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学 位 論 文 の 要 旨

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Academic year: 2021

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学 位 論 文 の 要 旨

所 属 三重大学大学院医学系研究科 生命医科学専攻 病態制御医学講座

氏 名

田中 淳一朗

主論文の題名

Functional cell surface expression of Toll-like receptor 9 promotes cell proliferation and survival in human hepatocellular carcinomas

主論文の要旨

細菌やウイルスなどの病原体が生体内に侵入すると、自然免疫が発動する。哺乳動物 では自然免疫系のセンサーとして

Toll

様受容体(

Toll-like receptor

TLR

)が存在し、ヒ

トでは

TLR1-10

までが同定されている。その中で

TLR9

は細菌、ウイルス由来の非メチ

ル化

CpG

モチーフである

CpG-DNA

を認識して炎症性サイトカインや刺激分子などを活 性化し、生存にむけて重要な役割を担うパターン認識受容体であるとされている。形質 細胞様樹状細胞や胃、小腸粘膜細胞、グリオーマ細胞、前立腺癌細胞、肺癌細胞などの 細胞で発現が報告されているが、肝癌細胞における発現様式や機能についてはほとんど 解明されていない。本研究では肝癌での

TLR9

の発現を検討し、リガンドである

CpG-DNA

を用いて機能とそのシグナル機構の解明を行った。

まず、免疫染色法にて肝癌での

TLR9

発現を調べた。肝癌組織では

85.7%

TLR9

発現 が認められ、分化度の違いによる有意差は認めなかった。

Western blotting

では培養肝癌 細胞での

TLR9

蛋白が細胞内のみならず細胞膜にも発現しており、全長型 TLR9 が主に 細胞膜に、切断型

TLR9

が主に細胞質内に発現していることを確認した。

FACS

解析でも

TLR9

が細胞表面に存在していることを確認した。これは、

TLR9

が肝癌細胞の細胞膜と 細胞質内に存在様式を変えて局在することを証明した初めての報告である。

次に、細胞膜

TLR9

の機能を調べるため、肝癌細胞を種々の濃度の

CpG-DNA

存在化で 培養したところ、濃度依存性に

cell viability

の増加が確認された。一方、細胞質内

TLR9

の機能を解明するため、

lipofection

を用いて

CpG-DNA

を細胞内に移入し肝癌細胞の

cell viability

を調べたが、変化は認められなかった。

CpG-DNA

が、肝癌細胞に対する制癌剤の細胞毒性効果に及ぼす影響を調べるため、

CpG-DNA

と制癌剤(CDDP, ADM)を併用投与し細胞膜

TLR9

を刺激したところ、制癌

剤単独投与群では

cell viability

は低下していたが、併用投与群では

ADM

単独投与群と比 較し

cell viability

は著明に増加した。Transfected CpG-DNA

ADM

を併用投与し細胞質

TLR9

を刺激したところ、

ADM

単独投与群と比較し

cell viability

は不変であった。

CpG-DNA

ADM

の併用投与が肝癌細胞内アポトーシス関連蛋白の発現レベルに及ぼす

影響について

Western blotting

にて評価したところ、

ADM

単独投与群と比較し併用投与群 では

Bcl-xL

survivin

XIAP

cFLIP

等の抗アポトーシス蛋白の発現が増加していた。

細胞膜

TLR9

を刺激した際に認められた肝癌増殖に関連した遺伝子の発現を評価する ために、

GeneChip microarray

解析を行ったところ、

SNRPN, SMG1, MALAT1, SETBP1,

NDRG4

等の腫瘍増殖や転移、アポトーシス抑制に密接に関連した遺伝子群の発現が

up-regulate

され、一方、

KLF5, GDF5OS, ANKRD20B, ANKRD6

等の腫瘍抑制に関連した 遺伝子群の発現が

down-regulate

されていた。これらの結果より肝癌細胞では細胞質内の 他、細胞膜にも

TLR9

が発現し、

CpG-DNA

の曝露により肝癌細胞増殖、腫瘍形成を促す 可能性が示唆された。

(注)2,000字以内にまとめて記入すること。

参照

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