『弘前大学哲学会 (論文)
看護倫理をどのように考えるか
‑倫理教育の視点 と現場での体験をとお して‑
工 藤 せい子
Ⅰ.は じめに
看護系入学は 平成1
5
年4
)」現在で105
校 とな り日、入学定日は多い ところで100
名である。弘前入学医学部保健学科看護学座攻の学/I:.定員は8
0
名、編 入学 宵を含める と90
名 となる。私は併任 している教育学 部特別教科 (右護)教月養成課程 の2
0
名の定員か ら8 0
名 とい う学 /f:.を動か してみて、これが大学教育 となるためにはどのよ うに していった らいいのだろ う か と頭 をかか えているD入学卒業の看護師に求め らる資質は、人L肝性が尊かで、主体性、仁】律怖
、
自己表現、批判力、創造的思考、適 切な判断 とその結果に対 して責任が とれ ること である。 これ ら看護師の資質の基盤 となる看護倫理教育は どのよに浸透 して くのだ ろ う。他看護人学のカ リキュラムを覗いてみて も看護倫理教育の取 り入れ 方はさまざまである。
看護倫理教育の基になる哲学 ・倫理学は必修 とは限 らない。 専門科 目に入って、看護学概 論や看護技術、医学概論、各 朝 一胴斗口の中で、担当教師が 「医療者の倫理、看護者の倫理」
に触れ る とい う形 を とっている大学が多い。必修 として、哲学、倫理学、生命倫理、医療 倫理、看護倫理 と系統的にカ リキュラムに折 り込んでいる ところ もあることはある。
科学技術 ・医学の進歩に伴い、医療が複雑にな り
、1 980
年代前 半、/f:̲命倫理 とい う言葉 が入 ってきて、さまざまな医療 に関わる問題がマスコ ミを賑わ している。 これ らの問題に 対 して、専門職 として医師 ・看護職他のコメデ ィカルスタ ッフが ど う関 与していった らい いのか現実に差 し迫 ったJl与]題 とな り、各施設で 「倫理的 .医学的意志決定ガイ ドライ ン」を 作成 して対処 している ところもある。 しか し、欧 米では1990
年代に入 り、医学倫理に取 り 入れ ている倫理原則汁1が看護倫理 としてそのまま取 り入れていい ものか とい う批判 2)が でてきた。そ こで、注 目され るよ うになったのが、哲学者であるノデ イングズ らが提唱 し た 「ケア リング注2」3)
が看護の木質 とみな され、倫理的課題汁3もケア リングの観点か ら検 討 され るよ うになった。わが国では、看護教育 ・看護論 ・肴超倫理 とア メ リカか ら直輸入 してきた歴 史がある。
この ことが、 日本における看護教育に対す るある種の乱燦や混乱 をijIき起 こしてきた。 し か し、現状では、まだ まだ欧米理論か らの脱却は不 可能である し、脱却する必要はない。
現実には、生命倫理に関わる問題が、看護者ばか りでな く看護学/f・‑̲の目前に も山積 され ている。専門職 として看護職 に携わろ うとする者の倫理教育の再考の必要性が問われ、日
常面 而している現場 において看護者 としての倫理的責任について論 じられている
4
)。 ここでは、ひ とつに、看護師を養成す る各学校で触れ る専門職 としての規範 を示 してい‑ 1‑
る 「看護師の倫理規定」のできた経緯を掻い摘んで紹介す る。
つぎに、倫理教育の視点か ら、看護倫理 を考えるための素材 として、教師を しなが ら臨 床実習で体験 した事例を提示 し、多少の分析を加え、そのあ り方について考えてみる。加 えて、看護師 として
7
年間勤務 した時の事例 を とお して看護倫理を考えてみたい。看護倫理 とい う言葉は、倫理の語義tl・4を受けて、一 つには看護の専門職 としての明示 さ れた規範である 「看護師の倫理規定」、つま り、 日常の看護実践における問題解決の指針 となる看護の職業倫理のことを指す。二つ 口として、応用倫理学 としての看護倫理は、単 に生命倫理、医療倫理 としてではな く、 一部独立 した職業倫理をさす。 とくにここでは看 護教育の中での科
【
圧 して看護倫理を意識においている。倫押学の哲学的諸原則の意味を 理解 した うえで、種々の倫理的課題を解決す るための基本 となる考え方を学ぶための科 目 としての位置づけである。端的にい うと、職業倫理 としての看護倫理 と、科 目としての看 護倫理である。看護倫理の原理をめ ぐっての論争
5
)はある として も、共通 していえることは、看護倫理 は、ケア リングt f :
5が不 pI欠の要素であることは疑いな く、看護者 とクライエン ト(家族 も 含む)との関係の親密 さを意味す るとい うことである。そ こで、今回、ケア リングの達成を意識 した倫理的課題を含んだ具体的な事例を紹介 し 分析 しなが ら看護倫理を考えてみたい。事例の分析には、サラ
T.
フライが ビーチャム とチ ル ドレスの4
つの倫理原則を基に独 白に考えだ した看護倫理原則である 「擁護Advoca c yJ
「責任/責務
Ac coun t a bi l i t y/ Res pons i bi L i t yJ
「協 力coope r a t i onJ
「ケア リングcar i ng
」の枠組み6)
を参考に した。
Ⅱ.看護倫理
1
.昔 と今私事になるが
、2 0
数年前看護学生だ った頃は、看護の倫理について 「看護学概論 」の巾で ふれ、
時間的には長い ものでなかった し、看護倫理、職業倫理、生命倫理 とい うことば も 記憶にない。何が職業倫理 を支えていたのかは、教師の後姿 と伝記な どか らイメージ創 ら れたナイチンゲールの人 とな りであったOナイチ ンゲールの教えは、 「人格形成 と自己修 養にあ り、単なる学術教育 より道徳教育のほ うが重要で、看護婦に求めた職業倫理、道徳 律の基準を列挙すると、正直、従順、時間厳守、節制、誠実、平静、献身、機転、忠誠、共感、謙虚である
7 )
」と要約 され る。学生時代ナイチンゲールの 『看護覚え書き』を読むよ うに勧め られ、使用 したテキス トの中にはでで こなか った 「ナイチンゲール誓詞」に憧れ を抱きなが ら "看護 とはなんぞや・・・、看護師のあるべき姿 とは‑"と美化 して心に焼 き付け ていた よ うに思 う。 このよ うな思いで看護を勉強 し看護職についていたのは少な くて も私 だ けではない と推測する。わが国では、戦後、保健婦助産婦看護婦法に基づ く保健婦助産婦看護婦指定規則が
1 9 51
年に発令 され、看護学の巾の授業科 目である職業的調整の備考欄に(看護倫理を含む)という明記 された必修科 目として存在 していた。内容は看護婦の責務、看護者 として必要な態
‑ 2‑
度 と行動、看護を業務 とす る者の職業倫理の指針 な どであった。その後
1 967
年にカ リキ ュ ラムの人改訂が行なわれ看護学概論や看護学総論の 一項 目にな って しまった。ただ しこの 時点で も備考欄 に(看護史及び看護倫坤 を含む)と明記 され ていた。平成元年の改訂時は備 考欄か らも看護倫理 とい う内容は消 え、そのまま独 立はせず、個々の大学や教師に任 され ている とい う形にな っている。2.職業倫理 と しての 「看護 師の倫理規定」がで きた経緯
「ナイチ ンゲ ‑ル誓詞」 (資料
1
)は、1 893
年 にア メ リカの ミシガ ン州デ トロイ トのハー バー病院附属 フアラン ド看護学校 の グ レツタ‑が作成 した8
)もので、 「ヒポ ク ラテ スの誓 い」9)
である医学倫理が基にな っている。ナイチンゲール誓詞
我はここに集ひたる人々の前に厳かに神に常はん‑
にんむ
我が生睦を清 く過ごし、我が任務を忠実にJさくさんことを。
我は全て毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を川ひることな く、また知 り つつこれをすすめざるべし。
にんむ しるし にんむ
我はわが力の限 りわが什務の標準を高くせんことを努むべし。わが任務にあた り て、取 り扱へる人々の私事のすべて、わが知 り得たる ▲家の内事のすべて、我は 人に洩らさざるべLo
我は心より医師を助け、わが手に託された人々の幸のために身を捧げん。
前項で述べ た よ うな現実 の問題 を踏 まえ、ANA (ア メ リカ看護協会)、続 いてICN (国際看護師協会)が
1 953
年に職業倫理の規律 として 「看護師の規律」を採択 し、現在1 973
の改訂版が使用 されている。わが国ではそれ を受 け、社団法人 日本看護協会 によって1 988
年 に作成 した ものが 「看護師の倫理規定」である。看護師がおかれ るさまざまな状況下で 指針 として役立つ判断指針 とな っている。2003
年4
月現在、「看護師の倫理規定」を改訂す るもの として、看護倫理検討委員会 (看護 実践 ・看護倫理 ・看護教育 ・法律 ・哲学等の有職 者11名) と日本看護科学学会、 日本看護 系大学協議会か らの意 見を踏 まえて修 正 され た 「看護の倫理綱領 (塞)1)
」が、協会 ニ ュース を通 じて会員に公開 された ところである。3.
「看護師の倫理規定」 と看護倫理の考 え方に対す る問題成文化 された 「看護師の倫理規定」が判断指針 とはな ってる ものの、現場での問題や葛
‑ 3 ‑
藤 を解決するための具体的な手順や方法 とはな らない。医学倫理をモデルに した 「看護師 の倫坤規定」は的を得てお らず、倫理原則 とケア リングはお互いに補足 し合 うふたつの面 があ り、独 白の看護倫理 を作 りあげる必要が強調 されてきた。そ して、ケア リングが重要 と考え られ、それ らを基盤 としたケア リングカ リキュラムの必要性 も提唱
1 0・ 11, 1 2)
されてい る。 しか し、ケア リングはア メリカを小心 として発展 してきた ものである。小林が ここ20 年来の看護倫理の原理について、ア メリカを巾心 とす る学者の論争 5)をま とめているO こ のよ うな論争は、わが国で もな されてはいるが、基盤がア メリカの理論であることはい う まで もない。ケア リングも川語 としてそのまま輸入 されてきている帰来があ り、 日本の独 白の文化のなかで十分検討されないままに使用 されているとい う現状である。 日常の看 護 のなかで看護者 とクライエン ト (患者 と家族 を含む場合 もある)のや り取 りは、そのlEJや 地域の文化や価値観が基になっているにもかかわ らず、現場では看護者 とクライエン トあ るいは医療関係者 との問で′仁じた 一つひ とつの倫坤的課題を解決す るための検討が地域の 文化や個々の価値を基に十
分な されているとはいえない。独 自の看護倫理を考えるためには、臨床で 日々起きている問題を抱えた事例を一つひ と つ丁寧に分析す るための能 ノJである倫理的感受性
Y 16
を身につけた看護者を育てることが、重要なのではないだ ろ うか。成文化 された職業倫理 として 「看護師の倫理規定」を暗唱で きるより、現場での愉f剛勺課題に臨機応変に対応できる感受性 ・創造性の豊かな柔軟性を 備えた看護昔を育てることが人切 と考える。
そ こで、実際に体験 した事例を提示 し、看護者 として倫埋的感受性の育成 とい う点 と、
クライエン トと看護者 と癒 し癒 され る関係、つま りケア リングを到達目標 としなが ら看護 倫理を考えてみ る。
Ⅲ.臨床における倫理的課題 をとお して看護倫理 を考える
1
.看護学生の臨床実習か ら教育学部特別教科 (看護)教員養成課程では
、3
年次になる と病院での臨床実習が開始 され る0年度始のガイダンスに引
き続き、実習指導を担 当している教師の代表が貝体的に"実習の心得"などについて話す。さらに各指導教師が各実習の前に実例 を上げなが ら説明 す る。加えて、臭体的な失敗例な どを話すが、学生は失敗例をイ メージできないのが現実 である。つぎに、実習場面での失敗例をあげて分析を少 し加え看護倫理 を考えてみ る。
《白血病を菖知 して しまった事例》 (資料
2)
4 5
歳、男性、白血病、病名は告知されていなか った (骨髄不全 と説明されていた)。高熱 時にベ ッ ドの柵に下腿 を強打 して内出血 を した。内出血 した部位に感染 し外科治療 を して いた。状態 も落ち着き徒歩で外科外来‑学/1:.と 1緒に受診 し、処置が終了 して、長椅子に 腰か けて、休んでいた時の出来事である。クライエ ン トの誘導に学lf・Iが結果 として白血病 を苫知 して しまったのである (資料2
参照)0‑ 4 ‑
資料2
学生が知覚したクライエントの言動
② 「うん、で も先 日採血 した 結果はど うだった ? 」
( 4 )
「そ う、じゃ癌細胞はど うだ った ?
」
⑥顔色が変化 して何 も言わ な くな った
《白血病 を告知 して しまった事例》
⑦大変な こ (93あわてて
)思考、感情 学′f:̲の
J
動とを した !
いる
(
i)
「だ いぶ よ くな って きた ね」(.③「よくなって いたよ
」
⑤ 「少な くなっ
ていたよ」
(卦教師のも
と‑駈 けてきた 学生がクライエ ン トの質川に対 して、不適 切ない・r答を した ことだ けは
イ云わ ってきたO 学/i:.を座 らせて再構成の記録を書かせ、クライエン トの様 /‑を観 るた
め病室を訪れた。
私が知覚したクライエントの言動
私の思考 私の言動
(:1)顔色不良で元/損な くべ ツ ②声をかけていい ものか ど
L3)「外来か ら帰 ってきた ド
に臥昧 している うか の
?」
(㊨力な く、声 もだ さずに う r5)これ以上は
なにも話 さな ⑥そつとそばを離れ るo
なず く い方が
今はいいか も (∋
学
う生は どうしているだ ろ 記録室に扉 り学′[:.の記録 を見て、成 り行き として
、
自血病 を告知 した ことを知る。す ぐに受け持ち看護r帖 こ報告 し 1:.治医に
も連絡を とる。
l
三治医はす ぐ訪零 しクライエン トに本当のことをi封ヂるO主治医は「9
割ノJ'は/気づいていたのを学生に確認 したのだ ろ う。」 と穏やか。学牛にそのことを告げ、学′冒ま
再
度 クライエ ン トの ところ‑行 く。
学生が知覚したクライエ ントの言動 (jj「先′目
こ
叱 られたろ う?」
と、元気はないが、笑み
を浮かべてい う 早/+‑.の思 考、感情
5 ‑ 学 牛
の言動学生が記録室に戻って、私がクライエン トのそばにい く。
私が知覚したクライエントの言動
①先程 よりは落ち着いた衣 C⑤ 白3jや が 情で「迷惑かけた
Oだい たいはわかって
いたが、
少 し気になる
ことがあっ て」と
ことばを濁す
④ 「うん、実は娘がここ .過
‑ t H
熱が 卜がらないで、地 て ノ亡
の公立病院に通院 して いるo r
'1分 と同じ
F
'f血病 でないか と思 って...」と、
うなだれる 私の思考
私の
言
動
は り何かあったんだ ! 分のこともさ
ることな ら
、娘のことを心配 し いたんだ。
C2)「学生を叱った りし てい ないよ。気になって
いる ことって ?もし
よかった らはな してみて」
⑥その旨を看
護師、 1三治医 に話 した。
その後娘は検JTiを受け、その結果 IL1血病は所定され
た。クライエン トの白血病は寛解 し退院 した。
(再構成の記録を基に)
《転院 の こ とを告 げ、心理的 にダ メ
ー ジを与えた事例》 (資料
3) 6 2
才、女性 、悪性 関節 リウマチで、全身各部位 に血管炎 を起 こ していたが、某病 院 での 治療 は これ 以 tこない と主治医は考 えてお り、看護帥ともに
自宅近 くに転院 の話が でていた0 63才の夫が「
川
1そば に付 き添 ってわが ままを聞いていたC処置 も多 く二人 部屋 に居 たO 学 生は清拭や、血管 炎の部位 の処 置 をTl‑・護師 とともに行な
っていた。昼休みが終わ り午後 の
1 3
時 頃、私 は学 生の受持 恵 存のい る病 室 を訪れ 、 クライエ ン トを観察 しなが らコ ミニケ‑
シ ョンを と
ろ うと思 った (資料
3
参照)0資料
3
《転院のことを告げ、心理的にダメージを与えた事例》
私が知覚したクライエ
ントの言動 私の思考 私の言動
③
H
を閉じたまま、眉目
」に ① どうしているかな ? ②カ‑テンに手をかけ、声 しわをよせているQ ④ どうしたのだろ うo
(
功′l:前は頭痛の訴えもな をかけようとしたQ (6)「痛い.
T痛い !痛い !
」
喧)「どうか したの
?
」 と声
を連発 しなが
、H
は閉じ をかけるo
たままであるo ⑦ 「どこがいたいの
?
」 と、⑧ 「痛い !痛い !頭..
.」と ⑱ 「顔を近付けて問い掛けるoどこがどのように痛い 円を
閉
じたままい うo かつたし、急にどうした
⑩傍 らにたっている人の表
のだろ うo血管炎もある 情はいつ もと変わ らず、にこにこしているo し、これはただ ごとでは (fj)r.....」
眉
偶に しわをよ ないo
Qi)おか しいo夫は平静で あ るo
の ?
」
せL
Jを閉 じたまま無 言。
蘭 イ1‑腕を体
幹か ら離 して体
混計をはさむ。 ⑭まず熱を測ってみ
ようO (痩
⑲
夫 「
何 もたい した ことな い よ」 とにや りと笑み を 浮かべ る埴釧本fLrLはいつ も
3 7. 5℃
前後 で変化はない。亀妙たい した ことないわけな い こんなに痛いを連発 し ているのだか ら、心が痛 いのか も
(時体混計を とりだ し、見 る。
(21)「看護帥 さんの ところに 行 って くるね。」 とその 場を離れ る。
その 旨を受 け持 ち看護師に報 告す る と、午前中は何 も変わ った ことはなか つた とい う ただ 、Hか嫌な ことがある と頭痛を訴えることがある とい うo
屈休み に入 っていた受 け侍 ち学生が帰 ってきた。学生に頭痛があることを伝 えた。
私が知見した学生やその他の人の言動 私の思考 学生の 言
動
②学た ことはあ りませんで し′f:.「○○ さんは変わ ‑) ③ ああ‑o原因は これだな (Tlj 「と午前LIl何が変わ った こ なか つた
?」
たが
、と 1
那様か ら、転院の あ○ ④ 「ち ょっと、ここに座って
」
ことは ど うな っているか (勤お こつた よ うな ll調にと、ナースステー シ ョン と尋ね られ たので、近 く (77学′なっていないだ ろ うかt:̲の表情か らは i:̲治医 の人きなテーブルのイス の病院‑転院の詔がでて
いる と答 えま した」 と 淡々 と
⑥土治医 「ど うして、急に血 に座 ることを促すo
(
8 7「
◎◎ さん、 tl̲那 さんに 痛 くな ったかなあ‑」 と のつぶやきが耳に入って 転院の こと聞かれた時の 頭をか しげる○ (i̲i)学′いないなあ○ー:.の衣情か ら差 し出が 状況を謹 く教えて くれ ま
⑨学′一
二「はい、屈に入る前 すか」と看.獲帥長.王治 に病室で L1:̲洲 矢か ら転院 していたUllくさんには、
だ くか も しれない とい うとを 一週
l 桐
山こ告げれ ら てはいたがはっき りしたた よ うで、 ど うな つたかことは告げられていなかっと聞かれ たので、近 くの 病院‑ の転院の話がでてることをイ云えま した」⑩看護帥長 「が、いですね」「1を挟む ことではなそれはあなた と学生 に
向
か って話すo 医に聞 こえるようにい うO
Q i
lzj学′1:̲は しょんぼ りとこの二つの事例か ら考え られ るこ ととして、事例1では、学
/ J : .
が実習オ リエ ンテー シ ョ ンの時に 言われていた "実習 の心得" と、いままでの学/t:̲の失敗例 を真剣に受け とめてい た ことがわかる。 この後 引き続 いて、学生全員 とクライエ ン トか ら再度検 在データや病名 に関する話題があ った時の対応 について話 し合い′、il:'l:̲と教師の共通の学び とした。事例2の場合は、学生が Ll分の言動 の 屯人 さに全 く女もH‑かず、主治医、看護帥長の屠 る 場所で、教師が事実関係 を明 らか にす る こ とによって よ うや く気付 いてい った とい う状況 である。 この場合、学f損まあま りに もおお らか過 ぎて、 l」身の言葉が クライエ ン トに どの よ うな影響 を与 えていたのか気付 いていなか ったため、強行な手段 を とらざるを得なか っ た。教師 とは別 の立場 の病棟師表の協 力で、学/卜は ∩分lJ1身の 言動が クライエ ン トに 与え た重人 さに気付いたのであるo 学
' L
二がi
jlき起 こ したt , "
.J
題は何か と学/i ‑ . F l
身が/i(洲 ◆き、問題 に向き合えるよ うに配慮す るこ とが必要 にな る。 この 日の牛後 の実習は、学生全員 と教師 とで 「内科 のクライエ ン トに とって転院 とは どの よ うな意
味 を もつのか」と通 して カンファ レンスに切 り替え学生 とともに考 える時惜Jに した。2名の学′t‑̲の感受性 の違いが読み取れ る。それぞれの事例 を実習に行 っている学′仁全員 で考 え共通の学び とした。
この よ うに倫f那勺課題 のあるご と 一例 一例 に、 IL'.面か ら問題解決 のための具体的な行動 をお こ してい くこ とが必要 と考 える。学/I:.には、① その事例 の含んでいる問題 は何か、② ど うした らよ り㌧1く患者 ・家族 を擁 護で きるか 、③ ど うした ら看護師としての責務 を果た せ るか、④誰 と協 力 しなが ら対応 した らよいか、そ して、⑤結果l′畑 こ将来 に対 して 看護者
と患 者 ともに希望がみ いだせ、癒 し癒 され る関係が成 立す るか (ケア リング)、を しっか りと押 さえて 考えるこ とが求め られ る。
2.
看護 師が臨床で遭遇 した事例か ら下
記に記 した事例 は、看護帥として臨床で体験 した時の内容である。臨床実習 に行 きな が ら、数々の倫理的課題 を含んだ事例は書 き留 めて新 しい事例 もあるが、倫理的配慮 のIHJ題、 とくにプ ライバ シーの
r l
t.]題が 大き くとりだだ され ているこ ともあ り、年代は 古いが看 護倫群 を考える素材 としては今に も通 じる内容である と判断 したので紹介 し分析 を試み て み る。《人/卜の最後 を ∩分 らしく迎 えるこ とがで きなか った事例) (資料
4)
89
歳 、 里性 、農業経営。今 まで病気 らしい病気を して こなか った とい う。開業医か ら、呼吸状態の改 ..Y・.:・が全 くみ られ ない とい ううこ とで、救急 車で転院 してきた肺 炎のクライエ ン トである。
この事例 の場合、急 ぎ とはいえ、主治医が 老夫婦にのみ インフォーム ドコンセ ン ト (説 明 と同意) を打 な った のは問題が あ る。右護師は クライエ ン ト側 立ち、看護倫理 原則の
「擁護」 「責任/責務」 を果たそ うと代 弁昔 とな り、反対意 見を述べたが、医師の 「協 力」
が得 られず、結果 として 「ケア リング」が達成できなか った。
IIH 一 一
資料
4
《人生の最期 を自分 らしく迎えることができなかった事例》
89歳、 rjl性、肺 炎、払rL)享で
実 直
意識は しっか りしていたo検在の結 来、湊の量も多く、 ト治医は気管切
r j
lL・・175ミ必要 と判
断 し、老夫婦には、湊の遇が減るまで、3(沌 'L)JHJF・Jを して人二L呼吸器を装苫す る とい う説
明がな された。老人
帰は素 r I
'IIに r解 した。 肴.削Iljたちは反対 した。8 9
歳の老人に気管t ) . l r I
TrA・)は、それだ けで .リ,:痛J‑を伴 うことと、老夫婦が会, i L l
T.・を交わせな くなる と反対 した。 ト治医は肴護師の 意見を受けつけない。耳鼻科の医師がきて気管切開が行われ、人 上呼吸船が取 り付 け ら れた。 ・時的に蟻が減 り検在結氷は改 汚した。耳鼻科の医師がカニューレ交換 に訪宅 し たが、切r j
H創部の腫脹が強 く、= 刷
りを要 し、呼吸椙の接続に手刷 どり皮下気腫 を/)くり、クライエ ン トの顔は変貌 して しまった。
その後、脳硬寒 を併発 し
、
呼吸器を外す タイ ミングを失‑)て吸
引のたびに腐敗 臭を伴 うまでになったo結局、 ・言もことばを交わす ことな く、家族の1解のあ と人 L二呼吸邪 を外 し、息をリ
lき取 った。わ が 国で は 、部署 に よって 医師 の 好 くな い意 味 で のパ ターナ リズ ム (家 長制 ) が 強 い な どの理 由で 、 看 護師の意 見が受 け入れ られ るまで情吊」を要す る こ とが たび たび あ る。看護 師が ク ライエ ン トの代 弁者 とな り、擁 護 しよ うと努 力 して もど うに もな らな い現 実 が あ る。
それ で は 、情
刷
が あれ ば 、 石護師は 医師 を説 得 で きた のか とい えば 疑 問が 残 る。 一歩踏 み 込 んだ 医師 ・ク ライエ ン ト ・看 護 師 関係 一倍 束甜菜・・]係 とで もい った らい いのか ‑が 求 め ら れ る。 急 ぎ とは い え、老 夫婦 以 外 の家族 ‑ の連絡 は で きたわ けだ し、QOL
(クォ リテ ィ オ ブ ライ フ :牛沼 の質 ) を考 え る とク ライ エ ン トの全 体 像 を と らえて いた看 護師 は もっ と 強 く代 弁者と して の役割 をなす べ きで あ った と考 え る。年 老いて 、 それ も仲 の よい 大姉 に、 生 きて きた よ うに、最 期 静 か に 言葉 を 交わ し、ひ と りで も多 くの家 族 に見 守 られ て息 を引き取 って ほ しか った ので あ る。
《病 院 とい う環 境 で親 友 とワイ ンを飲 み かわ した事例 ) (賢料
5)
7 2
歳 、 r)l性 、肺癖 の末 期。 某 有名私 立入 学 を卒 業 し、果 役 所 の要職 、最 後 に選 挙管理 委 員長 な どを歴 什 した。 最 後 の什 事 で あ る選 挙 の最巾
、軽 い脳 梗 塞 で倒 れ 緊 急 入院 とな った。入院
t I
Tに肺
癌 が 見つ か ったが 、本 人 と妻 の 希望 で積 極 的 な テ翻舶 ま行われ なか った。 酸 素 吸 入 と栄 養補 給 の た め24時 闇 の点 滴 が 行われ た のみ で あ った。 そ ん な あ る 日、親 友が ワ イン を侍 参 して面会 に 訪れ た。資料
5
《病院 とい う環境で親友とワインを飲みかわ した事例》
7
2歳、 リ川 :.、肺癌の末期。本人 と要の意思が しっか りしていたので、I :
̲治医 と看護師 はそれに添 うよ うな形を とっていた。そんなある 日、クライエン トのIH友が、ワインを もって面会に訪れた。 IH友 もここ数 隼病'iltとともに/I:.きてお り、足元がおぼつかない。受け特 ち肴r
‑ Rf P .
両ま、二人で ワインをー 9 ‑
こっそ り飲 もうとしていた場
i r
両こで くわ し、静かにその場を去ってきた。そ して、ス タッフと主治医にその旨を報告 した。主治医 とスタッフともに 「lLJ友が、二人でワイン を交わすのはこれで最後だ と思って面会に来たにちがいない.いいん じゃない・‑」ということで、ワインの粋を抜き静かに見守ることにな‑)た。
その結果、 掛まワインを飲むことに寛人になってくれた医師 と肴.#ri両こ感謝 していた。
それか ら静かな 日々を過 ごし、息を引き取ったのである.
この事例 の場合 、結 果 として予後が あ と
何
日もない とい う病状 にあ ったのに もかかわ ら ず、それ も呼吸器 疾 患 の肺癌 で あ る ク ライ エ ン トに ワイ ンを許l‑†した とい うこ とは、 「責 荏/責務 」とい う看 護倫 理原則 に反す る。 しか し、ク ライエ ン トの代弁者 としての 「擁 護」、クライエ ン トとその妻 、 医師 との協調 「協力
」
とい う点、 も うひ とつ人切 な こ とは 「ケア リング」
の達成 とい うこ とであ る。全休評価 として、 クライエ ン トのQOLを考 える と成 功 した事例 であ る。・見 して スタ ッフに軍 配が あが りそ うだが、尖はすべ ての 小心的存在 は、 クライエ ン ト にあ った とい うこ とであ る。 人生 の大 先輩で あ った クライエ ン トは、 これ まで の経験 と知 識 と人間性 で、われ われ 医療 ス タ ッフを 「ケア リング
」
に巻 き込 んだ のであ る。「ケア リングは クライエ ン トとともに展 開す る
」1ニ i )
とい うこ とであ る。 クライエ ン トと医 療者が癒 し癒 され る関係 、 これが ケア リングのめ ざす おお きな 目標 のひ とつ であ る。《急死 した母親 に幼 い こどもが ‑.人いて看護師が 同情 して泣いた状況》 (資料
6) 4 2
歳 の女性。仕事 中、突然倒れ 、救急車 で外来 に担 ぎ こまれ た。移送 され て きた時点で す でに呼吸が停 止 していたが、心停止 は していなか った。ただ ちに、補助呼吸が開始 され 、そ の まま緊急 入院 とな り、 人 l二呼吸岩詩が取 り付 け られ たが、気胸 を起 こ していたた め、 人】二 呼吸音詩を取 り付 けた意味が な く死亡 した。この時、 二人の幼 い こどもを残 して死 んで しまっ た こ とに、看 護師が同情 し泣いて看護師 長に叱 られ た とい う状況で あ る。資料
6
《急死 した母親に幼い子がいて同情 して泣いた状況》
4 2
歳、女
件、 両
肺日然気胸、結核の既往歴がある。人 上呼吸器を装着 しても、酸素を 受け入れる肺に穴があいていたため、酸素を有効に取 り入れることができず、蘭か ら胸 壁にかけて皮下気腫ができて しまった。意識は戻 らなかった。職場か ら連絡を受けた家 族に対 して、主治医は病状について.甜l)Jを した。納得 した家族は人 l二呼吸器を取 り外す ことに同意せざるをえなか‑)た。・通 りの処置を終え、家族 との柑 H]をとらせるために病室を離れ ようとした。廊下に でると、まだ幼いこどもが 二人腰をおろしていた。父親が病室に入れなかったのである。
看護師は、今別何事 もな く、母親に見送 られ幼稚園に出ていったのに、こうなることは T,想できるはず もないこども達のことを考えずにはい られなかった。家族 と最期の別れ を終え、後輩の石護師 と 二人でクビ後の処距を し、霊安室に移送 した。 このr札二人は涙が
‥
二まらない。それを見た看護師表に叱 られた状況である。‑ 1 0‑
状況の説明の補足を しなければいけない。家族のこと、 とくに残 された子供のこれか ら のことを考える とl叶情せずにはい られず泣いた。泣いた看護師を師長は 「何年看.膏師を し ているの、それ も後輩看護師のいる ところで‑」と続 く、看護師 「これが泣かずにい られ ますか」、師表 「そ うよね実は私 も泣きたか ったの」、看護師「悲 しい昭は泣いていい と思 います。泣 くだ けの関わ りがあったのであれば・・・」。師表 「そ うよね、それが人IITHらしい 看護 よね」
この状況の涙は適切 とはいえないか もしれない。
「クライエ ン トの前では、涙をみせ るものではない」 これが、
看
護師の守るべきひ とつ の態度であった。 しか し、ケア リングの有 り様によっては、それはかまわない状況 もある と考える。廿情や 共感 もケア リングを達成する資質には欠かせない感情である。情緒的関 わ りも必要になる。情緒的関わ りは、病気経験 を理解する上で大切なことである。涙、同情、共感‑については今後の考察が必要な部分である。
Ⅳ.看護倫理 をどう考えるか
現場での倫理的な問題が医療技術の進歩に ともない複雑 ・多岐になっていることは明日 である。
看護教師 らで組織 された看護倫理検討委員会
1 4)
は、葛藤の形を 「患者 と医師」「患者 と 家族」「看護師 と医師」な どとその状況を分類 している。倫理的課題 としての葛藤が多様 になって、看護師に求め られ る倫理的感受性が不足 しているのに加え、看護師の自律、看 護師 自らの意思決定が不足 していることを指摘 している。骨頂 15)
、森卜 1 6)
が、調査 した結 果か ら導きだ された倫二哩的課題は、看護者 であればだれで も日常遭遇する内容である。 ま た、萩野 ら1 7)
が学′Lを対象 として行 った調査をみ る と、学生の場合倫理原則‑の啓反に道 徳的な葛藤 を抱 く傾向が人きく、右護師が臨床において体験す る倫理的な葛藤 とは内容を 異 とすることを示唆 している。そ して、I l
旧]ら1 H)
の調査か ら、臨床で右護教育に携わ って いる指導者は、学′卜が病名告知問題に遭遇 して葛藤 に陥っている時、学生個々の感受性の 違いを止確に とらえないで指導者の価値観を押 しつけ、 さらに学生 自ら考える機会を奪 っ て しまっている現状を指摘 している。井部
1)は、現場の看護部長兼E61日続長 とい う立場で、ある講演会でつぎのよ うに語 っている。 「
看
護の現場は倫理的な課題に満
ちあふれている。水準の高い病院で も倫理的な取 り組みに対 しては、認識が非常に低い ことが人きな問題で ある。」そ して、看.獲職に求め られ る倫理的役割 として(i)医師の裁量権 と看護師の役割② ター ミナルケアにかかわる人々‑のサポー トの必要性③看護師 も発 言する力をもつべき、
としている。
これ らの問題か ら、現場での倫理的課題を解決す るための手 立ては何か と考えた。いい える と看護倫坤教育の日焼は何か とい うことになる。それは、看 護に携わる人々の個々の 倫理的感受性を高めることである。つぎに、倫坪的感受性 を高めるためには、具体的にど うした らいいのか と考えた。それはケア リング実践 者になることだ と考えたのである。ケ ア リング実践者になるためにはどうした らいいのか。それは、輸入されたケア リング理論
‑ l l‑
に加え、わが国におけるケア リング実践 宵の存在を確認 し、わが国の風 卜と宗教に根 ざ し た文化で培われた "癒 し癒 され る関係 :ケア リング"に焦点を絞 って、看護倫理を組み立 てL白:す ことである。より貝休的には右諸学教育において
、1
年か ら4
年 までの 一貫 した看護 倫理のカ リキュラムを組む ことである。先に も述べたよ うにすでにケア リングカ リキュラ ムの必要が問われ、哲学 ・倫理学を基盤に、′F.命愉fq!、医療愉f‑lf!̲.そ して看護倫理 と組み 入れている大学 もある。 石護学教育は、技術的な習得に とどまるのではな く生命の意味、癒 し癒 され るとい うケア リングの思想を探 り続 けることである。講義はまだ まだ受け身的 で学tEの自発性 を促す ものにはなっていない。それは、教師側にむ しろ問題がある。学生 個々が 自ら学ぶ姿勢を身につけることも必要ではあるが、その過程において教師 も共に考 え学ぶ姿勢を忘れない とい う態度が重要なのではないだ ろ うか。
さて、臨床における職業愉邦 としての看護倫理は どうのよ うに考えた らいいのだ ろ うか。
今臨珠では、IHカ リキュラムで看.獲教育を受けた者 とそ うでない者、あるいは 卑門学校、
/
jtti,TtJ1人′、llIt大学、大学院 とさまざまな看護者が ともに働いている。そ こで、お ltIいのよい ところは認め合い、指摘すべきことは勇気をもって意見交換を して希響‑ とつなげてい く ことが人切である。その過程において倫理的課題を含んだ事例を書き記 してお くことが 重 要と考えるo私自身が体験 した倫理的課題を含んだ事例 も、看護者であればだれで もが体 験 している内容である。 しか し、個 々の体験を具体的に記述 し話 し、生きた教材 として後 輩に残 した り、新たな倫理的課題にぶつかった とき、機会あるごとに看護者閲でお互いの 体験を建設的に情報交換す ることが不足 しているよ うに見受け られ る。お互いがお互いの 良い ところを認め合いつつ歩み よ り、クライエン トに還元 していかなければいけない。そ うす ることで、癒 し癒 され る関係、与え与え られる関係が成立す る。 これが とりもなお さ す ケア リングであると解 している。そ して、これが看護倫理そのもの と考えるのである。
Ⅴ.おわ りに
今
恒
lは、独J '
1の問題解決のための糸目を捉示す ることはできか った。 しか し、何 より大 切なのは、倫理的感受性 を培お うとしている看護者が問題を抱えた事例 一つひ とつに対 し て、了
寧にそ して貞剣に向
き合 うことで、解決の糸目はみつかる。みつか らない時は真剣 さと集中
力が欠如 している情で もある。わが国独 自のケア リングは どのよ うな語句で表 され る と適切なのだ ろ うか。なん と表現 した らよいのだろ うか。ぬ くもりのある‑配慮 ・気配 りのゆき とどいた・‑関係、癒 し癒 さ れ る関係‑・与え与え られ る関係‑。むずか しい‑・。
ター ミナル,tgJの クライエ ン トのケアの項 口で "死について語る"試み
1 9)
を5
年程継続 し てきた。感受性 を育む試み としては意義があった と考えている。そ して、 ことあるごとに 現場での倫f利付課題を合んだ 車例20)
を話す ことに している。 しか し、カ リキュラム と時閲 的な制約があ り、複雑な医療の倫理的な問題に対応する内容にはほど遠い。新設の看護人学では、特色ある理念の基で、特色あるカ リキュラムを紬成 し、内容 も充 実 しているもの と推測 され る。すでに倫印教育をひ とつの科 Hとして「看護学原論」21)とし
‑ 1 2‑
て開 講 し、新設 の公 立看 護入学
22)
では 「バイオエ シ ック ス」、
「看護倫理学
」と して独 立 した 科H
と して位 距づ けて い る。今後 も、倫f宰相'.)謀題 を合んだ 事例 をあつ め記述 しなが ら分析 ・解 釈 を続 けてい く rJ定で あ るo そ して、
、
11保健 学科看 護学専攻 に も看護倫理 を扱 う授 業料11を しっか りと位置づ け た い と考 えてい る。最後 に、
素
直に美
習 小に倫理 的 課題 を提示 し応 じて くれ た学 ′吊こ感謝 したい。 そ して、こ こに捉示 させ ていだ だ いた患者様 は20年以 L前にお亡 くな りにな って いて、承諾をいた だ いたわ けで はないが 、プ ライ バ シーには配慮 した し、記録 と して残 され た こ とに家族 は 拒 否は しない と信 じてい るO この場 をお借 りして感 謝 の意 を伝 えたい。 また、 ま とめ るに あた り、弘前 大学 人文学 部の五 卜嵐靖 彦 教授 をは じめ諸 先生 方には、 ご指導 ご示唆 をいた だ き、心 か ら感謝 の念 で い っぱいで あ る。
本論 文 は、平成
1 4
年度 に開催 され た弘前 哲学会 にお いて 発表 した内容 を加筆 ・修 IL1.した もので あ る。注
往 1
ビーチヤム とチ/レドレスの倫理原則である 「恩恵Ben c f i c c n c c J
「無J吉Non ‑ ma l c f i c c n c c J r H
律Au t on omyJ「l
r二義Ju s t i c c
」を基に、「相 互、無1.1子、1
1・‑.義、,甘美、Jlil.誠、功利の規則を医学倫理 の枠組み とし、倫理的問題解決のための倫上酬勺意志決定モデルが開発 された。注
2
ノデイングズのケア リングは乳幼児期の愛 され保護される経験に基づいて、また優 しさに 対す る自然の渇望であると理論づけている。 文献の 3)参照。往 3
倫理的課題 とは、倫上期l勺思 考や倫理的意思決定を必要とする状況、あるいは道徳的価佃の 対立などの問題を含む。 文献の6)
参考。注
4
"倫理"の語義 として、倫 とは人の輪 と書 くよ うに人問、仲ItTH、 l冊内の息であ り、理 とは 物串の筋道、道理のことである。従って、倫理 とはそれを逸脱する と人IT胴1:会の秩序を乱す ことになるとして難 もしくは処罰され、
理想的に合致すると賞賛 もしくは顕彰 される根拠 と なる道
理 ・原則のことと考え られる。社会上比範の税理原上
川をなす ともいえる01
1‑.卜嵐靖彦 :地域社会医療倫理論(2002)の講義録(倫雌,'i':の概念 とターム)よりO注
5
ここでのケア リングの定義は、SwこI n S On
.K. Mが定義 した 5
つのカテゴ リーまたはプ ロセス に多少加筆 して以 卜をあげておきたい。 「(彰〜(㊧」庄)知る、②共にいる、③何かをす る、C4) 力を 与え fj‑え られる、⑤信頼を維持する、CS)将来に希望が もてるMa r 1 . , l i n eC. Smi t h
暑,諸Fl l 直美他訳 :
ケア リングと統 ・休 としての人間の科学,Qua l i t yNu r s i n g
, 7(1):33‑46,2001.往6 倫f削勺感受件 :偶人の利書に影響を 与える状況について倫上11拍勺問題を兄いだす能力。仙人