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KEIRIN

関西情報化実態調査 2007

報 告 書

平成 20 年 3 月

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KEIRIN

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整理することにより、関西地域の情報化促進に寄与することを目的に 2005 年から実施している調 査です。 政府においては、2006 年1月に「IT 新改革戦略」を発表し、2010 年度までの IT 政策の方向性 を展望しました。さらに、「IT 新改革戦略」を達成するための 2007 年度の重点計画では、「国・ 地方の包括的な電子行政サービスの実現」、「IT によるものづくり、サービスなど経済・産業の生 産性向上」、「IT による医療の構造改革」、「次世代を見据えた人的基盤づくり」等、12 施策がうた われています。 昨年度の関西情報化実態調査では、関西2府5県の企業と自治体における IT 利活用と情報セキ ュリティ対策に加えて、「IT 新改革戦略」で重要項目と位置付けられた教育分野、医療分野の情 報化と、関西の IT 産業の動向調査について調査を行いました。結果、各分野に共通して、コンプ ライアンスへの対応が課題として認識されていることが明らかとなりました。 今年度調査では、政府の重点計画にうたわれている IT による生産性向上と人的基盤づくりに着 目し、アンケート調査やヒアリング調査を通して、IT 投資効果と CIO の役割と効果に関して、昨 年度調査を深彫りする形で調査を行いました。また、上場企業において 2008 年 4 月より実施され る J-SOX 法に対応して、内部統制に関しても把握することといたしました。 その結果、各分野共通の課題として各分野における CIO や専門的知識を有する人材が必要であ る、経営戦略と結びついた IT 投資や、IT 投資を評価する指標が必要である、と集約されました。 すなわち、「IT 人材育成」と「戦略的 IT 投資」です。この課題に対して、特に関西の情報化推進 の方策として、中小企業と小規模自治体への具体的な IT 対策について提言しております。情報化 の分野は、グローバルに展開されるものであり、必ずしも関西地域として特徴が把握できるもの ではありませんが、進むべき方向性は見出せるものになったと自負しております。 平成 17 年度からの本調査より得られた関西地域における各分野の情報化の実態や寄せられま した意見等を参考に、3 年間の集大成となる「e-Kansai レポート 2008」を発刊いたします。本レ ポートが関西地域の情報化推進に取り組まれる方々のお役に立てば幸甚でございます。 最後に、本調査を実施するにあたり、昨年度に引き続き主査をお務め頂きました大阪市立大学 大学院教授 中野潔氏をはじめ、委員各位、執筆者の皆さま、ならびにアンケート調査、ヒアリ ング調査等にご協力頂いた各位にお礼を申し上げる次第です。 平成 20 年3月 財団法人関西情報・産業活性化センター 専務理事 山嵜 修一郎

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¾情報担当教員のスキルは高い ¾機器の整備より支援体制への要望が全国比 より高い ¾旧型PCを利用したOSSを積極的に取り入れ る教育委員会がある ¾教育CIO、教育情報化コーディネータが必要 ¾情報担当教員のスキルは高い ¾ ¾機器の整備より支援体制への要望が全国比機器の整備より支援体制への要望が全国比 より高い より高い ¾ ¾旧型旧型PCPCを利用したを利用したOSSOSSを積極的に取り入れを積極的に取り入れ る教育委員会がある る教育委員会がある ¾教育 、教育情報化コーディネータが必要

2003年∼

CIO

2003年∼

●「元気・安心・感動・便利社会の実現 ●IT利活用の重視 ●「元気・安心・感動・便利社会の実現 ●IT利活用の重視

2006年∼

2006年∼

●IT利活用で世界を先導 ●ITによる構造改革力の追求 ●IT利活用で世界を先導 ●ITによる構造改革力の追求

2008年∼

2008年∼

●ITの持つ「つながり力」の徹底活用 ●ITの持つ「つながり力」の徹底活用

2001年∼

2001年∼

●5年以内に世界最先端のIT国家に ●インフラなどのIT基盤整備 ●5年以内に世界最先端のIT国家に ●インフラなどのIT基盤整備 国の I T 施策 国の I T 施策 社会基 盤 の I T 動 向 社会 基 盤 の I T 動 向 z家庭へのインターネット普及 z企業・自治体の情報機器整備 z家庭へのインターネット普及 z企業・自治体の情報機器整備 z企業のIT利活用、情報共有 z情報セキュリティ対策の必要性 z自治体の住民向け情報サービス z企業のIT利活用、情報共有 z情報セキュリティ対策の必要性 z自治体の住民向け情報サービス zネットワークの進展(ブロードバンド化、モバイル化、NGN等) z情報発信の増加(Web2.0関連技術の進展等) z通信と放送の融合と連携 等 zネットワークの進展(ブロードバンド化、モバイル化、NGN等) z情報発信の増加(Web2.0関連技術の進展等) z通信と放送の融合と連携 等 関西情報化実 態調査の 結果 関西 情報 化実態調 査の 結果

関西情報化実態調査

(2005年度∼2006年度) ■ 2005年度調査より ¾IT人材育成と活用に課題 ¾関西の企業・自治体ではCIO選任率が低い ■ ■ 20052005年度調査より年度調査より ¾IT人材育成と活用に課題 ¾関西の企業・自治体ではCIO選任率が低い ■ 2006年度調査より ¾CIOとIT利活用ステージとは関連 ¾IT人材の位置づけは高くない ¾人材育成の取り組みが低調 ¾コンプライアンス対応の必要性 ¾関西は優秀なSEの層が薄い ■ ■ 20062006年度調査より年度調査より ¾ ¾CIOCIOととITIT利活用ステージとは関連利活用ステージとは関連 ¾IT人材の位置づけは高くない ¾人材育成の取り組みが低調 ¾コンプライアンス対応の必要性 ¾関西は優秀なSEの層が薄い

関西情報化実態調査

(2007年度) ¾マクロのIT投資は経済成長と労働生産性の向上に寄与している ¾コンテンツ産業で最大の輸出産業であるゲーム産業に高い全国シェア ¾通信市場が競争的で、高いブロードバンドサービス利用可能環境が整備されている ¾マクロのIT投資は経済成長と労働生産性の向上に寄与している ¾ ¾コンテンツ産業で最大の輸出産業であるゲーム産業に高い全国シェアコンテンツ産業で最大の輸出産業であるゲーム産業に高い全国シェア ¾ ¾通信市場が競争的で、高いブロードバンドサービス利用可能環境が整備されている通信市場が競争的で、高いブロードバンドサービス利用可能環境が整備されている ¾関西のIT投資は、全体の投資規模に比べ、全国比が低い ¾関西のIT産業の総生産は、全産業の総生産に比べ、全国比が低い (IT産業の東京一極集中の反映) ¾関西のIT投資は、全体の投資規模に比べ、全国比が低い ¾関西のIT産業の総生産は、全産業の総生産に比べ、全国比が低い (IT産業の東京一極集中の反映) ■ 関西のIT投資とIT産業 ■ ■関西の関西のITIT投資と投資とITIT産業産業 ¾IT利活用は進んでおり、ITを活用した効率的な経営が行われ ている ¾CIOサポート組織がCIO機能を補っている ¾先進事例では人事評価システムが用いられていた ¾情報セキュリティ対策の水準は高い ¾IT利活用は進んでおり、ITを活用した効率的な経営が行われ ている ¾CIOサポート組織がCIO機能を補っている ¾ ¾先進事例では人事評価システムが用いられていた先進事例では人事評価システムが用いられていた ¾ ¾情報セキュリティ対策の水準は高い情報セキュリティ対策の水準は高い ¾CIOに求められる能力のうち、情報化戦略立案能力が 不足 ¾IT投資効果指標測定の未達(収益の部分までは分から ない) ¾情報システム技術者やSEの東京流出が関西地域の抱 える問題点 ¾CIOに求められる能力のうち、情報化戦略立案能力が 不足 ¾IT投資効果指標測定の未達(収益の部分までは分から ない) ¾情報システム技術者やSEの東京流出が関西地域の抱 える問題点 ■ 上場企業 ■ ■上場企業上場企業 強み強み ¾8割の企業でIT導入が行われている ¾経営者やCIOのリーダシップにより 情報化が進む ¾職人技データベース等、ITを用いた 人材育成の取り組みも見られる ¾8割の企業でIT導入が行われている ¾経営者やCIOのリーダシップにより 情報化が進む ¾ ¾職人技データベース等、職人技データベース等、ITITを用いたを用いた 人材育成の取り組み 人材育成の取り組みも見られる ■ 中小企業 ■ ■中小企業中小企業 弱み 弱み 強み 強み 弱み弱み ¾IT投資を行う上での問題点は、ITを 活用できる能力・人材の不足 ¾情報化と経営方針との乖離 ¾IT投資効果が見えにくい ¾IT投資を行う上での問題点は、ITを 活用できる能力・人材の不足 ¾情報化と経営方針との乖離 ¾IT投資効果が見えにくい ¾IT先進自治体が多い ¾庁内ポータルサイト等による情報共有 が進み、電子決裁の導入も行われて いる ¾自治体ごとに特徴的な市民サービス が実施されている ¾ ¾ITIT先進自治体が多い先進自治体が多い ¾庁内ポータルサイト等による情報共有 が進み、電子決裁の導入も行われて いる ¾自治体ごとに特徴的な市民サービス が実施されている ■自治体 ■ ■自治体自治体 ¾職員の情報システム利用スキル習得 が必要 ¾ITを活用した住民サービスの向上 ¾CIOに求められる能力のうち、情報セ キュリティに関する知識不足 ¾職員の情報システム利用スキル習得 が必要 ¾ITを活用した住民サービスの向上 ¾CIOに求められる能力のうち、情報セ キュリティに関する知識不足 ■ 教育分野 ■ ■教育分野教育分野 ¾医療情報のマネージャーやCIOの必要性 ¾用語、データ交換規格、情報伝達方法及び診療プロセスの標準化 ¾個人の生涯に亘る健康・医療情報の管理サービスのニーズ ¾医療情報のマネージャーやCIOの必要性 ¾用語、データ交換規格、情報伝達方法及び診療プロセスの標準化 ¾個人の生涯に亘る健康・医療情報の管理サービスのニーズ ■ 医療分野 ■ ■医療分野医療分野

‹

‹

IT

IT

人材育成

人材育成

‹

‹

戦略的

戦略的

IT

IT

投資

投資

共通の課題

共通の課題

e

e

-

-

Japan

Japan

重点計画

重点計画

e

e

-

-

Japan

Japan

戦略

戦略

IT

IT

新改革戦略

新改革戦略

IT

IT

政策ロードマップ

政策ロードマップ

強み 強み 強み 強み 弱み 弱み 弱み 弱み

戦略

戦略

■中小企業: IT活用による成功事例・ ノウハウの提供 IT投資に対する税制優遇 現在の公的支援の周知 等 人事交流、IT教育の公的支援 ■小規模自治体: 広域連携による住民サービス IT教育支援 等 ■ ■中小企業:中小企業: IT IT活用による成功事例・活用による成功事例・ ノウハウ ノウハウの提供の提供 IT IT投資に対する税制優遇投資に対する税制優遇 現在の公的支援の周知 現在の公的支援の周知 等等 人事交流、 人事交流、ITIT教育の公的支援教育の公的支援 ■ ■小規模自治体:小規模自治体: 広域連携による住民サービス 広域連携による住民サービス IT IT教育支援教育支援 等等 関西として経済基盤の底上げとなる 中小企業・小規模自治体のIT対策

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エグゼクティブサマリー 関西情報化実態調査は、関西地域の各分野における情報化の実態を把握し、課題を整理するこ とにより、関西地域の情報化推進に寄与することを目的とした調査である。 昨今の情報化の進展は目覚ましく、家庭におけるブロードバンド、モバイル機器の普及やブロ グ、SNS といった情報発信の増加が進んでいる。また、通信と放送の融合・連携がはじまり、新 たな産業となりつつある。 政府においては、「IT 新改革戦略」と「政策パッケージ」に掲げられた目標を 2010 年までに確 実に達成するために、迅速かつ重点的に実施すべき年度別の施策集として、2007 年 7 月に「重点 計画-2007」が策定された。その内容は、「国・地方の包括的な電子行政サービスの実現」、「IT に よるものづくり、サービスなど経済・産業の生産性向上(特に中小企業の取組強化)」、「国民の健 康情報を大切に活用する情報基盤の実現」、「高度 IT 人材の好循環メカニズムの形成」等、12 施 策が挙げられている。 このような背景のもと、「関西情報化実態調査」として、2005 年度より、関西 2 府 5 県の企業 と自治体の情報化に関する調査を実施した。その結果、IT人材育成と活用に課題があり、また、 関西では全国に比べてCIO1(Chief Information Officer)選任率が低い等の結果も得られた。2006 年度調査では、企業・自治体に加え、教育・医療分野、IT産業の動向に調査を拡大した。企業・ 自治体の調査からは、CIOの存在とIT活用の推進度を測る指標であるIT利活用ステージとは正の 関連がある、人事面でのIT活用はまだまだ取り組まれていない、人材育成の取り組みが低調であ る等の結果が得られた。また、各分野共通で、コンプライアンス2対応の必要性が課題として認識 されていた。 2007 年度は、過去 2 年の調査結果を受けて、関西地域の各分野における情報化について、特に IT人材とIT投資を重点に調査を実施した。

・IT 投資は経済成長に寄与しているが、IT 投資、IT 産業は東京一極集中

まず、統計データから関西地域のマクロ的な IT 投資について分析すると、IT 投資は経済成長 や労働生産性の向上に寄与している。その一方で、関西の IT 投資、IT 産業は、全体の経済規模 に比べ、全国に占めるウェイトが低い。しかしこれは、関西が低いというよりはむしろ、IT 投資、 IT 産業が東京に一極集中していることを反映している。 ・関西企業の IT 利活用は進展、情報セキュリティ対策も進む、IT 投資効果測定は未達 次に、関西に本社を置く上場企業の情報化を見ると、ITの利活用は進展しており、特に、日本 版SOX法対応のために内部統制の確立が進んでいることが確認された。情報セキュリティ対策も 1 最高情報責任者 企業内の情報システムや情報の流通を統括する担当役員。情報システムの構築や運営に関する 技術的な能力だけでなく、営戦略に関する深い理解と能力も必要とされている。 2 一般的には、社会秩序を乱す行動や社会から非難される行動をしないこと。特に、企業活動において、法律や規 則、社会規範などに違反することなく、それらを守ることを指す。

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・関西の中小企業の IT 活用の課題は能力・人材不足、先進事例では新しい取り組みも行われる 中小企業の情報化では、多くの企業で IT 導入は行われているものの、IT 投資を行う上で社内 で問題となる点としては、IT 活用の能力・人材不足や、システム構築に時間と労力がかかるから、 という結果が得られた。先進事例に対するヒアリング調査結果からは、経営者や CIO のリーダー シップこそが情報化を進展させるとの回答が得られ、職人技データベース等の、IT を用いること が難しいと言われる技術継承での取り組みも見られた。その一方で、企業の情報化の阻害要因と しては、情報化と経営方針との乖離や、IT 投資効果が見えにくいといった回答が得られた。 ・関西自治体の IT による住民サービスは先進的 自治体の情報化調査では、まず、関西自治体における業務・住民サービスシステム導入率は全 国に比べて高く、先進的な取り組みを実施する自治体が多いことが分かった。庁内ポータルサイ ト等による情報共有が進み、電子決裁の導入も行われており、市民に対しても、自治体ごとに特 長的なサービスが実施されている。その一方で、周知不足の感も否めないが、住民サービスの向 上が図られているものの、その IT 投資効果の測定は難しい印象であった。自治体の CIO は市長 もしくは副市長が務めており、CIO をトップに、各部局長で構成する組織横断的体制によって、 施策の策定や進捗状況の把握(チェック)が行われていた。CIO 自身は特に IT に関する専門的な 知識や技術を必要とするものではないが、総合的な施策を進めるポストにあることから、横断的 な体制により、実施計画が庁内に浸透し、また、庁内全体で情報の共有化が図られている。 ・関西地域の情報担当教員の能力は高い 教育分野の情報化調査では、全国と比較して関西は、授業での IT 活用の障害を PC の台数(IT 環境の整備)不足ではなく、準備に時間がかかるとする教員が多い。したがって、関西では機器 不足より授業での支援体制を望む教員が多いという課題があった。その一方で、関西での情報担 当者の持つ能力は、企画提案面でも全国に比べ高い。 IT環境の整備に関しては、予算の確保が困難な財政状況にあり、地方交付税を原資にするので はなく、目的を明確にした補助金制度等の創設が望まれる。同時に、PC整備を進めるためには、 旧型PCの再利用およびそれに伴うOSS4(Open Source Software)導入の検討など、自治体としての 新たな対応策を検討する必要もある。 また、教育の情報化で次なる重要な視点と言われている情報モラル教育については、教育現場 での対応だけでなく、家庭や地域による取り組みが求め荒れている。 3 システムエンジニア コンピュータシステムの設計やシステム開発のプロジェクト管理などをする技術者のこ と。 4 オープンソースソフトウェア ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無 償で公開し、誰でも改良、再配布が行なえるようにしたソフトウェア。

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・関西では医療情報技師が充実し、新たな取り組みも行われている 医療分野の情報化調査では、人材育成については、医療と情報を繋ぐ担当者レベルの人材は順 調に育成が図られるようになっており、特に、医療情報技師は、関西では他の地域と比べ充実し ている。その一方で、医療情報のマネジメントや情報化と経営を繋ぐことができる人材(医療機 関 CIO)が全国的にまだほとんど育っていないというのが現状である。地域医療情報ネットワー クについては、標準化、相互運用性に力点をおいた地域の医療情報連携の実証実験が、名古屋地 域や香川・東京・千葉・岩手で進められている。 ・関西の IT 産業の将来性、表示装置の世界的集積地 関西のIT産業については、大阪湾岸において薄型パネルの生産拠点の立地が進み、将来的に表 示装置の世界的集積地となる可能性を持つ、コンテンツ産業の中で最大の輸出産業であり、日本 が世界市場をリードするゲーム産業で高い全国シェアを持つ、また、電力系事業者の参入によっ て、通信市場が競争的であり、FTTH5(Fiber To The Home)によるブロードバンドサービスの利 用環境が整っている、といった強みがある。 ・関西の課題は「IT 人材育成」と「戦略的 IT 投資」 企業、自治体、教育、医療での、IT を利用する側に対する調査と、関西のマクロ経済の動きと IT 産業という、IT を提供する側に対する調査結果より、各分野共通の課題として浮かび上がった のは、各分野における CIO や専門的知識を有する人材と、経営戦略と結びついた IT 投資や、IT 投資を評価する指標の必要性であった。集約すると「IT 人材育成」と「戦略的 IT 投資」である。 その一方で、関西には新しいものを受け入れる土壌があり、情報化に対して新しい取り組みを 行う企業、高い問題意識を持つ自治体、スキルの高い情報担当教員、先進的な医療機関が存在す ることも分かった。また、顔が見える範囲でコミュニティを形成し、知恵を出し合う文化がある。 これらの強みを活かし、課題解決を図ることが、関西地域の情報化の進展に繋がる。 関西地域の経済基盤の特徴は、一般的に言われているように、中小企業である。これら中小企 業や小規模自治体の生産性向上につながる情報化対策こそが喫緊の課題だと考える。 これら課題に対する政策例は、中小企業に対しては、IT 活用による成功事例やノウハウの提供、 人事交流、さらには、IT 教育の公的支援や現在の公的支援の周知といったものが考えられる。自 治体に対しては、広域連携による住民サービスや、IT 教育の支援である。これらの支援策を情報 化の助けとして、関西地域の新しい取り組みを恒常化することが必要である。 5 光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス。

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■■■ 目 次 ■■■

序 調査の概要...1 第1節 本調査の趣旨...1 第2節 調査の概要...2 第1章 関西の社会経済と IT の進展 ...4 第1節 マクロ経済における関西の IT 産業...4 第2節 IT 投資の経済成長、労働生産性への寄与の分析...5 第2章 企業と自治体の情報化...17 第1節 IT 利活用...20 第2節 内部統制...74 第3節 情報セキュリティ対策...78 第3章 教育の情報化...101 第 1 節 教育現場における情報化の現状...101 第2節 ヒアリング調査結果...114 第3節 有識者から見た教育の情報化...118 第4章 医療分野の情報化...127 第1節 医療分野の情報化の現状と調査の概要...127 第2節 主な調査結果...132 第3節 有識者から見た医療の情報化...140 第5章 関西の IT 産業の動向...163 第1節 関西の IT 産業...163 第2節 関西の IT 産業をめぐるトピックス...178 第3節 有識者からみた関西の IT 産業の動向...184 コラム 関西情報化実態調査から e-Kansai レポートへ...198 補論 ...204 資料編 ...215

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調

調

第1節 本調査の趣旨

2006 年1月に政府の IT 戦略本部により発表された「IT 新改革戦略」は、構造改革による飛躍、 利用者・生活者重視、国際貢献・国際競争力強化という理念のもと、2010 年度までの IT 政策の 方向性を展望したものであった。続いて 2007 年 4 月に発表された「IT 新改革戦略政策パッケー ジ」では、今後の IT 政策に関する基本的な方向性が定められ、社会経済における新たな価値の創 出等の、更なる発展・飛躍のために IT 戦略が一層推進されることがうたわれた。 さらに、「IT 新改革戦略」と「政策パッケージ」に掲げられた目標を 2010 年までに確実に達成 するために、迅速かつ重点的に実施すべき年度別の施策集として、2007 年 7 月に「重点計画-2007」 が策定された。その内容は、政策パッケージを推進するための施策として、「国・地方の包括的な 電子行政サービスの実現」、「IT によるものづくり、サービスなど経済・産業の生産性向上(特に 中小企業の取組強化)」、「国民の健康情報を大切に活用する情報基盤の実現」、「高度 IT 人材の好 循環メカニズムの形成」等 12 施策が挙げられている。また、IT 新改革戦略のその他の政策を推 進するための施策として、「IT による医療の構造改革」、「世界に誇れる安全で安心な社会」、「IT 経営の確立による企業の競争力強化」、「デジタル・ディバイドのないインフラの整備」、「次世代 を見据えた人的基盤づくり」等 12 施策が挙げられており、計 26 施策から成る。 こうした強力な IT 政策の推進と軌をひとつにして、我が国の社会・経済は情報化とその利活用 によって大きく変化してきた。それらは国民の生活を変化させ、新しいビジネスの仕組みをもた らした。 企業においては、部門間、企業全体、取引企業間をつなぐ全体最適の手段として IT を活用する ケースが増加しており、顧客や企業間の情報連携が発展しつつある。また、地方自治体において も、情報化による業務・システムの最適化や住民サービスに直結した IT 利活用が推進されている。 2006 年度の関西情報化実態調査では、上場企業と地方自治体に対し、IT 利活用に関する調査に 加え、情報最高責任者に求められる能力や IT 人材育成、大規模災害時の業務継続対策に関する調 査を実施した。その結果、企業では、IT を活用して効率的な経営を目指す姿勢が窺えた一方で、 先進事例においても、営業面や人事面での IT 活用に関しては取り組みが少ないことが分かった。 自治体では、窓口支援システムや市民意見の聴取、地域イントラネットといった方策が採られて おり、住民サービスに対する IT 利活用が進んでいたのと同時に、電子決裁の導入による組織のフ ラット化や、グループウェア導入による情報の共有が進展していた。また、調査範囲を「IT 新改 革戦略」で重要項目と位置付けられた医療分野、教育分野の情報化と、関西の IT 産業の動向調査 へと拡大し、各分野に共通して、コンプライアンス対応が課題であるとの認識を得た。 以上を踏まえ、2007 年度関西情報化実態調査では、引き続き、関西地域の各分野における情報 化の実態を把握し、その課題を整理するとともに、関西地域の情報化のあり方、将来展望も含め て進むべき方向性を示すことで、関西地域の情報化の指針となることを目指すものである。

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第2節 調査の概要

2007 年度の関西情報化実態調査は、大きく分けて以下の3つの調査より構成される。 1. 関西の社会経済と IT の進展 まず、統計資料等を用いて、マクロ経済の観点から、関西の IT 産業や、IT 投資の経済成長へ の寄与を分析した。その結果、関西の IT 産業は、全体の経済規模に比べ、全国に占めるウェイト が低いことが分かった。しかしこれは、関西が低いというよりはむしろ、IT 産業が東京に一極集 中していることを反映したものである。 関西の IT 産業の GRP は、全産業の GRP に比べて伸びが高く、IT 産業の伸張を示している。し かし、パソコンやソフトウェア、ネット加入等はそれらが目的ではなく、それらを手段として用 い、それらがない場合より、より効果的・効率的な事業運営を遂行するために購入するのである。 それが達成できていなければ IT 産業の伸張は、パソコンやソフト購入費など、情報という、新し いコストが経済社会の中で増大しているに過ぎない、ということになる。情報化の進展度の議論 は、IT 産業の量的拡大だけではなく、IT の利用による効果・効率という面からの分析が必要とな る。 そのため情報化投資と生産性の関係を分析し、情報化投資は今後の人口減少社会において生産 性を高めるために重要な要素であることを確認した。 2. 企業、自治体調査 上場企業と地方自治体に対しては、2006 年度と同様の IT 利活用に関するアンケートに加え、 CIO に求められる能力や IT 人材育成、内部統制、安全安心への取り組みに関する質問を付加して 実施した。また、アンケート結果の裏付けとしてそれぞれ5企業、4団体へのヒアリング調査を 行った。 中小企業に対してのアンケートでは、調査項目に CIO の有無や IT 教育の内容等にまで踏み込 んだ調査とし、内容を深めることとした。また、関西圏にある IT 先進 23 企業に対してヒアリン グ調査を実施した。 結果、企業では IT の利活用が進展していること、特に、日本版 SOX 法対応のために内部統制 の確立が進んでいることが確認された。CIO に関しては、CIO の能力に過大な依存をすることな く、CIO の情報化戦略立案能力を補佐し、チームがひとつのCIO 機能を果たしているような例が、 アンケート結果から窺えるとともに、先進事例のヒアリング調査で確認された。また、IT 投資効 果の測定については、主にサービスの向上と生産性向上に主眼を置いているが、経営のスピード アップの効果は見えても、主たる目的である生産性向上にまでは繋がっていない。積極的・継続 的な IT 投資が行われているが、サービスの向上は、IT によるものばかりではなく、総合的なも のであり、なかなか要因を測定することが難しいといった意見も聞かれた。 自治体調査では、一般職員への IT 教育が進んでいることが確認された。先進事例においては、 庁内講習や部局単位での自主研修、e-ラーニングの導入などが行われていた。IT 投資の目的と効 果では、電子決裁や庁内ポータル再とを利用した情報共有といったバックオフィス系のシステム

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導入については、業務の効率化につながる効果が確認できるが、住民サービスの向上については 効果の測定がしにくく、周知が難しいといった印象であった。 3.教育分野、医療分野、IT 産業の動向調査 「IT 新改革戦略」で重要項目と位置付けられた医療分野、教育分野の情報化について、特に情 報化が遅れている要因と推測される IT 環境整備状況と IT 人材とに注目し、先進事例に対するヒ アリング調査を中心に調査を行い、現状の把握と課題の抽出を行った。 教育分野については、IT 環境の整備状況と教員の IT 活用指導力との関係に着目し、文部科学 省が実施したアンケート調査より、授業等での IT 利活用が進まない要因把握を行った。また、そ の結果を踏まえ、関西地域の主な教育委員会等での IT 活用に関する考え方をヒアリング調査をと おして把握することで課題を整理し、今後の取るべき方向性を明らかにした。 医療分野については、病院、大学に加え関連団体、NPO、ベンダ、一般企業といった幅広い角 度から関係者に対してヒアリング調査を行った。医療経営や医療情報に係わる人材の育成、医療 情報ネットワーク形成の基盤となる用語や情報交換規格などの標準化、個人の健康・医療情報の管 理に向けた動きなどを調べ、それぞれの今後の課題について明らかにした。 また、IT 産業については、各種統計調査をもとに、関西の IT 産業の動向をとりまとめ、関西 は、製造系には一定の割合を占めるが、サービス系には弱いという状況を確認した。これらデー タや最近の IT を取り巻く我が国、世界の動向を踏まえつつ、関西に 特徴のある IT 産業に関わる 6トピックス(大阪湾岸における薄型パネル生産拠点の集積、組込みソフト産業推進会議、全国 初の IP ラジオ放送、USJ における顔認証システムの導入、放送と通信の連携・融合が進む中での 在阪放送局の展開、次世代ネットワーク)を取り上げ、現状をヒアリング調査等により把握した。

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西

西

I

I

T

T

関西の社会経済と IT の進展のポイント IT 産業は、全産業に比べて関西、国内共に総生産の伸びが高く、電子計算機製造や情報サービ ス業のようなコア産業だけでなく、デジタル融合が進む中で関連産業を IT 産業化しながら、深さ と範囲の双方で成長・拡大を続けている。 しかし、IT のツールは保有が目的ではなく、手段として、より効果的・効率的な事業運営のた めに用いられるのであり、それが達成できていてこそ、情報化が進展していると言える。 従って情報化の進展度の議論は、IT 産業の量的拡大だけではなく、IT の利用による効果・効率 という面からの分析が必要となる。 そこで情報化投資の経済成長、労働生産性への寄与の分析を行い、マクロ的な観点からは、IT 投資は経済成長や労働生産性の向上に有効に寄与している結果が得られた。

第1節 マクロ経済における関西

6

のIT産業

7 平成 12 年8の関西のIT産業の域内総生産は、製造系 1.7 兆円、サービス系 3.0 兆円、合計 4.7 兆 円で、IT産業の国内総生産 31.5 兆円の 15.0%を占める。これは、関西の域内総生産 83.3 兆円の 国内総生産 488.1 兆円に占める 17.1%よりやや低い。 IT 産業はこの数十年間に急速に成長発展してきた産業であり、業容の変化が激しい。それを反 映して、産業分類においても電子計算機本体からパソコン、無線電気通信機器から携帯電話機の ように新設分岐が多い。一方でワードプロセッサのように一旦事務用機械から新設分岐しながら 消滅したものもある。更により重要なのは、近年のデジタル融合の中で IT 化が進んだラジオ・テ レビ受信機のように、同じ分類名であっても過去には IT 産業に含まれないものもある。 従って IT 産業としての域内総生産を時系列で比較することは注意が必要であるが、比較的業容 変化が小さいであろうとして平成 7 年から 12 年の変化をみると、名目値ではあるが、IT 産業は、 全産業に比べて関西、国内共に総生産の伸びが高い。伸びは関西と国内でほぼ変わらず、全産業 が 0.98∼1.00 倍と、昨今の厳しい経済環境を反映して殆ど伸びていないのに対し、IT 産業は 1.30 倍、うち製造系が 1.05∼1.07 倍、サービス系が 1.52 倍となっている。従って、域内総生産に占め る IT 産業の割合は、関西が 4.3%から 5.7%へ、全国が 5.0%から 6.5%へと割合を高めている。 これは名目値であり、IT 関連製品の激しい値下がり傾向を考慮すれば、実質値では更に高い割合 であろうことが推測できる。 6 関西は福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の7府県を言う。近畿と記す場合がある。 7IT産業の定義は章末資料を参照のこと。 8 県民経済計算や国民経済計算は産業分類が粗く、IT産業としての域内総生産を把握することが難しい。そのため 年次は古くなるが分類がより詳細な産業連関表を用いる。地域内産業連関表の最新公表は平成 12 年値であり、平 成 17 年値が平成 21 年に公表される予定である。また地域内産業連関表の公表は名目値に限られる。

(15)

IT 産業は、電子計算機製造や情報サービス業のようなコア産業だけでなく、デジタル融合が進 む中で、ラジオ・テレビ受信機製造や放送業のような関連産業を IT 産業化しながら、深さと範囲 の双方で成長・拡大を続けている。 IT産業の域内総生産 (百万円、%) 平成7年(1995年) 平成12年(2000年) 近畿 全国 近畿 全国 平成7年比 全国比 全国比 近畿 全国 製造系 1,661,306 14.0 11,877,249 1,737,175 13.7 12,703,132 1.05 1.07 サービス系 1,964,136 15.9 12,360,981 2,984,270 15.9 18,812,503 1.52 1.52 IT産業計 3,625,442 15.0 24,238,230 4,721,445 15.0 31,515,635 1.30 1.30 域内総生産(909900内生部門計) 84,756,306 17.4 485,826,576 83,294,957 17.1 488,096,789 0.98 1.00 4.3 5.0 5.7 6.5 (注1)域内総生産は、粗付加価値部門計から家計外消費支出(行)を差し引いた額である。 (注2)数字は産業連関表の列番号である。 製造系には平成12年の以下の23業種を含む。平成7年はそれに対応する業種を含む。 272101電線・ケーブル、272102光ファイバーケーブル、302301産業用ロボット、302904半導体製造装置、 311101複写機、311109その他の事務用機械、321101電気音響機器、321102ラジオ・テレビ受信機、 321103ビデオ機器、331101パーソナルコンピュータ、331102電子計算機本体(除パソコン)、331103電子計算機付属装置、 332101有線電気通信機器、332102携帯電話機、332103無線電気通信機器(除携帯電話)、332109その他の電気通信機器、 333101電子応用装置、334101半導体素子、334102集積回路、335901電子管、 335903磁気テープ・磁気ディスク、335909液晶素子・その他の電子部品、391902情報記録物 サービス系には平成12年の以下の8業種を含む。平成7年はそれに対応する業種を含む。 731201固定電気通信、731202移動電気通信、731203その他の電気通信、731909その他の通信サービス、 732101公共放送、732102民間放送、732103有線放送、851201情報サービス 出典:平成12年地域内産業連関表 IT産業が域内総生産に占める割合 IT 産業の成長を以て情報化の進展の一面を計ることはできる。しかし、パソコンやソフトウェ ア、ネット加入等はそれらを保有すること自体を目的とするのではなく、それらを手段として用 い、それらがない場合より、より効果的・効率的な事業運営を遂行するために購入するのである。 それが達成できていてこそ、情報化が進展していると言えるのである。そうでなければ IT 産業の 伸張は、パソコンやソフト購入費など、情報という、新しいコストが経済社会の中で増大してい るに過ぎない、ということになる。 従って情報化の進展度の議論は、IT産業の量的拡大だけではなく、ITの利用による効果・効率 という面からの分析が必要となる。9 そこで IT 投資と経済成長や労働生産性の関係を次節で分析することとする。

第2節 IT 投資の経済成長、労働生産性への寄与の分析

2.1 関西の IT 投資と IT 資本ストック (1)IT 投資 IT 産業をこの章で定義した範囲に沿って平成 12 年産業連関表の固定資本形成(民間)の列データ から IT 投資額を拾ってみると、関西の IT 投資は 2.5 兆円で民間企業設備投資 11.2 兆円の 21.9% を占める。同様に全国の IT 投資は 16.6 兆円で民間企業設備投資 73.0 兆円の 22.8%を占める。 9 篠崎彰彦著「情報技術革新の経済効果−日米経済の明暗と逆転 2003 年」参照

(16)

全国の IT 投資額の中で関西が占める割合は 14.8%であり、これは全国の民間企業設備投資額の 中で関西が占める割合 15.4%や、国内総支出 488.1 兆円に占める関西の域内総支出 83.2 兆円の占 める割合 17.1%よりも低い。 IT 投資面においても関西は、全体の経済規模に比べ、全国に占めるウェイトが低い。 産業連関表からみた関西のIT投資 平成12年 (百万円、%) 列 行 近畿 全国 914200地域内総固定資本形成(民間) 3023011 産業用ロボット 50,562 344,583 914200  〃 3029041 半導体製造装置 73,172 823,269 914200  〃 3111011 複写機 59,722 450,424 914200  〃 3111099 その他の事務用機械 85,240 555,638 914200  〃 3211011 電気音響機器 16,332 94,087 914200  〃 3211021 ラジオ・テレビ受信機 15,211 89,459 914200  〃 3211031 ビデオ機器 11,119 65,452 914200  〃 3311011 パーソナルコンピュータ 160,438 1,248,531 914200  〃 3311021 電子計算機本体(除パソコン) 160,649 1,247,274 914200  〃 3311031 電子計算機付属装置 253,810 1,956,967 914200  〃 3321011 有線電気通信機器 256,134 1,502,257 914200  〃 3321021 携帯電話機 4,240 26,065 914200  〃 3321031無線電気通信機器(除携帯電話) 159,771 912,559 914200  〃 3321099 その他の電気通信機器 44,649 248,704 914200  〃 3331011 電子応用装置 156,011 1,044,185 914200  〃 3919021 情報記録物 120 1,097 914200  〃 8512011 ソフトウエア業 952,566 6,010,436 A 上記合計 2,459,746 16,620,987 914200地域内総固定資本形成(民間) 9099000 内生部門計 14,732,170 94,183,072 914200  〃 4111011 住宅建築(木造) 1,717,138 11,862,213 914200  〃 4111021 住宅建築(非木造) 1,798,026 9,327,385 B 民間企業設備投資 (9099000-4111011-4111021) 11,217,006 72,993,474 (参考)国民・県民経済計算より企業設備投資(年度) 10,925,225 71,900,100 950000 最終需要部門計 9099000 内生部門計 86,611,837 507,267,974 911000 家計外消費支出(列) 9099000 内生部門計 3,371,119 19,171,185 C 地域内総支出 (950000-911000) 83,240,718 488,096,789 (参考)国民・県民経済計算より地域内総支出(年度) 86,008,561 504,118,800 A/B 21.9 22.8 Aの対全国比 14.8 100.0 Bの対全国比 15.4 100.0 Cの対全国比 17.1 100.0 (注)近畿は域内総支出が前出の域内総生産と一致しない。 出典:平成12年地域内産業連関表、平成18年度国民経済計算、平成17年度県民経済計算 (2)IT 資本ストック 投資が蓄積して形成される資本ストックが生産要素として生産活動に関わる。資本ストックの 中で IT 資本ストックの生産活動への関わり方を以て、IT 投資の効果を推計する。 資本ストックデータは明示的に捉えることが難しく、投資額と償却率、耐用年数などのパラメ ータに基づいて推計に依り求める。しかし、全産業においても推計のための基礎データが揃わな い地域ベースにおいて、IT 産業としての資本ストックを推計することは難しい。 そのため「平成 19 年版情報通信白書」に収録された我が国の IT 資本ストックデータを、試行的 に按分により関西地域における IT 資本ストックとして用いる。按分比は、「電中研民間企業資本 ストックデータ (財)電力中央研究所社会経済研究所」に基づく、投資の対全国比と資本ストック の対全国比の関係式に、産業連関表の固定資本形成の対全国比を代入した値とした。5年毎の中 間年は補間に依った。

(17)

そのため IT 投資額を、上記白書の定義に沿って電気通信機械、電子計算機本体・同付属装置、 ソフトウェアに限って、また按分を用いるため参考地域として関東を取り上げ、値を時系列で拾 ってみると、下表の通りである。 電気通信機械、電子計算機本体・同付属装置の投資において、近畿は全国に対し、昭和 55 年 以降概ねウェイトを高めていたものがバブル崩壊以後ウェイトを落としたが、平成 7 年から 12 年にかけてはソフトウェア投資も含めて持ち直し、平成 12 年では電気通信機械が 17.2%、電子 計算機本体・同付属装置が 12.9%、ソフトウェアが 15.8%を占めるに至っている。その間に参考 地域としての関東は全国に対し、電気通信機械の投資では一貫してウェイトが増加、電子計算機 本体・同付属装置は傾向としてはウェイトを低下させ、平成 12 年では電気通信機械が 54.6%、 電子計算機本体・同付属装置が 58.6%、ソフトウェアが 47.1%を占めるに至っている。 平成 7 年から 12 年にかけて、近畿、全国、関東、いずれにおいても民間企業設備投資におけ る IT 投資は、それぞれ 10.9%から 17.4%へ、13.4%から 17.7%へ、16.3%から 21.0%へと割合を 高め、IT の経済活動への浸透を示している。 IT 投資の内容としては、ハードに比べソフトの割合が大幅に増加している。 産業連関表からみたIT投資  (10億円、%) 昭和55年(1980年) 昭和60年(1985年) 平成2年(1990年) 列 行 近畿 全国 関東(参考)近畿 全国 関東(参考)近畿 全国 関東(参考) 914200地域内総固定資本形成(民間)3321011+3321021+3321031電気通信機械 74.7 408.2 176.8 179.7 951.7 432.7 324.6 1,734.9 791.7 914200  〃 3311011+3311021+3311031電子計算機本体・同付属装置 173.4 1,071.6 678.4 484.9 2,540.6 1,349.6 821.9 4,365.7 2,226.2 914200  〃 8512011 ソフトウエア A 上記合計 914200地域内総固定資本形成(民間) 9099000 内生部門計 8,631.5 52,666.4 21,198.5 10,629 63,627 27,755 18,185.1 107,014.4 49,058.4 914200  〃 4111011 住宅建築(木造) 1,412.4 9,851.2 3,939.5 1,127 8,145 3,507 1,532.5 11,728.3 5,200.2 914200  〃 4111021 住宅建築(非木造) 1,097.5 5,738.8 2,426.4 1,257 6,691 3,196 2,603.0 13,919.2 7,338.8 B 民間企業設備投資 (9099000-4111011-4111021) 6,121.6 37,076.4 14,832.6 8,245 48,791 21,052 14,049.6 81,366.9 36,519.4 18.3 100.0 43.3 18.9 100.0 45.5 18.7 100.0 45.6 電子計算機本体・同付属装置の対全国比 16.2 100.0 63.3 19.1 100.0 53.1 18.8 100.0 51.0 A/B Bの対全国比 16.5 100.0 40.0 16.9 100.0 43.1 17.3 100.0 44.9 平成7年(1995年) 平成12年(2000年) 列 行 近畿 全国 関東(参考)近畿 全国 関東(参考) 914200地域内総固定資本形成(民間)3321011+3321021+3321031電気通信機械 385.1 2,465.4 1,231.6 420.1 2,440.9 1,331.6 914200  〃 3311011+3311021+3311031電子計算機本体・同付属装置 507.5 4,415.4 2,728.2 574.9 4,452.8 2,610.4 914200  〃 8512011 ソフトウエア 458.3 3,151.7 1,570.9 952.6 6,010.4 2,830.6 A 上記合計 1,350.9 10,032.5 5,530.6 1,947.6 12,904.1 6,772.5 914200地域内総固定資本形成(民間) 9099000 内生部門計 16,967.4 99,544.9 44,228.4 14,732.2 94,183.1 41,869.3 914200  〃 4111011 住宅建築(木造) 2,027.5 13,523.5 5,494.4 1,717.1 11,862.2 5,112.7 914200  〃 4111021 住宅建築(非木造) 2,495.6 11,023.1 4,728.1 1,798.0 9,327.4 4,475.7 B 民間企業設備投資 (9099000-4111011-4111021) 12,444.3 74,998.3 34,005.9 11,217.0 72,993.5 32,280.9 15.6 100.0 50.0 17.2 100.0 54.6 電子計算機本体・同付属装置の対全国比 11.5 100.0 61.8 12.9 100.0 58.6 14.5 100.0 49.8 15.8 100.0 47.1 A/B 10.9 13.4 16.3 17.4 17.7 21.0 Bの対全国比 16.6 100.0 45.3 15.4 100.0 44.2 (注1)行コードは平成12年のものである。他の年は同名称の産業を引用した。ただし、昭和55の電気通信機械は電気通信機械及び関連機器である。 (注2)関東は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡の11都県を言う。 出典:地域内産業連関表 ソフトウエアの対全国比 電気通信機械の対全国比 ソフトウエアの対全国比 電気通信機械の対全国比 我が国の IT 資本ストック(平成 19 年版情報通信白書)は、実質ベース(2000 年価格、購入者価格 評価)で 38.8 兆円、うち、電気通信機器が 5.2 兆円、電子計算機本体・同付属装置が 14.6 兆円、 ソフトウェアが 19.1 兆円、民間企業資本ストックに占める割合は 3.4%である。時系列でみると、 昭和 55 年以降情報化社会と言われる中で順調に増加し、平成 2 年バブル崩壊後しばらくは停滞し たが、近年緩やかな増加に戻しつつある。 IT 資本ストックの内訳は、近年ソフトウェアの割合が高くなっている。

(18)

我が国の情報資本ストックの推移(2000年価格) 5.2 14.6 19.1 3.4 0 5 10 15 20 25 30 35 40 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 (兆円) 0 1 2 3 4 (%) ソフトウエア 電子計算機本体・同付属装置 電気通信機器 民間資本ストックに占めるIT資本ストック比率 出典:平成 19 年版情報通信白書 2.2 関西のIT資本ストックと経済成長、労働生産性10 関西や全国、関東(参考地域)の経済成長に対する生産要素の寄与をみると、80 年以降 3 地域と も概ね一般資本の寄与が低下してきており、近年では IT 資本の寄与がそれをカバーしている(関 西の 90∼95 年を除く)。95∼00 年、00∼03 年は 3 地域とも IT 資本の寄与が最も多い。一方労働 の寄与はバブル崩壊以後、3 地域とも一貫してマイナスであり、今後の人口減少社会において、 経済の活性化を図っていくためには、IT 投資が重要な要素となることを示している。 95∼00 年における関西の経済成長率 0.13%のうち IT 資本の寄与は 0.95%、一般資本は 0.73%、 労働は-0.65%の寄与であり、00∼03 年ではそれぞれ-0.11%に対し、0.29%、-0.14%、-0.86%で ある。関西の IT 資本の寄与は全国より高いが、関東よりはやや低いか同程度である。 経済成長への寄与(関西 1年当り) -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 (%) TFP -1.20 0.71 0.62 -0.89 0.60 一般資本 1.63 2.01 0.64 0.73 -0.14 IT資本 2.21 2.03 -0.02 0.95 0.29 労働 0.51 0.34 -0.44 -0.65 -0.86 経済成長率 3.15 5.09 0.79 0.13 -0.11 1980∼1985 1985∼1990 1990∼1995 1995∼2000 2000∼2003 10 本項の分析手法は「ICTの経済分析に関する調査報告書 平成 19 年 3 月 総務省」に依っている。分 析手法の説明は後添の付注1,付注2を参照のこと。

(19)

経済成長への寄与(全国 1年当り) -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 (%) TFP -1.19 0.24 0.96 -0.25 1.20 一般資本 1.64 1.93 0.59 0.74 0.08 IT資本 2.17 2.25 0.32 0.82 0.25 労働 0.48 0.37 -0.44 -0.53 -0.83 経済成長率 3.10 4.79 1.43 0.78 0.71 1980∼1985 1985∼1990 1990∼1995 1995∼2000 2000∼2003 経済成長への寄与(関東(参考) 1年当り) -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 (%) TFP -0.75 0.33 -0.30 0.20 0.48 一般資本 1.62 2.02 0.63 0.74 0.17 IT資本 2.55 2.91 0.65 1.01 0.29 労働 0.91 0.84 -0.35 -0.46 -0.52 経済成長率 4.34 6.10 0.62 1.48 0.42 1980∼1985 1985∼1990 1990∼1995 1995∼2000 2000∼2003 次に IT 投資の実測値が得られた 1995 年と 2000 年の 5 年間の、労働生産性成長率に対する IT 資本と一般資本の寄与をみると、関西では労働生産性成長率 6.1%に対し IT 資本の寄与は 1.2%、 全国では同様に 8.4%に対し 1.0%、関東では 11.6%に対し 1.2%であった。いずれの地域におい ても、労働生産性の伸び率の1割以上は、IT 資本の深化に依っていることがわかる。 また関西では、TFP(全要素生産性、IT 資本や一般資本だけでは説明できない残差)がマイナ スに働いているのに対し、関東ではそれがプラスに働いていることが示されている。同様の傾向 は、前項の同時期の経済成長に対する寄与でもみられる。 TFP には投入要素の質、規模の経済、技術変化、景気循環、社会制度環境、インフラ整備の向 上、その他の要因が含まれる。近年の関西の地盤沈下の要因に通じるものもあると思われる。

(20)

1995-2000年の5年間の労働生産性成長率への寄与 1.2 1.0 1.2 8.6 8.9 -3.6 -1.3 1.5 8.4 11.6 6.1 8.4 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 関西 全国 関東(参考) 労働生産性成長率 (%) TFP 一般資本 IT資本 労働生産性成長率 以上により、マクロ的な観点からは、IT 投資は経済成長や労働生産性の向上に有効に寄与して いる結果が得られた。 (付注1 IT 投資と経済成長の分析手法) IT 資本ストックの生産活動への関わりを推計するため、次のように、労働、IT 資本、一般(IT 以外の)資本の3つを要素とする、生産関数を導入する。

)

,

,

(

L

K

1

K

2,

t

f

Y

=

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 産出量の変化は全微分により次のように導ける。

dt

t

Y

dK

K

Y

dK

K

Y

dL

L

Y

dY

2 2 1 1

2 2 2 1 1 1 K d K, dK K d K dK L d L dL Y d Y dY= ・ ln , = ・ ln , = ・ ln = ・ ln であり、これらを 上記に代入して、かつ

λ

γ

β

α

, 

, 

, 

t

Y

Y

K

K

Y

Y

K

K

Y

Y

L

L

Y

Y

2 2 1 1

とおくと、次式が導かれる。

λdt

K

d

K

d

L

d

Y

d

ln

=

α

ln

+

β

ln

1

+

γ

ln

2

+

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) (2)式の両辺をdtで除したものをtで積分して(3)式を得る。

c

λt

K

K

L

Y

=

ln

+

ln

1

+

ln

2

+

+

ln

α

β

γ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) ここで λ=0とし、一次同次(α+β+γ=1)を仮定すると次のような推計式が得られる。

c

L

K

L

K

L

Y

t

/

t

)

=

ln(

,

t

/

t

)

+

(

1

)

ln(

,

t

/

t

)

+

ln(

β

1

α

β

2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) ここで求めたβは IT 資本ストックの経済成長に対する弾力性であり、IT 資本ストックの経済 成長への寄与は、この弾力性に IT 資本ストックの成長率を乗じて求めることができる。

(21)

データは下記を用いた。 Y:実質GDP 国内総生産(国民経済計算の平成 12 年基準 93SNA 固定基準年方式実質値、一部平成 7 年基 準 93SNA 実質値から推計) 域内総生産(県民経済計算の平成 12 年基準 93SNA 固定基準年方式実質値、一部平成 7 年基 準 93SNA 実質値及び平成 2 年基準 68SNA 実質値から推計) L:労働投入量 就業者数(国民経済計算、県民経済計算)に年平均実労働時間(毎月勤労統計)を乗じる。 K1:IT資本投入量 前述による。関西は、下記の電中研民間企業資本ストックデータから投資の対全国比とスト ックの対全国比の関係式を求め、それに産業連関表による関西の IT 投資の対全国比を代入し て求めたストックの対全国比で、前述の全国の IT 資本ストックを按分する。稼働率は 1 とし ている。 K2:一般資本投入量 民間企業資本ストック(内閣府経済社会総合研究所)及び電中研民間企業資本ストックデー タ((財)電力中央研究所社会経済研究所)から上の IT 資本投入量を差し引いたものに、稼働 率(経済産業省)を乗じる。 金額は総て 2000 年価格の実質である。 統計量による検定結果から1階の自己回帰過程を適用した推計結果は下記の通りである。 関西の経済成長に対する IT 資本ストックの弾力性は、全国や関東のそれより小さく、逆に一般 資本の弾力性は全国や関東のそれよりも大きい。 回帰推計結果 関西 全国 関東(参考) 推計値 t値 推計値 t値 推計値 t値 労働投入量 α(=1-β-γ) 0.626741 0.646027 0.635138 IT資本投入量 β 0.088925 2.805 *** 0.093870 3.555 *** 0.123261 5.368 *** 一般資本投入量γ 0.284334 2.904 *** 0.260103 3.262 *** 0.241601 3.888 *** 定数項 1.504960 1.680 1.67099 2.287 ** 1.90051 3.405 *** 決定係数 0.991775 0.996008 0.997097 DW比 1.70279 0.83638 1.81337 観測数 ***は有意水準1%で、**は5%で、*は10%で有意であることを示す。 1階の自己回帰項は記載していない。 1980∼2003年の24 (付注2 IT 投資と労働生産性の分析手法) 次に IT 資本ストックの労働生産性への関わりを推計するため、前項と同様の生産関数を想定す るが、IT 投資の実側データが得られるのは 1995 年と 2000 年であったため、ここではこの 2 時点 間の変化を離散近似式により分析することとする。 前項の(2)式を次のように修正する。

λ(t)dt

,

K

d

t

,

K

d

t

L

d

t

Y

d

ln

t

=

α

(

)

ln

t

+

β

(

)

ln

1t

+

γ

(

)

ln

2t

+

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) ここで生産関数の一次同次を仮定すると、労働生産性の変化は次のように表せる。

(22)

(

t

t

)

d

K

L

t

dt

L

K

d

t

L

Y

d

ln(

t

/

t

)

=

β

(

)

ln(

1

,

t

/

t

)

+

1

α

(

)

β

(

)

ln(

2

,

t

/

t

)

+

λ

(

)

・・・・・・・・・・・(5) 一般に

d

ln(X

t

)

/

dt

の離散近似は次のようである。 t t t t

dt

d

ln(X

)

/

(

X

+1

X

)

/

X

従って(5)式は次のように離散近似することができる。

)

)

(

)

(

(

2

1

)

/

,

(

)

/

,

(

)

,

(

))}

(

)

(

(1

))

(

)

(

{(1

2

1

)

/

,

(

)

/

,

(

)

,

(

))

(

)

(

(

2

1

)

/

(

)

/

(

)

/

(

1 1

1

t

t

L

K

L

K

/L

K

1

t

1

t

t

t

L

K

L

K

/L

K

1

t

t

L

Y

L

Y

L

Y

t t 2 t t 2 1 t 1 t 2 t t 1 t t 1 1 t 1 t 1 t t t t t t

+

+

+

+

+

+

+

+

+

=

+ + + + + +

λ

λ

β

β

β

β

         

α

α

         

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) (6)式の右辺第 1 項は期間 t∼t+1 における労働生産性の変化に対して IT 資本深化度が及ぼす寄 与、第 2 項は同様に一般資本深化度が及ぼす寄与、第 3 項は TFP の寄与を表わしている。 競争市場において企業が利潤極大化を図る場合、αは労働分配率に近似し、βとγ(=1−α− β)の比は IT 資本と一般資本の資本サービスコストの比に近似する。 資本サービスコスト、つまり資本使用者費用は、資本サービス単位当り使用者費用に資本サー ビス量を乗じたものである。また資本サービス量は生産資本ストックに比例するものとする。 資本の使用者費用は次のように表わすことができる。11

(

+

) (

−1

)

=

t t t t t t

q

r

d

q

q

µ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)

原価償却率

市場利子率

金融資本費用

価格

新しい生産資本の市場

資本使用者費用

:

)

(

:

:

:

t t t t

d

r

q

µ

(7)式の第 1 項は資本調達費用である。qt・rt は借入金で調達した場合の利払い、または自己資金 で調達した場合の資金の機会費用を表わす。qt・dt は生産資本の設備年齢の経過に伴う減価償却費 または価値の損失を表わす。第 2 項は資本利得または損失、あるいは資本の再評価を表わす。 資本サービスの単位当り使用者費用は、(7)式より次のように表せる。

(

)

資本財の価格指数 り使用者費用 資本サービスの単位当 : : 1 t t t t t t t t p p p p d r

ϖ

ϖ

= + − − − 11 詳細は「Measuring Productivity OECD Manual」

(23)

従って IT 資本サービスの生産量に対する弾力性βは次のようになる。

(

)

(

)

⎪ ⎩ ⎪ ⎨ ⎧ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ⎪ ⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎪ ⎩ ⎪ ⎨ ⎧ ⎪ ⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ⎪ ⎩ ⎪ ⎨ ⎧ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛ ⎪ ⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎪ ⎩ ⎪ ⎨ ⎧ ⎪ ⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎟ ⎠ ⎞ ⎜ ⎝ ⎛

=

+

=

t 2 t-1 2 t 2 t 2 t t 2 t 1 t-1 1 t 1 t 1 t t 1 t 1 1 t 1 t 1 t 1 t t 1 t 2 t-1 2 t 2 t 2 t t 2 t 1 t-1 1 t 1 t 1 t t 1 t 1 1 t 1 t 1 t 1 t t 1

,

,

−p

,

,

K

,

,

−p

,

,

K

,

,

−p

,

,

K

t

,

,

−p

,

,

K

,

,

−p

,

,

K

,

,

−p

,

,

K

t

t

α

− −

,

,

,

))

(

(1

,

,

,

))

(

)

(

(

)

(

β

γ

β

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) (8)式から得られるβを次の(9)式に代入して、期間 t∼t+1 における労働生産性の変化に対して IT 資本深化度が及ぼす寄与を求めることができる。

)

/

,

(

)

/

,

(

)

,

(

))

(

)

(

(

2

1

t t 1 t t 1 1 t 1 t 1

L

K

L

K

/L

K

1

t

t

+

β

+

+ +

β

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) 一般資本に関しても同様である。労働生産性成長率とこれらとの残差は TFP の寄与となる。 データは下記を用いた。 GDP、GRP、L、K1、K2 は前項に同じ。 α:労働分配率 名目価格評価の雇用者所得/名目価格評価の粗付加価値額 する加重平均とした。 の構成比をウエイトと (民間)の列ベクトル 用年数は固定資本形成 による。一般資本の耐 財務省の耐用年数省令 原価償却率 総合) ( 国内銀行貸出約定金利 子率) 金融資本費用(市場利 備投資デフレーター 算の民間部門の企業設 一般資本は国民経済計 日本銀行) 資本は企業物価指数( 資本財の価格指数 : 新規・ : IT : t t t d r p

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