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赤津 隆稔*・佐藤 恭子*・浦井 俊憲*・高野 祐一*・沢畑 好朗*・野田 浩平**

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茨城大学教育学部紀要(教育科学)41号(1992)85−107       85

       茨城県内の児童生徒の体力の背景            象野田 洋平 ・石川 聡子*・梅原由紀子*・吉沼  充*・樫村いずみ*・森  信二*

赤津 隆稔*・佐藤 恭子*・浦井 俊憲*・高野 祐一*・沢畑 好朗*・野田 浩平**

千波 敬通**・藤井 伸二料・小林 義治**

(1991年9月13日受理)

Physical Fitness of School Ch三ldren in Ibaraki Prefecture

Yohei NoDA, Satoko IsHIKAwA, Yukiko UMEHARA, Mitsuru YosHINuMA Izumi KAsHIMuRA, Sinli MoRI, Takatoshi AKATsu, Kyoko SAToH Toshinori URA1, Yuichi TAKANo, Yoshiaki SAwAHATA, Kohei NoDA

Takamichi SENBA, Shinli FuJH and Yoshiharu KoBAYAsHl

(Received September l3,1991)

は じ め に

松浦は,身体的発育発達に関与する諸条件に関する多くの研究Dから,比較的多くの研究がなさ れ,顕著に関与する条件として次の10項目をあげている。1)遺伝 2)成熟 3) 内分泌 4)

病気と身体的欠陥 5).個人の心理的状況 6)栄養摂取状況 7)運動状況 8)休息と睡眠 9)社会経済的条件(家庭環境)10)地域環境条件(自然的,文化的条件等)である。松浦は,

「児童・生徒の体力発達に関与する諸条件のうち,より重要な関与を示すものは何か,かつ,その       ノ

ヨ与の相対的ウエイトはどの程度か,すすんで,重要な関与を示す条件のうち改善する事の出来る 条件は何か,それらの条件をどのように改善することが,現在の児童,生徒の体の発達にかかわる 問題の解決に役立つか」を10条件に対応する45項目の質問紙調査によって検討2)した。その中で,

1)運動経験,運動実施状況は体力の現状により高い関与を示す条件変量である 2)児童,生徒 の家庭環境条件も統計的に有為な関連を示しているが,必ずしも体力・運動能力の維持,向上に貢 献が高いとは言えない 3)運動用具,設備が整っている場を利用しているもののほうが体力が優 れている 4)栄養摂取状況の体力・運動能力への関与度は有意な相関係数を示してはいるが,他 の条件領域と比べもっとも低いと考えられる 5)戸外で,活発な身体運動的遊びをするものと,

そうでないものの体力への関連に差異がある 6)健康状況の条件も比較的高い関連を体力に示し ている。そして,有意な関連を示す条件変量40項目で体力・運動能力の高々20%が説明できるにす

*茨城大学保健体育講座(〒310 茨城県水戸市文京2丁目1−1).

** ?骭ァ教育委員会保健体育研修室(〒310 茨城県水戸市新原2丁目一11).

(2)

ぎず,体力・運動能力発達を制限する因子の複雑さが推測できること,体力・運動能力が児童・生 徒の意識や態度によって改善できるとまとめた。

文部省体育局による「体力・運動能力調査報告書」)では,生活諸条件と体力・運動能力との相関 関係を検討している。その諸条件とは 1)学校所在地の地域特性 2)居住地の地域特性 3)

本人の職業 4)運動・スポーツの実施状況 5>運動・スポーツの実施時間 6)朝食の有無 7)睡眠時間 8)運動部活動の経験であり,児童,生徒については,1),4),5),6),7)の5条 件と体力・運動能力との関連を論じている。児童(小学校高学年の例)の場合,運動・スポーッの 実施状況,1回の運動・スポーツ実施時間,学校所在地の地域特性と体力・運動能力との関連が有 意に認められるが,朝食の有無,1日の睡眠時間とは運動能力に男子3種目,女子3種目(男女で は種目が少しことなる)に有意な相関がみとめられている。生徒(中学校)では,児童と1日の睡 眠時間と有意な相関のみとめられる項目に差異があり,生徒の方が多くの種目で有意な相関がある。

石川,浅見4)によると,体力要素改善の諸条件と規定諸要因は,1)各個人の年令的諸特性(成 長,発育,発達,成熟,老化)の状態 2)各個人の日常的な習慣的身体活動レベル 3)各個人 の栄養,休息,その他の活動水準 4)各個人の遺伝的な潜在的素質,能力 5)各個人の生得的 または後天的疾患の有無 6)各個人の性格,興味,関心であること,実際にトレーニング処方を 作成し,それを実施する場合に極めて重要なものであると述べられている。しかし,それらの各個 人的諸要因の詳細とトレーニング処方との関連については資料の提示がない。

野田ら5}は,子どもの遊びと体力との関連を検討する視点として,生態学的枠組による遊び行動 と身体活動(体力)の分析が必要であることをデータを提示して述べ,主体側の条件と環境側の要 因との諸関連が遊び行動,身体諸活動(体力)を形成することを論じた。さらに,野田6)は,茨城 高専生の長距離走上位群と下位群の体力差,生活習慣,運動欲求,スポーッに対する考え方につい て調査し,基本的生活行動の中でも特に,朝食の摂取状況,歯みがきの実施状況,部活動への加入 状況の各項目に有意な差があることを報告した(運動欲求,スポーッに対する考え方については省 略する)。野田7)は,茨城県児童生徒の体力・運動能力の発達とその背景について検討した。野田 が関連した県教委からの報告書「子どもの健康」),「運動医事健康増進相談事業報告書(学校保健 の手引 第16集)3)の中にとられたデータを基礎に体力・運動能力を支える背景をさぐった。その なかでも 1)基本的生活習慣(睡眠時間,朝のめざめ,目がさめたときの状態,歯みがきの習慣,

帰宅時の手洗い,うがい,TV視聴時間,入浴の習慣,排便の習慣)のよい群とよくない群では,

体力・運動能力に差がみられる。よくない群は,「立ちくらみ」 「動悸」 「午前中不調」などの自 覚症状の発生頻度がよい群より高い 2)生活習慣と体格(0.56),体力(0.54),運動能力(0.43)に 著しい相関がみとめられる 3)健康状況,生活状況,食事状況と体力との関係を検討し,体力に 関連の深い項目として,家に庭があること,小学校入学前の遊び,塾やけいこ事に通っていること

(週2〜3回),TV視聴時間(30分〜60分),家での勉強時間(30分〜60分),体育の授業が好 きであること,毎日きまった運動をしていること,食べ物の好ききらいはマイナス,ウィークディ に運動すること,毎日の食事量をしっかり摂取すること,夕食に充分な量の食事をとること,朝食 に食欲があること等の項目をあげ,体力を支える生活背景を示唆した。

本県では,昭和42年以来,報告書のタイトルに変化はあるものの,毎年スポーツテストの結果を      ・

「児童生徒の体力・運動能力の調査報告書」として公刊,これらには,テスト結果の平均値,標準

(3)

野田他:茨城県内の児童・生徒の体力の背景       87

差値を記載し,全国値と前年度との比較,年令別の変化・年度推移,10年間の推移と発達などのデ 一タの図表が提示されている(茨城県教育庁保健体育課)。全国的には,文部省体育局から, 「体 力・運動能力調査報告書」が発刊され,10才から59才までのスポーツテスト結果が報告されている。

本県,全国の報告には,児童生徒の生活背景が必ずしも明確にされていないし,体力・運動能力と の関連を分析的に,系統的に検討する視点に問題もある。

体力・運動能力の測定と結果の報告は,児童生徒の体力の現状を的確にとらえることと,その結 果を各個人が自分のものとして認識し,身体活動や運動行動を通してより高いウエルネスの状態を 保持増進させることにつながる筋道を示すものである筈である。それによって,教育は学校で,父 母は,家庭や社会で児童生徒の活動を支える方法を見出しうる。しかし,スポーッテストの結果だ けの報告では,現状を分析はできても,それ以降の改善や増進にどうしてもつながらない。それら につなげるために 1)児童生徒の意思,意欲,信念,動機,身体的能力,精神的能力 2)児童 生徒をとりまく環境的要因,人的,物的,場,空間,時間的条件 3)健康的要因との有機的関連 を明らかにすることが必要になる。

そこで本研究では,茨城県小・中学校の体育主任からみたスポーツテスト上位者と下位者の健康 状況,意思,意欲,能力,環境要因を明らかにし,体力を支ん運動行動につながる要因とその背 景を究明することを目的とした。

研究方法 ・対象及び内容

研究対象

茨城県内小学校及び中学校体育主任 小学校体育主任 550名

中学校体育主任 215名 調査期間

平成2年4月25日 調査内容・方法

質問項目の内容構成は,内山1°)の「遊び運動行動の成立要因・条件に関する概念図式」をもとに 作成した。質問紙の内容は,小学校教師用,中学校教師用とも同内容であった。

1)健康要因(主に健康状況をあらわす自覚症状)25項目

2)主体要因(主に意思,意欲,信念,動機,身体的,精神的能力に関する項目)58項目 3)環境要因(主に社会,文化,教育,経済的環境,自然的環境など)55項目

質問紙によるアンケート調査とし,各項目は5段階の評定尺度により回答された。

結果は,単純集計,クロス集計し統計的に処理された。

比較は,小学校児童,中学校生徒それぞれに,体力のあるグループ(体力診断テスト A,B

運動能力テスト 1,2,3 級に属する者),体力のないグループ(体力診断テスト D,E

運動能力テスト 4,5,級外に属する者)の二群間でなされた。

(4)

結果 と 考 察 1 単純集計結果と校種別二群間の特徴と比較

健康状況

表1は,健康状況の結果である。健康状況をとらえる項目は,野田らが茨城県内の調査をした結 果8)9)から,児童生徒の健康の現況を把握できるであろう項目を選び,内山のモデル1°)の構造に合 せて作られたものであった。小学校体力のあるグループ(EG群と略)では,コンピュータゲーム をやっている児童が34%,約%の実行率を示した。前述したTVを30分〜60分程度視聴している児 童が体力が高い9>と比べても,ゲームが時間コントロールされて実行されているかどうか疑問も残

るが,夜ふかしをするものが7%であり,ある程度長い時間の実施がさけられているかも知れない ことが推測された。質問を否定している項目内容では,EG群の児童は,つかれない,朝食をとっ てくる,立ちくらみを起さない,息切れしない,顔色が悪くない,病気で1週間以上休んだことが ない,運動不足でない,肥満傾向でないなどがあげられ,なかでも運動不足感を否定する教師が82

%をこえている。体力のないグループ(EP群と略)では,教師が高い肯定率を示した項目は,給 食に好き嫌いがある50.3%,コンピュータゲームをやっている57.8%,少し動くと息切れがする 63.3%,身体の痛みをよく訴える50.4%,運動不足気味である81.7%,肥満傾向がある74.0%,嫌 なことがあると頭痛腹痛をおこす48.6%などであり,今後問題になるだろうと思われる項目には生 活習慣が悪い34.4%,夜ふかしが多い29.6%,登校するとき元気がないことが多い35.5%,歩く姿 勢が悪い42.8%,顔色が悪い33.3%,時間にルーズである38.6%,よく怪我をする32.4%などがあ げられる。正木らは11),子どものからだ全国調査の結果として,小学生に「いる」ワースト10をあ げ,その中に「すぐ疲れたという」93.8%の教師が肯定しているという結果を報告しているが,今 回の調査結果は,項目の表現に違いはあるものの,EG群で3.8%, EP群で22.3%の教師が肯定

しているにすぎない。EG群とEP群の百分率の差の検定から,小学校では,健康状況に関する全 項目で両群間に有意な差がみとめられ,教師は,EG群の方がEP群より否定的評価が多いと言え

る。なかでもEP群に不安が残るのは,日常的生活習慣が悪化していること,身体活動が不足気味 であること,生活の悪化や活動不足,ストレスの蓄積が身体の不定愁訴の引き金になっていること などであり,登校するとき元気な,歩く姿勢もよい,活動的,エネルギッシュな児童,生活習慣に メリハリのある児童が期待されよう。5人に1人は,朝食をとらないのも心配である。

中学校体力のあるグループ(MG群と略)では,心配となる項目,即ち肯定的な評価の高い項目 は,まったくみられない。否定的評価の高い項目(50%以上)には,いつも疲れている,給食に好 き嫌いがある。朝食をとってこない,登校するとき元気がない,立ちくらみをよく起こす,少し動 くと息切れする,顔色が悪い,身体の痛みをよく訴える,嫌なことがあると頭痛腹痛をおこす,運 動不足気味である,肥満傾向があるなどの項目であった。朝食をとってこない生徒は,わずかに2.3

%であった。EG群でも2%に達しな曳・。「子どもの健劇)では,調査当日朝食を食べなかった者

は,小2で3.8%,小5で3.2%,中2で6.8%,高2は12.4%と学年が進むにしたがって増加してい

(5)

野田他:茨城県内の児童・生徒の体力の背景       89

表1 健康状況結果(%)と有意性

調  査  項  目 小学校体力

?驛Oループ

管有意性 小学校体力 ネいグループ

中学校体力

?驛Oループ 有意性

中学校体力 ネいグループ

5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1

1 いつも疲れている 3.6 23.8 72.6 *** 22.3 58.3 19.4 3.7 37.7 58.6 *** 25.1 60.5 14.4 2 寝不足気味である 2.5 41.9 55.6 *** 18.2 54.5 27.3 6.0 51.6 42.4 *** 20.4 60.5 19.1 3 給食に好き嫌いがある 4.6 38.9 56.5 *** 50.3 35.8 13.9 2.8 45.1 52.1 *** 41.4 49.3 9.3 4  朝食をとってこないことが多い 1.7 37.7 60.6 *** 18.6 46.5 34.9 2.5 46.0 51.5 *** 40.5 46.5 13.0 5 生活習慣が悪い 4.2 53.4 42.4 *** 34.3 47.2 18.5 6.6 53.7 39.7 *** 39.5 45.6 14.9 6 夜ふかしが多い 7.0 53.7 39.3 *** 29.6 50.1 20.3 4.2 63.7 32.1 *** 34.4 55.3 10.3

  コンピューゲームをや7  っている

34.0 49.9 16.1 *** 57.8 36.0 6.2 13.0 68.8 18.2 *** 38.0 54.0 8.0

8難糠とき元気な 3.6 30.5 65.9 *** 35.4 41.9 22.7 1.9 41.9 56.2 *** 46.1 42.3 11.6 9 歩く姿勢が悪い 2.9 48.1 49.0 *** 42.8 43.7 13.5 1.9 50.7 47.4 *** 44.6 47.0 8.4

1・総篇つぶして 5.8 44.1 50.1 *** 13.5 43.3 43.2 10.3 58.1 31.6 9.8 58.1 32.1

11 立ちくらみをよく起こす 1.9 31.1 67.0 *** 16.8 45.5 37.7 0.5 43.7 55.8 *** 29.3 53.0 17.7

12悩みごとが多い 2.0 51.6 46.4 *** 18.3 56.0 25.7 4.2 63.7 32.1 *** 23.3 63.7 13.0 13 少し動くと息切れがする 1.1 19.4 79.5 *** 63.4 24.0 12.6 0.5 20.5 79.0 *** 65.6 27.4 7.0

14普段顔色が悪い 2.2 26.9 70.9 *** 33.3 43.3 23.4 0.5 30.7 68.8 *** 48.4 44.2 7.4 15乗物酔いをしやすい 2.0 49.5 48.5 *塁* 29.9 51.9 18.2 0.0 57.0 43.0 *** 27.4 62.8 9.8 16 身体の痛みをよく訴える 3.0 34.6 62.4 *** 50.5 33.6 15.9 2.3 36.3 61.4 *** 57.2 34.0 8.8 17 時間にルーズである 6.6 57.6 35.8 *** 38.6 47.3 14.1 5.6 61.4 33.0 *** 30.2 60.5 9.3 18持病を持っている 1.5 40.8 57.7 *** 26.0 50.9 23.1 1.9 50.7 47.4 *** 40.9 49.8 9.3

19辮欝ると蠣腹 2.4 36.4 61.2 *** 48.7 35.6 15.7 2.4 36.3 61.3 *** 59.1 34.9 6.0

20 よく怪我をする 10.0 46.6 43.4 *** 32.3 50.5 17.2 6.5 59.1 34.4 *** 36.0 53.7 10.8

21誘ま雪奈鶉蔽を 1.5 48.1 50.4 *** 18.7 56.0 25.3 0.5 61.9 37.6 *** 24.2 64.2 11.6

22鰹黍魏以上休ん 1.3 39.5 59.2 *** 25.0 46.3 28.7 0.5 50.2 49.3 *** 33.5 51.6 14.9 23 運動不足気味である 2.1 15.0 82.9 *** 81.7 12.8 5.5 0.5 19.5 80.0 *** 80.9 15.8 3.3

24肥満傾向がある 1.3 21.6 77.1 *** 74.0 21.4 4.6 0.0 19.5 80.5 *** 70.2 25.6 4.2 25ヤセ気味である 11.9 52.1 36.0 *** 22.4 51.8 25.8 6.5 51.6 41.9 *** 29.8 56.3 13.9

***:P<0.001

(6)

ると指摘した。今回はこの当時の調査結果より低い率を示した。

中学校体力のないグループ(MP群と略)では,肯定的評価の高い項目では,運動不足 80.9%

肥満傾向がある70.3%,少し動くと息切れがする65.6%,嫌なことがあると頭痛腹痛を起す59.1%

身体の痛みをよく訴える57.2%,顔色が悪い48.4%,登校するとき元気がない48.0%,給食に好き 嫌いがある41.4%,歩く姿勢が悪い44.6%,持病をもっている40.9%,朝食をとってこないことが 多い40.5%,生活習慣が悪い39.5%などであった。その他の項目にも30%をこえる項目があり,か なり健康上問題にしなければならない傾向が多いことが推測された。正木らの指摘した「すぐ疲れ たという」ことに97.4%の教師が「いる」と答えているが本調査では「いつもつヵ・れている」生 徒は,25.1%にすぎない(それでも4人に1人は,いつもつかれている)。朝食をとってこない生 徒も40%をこえ,家庭内における生活を見直す時期,生徒の体力や健康形成上きわめて問題の高い 項目と言えよう。また,58年調査の結果9)からみて,当時6.8%であった朝食を食べない生徒が,今 回は,概観的にみて40%をこえる教師が認めていることから,実態としての朝食をとらない生徒が かなりいることが推測できる。MP群では,病気や怪我をする生徒が25%〜35%程度いることがわ かる。これらはMG群では極端に少ない。

 MG群とMP群では,靴のかかとをつぶして履くことがあるに有意差がみとめられなかった他は       ・24項目に有意な差がみとめられ,MP群の方が健康状況で問題を多くもっていることがわかった。

小学校のEP群で問題になったコンピューターゲームの実施率は,MP群でも38.2%の生徒がやっ ていると教師は認識している。しかしこの率は小学生よりは低い(EP群は,57.8%)。

EG群とMG群の比較では,有意差のみとめられた項目が10項目あり,それらいずれの項目でも 小学校の教師の方が否定的評価が高く,概略的には,小学生の体力のある群の方が中学生の同じグ ループより健康状況がいいと判断された。

また,EP群とMP群でも25項目中,15項目に有意差がみとめられ,小学生の方が中学生に比べ 肯定的評価が低いと判断される。即ち,EP群の方が健康状況でMP群より少しよいと考えられる。

評価点の平均値と標準偏差値から,EG群とEP群, MG群とMP群を比較した結果小学生では,

全項目でEG群が得点が低く, EP群より否定的傾向が低いことが判断された。中学生では,靴の かかとをつぶして履く事があるという項目をのぞいて,MG群の方が得点が低く否定的傾向がつよ いと判断された。両校,両G群ともP群より,健康状況がよいことが推測された。

環境要因

環境要因では,主に社会,文化,教育,経済,自然環境などに関する55項目の質問内容を準備し た。表2は,55項目についての各群の回答を集計した結果である。

EG群の特徴的な項目は,スポーツ仲間がいる(83.8%),体育関係で表彰される(80.9%)

体育行事の責任者となる(80。5%),スポーツ少年団や部活動に入っている(74.3%),周りを明 るい雰囲気にさせる(71.0%),汗をかく運動は嫌がらない(71.8%),体育施設をよく利用する

(68.7%),部活動が多いとやりたがらない(否定的意見が64.8%),友人とすぐ友達になれる

(64.7),クラスメイトと仲良く活動する(64.5%),クラスや学校行事は率先してやる(63.2%)

などが55項目中の二位であった。さらに,50%以上の項目を加えると施設の良い状態教師の指導,

困難な条件のクリアー,友人への協力,両親の体育への理解,学校が嫌いでないなどとなった。こ

(7)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景       91

表2 環境要因の結果(%)と有意性

調  査  項  目 小学校体力

?驛Oループ

ヤ有意性 小学校体力 ネいグループ

中学校体力

?驛Oループ 有意性

中学校体力 ネいグループ

5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1

1 クラスメイトと仲良く活動する 64.5 28.5 7.0 *** 28.6 50.3 21.1 55.8 34.4 9.8 *** 21.6 57.9 20.5

2蘭爵藏歎乞備 80.9 13.2 5.9 *** 3.9 7.0 79.1 87.5 8.8 3.7 *** 3.3 17.8 78.9

3警篠鰍外の事で 35.5 54.2 10.3 *** 20.5 56.3 23.2 34.5 58.1 7.4 *** 10.7 67.6 25.7

4走欝響宏とも一緒 60.8 34.4 4.8 *** 21.7 48.7 29.6 54.9 41.4 3.7

*** 10.8 59.3 29.4

5翻ぞ騰設を良く 68.7 26.7 4.6 *** 9.4 36.7 53.9 61.4 35.3 3.3 *** 5.6 45.8 48.6

6璽饗擬ユニケー 29.8 66.2 4.0 *** 13.2 75.3 11.5 23.3 74.4 2.3 *** 6.1 77.6 16.3 7 授業中よく教師の助言を求める 25.5 58.5 16.0 21.8 55.2 23.0 34.4 59.1 6.5 *** 11.2 63.1 25.7

8覇㌫ζ劣触や部活 74.3 17.6 8.1 *** 10.0 26.8 63.2 85.0 11.2 3.8 *** 21.9 27.6 50.5 9 友達にもよく協力する 50.9 45.2 3.9 *** 14.9 60.3 2.8 54.9 43.7 1.4 *** 11.2 66.4 22.4

1・載乙醤碧の行事は 63.2 32.4 4.4 *** 8.6 53.5 37.9 60.0 37.2 2.8 *** 6.6 58.9 34.5

11鎚萎鷹要な役割 61.1 34.9 4.0 *** 6.8 55.4 37.8 61.0 35.3 3.7 *** 2.8 63.1 34.1

12髪嫌霧任者とな 80.3 16.9 2.8 *** 5.4 29.4 65.2 82.7 14.0 3.3 *** 3.3 32.2 64.5 13 体育施設や用具を大切に使う 28.0 64.3 7.7 *** 13.1 71.5 15.4 26.0 67.0 7.0 *** 10.3 75.2 14.5

14豪襯轡蓼はいつも 35.6 57.2 7.2 ***

18.6 60.1 21.3 31.6 60.5 7.9 21.5 63.6 14.9 15 運動着を忘れることはない 56.6 36.8 6.6 *継 22.7 47.1 30.2 54.6 40.2 5.2 *** 23.8 55.1 21.1 16 教師の注意をよく聞く 45.4 47.1 7.5 *** 20.1 55.9 24.0 48.4 46.5 5.1 *** 25.8 57.3 16.9 17 教師や友人との約束を守る 38.5 56.1 5.4 *** 17.6 68.0 14.4 37.6 60.0 2.4 *** 18.2 72.0 9.8 18 友人との人間関係を大切にする 45.5 50.5 4.0 *** 21.0 62.9 16.1 53.0 45.1 1.9 *** 18.7 65.4 15.9 19 友人をすごく大切にする 42.4 54.6 3.0 *** 19.3 65.4 15.3 45.5 53.1 1.4 *** 21.9 66.4 11.7 20 スポーツ仲間がいる 83.7 12.3 3.9 *** 6.6 30.9 62.5 87.4 10.7 1.9 *** 5.1 35.0 59.9

21蓬建誘人とすぐ友 64.7 31.8 3.5 *** 7.3 54.6 38.1 65.1 34.0 0.9 *** 4.2 55.6 40.2 22教師の師範を要求する 43.9 45.8 10.3 *** 21.1 51.4 27.5 47.0 47.4 5.6 *** 16.3 62.1 21.6

23翻騨野があると 62.6 32.2 5.2 *** 17.7 49.2 33.1 63.7 34.4 1.9 *** 12.6 50.9 36.5 24 用具の後片付けをよくする 49.8 45.2 5.0 *** 20.2 55.9 23.9 43.2 51.2 5.6 *** 23.0 58.9 18.1

25製憲盟蟄魏気に 70.9 26.7 2.4 *** 9.4 55.0 35.6 67.0 32.1 0.9 *** 3.8 58.4 37.8

26両親は過保護である 8.3 72.8 18.9 *** 36.7 52.9 10.4 8.3 73.0 18.7 *** 35.5 56.5 8.0

(8)

   教師がよく指導しない27   とやらない

7.7 44.3 48.0 *** 50.4 37.9 11.7 7.0 42.3 50.7 *** 48.6 40.2 11.2

   弱いチームにはいると28   やる気がない

38.5 35.7 25.8 *** 29.3 52.8 17.9 39.5 3?.2 23.3 *** 21.8 63.3 14.9 29 教師の話が長いと嫌な顔をする 37.2 47.9 14.9 *** 20.6 65.5 13.9 38.1 50.2 11.7 *** 17.2 67.9 14.9

   友達にひやかされると30   体育をしない

6.6 45.8 47.6 *** 49.2 35.8 15.0 8.8 44.7 46.5 *** 52.6 35.3 12.1

   リーダーになれないと31   体育をしない

12.8 45.9 41.3 *** 3.0 47.8 49.2 8.9 54.0 37.1 19.0 56.7 41.4 32 教師の指導が厳しいとやらない 6.4 42.6 51.0 *** 13.6 45.9 40.5 O.5 51.2 48.3 *** 15.8 53.5 30.7

33 活動量が多レ}とやりたがらない 5.2 30.1 64.7 *** 57.5 27.0 15.5 4.7 29.0 66.3 *** 59.6 25.1 15.3 34 汗をかく運動は嫌がる 3.3 24.9 71.8 *** 47.0 34.9 18.1 3.3 26.0 70.7 *** 50.7 34.4 14.9 35 暑いとき寒いときはや 5.1 32.7 62.2 *** 55.3 31.9 12.8 4.6 39.1 56.3 *** 54.4 37.2 8.4

・§ ノ1い

36 ちょっとしたストレスに弱い 5.3 45.4 49.3 *** 53.2 36.5 10.3 4.2 49.8 46.0 *** 53.0 44.2 2.8 37 両親は体育に対して理解がない 1.7 48.0 50.3 *** 13.1 63.7 23.2 0.9 61.4 37.7 *** 14.9 73.0 12.1 38 授業に緊張感がないとやらない 5.3 57.9 36.8 *** 14.0 63.3 22.7 3.3 73.5 232 7.1 79.5 13.4

39繭讐援セ体育の 2.6 41.4 56.4 *** 6.4

■49.3

44.3 2.4 50.2 47.4 *** 15.4 58.1 26.5

   グランドの状態が悪い40   とやらない

5.6 35.9 58.5 *** 21.5 45.9 32.6 10.2 42.3 47.5 *** 30.3 51.6 18.1 41 仲間の協力がないとやらない 3.0 42.5 54.5 *** 21.5 54.4 24.1 3.8 52.1 44.1 *** 24.1 60.5 15.4

   自分の意見が通らない42   と機嫌が悪い

29.4 43.1 27.5 *** 16.3 55.6 28.1 25.7 46.7 27.6 *** 8.4 63.7 27.9 43 教師の指導に敏感である 40.7 43.4 15.9 *** 22.5 54.5 23.0 42.8 44.7 12.5 *** 26.5 52.6 20.9 44 教師の発言をすごく気にする 21.1 56.4 22.5 28.4 54.7 16.9 22.4 55.8 21.8 26.5 58.6 14.9 45 理由がわからないが学校が嫌い 4.2 39.0 56.8 *** 11.5 53.2 35.3 1.9 53.5 44.6 *** 22.3 60.5 17.2

   教師に注意されるとふ46   てくされる

14.0 47.3 38.7 18.9 50.6 30.5 15.8 51.2 33.0 14.0 62.3 23.7

   学校の成績には非常に47   敏感である

18.8 57.1 24.1 21.0 59.1 19.9 27.0 61.9 11.1 36.7 58.1 5.2

   教師の説明がわからな48   いとやらない

6.2 49.9 43.9 *** 26.2 52.2 21.6 5.6 53.5 40.9 *** 19.1 60.0 20.9 49 教師や友達によく嘘をつく 3.2 55.6 41.2 *** 10.8 61.1 28.1 1.4 63.7 34.9 *** 9.8 67.9 22.3

   教師や友人の目をすご50   く気にする

17.4 49.9 32.7 *** 43.4 42.5 14.1 19.0 54.0 27.0 *** 42.4 47.4 10.2

   両親に学校での出来事51   を話さない

5.2 66.7 28.1 *** 17.8 68.8 13.1 10.7 66.5 22.8 *** 25.2 67.4 7.4 52 教師に対して口答えをよくする 12.9 47.7 39.4 8.0 55.8 36.2 12.6 51.6 35.8

8.4 56.3 35.3 53教師に甘える 12.0 59.7 28.3 *** 41.3 47.3 11.4 13.5 59.1 27.4 ** 26.9 56.3 16.8

   友達とささいなことで54   口争いをする

18.0 57.5 24.5 21.2 61.4 17.4 14.0 62.3 23.7 10.7 65.1 24.2 55教師の注意を無視する 6.5 47.9 45.6 5.5 55.6 38.9 6.5 48.8 44.7 7.0 54.9 38.1

*** :P<0.001    ** : P<0.01    * : P〈0.05

(9)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景      93

れらを統括すると,EG群の環境要因は,スポーッの仲間,友達関係の形成,協力,仲良しなど級 友を中心とした運動仲間関係がよいこと,体育施設の利用やよい状態など体育施設の物的条件,体 育行事,学校行事への参加や責任者になるなど積極的参加態度とリーダー性,地域的組織としての 少年団活動への入団,部活動への入部など活動への積極性,活動量の多さや汗をかく運動への耐性,

そして両親の体育への理解,教師の指導など家庭,学校の人的要因などがあげられる。また,児童 への賞賛など教育的環境にもきわめて高い率を示した。

EP群では,表彰を受けない(79.1%),体育行事の責任者にならない(65.2%),スポーッ仲 間不在(62.5%),活動量が多いとやらない(57.5%),暑いときはやらない(55.4%),ストレ スに弱い(53.2%),体育施設を利用しない(53.8%),スポーツ少年団,部活動への不参加(53.3

%),友達にひやかされるとやらない(49.8%),教師がよく指導しないとやらない(50.4%),

リーダーになれないとやらない(49.3%),汗をかく運動はやらない(47.1%),テストが近いと手 を抜く(44.3%),教師や友人の目を気にする(41.3%)などが上位である。これらの環境要因は,

教育的環境(賞賛,部活動,活動量,ストレス),自然環境(暑さ),物的環境(施設),人的環境

(仲間・教師,友人,リーダー性)などであり,これらの環境条件に消極的対応能力しか発揮でき ない点が問題となろう。その他にも教師と児童・児童同志の人間関係的条件がよくないことがこの EP群の特徴となる。

EG群とEP群の回答を検定した結果,55項目中2項目に有意差がみとめられず,他は, EG群 が諸環境条件(項目)で有意によい環境があると言える。差のみとめられなかった2項目は,教師 の注意を無視する,学校の成績には無関心であるに関する回答率であり,両群とも同傾向を示した。

評価点の平均値と標準偏差値からEG・EP両群を比較すると,55項目中4項目に差があり,こ れらはいずれも教師,学校に関する項目であり,両群とも教師と学校に関する意識が同傾向である と教師は認識をしていることを示している。

中学校に関して比較する。MG群では,体育関係で表彰される(87.5%),部活動をしている

(83.1%),体育行事の責任者となる(82.8%),汗をかく運動を嫌がる(否定的意見70.5%),

周囲が明るくなる(67.0%),活動量が多いとやりたがらない(否定的意見66.4%),すぐ友達に なれる(65.1%),施設用具があると運動をやる(63.7%),体育施設を良く利用する(61.4%),

クラスで重要な役割をもっている(60.9%)などが高率を示した主な項目であった。

比較的高い率を示した項目を分類すると,教育環境(表彰,部活動,体育行事,学校クラス行事 役割,学校好き),人的環境=友人・仲間,教師,両親(友達,仲間,級友,上級生,下級生,両 親とのコミュニケーション,協力,教師との関係一注意,約束,指導,説明),物的環境(体育施 設の利用,グランドの良い状態),自然・物理的環境(暑さ,汗,活動量)などになろう。体力の あるグループの環境内容は,教育的環境の充実とそれにかかわる教師・級友・仲間などの人的環境 が最重要な背景となる。

MP群では,いずれもマイナス要因として,体育関係で表彰を受けない(79.0%),体育行事の 責任者とならない(64.5%),スポーッ仲間がいない(59.9%),暑いとき寒いときはやりたがら ない(54.4%),ストレスに弱い(53.0%),友達にひやかされる体育をしない(52.6%),汗を かく運動はしない(50.7%),部活動をしない(50.5%),教師がよく指導しないとやらない(48.6

%),校内の体育施設をよく利用しない(48.6%)などが高い率を示した10項目である。その他40

(10)

%程度の項目を含めた体力のない群の環境的要因は,教育的環境(表彰をうけない,部活動をしな い,教師の指導,進学テストの関係,学校行事への不参加,クラスでの役割がない),人的環境=

友人・仲間・両親・上下級生との関係(活動をしない,スポーツの仲間不在,すぐ友達になれない,

両親の過保護,教師の指導がないとやらない,友達のひやかし,教師の厳しい授業,教師や友人の 目を気にする,教師に甘える,教師の注意を無視する),物的環境(施設用具があってもやらない,

グランド状態が悪いとやらない,体育施設を利用しない),物理・自然的環境(暑さ寒さ,ストレ ス,汗をかく運動,活動量が多い)などに分類できる。その中でも教育的環境,とくに賞賛された 経験が乏しいこと,もしくは認められないことなどが体力のないグループの大きな特徴になってい る。そして教師・仲間・友人などとよい人間関係が形成できないこと,その人間関係から生ずるス トレスを克服できないこと,教師の授業だけに依存性がつよいこと,ひやかしとか注目に弱いこと,

そして身体活動の質量不足,物理・自然的条件の変化に適応できないこと,活動を支える仲間がい ないことなどが問題となろう。

MG群, MP群では55項目全てにわたってカイ自乗検定をし6項目をのぞいて有意差が認められ た。MP群がかなりのマイナス要因をもっていることがわかった。また,両群に差が認められなか

った項目では,進学に敏感(31.8%),教師の発言を気にする(24.4%),教師に注意されるとふ てくされる(14.9%),教師に口答えをよくする(10.5%),教師の注意を無視する(6.7%),友 達とささいなことで口争いする(12.3%)などがあった。人間関係が必ずしも充実していない現実 あると考えられる。

EG群とMG群55項目中11項目に有意差がみとめられた。 MG群が有意に高かった項目は,体 育関係でよく表彰される(87.5%),教師の助言を求める(34.4%),部活動をしている(85.1%)

学校の成績に敏感である(27.0%),EG群では,教師の話しが長いと嫌な顔をする(37.2%),

両親は体育に理解がある(50.3% MG群は 37.7%),授業に緊張感がないとやらない(否定的 意見が36.7%),グランドの状態がわるいとやらない(否定的意見が58.1%,MG群は37.4%),

自分の意見が通らないと機嫌がわるい(29.4%),学校が好きではない(否定的意見が57.8%,M G群では44.6%),教師や友人の目をすごく気にする(否定的意見が32.7%)であった。

EP群とMP群では,前者群が12項目に後者群より高い傾向を示した。上下級生と一緒に活動で きる(21.7%,10.8%),助言を求める(21.8%,11.2%),リーダーでないとしない(48.6%,

41.4%),ストレスに弱い(10.3%,2.8%),両親は体育に理解がある(23.2%,12.1%),授業 に緊張感がないとやらない(22.7%,13.4%),グランドの状態が悪いとやらない(否定的意見32.4

%,18.1%),学校が好きでない(否定的意見35.7%,17.2%),教師に注意されるとふてくされ る(否定的意見30.5%,23.7%),学校の成績に敏感である(否定的意見20.0%,5.2%),教師に 甘える(41.3%,27.0%)がEP群の方が高い率を示した項目であった。MP群では,両親とのコ ミュニケーションがよい(否定的意見16.3%,11.4%),部活動をしている(21.9%,10.0%)友 達とささいなことで口争いをする(否定的意見24.2%,17.4%)であった。

G群では,表彰,部活はM群が著しく高く,E群では,グランドの状態がわるくても活動がやり やすく,両親も中学より体育に対する理解が高い。

P群では,高率での差はみとめられないが,E群が教師に甘え,成績も気にせず,グランドの状       庁

態も気にせず,学校も好み,両親の理解も良い,M群では,友達との口争いをしない,両親とコミ

(11)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景       95

ユニケーションも少しよくない様相が読める。

評価尺度値の平均値,偏差値から得点を比較するとプラスになる要因は,G群が優位であり,マ イナス要因ではP群が優位である。有意差が認められなかった項目は,弱いチームに天るとやる気 がしない,リーダーになれないと体育をしない,教師の発言をすごく気にする,教師に注意される

とふてくされる,教師に対してよく口答えする,注意を無視する,友達とささいなことで口争いを するの7項目であった。対教師の問題は全体的傾向,リーダー性,友人関係もやや消極的であると 推測できる。

主体的要因

GP群における体力にかかわる意思,意欲,欲求,信念,身体的能力・体力・スキル・運動能力,

精神的能力から,身体活動,体力へのヤル気のアル,ナシ,各種活動のデキル,デキナイをあらわ す質問58項目を用意した。松浦の研究によれば1)体力の発達にかかわる条件変量40項目が体力・運 動能力の高々28%が説明できるにすぎず,体力・運動能力発達を制限する因子が複雑であると推測 できるとしている。したがって,今回の主体的要因で全てを網羅することは出来ないとは思うが,

特徴的な条件を検討したい(これらはEP群, MG・MP群も同様である 表3参照)。

EG群では,体力に自信(90.9%),技術が高い(88.7%),得意なスポーッがある(88.2%),

体育に対する学習意欲(88.1%),スポーツへの興味(87.5%),休み時間によく運動(87.1%)

記録・成績を認められる(86.2%),スポーツを楽しむ(85.3%),戸外活動に積極的(85.1%)

授業を先頭でやる(82.5%),優i勝への憧れがつよい(82.3%),健康に自信(81.8%),教師の 賞賛に意気上がる(81.7%),負けることが嫌い(81.3%),どんな運動でも器用にこなす(80.4

%)の項目に80%以上の率を示した。教師が認めたG群の特性は,主体的要因の中でもとくにヤル 気のアル,ナシにかかわる条件が多く,次いで身体的能力・精神的能力に関する条件となった。た

くましい行動力,エネルギッシュな行動,能力の発揮,よく運動するなどは70%台であった。

EP群では,体力に自信がない(81.8%),スポーツ技術が高くない(77.3%),どんな運動で も器用にこなせない(71.4%),授業を先頭に立ってやらない(69.5%),身体を思い通り動かす ことができない(66.3%),能力の発表が苦になる(66.1%),嫌いな運動は消極的(61。7%),

得意なスポーツはない(59.3%),教師にほめられると意気が上がる(58.8%),戸外での活動に 消極的(58.7%),スポーツへの興味がない(58.3%),たくましい行動力はない(58.2%),能 力に自信がない(58.2%),学習意欲がない(57.9%),記録・成績を認められたい(57.6%)な どが主な条件となった。身体的能力とその発揮や身体操作能に問題があり,行動に消極的,興味や 意欲が低いと推測された。

EG群とEP群では,58項目全てに有意な差が認められた。前述したように, EG群は,ヤル,

ヤラナイ,デキル,デキナイ行動を積極的に支える条件が充実しているのに反し,EP群では,消 極的で意思・意欲・欲求が低いこと,更に身体・精神的能力への自信やそれらの能力を操作したり 発揮したりする行動力やレディネスに問題があると指摘できる。

MG群では,体力に自信(95。3%),スポーッ技術が高い(94.0%),得意なスポーッがある(92.5

%),学習意欲が高い(90.7%),スポーツへの興味(89.8%),記録・成績を認められたい(88.9

%),スポーッを楽しむ(86.6%),負けることが嫌い(85.1%),優勝に対する憧れ(84.1%),

(12)

表3 主体的要因の結果(%)と有意性

調  査  項  目 小学校体力

?驛Oループ 有意性

小学校体力 ネいグループ

中学校体力

?驛Oループ 有意性

中学校体力 ネいグループ

5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1 5・4 3 2・1

1 体力に自信を持っている 90.9 7.1 2.0 *** 2.0 16.2 81.8 95.3 2.8 1.9 *** 0.9 8.8 90.3 2 健康に自信を持っている 81.7 16.0 2.3 *** 5.0 44.7 50.3 82.3 15.8 1.9 *** 1.4 39.5 59.1 3 たくましい行動力がある 73.2 24.7 2.1 *** 3.3 38.5 58.2 74.4 22.8 2.8 *** 1.4 38.1 60.5 4 戸外での活動に積極的である 85.1 12.8 2.1 *** 5.3 35.9 58.8 79.5 18.6 1.9 *** 2.4 35.3 62.3

  グループ活動ではリー5  ダーになる

66.5 30.9 2.6 *** 3.1 48.1 48.8 68.9 29.3 1.8 *** 2.8 42.3 54.9 6 体育に対する学習意欲がある 88.0 10.1 1.9 *** 7.8 34.3 57.9 90.7 8.8 0.5 *** 6.5 27.0 G6。5

 体育以外の学習にも意7 欲的である

50.9 45.8 3.3 *** 10.1 65.1 24.8 46.0 49.8 4.2 *** 9.3 63.3 27.4 8 何事にも集中力がある 38.0 57.9 4.1 *** 3.0 59.9 37.1 42.3 53.5 4.2 *** 3.3 64.0 32.7

  自分の責任は最後まで9 全うする

34.8 60.9 4.3 *** 8.1 64.3 27.6 33.0 63.3 3.7 *** 8.8 70.7 20.5

  他人に見えないところ10  で努力する

25.2 65.9 8.9 *** 9.3 63.8 26.9 36.3 59.5 4.2 *** 9.3 65.4 25.3 11 スポーッ技術が高い 88.6 9.7 1.7 *** 2.4 20.3 77.3 93.9 4.7 1.4 *** 0.9 16.7 82.4

  いろいろなスポーッに12  興味を示す

87.6 10.8 1.6 *** 7.6 34.0 58.4 89.7 9.3 1.0 *** 5.6 29.3 65.1 13 黙々と努力するタイプである 27.2 65.7 7.1 *** 9.8 59.0 31.2 40.5 54.4 5.1 *** 9.7 58.1 32.2

  教師にほめられると意14  気が上がる

81.7 16.2 2.1 *** 58.9 32.4 8.7 80.9 18.6 0.5 *** 51.2 38.1 10.7

  体育以外の行事への参15  加態度がよい

72.8 25.1 2.1 *** 16.0 56.7 27.3 78.1 20.5 1.4 *** 16.8 54.4 28.8 16 スポーッを楽しんでいる 85.3 12.8 1.9 *** 11.9 51.1 37.0 86.5 12.6 0.9 *** 9.8 43.9 46.3

  優勝や一位に対する憧17  れが強い

82.3 15.8 1.9 *** 32.7 39.6 27.7 84.1 14.0 1.9 *** 19.7 42.5 37.8 18 負けることが嫌いである 81.3 16.8 1.9 *** 18.0 52.6 29.4 85.1 14.0 0.9 *** 11.6 51.2 37.2

  自分の力を発揮するこ19  とができる

68.1 29.4 2.5 *** 5.8 51.1 43.1 71.6 27.0 1.4 *** 4.7 51.6 43.7

  自分の能力に自信をも20  っている

74.2 24.0 1.8 *** 2.6 39.2 58.2 79.6 19.5 0.9 *** 2.8 37.2 60.0

  スポーツの話をすると21  生き生きする

78.4 19.9 1.7 *** 4.3 50.1 45.6 78.6 20.5 0.9 *** 1.5 47.0 51.5

22得意なスポーッがある 88.3 10.6 1.1 *** 3.5 37.2 59.3 92.5 7.0 0.5 *** 5.6 34.0 60.4 23 行動がエネルギッシュである 78.8 19.7 1.5 *** 2.3 45.4 52.3 78.1 30.5 1.4 *** 1.9 40.5 57.4

  よい記録や成績を認め24  られたい

86.2 11.9 1.9 *** 57.5 28.4 14.1 88.1 11.2 0.0 *** 41.4 36.7 21.9

  スポーッに対して正し25  い認識がある

45.5 49.4 5.0 *** 4.7 62.1 33.2 48.8 49.8 1.4 *** 2.9 16.0 31.1

26隻騰臆らしとは考 44.5 45.5 10.0 ・ *** 21.0 64.6 14.4 41.8 47.9 10.3 *** 20.0 65.6 14.4

(13)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景       97

  スポーッの多様な楽し27  み方が分かる

54.9 39.9 5.2 *** 2.1 46.5 51.4 60.0 36.3 3.7 *** 2.8 48.4 23.6 28 どんな運動でも器用にこなす 80.4 16.8 2.8 *** 1.8 26.8 71.4 79.0 20.5 0.5 *** 1.4 29.5 68.8   フェアプレーやマナー

Q9  を心得ている 46.5 48.9 4.6 ヤ*** 13.4 64.7 21.9 48.8 47.0 4.2 *** 9.3 67.4 23.3

  身体を思い通り動かす30  ことができる

77.9 19.6 2.5 *** 2.3 31.5 66.2 79.6 19.5 0.9 *** 2.8 31.6 15.6

  個人的なスポーッを好31  んでいる

45.4 46.8 7.8 *** 12.8 54.0 33.2 39.1 53.0 7.9 *** 18.1 53.0 28.9

  集団的なスポーッを好32  んでいる

59.8 36.0 4.2 *** 14.0 50.8 35.2 63.7 35.3 1.0 *** 15.4 47.9 36.7

  能力技術の発表が苦に33  ならない

73.9 23.1 3.0 *** 2.6 31.2 66.2 68.4 28.8 2.8 *** 3.3 34.9 61.8 34 休み時間はよく運動する 87.1 11.2 1.7 *** 11.2 31.8 57.0 66.4 29.9 3.7 *** 4.2 40.9 54.9 35 体育の授業を先頭でやる 82.5 16.4 1.1 *** 3.8 26.7 69.5 75.8 21.9 2.3 *** 1.9 34.4 63.7 36 嫌いな運動でも積極的にやる 55.5 37.1 7.4 *** 2.6 35.7 61.7 53.9 40.5 5.6 *** 5.1 35.8 59.1

  下手な運動も上手にな37  る努力をする

67.5 29.3 3.2 *** 13.6 39.8 46.6 61.8 33.5 4.7 *** 14.4 40.9 44.7 38 スポーッの後の満足感が高い 77.4 20.5 2.1 *** 8.9 50.1 41.0 79.1 19.5 1.4 *** 7.4 45.1 47.5 39余暇をよ,く利用できる 43.6 53.0 3.4 *** 4.3 65.6 30.1 40.9 53.5 5.6 *** 3.2 62.3 34.5 40 決断力や判断力がよい 53.0 44.6 2.4 *** 3.1 56.3 40.6 55.8 42.3 1.9 *** 2.3 58.6 39.1 41いつも全力で運動する 74.1 23.5 2.4 *** 7.1 43.9 49.0 70.3 27.4 2.3 *** 9.7 43.3 47.0

  自分の生活に運動を取42  り入れている

62.9 34.5 2.6 *** 3.7 46.4 49.9 61.0 36.7 2.3 *** 2.8 45.8 51.4

  将来の目標をはっきり43  持っている

19.5 70.1 10.4 *** 3.0 71.6 25.4 29.2 67.0 3.8 *** 3.7 71.6 24.7

  目標を達成しようとす44  る意欲が高い

58.6 38.8 2.6 *** 5.8 54.8 39.4 58.6 40.5 0.9 *** 6.9 56.7 36.4

  自分の目標にとどかな45  くても頑張る

55.2 42.0 2.8 *** 8.6 50.9 40.5 54.9 42.3 2.8 *** 12.6 51.2 36.2 46 むずかしい課題に挑戦する 66.4 29.9 3.7 *** 4.2 45.6 50.2 61.8 36.3 1.9 *** 2.8 46.0 51.2 47 体育を理由なく見学する 8.2 23.3 68.5 *** 27.7 36.9 35.4 10.3 24.7 65.0 *** 33.1 34.4 32.5

  自分ができない運動は48  やらない

10.4 30.6 59.0 *** 35.7 37.4 26.9 9.3 39.1 51.6 *** 33.0 43.7 23.3

  気持ちがのらないと運49  動をやらない

11.0 34.0 55.0 *** 25.4 48.4 26.2 10.7 41.9 47.4 *** 27.5 52.6 19.9

  嫌いな運動はやる気を50  見せない

10.9 36.7 52.4 *** 55.9 31.0 13.1 14.5 34.9 50.6 *** 52.1 34.0 13.9

  自分の思い通りにいか51  ないとやらない

11.5 51.3 37.2 *** 15.5 63.5 21.0 11.2 51.2 37.6 *** 15.3 66.0 18.7

  自分がほめられないと52  やらない

8.2 51.3 40.5 *** 13.7 57.2 29.1 7.4 52.1 40.5 11.2 63.7 25.1

  納得いくプレーができ53  ないとやらない

9.8 50.6 39.6 *** 13.7 56.5 29.8 8.3 51.2 40.5 9.8 64.7 25.5 54 勝つ試合だけは頑張りきる 18.3 48.0 33.7 *** 17.7 60.0 22.3 16.3 54.6 29.1 13.0 67.0 20.0

  自分が活躍できないと55  やらない

17.0 44.4 38.6 *** 9.6 59.7 30.7 17.7 44.7 37.6 9.3 58.1 32.6

  記録や成績が伸びない56  とやらない

11.3 47.2 41.5 *** 12.1 59.3 3L9 12.6 47.0 40.4 14.4 57.7 27.9

57勝敗にこだわる 62.6 26.3 11.1 *** 19.7 53.0 27.3 61.4 25.1 13.5 *** 12.1 54.0 33.9 58 体育の時間は欠席が多い 2.8 23.3 73.9 *** 27.4 39.2 33.4 1.4 21.4 77.2 *** 35.4 38.1 26.5

*** :P<0.001     * : P〈0.05

(14)

健康に自信(82.4%),教師にほめられると意気が上がる(80.9%),能力への自信(79.6%),

身体を思い通り動かす(79.5%),スポーツの後の満足感が高い(79.1%),どんな運動でも器用 にこなす(79.0%)が高率を示した項目であった。それらは,体力への自信をベースに,身体的・

      、 ク神的能力が高く,さらに,意欲・動機・意思・欲求の高さをあらわす項目であった。

また,スポーツの楽しさや満足感をも満喫していると判断される。

MP群では,体力に自信がない(90.2%),スポーツ技術が高くない(82.3%),運動を器用に こなせない(68.8%),学習意欲がない(66.5%),身体を思い通り動かせない(65.6%),スポ 一ツへの興味を示さない(65.2%),体育の授業を先頭でやらない(63.7%),得意なスポーッが ない(63.1%),戸外での活動に積極的でない(62.3%),能力や技術の発表が苦になる(61。8%),

たくましい行動力がない(60.4%),能力へ自信が持てない(60.0%)が高率を示した項目であっ た。身体的・精神的能力,行動力,活動力に自信もなく,低く,消極的であること,体育への学習 意欲や興味,積極的な授業への参加態度も低いと推測される。

MG群とMP群を比較すると,1項目にのみ有意差がみとめられなかったが,他項目全てに有意 差があった。このことから,両群では,教師の認識がほぼ反対であると言える。このことは,体力 へ自信がある(MG群),自信がない(MP群)傾向をもっていることからも妥当である。

EG群とMG群では,体力に自信がある(90.9%,95.3%),他人の見えないところで努力する

(25.1%,36.2%),黙々と努力するタイプ(27.2%,40.5%),将来に対する目標が明確(19.4

%,35.6%)で後者に率が高く,EG群が有意に高かった項目は,自分ができない運動でもやる(59.0

%,51.1%),休み時間よく運動する(87.1%,66.4%)の2項目であった。

EP群とMP群を比較すると, EP群の方が優勝や1位への憧れが強く(32.7%,19.7%),記 録や成績をみとめられたい(57.7%,41.4%),休み時間はよく運動する(11.1%,4.2%)の3項

目であり,MP群では,体育の時間に欠席が多い(35.4%,27.4%)のみであった。

2 クロス集計結果と校種別二群間の特徴と比較

各要因別にそれぞれの項目をクロスさせて検討したのが表4である(EG群, EP群)。

クロスの各セルに0が入り,検定ができなかった項目の組合せもあり,それをクリアーしたもの だけ検定をし,項目間の関連を検討した。

健康状況  (表4,表7)

EG群(表4)における,健康状況各項との関連は表4の通りであり,本群では,分類項目で「い いえ」と回答した児童は,クロスさせた項目で「いいえ」と回答していた。即ち,いつも疲れてい ない者は,寝不足気味でない傾向が認められた。以下をそのように読むと,体力を支える健康要因 としては,寝不足をしない,夜ふかしをしない,朝食をとる,生活習慣を良くする,時間をルーズ にしない,肥満にしない,身体をよくいたわる,悩みを解消する,運動不足を解消するなどの対策 を講ずることが体力ある児童にする一つの方法であると言える。

運動不足気味であるを軸に他項目との関連をみると,運動不足気味でないといつも疲れていない,

寝不足気味でない,好き嫌いがない,朝食は摂ってくる,生活習慣が悪くない,夜ふかしが多くな

(15)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景      99

表4 項目間の関連(有意に関連が認められた項目)

小学校体力のあるグループ(4項目以外は省略)

否定的(寝不足気味でない者はいつも疲れていない)

分 類 項 目 集   計    項    目 1)いつも疲れている。

4)朝食をとってこないことが多い。

寝不足気味である。 5)生活習慣が悪い。

U)夜ふかしが多い。

11)立ちくらみをよく起こす。

14)普段顔色が悪い。

2)寝不足気味である。

朝食をとってこない アとが多い。

5)生活習慣が悪い。

U)夜ふかしが多い。

P1)立ちくらみをよく起こす。

14)普段顔色が悪い。

2)寝不足気味である。

生活習慣が悪い。 4)朝食をとってこないことが多い。

U)夜ふかしが多い。

17)時間にルーズである。

1)いつも疲れている。

2)寝不足気味である。

夜ふかしが多い。 4)朝食をとってこないことが多い。

5)生活習慣が悪い。

9)歩く姿勢が悪い。

小学校体力のないグループ

肯定的(寝不足気味である者はいつも疲れている)

1)いつも疲れている。

4)朝食をとってこないことが多い。

寝不足気味である。 5)生活習慣が悪い。

6)夜ふかしが多い。

11)立ちくらみをよく起こす。

5)生活習慣が悪い。

朝食をとってこない アとが多い。

6)夜ふかしが多い。

W)朝登校するとき元気がない。

P1)立ちくらみをよく起こす。

14)普段顔色が悪い。

4)朝食をとってこないことが多い。

生活習慣が悪い 6)夜ふかしが多い。

17)時間にルーズである。

1)いつも疲れている。

2)寝不足気味である。

4)朝食をとってこないことが多い。

5)生活習慣が悪い。

夜ふかしが多い。 8)朝登校するとき元気がない。

9)歩く姿勢が悪い。

11)立ちくらみをよく起こす。

12)悩みごとが多い。

14)普段顔色が悪い。

(16)

表5 スポーツ仲間との関連 小学校体力あるグループ

肯定的

分 類 項 目 集    計    項    目 26)クラスメイトと仲良くする。

29)上級生・下級生と一緒に活動できる。

30)校内の体育施設を良く利用している。

31)両親とのコミュニケーションが良い。

33)スポーツ少年団に入っている。

スポーツ仲間がいる。 50)周りを明るい雰囲気にする児童だ。

W1)体力に自信を持っている。

82)健康に自信を持っている。

84)戸外での活動に積極的である。

85)グループ活動ではリーダーになる。

86)体育に対する学習意欲がある。

217)スポーツの話しをするのが好き。

小学校体力ないグループ 否定的

29)上級生・下級生と一緒に活動できる。

30)校内の体育施設を良く利用している。

33)スポーツ少年団に入っている。

50)周りを明るい雰囲気にする児童だ。

81)体力に自信がある。

スポーツ仲間がいる。 82)健康に自信を持っている。

84)戸外での活動に積極的である。

101)スポーツの話しをするのが好き。

102)得意なスポーッがある。

107)スポーツの楽しみ方を知っている。

112)集団的なスポーッを好んでいる。

い, 朝登校するとき元気である,歩く姿勢が良い,靴のかかとをつぶしてはなかい,立ちくらみを しない,悩みごとが多くない,顔色が悪くない,乗物酔いをしない,身体の痛みを訴えない,時間 にルーズでない,持病をもっていない,怪我をしない,病気をしたことがない,肥満傾向がない,

ヤセ気味ではないなどと関連があり,運動不足を解消するとODやストレスら,不定愁訴などを解 消することに役立ち,体力を支える健康状況が運動の実施とかなりの関連があることが裏付けられ

た。

EP群(表4)については,体力のない群の児童は,いつも疲れている,寝不足気味である,朝 食をとってこない,生活習慣が悪い,夜ふかしが多い,悩みごとが多い,顔色が悪い,よく怪我を する,運動不足気味である,肥満傾向があると言える。これらの条件がお互いに関連し合い,それ らの中でも多くの他項目と関連が強い項目条件は,寝不足,朝食不摂取,夜ふかし,悪い生活習慣 などであり,これらの条件を改善することがこの群の児童にとって大切であると思われる。また,一 顔色が悪いという条件と他の多くの項目との関連はみとめられるカ㍉顔色が悪くなる原因がひとつ に,朝食をとらない,夜ふかしなどがありこれらを改善して原因をとりのぞくことも必要である。

運動不足と他項目との関連をみると,セル内に0があることから,統計的検定が出来ないクロス が多くみられたがその中でも,よく怪我をする,肥満傾向がある,活動量が多い運動はしない,

悩みごとが多いなどと関連が高い。

MG群(表7)については,教師の回答が「いいえ」に片寄っているため,各項目間の関連は検

討出来なかったがその中で,夜ふかしが多くないと歩く姿勢が悪くない,時間にルーズでないと

関連があった。

(17)

野田他:茨城県内の児童生徒の体力の背景       101

表6 体力・健康への自信との関連 小学校体力あるグループ

肯定的

分 類 項 目 集    計    項    目 33)スポーッ少年団に入っている。

45)スポーツ仲間がいる。

82)健康に自信を持っている。

83)たくましい行動力がある。

84)戸外での活動に積極的である。

85)グループ活動ではリーダーになる。

86)体育に対する学習意欲がある。

体力に自信を 揩チている。

87)体育意外の学習にも意欲的である。

X1)スポーッ技術が高い。

X2)いろいろなスポーッに興味を示す。

95)体育行事への参加態度が良い。

97)優勝・一位への憧れが強い。

98)負けることが嫌いである。

99)力を十分に発揮することができる。

100)自分の能力に自信を持っている。

108)どんな運動でも器用にこなす。

118)スポーッ後の満足感が高い。

23)運動不足気味である。

健康に自信を 揩チている。

31)両親とのコミュニケーションがよい。

W1)体力に自信を持っている。

W6)体育に対する学習意欲が高い。

122)生活に運動を取り入れている。

小学校体力ないグループ 否定的

33)スポーッ少年団に入っている。

37)体育行事の責任者となることが多い。

45)スポーッ仲間がいる。

82)健康に自信を持っている。

83)たくましい行動力がある。

84)戸外での活動に積極的である。

体力に自信を 揩チている。

86)体育に対する学習意欲がある。

W8)何事にも集中力がある。

X1)スポーッ技術が高い。

92)いろいろなスポーツに興味を示す。

97)優勝・一位への憧れが強い。

98)負けることが嫌いである。

100)自分の能力に自信を持っている。

102)得意のスポーッがある。

114)休み時間はよく運動する。

23)運動不足気味である。

健康に自信を 揩チている。

81)体力に自信を持っている。

W6)体育に対する学習意欲が高い。

P14)休み時間はよく運動する。

122)生活に運動を取り入れている。

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