烏頭赤石脂丸が奏効した3症例
全文
(2) 日東医誌 Kampo Med Vol.71 No.2, 2020. 132. 脂丸料が著効した. 例を経験したため,これを報告. する。. 腹満,便秘を主訴に来院した。他院内科で上部・下 部内視鏡検査などにより精査されたが異常はなく,. 症例 :. 歳男性。. 現病歴:X−. 腹痛は執拗であったが,身体疾患として説明困難と. 年,突然前胸部に痛みを自覚し,. されていた。そのため,持続性身体表現性疼痛障害. 痛みの持続時間と頻度が徐々に悪化した。近医にて. (双極性感情障害と併存)の診断で漢方治療を開始. 精査を受けたが原因不明であり,漢方治療目的に当. した。. 科を受診した。. 身 体 所 見:身 長 mmHg,脈拍. 既往歴: 歳時に事故にて右前腕切断。 cm,体重. 身体所見:身長. kg,右手は義手。. cm,体 重. kg,血 圧. /. bpm・整,体格は頑強であった。. 漢方医学的所見:脈はやや浮,やや大,緊。舌は. − 肋間に相当する部位に cm 大の. 色調がやや暗赤紅で,舌質は湿潤した黄色膩苔を被. 範囲で自発痛がある。痛みの放散,圧痛,発赤,腫. り,腫大および歯痕が認められた。腹候は,腹力や. 脹はなく,動作による症状の悪化もない。日により. や充実し,高度の心下痞. 消長がある。右腹部に右前腕切断術の際に皮弁を採. と S 状部の軽度の圧痛を認めた。また,体の火照. 取した手術創あり。. りの自覚があり,便秘で下剤を多量に服用していた。. 胸骨左縁第. !,両側胸脇苦満,回盲部. 漢方医学的所見:脈候はやや浮,やや実,舌候は. 臨床経過:腹候において両側胸脇苦満,回盲部と. 暗赤色で腫大・歯痕は認めない。腹力は中等度で両. S 状部に軽度の圧痛を認めたため大柴胡湯エキス. !. 側腹直筋攣急,心下痞 を認める。足先に冷えが強 い。. を併用した後,桃核承気湯エキスを. 臨床経過:器質的異常を精査したが疼痛を説明で きる病変はなく,ペインクリニックからのプレガバ リン. . g(ツムラ)と桃核承気湯エキス . g(ツムラ). mg/日,アミトリプチリン塩酸塩. mg/日. ところ,X 年. g に増量した. 月に排便異常は軽快した。以後は,. 桃核承気湯を煎剤に変更し(桃仁. g,桂皮. g,大. g,硫酸マグネシウム g,甘草 . g),大柴胡. 黄. の投与を受けていたがほとんど効果を認めていな. 湯エキス g(コタロー)を併用して安定していた。. かった。漢方薬も荊芥連翹湯,梔子甘草 湯,橘皮. 同年. 枳実生姜湯,茯苓杏仁甘草湯,括楼薤白白酒湯,黄. べ,帰国した後,心窩部全体に張るような強い疼痛. 耆桂枝五物湯,分心気飲などを用いたがいずれも無. が出現した。その際に向精神薬は変更されておらず,. 効であった。X 年. 月,例年冬季に症状が悪化する. 薬剤の影響は否定された。心下痞. 傾向があった胸痛がこれまでになく悪化し「背部に. 目標に,烏頭赤石脂丸料を烏頭. まで突き刺さるようだ」と訴えたため「心痛徹背」. として. と考え,烏頭赤石脂丸料(白河附子 g,烏頭. g). 自覚されたものの,疼痛はさらに増強した。腹診で. 週 後 に Numeral Rating Scale. は上腹部から右側腹部にかけての冷えと腹満が強く. ". を 開 始 し た。す る と (NSR)で. としていた疼痛が となった。温かく. していると痛みが楽とのことであったため,まず白 河附子. g を炮附子. g に変更 し た と こ ろ 痛 み は. NSR にて ‐ に減少し,次いで烏頭を. g から. 週毎に g にまで漸増したところ徐々に痛み程度は. 月,ハワイ旅行で冷たい食べ物をたくさん食. !と痛みの性状を g,白河附子. g. 日間投与したところ,服薬により温まりが. なっていた。その後,烏頭を ろ,. g に増量したとこ. 日間の投与で痛みは改善し,上腹部の冷えも. 消退した。症状軽快後は,便秘と腹満が強くなった ため,前処方の桃核承気湯(煎剤)と大柴胡湯エキ ス. g(コタロー)に戻して継続投与した。. NSR ‐ にまで軽減した。痛む頻度も当初は毎日. 症例. のように痛みがあったものが月に. 現病歴:高校生の頃から,動悸や失神のなどの発. 回程度にまで減. 少し,以後は良好に経過している。 症例 :. 歳男性。. アピン(. ∼. 歳の女性。. 作症状を反復しており,予期不安も加わり,外出が ままならなくなった。精神科を含む近隣の医療機関. 現病歴:双極性感情障害のため,他院精神科にて 炭酸リチウム(. :. を転々としたが,改善が得られず,X−. 年. 月中. ,ク エ チ mg/日で 加 減). 旬に初診となった。動悸,悪心などの交感神経亢進. mg/日で加減)が投与されてお. 症状や失神を伴う不安発作が繰り返されており,パ. ∼. り,長期服用していた。X−. 年. 月,上腹部痛,. ニック発作と考えられた。パニック発作の反復によ.
(3) 日東医誌 Kampo Med Vol.71 No.2, 2020. 133. り予期不安を生じ,さらには広場恐怖に進展してい. 金匱要略の胸痺心痛短氣病脉證治第九には烏頭赤石. たため,パニック障害と診断した。パニック障害と. 脂丸の他に,. それに随伴する不眠に対する治療として,エスシタ. 実薤白桂枝湯,人参湯,茯苓杏仁甘草湯,橘枳姜湯. ロプラム. mg/日,アルプラゾラム . mg/日,ブ. "楼薤白白酒湯,"楼薤白半夏湯,枳. 亦主之,薏苡附子散,桂枝生姜枳実湯,九痛丸の. ロチゾラム . mg/日を投与し,精神症状は軽快. つの処方が挙げられており,これらとの鑑別が大切. した。他方,強度の冷えと下痢,腹痛,腹部膨満な. であるといえる。このうち「胸痺心痛短気病脈証治. どの消化器症状を合併していたため,それらに対し. 第九」に「心痛徹背」との病態が記されている方剤. ては漢方治療を行うこととした。. は烏頭赤石脂丸と. 漢方医学的所見:脈は沈,遅,細,弱,緊。舌の. "楼薤白半夏湯の二方である。ま. ず心痛徹背と表現されるような貫通性の痛みがあっ. "楼薤白半夏湯を用いる. 色調は正常紅で,湿潤した白色膩苔を被り,腫大お. た場合には烏頭赤石脂丸か. よび歯痕が認められた。腹候は,腹力中等度で,心. ことを考えるべきと言え,この点で他の処方と鑑別. 下痞 が著明,右胸脇苦満もやや顕著で,右臍傍圧. ができる。次に 楼薤白半夏湯の証は, 「. 痛と臍下圧痛が軽度に認められた。その他,四肢の. 半夏湯胸痺不得臥,心痛徹背者,. 冷えが著明で,月経過多もあった。. 之」との条文から「胸痺」に加えて「心痛徹背」が. !. ". "楼薤白. "楼薤白半夏湯主. 臨床経過:煎剤で真武湯,茯苓四逆湯,通脈四逆. 現れる病態であると解釈できる。 「胸痺」とは胸部. 湯,赤丸料,解急蜀椒湯などを試し,加減したとこ. のふさがり感と痛むことを表す表現であるが,烏頭. ろ,茯苓四逆湯加減が合い,X 年. 赤石脂丸の条文には「胸痺」はなく,胸痺の有無に. 月頃には四肢の. 冷えが気にならない程度にまで改善した。ところが,. よってこの二方は鑑別可能と考えてよいであろう。. 同年. また,. 月下旬に心窩部痛が再燃して再来した。心窩. "楼薤白半夏湯は烏頭,附子剤ではないため,. 部痛は,貫通性でキリキリとする鋭い痛みであり,. "楼薤白半夏湯証においては,烏頭や附子の使用が. 冷房への曝露などの寒冷刺激によって悪化していた。. 必要となるような強度の冷えは想定されていないと. 茯苓四逆湯加減を烏頭 g にて既に使用しており,. も解釈できる。. 強度の冷えがあったことも考慮し,烏頭赤石脂丸証. これらの点について山田業広は金匱要略集注の中. と考え,烏頭赤石脂丸料を投与した,その際,烏頭. で烏頭赤石脂丸について ),「他証を言わずして,唯. g を継続として,附子は加えなかった。烏頭赤. 心背を言ふは,其の重きことを知る可し」として,. 石脂丸料の投与開始当初は,胃部に熱感を自覚し,. 烏頭赤石脂丸の適応となる痛みが他の疾患に比較し. 下痢をするという瞑眩を思わせる経過があり,その. て高度であることを示している。 「胸痺」を言わな. 後は心窩部痛が軽快した。同年. 月下旬,心窩部痛. いのは「胸痺」がないからではなく,痛みが高度で. が消退していたため,以前からの冷えと胃弱に対す. あり「胸がふさがる感じ」というような軽い症状で. る治療を再開することとして,煎剤は茯苓四逆湯加. はないからであると解釈している。さらに「金鑑曰. 白朮に戻した。しかし,冷えが強まったため,同年. く,心痛背に徹すとは,尚,休止の時有り。故に括. 月下旬には煎剤を赤丸料に変更し烏頭を g まで. 呂薤白白酒加半夏湯の平剤によって之を治す。此の. 漸増して対処した。烏頭赤石脂丸料の投与期間を含. 条は心痛背に徹し,背痛心に徹して,是れ連連痛み. む前後の経過において,西洋薬については変更する. て休まず,則ち陰寒の邪甚しと為す。浸浸乎として. ことなく継続投与した。その後,. 年以上フォロー. 陽光乎熄まんと欲す。薤白白酒の能く治する所に非. しているが,心窩部痛があっても,貫通性にキリキ. ざるなり。故に烏頭赤石脂丸を以つて之を主どらし. リと鋭く痛むようなエピソードはなく経過した。. む。方中の烏附椒姜に一派は大辛大熱にして,別に. は. 考察. 他顧無し。陰邪を峻逐する而巳。 」として烏頭赤石. 烏頭赤石脂丸は金匱要略の胸痺心痛短氣病脉證治. 脂丸の目標とする痛みが高度であることに加え持続. 第九を出典とし「心痛徹肺背痛徹心」と記載されて. 時間が長く,陰寒の邪すなわち高度の寒があるため. ). 『類聚方』 『腹證奇覧』 『皇漢醫 いる方剤であるが , 學』に掲載されておらず. ) ∼ ). ,古方家の先人たちか. らは,あまり顧みられなかった方剤のようである。. に薤白白酒程度では治らず,烏頭,附子,蜀椒,乾 姜といった大辛大熱の生薬を含む本処方でなければ 治せないものと論じている。本報告の症例. では括.
(4) 日東医誌 Kampo Med Vol.71 No.2, 2020. 134. 楼薤白白酒湯では主訴の胸痛は改善しなかったが,. あると考えられる。. 烏頭赤石脂丸料で改善しており,正しく山田業広が. 本報告の. 採録した病態であったと言える。. ,. 例では,丸薬ではなく煎剤とし,症例. では原典の記載通りに烏頭と附子の両方を配. これらの記載から烏頭赤石脂丸の適応となる病態. した。原典では烏頭赤石脂丸の烏頭と附子はそれぞ. を現代医学的に解釈すると「貫通性の高度で持続時. れ烏頭一分(炮),附子(半両炮,一法一分)と記. 間の長い痛みで寒冷刺激が原因ないし増悪因子とな. 載されており ),これは烏頭と附子を炮じることで. る」ものであるとまとめることができる。. 加熱し,アコニチンアルカロイドの毒性を軽減した. 近世の報告としても烏頭赤石脂丸についての症例. ものと推測される。本報告では烏頭は現在の流通品. 報告は少なく,医学中央雑誌で検索したところ,韓. であるトリカブトを加熱せずに乾燥したもの,白河. らが. 附子,炮附子はトリカブトの根を修治したものを煎. 歳の女性の慢性腰痛・間欠的胸痛に対して血 ). 府逐瘀湯と併用して用いたとする報告と ,福田ら. 剤として用いたが,これは烏頭,附子のアコニチン. が. アルカロイドを煎じることで減毒したとも言える。. 例に用いて 例に有効であったとする報告があ ). るのみであった 。福田らは具体的な症例として,. 単にアコニチンアルカロイドについてのみを考えて. 歳女性の頑固な狭心痛が疑われる背部痛に括樓薤白. も,原典通りに丸剤で用いた烏頭赤石脂丸と,煎じ. 白酒湯と併用して用いたとする症例と, 歳男性の. て烏頭赤は石脂丸料としたものとでは効果が異なる. 狭心症と診断された胸背部痛に対して同様に括樓薤. 可能性はあり今後の検討課題であると考える。. 白白酒湯と併用して症状の軽減が得られたとする症. 大塚敬節は本処方を使用する際には,烏頭を用い. 例を挙げている。また同時に,烏頭赤石脂丸を単剤. ずに附子のみを配するとしているが ),現在の流通. で加療した症例として,帯状庖疹後神経痛. 品である烏頭はトリカブトを加熱せずに乾燥したも. 例,肺がん. 例,肋. 間神経痛. 例,原因不明. 例を列記し,. 肺がんの. 例以外は有効であったとしている。烏頭. のであり,同じくトリカブトの根を修治した白河附 子や炮附子を重ねることは蛇足かもしれない。事実,. 赤石脂丸が有効であった症例の共通症候として,肩. 症例. 背ないし胸背部から季肋部,心窩部にかけての不安. たが有効であった。烏頭赤石脂丸に現在流通してい. 感,圧迫感を伴う劇痛,胸部閉塞感,四肢の冷えが. る烏頭と附子を同時に用いることの意義や効果につ. ある,といった点を挙げ,脈侯として弦緊,沈緊,. いては今後更に検討する必要がある。烏頭,附子の. 沈弱,腹侯として心下痞,心下痞 ,軽度の胸脇苦. 鎮痛効果についてはすでに多くの報告があり ),烏. 満を挙げている。我々が経験した. 頭赤石脂丸の心痛に対する効果において烏頭,附子. !. 症例はいずれも. !を認めており,心下痞!の所見は烏頭赤石. では当初から附子は用いず烏頭のみで加療し. 心下痞. は大きな役割を果たしていることは間違いない。し. 脂丸証の一要素である可能性が高い。. かし,症例. では烏頭 g を含んだ茯苓四逆湯加減. 次に烏頭赤石脂丸の使用目標とする「心痛」とい. では改善しなかった心窩部痛が同じ烏頭 g を含ん. う言葉が,心窩部痛,胸痛のいずれを指すかについ. だ烏頭赤石脂丸料によって速やかに軽減した。この. て考察する。この点についてはすでに韓らが詳細に. ことは烏頭赤石脂丸による心窩部痛の軽減効果にお. ). 報告しており ,心窩部痛とする説としては丹渓心. いては,烏頭,附子だけでは不十分であり乾姜,山. 法(朱丹渓) 「心痛即胃脘痛」 ,九折堂書記(山田業. 椒,赤石脂の役割が重要であることを示している。. 広)「心痛ハ専ラ鳩尾下ヲ指シテ之ヲ言イ」 ,金匱要. 本例のように,心窩部痛がいったん貫通性にまで進. 略入門(森田幸門) 「本条は心窩部の疼痛の証治を. 展すると,他の烏頭,附子剤では,たとえ烏頭を多. 論ずる」 ,胸痛とする説には,雑病論識(浅田宗伯). 量に用いたとしても改善が困難であり,烏頭赤石脂. 「心痛は徒に心臓が痛むに非ず,心胸中がみな痛む. 丸(料)を用いなければならない場合があると考え. を謂うなり」 ,金匱要略講話(大塚敬節) 「狭心症や. られた。さらに同じく大塚敬節は烏頭赤石脂丸を当. 肋間神経痛などの上腹部から胸にかけての痛みを目. 帰湯と併用すると効果が増強されると述べている. 標とする。 」があるとしている。実際に我々が経験. が ),われわれは当帰湯を併用せずに使用した。福. した症例は. 例が心窩部痛であり,実. 田らの報告にもあるように烏頭赤石脂丸単独でも有. 際の臨床においてはどちらにも用いることが可能で. 効例は存在しており,必ずしも当帰湯の併用は必要. 例が胸痛,.
(5) 日東医誌 Kampo Med Vol.71 No.2, 2020. 135. ではない。. 丸は原疾患の根本的な治療が困難であるような様々. 今回の. な部位の難治性疼痛であっても軽減できる可能性が. 症例では,ともに急性に貫通性の激しい. 発作性胸痛ないし心窩部痛を生じており,症例. の. 胸痛は器質的疾患がなく,神経障害性疼痛ないし右 手切断により生じた関連痛と考えられ,症例. ,. あり,臨床上有用であると考える。 以上より,今回の我々の検討では「心下痞. !を認. め,寒冷刺激が原因あるいは増悪因子であり,C ‐. の心窩部痛の原因疾患はいずれも器質的異常を伴わ. Th の神経支配領域に関連した貫通性の高度の胸. ない消化管由来の痛みと考えられた。いずれも寒が. 痛および心窩部痛」が烏頭赤石脂丸の使用目標とし. 原因あるいは増悪因子と考えられ,症例. て挙げられると考えた。今後さらに症例を重ねて本. 入り悪化,症例 例. は冬季に. は冷たい物を食べすぎたこと,症. 処方の証を明らかにしていきたい。. は寒冷刺激でそれぞれ悪化していた。古典の解. 釈からも烏頭赤丸脂丸の使用目標の一つに「寒冷刺. 附記. 本症例で用いた生薬量・煎じ方について記す。. 激が原因あるいは増悪因子」といえる点は前述した. 生薬量(症例. が,実際の症例においてもこの点は確認できたと考. 山椒. える。. 子. 最後に烏頭赤石脂丸の使用目標とする心痛,背痛 について神経支配領域との関連を考察する。症例. g,赤石脂. g,乾姜. 支配でいえば C ‐ 領域に障害を受けているが,. した。(症例. 心臓の神経支配は C ‐Th であることが知られて. ずつで. 前述の福田らの報告では烏頭赤石脂丸が. 例の狭心. 症症例に有用であったとしているが ),冠動脈狭窄 が本処方の服用によって改善するとは考えにくいこ とから,本処方は狭心痛の原因となっている冠動脈 狭窄を改善するわけではなく,狭心痛のみを軽減し. g。(症例. g,山椒. g,炮附子 )烏頭. g,赤石脂. g,赤石脂. 煎じ方・服用方法は,(症例 分煎じて. 痛を胸部の痛みとして自覚している可能性がある。. ∼. g,乾姜 .g,山椒. では胸痛は右手の切断事故の後に生じている。神経. おり ),胸部の痛みは手の切断によって生じた関連. )烏頭. 症例. 日. mL とし ,. )水. ∼. g,. g,白河附. g(症例. ) 烏頭. g,蜂蜜 g。 )水. mL ずつ. 回. g,乾姜. mL を入れ 日. 回服用と. mL を入れ 分煎じて半量. 回服用とした。. は第 回日本東洋医学会北陸支部例会,症例. は第 回日本東洋医学会学術総会にてそれぞれ発表 した。 本論文に関連し,開示すべき利益相反(COI)状態 にある企業・組織や団体 講演料等:野上達也,柴原直利(株式会社ツムラ) ,. たと考えることが妥当であろう。即ち,本処方は心. 研究費・助成金などの総額:野上達也(日本漢方医学. 臓の支配領域である C ‐Th にかけて生じた疼痛. 教育振興財団) ,奨学(奨励)寄附などの総額:野上. を軽減する可能性がある。一方で症例. 達也,金原嘉之,渡り英俊,藤本誠,柴原直利,嶋田. ,. では心. 窩部に強い痛みがあったがこれは胃に由来する痛み. 豊(株式会社ツムラ). であることが推測される。胃の痛覚は交感神経に含 まれる求心性繊維によって Th ‐Th に伝達される ことが知られており,胃壁の障害による障害は Th ‐Th のデルマトームに一致する前腹壁の胃上部 に投射されることが知られているためである )。こ のことから,烏頭赤石脂丸は C ‐Th 領域を介し て疼痛を自覚する様々な疾患に対して有効な可能性 があると考える。 更なる課題としては烏頭赤石脂丸が C ‐Th 以 外の疼痛,例えば腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管 狭窄症など腰椎に起因するような痛みに対して有効 性は持たないのか,あるいは全く他の部位の疼痛に は有効ではないのかといった点がある。烏頭赤石脂. 文献 )中国中医研究院,鈴木達也訳.金匱要略.株式会社中 国漢方,東京 . ‐ . )吉益東洞.類聚方.吉益東洞大全集第 巻.たにぐち 書店,東京 .‐ . )和久田叔虎,稲葉文礼.腹證奇覧.漢方医学書集成 , 名著出版,東京 .‐ . )湯本求真.皇漢医学.燎原書店,東京 .‐ . )千葉古方漢方研究会.山田業広著「金匱要略集注」訓 読.漢方の臨床 ; : ‐ . )韓哲舜,平崎能郎,岡本英輝,他.強い冷えを伴った 慢性腰痛に対して血府逐瘀湯加減と烏頭赤石脂丸料の 併用が奏効した 例.日東医誌 ; : ‐ . )福田佳弘,藤平健,田村憲一.烏頭赤石脂丸について..
(6) 136. 日東医誌 Kampo Med Vol.71 No.2, 2020. 日東医誌 ; : ‐ . )財団法人日本漢方研究所編,大塚敬節主講.金匱要略 講和.創元社,大阪 . ‐ . )伊田喜光,寺澤捷年,鳥居塚和生,他.モノグラフ生. 薬の薬効・薬理.医歯薬出版,東京 . ‐ . )内田康美.心臓の知覚神経支配 特にその臨床的意義. 心電図 ; : ‐ . )伊藤隆.解剖学講義.南山堂,東京 . ‐ ..
(7)
関連したドキュメント
Department of Cardiovascular and Internal Medicine, Kanazawa University Graduate School of Medicine, Kanazawa (N.F., T.Y., M. Kawashiri, K.H., M.Y.); Department of Pediatrics,
Department of Chemistry and Chemical Engineering , Faculty of Engineering, Kanazawa University; Kanazawa-shi 920 Japan The SN reactions of t-alkyl alcohols with
Department of Chemistry and Chemical Engineering, Faculty of Engineering, Kanazawa University; Kanazawa-shi 920 Japan Calcium, strontium, and barium alkoxides reacted with primary
3 Department of Respiratory Medicine, Cellular Transplantation Biology, Graduate School of Medicine, Kanazawa University, Japan. Reprints : Asao Sakai, Respiratory Medicine,
*2 Kanazawa University, Institute of Science and Engineering, Faculty of Geosciences and civil Engineering, Associate Professor. *3 Kanazawa University, Graduate School of
of Internal Medicine II, School dicine, University of Kanazawa.. Takaramachi 13-1,
* Department of Mathematical Science, School of Fundamental Science and Engineering, Waseda University, 3‐4‐1 Okubo, Shinjuku, Tokyo 169‐8555, Japan... \mathrm{e}
Department of Orthopedic Surgery Okayama University Medical School Okayama Japan.. in