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博士論文要旨

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Academic year: 2021

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[様式-学 5]

博士論文要旨

論文題名:微生物由来 L-アミノ酸エステラーゼによるジ ペプチドの酵素合成に関する研究

立命館大学大学院生命科学研究科 生命科学専攻博士課程後期課程

ホッサイン マッド サダム HOSSAIN Md. Saddam

ジペプチドは重要な生理機能の調節能を有し、食品添加剤として幅広い用途も有するこ とから、その合成法や新たな用途に関心が高まっている。様々なジペプチド合成法が考案 されているが、ジペプチド合成法の最適化やスケールアップに関しては標準的なプロトコ ールは確立されていない。本研究では、抗高血圧作用を示す Ile-Trp ならびにこく味化合 物の合成原料である Val-Gly に着目し、L-アミノ酸エステルヒドロラーゼを利用した酵素 合成法を検討した。

土壌から単離した約 300 株の細菌に対して、アミノ酸エステル(Ile-OMe と Val-OMe)およ びアミノ酸(Trp と Gly)から Ile-Trp と Val-Gly を合成する L-アミノ酸エステルヒドロラー ゼ(AEH)活性を調べた。スクリーニングの結果、Stenotrophomonas maltophilia と

Elizabethkingia sp.の2種類の AEH 生産菌を選抜した。S. maltophiliaから約 70 kDa (SmAEH)およびElizabethkingia sp.から約 78 kDa (EsAEH)の分子質量を有する AEH を均一 に精製し、諸性質を調べた。SmAEH は pH 9.0、30°C で最大活性を示し、pH 4.0-10.5 なら びに 20°C– 50°C で安定であった。一方、EsAEH は pH9.0、25°C で最大活性を示し、

pH5.0-8.5 ならびに 25°C– 40°C で安定であった。金属イオンの影響を調べたところ、

SmAEH は Ag+で強く阻害されたが、EsAEH の活性は金属イオンによる顕著な影響は見られな かった。SmAEH と EsAEH ともに PMSF により活性が完全に阻害されたことから、両酵素とも にセリン酵素に属するものと示唆された。

SmAEH の遺伝子をクローニングし、大腸菌での高発現系を構築した。組換え SmAEH を精製 し、諸性質を調べたところ、元株から精製した酵素と同様の性質を示した。SmAEH の産業上 の利用能を評価するため、SmAEH の温度安定性について様々な解析モデルを用いて厳密な評 価を行った。35°C– 50°C の温度範囲における不活性化の速度論的解析について検討した ところ、1次速度式に従い酵素の不活性化が進行することが明らかとなった。35°C から 50°C で D 値は 212.76 分から 3.44 分となり、z 値は 8.06°C、不活性化エネルギーは 204.1 kJmol-1であった。

ジペプチド合成能の向上を目的として、酵素の立体構造モデリングの結果に基づき、

K184E と Q350G 2種類の変異酵素を作製した。このうち、Q350G 変異酵素は野生型酵素と比 較して Ile-Trp 合成活性が約 30%向上した。

参照

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