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『五本対照 類聚名義抄和訓集成』( 全四巻 )を出版して

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﹃媒類聚名義抄和訓集成﹄︵全四巻︶を出版して

草川

     はじめに  ﹁類聚名義抄﹂︵るいじゅみょうぎしょう︶ーー一般には あまり馴染のない書名ではあるが、わが国最古最大の漢和辞 書としての価値は極めて高く、原本系と広益本系との二種類 がある。  原本系。成立は十二世紀のはじめで著者は法相宗の学僧と 言われている。諸本として、清水谷家陰蔵、宮内庁書陵部埋 蔵の図書寮本﹁類聚名義抄﹂法話一帖の零本がある。完全な 姿は仏・法・僧の三巻︵四十部首あて︶を各上下二帖に分け た六帖仕立ての辞書であったらしいが、現存するのは法の上 部のみである。中国の部首分類体の漢字字書で三十巻の﹃玉 虫﹄をモデルにして漢字の単字熟語を部首分類によって掲げ、 諸種の文献を忠実に引用してその音注釈義を付けたもので、 注には漢文や真仮名・片仮名の和訓を混じている。標出語は 三千六百余語、そのうち単字数は九五一語、残りの大部分の 熟語は﹃一切経音義﹄﹃法華経音義﹄﹃大般若経音義﹄などの 字句を収録している。多くの内典、外典から引用しているが、 仏典が多い。引用文献﹃倭名類聚抄﹄︵わみょうるいじゅしょ う︶の﹁類聚﹂と、﹃歯車万象名義﹄︵てんれいばんしょうみ ょうぎ︶の﹁名義﹂とを採用して書名にしたといわれている。 掲載の和訓は後述の広益本に比して多くはないが、正解であ り、多くの和訓に付けられた声点から当時のアクセントの実 態がわかる。語彙は上代語をも伝えており、貴重である。仏 典特殊辞書から一般漢和辞書への過渡期を示すもので、辞書 史、音韻史等の研究上欠かせぬものであるといえる。  現存するのは、法の上畳のみであり、仏・僧のこ巻と法の 部の後半が欠落しているのは残念な限りである。今後この欠 落部分が世に出ることを期待したい、  広益本系。これには、ω観智院本、↑り高山寺本、ω蓮成院 本、0り西念寺本の四本が知られている。ω観智院本は唯一の 五一

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『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して 完本で、建長三年︵一二五一︶顕慶写本の写、東寺霊智院旧 事で天理図書館現蔵である。ω高山寺本は仏・巻一・二零本 二冊で天理図書館現蔵で、この写し音信友の手沢本は京都大 学図書館蔵である。ω無謬院本は原本、仏上・中零本、三冊 で桑名の市国母国神社現蔵のものが完本の観智院本に次ぐも のである。他に天理図書館蔵、宮内庁書陵部蔵・関西大学蔵 のものがあり、戸部一冊は京都大学国語研究室蔵である。0⇒ 西念寺本は、仏上零本一冊で明和四年︵一七六七︶輪舞本の 写しが天理図書館現蔵である。  観智院本類聚名義抄以外、いずれも零本であるのは残念で あるが、四本それぞれが出している標出漢字、和訓、一部の 漢字訓、義注などを比較検討することは興味深いことである。  広益本系統は、原本系に見られる仏教辞典的内容を一掃し、 漢字単字中心に標出語を大幅にふやし、漢文、真仮名の注を 取り除いて、片仮名注とした。完本の観智院本は標出漢字が 約三万二千余語、乱数は約三万五千四百語に及ぶ。      一  原本系の図書寮本は、 めていることがわかる。 広益本系に比して、より古態をとど 広益本の諸本は、基本的には同じで       五二 あるが、細部には違いが見られる。原本系、広益本密議に和 訓の中には声点を施されたものが多く、アクセント研究上貴 重なものである。部首分類の漢和辞典としてわが国最初の大 規模なものであり、異体字、当時の漢音・呉音・和音の研究 材料となり、古代語彙、語史・語源・意味研究の宝庫であり、 国語学ヒ不可欠の辞書である。次に異称は、﹁三宝類字集﹂ ]二宝名義抄﹂﹁三宝字類抄﹂コ.一得字抄﹂﹁三宝類聚抄﹂﹁字抄﹂ ﹁名義抄﹂等ともいう。     第1図 類聚名義抄︵図書寮本︶

餐穀喬縁

氷鴛盤腎撰述協縫麩姻触。籔勤裾

濃繋黙鱗鴛嚢鷺鐸勘

法纏軽怖連菌顎鮮驚零墨儒暴喋撫

攣鰐馨離馨蝶

(3)

昇 草 川     第2図 類聚名義抄

類聚尋停

人部茅一﹁ 人請驚し鷲 五一・重り

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 アタコ  λ者吋..† 才ノ♪ず喝ノ   戸イノ ︵慧智院本︶

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   ノ   ト     第3図 三宝類字集︵高山寺本︶ へ曳

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  β 一 一..r.     第4図 三宝類聚名義抄︵蓮成院本︶ 尉.

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    第5図 類聚名義抄

佑同窓億三一億

奏鹿野轡惨ム或燈

薫衿舞輪諸微葦手与嬢、一

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︹西念寺本︶   

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『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して      二  ﹁類聚名義抄﹂中、観智院本のみが唯一の完本であること は先に述べたが、ここでは、この完本である観智院本に見ら れる特徴的事項を主としてとりあげ、必要に応じて豆本との 比較をしてみようと思う。  ﹁行﹂という漢字の読み方を、音読み・訓読みすべて挙げ          ゆ     おこな      こう   ぎよう よといわれた場合、﹁行く﹂﹁行う﹂﹁急行﹂﹁行列﹂程度はす        あん ぐに頭に浮かぶが、少し考えて﹁行脚﹂くらいで、あとはな かなか浮かんでこない。事実、以上の五種類が現行の﹁行﹂ 字の音訓のようである。  さて、古い時代には果たしてどのような読みがあったのだ ろうか。観智院本によると、平安時代すでに四十一種類の音 訓があったのである。

  

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   ・→5寸†7三キ憶†プ4ベツ匹   をトろゾト隔ッラ異、ノ5アエ産。沸玉ッ

  

レ欺馨聖君翼ヲ鞭汎新縁

五四  即ち  ユク・ヤル・イデマシ・アリク・アルク・サル・ニグ・イ ネ・サケク・ミユキ・ミチ・フム・メダル・ツラヌ・ケ・オ コナフ・ワザ・シワザ・オキツ・ナムナムトス・ツトム・ツ ラヌ︵重出︶タビ・アヤマル・ハナツ・ツタフ・マタ・ナガ ル・クタル・ナケク・ヒク・サイキル・コレ・カタチ・モチ イル・テタテ・ウツクシフ・スルコト・マツリコト・コ・ ロ・テタツ・ギヤウ︵和音︶  以上のように、わが国最古最大の古辞書﹁類聚名義抄﹂に よると、実に四十一種類︵﹁ツラヌ﹂の訓が重出である︶の多 くを数える。時代の変遷と共に消滅してしまったもの、長い 風雪に耐えて今日まで堂々と生きのび、日本語の滅びない限 り恐らく今後も末長く生き続けるであろうと思われるものも ある。  和訓の中では、この﹁行﹂字の和訓が最も多いが、一字一 訓のものもあれば、一字冷冷、三訓のものもある。また、標 出漢字のみで、和訓の全くないものもたくさんある。この和 訓の内容は広範にわたるものであって、最古の辞書というだ けで、読みにくいもの、専門的で一部の学者の研究するもの と考えがちな﹁類聚名義抄﹂の中には、意外にも今日われわ

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昇 草 川 れの身近な日常生活の中で使用するごく一般的な語いが実に 多く見られるのである。魚類・虫類・草木などの動植物名、 衣類、食べ物、食器、病名、対人関係についての呼称、官位、 身体部分などの名称、家畜類など人間生活と関係の深いもの、 動作を表す種々の語い、ものの性質や状態を表す語い、心情 語に類する多くの語いなど、前述の観智院本﹁類聚名義抄﹂ では標出漢字がおおよそ三万二千字余、延べ語数三万五千四 百を数え、上代人の生活が躍動的に展開されており、実に新 鮮である。専門家の間では、古典の宝庫として重視されている。  観智院本類聚名義抄の書誌について述べると、  もと京都教王護国寺、通称東寺の観開院に古くから収蔵さ れてきた﹁聡智院本類聚名義抄﹂は今から約百八十余年前の 文化十年に辞書学者の伴信友が筆写して以来、研究対象とし て一般に広まったようで、国語の歴史的研究には必見の辞書 資料となっている。この下智院本が東寺を離れて天理図書館 の宝蔵に帰し、写真複製されて天理図書館善本叢書として八 木書店から出版された。篇目と称する漢字の扁労冠脚の順序 を表示したのも一帖、本文は機上・佛中・佛下本・西下末・ 法上・土中・法下・僧上・僧中・子下の十帖で合計十一帖の 完本から成る。各帖とも扉・内題に﹁類聚名義抄﹂とあり、 篇目帖の末尾には本書の序文とも凡例とも見られる次のよう な十行にわたる説明文がある。   凡罫書者為・.愚誉者・任レ意下道。不レ可レ為レ証夷。   立・講者源依玉壷・。於次第取相似劃一置・隣也。   於字数少者・集為.雑部・。依レ類弱虫也。篇中   聚字類台所・為也。印字錐・在二人部一碧・難レ墨入一.   F部。墨字錐・在..手部一言レ難レ知為二大部等也。

藷L割湘詩才響也

       カタカナヲ   自余字准可レ知・之。注中多雲量レ片。   朱礼者正音也。墨声者和音也。片仮名有・・   朱点一者皆有二証拠一。浮輪師説・。無レ点者雑々   書中随レ見得注二付上不レ知レ所。追々可レ決レ之。  各帖の末に﹁観智院﹂の墨書識語があるが、本文とは別丁 のようである。なお、漏壷・月下本・法上・法中・法下・門 中の六帖の巻末にはコ校早﹂の朱筆識語があり、これは本 文と同筆で、巻中の朱校の性質から推しても︸旦書写した後、 再び底本と下校したという意味だと思われる。  題字の大きさは一字十五ミリ四方、本文煮出字は十ニミリ、 和訓などの注文の大きさは約五ミリくらいである。丁数は金 五五

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『五本対照類聚名義抄和訓集成」(全四巻)を出版して 部で六五二丁、墨付本文丁数だけでも六四↓丁ある。  全装十一帖の丁数・紙数は次の通りである。 ︵春巻︶ 篇目 北上 豊中 佛下本 造下末 法上 酒中 法下 僧上 石中 僧下 ︵丁数︶  五 四九 七一 七一 一三 六二 七八 七四 七三 七一 六七 内部を縦に四段、

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︵墨付丁数︶  四 四七 七一 七〇 三〇 六二 七七 七三 七一 七〇 、六六 横に八行に等分に面しており、一行分の 幅は平均十八ミリ、段の高さは平均六〇 ミリ位となっている。したがって一ペー ジに三二格あり、一格に一言出項を収め るのを原則としているが、熟語や字系連 繋のあるために、また注文の長短等のた       五六 めに常態として乱れている。何かを一括標出し、まとめて未 詳としている箇所もある。本文文字は平安末期の書風が残る 楷書体である。仮名字体は鎌倉期のものであるにしても標出 漢字は古体を伝えており威厳がある。本文は全巻同↓筆では なく、二人で分担したものと思われる。叩上、佛下本、法上、 法下、僧中の筆者は同一人であり、佛中、佛下末、座中、僧 上、僧下の筆者は別人のように思われる。また、朱筆による 校合と、和訓に対する声付加点が行われている。声点は、上 の図に示すごとく、仮名の四隅のうち、左下、左上、右上 ︵右下はまれ︶に付され、それぞれ平声・h声・去声と呼び、 音価は低平調.高平調上昇調であるとされている。﹁ニコリサ ケ﹂は﹁平・平濁・平・平・平﹂からなり、﹁キヨシ﹂は ﹁平・平・上﹂、﹁スナホニ﹂は﹁平・上﹂からなっている。こ れによって当時のアクセント体系が推測され、国語アクセン トの研究上、必須の貴重な資料となっている。また、和訓に は多くの朱筆の斜線のついたものがあるが、これは校合した ことを表しているようである。また、字音は、例によって見 ると、﹁白﹂の音は■﹂の記号で類音の漢字﹁吊﹂で示すの が一般であり、和音については前に述べたごとく﹁禾﹂の記 号で、例えば﹁晶﹂を﹁禾鬼﹂、﹁鳥﹂を﹁禾去﹂のように類

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昇 .草 音の漢字で示しているもの、﹁験﹂を﹁禾下ム﹂、﹁集﹂を﹁禾 自フ﹂のように漢字と片仮名の両方で示しているもの、その 他最も多くは﹁教﹂を﹁禾ケウ﹂、﹁龍﹂を﹁禾リウ﹂のごと く片仮名で示している。  略語として多く使用されているものに、禾︵和音︶メ︵反 切︶谷︵俗字︶ド︵部︶などがあり、異体仮名には、 干︵ウ︶\︵キ︶爪︵ス︶余︵ネ︶早、小︵ホ︶ア、マ︵マ︶ ア︵ミ︶詣︵ユ︶う︵ヨ︶手︵オ︶牛︵モノ︶子︵ネ︶禾 ︵ネ︶ホ︵ネ︶チ︵テ︶禾︵ワ︶ などが見られる。  濁音符号には○○または があり、声調によってその位置が 異なっている。清音は○または・である。字音の濁音を示す 場合に仮名の右隅にレ符号を書き入れる方法も採っている。  階上に凡例に対し、僧下巻々末には次のような識語がある。  書本云   仁治二年碑九月六日於賀茂庵室交早舟几   此患者以作者自筆/草木書窮之問文字前   後或重々定有枇繹歎尋清書之謹上/追必   可交号之 繹子慈念肝購云々 ︵本云︶  建長参年八月六日亥剋於洛陽城鷹司之邊  .筆書鳥之/畢願以此結縁世々開恵眼生        春秋  々曾孫持必謹辞菩提         廿三歳         執筆沙弥玉章  この識語の内容についての詳細は前大阪外国語大学教授、 現姫路独協大学名誉教授吉田金彦氏の諸論文、天理善本叢書 ﹁類聚名義抄﹂僧下末の解題に詳しい。  漢字々体については、正・俗・占・今・通・或などの別で 示されており、特殊文字や仏典文字、あるいは難解な未詳文 字をも多く収録している。漢字々体については、いわゆる旧 字体の中に多くの新字体を発見することができ、現行の常用 漢字表の多くの字体が平安期すでに使用されていたことに驚 かされる。常用漢字々体は類聚名義抄を出典としたとさえ言 えよう。主なものをいくつか挙げると次の通りである。  佛−仏、僧一双、齪 乱、尭一尭、從 従  主円−立目、 蹴不一立小、 壮衣  壮衣、 ㎜隅一同口  名義抄の和訓は日本語自身の問題であるだけに大いに興味 五七

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『.五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して をそそるものがある。また、古代日本語の基本構造を明らか にする上での貴重な資料といえよう。  類聚名義抄の内容を、和訓を中心に調べていく過程の中で 気づいたこと、発見したことを中心に挙げてみると次のごと くである。  筆者はかねてから日本語の疑問表現にかかわる語は一←N ←Dの順に変化してきたと考えているものである。すなわち、 いかに・いかなる・いかでかの如き一で始まる語が最も古く、 次に、なぜ・なんと・なんのの如きNで始まる形に引きつが れ、最も新しい形の、どうして・どのように・どんな・どん なふうにの如きDで始まる語が今日の疑問詞の主流を占めて いると考えている。  ところで、名義抄に見えている一で始まる疑問詞ならびに 疑問表現にかかわる語は次の如き多くを数える。  イカマ・イカシテカ・イカスルカ・イカスルヲカ・イカ ソ・イカテ・イカナルヲカ・イカニ・イカハカリ・イカバカ リ・イカム・イカムセン・イカムシテカ・イカムソ・イカム ニ・イカン・イクソハク・イクタヒ・イクハク・イクバク・ イクハクハカリ・イクバクバカリ・イクハクモナシ・イクラ       五八 ハカリ・イツクソ・イヅクソ・イツクニカ・イヅクニカ・イ ックンソ・イツチカイヌル・イヅチカユカン・イツレ・イヅ レ・イツレヲカアライヒイツレヲカアラハサラム  同音異字の語について多い順を示すと次の如くである。  ﹁ツク﹂一志・衡・造・就・即など、延べ語い数一九五を 数える。︵以下すべて延べ数で表す︶﹁ミル﹂1目・睨・睦・ 視・見など一八五語、﹁トル﹂1取・把・撮・採・拓など一七 五語、﹁ウツ﹂1伐・征・叩・拍・打など一五〇語、﹁イタル﹂ 1至・自・向・及・格など一四〇語、﹁ヨシ﹂1仁・佳・善・ 祥・宜など一四〇語。  名義抄の和訓の性質上の特色は日常生活に関係の深い語が 多いことである。表現が率直単純で古めかしく、上代人の生 活がしのばれる。例えば、  イホノカシラノホネ 魚丁 アザムキカ・ヤカス クソブクロ カラケナハ シリイヅルヤマヒ サケノミツクス 飯カシタカナへ

打豆脱縄胃量

  庁  眩

                   

僧事法法佛佛首

上下下中中中上

)  )  )  )  )  )  のように素朴で洗練されてはいないが 実に率直そのもので

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  萎 婁 圭 P一ヒ t 漢字未詳文字(右)、虫損のため判読困難 な漢字と和訓(中)、所属不明文字(左) 川  漢字の未詳文字、虫損のため判読の困難な漢字と和訓、今 草   日使用されていない、いわば所属不明の文字のいくつかを挙   げたのがこれである。  漢字の未詳文字として挙げたものは、七軒の部に示された ものであるが、未詳の漢字はこのように同じ箇所に一括して 出されているもののほかに、単字として出しているもの、三 ∼四文字まとめて出しているものが随所に見られる。  次に七七のため、判読が困難な漢字と和訓についてである が、いちばん上の﹁攣﹂字は佛下本の部にあり、三つの和訓 が挙げられている。﹁ウツ﹂﹁サク﹂の二訓ははっきりしてい るが、三番目の訓が虫食いのためにはっきりしない。一語の 訓であることはどうやら分かるが﹁ノコフ﹂か﹁ノソク﹂か と大体の見当はつくが、訓を断定するのは困難である。二番 目の﹁熔﹂字は佛下末の部にあり、二つの和訓が挙げられて いる。もっとも、二つめの訓は片仮名の字と字の間が開きす ぎているようであるが。はじめの訓は﹁ヒラチケツ﹂か﹁ヒ ラチケフ﹂のようであり、あとの訓は﹁ヒキユ﹂と考えられ る。三番めの漢字は法中の部にあるが、虫損がひどく判読困 難である。訓はなく、音は針のようである。一番下の字は法 中の部にあり、一字の漢字で糸偏であることまではわかるが、 勇が不明である。  虫損の部分が最も多いのが佛の部、続いて法の部、僧の部 となっている。全体で約一七〇箇所が不明であるが、前後関 係から比較的容易に判読できるものもいくつかある。例えば、 佛上の部の﹁僧﹂字の訓の三つあるうちの一つ、﹁子□□□﹂ の場合、□の二字が虫損箇所であるが、前後の関係から、﹁子 ムロコ﹂であることが分かる。また、町中の部の﹁肌﹂字の 訓の一つに﹁モロロロ﹂というのがあるが、﹁モシクハ﹂と判 読できる。ところが、法上の部の﹁澤﹂の訓のうち、﹁□□□﹂ 五九

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「五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して など三文字とも実損がひどく、﹁マミル﹂なのか﹁ミユル﹂な のか判読は困難である。このように判読が極めて困難な虫損 箇所は四〇∼五〇箇所ある。  ﹁メタル﹂﹁ヨコサマ﹂﹁ヨコシマ﹂については所属不明と いうのは適当でないかもしれないが、その他の文字はいずれ も訓がない。興味深い文字ではあるが、この類に近い﹁凸﹂ 字や﹁凹﹂字のように発達しなかったのであろうと思われる。  次に、和訓の特徴的なものの一つに文選読みといわれるも のがある。いくつか挙げると、次の如くである。約百二十例 ある。 ﹁ト﹂カスカナリ ﹁ト﹂コエスキタリ ﹁ト﹂タカフ ﹁ト﹂タ・スム ﹁ト﹂タ・ズム ﹁ノ﹂イキボトケ ﹁ノ﹂カリコ ﹁ノ﹂チマタ ﹁ノ﹂オホカミ ﹁ノ﹂カイシキ

易街列神行俳催連瀟

狼衝平仙  佃倦礫條

仏仏仏仏仏仏仏仏

上上上上上上上上

五九 七七 四四 四五 五八 二九 一●五 六五 李下本一、一九● 無下本志八五       六〇  漢字と仮名交りの和訓は次に示したようなもので、 六十例を数える。 約二百  馬クツハ      街   仏上  六六  心モチ井       用心  仏中 二五四  心ヨシ        嫡   仏中  .四二  母方ノヲバ      外祖母 仏中  .一.元  尿フクロ       胞   禁中 .一.二三

 鳥ノス 

心仏下本三四八

 花ヒラク      榮   舌下末四五六

 心ミニ       嘗試  法L  六四

 衣ノクビ       法中 二六ヒ  火クラム       雷乱  法下 三六.二  山ノイモ      山芋  僧上  四二  飯カシタカナへ    釜   僧上 一四四  唐ス・ミ       連雀  僧中 .充●  母方ノオホヂヲヂ   従舅  僧下 ..一六六  母方ノヲヂ      舅   僧下 三六六  漢字のみで書かれた、いわゆる漢字訓については正宗敦夫 編の﹁類聚名義影干二巻 仮名索引﹂ではとりしげていない。 漢字訓についての論考には名古屋大学の田島麟堂教授のもの

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昇 早川 があるが、和訓の中に取り入れるべきか、単独に扱うべきか、 問題もあり、今後の検討課題としたい。  和訓の掲出状況についても、慎重に判断しなければならな いものが多くある。標出漢字の明らかに異なると思われると ころに出しているもの、同じ訓を二度又は三度と重出してい るもの、一定の間隔を置いて、離して書かれており、あたか も正訓︵二語︶のようではあっても、一語の訓とするのが妥 当だと思われるもの、逆に、一語の訓のように離さずに続け て書かれてはいるが、明らかに二訓︵二語︶と考えられるも のもある。  又、標出漢字と訓とが結びつかない、不可解なものもある。 原典︵祖本︶のままなのか、書写者の誤りなのか判然としな いが、和訓と反切注記と思われるものを取りちがえたと思わ        リキマンハン れるもの  例えば﹁力丁メ﹂は﹁力万メ﹂という反切注記 であるが、これを﹁カマメ﹂という和訓︵?︶として扱って いる如きものである。この例については、正宗索引でも﹁カ マメ﹂という和訓としている。  も通例ではあるが見られ る。  いわゆる、誤字訓と思われるものも四本それぞれに見られ、 どの本が多く、どの本が最も少ないかということは軽々には いえないようである。      三  私が今回、﹃概類聚名義抄和訓集成﹄を世に問うのは、昭和 五十年に国語学会で研究発表したとき、熱心にご指導くださ った大阪外国語大学教授︵現姫路独口大学名誉教授︶の吉田金彦 先生から﹁興味深い書物に﹃類聚名義抄﹄があり、和訓の宝 庫として国語学史上貴重ですよ。あなたの恩師である中田祝 夫博士の﹁類聚名義抄使用者のために﹂の↓文を読むことを おすすめします﹂と教わったのがきっかけであった。早速風 間書房刊行の﹃類聚名義抄﹄を手にし、数多い和訓に魅せら れた。  専門的な知識に乏しい不安はあったが、天理図書館善本叢 書︵八木書店刊行︶の﹃類聚名義抄 観岸本﹄﹃三軸類字集 高 山寺本﹄を求め、両書に所収されている和訓のカード作成に とりかかった。その後、すでに未刊国文資料別巻として刊行 されていた﹃鎮国守国神社蔵本 三智類聚名義抄﹄ が新しく再刊されたのを機に、名古屋大学文学部教授 田島 銃堂博士を中心に発足した﹁名義抄を読む会﹂のメンバーの 一人として参加させていただき、勉強の機会を与えられたの は貴重な体験であった。﹁名義抄を読む会﹂で底本として使用 六一

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『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して していた﹃鎮国守国神社蔵本 三寳類聚名義抄︵蓮成院本︶﹄ の和訓カードも加え、すでに刊行されていた﹃図書寮本 類 聚名義抄﹄所収の和訓についても、カード化を進めた。あと 一本、﹃類聚名義抄 西念寺本﹄については、天理図書館に通 いカード化した。  すでに﹁図書寮本﹂﹁平時院本﹂については総索引が刊行さ れており、﹁高山寺本﹂についても一部分の索引がある。また、 声点付の和訓については望月郁子氏の索引が広く知られてい る。残念ながら﹁蓮成院本﹂﹁西念寺本﹂の二本については公 刊された索引がない。五本の名義抄が対照できる索引の必要 性、特に唯一の原倉本である図書寮本の和訓と、改編本諸本 との和訓の比較を知りたかったので、その旨中田先生に話し たところ、先生から﹁﹃五本対照 類聚名義抄和訓集成﹄の出 版を企画してはどうか﹂とご教示いただいた。編著書名とさ せていただいた所以である。  厚かましくも、恩師である筑波大学名誉教授の中田祝夫博 士、訓点語学会会長で、いつもご指導ご教示いただいている 東京大学名誉教授の築島裕博士にお願いしたところ、早速ご 序文をいただいた。両先生に深く感謝したい。 六二

   四

類聚名義抄五本所収語彙の数的検討

 ﹃蘇類聚名義抄和訓集成﹄では、すでに和訓総索引が刊行 されている。﹁図書寮本﹂﹁平時院本﹂の二本、一部分の索引 のある﹁高山寺本﹂のほか、未刊行の﹁蓮成院本﹂﹁西念寺本﹂ 二本の和訓索引を作成し、五本の和訓を一覧対照できるよう にした。  和訓カード作成については、原本模写の際すべてのカード に原本複写の和訓を貼付して正確を期し、カードも五種類に 色分けした。  改編本系四本が共通して和訓を掲出するのは、百二十篇目 下、僅か十一篇目に過ぎず、表2に示したとおりである。      ︵カードの一例、三智院本︶

華蜜鵬.馨鰹篠

       み   ト

恥転  .轡.・ 麟

 塾蓼ダ餐、  巴

6069

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六 草 川 昇 (表3)観智院本と蓮成院本の掲出文字数の比較 (表1) 「僧」 部 首 観本 蓮本 蓮本のみ 「仏」 掲出字数 観本 蓮本 高本 西本 八十一 艸廿 1596 660 7 一 「人」 865 845④ ★231② 848④ ★739① 八十二  竹 492 488 1 二 「そ」 182 181 179 182① 八十三  力 106 106 0 三 「副 441 440 ★375 422 437① 八十四刀刃ll 240 229 1 四 「[:」 55 55 54 54 55 五 「走」 178 178 176 178 178 八十五  羽 103 101 2 六 「麦」 89 89 89 89 89 八十六  毛 102 101 1 七 「… 139 138 121 121 133 八十七  食 214 212 0 八 臼」 69 69 61 64 68 八{・八  金 681 644 2 九 「十」 80 80 77 79 80 八二九  ・へ 81 81 0 十 「身」 81 78 78 80① 78 九十   爪 54 73 19 ± 「耳」 128 128 125 127 128 九十一  國 122 119 1 ± ﹁女﹂. 一 529 517 498② 514 ★157 九十二  皿 111 108 1 圭 「舌」 33 33 32 33 九十三  瓦 120 120 0 歯「口」 1022 1011② 919① 984① 主「目」 454 452 435① 447① 九十四  缶 41 41 0 大「鼻」 36 36 36 36 九十五  弓 102 99 0 .む「見」 128 125 126① 125 九十六  於 72 72 0 夫 「日」 551 547 519① 524 九十七  矢 37 33 0 充「田」 159 159 153 157 九十八  斤 59 57 2 廿「肉副 124 120 119 九十九  矛 39 37 3 計 5343 5281⑥ 4224⑬ 5061⑧ 2324③ 百    父 126 114 4 百一   欠 123 122 1 二二   又 85 81 1 二三   支 225 217 1 二四  斐曼 81 80 1  ○…  重出の掲出字数 @*一 ・蓮本「人」の途中一「そ」のすべて、 @    「走」のはじめを欠く @*一 ・西本「人」のはじめ109字、「女」の @    159字以下すべてを欠く @欄外の数字…蓮本、高本が共通して欠く字数 i表2)四本とも掲1上する字数、及び和訓総数 百五   皮 88 百六   革 220 二七   章 54 百八   車 233 64 2 二九   羊 79 79 0 四本共通和訓掲出字の和訓総数 和 訓 f出字数 掲出字 二十   馬 293 276 1 観本 蓮本 高本 西本 百十一  鳥 533 504 11 一 「人」 220 212 214 224 79 135 百十二  佳 93 87 1 三 「走」 903 870 875 886② 210 366 百十三  魚 377 343 4 四 「[:」 72 72 73 73 21 53 百十四  虫 660 618 42 五 「走」 150 144 147 148 57 176 百十五  鼠 60 59 0 六 「麦」 17 18 17 17 12 89 百十六  亀昭 40 38 0 .ヒ 「…」 259 251 250 259 84 119 八 「1」 93 89 87 92 35 59 百十七  鬼 75 72 0 九 「十」 165 158 158 166 47 76 百十八  風 111 113 3 十 「身」 51 52 50 52 17 78 7 9 ρ0=﹂1 1

12

9白3 2

109臼 2

89

(14)

『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して  湯本の掲出字の総数は次の表1のとおり﹁蓮成院本﹂は ﹁そ﹂のすべてを欠き、﹁西念寺本﹂は﹁女﹂の途中までで、 ﹁舌﹂以下すべてを欠く。﹁高山寺本﹂は﹁肉月﹂以下すべて を欠く。従って、四本とも掲出する字数、及び和訓総数は表 2のとおりである。  完本である﹁観智院本﹂の百二十篇目に次ぐのは、五十九 篇目を掲出する﹁蓮成院本﹂であるが、そのほとんどは﹁観 智院本﹂の﹁僧﹂の部である。表3は﹁僧﹂部の二本の掲出 文字数を比較したものである。

  

 す

 示

 帷

 刮

 傍

 σ

 叶

 較

 比

 の

 本

 院

 成

 蓮

 と

 本

 院

 智

 観

      六四  異同の大きい部首は﹁二﹁金﹂﹁爪﹂﹁車﹂﹁馬﹂﹁鳥﹂﹁魚﹂ ﹁虫﹂﹁雑﹂で、﹁皮・革・章﹂の三部首を﹁蓮成院本﹂は欠く。 ﹁蓮本のみ﹂の数字は、﹁観智院本﹂の欠く掲出字数を示す。 ﹁爪・鳥・虫﹂の一.一部首の蓮本のみの数字が目立つ。﹁雑﹂の 四十九のうち、三十六文字は、﹁仏﹂﹁法﹂のいずれか、﹁僧﹂ の雑部以外の部首中にあり、南本にないものは十三字のみで ある。  次に、﹁観智院本﹂の﹁僧﹂篇の中から、僧ヒ、畠中、県下 より各四部首、計十二部首を抽出して両本の掲出文字、和訓  目部 掲出文字数 [致するもの 掲出文字の相違 和訓の相違 他の相違 和訓掲出文字数 和訓総数 一致する和訓数 一一P以上の掲出数 順序一致の和訓 分註式に掲出 掲出せず 掲出位置の相違 観本一蓮本  一 観本一蓮本  一 観本一蓮本  一 観本一蓮本    蓮本 観本︻蓮本  一 竹

30 45 62 13 9﹂    一ρ06+9一4十63   一3 鵬・4

π⋮冊

45 43

9⋮β

50 力 06 @⋮ 1 67 5 14 24   一型・10跳・11  一 218+8   一ρ0   一  43 一3 26 11   ︸1       1  ⋮ 1 上僧 刀 0   一  Qり4   一  22  一 2

7 31 35 2   一  Qり12 ︸10 ”・n瀟・B 罰・8 9  一 45    5  一 38 16   一−︸12 12 羽   一3  一 110 一 10  一 77. 3 14 9   一﹁D   ﹁  Qゾ5 一4   一に﹂      つ﹂14・5一13+4  一 14 8 ⋮52   一  9臼  一 17 0 2⋮4  一 6 計 −  [ 44   一  29  一 9

45

9  一 74   一  14  一 4 5    一皿・お彌・鈎 脚・23 4  一 3Qび  一  81   一  −

70 聡一3・ 69 ム −  一 18  一 8  ■ 64 1 10 6 4    14    4    qO    一FD14+4一13+4  一 612+4 5  一 52  一 2  一 17 17

2⋮2

爪   一4   一  35 ⋮7 45 0 4 5   一Qゾ  一  82 ⋮3   一494.−⋮6+− 43

{1

  一7⋮E 5 12   一p⋮ 11 國 2  一 912 ㎜11

1 8 10 7  一 65  一 5  一 鵬・5齋・4 ㎜・4 24 @一 18 3

⋮3

6 中子1 皿

m蕊

90 3 10 6   一17+1・15+31  一1

∴朗

17 16 3 計 8  一 −ρ0   一  83   一  nj

5 32 27

卿⋮捌

  一螂・11砺・12 謝・9 7 ⋮17     8  一 57 48   一21 一8 20

(15)

(表4)12部首抽出による 僧  下 総計 計 風 鬼 亀 鼠 1595 黶@  一   一 P587 286 黶@  一   一 Q82 111 。   一    一   一 P13 75 黶@  一   ■ V2 40 黶@  一   一   ■ R8 60 黶@   一   一 T9 1193 235 86 59 34 56 60 10 3 5 1 1 149 13 12 0 0 1 178 21 9 8 3 1 721 黶@    一     一 U88 95 黶@    一     一 X0 42 R8 25 黶@    一     一 Q4  8 @8 20 黶@      一 Q0 1640 @十T1一   一   一 P573 @十 T0 190 @十 @5一   一   一 P84 @十 @4 116 @十 @5一   一    一   一 P10 @十 @4 41 黶@  一   ■ S0 11 黶@  一    一   罰 P1 22 黶@   一   一 Q3 1405 @十T0 171 @十 @2 98

¥2

40 11 22 301 ナ    一   一 Q95 30 黶@    一     一 R1 17 P7  9 黶@    一     一 @9  2 @2  2 黶@    一     一 @3 207 24 11 9 2 2 155 37 13 9 2 13 39 黶@      一 S7  5 黶@    一     一 @9  5

@3

一     一    一 @3 一   一   一   一 @2 一    一   一 @1 昇 草 川 掲出文字、和訓総数などを比較したのが次の表4である。  表5は、﹁観智院本﹂﹁蓮成院本﹂のみに掲出されている和 訓の数を示したもので、前者が六十訓、後者が十五訓あるこ 5一  観智院本と蓮成院本の和訓の特色−十二部首抽出による 表 ︵ 羽 刀 力 竹 観 本 の の 7 10 4 19 訓 蓮 本 の の 2  1 8 訓 皿 國 爪 A 観 本 の の 2  4  3  7 訓 蓮 本 の の 1  1    1 訓 とを示す。  表6は、五本の掲出和訓数を示したものである。﹁観智院本﹂ の仏上、仏中、仏下本、仏下末、法上、法中、法下、僧上、僧 風 鬼 亀 鼠 観 本 の の 4 訓 蓮 本 のみ        ∩︶       ﹁D        ユ 中、僧下を基準とし、各篇目ごとに各本の掲出和訓数を記載 した。空欄はそれぞれ、その篇目を欠くことを示している。 六五

(16)

『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して 6一 ワ本の掲出和訓数の比較

六六 篇  目 三智院本 豊成院本 高山寺本 西念寺本 図書寮本 備  考 仏上 人 一六三二 四三三 一六﹁○ =二九一 蓮本﹁袋﹂の次から脱 西本﹁循﹂から掲出 そ 〒  そ 五〇四 四九五 五一六 4疋久 九九五 八五〇 九五九 一〇〇三 蓮本﹁送﹂ ⊂ヒ 六六 六五 六八 六八 走 一四四 =二九 一四五 一四三 麦 ﹁六 一八 ■ハ 一六 一 二六二 二四一. 二四四 二六三 一 九八 八五 九〇 一〇二 十 ■ハ九 一五五 一六四 一七二 身 五二 丘. 五〇 五一 仏中 耳 一四三 ↓三五 一一 八 一四〇 女 五九五 五四  五八七 二〇六 西本﹁嫉﹂の次から脱 舌 四〇 三八 三九 [ 一〇三六 九↓二 九七五 目 四二一 三九一 四〇一 鼻 == 一一 三〇 見 一四〇 =二七 一三八 日日白是 七八八 七=二 七四四 田 二〇七 一九四 二〇二 肉月 七二八 =二九 蓮本﹁拙﹂の次から脱 仏下本 舟丹 七六 骨 五四 角 ヒO 貝 三一四 頁 ..五二 多 四一 影長 一一

(17)

昇 早 川 篇  目 観智院本 蓮成院本 高山寺本 西念寺本 図書寮本 備  考 手 二〇八五 木林 一〇五九 犬一 一七九 仏下衣 牛す 七二 片” 四四 秀.家 一八 L 六九 几厭疋 ﹁九九 快 一六六 八各 二一九 大 ↓四三 火 五二四 黒 八五 法上 水シ 一六二六 一六七九 三七七 ン 一六六 一七四 三七 言 一〇九八 九七一 二三〇 蓮本﹁課﹂の次から脱 足腰 五一七 =二二 立音 一五六 二六 豆豊登 三四 一九 トヒ止 一〇三 三四 面 二二 歯 六四 山 三一二 五九 法中 石 二七七 七九 玉旺 一九二 七五 色 =二 邑ーp 一四五 三二 六七

(18)

『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して 六八 篇  目 観智院本 平成院本 高山寺本 西念寺本 図書寮本 備  考 阜−一 四六四 一●八

LL

四九九 一六五 心一 =二七六 一.七七 巾吊 =五 六四 糸 八九二 二八三 衣一 三四六 一一五 法下 示ネ 二八五 禾未香黍 三七九 米 一九二 、 二三三 ウ 五二︵Ψ 勺 二七 穴 ニニ九 雨碑西 二三五 門 三二二 口 一〇〇 月.戸 二四二 虐席庭 九一 片一 四〇三 鹿 三〇 .’ 二二三  少夕 一四八 子 九九 斗 一六 卓 一六 寸 八九 僧L 出目 一七︵U七 五七六 蓮本﹁⋮庵藍子﹂から掲出 竹 .=六五 三五﹁

(19)

昇 草 川 篇  目 観智院本 蓮成院本 高山寺本 西念寺本 図書寮本 備  考 力刀旺 三一丘 一.八ヒ 羽 一四. .六 毛 四一.一 川∵ 食 一∼四 八五 金 八六八 ヒ九九 僧中 ム 四六 一三四 瓜爪 四.二 六三 図図 一一四 一=二 皿 一二〇 一一三 瓦 七六 七二 缶 一五 一四 弓 一〇九 一〇七 於方 =四 一〇七 矢 五三 四八 斤 八六 八○ 矛 四九 五四 父 二六九 二五六 欠 一五︵︾ 一五四 又 =一.四 一.=荏 支支父 三二四 二九11 几又堤 ヒへ一 六五 皮 六六 革 .五八 章 一. e.﹁几 車 二重.一 八三 蓮本﹁軌﹂から掲出 羊 ∫‘一一畠 三二 馬 一一 l九 二二一 鳥 三七一P 三一一二 佳 一二八 一二一 六九

(20)

『五本対照類聚名義抄和訓集成』(全四巻)を出版して 七〇 篇  目 観智院本 蓮成院本 高山寺本 西念寺本 図書寮本 備  考 三下 魚 二八○ 二二七 虫 三一九 二八二 鼠 二一 二一 亀亀 一〇 一〇 鬼 四〇 三九 風 =四 .〇七 酉 一七二 一五ヒ 雑 =七九 八一二二 百二十篇目 五九篇目 一九項目 ⋮二篇目 一七篇目 三五、三八五 一四、九七三 七、=四 四、●八二 二、一一二        ※﹃図書寮本﹄の﹁篇目頗法﹂には二十篇目をあげているが、次の三篇目︵面・歯・色︶は不出。  次に、唯一の原二本である図書寮本を改編して掲出字と和      観智院本が欠いていることがわかった。 訓を大量に増補した、改編本を代表する完本の観智院本の掲      りである。 出和訓と図書寮本のそれとを比較した。表6からわかるとお り、図書寮本は観応院本の﹁法上・中﹂二帖︵﹁水∼衣﹂部︶ に相当する一帖の零本であるので、この部分について両本を 比較した。  観智院本の八三一六語に対して、図書書本は二=二語で、 観智院本は約四倍に近い和訓を増補したことがわかった。最 初は、和訓数の少ない原撰本に掲出の和訓を改編本はすべて 収載し、更に大量に増補したものと単純に考えていたが、両 本の和訓比較の結果、和訓数の少ない図書寮本の一、八○語を その内訳は次のとお 篇目 和訓数 水 51 ン 5 盲 23 足 24 立 1 ト 3 山 5 石 8 玉 12 邑 7 阜 5 土 23 心 48 巾 6 糸 35 衣 16 280  平成十二年二月十六日から清書を始め、十月二十二日に書 き終えたのであるが、常に心掛けたことは旧都の掲出漢字、 和訓、声点などをそのまま正確に写すことであった。  写しながら疑問に思う点も多くあった。例えば、観血院本 の場合、同一和訓が篇目の違いによって声点が異なる例が多

(21)

昇 草 川 かったことである。﹃巻こでは、八ページの﹁縣﹂の和訓が 仏下本..・オ巨では﹁アカタ﹂﹁アカタ﹂法中↓欝6では﹁ア吻タ﹂、 一〇五ページの﹁周章﹂の和訓が嵩上醒ウ,では﹁アハが﹂僧 下弔四肋、では﹁アハツ﹂など。観智院本、高山寺本の括帯が声 点を付している和訓が多いのに、蓮成院本のみ声点を付して いないのが目立った。観智院本と高山寺とを比較してみると、 声点の一致する和訓、異なる和訓がそれぞれ多く見られた。 西念寺本の和訓の声点の位置は妥当性を欠いている。書写者 は声点そのものの意味を理解しないで付したと思われるもの が多かった。  今回の﹃嫌類聚名義抄和訓集成﹄︵全四巻︶作成に際して、 次に示す諸先学の著書、論考に学ぶ点が多かった。学恩に感 謝したい。 長島豊太郎 吉田金彦 小松英雄 望月郁子 望月郁子 ﹃類聚名義抄仮名索引漢字索引第二巻﹄ ﹁解題﹂ (『V理図書館善本叢書 類聚名義抄観智院本 ﹃日本声調史論考﹄ ﹃類聚名義抄四種声点付和訓集成﹄ ﹃類聚名義抄の文献学的研究﹄ 平成十三年五月 中田祝夫 築島 裕 宮澤俊雅 築島 裕 ﹁類聚名義抄使用者のために﹂     ︵﹃類聚名義抄仮名索引漢字索引第二巻﹄︶ ﹁図書寮本類聚名義抄仮名索引﹂       ︵﹃図書寮本類聚名義抄解説索引編﹄︶ ﹁国語史料としての図書寮本類聚名義抄﹂       ︵﹃図書寮本類聚名義抄解説索引編﹄︶ 七一

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