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小耳症形成術の二自験例

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63

〔臨床実験〕

(東京女医大跡第28巻第8号頁623■一 631昭和33年8月)

小耳症形成術の二自験例

東京女子医科大〕’外科学教室(」任榊原でf教捷) 拗教授

太田入重子・金井懇懇

11 タ Y 」L l カ, イ 、 ノ (・’三三 {’」 日召 和 33 ■・1: 6 月 13 「1 耳介碕形に対する離々馴了は従来種々の方泓}L行 われているか,著者等はこの震小耳症に刻して肋 軟骨移植によるJ十 Ni2成術の二例を経験したのヤ 此処に報;i,し,H各種の術式を紹介し比較検討し てみた。 症 例 症例1:小○守 23オ ♂ 既径歴及び家族歴:特述することはない。 噸病歴.無難叢叢小さく,外耳道閉鎖を認む。眼 ・r互傷のため眼鏡装川の必皮か起って耳介形成を希望し て来院した, 紅藻;全身的卵1離しては特メ・する1}C1.t,いか,左 顔萎縮あり,1口唇1叡二兎唇形成後の搬痕創かみら イ1る、局仰”r見としては左耳は栂指頭大繭塊状を早 し,Il llきは耳介i・端か1ロ唇延長線1にあり,Marxの 小耳の分煩に従えば(表1),第2度(中等度)に属する ものてあり,「且肉塊巾央に約1cm潔さの首管あり外 耳孔に相当するものと臨められる(図1及び2)。 図 1. 図 2

Ya ko Ol’A & Mitsu KANAI (Departinent of Surgei y, Tokyo Wo!nen’s Medical College : Two

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手術: 第1回:昭和32年6月18日,軟骨移植術。 第7−8肋軟骨を採取しこれを約2×4×1∼2 cmに耳介様に切る(図3)ぐ左耳介附着線にあた る部分の後方約2cmの部に,縦に長さ4cmの弓 状切開を加え,前方に向い皮下組織を劉離後,耳介 様軟骨を挿入し埋没す(図4)。圧迫纐帯を施し 第1回手術を終る。 の

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凹畠 t N N N 図 B 6 s s N− t N t 図 3

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図 4 第2回;昭和3⊃年7月13日,外耳孔形成術。 外耳道に相当する盲管の甲央に横匂,開を加え, 之を開き既存耳介を上下に分けると(図5),こ

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図 7 B

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A 図 5 図 7t 一 624 一一

(3)

65 の基底部の骨面に外耳道孔の根跡を思わしめる凹 窩かあった(図6)。この凹窩にThiersch法皮 膚移植を行い外耳道孔に擬した。上下に切離せる 耳介断端はそれぞれ切離面を内方にし縫合した。 (図7及び7’)。将来上:方弁では耳介上縁を形づ くり下方弁では耳朶を形成する予定とした。 (ili]]]) 図 r じ ● 1 ・ 9「, 9「 馳 t 竃 〆犠lr tr IT lv tr ’ 8 ロ

亀。:弘lll・’ k/ ,’ ,hti t, ’1き∵ 、、馳 図 9 t t 第3回:耳介形成術(1):先に移植せる軟骨の上 縁及び後縁に沿って,弓状切開を加え軟骨を聾立 させ(図8)軟骨上縁より外縁にかけ約0.6cm 入った部で巾0.3㎝の半月形の欠損部を作り三 角窩に擬し,下部は既存耳介と縫合し耳朶を形成 す。後面はKrause法皮膚移植を行った(図9 及こ丼9’(1) (2))o 、・ y鱈1.;L;1“

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図 9「(2) 図 9’① 璽嚇幽’ 耳介形成術②:前回聾議せる耳介後面皮1爵か収 縮してきたので,更にこれを刺離し,既もの遊離 耳介」方弁で耳介上縁を作製し(図10),次いで 軟骨部に縦半月形の欠幽幽属を作り,舟囲窩に擬し た(図11)。後面は再ひThierεch法皮膚移植を 行った。約1カ月後耳介形成を終り退院した。退 1 LI;: 1ヘ1∵hl,、’!,ノf し∴h,…,’ 4i ’ 弓’鴨魂 kf t・ 吃 塾 図 Lf+ lttt )i Iltt 10

(4)

L時の所見は図12の通りである。 縣陽ゲ”%ρ縣∴許、∵’・ ほ ロ

図 11

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図 12 瞬灘騨

症例2 佐○文○:♂ 9才 既往症及び家族歴:懸離する事はない。 窺病歴:生来左耳小さく外耳道閉塞を認む。1年前 より某医より離離装用を奨められ,装用していた。

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13 現症:全身的所見としては特述することはない、局 所所1危としては,正常耳珠に柑『する部分に軟骨を含 む大豆大降起あり,そのト部に耳朶に相当する小指頭 大の肉塊を認む。外耳孔は全く閉塞している(図13)c 手術: 第1回:昭tlu32年8月6日,肋軟骨移植術。 前例と同様左第7−8肋軟骨を採取し,耳珠様 部から約5cm後方に縦弓状・切開をノ唱え, 皮膚を 前方に剥離し軟骨を挿入(図13ノ),圧迫縄1帯後8日 目に一時退院す。

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l t r ’N ’ 、、..ノ ρ1’fI ・,∵…・∴}べ’わ’ レ ノ グ1覧1’1∵’’ 〃 ・ll;,;’‘・’” ,,で’・・” ’『〆!・ 1,},l l,’ 図 13! 第2回:昭和32年9月14日,耳介形成術兼外耳 孔形成術。 前回移値せる軟骨を肥立せしめ,側頭骨乳様骨 面の骨膜を剥離するに,耳珠部の直下に相当して 約1㎝の上下に走る溝あり,骨性外耳道の閉塞 u。・い1「 lt 一iI 一一 一’G一:4 tii ;を∫,1で、; 図

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(5)

67 冷r,9めた。 この鴨。)前方にて経約10cm深さ約 05cmの凹窩を形成し,骨部外耳通に擬する(図 14)。形成耳介1}映にて約1cnの縦切開を加え, 之を凹面に向い翻転し断端を深部丸公に縫合し (図15),凹窩底はThicrsch法皮膚片にて蔽つ

た。耳介後面はKrausc法皮膚移植を行った

(図16)、ぺ院17 Mlfiて退院lt、退院庁所見は図 ユ7, 18, 19しノ)通りr−」りろ( S 一’ Sss t ・・“桑 も ・;:其ll,監 \軸’ 吃 x 瓦 、 い 髄 ・㍉い ・・’,卍, ∴ド:’嵐ヤll し、、 一 ”巳 ll+’tltl:’1 ’vt ,’1 ll kil:i, 図 18 図 16 図 17

i

第3回:昭Ff132年10月19日,耳介形成術。耳介 後面が癒着収縮を来したので,再度軟骨を基底よ り剥離し,Krause法皮膚移植を行った。入院4 日聞にてその後外来治療を行った。 考 按 図 19 耳介雛形に関する乎術は1883年Kies£erbach が6カ月の乳児に施行したのが最初であるといわ れる1’。その後多数の研究者が聴力改善を企図し て外耳道形成,迷路開窓術等を施行し聴力改善に 非常に大きな寄与をした。 そもそも2)外耳は胎生時第一臆弓懸2臆弓との 間にある外側凹窩から発生し胎生第1カ月の終り より第6カ月に至りて生ずるもので,発生学的に 外耳道形成と耳翼とは密接な関係にあり耳翼と外 耳道の障害は合併して現われるという1’10)。この 耳介船形の原因となるものは羊膜癒着叉は膀帯纏 絡,梅毒等の母体の感染も原因になるともいわれ, 又遺伝的原因もあげられているが,本例において

一6X一

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は遺伝的関係はみられなかった。耳介崎形の分類

に関しては表1のごとくMarxの分類が便宜上

広く用いられている・。. 表 1 第1度(軽 度) 耳の形状は略正常に近いが全体と して小さく猫耳を作る。 第2度(中等tw) 1耳介の一部が欠損し,しばしば耳 輪と思われる部分の長い隆起物と して残存するもの。 第3度:(二度) 表 4

1男

研・三篠.・

安 田 9 衣 川 20

Wiechmann] 92

木三三129

女 3 11 18 71 5 不明 ほんの一寸した織状隆起をなして 各部全く不明なもの。 5 7 本例は2例共頻度の最:も多い第2度(中等度)に 属していた。又合併症としては先天性真珠腫及び

歩詰蜘蓋麟52’聴孔10編顔萎縮271日

面神経麻痺27・10)口蓋破裂,兎唇・斜頸塑)等々が あげられ,就中偏顔萎縮は1/2以上にみられるとい う22)。旧例も第1例において偏顔萎縮及び兎唇の 合併をみた。 耳介崎形は中耳の発育不良に比し内耳は健全な 場合が多いが22、1),本2例共レ線上運気蜂窩の発 育は不良であり,又術中中耳の位置に小さな回状 間隙を認め,崎形は高度であったが,今回は耳介形 成のみを主眼としたので,聴力検査,内耳機能検査 は行わなかった。 耳介悪形の頻度については表2の通りであり, 又患耳側及び性別については表3,4のごとくで ある。 表 2

Bezo1d

O..05%

Jacobson

O. 04% Wagenhtiuser O. 65% Br ti cken O. 09% Wiechman O. 04% 豊 田・小 町 O. 06% 表 3 右 左 両側

金杉50. 6%、20.8%

安 田 17 5 28. 6% 3

石ilt・鯛

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ェ8r・1

本邦文酬

7 39 5 o 16 22 18 14 6 患耳側については右は左の二倍以上を示すが.こ の原因として:右側における栄養の差即ち」血流灌溜i の如何によるものかともいわれ,叉男女比につい てみると男子に著しく多いが衣川はこれに対し, 耳科患者を通計するに男患者の方が常に多数を占 める故軽々男子に晴雨多しと断ずべからずといっ ている。准例は二例共心耳であり且男子であった。 耳介崎形即ち先天性鎖耳(附)小耳症に対する 治療としては

a)造外耳道術並びにTympanoplastik

b)心耳一宿 に大別され,前者は聴力改善と手術の問題を,後者 は耳介の美容的な構築の問題を主眼としている。 本例においては今回は後者の点に立脚して手術を 行ったので,造耳介術について各術式を紹介し検 討を加えたいと思う。 本症は比較的しばしば遭遇する疾患であるが, しかしその形成に相当困難な事多く今日爾理想的 な形成術式を見出し得ない状態である。現在造耳 介術については義耳の他に大別して次の2種類の 方法が行われている。 1)皮膚棒の移植による方法16}20)22) 2)皮膚移植と支持組織(合成樹脂,軟骨など) の応用5)20)21)24)25’29)17)51)18) なお,義耳は軟性合成樹脂またはゴム製品であ り,眼鏡赤光はHeadbandにつけて装用するが 何としても自己の身体の一回分と云う点からは手 術的に形成するにしくはない。 ‘1)皮膚捧の移植による方法 側頸部叉は上腕部に細い皮膚円柱をつくり,こ れを耳介作製予定部の前上端に移値し,耳介の形 に縫合するのである。この方法からなる耳介には 自然の耳介特有のうすさ,緊張感がなく,石井は これに対し,皮下脂肪の他に筋膜を入れると一血液 循環を増加し,.且,棒の硬きを増すというが,当 一628一

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6{ 座の緊張感も数週後にはうすれ次第に悪い形に変 形する。秋山は斯様な状態のものに,軟性合成樹 脂のプロテーゼを作製し,皮膚弁の外側にはめ込 んで支えとした。片山は皮膚柱遠側端に肋軟骨を 埋没し,耳介部移植時にこの埋没軟骨を痕跡的に 在在する耳介軟骨に縫藩して皮膚捧の変化を防ぐ 様にしている。叉後藤(光)は皮膚棒の中にレヂ ンの薄板を挿入した。かくのごとくに,皮膚棒の みでは充分に目的を達することは難かしい。 2)皮膚移植と支持組織の応用 (1)支持組織について。 支持組織として用いられているものにレヂン, 軟骨,骨がある。 (i) 合成樹脂製品 合成樹脂奥義の中,明らかに組織に反応を起さ ぬものとしてはmethylmethacrylate, polyethy・ 1eneがある。後藤(光)は形成耳介の:支持物と しての長所は a)材料が豊富であり,自由に入手できる。 b)比較的廉価である。 c)可塑性を利用し所望の形を容易に作成しう る。 d)組織内に挿入して組織障害性が認められな い。 等の点をあげているが,一方その大なる欠点は 硬く,かつ腫くて衝撃等のために折損する可能性 があり,叉柔軟性がない事であるとのべ,石井, 秋山は軟性合成樹脂でプロテーゼを作りこれを装 着する事を試みているが,これを組織内に埋没し た場合は時に反応を生じ,挿入物質を除去せねば ならぬこともあるといっている。片山も過去に耳 介形レヂンを用いた処が,一時は皮膚弁の生着に 成功したようにみえたがs一その後レヂンのために 皮膚の一部に潰瘍を生じ,終には捌出せる苦い経 験を述べている。本学耳鼻科においても,期様な 局所の発赤腫張を生じで外来を訪れた患者のプロ テーゼを除去せる経験を有している。

ii)骨

片山は年長児或いは大人に対して,採取したい と思う大略の形に腸骨翼外板を剥し取り,この剥 す際に骨板が軽い謡曲を呈してくるのでこの轡曲 を耳介の轡曲に利用し一且,耳介の形にする。これ を皮膚ロ・一一ルに包み耳介形成を行っている。適当 な保存軟骨を得難い日本においてこれに代るべき ものとしてこの骨の利用を推奨している。この他 ブぐ腿骨を利用している場合もあるが,骨を迫持物 質とした場合には当面の点で臼然感に劣るものと 考えられる。 iii)軟骨 軟骨移植についての実験は数多くなきれ,保存 軟’骨と虫魚羊軟‘青発多植の厚冒題及ごご自r家軟乍;一と異家軟 骨移植の問題等々あるが,総じて新鮮自由移植が 理想であることは論を転たぬ。誌略,犬の実験によ ると5カ月迄の組織検査の結果,軟骨膜附着の儘移 植した揚合は長期に亘ってその形状を存続する点 において相当の価値あるも,永久に完全なる結果 を期待することはできず,軟骨膜なきものは比較 的速やかに叉は漸時に変性壊死を来すとされ,長 期の後.は異物として残骸を止むるか又は遂に吸収 消:失すべき運命にあろうと推測されている54’。之 に対して八牧15は家兎の実験の結果3ヵ月間,壊 死吸峡されず移植当時の形を保って生着し周騒と は結合織により強固に適旨していることを認め た。又Lyndon151は新鮮な自家肋軟骨は一定の形 態を保ち,6カ月から6年の閥の各々の期間に組 織学的検査の結果吸収されぬと述べている。津た 例え軟骨膜がなくとも移植後その穴きさを変ずる ことはないが時々捻振や屈曲の様な歪を来すこと があるといっている。また生きている軟骨は感染 に対して極めて抵抗が強いといい,この例として 軟骨移植部が感染して切開し,3ヵ月聞排面した が移植軟骨は移動せず2年後になっても移植した 時と同様な大ききを保っていたとし,臨床的にも 実験的にも自家軟骨は移植後永続的に生着する事 が明らかとされた。馬肉等の第1例においても術 後移植軟骨部に膿瘍を生じ,移植軟骨は露為した が排膿後上部の皮膚を絆創膏で寄せて蔽つた処, 数日を待たずして:再び皮膚が元通り接着し治癒し たので,改めて軟骨の感染への抵抗力の強さに驚 いた。合性樹脂挿入の揚合では売出の止むなきに 至る状態である。著者らは今回の耳形成の2例の ほかに鼻成形にも自家肋軟骨の利用を多く経験し ているが,何れも化膿した経験は一例もなく,自他 覚的感覚は勿論,異物感なく硬度も自然であり細 工もし易い。使用材料にこと欠かず,必要大の大き さを採取でき,大変工合よいと思っているが,強い て欠点をあげれば,胸部創を生じる点(縫合に注 意すれば目立たぬ),術中に細工を行うので手術

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時間が長くかかる,細工に失敗しだり汚染したり すると再び採取し直す必要がある点等であろう。 要するに自家軟骨は移植後永続的に生着し壊死 に陥いることも,吸収されることもなく,長期間 移植当時の形態を保ち,且柔軟可携性のため細工 がし易く,その上異物移植のようにLocUs lriin−

oris resistentiae となろことカ{ないから co31皿一

eticな成形手術には素意らしい材料であると思 う。肋軟骨の他に鼻中隔軟骨利用の方法もみられ るが17),保存軟骨,’他家,異種軟骨の利用が実現 可能となれば更に便利であろう。 (2)、形成術式について 耳形成術式に関してはこの挿入物質の種類に伴 ・い変遷を遂げてきている○その主な方法について みると1940年Kirkhamは屍体の耳介軟骨を採取 しこれをフォルマリンで処理保存しその全形を適 宜利用することに成功したが,この方法は完成し た耳翼を仮想しその形に耳後部皮膚面に投影し, その形の上縁に皮切を蔽え下方にポケット状に皮 下組織を剥離し,挿入軟骨に多数の穴をあけ所定 位躍に挿入す。2カ月後に軟骨片を剥離し,月立固 定し創面にThierにch氏植皮術を行い,猶外縁は 既製の皮膚俸を移植し耳輪隆起に似せた。PierGO 50・は最初に皮下に軟骨を植え,一・定時期後にこれ を皮膚面より皮膚と共に起し,之を土台としてこ の周囲に皮膚捧を移植する方法を行った。Steffc− nsen 一51・は保存軟骨に適宜穴をあけ,この穴の中に 組織が侵入し搬痕化すると耳介の形が浮き彫りさ れる点を利用し,又Peer29)は肋軟骨から軟骨を 採取しこれを細かく切ってVit&llium製耳介型 に入れ腹部に埋没し6カ月経て一血L管や結合織が軟 骨片の申に入って固まった後取り出し,之を造る べき耳の位置の皮下に埋没し,2週聞後之を起し 後面に有歯噛弁移植を行って被覆する方法を行っ ている。大森はこれを追試し,氏の例では硫酸に 、よるケuイドの皮膚部に作製したためか,耳介そ のものの輪廓がよく出.なかったというユ9)。反Neu− mann2i)は耳後部切開創からゴム球を皮下に埋没 し,3週後創の完治と共に空気を送ってゴム球を ふくらませ,2ヵ月後皮膚が始めの皮膚面より50 %増加して,耳介の前後面を蔽うに足りる時期に てこのゴム球を除き,宮家軟骨を挿入し耳介形成 を行っている。面白い方法と思う。又Whiteは耳介 形軟骨叉はPoly3thyleneを同様に挿入する方法 を有っているが,人によ.pては健側耳輪の磁極位 置が側頭部頭髪の生え際より上位にあるため,反 対側にこれと同じ位置に新しく形成する耳輪をお くだめに移植部の側頭有毛部を回状に切り,これ を上方へ捲き上げ創面は皮膚移植を行い3ヵ月後 』に移植皮膚を剥離し,適当な位置に挿入物質を入 ’れこれを包み,さきに捲き上げた有毛皮膚を元の 位置に戻す。3週間後に包含した皮膚捧下部を耳 介下部に移動させ耳介形成を終る方法をとってい るが,この方法は面倒乍ら耳介上縁の高さが側頭 有毛部より高い自然位に移植される点,耳後楽が 目立たぬ点及び下部の響曲が充分得.られる点等が 特徴あると思う。著者等の2例では健側耳介月極 の位置が側頭部頭髪生際より高くなかったので, Whi亡e25)の方法はとらなかったが,一側において 鍛終術後作製耳介の上町位置が健側に比してやや 低位をとったのを認めt:’B、・之は、 Whiteの方法を とれば明らかに防止できたものである。聾立さ.せ た耳介の裏打として著者辱ほ遊離全層皮膚移植を 行ったがこれは後に収縮しためで再度移植の労を 要した。有茎皮弁でたっぷり後側を裏打ちし,且 これで耳輪の折り返しをつくる様工夫したらよい と考えられるσ 今回の著者等の術式はK量τkham, Steffensen 51)等の方法に準ずるものであるが,爾上記の如く 今後の工夫を要する。 外耳道蘭塞附小耳症に対する肋軟骨移植による :耳形成の二例を経験したので,ttその術式を紹介 ’し,併わせて外耳凹形及び手術方式を文献を参照 ’し乍らその概略を述べた。そして肋軟骨移植によ る手術の利点をあげ,自他覚的にも自然に近い形 態と感覚を与えることが患者の心理的苦痛を治療 ’する最適の方法であると共に,耳介形成のみなら ず更に今後聴力雪平の方向に向って,一層の研究 を要するものであることを痛感する。 稿を終るに臨み,丁御懇篤なる御指導と御校閲の労を 賜わった恩師榊原教授,並びに御教示戴いた耳鼻科窪 教授に深甚の謝意を表する。 猶本稿め要冒は第355.剛!本耳鼻咽喉科学会干渉 地方会にを硫て口述す。 63(y 一 1)・小川常二,椿 .( 1957 ) ’. 献 筏和=医事新:報No,並738,20

(9)

2)阿部香也三耳鼻咽喉科,24(6)246(1952) (3後藤修:・:日木耳鼻全禽:,5,(1)78(1954) (4金杉灘臼区:Fτ本耳鼻会報,7’.,(7) 839 (1901 ). 5) e産Jll 穰:1司 .L,31,(4)492(1925) 6)北村純=:同 .li,44,(7)1511(1938) 7) 長野 i祐:耳:鼻咽喉科,7,(4)310(1934) 8)豊田文一,小吋清吉:耳鼻臨床,35,,943 (1940) 9)市原正雄・聯!因喉科・29・13(1958) 10)飯沼幾三:耳昇篤床,56,14(1941) 11) 坂倉啓夫,荒荘信造,最新の医学,10:(2)375 (1955) 12).守屋誠:広島医学,7,、(4)71(1954). 13) 村地俊二他.5人:日本整形外科会誌,29,3, 288 (1955) 14)服部奨,大石刀一:同 上,29,{3)304(1955) 15)八牧力雄:手術,6,(5)271(1952) 16) 石井英雄,菊堆黛雄:形成美容外科・1,{1183 (1958) 17)後藤光治他;耳鼻臨床,47,207(1954) 18)高橋宏明,北原正章;同 上,51,(4)43(1957) 19)石井英雄,大零清一:手術,11,(2’124(1957) 71 20)片山良高:同 .ヒ,1,(1)48(1958)

21) Ne.uman C.G. : Plasti.c & Reconstr. Surg: 19, 124 (lgor7)

22)石井英雄,菊地俊雄i最新医学,12:(2}17〔1957)

23)中村交雄;日本耳鼻咽喉科全書(5),21g(1g54)

24)秋山太一郎:最新医学,2,69(1957)

25) White, M.F. : Plast. & Reconstr. Surg.18, 117 (1956) ,

26) Simmons, M.W. & Fussn, T.」. : Arch. of

Oto!aryng. 63, 128 (1956)

27) Holmes, E.M.:Arch. of Oto]aryng. 49, 243

(1949)

28) Altmann,’F.:Arch. of Otolaryng. 59, 759

(1949)

29) Peer, L.A.:Plast. & Recongtr. Surg. 3, 53

(1948)

30) Pieree, G.W. Plast. & Reconstr. Surg. 10,

395 (1952)

31) Steffenson, W.H. : Plast. & Reconstr. Surg.

186 〈1952)

32)大藤敏三:日本耳鼻会報,35,81(1929) 33)広瀬 渉:日本耳鼻会報,31,554(1925)

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