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富士電機植村  浩 機械工学第二学科  藤

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九州工業大学研究報告(工学)No.551987年12月       Z7

アーク付加型固体ロケットに閨する研究

(昭和62年5月27日 原稿受付)

機械工学第二学科橘  武史 富士電機植村  浩

機械工学第二学科  藤  野  健  一

機械工学第二学科津田時範

An Arc Augmented Solid Propellant Rocket Motor        by Takeshi TACHIBANA        Hiroshi UEMURA        Ken.ichi FUJINO        Tokinori TSUDA

Ab5tract

  This paper demonstrates a new conc叩t of a propulsion system of sohd fuel rocket motor5. It has been shown experimentally that the prototype arc augmented rocket motor give5 the f{三asibility of the thru5t magnitude control by the intensit}・oいhe arc current which is generated along the propellant burnlng surface. Measurement5 shows lligher eIectric current causes higher burning rate. The energy require(I for the buming rate c皿trol by山is system, how巳ver, is pretty high at presEnt stage compared to the propellant combustionεnergy although the energy can be used to au−

gment the specific impulse.

      2)可変形状ノズル制御法引

1潴言       これは、ズルス。一ト部の唖手櫟端に変化させる

 固体ロケットモータは,構造が簡単で,重品当りの比   ことにより燃焼室圧力を変化させて,燃焼速度を1田御す 推力が比較的高い反面,液体ロケットモータに比べて.   る方法である。

推力の制御,即ち燃焼の中断,再着火を含む燃焼制御に    この方法では.燃焼ガスの温度は3000K以上に達し,

よる推力の増減(ThrUSt Maglmudc COIltro1.略して,   また燃焼ガス中に腐食性の高い成分を有するため,ノズ T.M.C)が困難であるという大きな欠点を持ち,それが   ル及びその他の制御装置の材質,描造が問題となる。

固体ロケットモータの使用条件を限定している。       3)液体噴射法田

 このような固体ロケットモータのT.M.C.については,  これは燃焼室内に流体を晒射し,その流品を変化させる 以下のような報告,提案がある。      ことにより燃焼室圧力を変化させ燃焼を制御する方法で  1)ノズル切断法口       ある。

これは燃焼中に急にノズルを切り放し,燃焼室圧力を急    この方法では,推力の中断.再着火が可能であり,ま 減圧することにより燃焼を中断する方法であるが,推力   た特別な耐熱構造を川いる必要はない坑制御性が燃焼 の増減に用いることはできない。またノズルを切断して   特性に依存するため,新たなプロペラントー噴射流体の

しまうためロケットモータの再使用が不可能である。    組合せの研究・開発が必要である。 ◆

(2)

2B       橘武史・槌村浩・薩野健一・津田時範

 4)燃焼熱除去法川      行った。

これは燃憾内に水を融・し,プ・ペラント醗熱抹  図一2はフーク放醗生酬脈ある・コtは・直流 の気化蜘,より取り除き.プ・ペラントへ嚥のフ・一 酬に劫1画当な避を電馴に印1」日し・また可変抵抗

ドパ。ク酬の調節を行うことにより燃焼を制御する方 ω一50Ω)の値を適当に設定し一E馴にi馴波放屯

法である。      (王MHZ,2・…V)を放電させて所定のアーク放電を

この方法では.水の散欄と燃焙ε1蝦の対応の問題, 電馴】に発生させるものである・また・このアーク放電 繊維持の開汲ぴ消燥の瀦火に於てのプ・ペラ は剛寺にプ・ペラント尉する点火作1目も行う・

ン沖に漣した水が喘火を困難にするなどの問題が まぽ1號・醐酬定は・燃帯トの織が融したときに ある。       表れるアーク放{眈流の変個 ら読み取る・

肚い軌の撤もまだ蹴段1浩であり・より広唖  3.放電付加型。ケットモータ

な制御性を有する方法の研究開発が期待されている。

本研究に於ては以上の方法と崩匙なるT.Mcの一 図一3は寵iの実験を応肌実膳考え独自に試作し つであるアーク放電を用いた制御方・tが醐であること 融電{剛型琳・恒トの燃粥三験用゜ケ・トモータ がプ。トタイプのアーク付加型・ケ。トモータを用い である・この髄・ま・ブ・ペラント酬極とされる糎 た実験によって硫認されたのでここに報告する。

 アーク放電による燃焼促進に閲しては.Wdnbergら      1 のプラズマジェットによる可燃性混合気(メタンー空気,

理論混合比)の火炎安定及び、吹き消え阻界流量増力nな      _ どの報告がある:}

 本論文では,アーク放電を燃焼面に付加することで燃      I   Restricto「

蹴スを励起・騨・あるいは喘して活性種を生成す @ ・・・…ens苛汁r

ると共に,ブ・ベラントへ礁のフ・−1こパ・クが酬    ㊥。 ・日・ θ

を促進させることが実験により示されたので報告する。

二二=:i: 一ニー一

. −  、 戸 三lii.iil……

←  一 一  一

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 2.実験装置及び方法

       Prop引lant      I  実験に利用したプロペラントは,現在最も広く用いら

れている固体推進剤の一つで.燃料及びバインダーとな      Motor るポリプタジエンゴム,酷化剤となる過塩素酸アンモニ

ゥム,金属燃料・となるアルミニウムが重]it比]4:68:18      1

で形∫虻れたHTPB/AP/ALコンポジェ・トプ゜ぺ @   図一1送り装置概略図

ラントと称されるもので.これを6mm角の直方体とし,

アーク放電の熱の影響等によ1〕線理…焼性が妨げられるこ

とをなくすため,周囲をエポキシ系接着剤で固めて使用       o.31Ω

㌫三㌫灘㌻:::㌘1 .,…↓_

ことができるようにしたものである。更にアーク放電を 燃焼面上に拘束するために控籔プロフクを取り付けた。

使用電蹴,燃焼棚及びアー端1じによ卿当媚 ,L

温となるため,直径3mmのタングステン怪を川い.ま

た電馴距蹴、_・mm・・2鵬1について実融    図一2放糎給回路図

(3)

アーク付加型固体ロケットに関する研究       29

電が富に同じ距離で燃焼面上に存在するよっにしたもの である。

 燃・焼室内におけるアーク放電の状況を高速カメラで観 察した詰果,放電が電極川を円周方向に筒速で移動して いることが示されており,このことによりアーク放電が 燃焼而上に一様に付加されていることが砿認された。

 このロケットモータを用いて同じように放電電流とプ

室内に酬して・プ゜ベラントの中ヨとに陰翻網欄) +分1・促進される可燃性混合気の]胎と1課なり澗体 を固定したもので,この電極間にアーク放電醗生させ の燃焼連度拡大がi醐である原因となっている。

ることにより・プロペラントを着火させ・燃焼連度を制    さて,最小放電継続電流以上の放電電流を与えると,

御するものである。プロペラントの燃焼と同時に中心電

極はアーク放電の熱と燃焼による熱で融解し,アーク放㊥PrOPe|lant lnsulator

 _1七       、     一   、      GND

ロベラントの燃焼」虫度の関係を調べた。       図一3 左蝿付加型燃焼テストモータ

4.測定結果及び考察

 4.1燃焼速度       3

 図一4は放IE電流と燃焼速度との関係が示されている       .       ロ

坑この図から放電電流を増加させれぱ燃焼連度が速       .     ,    

縮ことがわかる・このことは放電問距離に拘賦 ㍉ 

同様に認められる。また放電間距離6mmの場合の方が   茎  ■

       4mmの場合に比べて同じ放電電流における燃焼連度が   )       ■lL=4mm

速いごと力働られる.この酬足進現象については, 」]    °:L=6m・

アーク放電自体の性質,即ち放電聞距離が遠いほど電極 において損失する電力が減少することに閲係しているも

のと考えられるc       O    lO    I5    20    25  グラフFl」には低い電流仙に対する仙が示されていない      1{A〕

坑それは1=10A付近におし・てアーク放電が不安定に     図一4 放電電流1とプロペラント燃焼連度γの なり始めそれ以下の放;E皿流では放電が持続しないこと       関係

によっている。我々はこの現象を吹き消え現象と名づけ

たが,これにっいては4.4で考察を加える。      150  図一5に放電碓流一放電電圧の関係を示す。白抜きは

プロベラントを設置せずアーク放電のみについて行った

場合の詰果である。プロペラントを股置し放電問距離と    100 燃料の長さが一致しているもの(L=6mm)について   言 は,放電電流仙の増加と共に電圧値の降下が確認された。  国 これは通常のアーク放電でも観察されることであり.同     50 時に電流値の増加に従い,燃焼ガスのプラズマ化が促逃

されるためと考えられる。放電問距離の短いものについ ては はっきりした傾向が功められないが 放電川距離 と燃料の燃焼而の長さとが異なるためアーク放電の揺響 を受ける領域が阻定されるためであろうと思われる。こ

        燃悦が    アーク放電         ある場合   のみ  ゜   L=・1mm ■     口      L==6nlr11 ●       O

\\

0      ・  O   O O    白     O      ロ  ロ   ロ

†      lLρ      ・      O      lO     ]5    20    25 1(A}

の点は部分的にアーク放電を加えることによって燃焼が      図一5 放電電流1と電極問電圧Eの閲係

(4)

30      橘  五ヒ史・}直村  i告・藤!野6E−・溝r田1時範

燃焼速度は放電電流の増加に従って増加すゐ。この原因   気圧に達しており,燃焼室内のガス流速は低速である。

については以下のように考察した。      従ってより現実的な検討を行うためには高圧力下におけ  プロペラントはその燃焼によって発熱し,71石温ガスを   る実験が必要となる。

発生する。これらの熱の一部がプロペラントの未燃焼部    この状況に於てアーク放電を付加すると.大気圧の場 分にフィードバックされ,その部分を熱分解し,ガス化   合よりも燃焼面により近くアーク放電のパスが存在する する。ガス化した生成物は急激な酸化反応によって発熱   ことが期待され,反応層のラジカル化が促進される可能 し,商温ガスを発生する。この一迎の熱フィードバック   性がある。同時に圧力の上昇はプロペラントの燃焼を安 機構によって,プロペラントが連続して燃焼し、ある特   定させ,また燃焼波の領域を縮めることとなり、アーク 定の燃焼速度を持つことになる。また.この化学反応領   放電によるラジカル化の影響を受け易くなると考えられ 域は燃焼波(Combu5tion Wave)と呼ばれ,この燃焼   る。その反面アーク放電に消費する電力は圧力の上昇に 波の構造がプロペラントの燃焼速度を律するに重要な役   従い増大するが,イオンやラジカルの密度の措いガス中 割を果している。       にアーク放電が存在することとなり.所要電力がその比  従って,本研究に於て行ったようにアーク 放電を加え   率に応じて減じられることが期待できる。

ることは,燃焼波の構造を変化させていることになり,    A2出 力

その結果として燃焼速度の増加が起こったと考えられる。   本研究に用いたアーク放電による付加エネルギーQm では具体的にどの様に影響を与えているのかを考察して   とプロペラントの燃焼エネルギーW・・ との比Rは・

      R=Qm/W。ut>]みる。

 川アーク放電を付加した場合,最終反応生成物の断

熱火炎温度はアーク放電を付加しない場合に比べて,か    である。本来効率のよい燃焼促進法はR値が小さい なり商くなっている。その温度上昇は今回供給した1土度   ものを指すのであって,その点から考えれば.本方法は 放電電力が火炎温度上昇に用いられたとすると数千度   改良の余地があるのが実状である。しかしながら.これ のオーダーとなる。従って,燃焼波の温度勾配が急激な   を新型の推延方法として考えた場合,化学推進と電気推 ものとなり,プロペラントの熱分解や,ガスのラジカル   進とを組み合わせたハイブリッド推進方法となっている。

化を著しく促進して燃焼速度を増加する。        比推力[5pは燃焼ガスの断熱火炎温度に比例するので,

 田アーク蹴の熱により1燃麟面反応層の激が 寸・控髄用・・ることにより・糎i蛾の制{縫行うとと 上昇し,燃焼麺反応層と燃焼遡寛の棚閏係により. もに比推力も向上させることができる・この方式の゜

燃焼醐が増加する。        ケ・トモータでは・プ・ペラント怖足Ll肋が足り

 3)アーク放電のふく射・,もしくは熱伝導による加熱 ない・Hこ捌こ於て・余剰電力によって出力を向上させるこ により,プロペラントの初期温度が上昇し.その詰果燃   とができることとなる。

焼速度が増加する。       4・3 断熱火炎温度

 4)アーク放電の高エネルギーが反応ガスの電離,イ    アーク放電の燃焼に対する影響を調べるために.断熱 オン化を促進し,燃焼過程を速く終了させることとな1〕,  火炎温度を算出した。計算にはNASA;1 算プログラム 燃焼速度が増加する。      CEC 7】を使用した。

 これらのうち,1),2)については燃焼ガスを媒体    燃焼に付加するアーク放電のエネルギーのうち・有効 としてアーク放電が間接的に作用している場合で,3). に作肌ているエネルギーはアー端電の圏・剛鼎

、)について端拗に{ F肌ている胎である.現実 ・剛のプラズマジェ・ト )燗する報告力・ら・・%肚・

にはこれらの個々でなく,各々が複合して燃焼連度に揺   70%以下と思われる。計宮]二に際しては・右効エネルギー 雰を及ぽしているものと考えられ.現段階に於てはどれ を放電エネルギーの20脳6。%として計算した・体実 が主となって燃焼速度の増加を律しているのかは現段階   験の場合は100kca1/mol一ヨOOkcal/m。1に相当する)こ では判別できない。      の計算結果を図一6に示す。エネルギーを増大させるこ  本研究に於てはプ・ペラントを大気1王中で燃焼させた とにより、鞠分刊端妙L断熱炎温度が上昇し が,矯の使用状況で酬焼室内の撒ガ班加数+ て・・ることが示されており・刷E力が向上すること拗

(5)

アーク付加型間体ロケフトに閏する研究       31

±

      スが途切れてしまう。

       ÷      高速ビデオによる観察では,吹き消え現象は,突発的       で,放電パスの位置が不安定になったときに起こること        が示されていた。また,放電電流〔放TE電力)の低い場        40oo    合ほどこの吹き消え現象は頻繁に起こっているようであ        る。これは吹き消え現象が放電パスの電流密度と閲連の        あることを示している。現段階では吹き消え現象につい        讃 ての原因を断定することはできな・・カ㌔これを 方ぐには

       …哩 高い電流蛾舗する放醗蹴錠して燃緬に端

       茸i

       盲   させる工夫が必要である。

      4.5 放電付加型ロケットモータ

       、。。。  プ゜| タイプの放電付加型・ケ・トモータを用いた結        果を図一7に示す。このモータによる燃焼促進は図一4        に示す基礎実験に比べて良好な値を示した。これは,電

       ㌔     極で継してい燃エネルギーがより酬、働れ.プ

       ・9      ロペフントへの熱のブイードバックが火炎反応層並びに

       O      ものと考えられる。また,ロケットモータの実用的な形        に近付けてあるためにプロペラントの燃焼が安定し,

0  50 エ00 ]50 200 250 3⑪0        アーク放電の持続性の向上がみられた。

     供給エネルギー(Kcユ[)

      5.結  論

図一6 断熱火炎温度計算結果      今回の研究によりアーク放電による岡体ロケットモー       タの燃焼制御力呵能であることが砿認された。しかしな        がらその促進率は現段階では60%程度までにとどまって かる。したがって全故電エネルギーが加熱に閲与した場   いる。

合よりも分子の分解に用いられた分だけ火炎温度が低く なっている。

       寸  4.4吹き消え現象

 4.1で述べたように,1=lGA付近で,放電の持続性が     3 失われることが確認されている。これらについては以下

のような原田が考えられる。      §        ご  コ  川アーク放電によってプラズマ化した燃焼ガスを後  .1 続の燃焼ガスが下流域に押し流し,その部分の電気抵抗   」 が増大してパスが途範える。      〕  2)アーク放電に要する大電力により周辺部の金属が

酸化され,その磁力と放電電流によってローレンツカが

      ./

.. /.

.一 .

発生し,それがアー酬電のパス{、力を及ぼしパス矧  ゜ 1・ 15 ・・ ・…

きちぎってしまう。      1(A)

3)類圧中での卿のため・プ・ベラントの燃焼が  図一7鯛電流1とプ。ペラント燃髄度,の

不安定になり,燃焼ガスが乱流となりその影響で放電パ        閲係(ロケットモータ)

(6)

32  .  橘武史・欄浩・酬健一津田時範

また,酬を用いた場合調{£力の脚もたらさ・) F蒜,:1:認。熟ll舗1,漂ぷ慧

∵ タとしての 上することが判明・)諜欝舗i;;;」・制一

       5)D.C. C Che・」己』w・。・,・nd F・いVd・b・・g・」」Augmcm一

      参考文献        ing Fhmes whh Elecri〔Discharges・101h Synlp。sium       σ。,輌d。ml)。・C・mb…i。nl PP・743−751(1965)

1)

D蒜:蹴:1蕊三:麟6)蹴:雲㌶二㌫ジ 「兇

  na1、 Vol,6, Pp,]417−1419(1968)

2)C。。,。、RL..P。1・i・・R.E、.・・dP・i・・CF・・ D・・ゆP「°c   。d。爬。 f。. C。mb。,・i叩T・mi…沁・by N…1・A「εn    Variaエion・・J. Spaccraft and Rock芒t5、、「oL 3・PP・419(][}66)

参照

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