空気流動がディーゼル機関の燃焼に及ぼす影響
(昭和46年4月26日 原稿受i理)
機械工学教室河村芳平
機械工学教室 津 田 時 範
機械工学大学院岡村 聰
Effects of Air−Swirl on Combustion in Diesel Engine
Yoshihei KAWAMURA
Tokinori TSUDA Satoshi OKA]MURA
Recently, to increase the speed of Diesel engine is coming to be mainly in ques−
tion. The higher the engine speed is, the more it will be limited to permit of com−
pleting mixture formation and combustion. Hence the processes must be accelerated by using the proper devices. It is rernarkable that to make mixture formation rapid with a help of the air turbulence is the most important in so many devices which are shown by many authors about the amelioration of combustion in Diesel engine.
Therefore, the authors studied about the effects of air−swirl on mixture forma・
tion and combustion by using a cylindrical chamber, especially about the relation be・
tween air・swirl and the processes.
空気の温度を任意に変え得る燃焼室に予熱された t 緒 言 気流を吹き込み,燃焼室内にシリンダ軸まわりの ディーゼル機関の回転数を上昇させることは, 渦流を形成させて,吸気・排出弁全閉と同時に落 特に車両技術において重要な問題である。回転数 下錘により燃料(軽油)を唯1回噴射し,自己着 を上昇させれば燃焼に許される時間が少なくな 火によって燃焼を行なわせ,圧力経過を記録する
り,そのために燃焼をなんらかの方法で促進させ 一渦流が混合気形成および燃焼過程に及ぼす影 なければならない。これまでの研究によると1)〜4), 響を見出だそうとするもので・その際渦流と噴霧 空気流動によって空気利用度を高め,燃焼を速や の相対関係から眺めて
かに行なわせ得ることがわかった。しかしながら 囚渦流を噴霧の側面に当てる
空気流動と混合気形成および燃焼過程との間の関 (B)渦流と噴霧をともに順方向に向ける
連性が不明確であり,さらに空気流動の構造と強 の2つの混合気形成法を採用し5),それぞれにっ さの説明も不十分であった。 いて渦流の及ぼす影響を論じ,さらにそれらの比 そこで本研究においては,この点に注目して, 較・検討を行なうものである。
実際の機関に見られるピストソの運動による気流
II. 実験装置,方法および実験範囲 の乱れを避け,しかも実際の機関の燃焼室を模型
化した円筒形定容燃焼室(圧縮比一1)を使用 実験内容は,第1に燃料噴射方向にかなり支配 し,空気流動としては任意に気流の強さを変え得 されると思われる噴霧の着火・燃焼特性をあらか るシリンダ軸まわりの渦流(swir1)を採用し一 じめ見定める基礎実験第2にアーク放電による
ガス流速測定法6)を使って燃焼室内の渦流の構造 い,噴射弁には単孔ノズル(直径0.4φmm)を使 および強さを調べるもの,第3に渦流中に燃料を 用した。軽油を唯1回噴射するには,第1図に示 唯1回噴射し・着火・燃焼を行なわせ,燃焼圧力 すように燃料ポンプのタペットローラを落下錘 経過を求める渦流燃焼実験の3つに大別される。 (自重4kg)で叩かせて,その打撃力でタペット 以下これらについての実験装置方法および実験 ローラがプランジヤを押し上げ,噴射弁から軽油 範囲を述べる。 を噴射させた。
各種測定装置の取り付け位置は第1図に示すと II−1基礎実験一静止空気中における着火燃焼
おりで,燃焼室内の温度測定用としてはシース熱 実験
電対(シース径3.2φmm,アルメル・クロメル)
(1)実験装置 を,燃焼室外壁温度の測定用としては0.64φmm 実験装置はその概略を第1図に示すように,燃 のアルメル・クロメル熱電対を使用した。燃焼圧 焼室,燃料噴射装置および種々の測定装置から構 力経過の測定には容量変換型の圧力検出装置を用 成される。 い,燃料管圧力の測定にはストレーン・ゲージを 使用し,それぞれの経過をユニバーサル・インジ
㌫㌫ご; ケータ(DISA)で同時記録し,写真撮影を行なっ
冊鍾賃
「 ノ
た。
x撒 :顧㌶㌶灘および初圧を.
§要晒鑓 ジス繊 A部(第・図)で猷の判定7・を行なった.着火
董酬描 製/継 気圧に翫した状態セこ・軽油雄1回噴射させ
鋼 A 、 八 〆 ,§[ ソ
の判定は目測であるが,火炎の発生と同時に爆発
三8下鑓
膓{
.熱⇔ポンフ゜♂
: 衷鮮丁61弓則管
纂畦 _囎瓶 音を伴う場合が多く,判定に困ることはなかっ ア縫穿九 た。着火の判定に併行して燃焼圧力経過を求め,
那 全気 脳堂 それらの観察を基に,各噴射方向の着火および可 燃限界を求め,さらに同一条件(初温,初圧)で 第1図 静止空気中における着火 燃焼実験装置 空気燃料比を変化させて,燃料噴射方向が着火.
燃焼室は肉厚円筒形(内径80φmm,有効長さ 燃焼に及ぼす影響を調べた。第1,2表に示すよ 170mm)で有効容積れ一〇.891である。燃焼噴 うに装置および範囲を設定した。
射方向を変えられるように,第2図に示す燃焼室 第1表 燃料噴射装置の設定範囲 ヘッド部を製作した。燃焼室内の空気温度を520°
Cまで加熱することができる。 燃料ポンプのプランジャ行程
燃料囎灘においては燃料ポンプ1こはボ・ ㌍下弁㌘高圧ζ
シュ型(プランジヤ径9φmm,行程9mm)を用 燃 料 噴 射 量
6mm
150ata 500〜700mm
O.016〜0.11g
恥桐輸恥ド。嚇輸繍糸・ド 第2表静止空気中における着火撒実験範囲
供 試 燃 料 実 験 初 圧
空 気 燃 料 比
軽油(比重0.822)
大気圧(1,04ata)
380〜520°C
F=4〜22 1主2 渦流速度分布の測定
第2図 各噴射方向における燃焼室ヘッド部形状 (1) アーク放電によるガス流速測定法
この方法は持続的なアーク放電径路が気流とと もに移動する現象を利用したもので,ガス流速を ディジタル的に計測することができる。流れと直 角方向に放電を行なわせ,その下流の適当な場所 で放電路を検出し,放電路が一定の距離だけ移動
驚竺穣諾罐纂鵜:ム 鴎」\綱
1および電極問隔4が一定ならば,温度と圧力に
無関係に次式が成立する・…。 第4図放魎極探針部
〃,−C・1/τ, (1) 求めることにした。まず燃料噴射前の渦流初期状 ここに,0、一渦流の接線速度 態を半径方向の各測定位置で求め,次に着火直前 τ、一経過時間 の渦流状態と目される吸気・排出弁全閉直後の渦 Cは1−2.0〜8.2mm,4−1.4〜5.8mm,温度 流状態を求めた。
θ一20〜450℃,圧力P−766〜1673mmHg absの 空気の予熱および吹き込み速度は,第5図に示 範囲内では一定で,ほぼ0・650であったことは す送気装置より定めた。第3表に実験範囲を示 本実験の応用に際し非常に有用である。 す。
(2)実験装置,方法および実験範囲
実験鑓の概略を第3図に示丸空気吹き込み 籔叉 耐_九…蹴臨
。よりピの勾配で燃髄壁面に接するように気 巴ユLノ雌_韓,…曼一
流を吹き込み・排出・より排出させてシリ卿由 1㌦こ…… 鋼空
ま劫の渦流を形成させた。そして気流に直角に 12㎞鋤≧…無・一・ 蓋凪
放電電極・探針を取り付け,トランジスタ・イグ 水8艮抄タ
空 気
R仰 ナイタを使用して放電を行なわせ,放電開始から 丘{触
力(銀マ乃ロタ 探針に電流が流れ始めるまでの時間τ、をユニバ
ーサル・カウンタを使って測定した。第4図に放 第5図 送 気 装 置 電電極・探針部の詳細を示す。測定半径位置は 第3表 渦流速度分布の測定範囲
8mmごとに4ヵ所選んだ・ 実験初圧
燃焼室内の渦流速度分布については河村・井 実験初温 元・)によって求められており,それによると渦流 吹き込み速度 速度分布は垂直位置によってはほとんど変らない 放電電極゜探針
ので燃焼室へ。ドに近いところの渦髄度分布を 測定位置
大気圧(1.04ata)
{ 燃焼室:θ=常温〜400℃,
予熱室: 常温〜400℃
17〜47m/s
1=2.8〜3,0mm,4=2.8mm
ほ離離謡2輻32mm
鞠噸、 室竺灘羅巖㌶‡隷蒜竃 雇嘆雑.二;総難麟犠瓢曇蕾
1』」崔壁薯 …_,舞 あらかじめ定められた状態にある燃焼室に,予
L=…」 一一一一盲動 熱空気を吹き込み,シリンダ軸まわりの渦流を形 燃焼室 尉餅急 成させ,その中に軽油を唯1回噴射し,自己着火 第3図 渦流速度分布の測定装置概略 によって燃焼を行なわせ,その圧力経過を燃料管
江
パ 欝対 て一→
貞 第8図圧力線図の例 2 ? 分を行なった。
蹴巴
ヤ@(i)着火おくれ(τ1)_噴射の始まりから圧
㍉響 丘縮機 力上昇の始まるまで。物理的・化学的おく . れが混在し,気化および混合気の形成が行 第6図 渦流燃焼実験装置の概略なわれる。
. (ii) 着火中心の位相(τ、 )一圧力上昇の始 まりから最高圧力上昇率に至るまで。圧力 および温度が急上昇する。
(iii)燃焼第2位相(τ,)一圧力上昇の始まり から最高圧力に至るまで。この位相はあと 燃えをも含み,(ii)およびつぎの(iv)と
(A)Z騨丁…)瓢騨 .嬬璽;《㌘にあと燃三
一識の流精伺 (1V)瓦一τ・ の・・1こ対する比・すなわち
1(6=τ2,/τ2 (2)
第7図 各噴射方向における燃焼室ヘッド部の形状 この瓦は混合気の形成の程度に支配される燃焼 圧力とともにユニバーサル・インジケ_タに記録 の緩慢さおよびあと燃えの長期化の予測を判定す し,写真撮影を行なった。その際渦流と噴霧の相 るものと考えられる。1(・は空気燃料比の異なる場 対関係から眺めて囚および(B)に相当する燃焼室へ 合の議論には適さぬが・ある一定の空気燃料比で ッド部(第7図)を用いて上述の操作を行なっ 空気流動の影響を調べるのには適していると思わ た。第4表に実験範囲を示す。 れる。
III−2 燃料噴射方向が着火・燃焼に及ぼす影 1 第4表 渦流燃焼実験範囲 響(静止空気中)
燃 焼 室 初 圧 燃 焼 室 初 温 予 熱 室 温 度 吹 き 込 み 速 度 空 気 燃 料 比
大気圧(1・04ata) 空気温度(θ)および空気燃料比(F)を変化さ 485℃ せた場合の着火の判定を行ない,可燃範囲では最
註㌫ 高圧力(Pmax)を測定することセこよって求めた着
5〜22 火状況を第9図に示す。囚の渦流を噴霧の側面に 当てる中心方向噴射においては(第9−a図),415℃を越えるとF値によらず着火核を発生する
III実験結果 が,燃料蒸気が大勢を占め燃焼に至らない.(初
III−1圧力線図の解析 期着火核と見なす)θ一440〜460℃の範囲では火 燃焼は複雑かつ錯綜とした過程で,相前後する 炎の生長が認められ,実線で示されるものが確実 過程は互いに密接に関連し,そのうえ互いに制約 に着火し得る着火限界と考えられる。しかしなが されるが,燃焼を各位相に区分することは合理的 らPm。。≦1.3ataの極めて緩慢な燃焼である。新 である。ここでは第8図に示されるような位相区 気を送って燃焼室を清浄にすると,爆発音を伴
い,かなり未燃燃料が残っている。θ>470℃で 4 は,すべてのF値に対して着火・燃焼が行なわれ, d3 Pm。x>1.3ataとなる。従って図の一点鎖線で示 α2 されるものが可燃限界と見なされる。他方(B)の渦 1
流と噴霧をともに順方向に向ける接線方向噴射に oト1q輯 て おいては(第9−b図),上述の様相がほぼ30℃ 4
低温側に移行する。このことは(B)の方が囚よりも 遣3 活性化が早められ,空気利用度の大なることを示 (エ2 1 唆する。
0
20
(α)
78 ∫6 f4
しL∫2
10 8 6
4
↓ 輻。
20ω 78 16 14 L 72 10 8 6
4 380 400 420 440 460 480 500
ユ て
(の谷噴射方向にだけるP一て線図
02
遣1ξ
←σ1 さ
q o
(b)呑゜藁身寸方向にオぐ1アる△円仏て一て線図
380 400 420 440 イ60 480 500
θ ℃ 第10図 静止空気中における代表的なP,4P/∠τ一 τ線図 P2=1.04ata,θz=485°C
が,着火おくれが10〜20%ほど短縮させられ る。同じく第12図に最高圧力上昇率(4ル∠τ)m、、
と最高圧力(Pm、x)をFに関してプロヅトしたも のを示すように,F−4〜22にわたって,(4匠〃∠τ)
T_max/(4P/4τ)c_max−4〜6, Pτ_max/1】』_max−1.5
(添字丁は接線方向噴射,添字Cは中心方向噴射 を示す)となり,接線方向噴射の方が空気利用度 θ゜c が高く,混合気形成が早く圧力上昇が高いことが 第9図 空気温度および空気燃料比が着火状況に及 わかる。さらにすすのシリンダ壁への附着を観察 ぼす影響 すると,中心方向噴射ではF−5〜22にわたって
ξ纏欝げ高さ5,m以下 至る処いちじるしいすすの形成が認められ・撒
△火炎吹き上げ高さ5〜10cm, Pm、x≦1・3ata 方向噴射ではすすはわずかでF>14になるとま ○火炎吹き上げ高さ10cm以上・Pm・x>1・3ata ったく認められなかった。
・F=空気燃料比,θ=空気温度
第11〜12図よりわかるように,中心方向噴射で さらにこの事実を燃焼経過から伺うことにす はF−14・接線方向噴射ではF−11の近傍で燃焼
る。第10図は各噴射方向における代表的な圧力線 時間および(∠〃4τ)max, Pm。xの値が最小および 図である。(初温θ、−485℃,初圧呪一1.04ata) 最大となり,燃焼の質量速度が最大となることを 明らかに接線方向噴射の場合は圧力上昇がより速 示唆する。このことは接線方向の方が空気過剰率 やかに行なわれている。第11図にθ⊂485℃,1膓一 が小さくてすむことを示す。
1.04ataにおいてFを変化させた場合の各噴射 以上のことから,噴射方向によって空気利用度 方向の燃焼の基本相を示す。接線方向噴射は,中 の差が示される。しかしながら,燃焼の質量速度 心方向噴射に比べて,燃焼第2位相はほぼ等しい に多少の差はあるが,燃焼第2位相中に占める着
駕90
ゾ70
\
\ 120
V0
f00
X0 W0 V0 U0 T0
、o
、
, o
て2 σ
て
402 4 6 8 ∬o ∫2 ∬4 ∫6 18 20 22
70
09
08辺
07 06
05 2468∫012∫4∫6182022
F
第13図 空気燃料比が燃焼形態に及ぼす影響 静止空気中PF1・04ata,θF485℃
中ぷ向噴射
艶?罇ココv豪輌
o
F 火中心の位相はほぼ等しいことから,燃焼の長期 第11−a図
s熟ξ㌫て藷鷲;ミ警竺 化はまぬがれ得ず適度の空気噛を与えて加速
485℃中心方向噴射 しなければならない。(第13図)
IIL3渦流強さ
渦流の代表値としては種々の提案はあるが,こ こではRicardo1)が指摘した渦流の平均接線速度 (〃s)から求める渦流強さ(R、)を採用する。これ ぴ は単位質量当りのエネルギで次式によって与えら れる。ミ go
己 R、一ρ、2/29 (3)
ゴ70 の,は着火直前の渦流状態から求める。垂直位置に おける渦流速度分布も若干の変動はあるが,ほぼ 一定と見なされるので8),上から25mmにおけ る渦流速度分布を採用した その結果を第14〜15
100
仰仰励¶80物ω茄
ム
\× ム
1
!、▲
ム
陥 △
ム ム τ,
4 6 8 /o ∫Z 4 ∫6 ∫8 20 22
第11−b図 静止空気中において空気燃料比が燃焼
位相に及ぼす影響P =1.04ata,θ = 20 485°C接線方向噴射
ヨ
§4
ぎ
迂3 2
1
O−OW方向 曼射(C}
「一一△侍線方御ま射(丁)
込
, 一丘A△一 一ρ丁禰α×
ρC帽似 〜一「
ざ σ◇
(△碗τ1丁.問4x
v∠
!1 「、、、、 、△
仏 △碗て)c循蝋
∫6
さノ2
8
ぎ1誓0
202 4
さσ1P
s
O 2468101214 6∫82022 0
w
O47m/3
△ 37 0
F O 8 6 24 32 40
第12図静止空気中において空気燃料上ヒが最高圧力 鞭住置傾例
ならびに最高圧力上昇率に及ぼす影響 第14図 渦流初期状態:〃。=吹き込み速度,〃、=渦 pi−1・04・t・,θ・485°C 流接線速嵐P、−1.04・t・,θ、常温〜400℃
,4
2
70
餐8 6 4
2
0
の線図を用いて,燃焼の基本相(τ1,τ ,,τ,),圧力 W 上昇((∠1ツ∠τ)m、x,(4ツ∠τ)mea。, Pm、x)および熱
9;ζ㍗乃 発生率◎から渦流の及↓ぎす影響繍ずることに
(均27 する。
(α)/7 ωF。亙8
・33 へ 2 (d) 1
(、) 警。;
墨00 (8) <Io (勾 ωF−78 4
R〜=087
@4031も♀ 9 <0
00 00
Rs−097
?刀│038
@ Rs=0
30 40 50 60 70 80 90 100 //0 /2
d3 ,,。。8ケ q・2 宮∫=ρ3 ∫ 、《s=o
・8162432幻 葡e。;侍:・江
半径イ立置徽 §・ 脚跳 』
第15図吸一1出弁全閉時の渦流状態(着頬前 (、)戸。 4弩・・…6・・…一〃・・2・
の渦流状態):〃、=渦流接線速度,〃。=吹き 4 込み速度,PF1.04ata,θ =常温〜400℃ d 3 へ 2 図に示す。それぞれ垂直位置25mrnにおける渦 1
流初期状齢よび弁全閉直後の渦流状態を示す・ 笥㍉
ピ 各測定半径位置の周速分布はほぼ直線的である 鳶傭
ヵ・燃盤壁面に撒方向に吹き込むため・壁面 @)戸.、。2宅・一・・・…9・…〃・・2・
近くでは急速に増大している・着火直前の?局流状 パ
態としては弁全閉直後の渦流状態を採用した。初 へ2 期状態に対するその減衰の割合も43〜63%であ 1る.この程度の瀬ならば+分に混合気形成の促 鰐
進には有効と思われる。 §励
第(3)式を使って,各吹き込み速度に対しての 3040506070て8〜sgo 1°° o/20 渦流速度分布から求めたR、値を第5表に示す。 第16図 代表的な圧力経過および圧力上昇率経過:
後述の実験結果に対しては渦流強さR、を用いて 中心方向噴射・P・=1・04ata・θ・=485℃
議論を行なうことにする。 (1)燃焼の基本相
第5表 渦流強 さ R、 空気燃料比一定なる条件で・渦流強さ(R・)を
吹き込み速度句 17m/s 27 37 47
平均撒速度・」渦撒ぽ 程中砧める着火中心位相の割合蜘および(B)シこ
変化させた場合の各位相の継続時間および燃焼過2.16m/s 2.73 3.45 4.27
0 24k9 m/k9 関して第18〜19図に示す。
0 38@ 囚一比較的に低渦流強さの範囲(R、−0.24〜
0.610.87 0.38kg・m/kg)で,燃焼の基本相が短縮され る。高渦流強さ(R、−0.61〜0.87kg・m/kg)で II壬4 渦流が燃焼に及ぼす影響 は,空気燃料比によって変化が認められ,例えば 第6図に示される実験装置を使って,2つの混 F−5.8では着火おくれはほぼ一定となるが,燃 合気形成法(前述の囚および(B))に対して得られ 焼第2位相が増大し,着火中心の位相も長くな た代表的な圧力線図を第16〜17図に示す。これら る。F−7・8・11・4では各基本相ともに一定とな
ω1匙58 6
玲
へ;
; 蝶・75
轡
rO25
々sでρ87 々∫べ038
9ラ0
F−20.2においては,着火おくれが渦流強さに無 関係に一一定となり,他の基本相は渦流強さととも
ぽF=78 5
㈹着火おくれ 80
(c)F=・〃.4 趣。タ。
M
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§・2・
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/Rs=α38
尺s=0 L
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U 20 30 40 50 60 プ0 80 90 /00
3や♪
0 0タ0 O25
Rs=087
@ 2s=038
@ 烏ヨ0 0 !0
S 勿 30 40 50 6り ?⇔ 80 % /oり
諺纏〃・
0 O 0
V25 R −08?R5−038
@ 込一〇
鳥。 20 30 40 50 60 70 θ0 % !ρρ
クoo ミ 60
。 心 6 50
0 σ30 ρ2 α3 04 05 06 07 08 σ9 /0
尺sκ8胡/勺
(θ撚嬬第2仇相 50
£3唄 ρ20ロ
/0
00 0, 02 03 04 05 06 07 08 09 /0 尺sκμ/κチ
第18−a図 渦流が燃焼に及ぼす影響 中心方向噴射PF1.04ata,θ戸485℃
嚇
Rs=ρ87 Rぷコ038
&=0 020 30 40 50 60 勿^80 go / て 例ぷ
(の着火おくれ
00 ワ0
第17図 代表的な圧力経過および圧力上昇率経過: 9
{鎌方向噴身ぽ一…4…,・、−48ぽC 鴛%
心40 る。他方F−20.2では着火は遅れ,燃焼時間は
長くなる。(第18−a,19−a図)
(B)一低渦流強さの範囲で燃焼の基本相は短縮さ
れるが,空気燃料比によって変化が認められる。 !000/0203040506070809〃
F−5.8においては低渦流強さの範囲で各基本相 尺s桝勺 が短縮され,以後渦流強さを増すとほぼ一定とな ㈲螺雌第2位相
るが,R、≧0.61 kg・m/kgになると,着火中心の
位相τ, がτ,中の大部分を占めるようになり,静 旨3璽 止空気中での燃焼時間の30〜40%の燃焼時間とな μ20°
る。F−7.8,11.4では低渦流強さの範囲で燃焼 /o 第2位相は短縮されるが,着火おくれおよび着火 0
中心の位相の短縮は緩慢となり,局渦流強さに至 尺、伽/κ8
ると,着火おくれおよび着火中心の位相は速やか 第18−b図 渦流が燃焼に及ぼす影響 に短縮される。逆に燃焼第2位相が一定となる。 接線方向噴射P,=1.04ata,θz=485℃
x × F=202
9 x κ
θ
』 ワo
ワ5040釦20!o
9
口 !!4
o 仁80
ク 口合
O o/ 02 σ3 04 05 06 07 08 09 /o
302 △ F−202
mμ!
40
Q00
^0
@0
80 8
8
蓉ク8 T.8
O oJ ρ2 ρ3 44L O5 θ6 ρ7 ρ8 ρ9 10
戸=2α2
@ }
@ 〃.
X
.0
O9 O8
O6
合o
ロ rア X
具07△
o
見゜
α6 2 03 04 0∫ 06 07 08 09 ∫0 亮0 0/ 02 03 04 05 06 07 08 0? /o
0102
03 04 0∫ 06 07 08 09 正Rs伊/格 尺s伽/炮
第19−a図 渦流がK、に及ぼす影響 第19−b図 渦流がK、に及ぼす影響 中心方向噴射PF1.04ata,θF485℃ 接線方向噴射PF1.04ata,θ,=485℃
/0
O9 F=58 8x
202 x8 9合 o段
@口
今一一
V8 〃4
。A
ρ5
0 0/ 02 03 04 615 ρ6 07 08 ρ? ∠o
に短縮される。低空気燃料比ほど渦流が及ぼす効 る割合が大きくなり,あと燃えの抑制を期待でき 果は著しく,渦流を強めると着火中心位相の占め ると思われる。(第18−b,19−b図)
(のF」58 ω臼ぱ (2)圧力上昇
第20〜21図に空気燃料比一定のもとで渦流
ロユ
離 ,。当撃閥。 難 蹴o卿 強さを変化させた場合の圧力上昇率((∠ル
峯鷲箕い鷲i二露 霊;竺㍑鷲蹴力(互,x)
礫 盤 碑)蹴、 の範囲で圧力上昇は高められ,以後渦流強さ
00α2ρ40608£0 00ρ20406ρ8ψ0 その時の(∠・即∠τ)mea.がすべての他のF値の Rsκ5κ/κ∫ 尺3勺榔 それに比べて最大となり,先述の(1)の結果
第藍響㌶㌘警盧磨欝響 からわかるように騙圧力に到達するまでの
継続時間も最小となることと相まって,燃焼
(ω の質量速度が最大となる。空気の過剰なF−
12 (C)
06 20.2では渦流が強いと逆に着火と失火の混
§助 §の討蹴 ㍍:鷺)蕊竺禽≧㌶
F=58 o
(4肱τ)崩邸
o
)(,1 ズ
,x
o ノメ
x,1 (4肱τ)〆醐
タユ リイ カ ロぽ ノリ
ρ4 (め も直線的に増大すると思われる。空気燃料比 04
ω竃_ω鞠紮癒㌶㌶言鴛瓢壽≧㌫
蝶σ6
墨04
0,2 Fマε
(4昨o蹴メo
o㍗ X
0
も
o (4ρン25ζ)淘{εα凡
メ ●■●
)く×
o
,メ、
0 (〜2 ρ4 06 08 /
第2。一欝雀流が圧力上昇率に及ぼす影響 動の伴った熱嚇のガより次の式拠・て
接線方向噴射P∫=1.04ata,θi=485°C 熱発生率(ρ)を求めた。
Ooα2040608ω はF−11の近傍で燃焼の質量速度が最大と
ρS甲句 なっていたのが,渦流強さとともにそれが F−5付近に移行し,渦流を強くするとかな り空気過剰率を少なくすることができる。(3)熱発生率
o 熱力学第一法則およびNusseltの空気流
ぎ3
き2
F=58 刀@ 78
μ.4
2口翼
§=隻 92 202
8
00 02 α4 06 08 /0
ワ
遣6
き5 4
3合
戸一58 、へ
@ o 2
合
v7・
o△一口口 口1202×
oヤ
△口OX
×
0 02 04 06 618 /0
尺s勺殉 尺。畑殉
第21−a図渦流が最高圧力に及ぼす影響 第21−b図 渦流が最高圧力に及ぼす影響 中心方向噴射Pi=1・04ata,θF485℃ 接線方向噴射PF1.04ata,θ,=485°C
0≒4・/4・一培斜α362{(Ti而一)4−(孟)4}
+α99晒(1+・・24久)(τ一η)]5 (4)
ただし・万一923°k・れ一〇・89×10−3m3, R−29・27 流強さになると渦流強さと噴霧の貫徹力の平衡を m/°k,51−5・278×10−2m2とする。またc,は燃焼 乱さぬような適正な渦流強さが存在する。(B)の場 ガスの定容比熱kcal/kg℃で温度の関数である。 合は,渦流強さとともに燃焼の基本相は短縮され,
第(4)式を使って求めたρを囚および(B}にっい 圧力上昇率も渦流強さとともに直線的に増大す て総括すれば;第22図のようになる。 る。低空気燃料比ほど最適渦流強さの下限が低く 囚の場合,熱発生率は空気燃料比によって大体 なることがわかる。第23〜24図に両混合気形成法
定まり,、渦流は専ら熱発生率のピークだけを高め について・燃焼の基本相および圧力上昇が渦流に ることに寄与する。他方(B)の場合,熱発生率は空 よって改善された領域(斜線部)を示す。明らか 気燃料比のみならず,渦流強さによって大きく異 に両混合気形成法間の空気利用度の差が渦流強さ なり,熱発生率全体が渦流強さの大なるものほど とともに拡大されることがわかる。シリンダ軸ま 上昇する。 わりの渦流に対しては(B)のような混合気形成法を 以上(1)〜(3)にわたる実験結果から次のよう 採用すべきであるが,実際問題としてはこの外に
なことに要約される。囚の場合は,渦流強さと噴 ノッキングの問題をも考慮しなければならないだ 霧の貫徹力が相関し,比較的低渦流強さで燃焼の ろう。
基本相が短縮され,圧力上昇も高められる。高渦
↑
(穎
F=5〜8
A l
、 ・ぼ F−∫0〜μ
A {
川 1 ・ぼ
1
F=!¢㌻22
,一 @ 、 、
て一芦 て→ て→
|
・(6 ・㊦
↑
・母
て一一 τ一一 τ一
第22−a図渦流を噴霧の側面に当てる混合気形成 第22−b図渦流と噴霧をともに順方向に向ける混 法における熱発生率 合気形成法における熱発生率 一低渦流強さ 一一・一一高渦流強さ 一低渦流強さ 一一一一一高渦流強さ
太30 20 10 60
旨
心 4ρ
30 20
40
勿30
令zノ合20
ノ0
6ρ
勤 40 30
4681012ん416!82022 68/0λ2/4/6/82022
戸 戸
ω治継噸1磯幡に当てる ψ)治ふ・鰯罐噸桐に向・乃
混合気形成法 混合気形成法第23図 燃焼位相の改善された領域(斜線部)
○静止空気中(R,=0)△低渦流強さ ×高渦流強さ
ノO ZO
d ・8罐灘紬 ・8
0静止頭中
§ △停癒奉弦さ
支α6 x高滴流搬 σ6
さレ
3
α4 04
02 02
%68/。∫2μノ6182。22
F 戸 ,
ω最疏三力よ昇牢一峰之れた領域(㊧糠靭
第24図(a)圧力上昇の改善された領域
ワ
6
§5
苔4 3
7
聯噸の鋤に当てる 6
=或法 5
(壱碍ぼよ洞様)
4 3
1
渇)丸Y頃霧杜もり順施に
珍r鷺鑓,
多
゜468ノ。ノ2/416/82・22°468/。1214/6/82・22
戸 戸
!b巌高圧カー弦善芝れた領城㈱働
第24図(b)圧力上昇の改善された領域
IV結 言 参考文献
隠に気流の強さを変え得る渦流を与=焼 1)Cl蕊、:霊蒜The H g拓Speed Inte「na
を行なわせた結果,渦流と燃焼の関連性,いわゆ 2)C.F. Taylor:The Internal Combustion En一 る gine in Theory and Practice・Vo1・1〜2・
(i)燃焼=相が?醐こよって短縮される 3)b三。霊elli麗蕊1㍑ごeitung und V
こと 4) 長尾不二夫:内燃機関講義,上巻.
(ii)燃焼の質量速度が渦流によって加速され 5)池上詞:内燃機関・9巻・No・104(1970−11)・
ること 6)蕊ぽ2名:日=学会繊34巻26°号
がある程度定量的にわかった。終りに終始実験に 7)河村良男:日本機械学会論文集.33巻246号(昭42 協力して戴いた内燃機関卒論生,池田一雄君,児 一2) . 一 一
植酷福谷勇次郎君闇意を就 8)
m滞fl㌶㍍:日欄戒学会馴命蝶
9)W.Nusselt:Forsch, Heft.264(1923).