JAIST Repository: ルイス塩基を用いたチーグラー触媒活性種の立体特異性発現に関する研究
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(2) ルイス塩基を用いたチーグラー触媒活性種の立体特異性発現に関する研究 斎藤 英朗. 1. (寺野研究室). )緒言 塩化マグネシウム担持型チーグラー触媒を用いたプロピレンの重合では、外部ドナーと称するルイス塩基 の添加により、生成ポリマーの立体規則性が向上することが知られている。これまで、工業的および学術的 背景から、活性種の状態や重合機構等についてルイス塩基の作用に基づいた研究が数多く行われてきた。し かし、重合時に起こる活性点の変化等の理由で、未だこれらについて明確にされていない。そこで本研究で は、触媒活性種の立体特異性発現に関してルイス塩基の被毒作用を用いた研究に、活性点の変化及び連鎖 移動反応がほぼ無視できる短時間領域での重合が可能なストップフロー法による速度論的解析を適用した。 具体的には、活性化前後における活性種の状態についての知見を得るため、構造の異なるケイ素化合物を ルイス塩基として用い、重合前に触媒あるいは助触媒と接触させることに起因する立体特異性や重合活性 の変化について、それぞれ検討を加えた。. 2. )実験 ルイス塩基による立体特異性の変化を明確にするため、内部ドナーを含まず比較的立体特異性の低い触媒を 調製した。ルイス塩基としては、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン( )及びアルコキシ基の 数の異なる 種類のメチルエトキシシランを用いた。上記触媒及びルイス塩基を用いたプロピレン重合を ストップフロー法を用いて行った。生成ポリマーの分子量は により、立体規則性は によ り測定した。また、活性点濃度と成長速度定数は、既報 に従い生成ポリマーの収量と分子量から算出した。. CMDMS. 3. 1). GPC. 13C-NMR. 3 )結果と考察 活性化される前の活性種及び活性化された後の活性点 に対する CMDMS の被毒作用を比較するために、触 媒と CMDMS 、あるいは助触媒と CMDMS を 20 分 間接触させた後、プロピレン重合をストップフロー法 (重合時間:0.2 秒程度)を用いて行った。その結果、 助触媒と接触させた後で重合した場合は、CMDMS 量 の増加と共に重合活性は徐々ではあるが直線的に減少 した。ここで、CMDMS/Ti=1.5 における重合活性の 減少は約 20% であり、立体規則性の向上は約 9% で あった。一方、触媒と接触させた後、重合した場合は、 CMDMS/Ti=0.03 でさえ 重合活性は大きく減少し、 前述と同じ CMDMS/Ti=1.5 では、重合活性をほとん ど有しなかった。また CMDMS/Ti=0.1 では、約 10% の立体規則性向上が観察された。このように、助触媒 と反応する前に触媒と CMDMS を接触させた場合に おいても立体特異性の向上が観察されたことから、活 性化される前においても、存在状態の異なる Ti 種が 存在することを確認した。これらの活性種における立 体特異性の違いは、活性種の構造的差異に起因すると 考えられることから、アルコキシ基の数の異なる 種 類のメチルエトキシシランを用い、これについても詳 細な検討を加えた。. 3. <文献>. 1)M. Terano, T. Kataoka and T. Keii, J. Mol. Cat. 56, 203 (1989). keywords. チーグラー触媒、活性種、立体特異性、ルイス塩基、ストップフロー法. Copyright c 1997 by Hideaki Saitou.
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