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教育投資と地域経済成長に関する研究:

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(1)

富 山 大 学 紀 要. 富 大 経 済 論 集 第61巻第 2 号抜刷(2015年12月)

富山大学経済学部

王   敏・唐渡 広志

教育投資と地域経済成長に関する研究:

中国・省間パネルデータ(1997−2012年)による分析

(2)

−1 ( )−

教育投資と地域経済成長に関する研究:

中国・省間パネルデータ(1997−2012年)による分析

王  敏

,唐渡 広志

概要

 本稿は,中国における教育投資が経済成長に与える影響を動学的パネルデー タによって考察した。研究の結果,教育投資を行った初期は経済成長に対して マイナスの影響を与えるが,後にマイナスからプラスへ転じ,最終的にゼロに なるまで徐々に減少していくことがわかった。長期的に見ると,教育投資には マイナスの「水準効果」と,プラスの「成長効果」があり,バランスのとれた 成長ルートを変えるだけでなく,経済成長率の向上を促進させることも可能で ある。

キーワード:教育投資 経済成長 水準効果 成長効果

1 はじめに

Schults (1961) は,「有用な知識と技術はいずれも資本の形である」と定義

した。ここでの資本とは人的資本のことを指すが,人的資本レベルを高めるに あたって最も主要な方法はまさに教育である。教育支出が増えるほど人的資本 のレベルも高まり,反対に教育支出が少なくなるほど人的資本のレベルも低く なる。教育が経済成長に与える影響は一般的に内部効果とスピルオーバー効果 に分けられる。Lucas (1988) は,教育の内部効果について「個人の人的資本が 生産力に与える効果」であると定義した。また,教育のスピルオーバー効果は 非常に複雑であり,Haveman and Wolfe (1984) は教育のスピルオーバー効果

† 遼寧大学数学学部・准教授

‡ 富山大学経済学部・教授

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(3)

−2 ( )−

の定義について,合計12項目にまとめている。

Glomm and Ravikumar (1998),Kaganovich and Zilcha (1999) は内生的成 長モデルに基づいて教育支出,人的資本及び経済成長間の運用システムについ て論述し,公共教育支出は人的資本の蓄積に影響を与えることによって,長期 的経済成長に影響を与えることを証明した。Blankenau and Simpson (2004) は,内生的モデルに基づき,人的資本を蓄積する上で鍵となる投資は個人投資 と公共投資であり,公共教育支出が経済成長に影響をおよぼすその他の要因に は明らかなクラウディングアウト効果があり,公共教育支出の増加は安定経 済成長率を高めることができると述べた。Brauninger and Vidal (1999)らは,

公共教育支出は個人投資に影響を与えることを通して経済成長に対し間接的効 果をもたらすとした。また,Easterly and Rebelo (1993)は,公共教育投資が 経済成長に与える促進効果は一定の条件下でしか成立しないことを見出した。

言い換えれば,公共教育支出が増加したからと言って常に経済成長を促進させ ることができるわけではないということである。Kevin (2000)は,公共教育支 出の増加はその他公共製品に対してクラウディングアウト効果をもたらす可能 性があるため,公共教育支出の増加によってもたらされる収益は短期間内には 目に見えて表れないと述べている。

近年,中国における人的資本投資と経済成長に関する研究も蓄積されつつあ る。蔡増正(1999) は,教育のスピルオーバー効果をモデル化して国際的デー タ資料に採用した。その結果,教育のスピルオーバー効果は経済成長に対して 明らかな推進効果があることが判明し,各国政府が教育投資の増資を継続する ことを支持した。陸根堯・朱省娥 (2004) は中国における教育支出のスピルオー バー効果について研究を行ったが,その結論も蔡増正にほぼ近いものとなっ た。顧佳峰 (2007) は空間計量経済分析を適用し,教育支出が経済成長に与え る影響は弾性が小さいという結論を導き出した。また,祝樹金と虢娟 (2008) は開放的条件下における教育支出と教育部門の技術のスピルオーバーが経済成 長に与える影響についての経験モデルを確立して,教育支出や教育のスピル

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オーバーに影響を与える成長効果要因の相互補完性に関する仮説を提案し,教 育のスピルオーバー効果は人的資本レベルや研究開発投資及び貿易開放などの 要因の影響を受けると述べた。余凌云 (2008) はLucas (1988) のモデルを元に,

教育投資を非政府による教育投資と政府による教育投資に分けて最適制御理論 を適用して分析を行った。その結果,バランスのとれた条件下では,政府によ る教育投資と非政府による教育投資が人的資本の蓄積や経済成長に与える効果 は明らかであることがわかった。

上述の研究は内生成長理論モデル,計量経済モデルに基づいて分析を行い,

生産的あるいは消費的投資効果または人的資本の蓄積効果などを通した教育支 出の経済成長に対する効果について調べたものである。本稿の主な貢献は下記 の3つの方面が挙げられる。1つ目は,分布ラグモデルを組み合わせる事によ り教育支出が経済成長に与える即時的及び累積的影響について考察を行ったこ とである。2つ目は,動学的自己回帰分布ラグモデルへ拡張して,安定状態に おける教育支出が経済成長に与える「水準効果」及び「成長効果」について考 察したことである。3つ目は,動学的パネルデータ推定法を適用して教育支出 が地域経済成長の差に与える影響を考察したことで,係数推定の偏りのなさと 一致性が確保できたことである。

2 モデルの設定と推定方法

2.1 動学的分布ラグモデル

計量経済モデルの中で,分布ラグモデルは非常に重要なモデルであり,説明 変数の当該期と各期のラグ値が被説明変数に与える即時的及び累積的影響を効 果的に反映することができる。しかし,分布ラグモデル自身にもラグ期の確 定や変数間の多重共線性などといった点で問題がある。Mitchell and Speaker (1986) は非常に柔軟性があり操作しやすいモデルを提案しており,我々もこの モデルを参考にして研究,分析をおこなう。

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(1)

(2)

このうち Y はモデルの被説明変数,X は説明変数,i はラグ期,α と ε は切 片項とランダム項である。β0が表すのは X が Y に与える短期的影響,すなわ ち即時的乗数であり,          を動学乗数または遅延係数と呼ぶ。

    が表すのは X が Y に与える長期的影響,すなわち均衡乗数である。ω j

は推定待ちのパラメータであり,乗数 β i は 1/ (i +1) の n 階多項式を表す。式 (2) を式 (1) にあてはめ,再び整理した結果が次の式である。

(3)

t が8より大きい場合,式 (3) の            という項はゼロに近

づくため,無視してもよい。式 (3) をさらに展開すると次のようになる。

(4)

n が既知である場合はパラメータ         を推定することができ,

それによって β i を確定することができるため,対応する短期乗数と動的乗数 も確定することができる。しかし実際には n は未知であり,しかも n が変わ

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

= +

ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

=0

i i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j j

X i

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

i=0 i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

i=0 i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ (j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

i=0 i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ (j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

=0

i i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

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2 2

1

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) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

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1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

= +

ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

=0

i i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

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3 1 3

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2 1 2

1 3

1 2

1

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1

1 3

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1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル4 選 択のプ ロ セス に な る の で

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

=0

i i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

4

t i t i

i

t X

Y =α+ β +ε

+∞

=

0

( 1 )

=

+ ω

= β

n

j

j j i

i

2( 1)

, i=0,L,+∞ ( 2 )

こ の うち Y は モ デ ル の被説 明変 数,X は 説 明変 数,i は ラ グ 期 ,α ε 切 片項 と ラ ンダム 項 で あ る 。β0 が 表 す の は X Y に 与 え る 短 期 的 影 響 , す な わち即 時 的乗 数で あ り ,β

(

i=1,2,L,+∞

)

i を動 学 乗 数ま た は遅 延 係 数と呼 ぶ。

+∞β

i=0 i が 表 す の は X が Y に 与 え る 長 期 的 影 響 , す な わち 均 衡 乗 数で あ る 。

j

ω は 推 定待 ちのパラメー タ で あ り ,乗 数 βi 1(i+1) n 階 多を 表 す 。 式 ( 2 ) を式 ( 1 ) に あ て は め ,再び整理 し た 結 果 が次の式で あ る 。

t n

j it

i j t j n

j t

i

i j t j i

n

j

i j t j t

X i X

i X i Y

ε + +

ω +

+ ω +

α

=

+ ω +

α

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

=

+

=

=

=

+∞

= =

2 2

1

0

0 2

) 1 ( )

1 (

) 1 (

( 3 )

tが 8 よ り大き い場合 ,式 ( 3 ) の ∑ ∑

{

ω

(

+

) }

= +∞

=

n

j it

i t j

j i X

2

1 と い う 項 はゼ ロに 近 づ

く た め ,無 視し て も よ い 。式 ( 3 ) を さ ら に展開 す る と次の よ う に な る 。

n t n t

n t t n

t t

t

t t

t t

X t X

X X

X t X

X X

X t X

X X Y

ε

⎟+

+ + +

+ ω + +

+ + +

+ ω +

+ + +

+ ω + α

=

1 2

1

3 1 3 2

3 1 3

2 1 2 2

2 1 2

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

1 3

1 2

1

L L

L L

( 4 )

n 知 で あ る合 はー タ ( j n)

j =2,3,L,

ω を 推 定 す る こ と が で き , そ れ に よ っ て βi を 確 定 す る こ と が で き る た め ,対応す る 短 期乗 数と動的乗 数 も 確 定 す る こ と が で き る 。 し か し実際 に は n 知 で あ り , し か も n わ れ ば モ デ ル も変わ り ,計算に よ っ て得ら れ る βi わ る 可 能 性 が あ る た め , そ の 結 果 と し て誤 差が 発 生 し て し ま う 。 し た が っ て ,重要 と な る の は ど の よ う に n を 確 定 す る か で あ り , こ のプ ロ セス も モ デ ル選 択のプ ロ セス に な る の で

78

(6)

−5 ( )−

ればモデルも変わり,計算によって得られる β i も変わる可能性があるため,

その結果として誤差が発生してしまう。したがって,重要となるのはどのよう に n を確定するかであり,このプロセスもモデル選択のプロセスになるのであ る。これについて,Mitchell and Speaker (1986) は n の参考値を出すという 比較的単純な方法を提案した。実際に n の値はそれほど大きくならないため,

n の値に応じたそれぞれ異なるモデルについてパラメータ推定を行い,残差平 方和と自由度の比を計算し,その値が最小となったモデルを選択するというも のである。さらにもう1 つ注意しなければならないのは,モデル選択のプロセ スにおいては各パラメータの有意性についても考慮し,これら両者を踏まえて モデルを確定しなければならないということである。

本研究では次の対数差分モデルについても考慮する。

(5)

このうち, y it は地域の一人あたりの生産高であり,Δ log ( y it) が表すのが一 人あたり生産高の年度成長率である。ベクトル           の要 素x it は教育支出がGDP に占める割合を表し,Z it は一組のコントロール変数 を表す。v i は観測できず,また時間とともに変化しない個体特徴であり,ε it

は時間や個体とともに変化する撹乱項である。ε it が同時独立分布で,さらに

v i と相関関係がないものだと仮定した場合,下付き文字 i と t はそれぞれ地域

と時間を表す。

2.2 変数およびデータの説明

本稿で選択したデータは1997-2012年の各省間のパネルデータである。デー タはいずれも毎年の『中国統計年鑑』『中国の人口及び就業統計年鑑』,『新中 国60年統計資料集』に拠るが,チベットの持つ特殊性と一部年度データが欠 けていたことを考慮し,チベットを除く30の省及び直轄市のデータを使用し

5

あ る 。 こ れ に つ い て ,M i t c h e l l a n d S p e a k e r ( 1 9 8 6 ) は n 参 考 値を 出 す と い う 比 較的単 純な 方 法 を 提 案 し た 。実際 に n は そ れ ほ どき く な ら な い た め ,

n 応 じた そ れな る モ デ ル に つ い てパラメー タ 推 定 を 行 い ,残 差 平 方和と自 由 度の比を 計算し , そ の値が 最 小 と な っ た モ デ ル を選 択す る と い う も の で あ る 。 さ ら に も う 1つ注 意し な け れ ば な ら な い の は , モ デ ル選 択のプ ロ セ ス に お い て は 各パラメー タ の 有意性 に つ い て も考 慮し , こ れ ら両 者を踏ま え て モ デ ル を 確 定 し な け れ ば な ら な い と い う こ と で あ る 。

本 研 究 で は次の 対数 差分 モ デ ル に つ い て も考 慮す る 。

it i it it t i t

i it

it y y y X Z v

y = − = + β+ γ+ +ε

Δ

' ' 1 , 1

, ) log( )

log(

) log(

)

log( ( 5 )

こ の うち,yit 地 域の 一 人 あ た り の 生 産 高 で あ り ,Δlog(yit) が 表 す の が 一 人 あ た り 生 産 高 の 年度成 長 率 で あ る 。 ベ ク ト ル =

( )

, ,L

, i,t1 i,t 2 it

it x x x

X の 要

it

x は 教 育 支 出 がG D Pに占め る割合 を 表 し ,Zit は 一 組 のコン トロー ル変 数を 表 す 。vi 観 測で き ず ,ま た 時 間 と と も に変化 し な い 個体 特 徴で あ り ,εit 時 間 や 個体と と も に変化 す る撹 乱項 で あ る 。εit 分 布 で ,さ ら に vi 相 関 関係が な い も のだと 仮 定 し た場合 ,下付き文 字 i と t は そ れぞれ地 域と 時 間 を 表 す 。

2.2 変 数 お よ び デ ー タ の 説 明

本 稿 で選 択し た デ ー タ は 1 9 9 7 - 2 0 1 2 年 の 各 省 間 のパ ネル デ ー タ で あ る 。 デ ー タ は い ず れ も毎年 の『中 国統計 年鑑 』『中 国 の 人口及 び就 業 統計 年鑑 』,『 新中 国 6 0年統計 資 料集 』に拠る が ,チベット の 持 つ特 殊性 と 一 部 年度デ ー タ が欠け て い た こ と を考 慮し ,チベット を除く 3 0の 省 及 び直 轄 市の デ ー タ を使用 し た 。全 て の名目変 数は い ず れ も 1 9 9 7年 を 基準に し て 換算し た も の を実 質 値と し た 。ま た ,我 々も 経 済 成 長 に 関 す る既 存研 究 で利用 さ れ たコン トロー ル変 数の選 択に 従い ,人口増 加 率 (P o p g r) は労 働力 要素が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 ,投 資 が G D P に占め る割合 (I n v e s t m e n t) は 投 資 が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 を そ れぞれ 表 し て い る 。 ま た , 人 的 資 本 レ ベ ル (E d u), 人 的 資 本 に 対 す る評 価に つ い て は , 成 人 識字率 指標 (蔡昉・都 陽,2 0 0 0)を 採 用 し て い る も の も あ る が ,徐 現 祥・舒元

12

経 済 が バ ラ ン ス の と れ た 成 長 ル ー ト に あ る 時 , 経 済 成 長 率 は変化 し な い た め , )

log(yit

Δ =Δlog(yi,t1)= log( ) log( )

, 2

,t it p

i y

y

= =Δ

Δ L で あ る 。 こ の よ う に 長 期 的 に 安 定 し た状 態に お い て , 教 育 投 資 が 経 済 成 長 率 に 与 え る 「 成 長 効 果 」 は

(

α α αp

)

θ L

2 1

1 1

で あ り ,「水 準効 果 」 は

(

β +β +L+βp

) (

−α −α −L−αp

)

2 1 1

0 1

で あ る 。そ し て εit が ラ ンム ウー ク過 程で あ る 時 に はじめ て ,一階 差分 モ デ ル に お け る誤 差項Δεit系 列相 関 が な く な る 。 さ も な い と ,式 ( 7 ) に 対 し て プーリン グ O L S 推 定 を 採 用 し た 時 のパラメー タ 推 定 量 は偏り が あ り し か も 一 致し な く な る 。も し もεit系 列相 関 が な い合 ,内 生変 数 t−2 期 及 び そ れ よ り さ ら に離れ た ラ グ 項 を使用 し て モ デ ル の操 作 変 数と す る こ と が で き る 。 こ の よ う な動 学的パ ネル モ デ ル に 対 し て も G M M推 定 法 を 用 い て 推 定 を 行 う 。 表3の 結 果 か ら 分 か る 通 り ,ど の 推 定 方 法 で あ っ て も 教 育 投 資 の「 成 長 効 果 」 は い ず れ も 明 ら か にプラ ス で あ り ,「水 準効 果 」は い ず れ も 明 ら か にマ イ ナス を 示し て い る1。 こ の 結 果 か ら , モ デ ル の攪 乱項 に は 1 階の系 列相 関 が存 在し , D I F - G M M推 定 に は 2階の系 列相 関 が存 在し ,S Y S - G M M推 定 に は 2階の系 列相 関 が存 在し な い こ と が わ か る2。同 じく操 作 変 数に「過 剰識別」制約が存 在す る か ど う か の検定 に つ い て H a n s e n検定 を 行 っ た と ころ,モ デ ル で選 択し た操 作 変 数は 有 効 で あ り , そ の 他 の操 作 変 数を 導入し 続 け た場合 「過 剰識別」 が 生じや す い こ と が わ か っ た 。以上 の 分 析 を ま と め る と , 結 論 に は 安 定 性 が あ り , そ し て 有 効 で あ る と認識 す る こ と が で き る 。

1 長 期 間 に お け る 「 成 長 効 果 」 と 「 水 準 効 果 」 の 係 数 の 推 算 及 び 標 準 誤 差 は 非 線 形 性 変 換 を 採 用 し て 得 た も の で あ る 。

2 G M M推 定 の 条 件 は2階 の 系 列 相 関 が 存 在 し な い こ と で あ り 、1階 の 系 列 相 関 は G M M 定 の 有 効 性 に 影 響 を 与 え な い 。

5

あ る 。 こ れ に つ い て ,M i t c h e l l a n d S p e a k e r ( 1 9 8 6 ) は n 参 考 値を 出 す と い う 比 較的単 純な 方 法 を 提 案 し た 。実際 に n は そ れ ほ どき く な ら な い た め ,

n 応 じた そ れな る モ デ ル に つ い てパラメー タ 推 定 を 行 い ,残 差 平 方和と自 由 度の比を 計算し , そ の値が 最 小 と な っ た モ デ ル を選 択す る と い う も の で あ る 。 さ ら に も う 1つ注 意し な け れ ば な ら な い の は , モ デ ル選 択のプ ロ セ ス に お い て は 各パラメー タ の 有意性 に つ い て も考 慮し , こ れ ら両 者を踏ま え て モ デ ル を 確 定 し な け れ ば な ら な い と い う こ と で あ る 。

本 研 究 で は次の 対数 差分 モ デ ル に つ い て も考 慮す る 。

it i it it t i t

i it

it y y y X Z v

y = − = + β+ γ+ +ε

Δ

' ' 1 , 1

, ) log( )

log(

) log(

)

log( ( 5 )

こ の うち,yit 地 域の 一 人 あ た り の 生 産 高 で あ り ,Δlog(yit) が 表 す の が 一 人 あ た り 生 産 高 の 年度成 長 率 で あ る 。 ベ ク ト ル =

( )

, ,L

,

2 , 1

,t it

i it

it x x x

X の 要

it

x は 教 育 支 出 がG D P に占め る割合 を 表 し ,Zit は 一 組 のコン トロー ル変 数を 表 す 。vi 観 測で き ず ,ま た 時 間 と と も に変化 し な い 個体 特 徴で あ り ,εit 時 間 や 個体と と も に変化 す る撹 乱項 で あ る 。εit 分 布 で ,さ ら に vi 相 関 関係が な い も のだと 仮 定 し た場合 ,下付き文 字 i と t は そ れぞれ地 域と 時 間 を 表 す 。

2.2 変 数 お よ び デ ー タ の 説 明

本 稿 で選 択し た デ ー タ は 1 9 9 7 - 2 0 1 2 年 の 各 省 間 のパ ネル デ ー タ で あ る 。 デ ー タ は い ず れ も毎年 の『中 国統計 年鑑 』『中 国 の 人口及 び就 業 統計 年鑑 』,『 新中 国 6 0年統計 資 料集 』に拠る が ,チベット の 持 つ特 殊性 と 一 部 年度デ ー タ が欠け て い た こ と を考 慮し ,チベット を除く 3 0の 省 及 び直 轄 市の デ ー タ を使用 し た 。全 て の名目変 数は い ず れ も 1 9 9 7年 を 基準に し て 換算し た も の を実 質 値と し た 。ま た ,我 々も 経 済 成 長 に 関 す る既 存研 究 で利用 さ れ たコン トロー ル変 数の選 択に 従い ,人口増 加 率 (P o p g r) は労 働力 要素が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 ,投 資 が G D P に占め る割合 (I n v e s t m e n t) は 投 資 が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 を そ れぞれ 表 し て い る 。 ま た , 人 的 資 本 レ ベ ル (E d u), 人 的 資 本 に 対 す る評 価に つ い て は , 成 人 識字率 指標 (蔡昉・都 陽,2 0 0 0)を 採 用 し て い る も の も あ る が ,徐 現 祥・舒元

5

あ る 。 こ れ に つ い て ,M i t c h e l l a n d S p e a k e r ( 1 9 8 6 ) は n 参 考 値を 出 す と い う 比 較的単 純な 方 法 を 提 案 し た 。実際 に n は そ れ ほ どき く な ら な い た め ,

n 応 じた そ れな る モ デ ル に つ い てパラメー タ 推 定 を 行 い ,残 差 平 方和と自 由 度の比を 計算し , そ の値が 最 小 と な っ た モ デ ル を選 択す る と い う も の で あ る 。 さ ら に も う 1つ注 意し な け れ ば な ら な い の は , モ デ ル選 択のプ ロ セ ス に お い て は 各パラメー タ の 有意性 に つ い て も考 慮し , こ れ ら両 者を踏ま え て モ デ ル を 確 定 し な け れ ば な ら な い と い う こ と で あ る 。

本 研 究 で は次の 対数 差分 モ デ ル に つ い て も考 慮す る 。

it i it it t i t

i it

it y y y X Z v

y = − = + β+ γ+ +ε

Δ

' ' 1 , 1

, ) log( )

log(

) log(

)

log( ( 5 )

こ の うち,yit 地 域の 一 人 あ た り の 生 産 高 で あ り ,Δlog(yit) が 表 す の が 一 人 あ た り 生 産 高 の 年度成 長 率 で あ る 。 ベ ク ト ル =

( )

, ,L

, i,t1 i,t 2 it

it x x x

X の 要

it

x は 教 育 支 出 がG D Pに占め る割合 を 表 し ,Zit は 一 組 のコン トロー ル変 数を 表 す 。vi 観 測で き ず ,ま た 時 間 と と も に変化 し な い 個体 特 徴で あ り ,εit 時 間 や 個体と と も に変化 す る撹 乱項 で あ る 。εit 分 布 で ,さ ら に vi 相 関 関係が な い も のだと 仮 定 し た場合 ,下付き文 字 i と t は そ れぞれ地 域と 時 間 を 表 す 。

2.2 変 数 お よ び デ ー タ の 説 明

本 稿 で選 択し た デ ー タ は 1 9 9 7 - 2 0 1 2 年 の 各 省 間 のパ ネル デ ー タ で あ る 。 デ ー タ は い ず れ も毎年 の『中 国統計 年鑑 』『中 国 の 人口及 び就 業 統計 年鑑 』,『 新中 国 6 0年統計 資 料集 』に拠る が ,チベット の 持 つ特 殊性 と 一 部 年度デ ー タ が欠け て い た こ と を考 慮し ,チベット を除く 3 0の 省 及 び直 轄 市の デ ー タ を使用 し た 。全 て の名目変 数は い ず れ も 1 9 9 7年 を 基準に し て 換算し た も の を実 質 値と し た 。ま た ,我 々も 経 済 成 長 に 関 す る既 存研 究 で利用 さ れ たコン トロー ル変 数の選 択に 従い ,人口増 加 率 (P o p g r) は労 働力 要素が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 ,投 資 が G D P に占め る割合 (I n v e s t m e n t) は 投 資 が 経 済 成 長 に 与 え る 影 響 を そ れぞれ 表 し て い る 。 ま た , 人 的 資 本 レ ベ ル (E d u), 人 的 資 本 に 対 す る評 価に つ い て は , 成 人 識字率 指標 (蔡昉・都 陽,2 0 0 0)を 採 用 し て い る も の も あ る が ,徐 現 祥・舒元

79

(7)

−6 ( )−

た。全ての名目変数はいずれも1997年を基準にして換算したものを実質値と した。また,我々も経済成長に関する既存研究で利用されたコントロール変数 の選択に従い,人口増加率 (Popgr) は労働力要素が経済成長に与える影響,投 資がGDPに占める割合 (Investment) は投資が経済成長に与える影響をそれぞ れ表している。また,人的資本レベル (Edu),人的資本に対する評価について は,成人識字率指標(蔡昉・都陽,2000)を採用しているものもあるが,徐現 祥・舒元 (2005),李亜玲・汪戎 (2006) をはじめ多くの文献が平均修業年限を 採用しているため,本稿でも平均修業年限指標を用いて地域の人的資本を評価 した。また,都市と農村の収入格差 (Inequality) は分配構造を表している。財 政支出が総生産額に占める割合は (Government) 政府の支出の規模を表してい るが,そのうち財政支出部分から教育支出を差し引いた。都市と町に住む人口 が総人口(農業及び非農業)に占める割合 (Urbangr) は都市化のスピードを 表している。第三次産業と第二次産業の生産高の割合 (Industry) は生産構造 の変化を表している。輸出入がGDPに占める割合 (Trade) は経済の開放度を 表している。また,各地域における1万人あたりの特許申請数,すなわち特許 数 (Patent) はその地域のサイエンステクノロジーやイノベーションのレベル を表している。各変数の記述統計量は表1に示す通りである。

表 1 各変数の記述統計

変数 サンプルサイズ 平均 標準偏差 最小值 最大值

Log(y) 480 9.442 0.735 7.716 11.177

x 480 0.027 0.012 0.011 0.091

Investment 480 0.444 0.124 0.039 1.050

Industry 480 0.879 0.372 0.494 3.368

Popgr 480 5.845 3.265 −1.900 14.850

Edu 480 8.039 1.056 4.690 11.840

Trade 480 0.346 0.709 0.032 12.805

Inequality 480 2.665 0.753 1.300 5.580

Urbangr 480 0.444 0.162 0.170 0.890

Government 480 0.141 0.069 0.023 0.521

Patent 480 1.788 4.068 0.012 47.266

80

表 3 GMM 推定の結果 [2]

参照

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