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「閑適」思想と官僚生活 −白居易の閑適詩と菅原 道真−

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Academic year: 2021

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「閑適」思想と官僚生活 −白居易の閑適詩と菅原 道真−

著者 ??牧林

雑誌名 博士学位論文 内容の要旨及び審査結果の要旨

号 4

ページ 7‑10

発行年 2010‑06‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1160/00001162/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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氏 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科 ・専攻名

ガ   ダ   リ ン

嗅 込 牧 林 博士(文 学) 博第5号

平成22年3月20日

学位規則第4条 第1項 該当 比較文化研究科 比較文化専攻

学 位 論 文 題 目 閑 適 」 思 想 と官 僚 生 活 一 白居 易 の 閑 適 詩 と菅 原 道 真 一

論文審査 委員 (主査)教 授 (副査)教 授 (副査)立 命館大学

名誉教授

嗣之

皓博

本羽

川丹

覧 文 生

論 文 内 容 の 要 旨

本 論 文 は 「白居 易 の 閑 適 論 」 と 「白居 易 と菅 原 道 真 の 人 生 比 較 論 」 の 二 部 で 構成 す る 。 第 一 部 「白居 易 の 閑 適 論 」 で は 白居 易(七 七 ニ ー 八 四 六 、 字 は 楽 天)の 官 吏 に な っ た後 の 各 時 代 の 閑 適 詩 を取 り上 げ て 分 析 し、 白居 易 の 独 特 の 人 生 観 の 表 現 で あ る閑 適 の 生 き方 の 形 成 か ら完 成 まで の 経 緯 を 述 べ る。 先 行 研 究 の 論 を 踏 ま え た 上 で 、 白 居 易 の 各 時 代 の 詩 に表 れ た 政 治 環 境 と実 際 の 生 活 を 分 析 し、 閑 適 は 白 居 易 に と っ て 、 文 人 官 僚 と して の 生 き方 で あ り、 人 生 観 で あ る こ とを 明 ら か に す る こ と を 目 的 とす る 。

白居 易 の 官 僚 生 活 に お い て は 閑 適 の 意 識 が 存 在 し、 彼 の生 存 環 境 お よ び 政 治 環 境 が変 化 す る に従 っ て 、 精 神 と欲 求 も変 化 した が 、 詩 文 に 表 現 さ れ る 閑 適 の 意 識 は次 第 に 成 長 し て 、 確 固 と した 人 生 観 に な っ た 。

官 界 で の 進 退 に 従 っ て 変 化 して い く閑 適 意 識 の あ りか た を、 四 つ の段 階 に分 け て 論 じ る。

第 一・段 は、 初 任 官 の 校 書 郎 時 代 を扱 う。 官 に な っ て 、 生 活 も保 証 さ れ た 。 彼 の精 神 は安 定 し、

官 職 と個 人 生 活 の 現 状 は 共 に良 好 だ っ た 。 これ が 閑 適 の 生 き方 の 原 点 だ と思 わ れ る。

第 二 段 は 、 校 書 郎 か ら行 政 官 に転 出 した 時 期 を扱 う。 外 的 な 官 僚 の 社 会 環 境 と 内 的 な精 神 世 界 が 衝 突 し た。 行 政 官 に な りた か っ た 志 と現 実 が 異 な り、 心 身 の バ ラ ン ス が 崩 れ た 。 官 職 の た め思 い 通 りの 「兼 済 」 を達 成 す る こ とが で き ず 、 ま た 「独 善 」 す る こ と も仕 事 の 休 暇 の 時 に 限 られ る。 白居 易 に と っ て 「兼 済 」 と 「独 善 」 は彼 の 官 の仕 事 へ の 意 識 の 両 面 で は な く、 官 の 仕 事 は 「兼 済 」 で あ り、 そ れ よ り休 暇 は 「独 善 」 で あ る こ と と認 識 して い た の で あ ろ う。 左 拾 遺 の 時 は 、 「兼 済 」 の 志 が 中 心 に な っ た 。 閑 適 は 、 公 務 か ら身 を解 放 す る こ とで 「独 善 」 に な る こ

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とで あ っ た。 そ れ 故 、 「兼 済 」 と 「独 善 」 は彼 の 心 身 の 中 で は バ ラ ン ス を 取 る こ とが で きず 、 精 神 上 も苦 し くな っ た 。 「兼 済 」 と 「独 善 」 を共 に実 現 し、 閑 適 の 生 き方 を 探 求 して い た が 、 な か な か 見 っ か ら な か っ た 。 白 居 易 の 生 涯 に 下 邦 に退 居 し た 時 期 が あ り、 服 喪 の た め 官 を解 か れ た の で 、 官 僚 と して の 閑 適 で は な か っ た と思 う。 下 邦 で は 悲 し く寂 し い 気 持 を慰 め る こ と を 「 酒 琴 」 に 求 め 、 「日高 眠 」 も 自 由 で あ っ た が 、 官 僚 生 活 で の 閑 適 と は異 な っ た 。

第 三 段 は 、 江 州 に 左 遷 さ れ 、 彼 の精 神 世 界 の 一 面 で あ る 「兼 済 」 の 志 が 挫 折 し、 政 治 へ の 関 心 が 薄 く な っ た 時 期 を扱 う。 「兼 済 」 の 代 わ りに 、これ を補 充 す る新 エ ネ ル ギ ー を仏 教 に求 め た。

しか し、 自分 の 政 治 観 点 は 「兼 済 」 を放 棄 し た 訳 で は な く、 官 の 仕 事 は越 権 し な い で 地 位 を 守 る との 観 念 を樹 立 した 。 以 前 の 「兼 済 」 と 「独 善 」 と い う行 動 は 同 化 さ れ 、 官 を 守 る こ と は 家 族 の 幸 福 な 生 活 を守 り、 そ れ で 兼 済 も で き る と い う こ とを 意 識 した 。 彼 の 精 神 世 界 は 「醇 吟 先 生 墓 誌 銘 井 序(酔 吟 先 生 の墓 誌 銘 井 び に序)」 に 「外 以 儒 行 修 其 身 、 中 以 釈 教 治 其 心(外 儒 行 を 以 っ て 其 の 身 を修 め 、 中 は 釈 教 を以 っ て 其 の 心 を 治 む)」 と あ る よ う に儒 教 と仏 教 の 両 面 を持 っ 。 心 身 の バ ラ ン ス を平 衡 させ 、 自分 の 内 心 で 調 整 す る こ と に努 め た 。 江 州 司 馬 の 時 か ら、

官 と して 閑 適 す る事 を悟 り、 閑適 の 生 き方 が彼 の 官 僚 生 活 に浸 透 して い た と思 う。

第 四 段 は 、 杭 州 刺 史 の 時 代 か ら、 官 を守 る た め 政 争 が 激 しい 長 安 か ら離 れ 、 地 方 官 や 東 都 洛 陽 で の 分 司 を 求 め 、 政 争 か ら避 け る こ とで 政 敵 も な くな っ た 時 期 を扱 う。 高 官 に な り、 豪 邸 を 営 み 、 心 身 の苦 し み の な い 生 活 を す る 。 こ こ に 閑 適 の 生 き方 は 完 成 し た 。 こ の 生 活 が 彼 の 致 仕 ま で 続 い て 、 閑 適 の 生 き方 も次 第 に 深 化 した の で あ る。 致 仕 した 後 は 、 官 か ら全 く離 れ 、 自 由 の 身 に な り、 精 神 も完 全 に 閑 適 す る こ と が で き た。 出 勤 す る た め 早 起 き す る こ と は な く な り、

そ れ 故 に 「日高 眠 」 や 閑 適 に っ い て の 詩 句 も詠 まれ な くな っ た 。

閑 適 」 は 白居 易 しか使 っ て い な か っ た 独 特 の 語 で あ り、「白詩 語 」の 一 つ に な る べ き だ と思 う。

ま た こ の 「閑 適 」 と い う詩 語 も後 世 に 受 容 さ れ た 。 中 国 よ り は 日本 で の 影 響 が 深 い 。 ま た これ に つ い て の 研 究 も 日本 の ほ うが 早 く、 広 い 。 この 相 違 に つ い て は今 後 の 課 題 と し た い 。

第 二 部 は 「白居 易 と菅 原 道 真 の人 生 比 較 論 」 で あ る。

平 安 朝 の 文 人 官 僚 で あ る 菅 原 道 真(八 四 五 一 九 〇 三)は 詩 歌 に 当 時 の 官 僚 の 生 活 を描 い た こ とで 、 白 居 易 と近 い と こ ろ が あ っ た が 、 詩 作 へ の 追 求 が そ れ ぞ れ の 環 境 に よ っ て 異 な っ た と い う こ と を論 じ る。

菅 原 道 真 と 白居 易 の 出 世 環 境 、 詩 作 と文 人 官 僚 と し て の 生 き 方 を比 較 考 察 す る。 従 来 の 研 究 で は、菅 原 道 真 は 『白 氏 文 集 』 の 詩 語 詩 句 、詩 風 を模 倣 した とい う観 点 が 中 心 で あ っ た 。 し か し、

本 論 で は従 来 の 研 究 とや や 異 な る論 点 を展 開 す る。

菅 原 道 真 と 白居 易 は 文 人 官 僚 と して の 共 通 点 が あ っ た が 、 政 治 環 境 が 異 な り、 詩 作 の 内 容 お よ び作 っ た 場 面 、 ま た は 詩 を詠 う意 識 が 異 な っ た こ とで 、 詩 作 へ の 追 求 が 異 な り、 詩 語 詩 句 の 表 現 が そ れ ぞ れ 異 な っ た 。

白居 易 と菅 原 道 真 の 人 生 を 以 下 の 七 つ の 面 か ら比 較 す る。 ① 生 ま れ た 家 庭 環 境 や 受 け た 教 育 社 会 情 勢 、 ② 政 治 制 度 、 ③ 官 へ と登 り詰 め た 道 筋 、 ④ 新 進 官 僚 時 代 の 政 治 環 境 、 ⑤ 白居 易 の 江 州 へ 左 遷 さ れ た後 と菅 原 道 真 の 讃 岐 へ 転 出 さ れ た 後 の 意 識 の 変 遷 、 ⑥ 白 居 易 は長 安 へ 、 菅 原 道

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真 は平 安 京 へ 戻 っ た後 の 官 僚 社 会 で の進 退 、 ⑦ 晩 年 の 運 命 と い う面 で あ る。

白居 易 と菅 原 道 真 は 詩 文 を通 し て 各 自 の 政 治 観 、 人 生 観 を 打 ち 出 し、 同 じ く文 人 官 僚 で あ っ た が 人 生 の 歩 む道 が異 な り、 詩 作 へ の 追 求 が異 な っ た 。

平 安 朝 の 政 治 舞 台 に 「宮 廷 詩 人 」 と して 活 躍 して い た 菅 原 道 真 に と っ て 、 宮 廷 の 公 宴 で 発 表 す る詩 は美 辞 麗 句 に飾 られ た表 現 で な くて は な ら な か っ た 。 白 居 易 は 閑 適 の 生 き方 を大 切 に し、

平 穏 な 生 活 を平 易 な 詩 語 で 詠 っ た 。 菅 原 道 真 は政 争 の 中 に身 を 置 き、 ま た 宮 廷 詩 人 と し て 輝 き、

美 辞 麗 句 の 詩 を作 り、 王 朝 の 栄 華 を 詠 っ た 。 白居 易 の 白 俗 とい わ れ る よ う な平 易 の 詩 風 は 菅 原 道 真 の 詩 を 作 る場 面 と は あ ま り合 わ ず 、 華 麗 な 詩 風 が 最 も適 当 で あ っ た の で あ る。 菅 原 道 真 の 宮 廷 詩 は 白 居 易 の 詩 と距 離 を お い て 、 菅 原 道 真 は 白居 易 の 詩 を模 倣 す る こ と を 意 識 的 に避 け、

自分 の 詩 風 を 作 り出 す た め努 力 した とい う結 論 を 導 き 出 した 。 そ れ 故 、 白 居 易 と菅 原 道 真 の 詩 風 に は相 違 も認 め ら れ る。

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審 査 結 果 の 要 旨

本 論 文 は 「白 居 易 の 閑 適 論 」 と、 あ わ せ て 「白 居 易 と菅 原 道 真 の 人 生 比 較 論 」 を扱 う も の で 、 全 体 は 二 部 か ら成 っ て い る 。

第 一 部 で は 、 白居 易 の 文 学 、 人 生 観 の 特 徴 の 一 っ を 「閑 適 」 と捉 え 、 そ の 萌 芽 か ら晩 年 に到 る ま で の 作 品 を 分 析 した 。 第 二 部 で は 、 白居 易 と菅 原 道 真 の 人 生 と文 学 の 比 較 を行 い 、 そ の 相 違 を二 人 が 育 っ た 環 境 な ど に 求 め た。 本 論 文 の 意 義 と し て は、

① 「閑 適 」 と い う語 は 白居 易 が 最 初 に使 用 し た独 特 の 詩 語 で あ る こ と を指 摘 した

② 「日 高 眠 」 や 「知 足 」 とい う表 現 に 着 目 し な が ら、 白居 易 の 「閑 適 」 に傾 斜 し て い く過 程 を 分 析 し た

③ 官 僚 と して の 浮 き沈 み を 経 験 す る 中 で 、 「兼 済 」 と 「独 善 」 とい う相 矛 盾 す る生 き方 に迷 い 、 試 行 錯 誤 を 重 ね な が ら、 や が て は 「閑 適 」 を 求 め る方 向 に 傾 い て い っ た こ と を、 段 階 を追 っ て 明 らか に した

④ 「閑 適 」 の 語 は、 後 代 の 日中 の 作 品 に認 め られ 、 特 に 、 平 安 時 代 の 詩 人 に よ く使 用 さ れ る が 、 日中 両 国 で の 「閑 適 」 の 受 容 の仕 方 が異 な る こ と を指 摘 した

とい っ た 諸 点 が挙 げ られ る 。

総 合 的 に み て 、 博 士 論 文 に値 す る と判 断 で き る。

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参照

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適用 して いくこ とにあ るばかりでない。経営社会学 におい て も,最近 は,組織 社会学 の強 い影態 の下 に,官僚制組織の問屈が大き くクロー

われわれがかかる研究にとりくむ大きな理由が,

、ら示とて協する社 そにすな風謝るテ会 れ稲業つ史会立ク協 ら葉統てのの場ノ訓 のやといへ身職かク政

142 = 1977, 216 頁) 。組織のメンバー