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第 23 回 臨床内分泌代謝 Update Proceeding 85 dl の上昇を認めた 以上よりインスリノーマの可能性が 疑われた ガストリノーマの評価は 血清 Ca 値正常化 を優先し 副甲状腺全摘および 1/2 腺の前腕埋め込み術 を施行した 術後経過を図に示す 図 6 副甲状腺全摘 術後

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(1)

ガストリン高値と低血糖を認めた多発性内分泌腫瘍症

1

型(

MEN1

)の

1

症例

京都大学附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科1) 同 腎臓内科2) 京都工芸繊維大学 保健管理センター3)

中平 真衣

1)

 八十田明宏

1)

 廣田 圭昭

1)

 森  栄作

1)

 金井 有吾

1)

山下  唯

1)

 上田依利子

1)

 藤井 寿人

1)

 田浦 大輔

1)

 金本 巨哲

1)

曽根 正勝

1)

 三浦 晶子

1)

 荒井 宏司

3)

 向山 政志

2)

 稲垣 暢也

1) はじめに  多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)は、副甲状腺、下垂 体前葉、膵消化管内分泌腫瘍を主徴とする常染色体優性 遺伝性疾患である。MEN1の日本における頻度は4万 人あたり1人程度とされており、患者の大多数で癌抑制 遺伝子MEN1の機能喪失型変異が認められる1) 。   今 回 我 々 は、 ガ ス ト リ ン 高 値 と 低 血 糖 を 認 め た MEN1の1症例を経験したので報告する。 1.症  例 61歳 男性 【主 訴】低血糖 【現病歴】2001年(49歳時)、健診のMRIで下垂体腫瘤 を指摘された。2010年(58歳時)、CTで副甲状腺腫大 と膵腫瘤を指摘された。高Ca血症、intact PTH高値と MIBIシンチグラムでの集積亢進より、原発性副甲状腺 機能亢進症と診断、膵腫瘤は細胞診により神経内分泌腫 瘍と診断し、MEN 1が疑われたが、通院を自己中断し ていた。同時期から冷汗、動悸、嘔気などの症状を自覚 するようになった。2013年5月(61歳時)、症状増悪の ため前医入院、不穏を伴う低血糖を認め、精査のため再 度当院を紹介され入院となった。 【既往歴】49歳:尿管結石、59歳:逆流性食道炎 【家族歴】父:糖尿病、副甲状腺機能亢進症等の既往なし 【社会歴】飲酒:ビール350 mL×2本/日、喫煙:なし 【内服薬】ネキシウムカプセル20mg、ガストローム顆 粒66.7% 3g 【身体所見】身長:155.1cm、体重:91.2kg、BMI:37.9、 体温36.8℃、血圧122/71mmHg、脈拍75/min、眼瞼結 膜:貧血なし、眼球結膜:異常なし、頸部左側3cm大 の腫瘤触知、心音:整 心雑音なし、肺音:清 左右差 なし、腹部:平坦 軟 圧痛なし、下腿:浮腫なし、神 経学的所見:特記すべき異常所見なし 【一般検査所見】  Alb 3.3g/dl、Ca 10.4mg/dlと 高Ca血 症、intact PTH 483pg/mlと高値を認めた。HbA1c 4.1%と低値、インス リン20.7μU/ml、C-ペプチド3.72ng/mlと高値を認めた。 また、ガストリン1020pg/mlと高値であった(表1)。 【画像所見】  造影CTにて甲状腺両葉背側に腫瘤影を認め、同部位 に一致しMIBIシンチグラムで集積亢進を認めた(図1、2)。 膵には早期濃染を示す多発結節影を認めた(図3)。下垂 体MRIにて下垂体に境界明瞭で内部不均一な24 mm大 の腫瘤影を認めた(図4)。DOTA-TOC-PET/CTでは、膵 に多発する早期濃染腫瘍に一致して高集積を認め、副甲 状腺は右側に中等度、左側に軽度の集積を認めた。また、 脳下垂体には生理的集積より強い集積を認めた(図5)。 表1.検査所見 図1.頸部造影 CT 甲状腺左葉(A)および右葉(B)背側に腫瘤性病変を認める(矢印) 図2.MIBI シンチグラム 甲状腺両葉背側の腫瘤に一致して集積亢進を認める(矢 印)。A:前額断、B:水平断

(2)

【経 過】  本症例では明らかな家族歴はないが、下垂体腫瘍、原 発性副甲状腺機能亢進症、膵内分泌腫瘍の3つを認めた ことからMEN1と診断した。低血糖症状と高ガストリン 血症から、インスリノーマとガストリノーマの併存が疑 われた。インスリン自己分泌指標は、Fajansの指標(IRI/ 血糖):0.24、Gruntの基準(血糖/IRI):4.2、Turnerの基 準(IRI×100/(血糖-30)):36.3、田港指数((100-血糖) dl)の上昇を認めた。以上よりインスリノーマの可能性が 疑われた。ガストリノーマの評価は、血清Ca値正常化 を優先し、副甲状腺全摘および1/2腺の前腕埋め込み術 を施行した。術後経過を図に示す(図6)。副甲状腺全摘 術後、血清Ca値、intact-PTHの低下を認め、血清Ca 値の低下に伴って血清ガストリン値は正常化、消化器症 状は消失し、ガストリノーマは否定的となった。  ここでオクトレオチドの使用を検討し、オクトレオ チド(サンドスタチンR)100μg単回の負荷によるオク トレオチド単回負荷試験とオクトレオチド100μg朝夕 3日間投与によるオクトレオチド連続負荷試験を施行し た。オクトレオチド単回負荷試験では有意な血糖値上昇 を認めず、負荷試験中に低血糖を生じたため、ブドウ糖 摂取を必要とした(表2)。ところが2013年11月11日 より施行したオクトレオチド連続負荷試験では、開始翌 日より空腹時血糖の上昇傾向を認め、尿中C-ペプチド 排泄も38.5μg/dayから26.6μg/dayに低下した(図7)。  次にインスリノーマの病変部位同定、手術治療の術式 検討のためSACIテストを施行した。その結果、脾動脈 近位・遠位部が陽性であり、膵体尾部の腫瘤からのイン スリン分泌が疑われたため(図8)、膵体尾部切除が予定 された。 図3.腹部造影 CT 膵に早期濃染を示す多発する結節影を認める(矢印) 図4.頭部 MRI 下垂体に境界明瞭で内部不均一な24mm 大の腫瘤影を認 める(矢印) 図5.DOTA-TOC-PET/CT A:脳下垂体に生理的集積より強い集積を、B:副甲状 腺は右側に中等度、左側に軽度の集積を、C:膵に多発 する早期濃染腫瘍に一致して高集積を認める 図6. 副甲状腺摘出術後の血中 Ca、ALP およびガストリン値 の推移 表2.オクトレオチド単回負荷試験の結果

(3)

2.考  察  MEN1に 合 併 す る 膵 内 分 泌 腫 瘍 の う ち、 日 本 で の 報告によるとインスリノーマは22%と海外での報告 (12.3%)よりも高率となっている2) 。膵内分泌腫瘍の 80%以上はソマトスタチン受容体(SSTR)を発現して おり、インスリノーマは特にSSTR2、SSTR4、SSTR5 の発現が多い。オクトレオチドは、特にSSTR2、また SSTR3 / SSTR5に高い親和性をもって作用する3) 。オク トレオチドの投与は、インスリノーマにおいては半数程 度でホルモン分泌抑制による低血糖発作の予防に有効と されているが、一方で低血糖発作を増悪するとの報告も ある4)、5) 。  68Ga-DOTA-TOCはSSTRの発現部位を検出し、特に SSTR2、SSTR5に対し高い親和性がある6) 。本症例で は、膵腫瘍に一致して68Ga-DOTA-TOCの高集積を認 め、オクトレオチドが作用することが予想された。単回 オクトレオチド負荷試験での有意な血糖値上昇とオクト レオチドによる加療の効果には相関があるとされている が、反応がなかった例でもオクトレオチドの継続により 効果を認めることがあるとの報告もある7) 。 3.結  語  MEN1に生じたインスリノーマの一例を経験した。 本症例では、単回オクトレオチド負荷試験では有意な血 糖上昇を認めなかったが、連続負荷で有効性を認めた。 血糖コントロールに難渋する症例におけるオクトレオチ ド連続負荷試験の有用性が示唆された。 文  献 1)櫻井晃洋,多発性内分泌腫瘍症の疫学,日本臨牀, 2011; 69(増刊号2):669-73

2)Sakurai A, Suzuki S, Kosugi S, Okamoto T, Uchino S, Miya A, Imai T, Kaji H, Komoto I, Miura D, Yamada M, Uruno T, Horiuchi K, Miyauchi A, Imamura M, MEN Consortium of Japan. Multiple endocrine neo-plasia type 1 in Japan: establishment and analysis of a multicentre database. Clinical Endocrinology. 2012; 76: 533-9

3)Oberg K, Kvols L, Caplin M, Delle Fave G, de Herder W, Rindi G, Ruszniewski P, Woltering EA, Wieden-mann B. Consensus report on the use of somatostatin analogs for the management of neuroendocrine tu-mors of the gastroenteropancreatic system. Ann Oncol. 2004; 15: 966-73

4)Vezzosi D, Bennet A, Rochaix P, Courbon F, Selves J, Pradere B, Buscail L, Susini C, Caron P. Octreotide in insulinoma patients: efficacy on hypoglycemia, rela-tionships with Octreoscan scintigraphy and immunos-taining with anti-sst2A and anti-sst5 antibodies. Eur J Endocrinol. 2005; 152(5): 757-67

5)Healy ML, Dawson SJ, Murray RM, Zalcberg J, Jefford M. Severe hypoglycaemia after long-acting octreotide in a patient with an unrecognized malignant insulino-ma. InternMed J. 2007; 37(6): 406-9

6)Mayerhoefer ME, Schuetz M, Magnaldi S, Weber M, Trattnig S, Karanikas G. Are contrast media required for (68) Ga-DOTATOC PET/CT in patients with neu-roendocrine tumours of the abdomen? Eur Radiol. 2012; 22: 938-46

7)Vezzosi D, Bennet A, Courbon F, Caron P. Short- and long-term somatostatin analogue treatment in patients with hypoglycaemia related to endogenous hyperinsu-linism. Clinical Endocrinology. 2008; 68: 904-11

図7.オクトレオチド連続負荷試験

(4)

A

型胃炎における内分泌代謝異常

和歌山県立医科大学 糖尿病代謝内分泌内科学1)  公立 那賀病院 内科2)

松谷 紀彦

1)

 石橋 達也

1)

 宮田佳穂里

1)

 舩橋 友美

1)

 竹島  健

1)

古川 安志

1)

 太田 敬之

1)

 稲葉 秀文

1)

 有安 宏之

1)

 川嶋 弘道

1)

河島  明

2)

 西  理宏

1)

 中尾 大成

1)

 古田 浩人

1)

 赤水 尚史

1) まえがき  血清ガストリン高値を認めた際に考慮すべき疾患とし てガストリノーマが挙げられるが、鑑別を要する病態と して自己免疫疾患であるA型胃炎がある。  A型胃炎は、胃粘膜、特に胃体上部から胃底部にかけ ての粘膜の萎縮により、胃壁細胞減少、胃酸分泌低下が 生じ胃前庭部G細胞からのガストリンの過分泌状態を 引き起こしている。  また、ビタミンB12吸収障害によるDNA合成障害や、 アミノ酸代謝異常も合併する事が知られている1)-3) 。  今回、A型胃炎が原因と考えられる血清ガストリン高 値の3例を経験し、その病態およびガストリン高値を認 めた際の診断についての考察を行った。 1.症  例 【症例①】55歳 女性   高 カ ル シ ウ ム 血 症 の 精 査 依 頼 目 的 に 紹 介 さ れ る。 Ca 11.6mg/dL( ア ル ブ ミ ン 補 正 済 値 )、 イ オ ン 化Ca 3.04mEq/L, PTH-intact 191pg/mL, whole PTH 118pg/ mL, NTx 1194.4nmol/ BCE/mmol Cr, ALP 416IU/L (ALP3 68%)と上昇を認め、超音波検査にて左副甲状腺 の腫大と(Fig. 1)、99mTc MIBIシンチグラフィ(Fig. 2) の取り込みを認めたことより、原発性副甲状腺機能亢進 症と診断し外科手術が施行された。

 さらに血清ガストリン高値も認められたことによ り、多発性内分泌腫瘍症(Multiple Endocrine Neoplasia: MEN)に関する検索を行ったが、副甲状腺以外の病変は 認めなられなかった。  術後、血清カルシウム値は正常範囲まで改善するも、 血清ガストリン高値は不変であった(Table 1)。 【症例②】67歳 女性 【現病歴】耐糖能異常精査のため紹介される。  受診時の画像検査で膵体部に早期相で造影効果を受け る、多血性腫瘍を指摘され(Fig. 3)、膵内分泌腫瘍症に 関する検索を行った。  超音波内視鏡検査でも同部位に、6.0mmの低エコー 腫瘤を認め(Fig. 4)、内分泌検査では血清ガストリン高 値が指摘された(Table 2)。 Table 1.症例①施術前後の Ca 値とガストリン値 Fig. 3 造影 CT 早期相:膵体部に造影効果を認める多血性腫瘤 Fig. 1  超音波検査:左副甲状腺 16.5 × 19.5mm と腫大 Fig. 2  99mTc MIBI シンチグラ フィ:左副甲状腺に集積

(5)

【症例③】66歳 男性  汎血球減少症の原因精査目的に紹介される。  紹介受診の3ヶ月前に右小脳梗塞の既往があるが (Fig. 5)、明らかな脳梗塞のリスクファクターは指摘で きず。  赤血球129万μL, Hb 5.3g/dL, Ht 15.7%,MCV 121.7 fL, MCH 41.1pg, MCHC 33.8g/dL、と大球性貧血があり、 ビタミンB12 67pg/mLと低値で、骨髄液検査にて巨赤 芽球を認め(Fig. 6)、巨赤芽球性貧血と診断した。  さらに血清ガストリン960pg/mL,血漿ホモシステイ ン39.8nmol/mLと上昇を認めた。  以上の3症例は共通して血清ガストリン値が高値で あったが、高ガストリン血症に伴う消化器症状は皆無で あった。  高ガストリン血症の原因精査のために上部消化管内視 鏡検査を行った所、全例において、胃底部から体上部に かけて著明な胃粘膜の萎縮を認め、内視鏡診断上、A型 胃炎が疑われた。  同時に施行した血清抗体結果と併せて全症例ともA 型胃炎であると診断した(Table 3)。 2.考  察  ガストリンは胃酸分泌を調整するホルモンであり、胃 内のpHによるfeedback機構により分泌が調整されて いる。  ガストリンが高値を示す場合、考慮すべき状態は ①高カルシウム血症によるG細胞からの分泌亢進。 ②ガストリノーマによる腫瘍からの自律産生。 ③慢性腎不全によるガストリン代謝の遷延。 ④H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬などの胃酸 分泌抑制により、胃内環境のpHが上昇し、feedback 機構によるG細胞からの分泌刺激亢進。 ⑤萎縮性胃炎により胃壁細胞が破壊され、胃酸分泌が低 下し、胃内環境のpHが上昇し、feedback機構によ るG細胞からの分泌亢進。  などっであるが、今回検討した3症例においては全例 にA型胃炎が認められた。  A型胃炎では、抗胃壁細胞抗体や抗内因子抗体により、 胃壁細胞が障害され、その結果胃酸分泌が低下し胃内環 境のpHが高値となる。  G細胞では、胃内環境のpHによるfeedback機構に よってガストリン分泌が調整されており、A型胃炎によ り胃内環境のpHが低下しない場合は、ガストリン分泌 が過剰となり、血清ガストリン値は高値となる。  また、ビタミンB12は胃壁細胞から分泌される内因 子と結合することで小腸から吸収されるが、A型胃炎に より胃壁細胞が障害され、内因子の分泌が不良となると、 ビタミンB12の吸収が障害される。  ビタミンB12はDNA合成やメチオニン-ホモシステ イン代謝に必要であり、その欠乏はDNAの合成障害に よる巨赤芽球性貧血を引き起こす。  さらにビタミンB12欠乏では高ホモシステイン血症 が生じ血栓や塞栓などの血管病変のリスクが上昇する4) が、症例③においても明らかな脳梗塞のリスクファク ターが無いにも関わらず小脳梗塞が発生していた。 Table 2 症例②内分泌検査

Fig. 5  MRI FLAIR 右小脳 脳梗塞像

Fig. 6  骨髄液検査: 巨赤芽球を認める

(6)

 ガストリノーマの診断に関しては空腹時血清ガストリ ン値が1000pg/mL以上の場合、ガストリノーマの存在 が強く疑われると報告ではされている5) が、しかしなが ら、今回の症例①②では1000pg/mLをはるかに越える 高値であった。  症例①においてはガストリノーマを疑う所見は乏 しく、症例②において完全に否定はできないものの、 Zollinger-Ellison症候群を疑わせる症状は認めず、ガス トリノーマの可能性は低いと考えられた。  アメリカ国立衛生研究所からZollinger-Ellison症候群 患者における血清ガストリン値の検討がなされている が、ガストリン値はおよそ2/3が正常範囲の10倍未満 の上昇にとどまると報告されている6) 。  さらにA型胃炎患者における血清ガストリン値の明 確な指標がないことから、A型胃炎に関する報告を検索 し、血清ガストリン値の記載があった32症例について 集計したところ、ガストリン値の平均値は2358.1pg/m と非常に高値であった(Table 4、5)。  ガストリン高値の際には単純に1000pg/mL以上を ガストリノーマの疑いとするのではなく、正常値であ る150pg/mL以上の場合、胃内環境のpH測定を行い、 pH 2未満のものをガストリノーマの疑いがあると考え るべきであると提唱している7) 。  しかしながら胃内pH測定を行わずとも胃酸分泌に影 響のある因子の問診や胃内視鏡検査所見などから鑑別は 可能と考えられている(Table 6)。 Table 3 症例①~③の内視鏡像および検査値のまとめ

(7)

結  語  A型胃炎は自己免疫による慢性胃粘膜障害により、高 ガストリン血症が生じる疾患であり、血清ガストリン値 が高値の場合は常に鑑別すべき疾患である。 文  献 1)小峰光博:三輪 血液病学 第3版,文光堂, 974-1000,2010

2)Green R: Williams

Hematology. 8th Ed, MacGraw Hill, 533-563, 2010

3)橋本隆男:ホモシステイン代謝,薬学雑誌, 1579-1592,2007

4)Perry IJ: Prospective study of serum total homocys-teine concentration and risk of stroke in middle-aged British men. Lancet 1995; 346: 1395-1398

5)今村正之,田中雅夫,平田公一:膵・消化管神経内 分泌腫瘍(NET)診断・治療 実践マニュアル,総合 医学社,42-46,2012

6)Berna, Marc J. MR; Hoffmann, K. Martin MD; Ser-rano, Jose MD, PhD; Gibril,Fathia MD; Jensen, Rob-ert T.MD: Serum Gastrin in Zollinger-Ellison Syn-drome:Ⅰ. Prospective Study of Fasting Serum Gastrin in 309 Patients From the National Institutes of Health and Comparison With 2229 Cases From the Literature. Medicine 2006: 85: 295-330.

7)Eugen Melcescu, et al: The various faces of autoim-mune endocrinopathies: Non-tumoral hypergastrin-emia in a patient with lymphocytic colitis and chronic autoimmune gastritis. Experimental and Molecular Pa-thology. 2012: 93: 434-440

Table 4  A 型胃炎における検査値のまとめ(Table 5 より)

Table 6 ガストリン高値の際の診断アルゴリズム文献7)より改変

Fig. 5   MRI  FLAIR  右小脳 脳梗塞像
Table 5 A 型胃炎症例の報告一覧

参照

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