離散パラメータのマルチンゲールに関する基本定理とその応用
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(2) 序 文 確率論の歴史は,17世紀にPascalとFermatが賭けに関する問題について手紙で議論を 交わしたことに始まると考えられている.その後,1930年代になってからロシアの数学者 Kolmogolovが「確率論の基礎概念」を著し,確率論の堅固な基礎を築いてから,確率論は著 しく進歩した.. さて,今日の確率論の重要な概念の一つに,確率過程がある.確率過程とは,時間とともに. 変化する偶然現象を表わすための数学的概念で,Tをパラメータの集合とするとき,確率変 数の集合{Xt(ω):t∈T}として定義される.ここで, Tが自然数全体の集合Nのような離 散集合の場合,離散パラメータの確率過程という。マルチンゲールとは確率過程の一つで,離 散パラメータの場合,次のように定義される. フィルトレーションを持つ確率空疑(Ω,.7’,{.7;n},一P)上の確率過程X=(Xn:n≧0)が次. の三つの条件を満たすとき,マルチンゲールという.. (1)Xは{鳳}に適合 (2) E(IXn 1) 〈 oo, (n ) O) (3) E[Xn IFn−1] = Xn 一1) a・s・ (n ) 1). マルチンゲールのもともとの意味は,馬具の胸繋(むながい)のことであり,その語源はア. ラビア語である.それがフランスで賭けの用語として用いられていた.これを確率論に導入 したのはJ.Villeである.そして, P.L6vyはこの概念をしばしば利用していたが,系統的な理. 論として確立したのは,アメリカのJ.L.Doobである.この理論は今日の確率論においてきわ めて重要で,多くの応用がある.. 本論文では,離散パラメータのマルチンゲールに関する基本的な定理とその応用について 考察する.. 第1章では,Lebesgue積分論など測度論に関する一般的事項を前提として,本論文を構成 する上で必要となる確率論の基本的事項について述べる.1.1節では,確率空間,確率変数事 象やσ集合体および確率変数の独立性,そして,Borel−Cantelliの定理と直積確率空間につい て述べる.1.2節では,平均値と分散Jensenの不等式など本論文中で使われる不等式,有界 収束定理や単調収束定理などの収束に関する定理と直交射影の定理について述べる.1.3節 では,前節で示した直交射影の定理を用いて,主題であるマルチンゲールの定義に必要な概 念,条件付き期待値の存在を示す.このことを示すのには,Radon−Nik・dYmの定理を用いる のが一般的であるが,本論文では,その道筋を取らず,逆にマルチンゲールの応用として,5 章でRadon−NikodYmの定理を証明する.. 第2章では,マルチンゲールに関する代表的な定理であるDoobの任意停止定理とマルチ ンゲールの収束に関する定理について述べる,これらは,マルチンゲールの理論において極 めて重要な定理である.2.1節,2.2節では,それぞれマルチンゲール,可予測過程の定義をす る.2.3節では,停止時間,停止過程の定義をして,停止過程に関する定理について述べる.2.4. 節では,前節で述べた停止過程に関する定理を基に,Doobの任意停止定理を示す.最後の2.5 節では,マルチンゲールの収束に関するDoobの前進収束定理について述べる.. 1.
(3) 第3章では,L2において有界なマルチンゲールに関する定理, Kolmogolovの3級数定理 と大数の強法則について述べる.3.1節では,L2マルチンゲールがL2において有界となる ための必要十分条件を示す.そして,独立確率変数XnのΣ. XnとΣ. Var(Xn)の収束 について考察する.3.2節では,前節の結果を基に,Kolmogolovの3級数定理を示す.3.3節 では,Cesaroの補題Kroneckerの補題などいくつかの補題を準備した後,これらを用いて Kolmogolovの大数の強法則を証明する.このことから公正なコインを投げたとき,表あるい は裏が出た回数を投げた回数で割った相対度数が,投げる回数を多くすると圭に近づくとい う私たちが経験的に知っている事実を説明することができる.. 第4章では,マルチンゲールと一様可積分性が結びつくときに示す特徴的な性質について 考察する.4.1節では,まず一様可積分性の定義をする.そして,どのような条件を満たす確 率変数の集合が,一様可積分になるか考察する.さらに,有界収束定理が,概収束より弱い確 率収束という仮定のもとで成り立つことを示す.最後に,確率変数列がが収束するための 必要十分条件を示す.4.2節では,一様可積分マルチンゲールに関する定理について述べる. 4.3節では,前節の定理を用いて,L6vyの上向き定理と下向き定理を示す.4.4節では, Doob. のサブマルチンゲール不等式,Kolmogolovの不等式, DoobのLP不等式を示す.最後に4.5 節では,角谷の定理について述べる.この定理から,ある条件の下で二つの確率測度Pと(? が同値になるための必要十分条件が分かる.. 第5章では,今までに述べた定理を用いて,本論文の主題であるマルチンゲールの応用に ついて考察する.5。1節では,Kolmogolovの0−1法則と既に3.3節で示した大数の強法則を マルチンゲール性を用いて証明する.さらに続く5.2節では,Radon−NikodYmの定理をマル チンゲール性を用いて証明する.5.3節では,最適停止問題5.4節では,最良選択問題をマ ルチンゲールの理論を用いて考察する.なお,この2節は,京都大学教授渡辺信三先生が 1997年7月,兵庫教育大学大学院において集中講義をされた時の内容に基づくものである. 最後に5.5節では,2.4節で述べたDoobの任意停止定理をパターンに関する問題に応用す る..ここで,パターンとは,あらかじめ与えられた文字列のことで,待ち時間とは,パターン が最初に現れるまでに要する時間のことである.そして,A,B,C,...,X,Y,Zの26文字がラン. ダムに現れるとき,11文字のパターンABRACADABRAが現れるまでの待ち時間Tの平均 がE(T)=2611十264十26となることを導く.. 最後に,2年間に渡り熱心にご指導いただきました兵庫教育大学大学院数学教室藤原司 先生に心より感謝いたします.. また,今回の研究の機会を与えていただきました大阪府教育委員会,そして,大阪府立農芸 高等学校校長北川賢一先生をはじめ職員の皆様に厚くお礼申し上げます.. 11.
(4) 目次 確率論の基本概念. 1. 1.1. 確率空間と確率変数 一一,.. 1. !.2. 平均値........... 10. 1.3. 条件付き期待値とその性質. ... 16. 第1章. 22. 第2章 マルチンゲール マルチンゲールー一.. 2.2. 可予測過程 t一.一一.. 2.3. 停止時間と停止過程 . .. 2.4. Doobの任意停止定理. . .. .. 2.5. 収束定理......... .. 31. L2において有界なマルチンゲール L2において有界なマルチンゲール. 34. 第3章. .. 22. 2.1. 24. .. .. . .. 25. 27. Kolmogolovの3級数定理 .... Kolmogolovの大数の強法則.... 34 38 41. 一様可積分マルチンゲール. 47. 4.1. ー様可積分性....,一一...... 47. 4.2. 一様可積分マルチンゲール..... 53. 4.3. L6vyの上向き定理と下向き定理. Doobのサブマルチンゲール不等式. ・54. 3.1. 3.2 3.3. 第4章. 4.4 4.5. 56. 角谷の定理 ..........,.. 60. マルチンゲールの応用. 66. 5.1. Kolmogolovの04法則と大数の強法則. 66. 5.2. Radon一 Niko dYmの定理....... 68. 5.3. 最適停止問題............ 72. 5.4. 最良選択問題............ 76. ABRACADABRA. 78. 第5章. 5.5. 83. 参考文献. 111.
(5) 第1章確率論の基本概念 この章では,本論文を構成する上で必要となる確率論の基本的事項について述べる.その 際,Lebesgue積分論など測度論に関する一般的事項を前提としている.これらについては,参 考文献圖に述べられている.最初に1.1節では,確率空間,確率変数,独立性などの定義を述 べる.次に1.2節では,平均値と分散,Jensenの不等式など平均値に関する不等式,有界収束 定理や単調収束定理などの収束に関する定理について述べる.最後に1.3節で,条件付き期待 値とその性質について述べる,これは主題のマルチンゲールを定義するときに必要な概念で あり,その存在については,直交射影の定理を用いて証明する.. 1.1 確率空間と確率変数 Ωをある集合とする.Ωの部分集合族∫で,次の条件を満たすものをσ集合体という. (1)Ω∈∫. (2)F∈∫ なら 一FC∈.7’. (3)4∈F(ゴー1,2,…)なら UF,∈・1’. ゴニ1. Ωの部分集合全体フ)(Ω)はσ集合体である.また,9⊂∫であるσ集合体gを∫の部 分σ集合体という. 定義(可測空間). 集合Ωとそのσ集合体∫の組(Ω,.7’)を可測空間,∫の要素を可測集合という.. CをΩの部分集合族とする.このとき,Cを含む最小のσ集合体をCによって生成され るσ集合体といい,σ(C)と表わす.σ(のはCを含む全てのσ集合体の共通部分である.す なわち σ(の=∩{f:C⊂∫⊂P(Ω),アはσ集合体}.. 定義(Borel集合体). Rdの開集合全体を0(Rd)で表わす。0(Rd)を含む最小のσ集合体をBorel集合体とい い,B(Rd)と書く.B(RCI)の元をBorel集合という.d=!のとき,B(R)を簡単に3と書く.. Borel集合体は最も重要なσ集合体であるが,非常に複雑で分かりにくい.そこで,次の補 題を用意する.. 1.
(6) 2. 1.確率論の基本概念. 補題1.1. π(R)={(一〇Q,x]:x∈R}とする.このとき, B = a(T (R)). となる.. [証明]任意のx∈Rに対し (一・・,・]一1「(一。。,。+!). n=1 と書けるので,π(R)⊂Bとなる.ゆえに, ・(・(R))⊂3.. Rの開集合は互いに交わらない高々可算個の開区間の和として書けるので,a<うである. 任意のa,b∈Rに対し (・,b)∈σ(π(R)). となることを示せばよい. (a, b)は,ε=2−1(b一α)として. 一. (a, 6)一u(・,b一三]. n=1 と書ける.そして,秘〉αである任意のπに対し (a, tL] = (一eq u] n (一co)a]c∈σ(π(R)). だから,(a,b)∈σ(π(R))となる.ゆえに,補題は証明された.. □. π(R)は次のような性質を持っている。 1,,12∈π(R) ならば Il∩12∈π(R). 一般に,ある集合Sの部分集合族:τが 11,12∈:τならばIl∩12∈:τ という性質を持つときS上のπ一システムという.次に,測度と確率の定義をする. 定義(測度). (Ω,.JZ’)を可測空間とする.∫上の集合関数一Pが. (1)各F∈∫に対しP(F)≧0.
(7) 3. 1.確率論の基本概念. (2)取∫(ブー1,2,…照∩4一の尉ならP(UF,)一ΣP(F,) ゴ=1. 」=1. を満たすとき測度という. 定義(確率). P(Ω)=1の測度を確率測度または単に確率という。このとき(Ω,f, P)を確率空間,Ωを. 標本空間,∫の要素を事象と呼ぶ.. 公正なさいころを1個投げるという試行の確率空間は次のようになる. [確率空間の例]. Ω={1,2,3,4,5,6},∫=7(Ω)(Ωの部分集合全体)とする.このとき,. F∈・・’に対し一一ギ(#F・lik・Fの要素の醐 と定義すると,(Ω,∫,P)は確率空間である,. 補題1.2:τをS上のπ一システム,Σ=σ(Z)とする.そしてμ1,μ2をμ1(S)=μ2(S)〈・・. であるような(S,Σ)上の測度とする.このとき,. :τ上でμ1=μ2ならば Σ上でμ1=μ2 となる.. 証明は参考文献[2}のp.193∼p.195に述べられている.. 補題1.2よりπ一システム上で一致する二つの確率は,そのπ一システムによって生成される. σ集合体上で一致することが分かる. 次に,確率変数の定義をする. (Ω,.JZ’)を可測空間とする.関数∫:Ω→Rが任意の一B∈Bに対し, f−i(B) = {tu E S) : f(w) E B} E 」e. となるとき,,lit’一可測であるという.Ω上のの可測関数全体をmf,非負のf一可測関数全体 を(mf)+,有界な.7’一可測関数全体をb.1と書く.. 特に,(R,B(R))のときfがB(R)一可測なら,fをBorel関数という. 定義(確率変数). 確率空間(Ω,.1’,P)上で定義された.7’一可測関数Xを確率変数という.すなわち,任意の. .B∈Bに対し X−i(B) = {tu E S2 : X(cv) G B} E ・1’. となることである.そして,(Ω,.1’,一P)上の確率変数X,yrについて P({w : X(w) = Y(Ld)}) = 1.
(8) 4. 1.確率論の基本概念. であるとき,XとYはほとんど確実に等しいといい, X= Y, a.s. と書く.また,σ(X)を次のように定義する. a(X) = a({w : X(Lo) E B} : B E B).. 一般に,確率変数X1,X2,...に対し a(X. :nE N) =a({tu : X.(w) E B} :nE N,BE B). と定義する.. 今,一B∈3に対しμ(B)=P(X∈一B)=P({ω:X(ω)∈一B})と定義すると,μは(R,B)上. の確率になる.このμをXの分布という.特に,B=(一。Q,α]の場合P(X∈B)=P(X≦a) となる.一F(a)=一P(X≦のとおきF(α)をXの分布関数という.Xl,X2,...が全て同じ分 布を持つとき,同一分布の確率変数という. 次に,独立性について述べる.最初に,事象の独立性を定義する. 定義(事象の独立性). 有限個の事象列El,一E2,...,Enが独立とは,任意のm≦nと1≦i、<i2<…<砺≦n に対し. れ. P(E・,・n・Ei、∩…Ei。)一Hp(Ei、). ゴ=1 が成り立つことである. さらに,無限個の事象列E1,一E2,...が独立とは,任意のnに対し,一El,一E2,...,一Enが独立. であることである.. 定義(σ集合体の独立性・確率変数の独立性). .7’の部分σ集合体9i,92,...,9nが独立とは,任意のm≦nと1≦i1<i2<…<im≦n に対し P(Gi, n Gi, n…n Gi.)==Hp(㊧. k=1 が成り立つことである.ここで,研kは9ik(1≦k≦m)の任意の要素である. さらに,無限個のσ集合体9i,92,_が独立とは,任意のnに対し, g1,g2,...,9nが独立 であることである.そして,確率変数X1,X2,_が独立とは,σ集合体σ(X1),σ(X2),_が. 独立であることである. 次に,事象の極限を定義して,それらに関する定理について述べる.. 定義 En(n=1,2,_)を事象列とする.このとき. (En,¢…)一lim・up・En一∩UEn n→oOk= 1n=k.
(9) 5. 1.石錘論の基本概念. (E・,・・v・)=1聡虫凪=U∩En k=1n=k と定義する.. 定理1.3(Borel−Cantelliの定理). (a)(第一定理)(En:n≧1)を事象列とする.このとき,. Σ欄く・・ならばP(1i糊両一P(E・・ i…)一・ となる.. (b)(第二定理)(一En:n≧1)を独立な事象列とする.このとき,. ΣP(昨・・ならばP(1鴨両一P(E・, i・o・)一1 となる.. [証明]. (a)各kに対し,(五=U E。とおくと π=ん. ・≦P(lim・up勾≦P(σ・)≦ΣP(En) n→Oo. 冗=た. が成り立つ.ここでk→。Qとすると P(1i罵p勾一・ を得る. くンつ. (b)(1i糊P勾。−9鮮であり,E・,E・,…が独立よりEf,ES,…も独立となる・ また,x≧0のとき1−x≦exp(一x)だから,r≧kのとき ゼ. ア. ア. ア. P(∩殉一Hp(E£)一H{・一P(E・)}≦exp{一ΣP(E・)}. n=k. nニた. n=鳶. nニk. となる.ここでr→OQとすると P(∩E£)≦・・p{一ΣP(E・)}一・ ηニた. π=ん. となる.従って,. P(∪∩E9)一興P(∩罵)一・・ k=17L=k. η=k.
(10) 6. 1.確率論の基本概念 ゆえに,. P(li罵P勾一1・. D 最後に,直積確率空間について述べる,そのためには,次の定理が必要である.. 定理1.4(Carath60doryの拡張定理)3をΩ上の有限加法的集合体, gを3上で定義 され,次の三つの条件を満たす有限加法的測度とする.. (1)任意のA∈3に対し,g(A)≧0 (2) ([?(Ω)= 1. (3)An∈言(n=1,2,一一.), Ai∩Aゴ=の(i≠のに対し,. UAn∈3ならば 9(UA・)一ΣQ(An) n=1. n=1. n=1. このとき,(?はσ(&)上の確率に一意的に拡張される.すなわち,.4∈3に対しP(A)=. g(A)となる確率Pが一意的に存在する. 条件(3)は,次の条件と同値である.. (4)An∈3 (n=1,2,...)を減少列,すなわち, Al⊃A2⊃…⊃An⊃An+1⊃…とする. このとき,. lim 9(An)〉・ならば∩An≠の・ n→QO. n=1. この定理の証明は,参考文献[7]のp.36∼p.41に述べられている. 確率空間(Ωゴ,Fj,一Pj),」=1,2,_,nに対し,. れ. Ω一:HΩゴー{(ω・,ω・,…,ωn)・ω」∈Ω・,ブー・,2,…,n},. ゴ=㌦. 9一{r14・4∈ろ,ブー・,2,…,n} ゴ=1. と定義し,9の互いに素な要素の有限和として表わされる集合全体を3とする.9の要素 れ. llF」に対し, ゴニ1. れ. れ. 9(H勾一H」P」(F」) ゴ=1. ゴニ1.
(11) 7. 1.確率論の基本概念 ガ れ. と定義し,9の要素F−UII■,’)に対し, 仁1ゴ=1 ど れ. ど. れ. Q(F)一e(uH巧の)一Σ1]1.p,(巧ぎ)) i=1」=1. i=lj=1. と定義すると,(?(F)はFの表わし方に関係しない.従って,([?は言上の有限加法的測度に なる.定義より,g(Ω)=1, g(F)≧0(F∈3)となり,([?は定理1.4の条件(1),(2)を満た. す,さらに,gが(3)を満たすことを示せばσ(3)上の確率Pに一意的に拡張できる. σ(3)をfi,F2,一一,一,鑑の直積σ集合体, Pを一P1,一P2,...,Pnの直積確率測度といい,それ れ. れ. れ. れ. れ. それHろ,rI乃と表わし,(IIΩゴ,rI∫},H乃)を確率空間(Ω・み恥一1,2,…,n j=1. 」ニ1. ゴ=1. 」=1. 」ニ1. ハ のn次元直積確率空間といい,rl(S)ゴ,. .JEI」,乃)と書く.. ゴ=1. さて,Qが条件(3)を満たすことを示そう. [証明]gが同値な条件(4)を満たすことを示す. 減少列.出∈3 (k=1,2,_)に対し量義Q(Ak)≧εo>0と仮定する. れ. れ. Ω光一rlΩ・,9L一{fi F」・4∈ろ,ゴーk+・1,…,n}(k一・,2,…1・一1) ゴ=た十1. 」=鳶十1. と定義して,蹴を彰の互いに素な要素の有限和として表わされる集合全体とする.そして, れ. れ. qk(II4)一HP」(4). 」=k十1. 」=k十1. と定義すると,(姦は蹴上の有限加法的測度になる。 且⊂Ωに対し, A(ω、,_,ω、)={(ω・+、,...,ω。)∈Ω侮・(ω・,_,ωk,ωk+、,_,ω。)∈A}. と定義すると,A(ω1,_,ωk)は砿の部分集合となる.この集合をAの@1,...,Wk)によ る切口という.A∈∫のとき,A(ω1,_,COk)∈蹴となる.さらに, A⊂B×Ω2×・×Ωπか つ,任意のω1∈一Bに対し91(A(ω1))≦Cならば (∼(A)≦cPi(B). (*). となる.. B・ ={ω・∈Ω・・Q1(A(ω・))≧智}. とすると,一Bk∈∫1であり,Ak(k=1,2,_)は減少列だから,塩(ω1),一疏も減少列である. また,. Ak=Ω、×Ω2×…×Ω。∩Ak⊂(Bk×Ω2×…×Ω。)U〔(B£×Ω2×…×Ω。)∩出].
(12) 8. 1.確率論の基本概念 だから,(*)より. 9(A・)<P・(Bk)+{1−P・(Bk)}智一(1智)P・(B・)+智・. k→OQとすると ・・≦(ト塾. 2)P・(∩Bの+智. k=1. となり減∩四三を得る・よって,∩解のとなる・ k= 1. k=1. そこで,∩一疏∋di1を任意に固定すると,出@1)∈徴(k=1,2,...)は減少列で,. kニ1. 訊91(毒@・))≧智>o となる・従って,Ωi・襯1を蹄9身を・・と考え,Ak(@・))につv・て,今と同じ論を 用いると qs((ん@・))@・))≧穿(k−1,2・…). を満たす砺∈Ω2をとることができる.また,(Aん@、))@2)=毒@1,02)となる.以下,同じ. 論法を繰り返し,. ε0, din−i))≧ 9夷.、(Ak(dii, (k=1,2,...) di2)…. 2n−1. (**). となる軌∈Stk (k=1,_,n−1)をとることができる.(?A_1=Pnで、航@1ゆ2,...,砺_1). は減少列だから,(**)においてk→Ooとすると 瑞(∩晒・,ゆ・,…,din.・))≧券. k=1 となる・よって,∩A・@・,・・)・,…,din一・)≠のを得る・din∈∩Ak@・,clb、,_,di。一、)に対し k=1. kニ1. て,@1,_,軌一1din)∈Ak(k=1,2,...)であり,∩、傷≠のとなる.ゆえに,条件(4)が成り. んニユ. 立つことが示された.. ロ. 次に,可算個の確率空間(Ωゴ,Fj,」Pj),」=1,2,_の直積について考える. Ω一H:Ω、一{(ω・,ω、,_)・L・)」∈Ωゴ,ゴー・,2,_},. 」∈N (Ω(n),JF’(n),一P(n))=1][(Ωゴ,ろ鳥). 」=1.
(13) 9. 1.確率論の基本概念. と定義する.さらに,写像πパΩ→Ω回を π。(ω、,ω2,_,ω。,_)=(ω、,ω2,_,ωn). と定義し,Bn={π汀1(F):一F∈∫@)}とおくと,£8。は, Bn⊂職+1であるΩ上のσ集合 体になる,. 3−U職一{π汀1(F)・F∈∫(n),n−1,2,…}. n=1 とおくと,害はΩ上の有限加法的集合体になる.{亨上でQを A=πガ(An)のとき g(A)=P(n)(An). (***). と定義すると,([?は,Aの表わし方によらない.なぜなら,A=婿1(An)=πr1(Ai)(1くn) とすると, く. れ. A−An×H:Ωゴー且xHΩゴよりA。 一 Al×rI:Ωゴ 」=n十1. 」=Z十1. 」=」十1. となり ハキご. れ. ゴ=1. ゴニ1. れキぼ. rl年(rl P」)×(rB)よりP(n)(A・)一P(’)(A・) 」=n十1. であることが分かる.従って,gは言上の有限加法的測度になる. さて,(***)で定義したqはg(Ω)=1,(?(A)≧0(A∈{勢となり,Carath60dory の拡張定理の条件(1),(2)を満たす.さらに,n次元直積確率空間のときと同じ論法によっ て,条件(4)を満たすことが示せる.従って,(?はσ(3)上の確率Pに一意的に拡張でき る.σ({il)を名,」ろ,...の無限次元直積σ集合体, PをPl,一P2,_の無限次元直積確率. 測度といい,それぞれHfn, H恥書く・そして,(HΩ・, rI鑑, H勾を榊空間 れ. れ. れ. れ. れ. (Ω冗,鑑,Pn), n=1,2,_の無限次元直積確率空間といい, H(Ωη,鑑,一Pn)と書く.. n∈N [直積確率空間の例]. 公正なコインをn回投げるという試行の確率空間(Ω,∫,P)は次のようになる. 表を1,裏を0として,(Ωゴ,∫},Pj)(」=1,2,...,n)を. 1. Ωゴー{0,1}謁一叩の,P」({0})一P」({1})一E. の確率空間とする.このとき,. ハ. (Ω,・1’,P)一H(ΩゴみP」). ゴ=1 である.さらに,. (Ω,zp)=rl(Ωゴ,ろ,鳥). j∈N と定義すると,(Ω,.Ji’, P)は公正なコインを無限回投げるという試行の確率空間になる..
(14) 1.確率論の基本概念. 10. 1.2 平均値 確率空間(Ω,∫,P)上の確率変数Xが f, IXIdP 〈 cx). であるとき,Xは可積分であるといい, X∈L1=Ll(Ω,∫, P)と書く.ここでの積分は,. Lebesgue積分であり,以後本論文中の積分は全てLebesgue積分とする.一般に1≦p<○。 のとき,X∈LP=び(Ω,∫, P)とは f, IXI”dP 〈 oo. であることである.ただし,LPにおいてX=Y,α.s.であるXとYは同じものであるとみ なす.そして,このとき. IIXII・一(f.ix吻圭. と定義すると,llXllpはLP上のノルムになり,LPはこのノルムに関して完備である. 定義(平均値) x∈Ll(Ω,」「, P)である確率変数に対し,. E(X)=f.XdP. をXの平均値または期待値という.. そして,F∈∫に対し E(Xi F) = f. XdP = f. XIFdP = E(Xfp). と定義する.. 定義(共分散・分散). X,Y∈L2,μx=E(X),μy=E(Y)とする.このとき Cov(X, Y) = E[(X 一 pax)(Y 一 pty)]. をXとYの共分散といい, Var(一x)=珂(x一μx)2]. をXの分散という. XとYが独立な確率変数のとき,次の定理が成り立つ.証明は参考文献[2]のP.71に述べ られている..
(15) 11. 1.確率論の基本概念. 定理1.5 X,Yを独立でX, Y∈びである確率変数とする.このときXY∈がで, E(XY) 一 E(X)E(Y) となる.特に,X,Y∈∠:2のとき Cov(X, Y) = O, Var(X + Y) =: Var(X) + Var(Y). となる,. 次の不等式は,本論文でよく使われるものである.証明は参考文献[2]のp.61に述べられ ている.. 定理1.6(Jensenの不等式)GはRの開区間, c:G→Rは凸関数とする.そして,. 確率変数Xは E(IXI) 〈 oo, P(X E G) == 1, E(lc(X)1) 〈 cx). を満たすとする.このとき, E(c(X)) 2 c(E(X)). c. となる.. Jensenの不等式以外に本論文で使われる不等式には,次のものがある. 定理1.7 (a)(H61derの不等式)p, qをp>1, p−i+g−1=1を満たす実数, f∈LP(S,Σ,μ), g∈ Lq(s,Σ,μ)とする.このとき,fg∈£1(s,Σ,μ)で. μ(げgl)≦ll/llpllgllq が成り立つ. (b)(Schwarzの不等式)!, g∈L2(S,Σ,μ)ならfg∈£1で μ(げgl)≦11fll、ilgll、. が成り立つ.. (c)(CebySevの不等式)f∈L(S,Σ,μ)とする.任意の。>0に対し ps({sES : lf(s)1>c}) :E{ ll f. lfldpa. が成り立つ..
(16) 12. 1.確率論の基本概念. (注意)ここで,(鞠は一獅り度空間,μ(lfl)一f。 lfldu,11fU・一{f. lfl・du};で ある.. [証明](b)は(a)において,p=q=2の場合である.(c)の不等式が成り立つことも容易に 分かる.(a)のみを証明する.. (a)f,g≧0, pa(fP)>0の場合について証明すればよい. A∈Σに対し pa (f” 1 A). P(A) 一 pa(fp). と定義すると,Pは(S,Σ)上の確率になる.そこで. ・・(・)一{苛:1::に1;. とおき,定理1.6Jensenの不等式を使うと. (か♂P)q≦か・4P となる.よって, ,tL(lfgD s{ 11fllpllgllq. を得る.. □. H61derの不等式より次のことが分かる. 系1.8(ノルムの単調性). 1≦p≦qとする.このとき,X∈Lq(S,Σ,μ)ならX∈. LP(s,Σ,μ)で,. llx1し≦llXIIα が成り立つ.. [証明]μ(S)=1の場合について証明すれば十分である.r=!としてY=IXIPとおくと, p r>1でIXIq=Y「となる. H61derの不等式より E(IYI) 一 E(Y ・ i) S {E(IYI’)}+{E(i)} !・ (} + i 一 i). となり,llXllp≦11XIIqを得る.. □.
(17) 1.確率論の基本概念. 13. X,Y∈L2に対し 〈X,Y>=:E(XY). と定義する.〈X,y>=0のときXとYは直交するといい, X⊥yFと書く.次の定理が成り 立つことは容易に分かる.. 定理1.9(Pythagorasの定理)X, Y∈£2とする. 〈X,Y>=0 ならば 11X+Ylll=llXlll→.11YHl となる.. 次に,確率変数の収束についてまとめる.確率変数列(Xn:n≧0)を簡単に(Xn)と書く.. また,0≦Xl≦X2≦…である確率変数列を0≦Xn↑と書く.さらに,この確率変数列が Xに収束しているとき,0≦Xn↑Xと書く. 定義(概収束・確率収束・LP収束) (X。),Xをそれぞれ(Ω,∫,P)上の確率変数列,確率変数とする. P({tu : ”lili[.!一 X.(w) = X(w)}) = 1. n一+oo であるとき,(Xn)はXに概収束するといい, Xn 一〉 X, a.s. と書く.. 任意のε>0に対し P(IX. 一Xl 〉 6) 一一一〉 O (n 一一一〉 oo). であるとき,(Xn)はXに確率収束するといい,. X. 一. Xinpr. と書く.. p≧1とする.各ηについてX。∈ぴ,X∈LPで, E(IXn 一 XIP) . O (n “h一〉 oo). であるとき,(Xn)はXにしP収束するといい,. Xn→Xinぴ と書く..
(18) 14. 1.確率論の基本概念. 次に,第2章以降でよく用いられるいくつかの収束に関する定理について述べる.証明は 参考文献[2]のp.52∼p.55に述べられている.. 定理1.10 以下の定理において,(Xn)はXに概収束しているとする. (a)(単調収束定理)0≦Xn↑X ならば E(Xn)↑E(X). (b)(Fat ouの補題)Xn≧0ならば E(X)≦lim inf.E(X。).. n−oo (c)(逆Fatouの補題)Xn≧0で,ある確率変数y’∈がが存在し,任意のnとωに対し Xn(ω)≦Y(ω)であるとする.このとき,E(X)≧lim sup−E(X。).. n−oo (d)(Scheff6の補題)X, Xn≧0とする.このとき,E(Xn)→E(X)となるための必要 十分条件はE(IX。 一 XD→0となることである. (e)(Lebesgueの収束定理)Y∈L1(Ω,f, P)+が存在し,任意のnとωに対し IX.(w)1 :f{ Y(w). が成り立つとき,E(X。)→E(X)... (f)(有界収束定理)ある定数K>0が存在し,任意のnとωに対し IX.(w)1 s{ K が成り立つとき,E(X。)→E(X).. 最後に,次の節で条件付き期待値の存在を示すのに必要となる直交射影の定理を証明する.. 定理1.11(直交射影の定理) κをL2の完備な部分ベクトル空間とする.このとき x∈L2に対し,次の条件を満たすγ∈κが存在する. (1) IIX−Y112= inf{llX−W112 : W E KJ}. (2) 〈X−Y,Z>==O (ZErc). このYをXのκへの直交射影という.このようなYは,次の意味で一意的である. すなわち,Yが上の二つの条件を満たせばy=y’,α.s.である.. [証明]d=inf{llx−WI12:w∈κ}とおく.各nに対し 1. 11X 一 Yn l12 〈 d+ ’:. となるYn∈κが存在し, llx−Y。112→d(n→・Q)である. llX 一 Yr l13 + llX 一 Ys l13 = 211X 一 ;1(Yr + Ys)l13 + 211 1:(Yr 一 Ys)113.
(19) 1.確率論の基本概念. 15. が成り立ち,去(Yr+Ys)∈κより IIX 一 g(Y, + Y.)113 ) d2. となる.よって, sup U Y. 一 Y, 112 一一一〉 O (k 一 oo).. r,s2k. ゆえに,(Yn)はCauchy列である.κは完備なのでY∈κが存在し II Yn 一 YII2 一一〉 O (n 一 (x) ).. そして,llX−Y112≦llX−Yn112十llYn一 YI【2より 11X 一 Y112 == d を得る.. 任意のZ∈1C,t∈Rに対し, y+tz∈κより 11X 一 Y一 tZII3 }ii ilX 一 Y113. となる.よって,. 一2t〈Z,X−y>一トt211Zll舅≧0.. これが任意のt∈Rに対して成り立つことより くz,x一 y) 一〇 を得る.. D.
(20) 1.確率論の基本概念. 16. 1.3 条件付き期待値とその性質 定理1.12 (Ω,∫,P)を確率空間, XをE(IXI)<○○である確率変数,9を∫の部分σ. 集合体とする.このとき,次の条件を満たす確率変数yが唯一つ存在する. (1) Yは9一可測 (2) E(IYI) 〈 oo. (3) f.YdP=f.XdP (GEg). このYのことを9が与えられた時のXの条件付き期待値または条件付き平均値といい, Y=E[X19],α.s.と書く.ここで唯一つとは, Yも(1),(2),(3)を満たせば一P(Y=Y)=1. という意味である.. (注意)原則として,条件付き期待値をE[X19]と書くが, E[E[XI9]IH]など[]が重なる場 合などは,E[E(X19)IH]と書く. [証呪. (第1段)一意性の証明. X∈がに対し,Y = E[X19],α.s., Y=E[X19],α.s.が存在したとすると,P(Y=Y)=1. であることを示せばよい.. 任意のG∈9に対し E(Y−YIG)=O. 一P(y・・yり≠1と仮定すると,. 一P(Y>Y)>0 または P(Y<Y)>0 である.. 一P(Y>Y)>0のとき{Y>Y十n−1}↑{Y>Y}だから,一P(Y>Y十ηδ1)>0となる no∈Nが存在する.ところで, Y, Yは9一可測なので,{Y−Y> n,”i}∈9である.よって, E(y 一 Y”; {y 一 ]Pr 〉 n,一’}) 〉一 n,一iP(Y 一 S7 〉 n,一i) 〉 o.. これは矛盾である.一P(Y〈Y)>0からも同様に矛盾が導かれる.ゆえに,P(y’=・ Y)=1で ある.. (第2段)X∈L2に対し, E[Xlg]が存在することを示す. κ=L2(9)=L2(Ω,9,P)とする.κはし2ノルムに関して完備であるから,直交射影の定 理より,. 任意のZ∈L2(9)に対し 〈X−Y,Z>=0 となるy∈κ=L2(9)が存在する. G∈9ならZ=ゐ∈L2(9)だから, E(Yl G) == E(XI G).
(21) 17. 1.確率論の基本概念 が成り立つ.ゆえに,Y=E[X19],α.s.である.. (第3段)X∈£iに対し,E[X 19]が存在することを示す.. X=X+一X一,X+=max(X,0), X一=min←X,0)と分解できるので, X∈(L1)+に 対するE[X19]の存在を示せばよい.. X∈(L1)+とする. Xn=min(X, n)と定義すると,0≦Xn↑XでXnは有界であるので, Xn∈L2(n=1,2,_)となる.よって,第2段により,Yn=E[X。 I g], a.s.が存在し. OE{ Y. T, a.s. (*) (*)が成り立つ.いま(*)を認め,Y@)=lim sup臨(ω)とおくとY∈m9, Yn↑Y,α.s.で ある.そして,. 7L騨→oo. E(Yn;G)=E(Xn;の (G∈9). となり,単調収束定理により E(YI G) =E(X; G) (G E 9). が成り立つ.従って,Y=E[XI9],α.s.が存在する. (第4段)(*)の証明.. U≧0で有界な確率変数σに対して,E[Ulg]≧0, a.s.であることを示せばよい. W= E[uig]とする.もしP(W<0)>0であるとすると, G={Mi〈一n,一i}E9, P(G)>O. となるnoが存在する.ところが, OS E(U; G) = E(W; G) 〈 一n,一iP(G) 〈o. となる.これは矛盾である.よって,(*)が示された.. □.
(22) 18. 1.確率論の基本概念 次に,条件付き期待値の性質をまとめる.. 定理1.13(条件付き期待値の性質)XをE(IXI)<Ooである確率変数,9,冗を∫の部 分σ集合体とする,このとき,次のことが成り立つ. (a)y=E[xig],α.s.ならば, E(y)=E(X) (b)Xがg一可測ならば, 一E[Xlg]=X,α.s. (C)α1,α2を定数とする.このとき, E[α、X、+a、X、19]=α、E[X、19]+α2珂X、lg],α.・.. (d)X≧0 ならば,E[Xlg]≧0,α.s. (e)0≦Xn‡X ならば, E[Xnlg]↑E[Xlg],α.s. (f)Xn≧0 ならば, E[lim inf X。 1 9]≦liminfE[Xn 19],α.s. れ. れ. (g)1Xn@)1≦V(ω)(n=1,2,_), E(V)<○○,そして, Xn→X,α.s.とする.この とき,. E[x。lg]→E[Xlg],α.s.. (h)c:R→Rが凸関数で,Elc(X)1<○○ならば, E[C(X)lg]≧C(E[Xlg]),・.5.. (i)冗が9の部分σ集合体ならば, 一E[E(Xlg)IH]=珂XI7−t],α.5.. (j)Zが9一可測で有界ならば, E[ZXIg]=Z珂一Xlg],α.5.. (*). p,qをp>1,p−1+グ1=1を満たす実数とし, X∈LP(Ω,.7’, P), Z∈Lq(Ω,9,P)とする.. このとき,(*)は成り立つ.また,X∈(mJZ’)+, Z∈(m9)+でE(X)<oO,E(zx)<○○ のときも(*)は成り立つ. (k)Hがσ(σ(X),g)と独立ならば, E[Xlσ(9,U)]=E[X19],α.s.. 特に,XがUと独立ならば,珂X17司=一E(X),α.s.. [証明]. (a)Ω∈gだからE(Y;Ω)=E(X;Ω)となることから分かる. (b)定義より明らか..
(23) 19. 1.確率論の基本概念 (c)臨=E[Xlg],α.s.(k=1,2)とおくと,任意のG∈gに対し E(ai Yi + a2Y2;G) == E(aiXi + a2×2;G).. ゆえに,α1 Yl + a2Y2=E[αiX1 + a2×219],α.s.となることより分かる。. (d)定理1.12の第4段で示した. (e)定理1.12の第3段で示した.. (f)X湾一蕊&とおくと,0≦XX≦X・(姥た)であるから(d)より, 一E [XX 19] S E[X. 19] (n ) k).. ゆえに,. .E[XXlg]≦諺乱酔x引g]. となる.0≦X濤↑であるから,条件付き期待値に関する単調収束定理(e)を使うと E[lim inf X. 19] S lim inf E[X.1g], a.s.. n−oo n−oo を得る.. (9)iXn 1≦Vより. V十 Xn 20, V m Xn )O; それぞれに(f)を適用すると E[lim inf(V 十 X.)19] S lim inf E[V 十 X. 19]. n一“oo n−oo E[V19] 十 E[ liM Xn 19] S E[V19] 十 liM inf E[Xn 19]. n−oo n−oo となり,. E[Xlg] S lim inf E[X. 19]. (1.1) n−oo 珂lim inf(V−Xn)19]≦1im inf E[V−Xn【9]. n−oo n−oo E[V19] 一 E[ lim X.igl g E[V19] 一 lim sup E[X. t9]. n一+oo. n−oo. となり,. limsupE[X.19]SE[X’19] (1.2) n−oo.
(24) 20. 1.確率論の基本概念 を得る.(1.1),(1.2>より. E[X19]≦1im inf E[Xn 19]≦lim sup E[Xn 19]≦E[X 19].. n→OQ. n→○○. ゆえに,E[Xn19]→E[XI9], a.s.となる.. (h)c(x)は凸関数なので,実数列(αn),(bn)が存在して. c(x)=sup(anX十bn) (x∈R) π と書ける.各nに対し。(X)≧α.X+bnだから,(d)より 珂C(X)19]≧α。E[Xlg]+b。,α.S. ゆえに, 五1[c(x)1⊆7]≧sup(α.E[x 19]十bn)=c(E[x 19]),α.s.. π (i)y『== E[x19],α.s. z=一E[y19], a.s.とおく.冗⊂9なので任意のH∈%に対し. E(z;∬)=E(Y;H)=E(x;H) となる.よって,Z=.E[X17−t],α.s.よりE[E(X19)17−t]=E[X【7t], a.s.を得る.. (j)Zは有界なのでE(ZX)<○。となりE[ZXIg]は存在する.線形性によりX≧0と仮 定してよい.Y=E[X19]を任意に固定するとき, E(zx;G)=E(zy;G) (G∈9). (***). が成り立つことを示せばよい.. Z=IG’(Gt∈9)のとき E(」σ’XIG)=E(x;G’∩G)=E(Y;G’∩G)=E(1σ・Y;G) となり,(***)は成り立つ.. ん. 次に,Zが非負の単関数のとき,Z=Σα鵡, E」∈9と書けるので上で示したことと線 ゴニ1 形性より(***)は成り立つ.. Z∈(m9)+のとき0≦Zn↑Zとなる単関数列{Zn}が存在し,各nとG∈gに対し E(ZnX;G)=E(ZπY;G). が成り立つ.よって,単調収束定理により E(zx;G)=E(zy;G) を得る.. X∈LP, Y∈,cqのときH61derの不等式よりE(ZX)<Ooとなり,同様に(***)が成り 立つことが示せる..
(25) 21. 1.確率論の基本概念 (k)X≧0の場合について示せばよい.. G∈9,H∈冗とすると,X鳶と∬は独立だから E(X;G∩H)=珂(一XI(D∫H]=E(XIσ)E(∬). (*). となる.. y=E(X「9)とすると,Y∈m9よりy熔とHは独立だから E(Y;G∩∬)=珂(yZG)IH]=E(YIG)E(∬). (**). となる.よって,(*),(**)より. E[X;G∩∬]=珂y;Clt∩珂. を得る.このとき,集合」={G∩∬:G∈9,H∈冗}はπ一システムで,σ(の=σ(9,H)で あることに注意すれば,任意のF∈σ(9,冗)に対し E(XlF)=E(YlI7) が成り立つ.ゆえに, 珂Xlσ(9,n)]=E[x19],α.s.. また,任意のG∈9に対し 一E](E(X)iG) == E(E(X)IG). 一 E(X)E(IG). = E(XIG) : E(XIG).. ゆえに,E[X19]=・E(X), a.s.となる.. □.
(26) 第2章 マルチンゲール この章では,マルチンゲールに関する代表的な定理であるDoobの任意停止定理とマルチン ゲールの収束に関する定理について述べる.まず2.1節と22節では,それぞれマルチンゲー ル,可予測過程の定義をする.続いて2.3節では,停止時間と停止過程の定義をして,停止過 程に関する定理について述べる.そして2.4節では,前節で述べた停止過程に関する定理を基 に,Doobの任意停止定理を示す.最後に2.5節で,マルチンゲールの収束に関する定理につ いて述べる.. 2.1 マルチンゲール (Ω,∫,P)を確率空間とする.このとき,fの部分σ集合体の列{塩:n≧0}で, フ=b⊂角⊂ろ⊂… ⊂.1’. であるものをσ集合体の増大列(フィルトレーション)という.そして,為を次のように定 義する.. Foo =a(U fn) c!. X1,X2,_を(Ω,∫, P)上の確率変数とする.このとき,.7 ln=σ(XO,Xl,..., Xn)と定義. すると,{fn}はσ集合体の増大列となる.この増大列を自然なσ集合体の増大列(ナチュラ ルフィルトレーション)という. (Ω,.Ji一, P)と{f。}を合わせて(Ω,.1’,{鑑},P)と書く.各nに対しXnが鑑一可測であると. き,Xは{鑑}に適合しているという. 定義(マルチンゲール). (Ω,∫,{fn},一P)上の確率過程X=(Xn:n≧0)が次の三つの条件を満たすとき,マルチ ンゲールという.. (1)Xは{鑑}に適合 (2) E(IXnl)く○○,. (n=0,1,2,...). (3) E[Xn lJl n−1] == Xn−1, a・S・ (n)1). 条件(3)が E[Xn[・」Z Tn.i] S Xn−i, a・S・ (n ) 1). であるとき,スーパーマルチンゲール, 珂X。 1.7 7n.、]≧X洞,α.5.(n≧1). 22.
(27) 2.マルチンゲール. 23. であるとき,サブマルチンゲールという.また,非負のマルチンゲールとは,任意のnに対し Xn≧0であることである.スーパーマルチンゲール,サブマルチンゲールについても同じで ある.. 定義から,Xがスーパーマルチンゲールであるための必要十分条件は,一Xがサブマルチ ンゲール,そして,Xがマルチンゲールであるための必要十分条件は, Xがスーパーマルチ ンゲールかつサブマルチンゲールであることが分かる.さらに,定義の条件(3)より. ①xがマルチンゲールのときE(x。)=E(Xn−1). ②xがスーパーマルチンゲールのときE(x。)≧E(Xn−1). ③XがサブマルチンゲールのときE(Xn)≦E(Xn−1) であることが分かる.. 次に,マルチンゲールの例を示す. [マルチンゲールの例]. (a)Xn(n≧1)をE(X。)=O(n≧1)である独立確率変数とする. So =O , Sn = Xi + X2 +’”+ Xn. ん={の,Ω},鑑=σ(x、,x2,...,Xn). と定義すると, E[Sn l Zn−1] = E[Sn−11Jl n−1]十E[Xn l JI7n−1]. = Sn−i十E(Xn) == S.一i, a.s. (n 2 1). ゆえに,平均0の独立な確率変数の和Snはマルチンゲールになる. (b)Xn(n≧1)をE(X。) = 1(n≧1)である非負の独立確率変数とする.. Mo =1, Mn=XI X2’”Xn ん={の,Ω},f。 ・σ(x、,x2,...,x。). と定義すると, E[Mnl−n−i] == E[Mn−iXnlfn−i]. = Mn−iE[Xn lFn−i]. == Mn−iE(Xn) = Mn−i, a.s. (n ) 1). ゆえに,平均1の非負の独立確率変数の積M。はマルチンゲールになる..
(28) 24. 2.マルチンゲール (C)ξ∈Ll(Ω,.Ji’,{.71n},一P)とし, Mπ=E[ξ1.1 1.]と定義すると,. 五7[MπLフ『n_1] = E[E(ξ陽)1フ『a_1]. =. .E[ξトフ『rz_1]. == Mn−i, a.s. (n ) 1). ゆえに,Mnはマルチンゲールになる.. 2.2 可予測過程 確率過程0=(On:n≧1)が,任意のnに対しCnが鑑一1一可測(n≧1)であるとき可予 測過程という.可予測過程σ=(Cn:n≧1)と確率過程X=(Xn:n≧0)に対し, れ. Y。 ・ΣOk(x・ 一・Xk.・)一(o・x)n. k==1. と定義する.ただし,Yo=(0・X)o=0とする.このとき,Xがマルチンゲールまたはスー パーマルチンゲールなら,次のことが成り立つ. 定理2.1. (a)0を有界非負の可予測過程,Xをスーパーマルチンゲール(マルチンゲール)とする. このとき,0●Xは(σ●X)o=0のスーパーマルチンゲール(マルチンゲール)である.. (b)0を有界可予測過程,Xをマルチンゲールとする.このとき,0●Xは(σ●X)o=0 のマルチンゲールである. (c)(a),(b)の0に関する有界条件は,任意のnについて,On,Xn∈L2であるという条 件で置き換えられる. [証明]Xがスーパーマルチンゲール(マルチンゲール)のとき,E[Xn−Xn−ilf。一i]≦(=)0 であることとYn−Yn−1=Cn(Xn rm Xn−1)に注意する.. (a)Cnは有界で非負,鑑一1一可測だから E[Yn”Yn−ll・7 Tn−1] = E[Cn(Xn−Xn−1)1・Tln−1] = Cn E[Xn 一 Xn−1 1・7 ;n−1]. S o (一 o). よって,0●Xはスーパーマルチンゲール(マルチンゲール)である. (b)E[Yn 一 Yn_11Fn−i]=On−E[Xn−Xn−11fn−1]=0より,0●Xはマルチンゲールである.. (c)Toについての有界条件を任意のnに対して, Cn,x。∈L2であるという条件に置き換え ても,条件付き期待値の性質より E[Yn 一 Yn−i1・7 Tn−i] : Cn E[Xn 一 Xn−ilJl ln−i]. が成り立つことから分かる.. □.
(29) 25. 2.マルチンゲール. 2.3 停止時間と停止過程 この節では,停止過程について述べる,その前に停止時間の定義をする. 定義(停止時間). 写像T:Ω→{0,1,2,_;OQ}が,任意のn∈NU{○。}に対し {T S n} = {w : T(cv) f{ n} E f.. を満たすとき,停止時間という.上の条件は,次の条件と同値である. {T == n} = {w : T(Lv) == n} E 一n. T=Ocになることもある. [停止時間の例1. (a)T(ω)=k (k∈Z+)と定義すると,任意のnに対し {w :T(ca) =n} = S),¢E 一.. だから,Tは停止時間である. (b)Anを適合過程, B∈Bとし,. T ・inf{n≧o:An∈B}=(AがBに入る最初の時間) と定義する.inf(の)=○○と決めると,Aがβに入ることがないときはT=Ocである.. このとき,任意のnに対し {T S n} = U{Ak E B} E ・1 ln. kSn だから,Tは停止時間である,. 定理2.2S, Tをフィルトレーションが指定された確率空間(Ω,.7’,{.JEIn},一P)の停止時間. とする.このとき, (1) max(S, T). (2). min(S, T). も停止時間となる.. [証明]. (1)T*=max(S, T)とする.任意のnに対し {T* S n} = {S S n} n {T S n} E /7.. となる.よって,T*は停止時間である.. (2)T=min(S, T)とする.任意のnに対し. {TSn}={SSn}U{TSn}E一.. (3) S+T.
(30) 26. 2.マルチンゲール となる.よって,diは停止時間である.. (3)任意のnに対し れ {s+T−n}一u{s−k}∩{T−n−k}∈Jln k==0. となる。よって,S+Tは停止時間である.. □. Xをスーパーマルチンゲール,Tを停止時間とする. n∈Nに対しC義T)=1{。≦T}と定義 すると,. n≦Tのとき, れ (o・x)n一Σo£T)(Xk−x・一・) たコ. = Xn−Xo. n>Tのとき, れ (o・x)n一Σo!T)(x・一Xk.・) kニ1 ア. れ. 一Σo!T)(Xk−X・一・)+Σo!T)(Xk−Xk.・). たコユ. んコエマキユ. 「= XT−XQ だから,. (0●X)n=XT〈n−Xo となる.X叙ω)=XT@)〈n(ω)と書くと,. σ(T)●X=xT−Xo. である.XTを停止過程という.XTは時刻TでXを停止した過程を表している. 一方,曙は定義より有界非負で,任意のηに対し {ω・o£T)(ω)== o}一{ω・T(ω)≦n−1}∈鑑.、. となるので可予測過程である,以上のことと定理2.1より次の定理が得られる..
(31) 27. 2.マルチンゲール. 定理2.3. (a)Xがスーパーマルチンゲールで,Tが停止時間なら,停止過程XT=(XT〈n:n≧0) はスーパーマルチンゲールであり,任意のnに対し E(XTAn) fE{ E(Xo). が成り立つ.. (b)Xがマルチンゲールで,Tが停止時間なら,停止過程XT=(XT〈n:n≧0)はマルチ. ンゲールであり,任意のnに対し E(XTAn) = E(Xo). が成り立つ.. [証明](a)定理2.1より0(T)・X=XT−Xoはスーパーマルチンゲール.よって, XTも スーパーマルチンゲールであり,任意のnに対し E(XTAn) 5{ E(XTAo) = E(Xo). が成り立つ.(b)についても(a)と同様に示せる.. ・. □. 2.4 Doobの任意停止定理 前節でxがマルチンゲール,Tが停止時間のとき,任意のnに対しE(XT〈n)=E(Xo)と なることを示した.しかし,このことから直ちにE(XT)=E(Xo)を得ることはできない.例 えば,Y=(Yn:n≧0)を原点からスタートする1次元の対称ランダムウォーク,すなわち, 時刻0のとき原点に位置する点が単位時間後,右へ1進む確率と左へ1進む確率は,ともに吉 であり,次の時刻には,移った位置から同様の運動を続けるものとする. このとき. Xo一一〇, Xn=Yl十Y2十’”十Yn. と定義すると,Xはマルチンゲールである,そして,停止時間Tを T == inf{n :X. == 1}. と定義するとP(T<。。)=1(参考文献[2]のp.102を参照)であり,任意のnに対し E(XTAn) == E(Xo) となるが,. 1=E(XT)74 E(Xo)=O である.. それでは,マルチンゲールXと停止時間Tがどのような条件を満たせばE(XT)=E(Xo) となるのだろうか.次の定理は,E(XT) ・= E(Xo)となるための十分な条件を与えてくれる..
(32) 2.マルチンゲール. 28. 定理2.4(Doobの任意停止定理) (a)Tを停止時間,Xをスーパーマルチンゲールとする.次のいずれかの条件が成り立つ. とき,XTは可積分で E(XT) g E(X,) となる.. (1)Tは有界である.. (2)Xは有界で,Tはほとんど確実に有限である. (3)E(T)<○。で,あるK∈R+が存在し,任意のnとω対し次の式が成り立つ. IXn(tu) 一 Xn−i(tu)1 S K. (b)Xがマルチンゲールで,上の条件のいずれかが成り立つとき E(XT) = .E](Xo) となる.. [(a)の証明]定理2.3より任意のnに対し,XT〈nは可積分で. E(XTAn−Xo) f{O (*) である.. (1)Tは有界だから,ある自然数1>が存在して,任意のωに対し IT(w)1 s .lv. である.n=NとするとXT〈N=XTだから,(*)より E(XT) fi{ E(Xo) となる.. (2)Xは有界なので,あるK>0が存在し,任意のnとωに対しIX。@)[≦κが成り立つ. よって,IXT〈n−Xo 1≦2Kで, Tはほとんど確実に有限だから lim(XT.バX。)・,・・ XT一一X・ n一十〇〇 となる.ゆえに,有界収束定理と(*)より lim E(XTA. 一 Xo) = El(XT ’ Xo) f{ O. n−co となり. E(XT) g E(X,) を得る..
(33) 29. 2.マルチンゲール (3). アムれ 1x・・ゼx・1−1Σ(Xk−Xk.・)1≦1・’T. k=1 であり,E(krT)<○○だからLebesgueの収束定理と(*)より. lim−E(XT〈.一Xo)=E(XT−Xo)≦0 7L→OQ となり,. E(XT)≦E(Xo) を得る.. [(b)の証明]XがマルチンゲールならX,一Xはスーパーマルチンゲールだから,Xと一X に(a)の結果を適用すると(b)を得る. □. 系2.5. (c)xを増分x。一Xn−1が有界なマルチンゲール, oを有界な可予測過程, TをE(T)<○。. である停止時間とする.このとき, E[(C e X)T] = O となる.. (d)Xを非負のマルチンゲール,・ Tをほとんど確実に有限な停止時間とする.このとき, E(XT) S .E](Xo) となる.. [(c)の証明] 定理2.1より0●Xは(0●X)o=0のマルチンゲール.仮定より,ある. K1,K2>0が存在して,任意のnに対し 1(C e X)n 一 (C e X)n−i1 = I Cn(Xn 一 Xn−i)i S{ Ki K2. が成り立つ.よって,定理2.4の(b)一(3)より. E[(σ●X)T]=珂(0●X)o]=0 となる.. [(d)の証明]定理2.3よりE(XT〈。)≦E(Xo),仮定よりXn≧0,lim XT〈n・XTである.. よって,Fatouの補題より. n−oo. E(liminf XTA.) S lim inf E(XTAn) S{ E(Xo)・. n一+oo n−oo.
(34) 30. 2,マルチンゲール ゆえに, E(XT) fS{ E(Xo). D. となる.. 停止時間TについてE(T)<○。を調べるには次の補題が有効である.その前に,次の定 義をする.. 定義(σ集合体に関する条件付き確率). F∈∫に対しP(一Flf)=詐病例,α.s.をFの∫に関する条件付き確率という.. 補題2.6 Tは,ある自然数1Vとあるε>0が存在して, P(T S N+nlZ.) 〉 E, a.s.. が任意のn∈Nに対し成り立つような停止時間とする.このとき, E(T) 〈 oo となる.. [証明】最初に,k=1,2,3,...に対し,. P(T>k(Ar十1)) sl (1−E)k (*). が成り立つことを帰納法によって示す. 仮定より P(T 〉 n+ IVI一.) = 1一 P(T S n+ Nl 一.) 〈 1 一 e.. 両辺の平均をとると, P(T >n+ IV) 〈1−e. となる.n.=1とするとk=1のとき成り立つ.次に,N+1=Mとおき,k=nのとき 一P(T>n−M)≦(1一ε)nが成り立つと仮定すると,. P(T>(n+1)M) 一 P({T>(n十1)M}n{T>nM}) ! E(1{T>(n+1)M}n{T>nM}) = E(1{T>(n+1)M}1{T>nM}) = E(E[1{T>(n+1)M}1{T>nM}1・」ZlnM]). = E(1{T>nM}E[1{T>(n+1)M}IJZ nM]). g E(1{T>nM}E[1{T>nM+N}1−nM]). S (1−e)E(1{T>nM}) = (1 一 e)P(T 〉 nM) 一く (1 一 s)(1 一 e)” == (1 一 e)”+i.
(35) 31. 2.マルチンゲール となり,k=n+1のときも成り立つ.ゆえに,(*)より. 叩)一Ση一一・) n=1 M. 2M. (k十1)M. 一ΣnP(T−n)+ΣnP(T−n)+…+ΣnP(T−n)+… れニユ. ≦. れニルノキユ. れコたルノキユ. M「P(1≦T≦M)十2M∫)(T>M)一{一…. 十(k十1)M「P(T>k、M)十…. ≦MP(Ω)+2M(1一・)+…+(k+1)M(1一・)辱… ≦MΣk(1一・)k−1<・。 k=1 となる.. □. 2.5 収束定理 この節では,マルチンゲールの収束について考察する. 定義(標本路). ω∈Ωに対し,nH X。(ω)を標本点ωに対する標本路(サンプルパス)という. 今,Xを確率空間(Ω,.1’,{鑑},P)上の確率過程とし, Xは{鑑}に適合しているとする. このとき,区間[a,b]に対し Cl = 」{xo〈a} 7 Cn == J{c.mi :1}J{x.一isb} 十 1{c.一i=o}1{x.一i〈a} (n 2 2). と定義すると,σは定義より可予測過程になる.次に,上向き横断数の定義をする.. 定義(上向き横断数). 次の条件を満たす最大の整数んのことを時刻Nまでの標本路ηHX。(ω)によって作ら れる[α,b]の上向き横断数といい, UN[α同と書く. O 一く Sl 〈tl 〈 S2 〈 t2 〈…〈sk 〈tk S N. X,, (w) 〈 a, Xt,(co) 〉 b (! :E{ i Sl k). このとき,先に定義した可予測過程0に対しY=0●Xと定義すると次の不等式が成り立 つ.ただし,Yo=0とする. YN(w) ) (b 一 a) UN [a, b] (w) 一 [XN(tu) 一 a]一 (*). ここで,[XN(ω)一α]一=・ max{一(XN(ω)一α),0}である..
(36) 32. 2.マルチンゲール. 補題2.7 Xをスーパーマルチンゲール,切〉[α,b]を時刻Nまでの[α,b]の上向き横断 数とする.このとき, (b 一 a)EUN[a, b] 〈一 E[(XN 一 a)M]. となる.. [証明]0は可予測,有界非負であるので,y=0・Xはスーパーマルチンゲールである.よっ て,E(YN)≦E(Yo)=O.従って,このことと不等式(*)より補題が成り立つことが分かる.□. 定義(LP(p≧1)において有界). 確率変数列(Xn:n≧0)がsupEqX。高く○○であるとき,びにおいて有界という.. 系2.8XをLlにおいて有界なスーパーマルチンゲールとする.このとき,α〈b(α,b∈ R)に対しσ。。[α,6]=詰甑σN[α,6]と定義すると, (b 一 a)EU.. [a, b] S lal 十 sup E(IX. 1) 〈 oo. n であり, P(U. [a, 6] = co) = O となる.. [証明]補題2.7より任意のNに対し, (b 一 a)EUN[a, b] fi{ lal 十 .E](IXNI) :E{ lal 十 supE(IX.1). n である.よって,単調収束定理によりN→○○とすると証明すべき式を得る.このことから 一EU。。[α,6]<○○であるので,一P(Ul。。[α, b]=OQ)=0となる,. □. 次の定理は,マルチンゲールの理論において極めて重要なものである.. 定理2.9(Doobの前進収束定理)XをLiにおいて有界なスーパーマルチンゲールと する.このとき,極限X。。=lim Xηはほとんど確実に存在し,しかも有限である.従っ れ て,XnはX。。に概収束し, X。。は可積分である..
(37) 33. 2.マルチンゲール [証明]. A={ω:Xn(ω)は[一◎○,○○]で収束しない} = {ω:lim inf Xπ(ω)<lim sup Xπ(ω)}. n→oo 腕一→○○ 一∪{ω・lim・inf・X・(ω)<a<b<lim・up X・(ω)} γ乙→○O {α,b∈Q:α<b}. n→OQ. 一UA。,b である.一方, Aα,b⊂{ω:U[。。[a, b](ω)=Oo}. であり,系2.8よりP(A。,b)=0であるので,一P(A)=0である.ゆえに, XQQ=lim Xnは ト○。,。。]でほとんど確実に存在する. n→○○. また,Fatouの補題により E(IX。。1)=E(lim inf 1 Xn 1)≦ lim inf E(1Xn 1) れり. れ. ≦. sup E(1Xnl)<○○. π であるので7−P(X。。は有限)=1である.. ゆえに,X。。は可積分で, Xnは一X。。に概収束している.. □. 系2.10 Xが非負のスーパーマルチンゲールなら,極限X。。、=lim X。はほとんど確実 n−oo に存在する. [証明]E(IXn l)=E(Xn)≦E(XO)であることより,Xはしlにおいて有界である.よって,. 定理2.9よりこの系が成り立つことが分かる.. □.
(38) 第3章. L2において有界なマルチンゲール. この章では,まず最初にL2マルチンゲールがL2において有界になるための必要十分条 件を示す.そして,この性質から得られる定理を用いて,3.2節でKolmogolovの3級数定理, 続いて3.3節でKolmogolovの大数の強法則を示す.. 3.1 L2において有界なマルチンゲール M=(Mn:n≧0)をL2のマルチンゲール,すなわち,任意のnに対しMn∈£2である とする.このとき,s≦t≦u≦vであるs,ちu,v∈Z+に対し E[Mv lfu] = Mu7 a・s・. となる.そして,Z∈£2(鑑)=£2(Ω,鑑,一P)に対し 〈Z, Mv 一 Mu> = E[Z(Mv ’ Mu)]. = E(Z M.) 一 E(ZM.) = E(ZM.)一E(ZE[M.1.71.]) = E(ZMv)一E(E[ZMv l・JETu]). = o となるので,M.一一M、はし2(ら)に直交している.特に,. 〈Mt−Ms 7 Mv−Mu>=O. だから,Mnは直交する項の和として Mn == Mo + 2(Mk m Mk−i). k=1. と書ける.よって,定理1。9Pythagorasの定理より. E(Mn2)=E(Mo2)+2E[(Mk−Mk−i)2] (3・1) k=1 となる.. 34.
(39) 35. 3.L2において有界なマルチンゲール. 定理3。1 MをL2のマルチンゲールとする.このとき,.Mがし2において有界となる ための必要十分条件は,. ΣE[(Mk−Mk一・)2]く・。. (3・2). k=1. となることである.そして,このときMnはM。。に概収束かつL2収束する. [証明](3.1)からし2において有界であるということは,(3.2)と同値である.. (3.2)が成り立つとき,Mは£2において有界だからノルムの単調性により,£1において有 界となる.よって,定理2.9より、M。。=lim Mnはほとんど確実に存在し,概収束している. n→Oo Pythagorasの定理より れ ア 珂(一Mn+r−Mn)2]一Σ珂(M・一Mk一・)2]. k=n十1 が成り立ち,r→○。とし, Fat・uの補題を使うと E[(MOQ − Mn)2]. ≦. lim inf」Eフ[(Mn+r −Mη)2]. ポOo ■ΣE[(M・一一Mk一・)2]. n十1 となる.次に,n→Ooとすると lim E[(M。。一Mn)2]=0. 7L→◎o. ゆえに,∠:2収束している.. □. 次に,独立確較蜘のΣ撮Σ呵X卸棘に関する定理を示す. 鳶. 鳶. 定理3・2 (Xk:k∈N)は, E(浜)=0,σ器=Vαr(臨)<。○(k=1,2,...)である独立. 確率変数列である.このとき,次のことが成り立つ.. (a)Σσ1<。QならばΣX,は概収束する k= 1. k=1. (b)あるK∈[0,00)が存在し,任意のnとωに対し1臨@)1≦Kが成り立つとき,. Σ&が概収束するならばΣσ1<。。となる. k= 1. k=1. ろ={の,Ω},鑑=σ(x、,x2_, x。).
(40) 3.L2において有界なマルチンゲール. 36. Mo=0, Mn ・・ X、+X2+…+Xn と定義して,. An一Σ・z, Nn−Ml−An k=1 とおく.. [(a)の証明]定義よりMはマルチンゲールになり, E[(Mk 一 Mk.、)2]=E(x2)=σZ が成り立つ.(3.1)より, れ. ハ. E(Ml)一E(蛸+Σ珂(M・一Mk一・)2]一Σσ舞 k=1. k=1. となる.従って,Σσ1<OoならMはし2において有界1こなるので, lim畝はほとんど確 k=1. 丁る→OQ. 実に存在する. [(b)の証明]XkはJPIk−1と独立だから, 珂(Mk−M、一、)・1」・Tk.、]一二X忽.、]一E(xZ)一・量 となる.一Mk−1は.7 Tk_1一可測だから,. σZ=珂(Mk一一Mk.、)21五.、]=E[Ml lfk.、トM2.、 となり,. 珂.M2−Aん1ゐ.、]=M9.、一Ak一、,・.・.. を得る.よって,Nはマルチンゲールである. c∈(0,00)を任意に選び固定し T=inf{γ・:1Mr l>c}. と定義すると,Tは停止時間で,定理2.3より,NTはマルチンゲールとなる. よって,任意のηに対し E(NT.n)=E(MT.n2)一E(AT.n)=o が成り立つ.. そして,T<OQならIMT−MT一,1 =IXT 1≦Kだから,任意のnに対しIMT〈n l≦K+Cと なる.T=○○のときもIMT〈。1 :IM。1≦IM。 ”1+1x。1≦K+cとなり,任意のnに対し E(AT.。)≦(K+・)2.
(41) 37. 3.L2において有界なマルチンゲール. となる・また,仮定よりΣ臨がほとんど確実に収束するので,その任意の部分和は有界で んコユ. ある・従って,あるM(ω)?oが存在し,任意のnに対し れ. 1Σx・(ω)1≦M. (・). k=1. が成り立つことから,P(T=○○)>0となるような。>0が存在する.なぜなら,もし任意の 。>0に対しP(T=○○)=0と仮定すると, P(T〈Oo)=1. (**). となる,そこで(*)と(**)を同時に満たすωを固定すると,ある番号IVo(w)がとれ, も 1Σx・(ω)1>・・. 、kニ1. cは任意なので,c>Mとなるように。をとると む. 1Σx・(ω)1>M kニ1 となり,(*)に矛盾する.ゆえに,P(T<Oc)<1. 一方,. An =E(An)= E(An;T<○○)十E(An;T=OQ). = E(A.;n≦T)十E(An;n>T)十E(An;T=OQ) = E(AT〈n i n≦T)十An P(n>T, TくOQ)十E(AT〈n;T=Oc) より,. E(AT〈n;n≦T)→一E(AT〈n;T=○○). An≦. 1−P(n>T,T<○○) E(AT〈n;Ω). ≦ 1−P(n>T,T<○○) (c+K)2 ≦ くOQ l−P(T<○○). となり,瑞は収束する,. □.
(42) 3.L2において有界なマルチンゲール. 38. 3.2 Kolmogolovの3級数定理 定理3.3(Kolmogolovの3級数定理)X1,X2,_を独立確率変数列とする.このとき,. ΣXnが概収束するための必要十分条件1ま,あるK>0が存在し,次の三つの条件力減 れコユ. り立つことである. (1)ΣP(lx。1>1・’)<・。. n二1. (2)ΣE(X5)が収束する πご. (3)Σv・r(x5)<・。. こ還 x5(ω)一{劉1鋼ξ憂;. この定理を証明するためには,次の補題が必要である.. 補題3.4 (X。)は独立確率変数列で,あるK∈[0,00)が存在し,任意のnとωに対し lXn(ω)1≦Kが成り立つとする.このとき,. ΣXnが概収束するならばΣE(X。)}ま収束し,Σyαr(Xn)<○O n=1. n==1. n=1. となる.. [証明]E(Xn)=0なら定理3.2(b)と同じである. E(Xn)≠0のとき,(Ω,∫,一P,(Xn:n∈N)). を(Ω,∫,P,(X.:n∈N))と同じ確率空間,確率変数とする.そして, (st’,一“,P’) 一= (st,f, P) × (st, J7, P),. ω*=(ω,c))∈Ω*に対し XX (tu’) : Xn (W)) Xfi (LV*) == Xn (C2>), ZX(ca*) = XX (CV*) 一 XX (LV*). と定義する.このとき,(XX:n∈N)∪(驚:n∈N)は(Ω*,.7’*,一P*)上の独立な確率変数列. であり,X寛とX拷のP*に関する分布は,X。のPに関する分布と同じである.すなわち, 一B∈β(R)に対し P*((XX)一i(B))=P(Xn”i(B))) P*((一]il:)一i(B))=P(X.一i(B)). となる。.
(43) 39. 3.L2において有界なマルチンゲール. (Zn:n∈N)は,任意のnとω*に対しIZl(cv*)1≦2Kである(Ω*,ア*,P*)上の平均0の 独立な確率変数で, Vαr(zM* n)=2σ蒐. となる.ここで,鴫=Vαr(Xn).. σ一{ω∈Ω・ΣX・(ω)は収束する}・a一{cl) G si・Σ瓦@)は収束する} n =1. n:=1. とすると,P(G)=♪(δ)=1なのでP*(G×δ)=1である.ところが,Σ町ω*)1まσ×δ. n=1. 上で収束するので. P*(Σ Zliは秘する)=1 n=1 を得る.よって,定理3.2(b)より. Σσ萱<・。 n= 1 となり,定理3・2(a)よりΣ{X。 一E(Xn)}は概収束する・X。 一E(Xn)は平均0の独立な. n=1 確率変数なので E[{Xn m E(Xn)}2]=σ言.. 仮定よりΣXnは概収束しているので,ΣE(Xn)は収束する. n=1. □. n=1. [定理3・3の証明](必要性)Kを任意の正数とする・ΣXnは概収束しているので, Xnは n=1. 0に概収束し, {w. : lim X.(w. n−oo)一・}⊂U∩{ω・1Xn(ω)1≦K}. m=1n=m が成り立つので,. P(U∩{1X・1≦κ})== 1・. mニln=m よって ,. P(∩U{1淵〉κ})=・ o・ mニ:1n=m.
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