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パルス再生細骨材の覆砂工への適用に関する研究 熊本大学

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Academic year: 2022

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(1)V-038. 土木学会西部支部研究発表会 (2011.3). パルス再生細骨材の覆砂工への適用に関する研究 熊本大学 学生会員 櫨本麻菜美. 非会員 御園生敏治 浪平隆男 正会員 増田龍哉 重石光弘. 1.はじめに. 2.パルス再生骨材. 近年、有明海や八代海では赤潮の頻発化や大規模化、. 廃コンクリートから再生骨材を回収する方法として、. 貧酸素水塊の発生といった海域環境の悪化に伴う諸現. 水中パルスパワー放電法がある 2)。この方法を用いると、. 象が顕在化し、大きな社会問題となっている。特に、. 元の石や砂に近い状態で骨材を回収することができる。. 干潟の典型種で水産有用種でもあるアサリは、干潟に. 再生粗骨材に関しては高品質のものが回収できるため. おいて濾食による水質浄化機能や潮干狩り対象生物と. コンクリート構造物に再利用することができるが、一. しての親水機能を担っているが、1980 年代後半以降か. 次処理をしただけの再生細骨材にはモルタルが多量に. ら急激な漁獲量の減少が問題となっており、回復する. 含まれているためコンクリート構造物への利用が困難. 兆しが見えない(図-1) 。そういった状況の下、水産庁. である。. や沿岸各県などによって覆砂等の対策事業が行なわれ. 今回はこのパルス再生細骨材を覆砂工へ用いるため. ている。しかし、覆砂工には大量の砂が必要であるが、. の基礎的研究として、OECDテストガイドラインに準拠. 環境保護の観点から海砂の採取が規制されているため、. したバイオアッセイ試験(アサリを用いた96時間急性毒. 砂が不足しているのが現状である。. 性試験)を行った。. また、耐用年数を迎える橋梁の架け替えやダムの撤 去、家屋の解体等により、多量の廃コンクリートが発. 3.バイオアッセイ試験 (1)試験の概要. 生し、廃コンクリートの処理が問題となると予想され ている。. パルス再生細骨材にはモルタルが多量に含まれてお り、これは pH を上げる原因となるため取り除く必要が. 以上のような背景から、陸で発生する廃コンクリー. ある。そこで今回は、取り出したパルス再生細骨材を. トから再生細骨材を回収し、海での覆砂工に利用すれ. 洗浄してからバイオアッセイ試験に用いることにした。. ば陸と海でかかえている問題があわせて解決できるの. バイオアッセイ試験では、表-1 に示す砂を水槽に約. ではないかと考えた。そこで、本研究では廃コンクリ. 5cm の厚さで敷設し、採取後 2 日間順化させたアサリ. ートから回収された再生細骨材の覆砂材としての適用. を水槽に 20 個体ずつ投入し、実験を行った。試験期間. 性を検討するために、アサリを用いたバイオアッセイ. 中の条件は表-2 に示す通りで、アサリの状態を試験開. 試験を行った。. 始 3 時間後、24 時間後、48 時間後、72 時間後、96 時 間後と観察し、同時に水槽内の水温、溶存酸素濃度、. 70,000 熊本県. 60,000. pH、アサリの生存個体数を測定した。. 50,000 40,000. 表-1 バイオアッセイ試験の試料. 30,000. 10,000. 2002. 1999. 1996. 1993. 1990. 1987. 1984. 1981. 1978. 1975. 70,000. 1972. 0 長崎県 佐賀県 福岡県. 60,000 50,000 40,000. CASE1. 未処理の砂. CASE2. 洗浄した砂. CASE3. 洗浄して 2.5 ㎜のふるいを通過した砂. CASE4. 洗浄して 1.2 ㎜のふるいを通過した砂. CASE5. 洗浄して 0.6 ㎜のふるいを通過した砂. CASE6. アサリを採取した場所の砂. 30,000 20,000 10,000. 2002. 1999. 1996. 1993. 1990. 1987. 1984. 1981. 1978. 1975. 0. 1972. 漁獲量(t). 20,000. 図-1 有明海におけるアサリ漁獲量の推移 1). -707-.

(2) V-038. 土木学会西部支部研究発表会 (2011.3). 表-2. 試験条件. 試験生物. アサリ(体長 1.5-3.0cm). 試験器具. 15L 容ガラス製水槽. 試験期間. 96 時間(4 日間). 試験生物数. 20 個体/試験区. 水温. 24℃. エアレーション. 緩やかに実施. 照明. 室内灯による 16 時間明/8 時間暗. 給餌. なし. 図-1 pH の推移. (2)試験結果と考察 図-1、図-2 に pH と生存個体数の推移を示す。これ らのグラフより、pH の上昇に伴って生存個体数が減少 していくことがわかる。pH の上昇が著しかった CASE1 と CASE3 では白い物質の析出が認められた。この物質 を取り出し乾燥させ EPMA で分析した結果、炭酸カル シウムであったため、セメント水和物中のカルシウム イオンが水に溶出し、pH が上昇したものと考えられる。 図-2 生存個体数の推移. CASE1 は未処理の砂であるため、軽量分が多く含ま れており pH が上昇した。しかし、CASE3 では洗浄処 理をしたにも関わらず pH が上昇した。これは図-3 に あるように CASE3 に含まれる軽量分の割合が他のもの よりも多くなったためと考えられる。 したがって、2.5mm のふるいを通過し、1.2mm のふ るいに留まるものを取り除くことが望ましいと思われ る。しかし、CASE2 の結果にあるように全体に対する 軽量分の割合が小さくなるとその影響が小さくなり、. 図-3 粒度曲線. pH は上昇せず生存個体数は 96 時間後まで 20 を保った。 よって、ふるいわけをせず洗浄処理のみを施した砂が. サリ以外の底生生物や魚類でも同様の試験を行い、人. 生態への影響も少なく、前処理の手間が少なくて済む. 工干潟の造成材等への適用に向けてデータの蓄積を図. ためコストも低く抑えられると考えられる。. る必要があると考えられる。. 4.おわりに 回収したパルス再生細骨材でバイオアッセイ試験を 行った結果、pH の上昇が生存個体数に大きな影響を与 えることがわかった。また、洗浄処理をしただけの砂 でも生態への影響が少ないことがわかった。これによ り、パルス再生細骨材の覆砂への適用が十分可能と考 えられる。また、前処理の手間が少ないため低コスト で砂を処理することが可能となる。. 参考文献 1)環境省,有明海・八代海総合調査評価委員会:委員会 報告,2006. 2)重石光弘,浪平隆男ほか:パルスパワーによるコン クリートからの粗骨材の分離.回収,コンクリート 工学年次論文集,vol.28,No.1,pp1475-1480,2006. 付記. 本研究は独立行政法人科学技術振興機構によ. る研究成果最適展開支援事業(育成研究)、ならびに文 部科学省科学研究費補助金の助成を受けて実施したも. しかし、砂の洗浄に大量の水が必要となったため、. のである。. 今後は砂の洗浄方法を検討する必要がある。また、ア -708-.

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