次に,cが有限とする.そのとき,任意のnに対し一P(ξ≦c 一一 k)=0だから
p(U{e sc一 k}) == p(6 〈 c) = o.
一方,任意のnに対しP(ξ≦c+去)=1だから
p(A{e sc+ k}) == p(6 g c) 一 i.
従って,
P(6 = c) =1
となる.
o
定理5.2(大数の強法則)Xi,X2,_は,同一分布の独立確率変数列で, E(1Xk 1)<Oo(k;
1,2,_)とする.このとき,
pa = E(Xk) , Sn = Xi + X2 + + Xn
とすると,
Sn − v
は概収束かつL1収束である.
[証明]9−n=σ(Sn, Sn+1,S。+2,_),9一。。=∩9一。と定義すると,
珂X、lg.司=n−1S。,・.・.
となる.よって,定理4.11のL6vyの下向き定理により,L=lim nMI S。は概収束かつLl収 n一一>oo
東である.
任意のωに対しL == lim sup n−1S。と定義すれば,各kに対し n−oo
Xk+1 十 十 Xk+n L = lim sup
n一 oo n
が成り立ち,L∈m五, Tk ・σ(Xk+1,X鳶+2,_)である.よって,定理5.1 Kolmogolovの0−1 法則の(b)より,P(L ・c)=1となる。∈Rが存在する.そして,
c= E(L) = lim E(n−iS.) = pa
n−oo
となる.ゆえに,
童→μ,。.,.から乞。£・
が示された。 □
5.マルチンゲールの応用
68
5.2 Radon−NikodYmの定理
序文で述べたように,次に示すRadon−NikodYmの定理より,条件付き期待値の存在が示せ
る.
(Ω,∫,P)を確率空間,9を.7 の部分σ集合体, x∈Ll(Ω,∫,一P)でxは非負とする.こ のとき
9(G)=E(XIG), GE9
と定義すると,gは(Ω,9)上の有限測度で,9上でPに関して絶対連続であるので, Radon−
Nikod夕mの定理より
Y= [1;/i on 9, a.s.
が存在する,yは9一可測,よって,任意のG∈9に対し
E(Yi G) == 9(G) 一 E(Xl G)
が成り立つ.ゆえに,y ・E[X19],α.s.が存在する.
定理5.3(Radon−NikodYmの定理)gはPに関して絶対連続な有限測度とする.こ
のとき,X∈L1(Ω,∫,一P)が一意に存在し,任意の一F∈∫に対しg==x−Pすなわち,
g(F) = Lxdp = E(xl F)
となる.このXを(Ω,F)上のPに関するQのRadon−NikodYm導関数といい,
画一x・・毎・・
と書く.
(注意)一意に存在するとは,X, XがPに関する(?のRadon−NikodYm導関数なら,P(X=
X)=1であるという意味である.
[証明]
(第1段).1 が可分,すなわちΩの部分集合列(Fn)が存在し∫=σ(瓦:n∈N)となる場 合について証明する.
補題4.1より任意のε>0に対し,δ>0が存在し
F∈∫,P(F)<δ ならば ([?(F)<ε.
次に,鑑=σ(171,F2,…7Fn)と定義すると,各nに対し,鑑は互いに素なr(n)個のJZ7nの
要素A。,1,An,2,_,/A㌦,。(n)からできる2「( )個の和集合から成る.
関数Xn:Ω→[0,00]をω∈An,kなら,そのとき
Xn(w) = ( (?(A.,,g/p(A.,,) Elil]:ll#1:1 1; gi
と定義する.このとき r(n)
γ@)
E(x・)一E(Xn;u蘇)一ΣE(x・;A・,k)
k==1 鳶=1
一書E(e(A.,k)P低,ん));A・・k)
ど
一ΣQ(A。,k)
kニ11
一(?(u且のくQ(Ω)<・・
k=1
となる.ここで,1はP(.An,k)>0となるAn,kの個数である.よって, Xn∈Ll(Ω,.」 ln,一P)と
なる.
同じような考えによって,任意のF∈∫に対し E(Xn;F)=9(F)
が成り立つことが分かる.ゆえに,
臨一罪・・(st, .7 ;n),…・
を得る.この(X.:n∈Z+)は非:負の{塩}一マルチンゲールになり,
x。。=lim Xn,α。5.
n→Oo さて,初めのδ>0に対し 9(Ω)
<δ K
を満たすようにK>0をとれば
9(Ω)
P(Xn>K)≦
〈δ となる.よって,
E(x。1 Xn>K)=Q(Xn>1〈)<ε
が成り立つ。従って,(Xn)は一様可積分マルチンゲール.定理4.9より Xn→X。。 in Ll
だから,一F∈鑑に対し
(?(F)=lim−E(Xn;F)=E(X。。;F)
n→OQ
5.マルチンゲールの応用
70
である.二つの測度([?(F),E(X。。;F)はπ一システムU塩上で一致するので,.1 上で一致 n
する.
一意性は,定理1.12の第1段と同じようにして証明できる.
(第2段)fの部分集合体で可分なもの全体をSεpと書く.第1段より9∈Sepに対して
Radon−Nik・dYm導関数は存在する.それをXgと書く.このとき,(Xg:9∈Sep)はCauchy 列である.ここでCauchy列とは,任意のε>oに対し,あるκ∈Sepが存在してκ⊂9,∈Sep(i=1,2) ならば 【1Xgユ_Xg, l11<ε であることをいう.
(Xg)がCauchy列でないと仮定すると,あるεo>0に対し
rc(O) c rc(1) c ・ ・・ rc(n) c rc(n 十 1) c …
であるような可分なσ集合体の列{κ(n)}が存在して
11X)c(n) 一 X)c(n+i) lli 〉 Eo (n = O, 1) …) (*)
となる.
このとき,(Xrc(n))が一様可積分マルチンゲールになることが次のようにして分かる.(第1 日半より,κ(n)∈Sepに対しXrc(。)∈Ll(Ω,κ(n),一P)が存在し
Q(G) = E(Xrc(.); G) (G E IC (n)).
同様に,
q(F) == E(Xrc(.ini);F) (F E rc(n一 1)).
κ(n−1)⊂κ(n)より
E(Xrc(n)1 G) = E(Xrc(n−i)IF) (F E IC(n 一 1))・
よって,E[Xκ(n)1κ(n−1)]=Xrc(n_1), a.s.となり,(Xrc(n):n≧0)は{」〈(n)}に関してマル
チンゲールである.
gはPに関して絶対連続なので,ε>0に対しδ>0が存在し
F∈.ア,一P(F)<δ ならば9(F)<ε.
このδ>0に対しK−1Q(Ω)<δとなるようにK>0をとると,各nに対しP(Xκ(n)>
K)〈δとなるので
E(Xrc(n)i Xrc(n) 〉 K) = (?(Xrc(n) 〉 K) 〈 E
が成り立つ・よって,(Xrc(n))は一様可積分である.
従って,
X=lim Xrc(n), a。S.かつin Ll n−oo
であるから,任意のε>0に対し,ある番号noが存在し ・≧・・ならば11X・一・X・・(n)11・<S・
ゆえに,
IiXrc(n) 一 一X rc(n+i)11i S{ IIX 一 Xrc(n)Hi + 11X 一 Xrc(n+i)1]i 〈 S
これは(*)に矛盾する.よって,(Xq)はCauchy列である.
(第3段)(Xg:9∈Sep)がCauchy列ならばXg→X in Liであることを示す.
ここでXg→X in Liであるとは, X∈Li(Ω,∫, P)で,任意のε>0に対しκ∈Sepが存 在し
κ⊂9∈5εP ならば 1]ズ『q−XIIi<ε となることである.
(Xg)はCauchy列だか6,nに対し1〈 n∈Sepが存在し
rCn⊂9i∈Sep(i=1,2)ならば 【[Xg、一Xg、 l11<2一(n+1).
冗(n)=σ(κ1,κ2,_,rCn)とおくと
X−lirp. Xπ(n),・.S.かつin・L n一+oo
となる.実際,m>nのとき冗(m)⊃冗(n+1)⊃7t(n)⊃κ。であることに注意すると
IIXH(m) 一 X7 t(n)lli Sl 11XH(m) 一 XH(n+i)11i 十 llX7t(n+i) 一 XH(n)lli 〈 2一 ・
Fatouの補題を使うと
E[ll一m. in. f I XH(.) 一 XH(.)1] s{ 1!m. in.f.E][IXH(.) 一 X7t(.)1] f{ 2 m
m一一+oo m−oo
よりllX 一 XH(n)II1≦2−nを得る.X ・limsupXH(n)とする. n(n)⊂9である任意の9に
n−oo
対し,
liX7t(n) 一 Xglli 〈 2一 .
よって,
llX 一 Xglli f{ 11X ha XH(n)11i + 11Xq 一 X7t(.)11i 〈 2一 i・
ゆえに,第3段が成り立つ.
(第4段)∫が可分でない場合も定理は成り立つことを証明する.
(第3段)で存在を示したXと任意の一F∈∫に対して
E(Xi .17) 一 9(F)
5.マルチンゲールの応用 72 が成り立つことを示せばよい.Xg→X in L1より,任意のε>0に対し,κ∈Sepが存在し
κ⊂9∈Sepならば 11Xg−xlli<ε.
σ(κ,一F)∈Sepであり,第1段より,X。(κ,F)∈L1(Ω,σ(κ,.F),一P)が存在し (?(F) = E(Xa(rc,F)1 1 )
と書ける.よって,
IE(Xi 一17) 一 Q(F)1 = IE(Xi lii) N E(Xa (rc ,F); 17 )1
= E(IX 一 Xa (ua)ll 一F)
s{1 E( IX 一 X. (rc,F) l i SM))
= llX−Xa(ua)11i〈e・
ゆえに,定理が成り立つことが証明された. □
5.3 最適停止問題
さいころを3回まで投げることができ,止めたときのさいころの目の数が得点となるゲー ムがある.さいころを投げたとき1回目で6の目が出れば,全ての人は1回でゲームを止める であろう.もし5ならばそこで止めるだろうか,あるいは2回目のさいころを投げるだろう か.何回目にどんな数の目が出れば止めるべきだろうか.そこで次の問題を設定し,マルチ ンゲールの理論を応用して考えてみよう.
(Ω,.」[・,{.1Tn},P)をフィルトレーションが指定された確率空間,(Yn:0≦n≦N)をこ の確率空間上で定義された実数値の確率変数,T={T:TはΩ→{1,2,_,N}である
{鑑}一停止時間}とする.このとき,E(YT)が最大になるTを求めよ.
(第1段)Xn=E[Yn I J 。],(n=0,1,,..,N)と定義すると,X=(Xn:0≦n≦N)は{.7 ln}
適合で,任意のT∈Tに対し
E(XT) = E(YT)
が成り立つ.
[証明] 定義よりXnは{JZ n}適合である.次に,任意のnに対し{T=n}∈鑑より
E(Xn;T=n)=E(YniT=n)であることに注意すれば,任意のT∈Tに対し
ガ
E(x・)一ΣE(x・;T−n)
n万。
一ΣE(Xn;T−n)
niO
一ΣE(Yn;T−n)一E(YT)
n=0
□
このことよりE(YT)を最大にするT∈Tを見つけるには, E(XT)を最大にするT∈T
を見つければよい.
(第2段)Z=(Zn :O≦n≦N)を
ZN=XN, k =O,1,_,1V−1、に対しZk=E[Zk+11fk] V X,
と定義すると,Zは{鑑}一スーパーマルチンゲールとなる.
[証明]定義より任意のnに対しE[Zn+11鑑]≦znだから, zは{鑑}一スーパーマルチン ゲールである. □
(第3段)Zは任意のnに対しXn≦Znとなる最小の優関数である.
[証明]W=(監:0≦n≦N)をXn≦肌(0≦n≦N)であるような{鑑}一スーパーマ
ルチンゲールとするとき,Zn≦肱(0≦n≦バリであることを示せばよい.このことを逆向きの帰納法によって示す.
①VVN≧XN=ZNより,一Nのとき成立.
②n+1のときWn+1≧z。+1が成り立つと仮定すると,
Wn≧Xn, Wn≧E[Wn+11Fn]≧E[Zn+11J ;n]より M Tn≧X. v E[Zn+i 1.Zn]=Zn
よって,ηのときも成立する. □
(第4段)To=min{n:Xn=Zn}と定義すると,To∈Tである.
[証明]任意のηに対し れ
{To =n}一∪{乃一た}
情。
−u{Xk−z・}∈.■n k==O
ゆえに,To∈Tである. □
以上のことから次の定理が成り立つ.定理5・4 To=min{n:Xn=Z。}「とすると
E(XiT,) = {pg.x 一E(XT)
となる.Toを最適停止時間という.
[証明]任意のT∈Tに対し,E(XT)≦E(XT。)となることを示せばよい.そのためには,
E(Zo)=E(ZTe)が成り立つことが分かれば,定理2.4 Doobの任意停止定理より
E(X.) Sl E(ZT) S E(Z,) 一 一E](ZT,) = E(XT,)
5.マルチンゲールの応用
74
となり,E(XT)≦E(XT。)を得る.
E(Zo)= E(Zo;To=0)十E(Zo; To>0)
=E(ZT。;To=0)十E(珂Zl lろ];To>0)
= E(ZTo;To=0)十E(Z,1 To>0)
= E(ZTo;:τb=o)十E(Z1;To=1)十E(Zi;To>1)
=E(ZT。;To=0)+E(ZT。;To=1)+一E(E[Z2 1.7 ,];To>1)
= 五フ(ZTo;Tc)=0)→一E(ZTo;T,)=1)十E(Z2;Tc)=2)一トE(Z2;Tc)>2)
一E(ZTo;To =O)+E(Z・。;・T・一1)+E(Z・。;T・一2)+E(E[Z・IJi T,];T・>2)
を繰り返すことによって ガ
E(Zo)一ΣE(z・。;T・一k)一E(z・。)
kニ0
となる. □
さて,この節の最初に述べたさいころ投げの問題を定理5.4を用いて考えてみよう.
悶題]止めた時のさいころの目が得点で,さいころを3回まで投げることのできるゲー ムがある. このとき得点の期待値を最大にするToを求めよ.
[鯛 確率空間(Ω,.7 ,一P)を次のように定義する.
Sl) = {Lv = (cvb ca2,co3) : cvi E {1,2,... ,6}},
1
∫一叩),P(ω)一奮・
そして,確率変数とフィルトレーションを
Yk (tu) = wh (k = 1,2, 3), ・1 Tn = a(Yi,… , Yn), ・Zo =: {O, st}
と定義する.第1段よりXn=E[Y。 1.1 ;。](n=1,2,3)と定義すると,Ynは鑑一可測だから Xn = Ynとなる.第2段よりZを以下のように定義する.
Z3 = X3
Y3はうと独立だから,
Z・=珂Z・囚>X、=E[Y, 1.1 T,]>Y2=E(Y3)V}ろ=3.5>Y2
Z2は名と独立だから,
Z, == E[Z,1.7 T,] V X, = E(Z,) V Y, = 4.25 V Y,
そして,To=㎡n{n:Z。=Yn}とすると次の結果を得る.
Yi=5,6 ならばTo=l
Yl=1, 2, 3, 4, Y2=4,5,6 ならばTo;2 Yl=!,2,3,4, Y2=1,2,3 ならば:τb=3
すなわち,1回目で5または6の目が出ればそこで止めればよい.1回目が4以下で2回目で
4,5,6のどれかの目が出れば,そこで止めればよい,!回目が4以下,2回目が3以下の目であ れば,3回目に期待すればよいということである.さらに,n=N(≧5)の場合,この問題の解は次のようになる.確率空間(Ω,.7 ,一P)を
9= {w = (col)Lv2,... ,cvN) : cvi E {!,2,... )6}},
1
f= p(st), p(tu) 一 e.
とする.確率変数Ynとフィルトレーション{鑑}は上と同じように定義する. Xn=
E[Y。 1JPIn]=Ynとして, Zを以下のように定義する.
ZN :XN = YN
ZN一, = .E][ZN I.」[ N一,] V XN一, = E(ZN) V YN一, = 3.5 V YN一,
ZN一, = E[ZN一,IJZ IN−2] V XN一, = .E](ZN一,) V YN一, = 4.25 V YNI 一,
同様に
ZN−3 = 4.66… VYNm3 ZN−4 = 4.94 … V YN−4
ZN一, = 5.12 . . . V YN−s
以下
ZN−i =(5より大きく6より小さい数)>YN−i となる.よって
Yl=6 ならばTo=1
Yl≦5, Y2=6 ならば:τb=2
Yi≦5(i=1,2,_,N−6), YN_5=6 ならばTo=N−5 Yi≦5(i==1,2,_,1V−5), YN_4=5,6 ならばTo=N−4
などの結果を得ることができる.
5.マルチンゲールの応用
76
5.4 最良選択問題
1,2,...,Nの数字を書いたカードが1枚ずつ入った箱から1枚ずつカードを引いて,
そのカードを見ていく.1>人の人が1枚ずつカードを引くとき,最大の数字1> を書いた カードを引く確率が高いのは何番目に引く場合だろうか.
この問題は最大の数Nを最良のものと考え,最良選択問題といわれる.前節の結果を用い て考えてみよう.
確率空間(Ω,∫,P)を次のように定義する.
S) = {Le7 = (LVI,W2,…7WN):(W17CV27・
.. VωN)は(1,2,.
・・ CN)の順列},
1
P(ω)「両,・7 一叩)
そして,フィルトレーション名⊂ろ⊂…⊂㊧=∫を次のように定義する.
一i = {O, st}, 一k = a(Pk) (2 S k S N)
ここで,7)k={ω:ω21<Wi2<…〈臓,(i1,i2,_,ik)は(1,2,_,k)の順列}である.
Yn(ω)=1{ωn=N}と定義するとき,E(YT)=P(ωT=N)が最大になる{鑑}一停止時間T を求めればよい.
Ai = st
Ak = {w : wk 〉 max(tub… , Wk−1)}
AN = {co : wN 〉 max(wi)... , wN−i)} == {tu : wN == N}
とおき,(Xn:1≦n≦1>)を次のように定義する.
X. == E[YN I JrN] == E[1{...N}IJ7N] = IA.
XN一・=珂YN一・I」eN.・]=E[1{。N.、。N}1∫挿.・]
一P({wN.i = AI} n AN−i P(AN−i))偏
N−1
= : 7gr: IANhl /V−!
= ノ>IAN一・+0 1魯.・
一般に,
N−k
XN−k = E[YN−kl.JP N−k] :
17gfm:一L IAN−k + O IAgTmk