• 検索結果がありません。

協調的授業改善を支援するための動画共有システムVISCOの実践と評価に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "協調的授業改善を支援するための動画共有システムVISCOの実践と評価に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)協調的授業改善を支援するための動画共有システム.      WSC0の実践と評価に関する研究     教科領域教育専攻 生活健康総合内容系コース.        M08222K       小 川  弘. いて概説し,現職教員3名による協調的授業改善を. 1.研究の動機と目的.  教職員評価制度や教員免許更新制に代表される. 通して得られた知見について,システムに蓄積され. 昨今の教育改革では,教員の自己研鎖の必要性が強. たログとインタビューを用いて考察する.. 調されている.また,団塊の世代の大量退職により. 2.研究の概要. 教員の世代交代が進んでおり,経験の浅い教員を中.  WSCOは,ブラウザ上で動作するWebアプリケ. 心としたグループが協調して授業改善に努める機. ーションとする.アップロードされた動画1本に対. 会が求められている.一方では,教員の勤務負担軽. して,フレーム分割されたスレッド型掲示板ぺ一ジ. 減に関する調査研究事業が始まるなど(文部科学省. 1枚を,議論の場として作成する.作成されたぺ一. 2008),教員の負担は増えつっあり,授業改善の必. ジは,動画再生フレーム,発言一覧フレーム,発言. 要性を感じながらも,現場の諸問題に対応しながら. 表示/投稿フレームから成る.. グループを構成する難しさを訴える声もある.そこ.  まず,参加者は「サッカーの試合で児童がボール. で、ICTを用いて時間的・空間的制約を取り払い,. に群がって団子状態になる」等,自身で認識してい. 授業改善の機会を充実させる取り組みが増えつつ. るテーマをあらかじめ検討し,設定する.. ある.筆者らは,分散環境における授業改善を支援.  次に,課題箇所を含む自身の授業風景を動画に撮. するシステムの構築を目的として,共有された授業. 影後,システムにアップロードし,参加者間で共有. 風景動画の特定場面と議論中の発言内容の対応を. する.授業者はテーマを文章で表明するとともに参. 動画アノテーションを用いて明示化するシステム. 加者は課題箇所が動画中のどの場面に表れている. VISC0(VHeo SharingSystem 缶r SupPorting. かを指摘する.. CO11aborative1esson improvement)の開発を進め.  参加者は指摘された課題箇所の解決を目的とし. てきた.. て,発言表示/投稿フレームから発言する.また,.  動画をもとにして授業改善を目的とした議論を. 文中に[30:I61と時刻を表記すればリンクが作成さ. 行う場合,課題が直接的に表れている場面(以下,. れ,閲覧時にクリックをすると指摘した動画場面ヘ. 課題箇所)及び,課題箇所とは別の場面であって課. ジャンプすることも可能である.. 題の要因になっている場面(以下,課題関連場面)を.  蓄積された発言と,発言に対応する動画の中の場. 注視することを促すことが可能なシステムが必要. 面とを関連付けて捉えながら,参加者は課題解決に. である.. 向けた議論を進めていく..  本研究では,WSC0の開発に向けた実践的検討.  改善された授業についても動画を撮影しアップ. を目的として構築したプロトタイプシメナムにつ. ロード,参加者間で共有,議論というプロセスを繰. 一436_.

(2) 名とも「議論から得た気づきを授業に取り入れるこ. り返す..  WSC0での授業改善の条件として協調的な授業. とができた」と答えており,「来年度以降の授業に. 改善を促すために,r①普段の授業を改善する②授. も活かしていきたい」と考えている.これらのこと. 業者の二一ズに合わせた課題設定③複数回の授業. から,WSC0によって参加者の改善意欲や,積極. を撮影④相互支援を前提に⑤参加者全員が授業を. 的な情報収集と改善のための対処を引き出すこと. 公開⑥非同期での議論⑦コーディネーターとアド. ができたと考えられる.. バイザーの介入」等の条件を設定し,評価実践に臨.  WSC0は特別な授業研究の場面での利用ではな. んだ.. く,授業者の普段の授業場面を協調的に改善してい. 2.結果と考察. くことを前提としている.アンケートの結果から,.  WSC0を3名の教師に適用した結果,r参加者の. 意欲的に協調的な改善ができ,興味深く取り組むこ. 議論が活性化したか」,「協調的な授業改善が行われ. とができていたことが窺える.同じ世代の教師と議. たか」等について評価を行った.授業のアップロー. 論ができるよい機会を提供し,動画を共有し明示的. ドは各教師が2回行った.参加者へのアンケート(5. な環境の中で議論を進められるシステムは有益な. 件法と記述及ぴインタビュー)を行い,参加者が残. 授業改善の場となっていたと考えられる.. したログを参照しながら分析した.. 3.まとめ.  アンケートでは操作に関しては概ね使いやすい.  動画のリンクに注視させることによって参加者. という結果が得られた.アンケート結果の多くは. が授業への振り返りを強化し,議論の過程で気づき. VISC0が協調的な議論を支援していることを示し. を促すことができた.議論から生み出された知見は. ている.. 授業に取り入れられ,参加者の協調的な授業改善を.  授業改善に動画を利用することに関して,参加者. 支援することができた.. の評価はいずれも高かった、文章中から動画ヘジャ.  一方で,動画や1コクを注視するには時間がかかり,. ンプするように参加者がリンクを作成した件数は. r3つの授業について動画を見ながら議論をするこ. 合計で59箇所であった.参加者全員がジャンプ機. とは,負担が増えてしまうことも確かだ.」という. 能はたいへん有用であったと評価している.. 参加者の感想も得られ,参加者が今回の議論に負担.  3名の教諭は1度目の議論から得られた改善方法. を感じていたことが例える.また,経験の浅い教師. やアイデアを授業に導入し,2度目の授業撮影を行. を想定したシステムであるため,ログの中には議論. った.この動画では,授業改善の効果があった様子. が深まらずに疑問や質問がそのままになって終わ. が認められた.A教諭は1度目の授業で試合の組み. ってしまっている箇所が見られた.. 合わせの指示をする際に話が長すぎることを指摘.  今後はVISC0の学校現場での実用化に際して,. され,2度目の授業では紙に書いたものを用意した.. 負担感を少しでも軽減しながら、活発な議論と情報. A教諭自身が,「時間短縮になって,集中力を切ら. 共有ができるような規模・形態へと適合性を高めて. す児童が少なくなったような気がします.」と報告. いくことについて検討していきたい.. している..  0教諭は課題の解決に向けて,先輩の教諭からの アドバイス(課題の原因を特定して練習を絞込むべ き)を受けて授業を改善している.アンケートでは3. _437一. 主任指導教官 長瀬 久明. 指導教官   森広浩一郎.

(3)

参照

関連したドキュメント

工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科

さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年

図 2.5 のように, MG は通常 MGC#1 に帰属しているものとする.マルチホーミング によって, MGC#1 配下の全 MG が MGC#2 に帰属する場合, MGC#2

1)研究の背景、研究目的

1、研究の目的 本研究の目的は、開発教育の主体形成の理論的構造を明らかにし、今日の日本における

研究会活動の考え方