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虚血耐性現象の神経保護メカニズムと治療への応用

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Academic year: 2021

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(1)● 新評議員. 虚血耐性現象の神経保護メカニズムと治療への応用 高橋 哲哉*,下畑 享良,西澤 正豊. 要 旨  虚血耐性現象とは軽度の虚血負荷により内因性の耐性が誘導される現象で,代表的なものとして Ischemic preconditioning(IPC)がある.IPC は短時間の血流遮断により人工的に軽度の虚血状態を作ることで,引き続い て起こる虚血での障害が軽減される現象であり,複数の動物種で,また多数の臓器で確認されている.IPC は 動物実験では強力な保護作用を持つものの,脳虚血が起きる前に行う必要があることから臨床応用は困難で あった.しかしその後 ischemic postconditioning と呼ばれる,脳虚血が起きた後に類似の血流遮断を行う手法, さ ら に は 脳 へ の 血 流 を 供 給 す る 血 管 で は な く 遠 隔 臓 器 の 血 流 遮 断(remote ischemic preconditioning/ postconditioning)でも神経保護作用が確認され,臨床応用の可能性が広がった.近年,血栓溶解療法や血管内 治療が発展し,血管再開通の可能性が上がっていることもあり,これらの虚血耐性現象のメカニズム解明およ び治療への更なる発展が期待される. (脳循環代謝 26:197∼202,2015). キーワード : 神経保護,虚血再灌流. 作用が確認され1),臨床応用への可能性が広がった.. はじめに. さらには脳への血流を供給する血管ではなく,遠隔臓 器(主に四肢)の血流遮断でも同様の効果(remote isch-.  虚血耐性現象とは軽度の虚血負荷により内因性の耐. emic preconditioning2)/postconditioning3) (RIPC/RIPoC)). 性が誘導される現象で,代表的なものとして Ischemic. が示されている.近年,血栓溶解療法や血管内治療が. preconditioning (IPC)がある.IPC は短時間の血流遮断. 発展し,血管再開通の可能性が上がっていることもあ. により人工的に軽度の虚血状態を作ることで,引き続. り,脳虚血におけるこれらの虚血耐性現象への期待が. いて起こる虚血での障害が軽減される現象であり,複. より高まっている.. 数の動物種で,また多数の臓器で確認されている.. さまざまな虚血耐性現象.  脳虚血による神経障害は多数の因子が相互に作用し て進展する.このため,治療対象として単独のタンパ クやシグナル伝達系の調節を行うことではその効果に.  心筋梗塞に狭心発作が先行すると予後が良好である. 限界がある.複数の因子を一度に調節する治療が有効. ことが経験的に知られていた.1986 年に短時間の虚血. と考えられるが,これが可能な方法として IPC と低体. ストレスを与えた後,引き続く心筋虚血で組織障害が. 温療法があり,いずれも動物実験では強力な神経保護. 軽減することがイヌを用いて実験的に示され,IPC の. 効果を持つ.しかし IPC は脳虚血が起きる前から行う. 概念が提唱された4).1990 年にはスナネズミの海馬神. 必要があることから臨床応用は困難であった.しかし. 経細胞を用いて脳でも同様の現象が示された5).その. その後 ischemic postconditioning (IPoC)と呼ばれる,虚. 後,IPC は in vivo/vitro,心,腎,肝,肺,そして脳と. 血再灌流後に類似の血流遮断を行う手法でも神経保護. いった複数の臓器,複数の動物種に対して多数の報告. 新潟大学脳研究所神経内科 * 〒 951-8585 新潟市中央区旭町通 1-757   TEL: 025-227-0666 FAX: 025-227-6646   E-mail: takahasi@bri.niigata-u.ac.jp. がなされ,強力な内因性の細胞保護現象として認識さ れるようになった.その後,耐性を誘導するための短 時間虚血を起こすタイミングと部位により種々の方法 が発見されている(Fig. 1). ─ 197 ─.

(2) Fig. 1. 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. IPC (delayed). IPC (early). IPoC. 脳. delayed IPoC. 強い虚血. RIPC. RIPerC. RIPoC. 遠隔臓器 Fig. 1.様々な虚血耐性現象 耐性を誘導するための短時間虚血を起こすタイミングと施行する部位が異なる 種々の方法が存在する.灰色が短時間虚血の繰り返しを示す. IPC: ischemic preconditioning, IPoC: ischemic postconditioning, RIPC: remote ischemic preconditioning, RIPerC: remote ischemic perconditioning, RIPoC: remote ischemic postconditioning.  強い虚血に先行して短時間虚血を行うのが IPC であ. 行った6).. るが,その保護効果は 2 相性で認められる.すなわち.  Akt とその関連タンパクカスケードは細胞の分化・. 短時間虚血の直後から数時間持続する早期相と 12∼24. 増殖に関連し,その活性化は低体温療法や多くの神経. 時間以降に発現し数日間持続する後期相であり,それ. 保護的作用を持つタンパクの作用に関連している.. ぞれ early(または rapid, first window),delayed (late, sec-. ERK は真核生物のほぼ全ての組織で普遍的に発現して. ond window) IPC と呼ばれる.強い虚血の解除後,すな. いるタンパクであり,細胞外からの刺激を細胞内に伝. わち再灌流後に軽度の虚血負荷を行うものが IPoC. 達し,細胞増殖やアポトーシスに関与する重要なシグ. で,再灌流直後に行うものを(early)IPoC と呼び,再. ナル伝達系である MAPK カスケードを構成するタン. 灌流の数時間後に行われるものは delayed IPoC と呼ば. パクの 1 つである.PKC も多くの生物種・細胞種で広. れる.遠隔臓器で行うものは remote IPC/IPoC,強い虚. くみられるタンパクで 10 種類以上のアイソフォー. 血の間に遠隔臓器で虚血負荷を行うものを remote isch-. ム・サブタイプに分類されそれぞれ異なる作用を持つ. emic perconditioning(RIPerC)と呼ぶ.. が,タンパクのリン酸化を通して細胞増殖やアポトー.  発症前に脳に直接阻血を行うためリスクが高い手技. シスといった幅広い生理機能に関わっている.これら. といえる IPC と異なり IPoC や RIPC/RIPoC は臨床応. のタンパクが IPoC における神経保護作用に関わる可. 用が比較的容易であり,近年注目されている.. 能性を予想し,ラットを用いたモデルでタンパク発現 やその活性の変化について検討した.. 虚血耐性現象のメカニズム.  Sprague–Dawley ラットの両側総頸動脈をクリップ 後,左中大脳動脈遠位を焼灼し閉塞させ,その 90 分.  IPC の早期相は IPC 刺激の数分∼数時間に効果が発. 後に両側総頸動脈のクリップを解除する虚血再灌流モ. 現するため,タンパクやチャネルのリン酸化などの修. デルを用いた.この総頸動脈について「1 分間の再灌流. 飾や細胞内分布の変化などによる活性変化が主体と考. を行った後,30 秒間の阻血」のサイクルを 3 回繰り返. えられている.一方後期相ではタンパクの転写調節が. すことで IPoC を行った.再灌流 24 時間後に運動機能. 起こり,新たなタンパクの発現誘導を介して作用する. を評価後,脳梗塞体積を測定し,またウエスタンブ. と考えられている.. ロットでの各タンパクの発現を評価した.対照群と比.  IPoC については 2006 年に脳での保護効果が初めて. 較し 24 時間後の脳梗塞体積は縮小し,また運動機能. 報告されたが1),この作用に関与するタンパクは不明. では脳虚血の翌日以降,30 日後まで改善が認められた. であった.このため筆者らは IPoC の保護効果のメカ. (Fig. 2).IPoC 群では Akt のリン酸化が亢進してお. ニズムを探索するため,ラット局所虚血再灌流モデル. り,Akt 活 性 も よ り 高 か っ た.Akt 経 路 を 阻 害 す る. を 用 い,Akt,Extracellular signal-regulated kinase. LY294002 の投与により,IPoC による梗塞サイズの縮. (ERK),Protein kinase C (PKC)などに注目し検討を. 小効果は消失した(Fig. 3).このため Akt 経路の活性. ─ 198 ─.

(3) 虚血耐性現象の神経保護メカニズムと治療への応用. g. 2. Fig. 3. Fig. 2.ラット局所虚血再灌流モデルにおける IPoC の効果 ラット局所虚血再灌流モデルに IPoC を行うと,再灌流 24 時間後の脳梗塞体積は対照群と比較し縮小し (左),運動機能(Vibrissae test)は脳虚血の翌日から 30 日後まで改善が認められた(右). Sham: シャム手術群,Post: IPoC 群,Con: 対照群. Fig. 3.IPoC の保護効果と Akt IPoC 群では対照群より Akt のリン酸化が亢進しており(左上),GSK3β を基質として測定した Akt 活性もより高かった(左 下).Akt 経路を阻害する LY294002 の投与により,IPoC による梗塞サイズの縮小効果は消失した(右). c: 対照群,p: IPoC 群,DMSO: dimethyl sulfoxide 投与群,Inhib: LY294002 投与群. 化は IPoC の神経保護作用の主要なメカニズムと考え. るタンパクは共通するものが多い.その他に,IPoC. られた.さらに,IPoC 群は対照群と比較し虚血再灌. では通常の再開通の場合と比較して結果的に緩徐な再. 流早期での ERK の過剰なリン酸化を調整することを. 灌流となるため,以前から再灌流障害の軽減に有効と. 示した.また PKC については様々なアイソフォーム. 考えられていた「gradual reperfusion」と呼ばれる状態と. があるが,IPoC ではそのうち神経細胞のアポトーシ. なり,受動的な意味での障害軽減の要素もあると考え. スに関連する PKCδ の断片化が抑制されており,また. られる.delayed IPoC については報告が少ないが,. 神経保護作用を持つ PKCε の虚血後の減少が抑制され. IPoC と類似したタンパクの修飾を介していると想定. ていた.. されている..  その後の研究では,IPoC は IPC 早期相と類似のタ.  RIPC/RIPoC は遠隔効果であり,血流を介した液性. ンパク修飾の変化が主として報告されており,関連す. 因子,刺激を受けた免疫系細胞,あるいは感覚神経・. ─ 199 ─.

(4) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. Table 1.虚血耐性現象に関連する分子. ン受容体を介した神経保護作用など共通して観察され. IPC. IPoC. RIPC. るものも多く,とくに IPC と IPoC のメカニズムはあ. adenosine bradykinin. adenosine bradykinin. adenosine bradykinin. IPoC を両方行ってもその保護効果は変わらないとい. NMDA receptor. NMDA receptor erythropoietin. る 程 度 共 有 す る と 考 え ら れ る. こ の こ と は IPC と う複数の報告とも一致する.. JAK/STAT Akt ERK JNK PKCε PKCδ PKG. Akt ERK p38 MAPK PKCε PKCδ. CGRP iNOS NO HSP-70. CGRP iNOS NO HSP-70.  IPC, IPoC, RIPC について作用に関連すると想定され. erythropoietin. ているタンパクを Table 1 に示す.. 臨床応用に向けて  IPC はその性格上,発症が予測できない脳梗塞や心 筋梗塞に対しての効果は調べることが出来ないため, 心血管手術の前に IPC を行い,予後や合併症について. PKCγ. 比較するといった研究デザインが用いられてきた.多 数の研究の結果,有効性を示すものがある一方で無効. CGRP iNOS NO. であったものも多く,ヒト心筋での効果は一定してい ない.脳においても同様に頸動脈内膜剝離術や頭蓋内 血管のバイパス手術などに先立って IPC を行い,予後. Nrf2 HIF-1a. HIF-1a. NFkB TNF-a IL-1 IL-6. NFkB TNF-a IL-1. や合併症を比較した研究があるが,心筋に比較して報 告はかなり少なく,それも少数例の検討に留まってい. COX-2. NFkB TNF-a IL-1 IL-6 IL-8 IL-10. る.これはリスクのある患者に脳への阻血を行う手技 は脳梗塞を誘発する危険性が高いため,施行自体が困 難であることが大きい.しかし,脳梗塞に一過性脳虚 血発作を先行した症例では脳梗塞体積が小さく予後も より良好であるという報告8)があり,また IPC は種や. ICAM-1 malondialdehyde adrenomedullin. 臓器の違いを超えて観察される現象であることから も,ヒトでも IPC による神経保護効果が期待され,そ. norepinephrine opioid receptors mitochondrial KATP channels. のためリスクを抑えて IPC 類似の効果を与える方法が 検討されてきた.そしてこのリスクを解消した手技で ある RIPC の有効性が 2012 年にヒト脳で初めて報告さ. IPC, IPoC, RIPC の保護作用に関わる分子として報告され ているものを示す. CGRP: calcitonin gene-related peptide, COX: cyclooxygenase, HIF-1a: hypoxia inducible factor-1, HSP: heat shock protein, ICAM-1: inter cellular adhesion molecule, IL: interleukin, iNOS: inducible nitric oxide synthase, JAK/STAT: Janus activated kinase/signal transducer and activator of transcription, JNK: c-Jun kinase, MAPK: mitogen-activated protein kinase, NO: nitric oxide, NFkB: nuclear factor Kappa B, NMDA: N-methyl-D-aspartate, Nrf2: nuclear factor E2-related factor 2, PKG: protein kinase G, TNF: tumor necrosis factor, VEGF: vascular endothelial growth factor. れた9).これは脳虚血イベント発症 30 日以内で頭蓋内. 自律神経系を介して保護に関わると考えられてい. のタンパク発現に関する網羅的研究10, 11)や血管への反. る7).IPC, IPoC より発見されたのは後になるが,その. 応性についての検討12)など多くの報告が続いている.. 手技の安全性と簡便さから近年多数の報告がされるよ. 一方で心筋同様に効果にはばらつきが見られており,. うになっている.. 無効との結果も少なくない.この原因として,動物と.  それぞれの虚血耐性現象により多くの候補が挙げら. は異なりヒトでは血管障害のリスクファクターを含め. れているが,再灌流後に生じる酸化ストレスの減弱,. た個人ごとの背景が多様であること,RIPC の最適な. 虚血後の炎症の抑制,アポトーシスの抑制,アデノシ. プロトコール(実行のタイミング,阻血部位,阻血時. 血管狭窄をもつ高リスク患者 103 例を対象に,対照群 と RIPC 群(両上肢に血圧測定用のマンシェットを用い て 5 分間の阻血と 5 分間の開放を 5 回繰り返し,これ を毎日 2 回行う)に分けて観察したものである.その 結果,300 日の観察期間で RIPC 群は対照群に比べ脳 虚血イベントの発症率が低下し,発症例では回復期間 の短縮や脳血流の改善も認められた.RIPC による重 大な合併症は認められなかった.  その後多数の検討が行われるようになり,RIPC 後. ─ 200 ─.

(5) 虚血耐性現象の神経保護メカニズムと治療への応用. 間や回数)が不明であることなどが挙げられる.. myocardium. Circulation 745: 1124–1136, 1986 5) Kitagawa K, Matsumoto M, Matsushita K, Mandai K,. おわりに. Mabuchi T, Yanagihara T, Kamada T: Ischemic tolerance in moderately symptomatic gerbils after unilateral carotid occlusion. Brain Res 7161-2: 39–46, 1996.  IPC は動物実験での強力な神経保護作用から臨床応. 6) Gao X, Zhang H, Takahashi T, Hsieh J, Liao J, Steinberg. 用が期待されたが,その手技自体に脳虚血による障害. GK, Zhao H: The Akt signaling pathway contributes to. を起こすリスクがあるため広く臨床で行うことは難し. postconditioning’ s protection against stroke; the protection. かった.さらに IPC では虚血発症前に行う必要があ. is associated with the MAPK and PKC pathways. J Neuro-. り,IPoC については再灌流からの時間が長いと保護. chem 1053: 943–55, 2008. 効果が失われてしまうが,従来の血栓溶解療法では再. 7) Lim SY, Hausenloy DJ: Remote ischemic conditioning:. 開通自体の観察は困難,といった施行のタイミングの. from bench to bedside. Front Physiol 3: 27, 2012. 問題もあり成果は十分得られていなかった.しかし. 8) Wegener S, Gottschalk B, Jovanovic V, Knab R, Fiebach. RIPC・RIPoC の発見により,手技による脳虚血を起こ. JB, Schellinger PD, Kucinski T, Jungehülsing GJ, Bru-. すリスクなしに血管手術などで予防的に IPC を行うこ. necker P, Müller B, Banasik A, Amberger N, Wernecke KD, Siebler M, Röther J, Villringer A, Weih M: Transient. とが容易になった.また近年有効性が上がっている血. ischemic attacks before ischemic stroke: preconditioning. 管内治療では再灌流直後に IPoC を施行することが出. the human brain? A multicenter magnetic resonance imag-. 来るばかりでなく,選択的に血管を閉塞し IPoC を行. ing study. Stroke 353: 616–621, 2004. うことによって虚血によるリスクを減らすことも可能. 9) Meng R, Asmaro K, Meng L, Liu Y, Ma C, Xi C, Li G,. となった.このため多数の臨床研究が進行中である.. Ren C, Luo Y, Ling F, Jia J, Hua Y, Wang X, Ding Y, Lo. 今後は保護効果と相関の高いマーカーの探索が治療効. EH, Ji X: Upper limb ischemic preconditioning prevents. 果の評価に重要と考えられ13),更なる発展が期待さ. recurrent stroke in intracranial arterial stenosis. Neurology. れる.. 7918: 1853–1861, 2012 10) Hepponstall M, Ignjatovic V, Binos S, Monagle P, Jones B, Cheung MHH, d’ Udekem Y, Konstantinov IE: Remote. 謝辞:最後に本研究を御指導頂いた Heng Zhao 先生,. ischemic preconditioning (RIPC) modifies plasma pro-. Gary K Steinberg 先生に深謝する.. teome in humans. PLoS ONE 711: e48284, 2012 11) Zitta K, Meybohm P, Gruenewald M, Cremer J, Zacha-. 文 献. rowski KD, Scholz J, Steinfath M, Albrecht M: Profiling. 1) Zhao H, Sapolsky RM, Steinberg GK: Interrupting reper-. of cell stress protein expression in cardiac tissue of cardio-. fusion as a stroke therapy: ischemic postconditioning. surgical patients undergoing remote ischemic precondi-. reduces infarct size after focal ischemia in rats. J Cereb. tioning: implications for thioredoxin in cardioprotection. J Transl Med 13: 34, 2015. Blood Flow Metab 269: 1114–1121, 2006 2) Ren C, Gao X, Steinberg GK, Zhao H: Limb remote-pre-. 12) Gonzalez NR, Hamilton R, Bilgin-Freiert A, Dusick J,. conditioning protects against focal ischemia in rats and. Vespa P, Hu X, Asgari S: Cerebral hemodynamic and. contradicts the dogma of therapeutic time windows for. metabolic effects of remote ischemic preconditioning in. preconditioning. Neuroscience 1514: 1099–1103, 2008. patients with subarachnoid hemorrhage. Acta Neurochir Suppl 115: 193–198, 2013. 3) Ren C, Yan Z, Wei D, Gao X, Chen X, Zhao H: Limb remote ischemic postconditioning protects against focal. 13) Fisher M, Feuerstein G, Howells DW, Hurn PD, Kent TA, Savitz SI, Lo EH: Update of the stroke therapy academic. ischemia in rats. Brain Res 1288: 88–94, 2009 4) Murry CE, Jennings RB, Reimer KA: Preconditioning with ischemia: a delay of lethal cell injury in ischemic. ─ 201 ─. industry roundtable preclinical recommendations. Stroke 406: 2244–2250, 2009.

(6) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. Abstract Ischemic tolerance: mechanism of neuroprotective effect and clinical applications Tetsuya Takahashi, Takayoshi Shimohata, and Masatoyo Nishizawa Department of Neurology, Brain Research Institute, Niigata University, Niigata, Japan Ischemic tolerance is endogenous neuroprotective phenomenon induced by sublethal ischemia. Ischemic preconditioning (IPC) is the first discovered phenomenon of ischemic tolerance. The phenomenon induced by non-lethal ischemia before the lethal ischemic event is widely seen in many species and various organs. IPC shows strong neuroprotective effect in animal models of ischemia, however it is difficult to perform IPC before the ischemic event occur. After that, some other neuroprotective procedures called ischemic postconditioning, remote ischemic preconditioning and remote ischemic postconditioning were discovered. Because these methods can overcome the problem of IPC, these discoveries had great impact on clinical approach of stroke treatment. Ischemic tolerance is safe and promising technique for treating stroke, and understanding the mechanism of neuroprotection and finding the potential biomarker for classifying the responder is essential. Key words: neuroprotection,reperfusion. ─ 202 ─.

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