社会主義における租税(2) : ソ連邦「取引税」の本 質をめぐつて
その他のタイトル Taxation in Socialism (II) : Problems of the Soviet 'Turnover‑Tax'
著者 佐藤 博
雑誌名 關西大學經済論集
巻 6
号 5
ページ 452‑476
発行年 1956‑09‑01
URL http://hdl.handle.net/10112/15693
452
である故︑本稿は︑従つてソ連邦財政学者の所説が論述の中心合企業・コルホーズの財務活動をも包括した全国民経済的な分
ある
︒
的機
能を
︑
F・ホルツマンの所説を中心として述べたが︑その
際問題となった事は、ホルツマンの著書(F•
Ho
lz
ma
n,
o v S
i e t
T a x a
t i o n
. 1955)においては︑ソ連邦租税の﹁本質的特性﹂
︵社会主義的国家収入の性格︶が明確にされていなかったとい
う点である︒従って本稿の課題は︑社会主義国民経済と国家と
の質的関係によって生ずる︑社会主義国家収入の本質の検討で
これら本質上の特性は︑ソ連邦諸経済学者の常に強調する点 ﹁国民所得﹂の計画的な分配︑
特に︑社会主義経済体制の特性から︑国家財政の問題は︑単
に国家予算を中心とした国家経済に限定されず︑その他︑信用
、国家社会保険、財産•生命保険、国営企業財務活動、協同組 に形成し分配する制度であり︑
( 3 )
再分配の役割を果している︒ 社会主義の財政制度は︑国民経済の貨幣資金フォンドを計画的 前稿︵第六巻第四号所載︶において︑ソ連邦租税体系の経済
( 1 )
一︑社会主義の﹁国民所得﹂と﹁取引税﹂
序
祉 会
( 2 )
既に﹁経済学教科書﹂によって明らかにされているように︑ と
なっ
てい
る︒
佐 ー ソ 連 邦
﹁ 取 引 税
﹂ の 本 質 を め ぐ つ てl
主 義 に お け る 租 税
3
藤
九
博
454
けである︒再びペトロフの例を引用すると﹁国民所得﹂の支出 かくして﹁国民所得﹂は最終的に支出次元に現われて来るわ
を所得形成過程と考えれば︑本源的分配過程は︑国営・協同組 業利潤﹂︑或いは﹁取引税﹂の形態を通じて︑分配される︒
純所得﹂と﹁生産的勤労者の第一次的所得﹂に分かれる︒これ
﹁ 企
さきに述ぺたように︑ソ連邦において︑国民所得は︑先づ﹁ をもつている︒従つて︑国家財政にとつて重要なものは︑国民
とな
る︒
150
にお
いて
は︑
から成つている︒
この式でわかるように︑﹁国民所得﹂
35
00は︑現物形態では︑ 右式においては﹁社会的総生産物﹂は
90 00
社会主毅における租税︵佐藤︶
心L滞菩諮舟脆歯 u婆苫︵華造燦漆︶
30 00 1 1 5 1 00
+
15 00
98011
55 00
+器
g
部分は55
0 0
配分が決定される︒
社会の﹁純所得﹂は︑ とな 生産手段の補填
従つて﹁新価値﹂即ち﹁国民所得﹂は
35 00
る︒またこれは現物形態では︑生産手段500と消費資料3000と このようにして生産された﹁国民所得﹂或いは﹁新価値﹂は︑
分配並びに再分配されて︑社会の成員によって支出されるので
あるが︑それは先づ所得の形成過程において二つに分かれ︑
︱つは﹁純所得﹂部分︑他ほ﹁生産的勤労者の第一次的所得﹂
これら全体としての所得の第一次的配分の基礎は︑社会全体
の﹁蓄積﹂と﹁消費﹂であり︑それに基いて国家計画を通じて
﹁社会のための生産物﹂として︑
I塁9
︵舟
蹄咄
洒︶
6 g 1
81さ
︵舟
涙喩
Fg
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宰蓄[7斗
Y I ‑ "
)
+
1500(7lijft~~-COJft/fft:7
; : t : , , r )
+
50
0(
§:
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y F )
I婆苫︵茸遥蓋章︶
30 00 11
1500(§:.£:'f-Jllt-COJ1i!i~7
; : t :
I ' ) ;
+
13 50 (Y H!
t濠章
A0
莱這t7斗
≪ F )
+ 15
0︵釜澤濠章
t.
0蝶薄7斗
y F )
消費資料
30 00500と生産手段とから成つているが︑支出の次元
﹁消
費フ
ォン
ド﹂
28
50と﹁蓄積フォンド﹂
650に
分れる︒この場合﹁蓄積フォンド﹂は︑現物形態で︑消費資料 生産手段500
によって織成されている︒
さて国家財政は︑生産された国民所得を︑分配︑再分配して︑
支出の次元までもつて行く︱つの最要な﹁てこ﹂としての役割
所得の分配の段階である︒
合企業の利潤︑コルホーズの不分割フォンド︑国家社会保険・
︵哄
慄︷
更臣
︶
︵蛍言葉︶
︵哄
苛官
宝︶
︵速宜官︶ (9)
は次のようになる︒
九四
455
る ︒ かくて︑国民所得は︑支出段階において消費と蓄積に分かれ と
が合
して
︑
項目である﹁国民経済費﹂
﹁個
人的
消
る ︒
九五
その他を受け入れ︑
﹁国
民経
済費
﹂︑
﹁行政費﹂その他に支出する︒
︵集中的蓄積︶と﹁企業留保利潤﹂
( 1 1 )
﹁蓄積フォンド﹂を形成し︑
の支出項目である﹁社会文化費﹂︑
費フォンド﹂を形成する︒
社会主義における租税︵佐藤︶ 一方︑国家予算の他
﹁国
防費
﹂︑
の他の国家予算への支払を控除した国民の所得は︑ ﹁行政費﹂そ
の他は︑国家による﹁社会的消費フォンド﹂を形成し︑租税そ
は﹁社会のための労仇﹂部分を表わすものと考えられている︒こ
(14)
の﹁社会のための労仇﹂部分を規定するものは︑生産の拡大の ための労佑部分や︑社会的に有用にして必要不可欠な非生産的
分野の労佑であるc
勿論︑この中には︑国家の一定の諸活動も
( 1 5 )
入る
︒ 一方︑価格を規定するものは︑価値即ち社会的生産費であ り︑これは一商品を生産するに要する社会的に必要な費用であ 従って商品価格の中には︑直接的生産費︵過去労佑及び︑活
支出項目別に国民所得の利用を検討すると︑国家予算の支出 費
﹂︑
的生産部門に佑く勤労者の労佑によって創り出されるが︑それ
﹁社
会文
化費
﹂︑
﹁国
防
して
前述
の﹁
取引
税﹂
︑
協同組合相互保険フォンド︑取引税︵集中的貨幣菩積︶︑生産 的勤労者の賃金︑コルホーズ員所得等への分配過程を示すも
( 1 0 )
のである︒また再分配過程としては︑派生所得の形成︑国民の 国家予算は︑か4
る分配︑再分配過程において︑その収入と
﹁利
澗控
除﹂
︑
﹁国
民の
租税
﹂︑
﹁国
債﹂
(1
2)
一般的に見て︑価格は所得分配の機能をもつている︒この事 は︑社会主義国であるソ連邦の場合にもいえる事で︑価格は﹁
( 1 3 )
純所得﹂の分配に重要な役割を果している︒
ソ連
邦の
場合
︑
﹁純所得﹂は︑社会的総生産物と同様︑物質
る ︒ 方︑企業利潤も﹁利潤控除﹂の形態で国家に集中せしめられ 直接税︑国債を通じての国家への資金の集中が考えられ︑
二 ︑
﹁純所得﹂と一取引税﹂ 引税﹂の関係について見てみよう︒ ち特に﹁純所得﹂の分配に関係がある︒次に﹁純所得﹂と﹁取
か4る国民所得の分配過程において︑﹁取引税﹂は︑このう
4.56
社会主義における租税︵佐藤︶
ための労仇﹂部分が入る︒
ソ連邦の場合︑価格は基本的には社会全体の蓄積︑消費を考 慮し︑個々の商品の需要と供給を考慮して国家が計画的に設定
(16)
するものであり︑従つて﹁純所得﹂部分も︑国家の計画的価格
によって決定される︒
して現われてはいるが︑それは価格を決定する要素ではない︐
反対に︑国家の設定した価格によって︑社会主義的純所得が定
( 1 7 )
まる︒従つて﹁純所得﹂の配分形態である﹁利潤﹂や﹁取引税﹂
う関係によって決定される︒
﹁社
会の
( 18 )
これら価格と原価との差額は︑﹁取引税﹂の本質を規定する さて︑国家は価格を設定する際︑社会的・経済的政策要因を
( 1 9 )
︵2 0
)
考慮し︑また﹁価値法則﹂も価格決定の一要因として考慮する︒
このような個々の商品価格の設定において︑各商品の販売に いる︒その問題は﹁取引税の本質﹂の問題として後述する︒
小売価格は︑いずれの場合でも︑それら卸売価格に流通黄用 をもつている︒ 際の﹁取引税﹂は︑ 卸売価格︵当該機関の経費と利潤が含まれる︶となって︑その
際の重要な契機となるもので︑これをめぐつて諸説が対立して
(Sal
es
︑ ︑工業
は︑国家の設定した価格によって︑即ち価格マイナス原価とい
たものと︑取引税なしの工場価格との差額ー計算︑及び︑単位 ﹁取引税﹂が用いられる︒
べている︒ソ連邦において﹁純所得﹂部分は価格の構成部分と
A
・バチウリンは︑価格と﹁純所得﹂の関係を次のように述
の抑制政策のために︑特に価格が設定された場合︑当該商品生 が再分配の一手段となっている︒このほか︑生産の剌激や消費
労佑のうちの﹁自分のための労佑﹂部分︶のほかに︑
よって生ずる﹁純所得﹂は︑国家の政策的要求に応じて相違を きたす︒例えば︑ソ連邦において︑生産手段の価格は極めて低 く定められ︑生産手段生産部門において創り出される﹁純所得﹂
( 2 1 )
は︑消費財の販売を通じて実現される︒従って消費財部門の﹁
純所得﹂の一部は︑国家の手によって再分配され︑
産企業の不当な﹁純所得﹂︵利潤︶の獲得を廃除するためにも
︑ ︑
(2
2)
ところで﹁取引税﹂は通常工業卸売価格の%で計算され︑
︵そのほか︑定額ー小売価格から流通費用︑商業利潤を差引し
一種
の﹁
仕入
税﹂
一種
の﹁
売上
税﹂
当り計算がある︶︑工場から直接小売店に商品が引渡されると
︑ ︑ きは︑工場卸売価格の中に含まれ︑
ta x) 的性格をもち︑また販売卸売機関を通ずるときは︑
(P ur ch as e ta x)
的性格
﹁取
引税
﹂
九六
457
て︑これに対して取引税は︑社会の純所得であり︑国民経済各
九七
次に歴史的側面から︑これらの主張をあとづけてみよう︒ と
いう
のが
︑
A・バチウリンを初め︑ソ連邦財政学者の一致し
いず
れに
して
も︑
いる
︒
値
(C
)﹂部分とから成り︑残余の﹁取引税﹂と﹁利潤﹂
︵卸
売
とみなすならば︑結局︑その差額は︑ 及び商業利潤︵商業上の附加価値
‑N at se nk a
或は
Sk id ka )
を加えたもので︑価格と原価の差額といつても︑そのなかには
﹁取引税﹂︑﹁利潤﹂︑販売卸売機関の経貿︑流通費用などが
(23) 含まれている︒しかし︑後者二つを原価に対する附加価値部分
﹁取引税﹂及び﹁利潤﹂
となる︒従って価値構成の観点から見ると︑
﹁販
売卸
売機
関経
費﹂
︑
﹁流
通費
用﹂
は︑
による生産物の価値
(V
)﹂
部分
と︑
社会主義における租税︵佐藤︶
﹁生
産物
原価
﹂︑
﹁自分のための労仇
﹁消耗された生産手段の価
機関︑商業阪売機関の利潤を含む︶が﹁社会のための労仇によ
(24) る生産物の価値
(M
)﹂部分を体現している事になる︒一方そ
れは︑前述の︑所得の面では︑所謂﹁純所得﹂部分を表わして
社会の﹁純所得﹂部分が︑このように﹁取引税﹂と﹁利潤﹂
に分かれる理由を︑A・バチウリンは次のように説明している︒
即ち﹁利潤は当該企業の純所得︑換言すれば︑企業利潤であっ
部門において︑社会のための労佑によって創り出された生産物
(25) の価値部分を集約的に体現している部分である﹂と述べ︑ とが︑その源泉において区別可能なものであるか否かは︑問題
(26) となるところであり︑むしろ︑その区別は︑彼が他の点で触れて
いるように﹁独立採算制﹂という実践的役割から出ているもの
と思われる︒即ち﹁独立採算制の必要不可欠の条件は︑国営生
( 2 7 )
産部門の純所得から︑企業自体の純所得︵利潤︶を分離する事﹂
であり︑その分離せられ︑企業の自由に任せられた﹁純所得﹂
によって︑企業自身の需要を充足させ︑企業の生産活動を剌激
させるという政策的意図から両者が区別されているものと思わ
れる︒そのほか両者の実践的任務がそれぞれ存在するが︑概ね
( 2 8 )
前稿で述べたF・ホルツマンの指摘が当つている︒
もので︑換言すれば︑社会主義的利潤を︑その源泉としている︑
た見解である︒ ﹁取引税﹂は社会の純所得部分を体現する 果してA・バチウリンの説くように︑
﹁取
引税
﹂と
﹁利
潤﹂
ならぬものとしている︒ ない部分として︑﹁利潤﹂部分とは︑はつきりと区別されねば さらに﹁取引税﹂は︑個々の企業が︑.決して自由に処分出来
456
.社会主義における租税︵佐藤︶
註
(1 ) 以下﹁取引税﹂とカッコに包んだものは︑ソ連邦の 取引税
(N
ar
og
s
ab
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ot
a
︹ 露︺ ︑
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英 ︺
Um
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表わ
す︒
(2 )
C f.
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Ek
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ch
eb
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Mo啓
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,
1 95 4
G,
ra
va
37 ,
PP
. 5
26
‑5
4
﹃経済学教科書﹄第四分冊︵同上訳︶︑合同出版社︑一
九五五年︑第三七章参照︒
︵以下原書はAUchebnik►、訳書は『教科書}とする)
(3
)
D.
A
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an
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y
Ekonomiki
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No.2,
1 95 4
, P
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( 4 )
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. M
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1 95 2
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̀ 1 9
5 4,
P .
56
4
̲
(6
)
I b i d
. ,
PP
. 3
91
,4
( 7 )
このほか﹁流通部面でつゞけられる生産過程の業務
︵商品の保管︑仕上げ︑輸送︑包装など︶をおこなう︑
商業での佑き手の労佑﹂及び︑﹁物質的生産部門で精
神労佑にたづさわる佑き手﹂も生産的労佑にはいる︒
( A
Uc
he
bn
ik
>P
. 5
18
I f 教科書.=八七九ページ︶
(8
)
A.
E. Petrov;
o p .
c i t . ,
P .
39
5
(9
)
I b i d
. ,
P .
39
6
‑‑
(10)A•
K.
S
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ov
,
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kh
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y
Ga
su
da
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tv
en
no
go
Bi
ud
zh
et
a SS
SR
, M
os
co
w
̀ 1955
P.
1 0
(特にことわ
りのない限り︑A・スチコフの引用書は︑この書を指
す︒
︶
( 1 1 )
﹁蓄積フォンド﹂のなかには︑このほか﹁社会的予
備と保険のフォンド﹂︑﹁文化厚生のための基本建設
フォンド」が入る。(八Uchebnik~、P.
55
0
﹃教
科書
﹄
九二六ページ参照︶
( 1 2 )
﹁一般的に︑競争体制のもとにおいては︑価格は窮
極的に国民所得の再配分の基本的代行者となる︒この 事は︑計画経済のもとにおいては︑なおさらの事であ る ﹂
(A
.
Ba
yk
ov
, T
he
De
ve
lo
pm
en
t
o f
th
e S
o vi e
t
Ec
on
om
ic
Sy
st
em
, C
am
br
id
ge
̀
1 95 0
P . ,
3 6
7 )
また︑スチコフは﹁価格は︑社会主義経済において︑
国民所得の計画的分配の最も重要な手段となってお り︑かつまた︑消費と蓄積との間の価値比率の決定に
も重要な役割を果している」と述べているe(A•
K .
Su
ch
ko
v,
o p
c i t ,
. ,
P .
16
1)
(13)A•V•
Ba
ch
ur
in
,
P ri b
y l
i
Na
lo
g
s
Ab
ar
ot
a v
SS
SR
,
Mo月0W•
19
55
̀
P .
47
(1
4)
ソ連邦においてば︑自国の経済理論において︑必要
生産物部分
(V
)を﹁自分のための生産物﹂
(P
ro
du
kt
d l i a
s e
b ia )
︑剰余生産物部分
(M
)を﹁社会のための生
産物
﹂
(P
lo
du
kt
d l i a
obshestva)
或いは﹁社会の純
九八
4~9
社会主義における租税︵佐藤︶ 所
得﹂
(C
hi
st
yi
da kh od obshestva) ( Ib i d ., P .
18
)
( 1 5 )
I b i d. , P .
2
1
( 1 6 )
具体的な価格計画化の問題については︑
岡稔著﹃ソヴェト工業生産の分析.一岩波書店︑昭和︱︱i
十一年︑第三章参照︒
( 1 7 )
A . V . Bachurin,
o p. c i t . , P .
31
(1 8) A
・パイコフは︑この差額を財の実際原価
(A
ct
ua
l︑
c os t p r i ce ) と財の社会的生産費
( So c i al c os t
)の差額
と見ており︑前者は︑企業の直接的生産費︵賃金︶であ
り︑後者は︑社会的に必要な生産費で︑薔積︑管理費︑国
防費等をも含めたものと見ている︒
( Cf . A. Ba yk ov ,
0 p .
c i t . , P .
36
8)
M
・ドップも︑これとほゞ同様な見解に立つている
C
( Cf . M
︐.D
ob b, o S
vi
et
E co no mi c D ev el op me nt Si
nc
e
1 91 7 , L on do n, r d 3 . e d . ,
19
53
,
PP
. 370‑4)
( 1 9 )
A
. V
.
Ba
ch
ur
in
,
o p. c i t . , i ? . 1
28
( 2 0 )
C f
. A•
K. Su
ch
ko
v,
o p c i t . . , P .1 9 ,
P.
15
8
(2
1)
A
・スチコフは︑この事を下表を用いて説明してい
る︒︵単位留︶
(A•
K. Su
ch
ko
v,
Ga su da rs tv en ny e D ak ho dy S SS R, Mo sc ow ̀ 1 9 4 9, P . 52)
と称している。
1 内 訳 社 会 的 社 会 的
社会的,商品の 生 産 費 生 産 費
産 業 部 門 生(価産値費)価 格 原 価 利潤 1,取税引以価下格の 以上の
価 格 o / ' ' !
(I)採 坂 産 業110 00 5 500i ! 5 000 500 ‑ 4, 500
部 門 ' ' ' ' I
(II)加 工 産 業120000l17 000115 ooo. 1. 500 soo s. ooo
部 門 ': ' -~ 1 ' i ' I '
(][)梢費財産業 部 門 1aoo, o 37 500 2, , 5, ooo/ 2, ooo 1I 0, 500 7,500
ムロ 計 :60,000!60, ooo/45, oool 4, ooojn, ooo 7,500 7,500
九九 ( 2
2 )
Cf•
K
La
ri
on
ov
,
Da kh od y G
as
ud
ar
st
ve
,
nn og o
Bi
ud
zh
et
a
o t S ot s i al i s ti c h es k o go
Kh
az
hi
ai
st
va
, M os co w, 1 95 4 P,
P.
4
1
ー5
( 23 )
A . V . Bachurin,
o p. c i t
・ ̀ p ; 40
( 24 )
岡 稔
= 前 掲 書
. J I
一ペ
ージ
( 2 5 )
A . V . Bachurin,
o p. c i t . , P .
11
5
( 26 )
か4
る区別に対する 反論 が︑
P・マラヒー
ノフによって行われて いる
︒ ( Cf . P . M al ak hi ,
II
OV
,
0
Pr
ib
yl
i
Na lo g
s
Ab ar ot a
v
SS SR ,
八
Vo pr os y Ek on om ik i;
︑}
N o, 9 , 1 95 4 P . , 121)
( 2 7 )
A . V . Bachurin,
o p. c i t . , P .
11
5
( 2 8 )
拙稿﹃社会主義における租税﹄
H︑関西大学経済論
集︑第六巻第四号︑五六ー七ページ参照︒
八
460
料 ﹂ 費税﹂等々である︒これでわかるように﹁取引税﹂に統一され ﹁
伐採
税﹂ 社会主義における租税︵佐藤︶
のソ連邦人民委員会議の税制改革の決定によって︑初めて全面
的に実施されたもので︑この税制改革以前の国家予算収入体係
は︑ほとんど資本主義国家のそれと異なるところがなかった︒
しかしA・バイコフも指摘するように︑当時の租税は単なる収
( 1 )
入目的以外に社会的・経済的意図をもったものが多く︑この点
資本主義における租税と若千の相違を示していた︒
をもったもの﹂として区別するばかりでなく︑更に本質的に資
( 2 )
本主義的租税とは異なる特質をもったものとして説明している︒
一 九 ︱ ︱
10
年の税制改革によって︑社会主義的収入︵﹁取引税﹂
﹁利潤控除﹂︶として改革前の約六0種の収入形態が統合された
が︑そのうち主なるものは︑改革前に存在していた﹁営業税﹂
︵手
数料
︶
﹁採
掘税
﹂
た諸収入形態の中には︑資本主義国で考えられている﹁諸手数
﹁国有財産収入﹂がかなり入っている9こ4で注目すべき
︵同
上︶
﹁損
害保
険料
﹂
﹁ 消
A・・バチウリンは︑当時の租税の特徴を︑か4る﹁政策目的 ﹁取引税﹂は︑革命後十数年を経過した一九三0年九月二日
二
︑ 改 革 前 の
﹁ 取 引 税
﹂ の 歴 史
ことは︑﹁営業税﹂﹁消費税﹂のような資本主義的租税が︑︹第
一表︺で示されているように︑極めて重要な収入源となってい
たという事である︒
﹁取引税﹂は︑これら二つの租税の発展統一形態と考えられ
ている故︑改革前における両者の性格並びに特徴をみること杖︑
第 一 表 改革前の国家予算牧入(単位百万留)
J 1921 /2811928 ;29¥ 1929 ;so¥ (1追93加0)
収 入 総 計 7,319.5 8,830.4 13,879,4 5,629.0
(A)取 弓I 税 3,146.1 5,653.3 2,420.4
(B)利 潤 控 除 557.4 1,263.2 562.3
(I)租 税 収 入 3,522.8 1,029.1 1,059.9 362.5
(内 訳)
(a)営 業 税 703.9 170.1 144.3 57.6 (b)所 得 税 295.6 223.8 257.2 67.7
(c)単 一 農 業 税 354.2 449.4 405.2 154.8
(d)内 国 消 費 税 1,479.3 1̲, 789. 3 2,629.2
(e)関 税 259.7 258.2 304.3 89.6 (Il)税 外 収 入 2,018.3 206.4 263.5 973.1
(][)国 債 726.4 724.8 1,278.4 356.1
(IV)社 会 保 険 1,052.0 1,221.0 1,418.0 408.0
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(A. Suchkov, op. cit., P. 81より引用)
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