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本工法 従来工法

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Academic year: 2022

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(1)

埋設型床版下面補強工法で補強された RC 床版の輪荷重走行試験による補強性能

山口大学 正会員 ○高海 克彦 村田 征也 株式会社アーテック 正会員 彌永 穂高 パシフィックコンサルタンツ株式会社 正会員 小沼 恵太郎

1.はじめに

我が国の道路橋は,供用年数50年以上が経過したものが急速に増え,自動車交通量や重量車両の増加と相 俟って,疲労損傷による劣化が顕著となっている.こうした損傷を受けた床版の補修および補強は,道路橋床 版の延命化には喫緊の課題である.

本研究では,RC 橋脚の耐震補強とひび割れ分散の両効果を有する埋設型橋脚耐震補強工法を基礎として,

それを床版下面へ適用する埋設型床版下面補強工法の開発を目的とし,輪荷重走行試験機を用いて補強効果の 検討を行った.

2.実験概要

2.1 埋設型床版下面補強工法

埋設型床版下面補強工法とは,図-1に示すように,残 留たわみやひび割れをなどの損傷を受けたRC床版の下 面かぶりの下地処理後,床版支間方向および床版支間直 角方向に補強筋を埋設するための溝を切削し,補強筋を 埋設後エポキシ樹脂で定着固定し,表面をポリマーセメ ントモルタルで被覆する工法である.本工法は,補強に よる床版重量増加の低減,被覆モルタルの浮きの発生抑 制,補強筋によるひび割れ分散性の向上,および繊維シ ート等の貼り付けや鋼板接着工法に対してコンクリート 中の水分の放出と目視確認性の確保を目指すものである.

2.2 供試体

RC 床版供試体は図-2 に示すように,橋軸方向

4500mm×橋軸直角方向2300mm×床版厚150mmとした.コン クリートは,呼び強度 27 のレディーミクストコンクリート,

かぶりを30mmとして鉄筋にはすべてD13を用いた.引張側 の配筋は,主力筋間隔120mm,配力筋間隔240mmであり,圧 縮側では,鉄筋間隔はいずれも240mmである.

2.3 実験方法

供試体に初期損傷(床版支間中央部において静的荷重載荷 時8mm,除荷時4mmのたわみ)を与えるため,初期の1万回 目までは100kNで,その後28万回目までは120kNの輪荷重

走行を行った.走行回数1万回までは1000回ごとに,それ以後は1万回ごとに当該荷重で静的載荷し,載荷 時と除荷時の床版支間中央におけるたわみ,床版支間方向の鉄筋ひずみの測定,および床版下面のひび割れを 観察した.初期損傷付加後,供試体下面を半分ずつ本工法と下面増厚工法(以下,従来工法)で補強を行った.

補強筋の配置図を図-3 に示す.図中の黒点は静的載荷点とたわみ測定点を表す.従来工法の補強では,D10 図-1 埋設型床版下面補強工法

250 1800 250

150 4500

250 1800 250

150 4500

図-2 RC床版供試体と輪荷重走行概念図

キーワード RC 床版補強,埋設型補強,輪荷重走行,疲労耐久性

連絡先 〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1 山口大学大学院理工学研究科 TEL0836-85-9348 埋設・定着溝

埋設・定着溝

既設床版面

既設床版面 被覆材

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑993‑

Ⅴ‑497

(2)

(SD345)の鉄筋を縦横26本ずつ格子筋と なるように施工した.一方,本工法では,

従来工法の補強筋とほぼ剛性が同じよう なるように中弾性の FRP 格子筋を用いた.

2週間の養生後,荷重120kNで輪荷重走行 を再開させた.補強後のたわみ,ひずみお よびひび割れ観察は,補強前と同様に行い,

また被覆モルタルの浮きを調査した.

3.実験結果

図-4 と図-5 にそれぞれ本工法と従来工 法による載荷時と除荷時のたわみを示す.

走行回数28万回までが補強前,それ以降

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55

たわみ(mm)

走行回数(万回)

除荷時 載荷時

図-4 走行回数とたわみ(本工法)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55

たわみ(mm)

走行回数(万回)

除荷時 載荷時

図-5 走行回数とたわみ(従来工法)

が補強後である.補強前は同じ床版構造であるが,載荷時に若干のたわみの差異が生じている.補強後24万 回まで載荷したが,大きな損傷には至らなかった.両工法とも補強後は,載荷時と除荷時のたわみが大きく抑 制され,たわみ増加率も小さいことが分かる.ど

れほど補強効果があったかを示すため,補強前と 補強後の最終たわみの比率をたわみ抑制率とする と,両工法とも載荷時に60%,除荷時には70%と なり,本工法は従来工法と同程度の補強性能を有 することが分かった.

図-6 に補強後の輪荷重走行試験終了時に床版下 面を観察したひび割れと浮きの発生状況のスケッ チを示す.斜め網線部が浮き,太線がひび割れで ある.図中の格子線は補強筋の位置である.本工 法では当初目的とした浮きの発生が抑制され,ま た,ひび割れ方向が床版支間に対して直角で,分 散されているのが分かる.

4.まとめ

(1)補強前後の床版たわみの抑制率から,本工法は剛性を高める上で従来工法と同程度の補強性能を有して いる.

(2)本工法は,浮きの発生を抑制し,ひび割れの分散性を有している.

25@75=1875

25@75=1875 2250

162.5

300 75

162.5

2200

75 25@75=1875 300 2250

本工法 従来工法

図-3 補強筋配置図

図-6 ひび割れと浮きの発生状況 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑994‑

Ⅴ‑497

参照

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