赤津隆稔・西嶋尚彦・野田洋平「ロングキ  ック」運動技能の構造」いばらき体育・スポーツ科学第8号:19 一 24,1992。

14)日本体育協会スポーツ科学委員会(編)体力テストガイドブックぎょうせい:88 一108,1982.

15)吉福康郎「投げる一物体にパワーを注入する一」JJ. Spoi ts Sci.,1−2:85 一 90,1982.

16)平野裕一・浅見俊雄「野球の投動作とその指導」体育の科学,38−2:93−IOO,1988.

17)豊島進太郎「ボール投げと体幹のひねり」体育の科学,30・一7:478 一・482,1980。

18)星川保f大きさと重さの異なるボールの投げ」J.J。 Sports Scl.,1−2:104−109,1982.

19)14)と同じ 20)7)と同じ 21)15)と同じ

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