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線形変換群について

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Academic year: 2021

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(1)線形変換群について. 兵庫教育大学大学院. 学校教育研究科. 教科・領域教育專攻. 自然系 コース. M85265B. 木村  文男.

(2) 序  文  本論文の目的は体IK(実数体IR,複素数体C,四元数体H)上のn次正方行列. の全体のなす集合の代数的性質と位相的性質を明らかにすることにある。.                              n2  n次正方行列の全体は代数的には環であり,位相的には距離空問Mである。 とくに行列環の可逆元の全体は行列の乗法に関して群をなす。これは一般線形 群 GL(n, Pt)として知られているものである。 GL(fi, }K)を距離空間の部分. 集合として考えるとき,GL(n,】K)に極く自然に可微分多様体の構造が入り,そ の各点での接空間が存在する。同様に,GL(n, }K)の部分群についても同様な. 考察が可能である。 このことから,GL(nglK)とそのある種の部分群は可微 分多様体としての構造を調べる必要がある。特にGL(n,IK)の連結な部分群に たいして,極大トーラスを定義し,それぞれの群の中心や階数を明らかにする。. またこの連結部分群は,その群の極大トーラス全体で被覆されていることを示 す。 最:後にクリフォード多元環を用いてスピノル群を定義し次数の低い群の 問の同型について考察する。  論文の構成は次の通りである。 第1章 群,環,体.    §1.群  §2.環  §3.体 第2章ベクトル空聞    §1.ベクトル空間  §2.ベクトル空間の次元.    §3.ベクトル空間における内積    §4.固有値. 第3章 位相空間    §1.距離空間    §2.連結牲,コンパクト性.    §3.誘導された位相    §4.n一多様体. 第4章 行列群    §エ.一・般線形群   §2.GL(n,IK)の部分群.    §3.行列群の定義 第5章 指数写像と対数写像.    §1.行列群の次元  §2.指数写像と対数写像.    §3.1パラメーター部分群 第6章 極大トーラスと中心    §1.極大トーラス §2.中心    §3.極大トーラスによる被覆.

(3) 第7章 スビノル群    §1.クリフォード代数  §2.スピノル群    §3.同型問題  論文の概要は次のとおりである。.  第1章,第2章,第3章においては第4章以降で必要となる結果を準備する。  第1章では群sSCt体について後で必要となる結果を整理し,その例を挙げて おいた。.  第2章では口元数体を含めた体上でのベクトル空間を定義し,その例を挙げ た。また次元の等しいベクトル空間はすべて同型であること述べた。次ぎに内 積を導入してベクトル空間の元の長さや,部分空間の直交補空軍を定義した。  第3章では距離空間について定義し,連続写像,開集合,閉集合,コンパクト性, 部分位相空間,同相写像などの概念を考察する。ついで 1}一多様体を定義し可 微分多様体についてふれておいた。.  第4章では一般線形群を定義しその部分群について述べ,最後に行列群の定 義を与えs更に一般線形群やその部分群の0(n,IK)などが可微分多様体である ことを示した。.  第5章では行列群の単位元である単位行列における接ベクトル空間から行列 群への指数写像が存在し,その逆写像として対数写像が存在することを示す。 これによって行列群の次元を定義し,多様体としての次元に等しいことを示す。  第6章では行列群の極大トーーラスを定義し,各行採算の極大トーラスを具体. 的に与えた。さらにそれを用いて各群の中心を求めた。また連結な行列群は極 大トー・ラスにより被覆されることを示した。.  第7章ではクリフォード多元環を用いてスビノル群を定義し,次元の低い場 合について,それらの群の間の同型の存在を調べた。teとえば次のような例が ある。.       (1) U(1){;xSpin(2)       (2) Sp(1)(;:Spin(3).       (3) Sp(1)XSp(1)uSpin(4)       (4) Sp(2)rv−Spin(5)       (5) S U (4) !;‘ Spin(6).  なおこの研究,及び論文の作成に当たり,数々のご指導,ご助言を頂いた数学 教室の柳原弘志教授に心よりお礼申し上げる。.                           1986年12月2◎日.

(4)                 目次 第1章 群,環,体    g 1. ge ・一一一…一一一一一・・一一・一・・一・・・・…一…一・一・・…一…一・・・・・・・・・…一・…一 1.    §2.環・………・…………………………・…・………・……・……・…………4    §3.体・………・………・………・・………・………・・………・………………・5. 第2章ベクトル空間    §1.ベクトル空間………………………………………・………・……・・…7.    §2.体IK上のベクトル空間の次元………………………………・…・・8    §3.ベクトル空間の内積・……………・…・・………・………・…・……・…10    §4.固有値…………・…・…・………・……・…・…………・・……・…・………・ユ2. 第3章 位相空間    §1.距離空間……………・…・…………・・……・……・…………・・…………15.    §2.連結性,コンパクト性……………・・…・・………………・…………・ユ6    §3.誘導された位相…………・……・・…………・・……・・………………・・17    §4.n一多様体……………・…・・………・……・…・…・………・……・………・・18. 第4章 行列群    §1.一般線形群………・…・……・………………・……・……………’……・21.    §2.GL(fi, IK)の部分群・…………………………………・……………23    §3.行列群……・…………・・………・……・…・………………’’”…………’24. 第5章 指数写像と打数写像    §1.行列群の次元…・・……………・………・……・…・・……………………27.    §29指数写像と対数写像…・…………・…・………・・………・…・………・29.    §3.1パラメーター部分群………・…・……・……・・……………………31. 第6章極大トーラスと中心    §1.極大トーラス…………・……・……・・…………・……………・・………33    §2.中心,階数・…………・……・………・………………………・…・………35.    §3.極大トーラスによる被覆・………………・…………………・……・36. 第7章 スビノル群    §1.タリフt一ド代数・……………・…・……・…………・・………………40    §2.スビノル群……………・…・・…・……………・・…・…・…………・・……41.    §3.同型問題…・・……………・・…………・……・……………………・…・…43. 引用・参考文献……………・…・………・…・・……・………・・………・………………45.

(5) 第■章 群.環.体 §1.群 〔定義1.1〕 集合Gに2項演算(x,y)→xyが定義されていて,以下の条 件をみたすとき,Gをこの2項演算に関して避であるという。  (1) x(yz)=(xy)z , x,y,2《G (結合法則).  (2) Gの元eで,Gの任意の元xに対してxe=ex=xが成り立つも のが存在する。.  (3) Gの任意の元xに対してtyx=xy=e をみたすGの元yが存在 する。. 【命題1.2】 (1)群Gにおいて,定義1.1(2)のeはただ一つ存在する。この. eをGの単位元という。 (2)群Gにおいて定義1.1(3)をみたすyはxに対しただ一つ存在する。 このyをx’i とかき,xの逆元という。 (証明は[i]p.2を参照). 〔定義1.3〕 群Gの任意の2っの元x,yに対して xy=yx が成り立つとき,. Gを三二であるという。可換群はまたアーベル群とも呼ばれ,2項演算が加 法 (+)でかかれるとき,Gの単位元は0とかき,Gの元xの逆元は一xとか かれ,x十(一y)はx−yとかく。. 〔定義1.4〕G,Hを群とする。写像σ:G→Hが      a(xy) :e(x)e(y) , x,y( G. をみたすとき,σを群の準同型写像であるという。. 準同型写像σ:G→Hが全単射であるとき,σを群の同型写像であるといい,. GとHは群として同型であるという。群Gと群Hが群として同型であるとき. G盤Hとあらわす。 〔定義1.5〕群Gの空でない部分集合Hが次の条件をみたすとき,HをGの部 分群であるという。.   ・Hの任意の元x,yに対してx’iy∈Hが成り立つ。. 容易に分かるように,HがGの部分群ならGの2項演算をHに制限したもの                  一1一.

(6) で,Hは群となっている。またこの逆もいえる。. 〔定義1.6〕Hが群Gの部分群で,x∈Gのとき集合xH={xhlh《H}をG. のHによる左脚という。 同様に蟹も定義する。 〔定義1.7〕 Nが群Gの部分群であり,さらに次の条件をみたすときNはGの 正規部分群であるという。.   ・Gの任意の元xに対してxNx’1=Nが成り立つ。  なおこの条件はxN=Nxが成り立つことと同値である。 したがって次の 命題が成り立つ。. 【命題1.8】正規部分群Nによる左剰余類と右剰余類は等しい。.  以後,Nが群Gの正規部分群のとts f左剰余類または右剰余類を単に剰余類と 呼as。. 【命題1.9】 Nを群Gの正規部分群とする。Nによる剰余類全体の集合G/N において2項演算を(xN)(yN ) ・・ xyNと定義すると次が成り立つ。.   (1)この積xyNは代表元x,yの取り方によらない。.   (2)この2項演算に関してG/Nは群になる。 (証明は[2]p.20を参照). 〔定義1.10〕命題1.9のG/Nを群GのNによる剰余群という。 【命題1.11】G,G’を群とし,e,e’をそれぞれの単位元とする。   f:G→Gノを準同型写像とすれば,次の(1),(2)が成り立つ。    (1) f(e)=e’ , f(x’t) :f(x)’t.    (2)Ker(f)={x《Glf(x)謬e’}はGの正規部分群である。 (証明は[2]p.21を参照). 〔定義1.12〕 命題1.11(2)の集合K:er(f)を準同型写像fの弦という。. 一2一.

(7) 【命題1.13(準同型定理)】G,G’を群とする。 f:G→G’を全射準同型写像 とするとき,つぎが成り立つ。     G/Ker(f) g−yG’. (証明は[2]p.21を参照). 【命題1.14】Sを群Gの空でない部分集合とする。 このとき N(S)={xξGlxSx“s=S}とおくと,次が成り立つ。.   (1)N(S)はGの部分群である。   (2)SがGの部分群のとき,SはN(S)の正規部分群である。 (証明は[1]p.20を参照). 〔定義1.15〕 命題1.14のN(S)をSの正規化群という。.                           v 【命題1.16.】群Gの部分集合CをC={y∈Glxy=yx, x∈G}により定 義すると,CはGの正規部分群である。 (証明は[エ】p.20を参照). (定義1.17〕 命題1.16のCを群Gの中心という。 【命題1.18】 Sを群Gの空でない部分集合とする。Gの部分集合C(S)を      C(S)={x( G 1 xs :sx,VsE S}.  と定義すると,次が成り立つ。.  (1) C(S)はGの部分群である。  (2) C(S)cN(S) (証明は[1】P.20を参照). 〔定義1.19〕 命題1.18のC(S)をSの中心化群という。 【命題1.20】 G,H,を群とする。直積集合G×Hの2っの元(Xlsyl),(x2,y2)に対. し,GXHの2項演算を                   一一3一一.

(8)       (Xi,Yi)(X2,Y2)==(XiX2,YiY2). により定義するとGXHは群になる。さらにG,Hがともに可換群であるための必 要十分条件はGXHが可換群であることである。 (証明は[1]p.92を参照). 〔定義1.21〕命題1.20の群GXHを群G,Hの直積という。. §2.環. 〔定義1.22〕集合Rに対し,2っの2項演算加法x+y,および乗法xyが定 義されていて,Rは(+)に関してアーベル群であり,さらに次の2っの条件   (1 ) x(yz)=(xy)z   ( 2 ) x(y+z)= xy+yz,(x+y)z == xz+yz. が成り立つとき,Rは環であるという。さらに,次の(3)を満たすとき,Rを単. 位元1を持つ環という。.   (3)Rに1とかく特定の元(1≠0)が存在し,Rの任意の元xに対して     1x == x1=・xが成り立つ。. 〔定義1。23〕R,Rノを環とする。写像f:R→R’が加法群としての準同型 写像であり,さらに    f(xy) :f(x)f(y) , x,y( R. をみたすとき,fを還盤という。環準同型写像f:R→Rノが全単射の とき,fを環且二二ヨ象という。2っの環R,R’の間に環同型写像f:R→R’ が存在するとき,RとR’は旧風型.といい,RgRノであらわす。 〔定義1.24〕環Rを加法(+)に関する群とみなしたとき,加法群Rの部分群A. が次の条件をみたすとき,AをRの蹴墜という。     ・x,y《Aならばxy∈A 環の例.M(n, IR)を実数を要素とするn次正方行列の全体とする。このとき M(n, IR)は通常の行列の加法,乗法に関して環をなす。. 【命題1.25】Rを単位元1をもつ環とする。このときRの部分集合R*を                  一一 4一.

(9)       R*={x∈Rlxy=yx =1となるyGRが存在する}. により定義する。このときR*は環Rの乗法に関して群をなす。R*の元をR の単元とよぷ。. (証明は[1]P.15−P.16を参照). §3.体. 〔定義1.26〕環Kが乗法の単位元1を持ち,Kの単元のなす乗法群K*が K\{0}となるときKは体と呼ばれる。さらに,Kの任意の2元x,yに対し         xy= yx. をみたすとき,Kを可換体という。. 皿. (1)実数全体の集合IRは可換体である。体IRを実数体という。 (2)複素数全体の集合。 == IR+i IR(i2=一1)は可換体である。 cを複素数体 という。. 〈3) 4元数体全体の集合H鵠IR+iIR+1 IR+klR    (i2=j2=k2= 一1 ,i j’ = ・一ji =k, jk= 一kj=i,ki = 一ik=」). は非可換体をなす。Mを4元数体という。.  この論文では以後断らないない限り}Rは実数体,Cは複素数体,Hほ4. 元数体をあらわすものとする。またIKで}RかCかHのいずれかをあら わす。.  また体IKの元xの共役元をxを   (1) xG IRのとき, ff=x.   (2)x=a十bi∈Cのとき,7=a−bi   (3)x ・a十bl十cj十dkE Hのとき,7=a一一hi一・cj一一dk.  により定義する。. さらに体IKの元xの絶対値 lxlを次の式で定義する。.         lxl=癖. 一5一.

(10) 【命題1.27】p,q∈Hのときp・q =q・pである。. (証明)p=a十bi十cj十dk,q=x十yi十zj十vekとおくと, pq= (a十bi +cj+dk)(x+yi +zj十wk)=(ax 一by ’ez 一d ee)+(ay+bx +cee 一dz)i.   +(az+¢x+dy−bua)j+(aee+dx+bz−cy)kとなり,一方 q’p= (x ”y i ”z 」 一wk)(a 一b i 一。 j 一dk) = (xa ’”yb ’mzc ”wk) 十 ( 一’xb 一ya十zd 一ece) i.   +(一za・一xc+繭一yd)1十(一xd 一eea十yc−zb)kとなるので,命題が成り立つこと. が分かる。                        (証明終) 〔定義1.28〕 体IKの部分集合Sが,IKと同じ演算で体をなすとき,Sを体IKの 部分体であるという。.   (1)aqRをa+0・i《Cとみなすことにより,IRはCの部分体である。   (2)a十bi∈Cをa十bi十〇・」十〇・ke Hとみなすことにより,CはHの 部分体である。. 【命題1.29.】qを四聖数体Hの元とする。このときiq=・qiが成り立てば, q. はHの部分体Cの元である。 (証明)q=a十bi十cj十dkとすると,iq=ai−b+ck 一dj,qi=ai ’一b 一ck十dkであ. るから,c ・d=Oとなり ,q∈Cとなることが分かる。       (証明終).  以下この論文では,IRはCの部分体,CはHの部分体と見なす。 x∈Hが部分体. Cの元と見なすとき粛もCの元と見なすことにする。特にCをHの部分体と みなすとき,Cの元xに対し,その共役元7はCの元と考えても,Hの元と考 えても同じものであることは定義より明らかである。. 一一. U一.

(11) 第2:章. ベク トノレ空間. §1.ベクトル空問. 〔定義2.1〕集合Vは加法に関しアーベル群をなし,さらにVの任意の元x. と体IKの任意の元λに対してVの元λxが一意に定まり次の規則を満たす ものとする。   (1) (A ,et )x = A(,et x).   (2) A(x十y)=Ax十Ay x,yE V,A,pt( IK   ( 3 ) ( A + ,nc )x= A, x+ ,ti x.   (4)1x==x , (1はMの単位元). このときVを体IK上のベクトル空間という。IKの元をベクトル空回Vのスカ 2二二とよif sλx(λ∈IK,xE V)を蝿という。 〔定義2.2〕体IK上のベクトル空間Vの空でない部分集合Wが次の条件.   (1)x,y《Wならばx−y《W   (2)x∈W,λE IKならばλ x《W をみたすとき,WをVの部分ベクトル空間という。 体}K上のベクトル空間の例..   (1)体】Kのn個の直積IKnは和とスカラー積を次のように定めること によって,体IK上のベクトル空回となる。 X=(Xi,X2,・ ’ ・,xn), y=(yi,y2,. . .,yn)E IK” , A( IK. に対して X十Y :(Xl 十Yl ,x2 十y2, . ・ . ,xn 十 yn )( }K”. Ax=(A xi, A x2, . . .,A xn)( }Kn.   (2)体IK上のn次正方行列の全体M(n,IK)は和とスカラー倍を次のように 定めることによって体}K上のベクトル空問である。   A = (atj ), B= (btj )( M(n, ]K ), AE IK. に対して A十B=(aLj十bt」)( M(n, IK ), A A=( A ai」 )( M(n, IK ). 〔定義2.3〕V,Wを体IK上の2っのベクトル空間とする。写像f:V→Wが次 の条件ををみたすとき,IK一門同型写像という。.   (1) f(x+y)=f(x)+f(y) x,yG V.                 −7一.

(12)   (2) f(Ax)=Af(x) A( IK さらに,IK一二同型写像f:V→Wが全単射のとき,fを]K一同型写像という。体IK. 上の2っのベクトル空間V,Wの問に,IK一同型写像が存在するとき,V,Wは体 IK上のベクトル空間として同型であるといい,VecW とかく。. §2. ベクトル空間の次元. 〔定義2.4〕体IK上のべク}ル空間Vの元UltU2f…  sUnに対して,     A iUi 十 A 2U2十 ’ ’ ’ 十 A nUn =”O (A i,A 2, ・ ’ ’,A ft( IK). が成り立つのはλ1=λ2=…  =λn==Oのときに限るとき,Ulsu2t・・“t Unは}K上1次独立であるという。 Ul,U2,…  ,Unが1次独立でないときtUi,U2,…  sUnはIK上1次従属で あるという。. 〔定義2.5〕体IK上のベクトル空間Vにおいて.   (1) Vにn個のIK上1次独立な元Ul,u2s…  tUnが存在する。   (2) Vのどんなn+1個の元もIK上1次従属である。 このとき,Vはn次元空間であるといい,dimV ・nとかく。また,V={0}のと. きdimV=0とする。 【命題2.6】Ul,u2s…  sUnを体IK上のn次元ベクトル空間Vにおける1次. 独立なn個の元とするならば,Vの任意の元xは   X= A iUi 十 A 2U2十 ’ ’ ’ 十 A nUn , A i,A 2, ’ ’ ・,A n( )K. と一意的に表される。. (証明は[2]p.37を参照). 〔定義2.7〕命題2.6の{UltU2s…  tUn}をVの基底といい,指,λ2,・ ・・. Cλnを基底{Ulsu2,・・㌔婦に関するxの成分という。. 【命題2.8】V,Wを体IK上の有限次元ベクトル空間とする。このとき,VとWが. ベクトル空間として同型であるための必要十分条件はVとWの次元が等しいこ とである。したがってtn次元ベクトル空間はすべてIK ’tと(体M上のベクトル 空間として)同型である。. 一一. @8一.

(13) (証明は[2]p.38を参照). 鉱 (1)cnはIR上の2n次元ベクトル空間である。. (2)HnはC上の2n次元ベクトル空間である。   HnはIR上の4n次元ベクトル空間である。 (3)M(n, IR)はIR上のn2次元ベクトル空闇である。. (4)M(n,C)はC上のn2次元ベクトル空間である。   M(n,C)はIR上の2n2次元ベク}ル空間である。 (5)M(n,M)はH上のn2次元ベクトル空問である。.   M(n,H)はC上の2n2次元ベクトル空間である。   M(n,H)は}R上の4n2次元ベクトル空間である。 (2)∼(3)については命題2.26を参照。. 〔定義2.9〕行列A ==(aCj)ξM(fi , IK)に対し,A=(atj)とおく。さらに,A. の転置行列をtAとかく。M(n,IK)の行列AがA+tA=0をみたすとき, lK一交代行列という。IK一交代行列の全体をAlt(n,IK)であらわす。.                            n(n 一1) 【命題2.10】(1)IR一交代行列の全体Alt(n,R)は,IR上の                                次元の.                             2 ベクトル空問である。.      (2)C一交代行列の全体Alt(n,C)は, IR上のn2次元のベクトル 空問である。.      (3)H一交代行列の全体Alt(n,H)Si, IR上のn(2n+1)次元のベ クトル空列である。 (証明は[1】p.39−p.40を参照).  なお,Alt(n,C),Alt(n,】H)1まC上のベクトル空間,あるいは旧上のベクト ル空間ではない。. 一9一.

(14) §3.ベクトル空間における内積 〔定義2.11〕IK nの2っの元X=(XltX2s・・◆tXn),y=(yl,y2f…  ,yn)に. 対して,IKの元〈x,y>を次の式で定義し,xとyの内積とよぷ。     <x,y>=xly垂十x2y2十…  +XnYn 【命題2.12】体IK上のベクトル空間}K nの任意の2元x,yの内積に関して,次 が成り立つ。ここでx,ヲ,〆qK鴇,λE}Kとする。  (1) 〈x,y> =〈y,x>.  (2)<X+X,fy>=<X,y>+<xt,y>  (3) 〈x,Ay>=〈x,y>A , 〈 ?t x,y>= A〈x,y>.  (4) 〈x,x>IO.  (5)〈XtX>=O ならば x=O (証明)(1)命題1.27より成り立つことがわかる。(2)∼(5)については.    [1】P.24を参照。                  (証明終). 〔定義2.13〕一般にVが体IK上のベクトル空間とし,VXVからIKへの写像 (x,y)→<x,y>が命題2.12の(1),(2),(3),(4),(5)を満たすとき<x,y>をxとy. の内積とよぴ,Vは内積が定義されたベクトル空間とよばれる。 〔定義2.14〕内積が定義された体IK上のベクトル空間の元xの長さII x llを 次の式で定義する。.      ll。ll=ノマ双ヲ 【命題2.15】内積が定義された体】K上のベクトル空間において以下の式が成り 立つ。.   (1) llxll le   (2) Ilxll =C o x==e.   (3) llλx鱒==1λ1翻x瞬.   (4)1<x,y>1≦ll x旧l y ll (Cauchy−Scheearzの不等式)   (5) ll x十y ll $ ll x II 十 ll y ll. (証明は[2】p.42を参照). 一一. P0一一.

(15) 〔定義2.16〕V,Wは共に内積が定義されたIK上のベクトル空間で,f:V→W. はベクトル空問の同型写像とする。もし任意のVの2元x,yに対し          くf(x),f(y)〉==<x,y>. が成り立てば,fはVとWの問の笠越像.とよばれる。そしてVとWは卸 量風型一であるという。. 〔定義2.17〕Vを内積が定義された体IK上のn次元ベクトル空間とする。 V の基底{el,e2,’…e。}が次の条件をみたすとき正規直交基底と呼ばれる。    (*) 〈et,ej 〉=“t」.       ただし,δLjはクロネッカーのデルタである。. 鮭  V=IKnで,Vの内積が定義2.11によって与えられたものとする。このとき             s.      e, =(o, ・・ ・・ ,o,1,0, ・・ 一,o). とおくと,{el,…■■・se。}はVの正規直交基底になっている。特に,この形を. した正規直交基底を標準基底という。. 【命題2.18】Vを内積が定義された体IK上のn次元ベクトル空間とする。この とき (*)の条件をみたすVの正規直交基底{elte2,・…e。}が存在する。 (証明は[2]p.43を参照).  以後,定義2.11で与えられた内積をもつベクトル空陶K“のことを泊然な内 積をもつ内積空間とよぶことにする。. 【命題2.19】V,Wは共に内積が定義されたIK上のベクトル空間とL, dimV =di raWとする。このときV,Wは等長同型である。特に任意の内積が定. 義されたIK上のn次元ベクトル空間は自然な内積をもつIK nと等長同型である。 (証明){e” .…ten}をVの正規直交基底,{e!,・・ 一 tent}をWの正規直交基底. とするとき,f(et)=e〆によりあたえられる準同型f:V→Wを考えれば,f. がVとWの問の等長同型写像になっている。          (証明終). 一一. @11 一一.

(16) 【命題2.20】IK=IR,CまたはHとする。 Wを体IK上の内積が定義されたベクト. ル空間Vの部分空間とする。このとき.                  v.      W={xξVI〈x,脚〉=O, ee∈W} とおくと,W’はVの部分空間である。 (証明)x,y∈W▲ならばWの任意の元eeに対し<x・一’ y s ec>:. <Xt・ee>一<ys・os>=O となる。ようてx−y∈W’となる。. 同様にx《W㍉λ司KならばWの任意の元wに対し<λ x, ec>=λ〈x,・ee>=. 0となりx∈W’を得る。これよりW’はVの部分空間である。   (証明終). 〔定義2.21〕命題2.20のW’をWのVにおける直鑓とよぷ。 【命題2.22】Vは内積が定義されたベクトル空間で,WはVの部分空間,W‘はW のVにおける直交補空間とする。このとき次が成り立つ。.   Vの任意のベクトルxはWの元xIとwaの元x2の和として一意的に あらわせる。このときV=W㊥Wi(直和)とかく。 (証明は[2]P.245を参照). §4. 固有値 〔定義2.23〕λがIKの元で,A《M(n,IK)に対して,xA :λxとなる0でな. い x∈IK nが存在するとき,λをAの固有値,ベク}ルxを固有値λに属する Aの固有ベクトルという。 【命題2.24】}K=IRまたはCとする。λがA∈M(n,IK)の固有値であれば,λは. n次多項式       fA(ξ)=d・t(ξ1−A)(1は・次の単位行列) の根である。 この多項式をAの固有多項式という。 (証明は[1]p.108を参照). 一一. @12一.

(17) 【命題2.25】liく=IRまたはCとする。 A∈M(n,iK)の固有多項式      fA( e )=det( 8 1 一A)=o. がIKで根λをもてば,xA =λxとなるOでないxE IKnが存在する。 (証明は[1]P.108を参照). 【命題2.26】嗣の元xはx=a+jb〈a,bGC)と一意的にかける。 (証明)x∈Hに対しx=a十bi十cj十dkとおくとx ・a十bi十j(c−di)となる ので,a+hi∈C ,c−di∈Cであることが分かる。また,一意性は次のように示さ れる。. x=a+jb=a’+jb’(a,b,a,,b’∈C)とする。ここでa=a+βi,b==γ+δ董, a’=a,+β’i・b,=γ’+δ’i(a・β・γ・δ・a’, B’,γ’,5’∈}R)とすると,.    a+Bi+j( 7+Oi)= a’+ B’i+j( 7’+ “’i). したがって,  a+βi+γ」一crk :at+β’1+γ’j一δ’k. となり,    a:at,β=β㍉γ=γ’,δ=δ’. したがって,      a=ai,b=bノ       を得る。よって x=a+jb(a,b∈C)と一意的にあらわされる。         (証明終) 〔定義2.27〕M(ns IR)やM(n,C)における積と同様に,A=(aij )∈M(n,H),.  B=(bj,)GM(n,泪)に対し,積ABを                ほ      AB=(Ct“),CtK=ΣaijbjK               j”t と定義する。. 【命題2.28】H 一一ベクトル空間HnからC一ベクトル空間C2“ への写像. f:Hn→C2nを次のように定義する。  f(a1十jb葦,a2十jb2,0 . .,an十jbn)==(a1,一b1,a2,一b2,. . ●,a臓,一bn). このとき,fは全単射であり,λ∈IRに対しf(λx)=λf(x)をみたす。さらに, 写像Ψ:M(n,H)→M(2n,C)を              ド  リロ  ロ ロのつ     Ψ((a・R+jbl・))一(ill:宝::i>.              ,              一 . 嚇騨 . 齢  一  〇’. 一  噂 . 一13一一.

(18) により定義すると,A,B《M(n,H)tX∈Mnに対して  (1) 31f(A+B)=W(A)十Ur(B)  (2) llr(AB)=IU(A)llf(B).  (3)Ψは単射である。  (4) igr(xA)==f(x)SV(A). が成り立つ。. (証明は[1]P.18 一’ P.19を参照). 〔定義2.29〕A《M(n,H)に対し,.     AB=BA=1(n次単位行列) を満たすB∈M(n,H)をAの逆行列とよぷ。 M〈n,H)の行列で逆行列をも つものを正則行列という。. 【命題2.30】A∈M(n,M)とする。このときAが正則行列であるための必要十 分条件は       det(Ilr(A))ptO. となることである。ここでΨは命題2.28で与えられたM(n,H)→M(2n,C) の写像である。. (証明は[1]p.19を参照). 〔定義2.31〕Vを】K上のベクトル空間とし,Wをその部分空回とする。このと. きIK一三同型写像φ:V→Vがsφ(W)⊂Wを満たすときWをφ一不変という。. 一14 一一.

(19)          第3章 位相空間 §1.距離空間 〔定義3。1〕集合Sの任意の2っの元x,yに対して,実数d(x,y)が一意的. に定まり,次の4っの条件をみたすとき,Sは距離dをもつ馬蹄とよば れる。 (1) d(x,y) 4  0 (2) d(x,y) == d(y,x). (3)d(x,y)≦d(x,z)+d(z,y) (三角不等式) (4) d(x,y) = e o x=y. 【命題3。2】定義2.11で与えられた内積をもつIK上のベクトル空間IK nの任意 の2元x,yに対して,距離d(x,y)を      d(x,y) == /〈 x−y ,x “y 〉. と定義すると,IKnは距離dに関して距離空間になる。 (証明は命題2.15より容易に分かる。). 以下,本論文では断らない限りIK nの距離は命題3.2で与えたdとしておく。. 〔定義3.3〕Sを距離dをもつ距離空間とする。x∈Sと正の実数rに対して,        Bs(x,r)={y( S 1 d(x,y)〈r}. を点xを中心にもつr欄球という。 なお,混乱がなければBs(x,r)をB(x,r)と書く。. 〔定義3.4〕S,Tを距離空間とする。 A⊂Sとし写像f:A→Tがつぎの条 件を満たすとき,fは点 a《Aで連続であるという。 ・Tにおける中心f(a)の任意のε一開球BT(f(a),e)に対して,δ>0 が存在して・A∩Bs(a・δ)の任意の点xに対してf(x)∈BT(f(a)・ε)とな る。. さらに,写像f:A→TがAの任意の点で連続であるとき,fはAで灘であ るという。. 一15一.

(20) 【命題3.5】S,T,Uは距離空間とする。 A⊂Sとし,写像f:A→T, g:f(A)→Uが連続であるとき,合成写像g。fは連続である。 (証明は[1]P.77を参照). 〔定義3.6〕Uc IKnとする。 Uの任意の点xに対して,B(Xsr)⊂Uとなる r>0が存在するとき,UはIK nの開集合とよばれる。. 〔定義3.7〕C⊂IK nとする。 Cの補集合Mn\CがIK nの開集合のとき,C をIK nの置旧という。 距離空間の例. A=(aij ), B∈M(n,IK)に対し.           れ      llAll=Σaij。ai」           i,j”t. とおくと,IIAII・IIBll≧IlABllが成り立つ。  更にM(R,IK)∋A,Bに対して距離d を          d(A,B)=llA−BII により定義するとM(n,IK)は距離空間である。以後,M(n,]K)の距離は断らな. い限り,このdを意味するものとする。. §2.連結性,コンパクト性 〔定義3.8〕D⊂IK nが次の条件を満たすとき,Dは連結とよばれる。 ・任意のx,y《Dに対して,γ(0)=x,γ(1)=yとなる[O,1]からIK nへの. 連続な写像γでγ([0,1])⊂Dとなるものが存在する。ただし, fO,1](=R=Riと考える。 このγをDにおけるxからyへの という。 【命題3.9】D(=Mnが連結で,写像f:D→IKmが連続なとき,f(D)は連結であ る。. (証明は[1]p.81を参照).                          1. 〔定義3.10.〕IKnの部分集合Wがある開球B(Xsr)に含まれるとき,Wは有 界であるという。                  一一16一一.

(21) 〔定義3.11〕IK nの部分集合Cが,閉集合でありかっ,有界であるとき,Cはコ ンパクトであるという。. 【命題3.12】CqK“がコンパクトで,写像f:C→iK nが連続であるとき,f(C) はコンパクトである。 (証明は[1〕付録P.184を参照). §3.誘導された位相 〔定義3.13〕WをIK nの部分集合とする。 U⊂Wで,U=V∩WとなるIK n の開集合Vが存在するとき,UをWの開集合という。 〔定義3.14〕W⊂IK nに対して,Wの開集合の全体をIK nからWに誘導された 位相という。.  誘導された位相をもつIK nの部分集合をIK nの部分位相空間という。 (定義3.15〕IK nの部分集合Wの開集合の族ti ・{U。、}caAに対してWの任意. の開集合がvの元の和集合であらわせるとき,ンをWの開集合の基という。. 〔定義3.16〕集合Sの元が自然数のある部分集合と1対1の対応がっけら れるとき,Sは可算集合であるとよばれる。. 【命題3.17】集合A,Bが可算であるとき,直積集合AXBも可算である。 (証明は[1]p.85を参照). 【命題3.18.】IK nは可算個の開集合からなる開集合の基をもつ。. (証明)}Kが可算個の開集合の基を持つので,命題3.17より }K ftは可算個の開. 集合の基を持つことが分かる。                (証明終). 一一. @17一.

(22) §4.n一多様体 〔定義3.19〕X,YをそれぞれIK ”, IK vaの部分位相空間とし,写像f:X→Yが. 全単射で,fおよびf “tが連続なとき,fをXからYへの厘幽團象という。こ のとき部分位相空間X,Yは風狙であるという。. 〔定義3.20〕Mを]Kmの部分位相空間とする。 Mの任意の点xがIR nの原点 を中心にもつある開山B(O,r)と同相なMの開集合に含まれるとき,Mをn一多. 様体という。このときMは次元がnであるという。 〔定義3.21〕R一多様体がコンパクトであるとき,n一三多様体という。 【命題3.22】N,Mをn一閉多様体とする。. N⊂Mで,Mが連結なときN=Mで. ある。. (証明は[1]P.88を参照). 〔定義3.23〕fをIR nの開集合Uで定義された実数値関数とする。 Uの各点に. おいて,fのr次までの各偏微分係数         bct’“’”+ctn f.                    (ai4e, a,十 ・・ 一十a.S r )        ( Dxi)ct‘ ・・ ・・ ( ax.)O‘n. がすべてUで存在して,しかもこれらがUにおいて連続であるとき,fをC「級. 関数とよぷ。さらにfがすべての正整数rについてC「級であるとき,fを. 蝋とよぷ。 〔定義3.24〕UをIRnの開集合とし,fをUからIRmへの写像とする。このとき         f(X) :(fi(X),””,f.(X)). をみたすUで定義された実数値関数fl,・… ,f。がちょうど一組きまる。この とき,各feがC。o級関数であるなら,f:U→IR vaは無限回微分可能であるという。. 〔定義3.25〕{U。、}Wtをn一多様体Mの開集合の族でM=冒U“となるものと. する。各U.からIR nのある開球B(x,r∂への同相写像ψ“が与えられてい るとき,(U.,ψ“)をMの座還血液といい,座標近傍の集合{(U“,ψ“)}(keAをM. の座擾璽傍丞という。. 一一. P8一一.

(23) さらに,pGU Ctに短し,ψ“(p) ・=(ip 。,且(p)t…㌔ψ傭(p))となるU.で定義さ. れる実数値関数ψ磁をU.での座標関数とよぷ。 〔定義3.26〕n一多様体Mの座標近傍系{(U“,ψ“)}(、,Aが次の条件を満たすも のとする。.    U“∩U,≠φならば,写像    ψべψ二:ψ。(U.∩Us)→ψ6(U.∩Uff)が無限回微分可能である。 このとき,Mは{(U。, ge Ct)}e、、EAにより可微分構造が与えられたといい,Mは. ntrrewpmasであるという。 〔定義3.27〕Mを可微分構造{(Ues ¢.)}蝋をもつtO・一可微分多様体としtPは. Mの点とする。fがpを含む開集合Uで定義された実数値関数で,次の条件を みたすとき,fはpで可微分であるという。 ・U∩U。≠φとなる座標近傍U。に対しf。ψ詣ψ。(U∩U。)→IR  がC。。級関数である。 〔定義3.28〕M,Nをそれぞれ可微分構造{(U供,ψ“)}轍,{(VB, gb rs)} fi、Bを. もつva・一可微分多様体fn一可微分多様体とし,gをMからNへの連続写像とする。. このとき,p∈Mに対しgが次の条件をみたせば,gはpで可微分であるという。 ・g(p)で可微分な任意の実数値関数fに対し,f。gがpでまた可微分となる。. gがMの圏点pで可微分なら,gは可微分写像とよばれる。 【命題3.29】M,Nをそれぞれ可微分構造{(U. ip .)}幽t{(Vβ,砺)}s《Bをも. つ  一可微分多様体sn一可微分多様体とし,g:M→Nを連続写像とする。この とき,次は同値である。.  (1)gは可微分写像である。.  (2)Mの任意の点pとg(p)を含むNの任意の座標近傍V,での各座標開数. φojに対しφ6」。gがpでC。。級関数である。 (証明)C。。級関数の合成関数がまた,C。。級関数となることに注意すれば容易 に分かる。. 〔定義3.30〕M,Nをそれぞれ可微分構造{(U鱒ψα)}蝋,{〈VB,φβ)} s《Bを. 一一. @19一.

(24) もつra 一一可微分多様体sn一可微分多様体とし,g:M→Nを可微分写像とする。 p∈Mに対し,p∈U“e,∼g>(p)∈V,となるα《A,β∈Bをえらび,座標関数. (φ61s・…,φ3n)をV,での座標関数とする。このとき命題3.29より,各        g」 = ¢s」 ‘y) ¢ &i(x,, ・・ ・・,x.). はφ ,,(p)=(ξ藍ヂ… ,ξn)==(ξ)の近傍でC。。級関数である。このとき. 一gl−1/1÷,;(e) ・・…・ 一ill一/1!7一: (si. rank. :. :. ll三(ξ)一{熱(ξ). はa∈A,β∈Bの選び方によらないことは容易に分かる。この値を可微分写像g. のpにおけるrankといい,rank(g)とかく。 〔定義3.31〕M,Nをそれぞれ可微分構造{(U“,ψα)}錨,{(Vfi,φ6)}B・Bを. もつr可微分多様体sn一可微分多様体とし,・y}:M→Nを可微分写像とする。 このとき,次がみたされれば,(M,‘)はNの部分多様体であるという。. (1)t:M→Nは.単射 (2)Mの任意の点pにおいて,rank(‘)=ra なおこのときt・ee≦nが成り立つ。. 一一. Q0一.

(25)           第4章  行ISi tJ群 §1.一・般線形群 【命題4.1】IK nを1K上のベクトル空間とする。写像φ:]K n→IK n, ge:IK n→IK n. がともにIK 一ft型写像であるとき,合成写像ψ・φもIK nのIK 一同型写像である。. 【命題4.2】IK nをIK上のベクトル空間とする。 IK一同型写像φ:IK n→IK nの全. 体は写像の合成に関して群をなす。 (証明)写像の合成については,結合法則が成り立つ。また恒等写像が単位元であ り,任意のIK一同型写像には逆写像が存在するので,IK一同型写像の全体は群をな. すことがわかる。                       (証明終) 〔定義4.3〕命題4.2の群をIK nの一般線形群といい,GL(IK n)であらわす。. 【命題4.4】左ベクトル空間IK nの基底B:{e”e2,…  ye.}に対して写像      ip B: G L OKn).M(n, IK ). を次のように定義する。  Of(・1)=斎・・e・のとき・ψB(f)=(・lj). e. 一. すなわち, ([1:」) :¢,(f)・. ■■○. e臓. このとき,次が成り立つ。 ( 1 ) gb B(fg)= ge B(g) sO B(f). (2)ψB騨射である・. (証明)(1)ψB(f)=(・・」)・ψB              (g)=(Ctj)とおく。 定義より.                れ              れ       れ. fg(ec)=f(9(ei))=f(ΣCt」e」 )=ΣCC」f(e」)== 2ct」(Σajkek).                」借1         jsl   岳昌1            j=1. 一21 一一.

(26)    ね  れ                                  れ.  =Σ、(濤・・婦・1これよりge B(f・)=噺」婦=ψB(・)ψBω  となることが分かる。.   (2)f≠gとする。f(x)≠g(x)となるxEIK nが存在する。ところが,命 題2.6よりx=λlel+・…+λ 。enと一意的に表されることから f(et)≠ 9(et)となるiが存在する。これよりψB(f)≠ge B(9)である・したがって. ge B騨射である・         (醐終) 【命題4.5】B={else2,・◆・ren}をIK nの基底とL,f《GL(IKn)とする。 A : ge B(f)で・・(IK nの{・1・““○…}に関す確標を(ξ”“.’・ξn)とする. とf(x)の{el,…  ten}に関する座標は         (e,,一一,e.)A. によって与えられる。 (証明)A=(atj)とする。 x=ξlel十・… 十ξ nenと表されるから,  f(x)=f(ξleI+・…+ξ .e。)=ξif(e…)+・…+ξ.f(e。)     ぬ                    り.  =ξ!(Σaij ej)+・… +ξn(Σan」e」)     js置              j・1.  =(ξla11+・… +ξnan1)e1+・… +(ξlaln+・… +ξnann)enとなるか. らf(x)の{els一・・sen}に関する座標は (ξla11十・…十ξ nani, ’…,ξlaln十・…十ξ総a…)=(ξ匪ジ…,ξn)Aで. ある。                        (証明終) 〔定義4・6〕命題4・4・におけるψBの像もIK上のn次“般線形群といい・ GL(n,jK)であらわす。.  すなわち, GL(n,IK)=ψB(GL(IKn))である。以後,基底Bが固定され ていると見なしてGL(n,IK)とGL(IK n)を同一視する。なおGL(n,IK)ほ基. 底の取りかたによらなV㌔ 【命題4・7】qをGL(n・ IK)の元とする。写像Lq:GL(n・IK)→GL(n・IK). をLq(X)霧qxで定義するとしqは同相写像である。. 同様に写像Rq:GL(n・IK)→GL(n・IK) を Rq(x):xqと定義するとRq. 一22 一一.

(27) は同相写像である。 (証明)x,y∈G L(n,IK)でqx=qyとする。このときq一塞∈G L(n, IK)であるか ら・=q’s(q・) :q’t(w)=(q”1q)yよってLqは単射である・またGL(R・M). は群であるから任意の元yに対してqy=xとなるx∈G L(n,IK)が存在する ので全射である。また行列の積のつくり方からLqは連続であることがわかる。 Lqの逆写像はLq−sであるので・L,1ま同相写像であることが分かる・Rqが同相 写像であることも同様に示される。              (証明終). §2.GL(n,}K)の部分群. 【命題4.8】IK nを自然な内積が定義されているIK上のベクトル空間とする。 このとき    O(n, IK )={A( G L (R, IK ) 1 〈xA ,yA 〉=〈x,y> ,x, yE IK” }. はGL(n,IK)の部分群である。. (証明は[1]p.26を参照). 【命題4.9】A《M(n,IK)とする。このとき以下の命題は同値である。    ( 1 ) A( O(n, IK ).    (2) 〈etA,ejA>= S‘ Lj .                        s.      ただし1≦i≦nに対し ei ==(Oゲ・,0,1,0,・・,0)とする。.    (3)Aは}K nの正規直交基底を正規直交基底に写す線形写像を引き起      こす。.    (4)Aのn個の行ベクトルはIK nの正規直交基底をなす。    (5)Aのn個の列べクトルはIK nの正規直交基底をなす。    (6) ’A :A−i    (7) ll xA ll =: II x II (VxE }Kn ). (証明は[1]P.27を参照). 一23一一.

(28) 〔定義4.10〕0(n, }R)をn次直交群といい,0(n)とかく。.       0(n,C)をn次ユニタリ群といい,U(n)とかく。.       0(n,H)をn次シンプレティック といい,Sp(n)とかく。.    さらに,IK=IR,Cのとき       SL(n, IK )={A( M(nt IK) 1 detA=1}.      をi灘という。    さらに,.    SO(n)=0(n)∩SL(恥R)を特殊直交群という。    SU(n)=U(n)∩SL(n, ]R)を特殊ユニタリ という。. §3.行列群. 〔定義4.11〕IR nの空でない開集合Uは次のように自然な座標近傍をもつ n一可微分多様体になる。.  p∈Uに対し,B(p,rp)⊂Uとなるrp>0が存在する。 p=(ξ!t・・gξn)とするとき,       go p: B (p, rp).B (O, rp). を∼ρp(Xls・…tXn)=(X1 一一 81s・’一,Xn 一一 8n)で定義すれば. {(B(p,rp),9p)} がUの可微分構造を与えていることは容易に分かる。.  この可微分多様体Uをユークリッド空間IRれの開部分多様体とよぷ。 【命題4.12】GL(n,IK)およびGL(n,}K)XGL(n,IK)はともにtユークリッ ド空間の開部分多様体で,しかも次の写像は可微分写像である。    #:GL(n, IK)×GL(n, IK) . GL(n, IK).             (A,B) 一. AB.    v:GL(n,M)→GL(n, IK).         A−A−i                   n2 (証明)IK ・IRのときdet:M(n, IR)ge R→}R(A→det(A))                                窪2 は連続写像であり{0}はRの閉集合である。よってdet“t({0})はIRの閉集                                                                       ほ. 合となる。これよりGL(n,IR)= IR\det’i({0})はRの開集合となる。こ. 一一一. Q4一.

(29) れより開部分多様体の構造をもつ。.  IK =Cのときも全く同様である。次に)K=Nのときは,命題2.28を用いて            4”2             =M(n,H)の開集合であることが示される。 同様にGL(n,旧)がIR           N ““h一. 一. 一一 .N                            2N                          N.                             の開集合であ また,一一般にU,Vが]Rの開集合なら,UXVはIR×IR= IR るからGL(n, IK)×GL(n,IK)があるユークリッド空間の開集合となること. も分かり,開部分多様体の構造をもっことが分かる。そしてμは座標音数の 多項式で与えられることから,可微分写像であることは明らかである。.  一方vほ多項式の商として与えられるが分母がGL(n,IK)では0にならな いことから,やは9可微分写像であることが分かる。      (証明終) 〔定義4.13〕GL(n,IK)の部分群Gが次の条件をみたすとき行列群とよばれる。  (1)Gは位相空間GL(n,IK)の閉集合である。  (2)Gはra一可微分多様体で, t:G→GL(n,IK)をt(p)=pで与えられる自 然な単射とするとき(G,‘〉は可微分多様体GL(n,K)の部分多様体である。 ・GL(n, IK)自身ほもちろん行列群である。. 【命題4.14】0(n, IK)は行列群である。. (証明)定義4.13の(1)は命題4.8より容易にしめされる。. (2)については,ここでは0(2)の場合のみ示す。     o(2) :s o(2)u ( 一3 2 )・ s o(2). と表される。したがってSO(2)が行列群であることを示せば,0(2)も行列 群であることが分かる。 (禮〉一(・・b)によりS・(2)・1・Si一{(・・b)1・・+b・一1}である・  U, ・Si一{〈O,1)},U2 =S一{(O,一1)}とおくと,U1tU2はSiの開集合で. あり,Si ・U,UU2となる。 UiがIRiと同相であることを示すkめに,写像φit 帆を次のように定義する。.              ¢t            U, = IRi (i=1,2)              ge t. 一25一.

(30)           2a                    4x 8. ただし・φ・(・・b)= P−b・ψ・(・):(4+.・・4+。・噛1)      ¢2(a,b)=fttb,¢2(x)=(44’{+5f,2’1−4’a,2). このとき,概,ψ‘は無限回微分可能であり,ψ‘φi ・1,φ,ge , =1なる関係を. を満たすことがわかる。.  以上から,SO(2)が1一可微分多様体であることがわかる。. さらに‘:SO(2)→GL(R, IR)を埋め込みとするとき(SO(2),t)が GL(2, IR)の部分多様体であることはφIsφ2の定義より容易に分かる。                                (証明終) 【系4.15】SO(n),SU(n)は行列群である。. (証明は命題4.14の証明と同様にできる。). 一26一.

(31) 第5章 指数写像と対数写像 §1.行列群の次元.  VをIR上のn次元ベクトル空問とする。 〔定義5.1〕IRの開区間(a,b)からVへの写像γ:(a,b)→Vが連続である とき,γをVの下腿という。 〔定義5.2〕γ:(a,b)→Vを曲線とL,点。∈(a,b)において,次のVのべク. }ルが存在するとき,γは。で魍饅という。            7 (c十h) 一一 7(c).         lim.         h.o h  このVの元が存在すれば,γ’(c)とあらわし,γのγ(c)における麹 という。. 〔定義5.3〕GをM(n,】K)に含まれる行列群とし,曲線γ:(a,b)→M(n,M)の. 像がGに含まれるとき,γはGの曲線であるという。 さらに σ:(aゐ)→M(fi , }K)もGの曲線ならば,2っの曲線γ,aの積を次の. 式で定義する。         (7a)(u) =7(u)a(u). ここで,右辺の積は行列としての積である。γσほ明らかにGの曲線となる。 【命題5.4】GをM(n,IK)に含まれる行列群とする。2っの曲線 γ,σ:(a,b)→G がともに c《(a,b)で微分可能ならば曲線の積γeも 。∈(a,b)で微分可能で,次の式が成り立つ。     (7 e )’ (c) 一一”= 7{e) 6’(e)十 7’(c) 6 (e). (証明は[1】P.36を参照). 〔定義5.5〕GをM(n,IK)に含まれる行列群とする。このときIRの0を含む任 意の開区間(a,b)で定義されたGの曲線γで,γ(0)=1(Gの単位元),かっ. γは0で徽分可能なものとする。このようなγ全体の築合をrとし, TG={γ’(O)1 YF∈「}とおく・. 次の命題5・6によりTGはM(n・jK)の部分空闇になるが・これをGの1にお ける接ベクトル空間とよぷ。                 一一 27 一.

(32) 【命題5.6】GをM(R,M)に含まれる行列群とし,TGは定義5.5で与えられた集. 合とする・このとき・TGはM(n・K)の部分空間である・. (醐)γ’(0)・a’(0)∈TGとする・このとき(γσ)(0)=γ(0)a(0). =1・1=1でしかも(γa)’(0)=γ’(0)a(0)十γ(0)σ’(0) =;γ’(0)+a’(0)となるので,TGは和に関して閉じている。 γ’(O)(TG・・∈}Rに対しe(u)=γ(ru)とおくと. σ〈0)=γ(0)=1,かっσは0で微分可能でat(0)=rγ’(0)となるので スカラー積についても閉じている・したカちてTGは定義2・2の(1)・(2)をみた しM(n, IK)の部分ベクトル空間であることが分かる。      (証明終). 〔定義5.7〕Gを行列群とするとき,Gの接ベクトル空間TGのIR上のベクト ル空間としての次元をGの次元とよぷ。 【命題5.8】Gを行列群とする。Gがra・一可微分多様体であるならば,Gの次元は thである。. (証明)Gの単位元1を含むGの座標近傍Uor−B(0,a)で1にB(O,a)の中心0 が対応するものをとり,Uにおける座標関数をg!t・… sSPmとする。このとき, tt:(一。,、)→B(o,。)をt、(、)一(o,....,k。,.....,。)により定義し,更に. IY t:(一a,a)→Gをγ,=gジ1。‘tとおく。ここで,g》:U→B(0,a),. g(p)=〈g1(p)t・…,争。(p))である。このときγLはGの曲線でγ,(0)==1.     ノ となD・7,(0)はTG(1)の元である・  しかも,接ベクトル空問の定義と定義3.30,定義3.31より容易に分かるように  ノ           ノ. γ,(0)・●●’●・γ・(。)がTG(1)の基底になる・これよりdi・TG(1)=・. を得る。                        (証明終) 【命題5.9】GをGL(n,IK)の閉部分群とする。もしGの1の近傍で,R「aの0. 一28 一一.

(33) の近傍と微分同相なものが存在するなら,Gは行列群をなす。 (証明)1の近傍でIR「aの0の近傍と微分同相なものが存在するので,命題4.7. よりGの任意の点の近傍でRmの0の近傍と微分同相なものが存在する。した がって,Gはm・’“可微分多様体である。更にGがGL(n,1K)の部分多様体である. ことも容易に示されるからGは行列群になることが分かる。(証明終). §2.指数写像と対数写像 【命題5.10】任意のAE M(n,IK)について,次の式は収束する。.          A2             A3 (*) 1+A+bl’ +一li’:一i一+’”. (証明)A=(ai」)とする。各ai」の絶対値で最大のものをmとする。. このとき,Akの各要素で絶対値の最大のものはnk㌔kをこえない。したがっ. てnm<E<Nとなるように,£,Nを選ぶと   1(*)の制+1項までの(i,j)成分1     閥 n k−1 la k   Q−1 nk幽1mk nQ一望加ΩN n拗.                 +一’re’2(                        )s          Sl+2  Sl+2     K司 kl    K薗1 kl                    s一=”                       £                  £l. となる。ここでN→◎◎とすることにより(*)の各成分は絶対収束すること がわかる。                              (証明終). 〔定義5.11〕命題5.10の式ので定まる行列をexp(A)であらわす。 【命題5.12】M(n,IK)の任意の元Aに対してexp(A)はGL(n,M)の元である。 (証明は[1]P.47を参照). 【命題5.13】A,B∈M(n,IK)がAB=BAをみたすとき,      exp(A十B)=exp(A)・exp(B)が弩弓立っ。. 一29一.

参照

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