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176 2 HBV 複製と cccdna の意義 B 型肝炎を治癒させるためには supercoiled DNA の排除が必要である (Yokosuka, Hepatology 1984) 1 HBV HBs HBV HBs HB HB HBV genot

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Academic year: 2021

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はじめに  消化器・腎臓内科は旧第一内科から,腫瘍内科 へ,さらに消化器・腎臓内科へと名称の変遷を経 てきた教室で,私達が入局した頃には三輪清三教 授が退官され,奥田邦雄教授が主宰されておられ たが,大藤正雄教授,税所宏光教授に引き継がれ, その後,私が教授に就任させていただいた。  私達の教室では,最近では肝胆膵・消化管・腎 臓を中心に仕事をしてきたが,私自身は肝疾患を 中心に臨床・教育・研究をおこなってきたので, ここでは肝臓病疾患の「これまで」と「これから」 について,教室の仕事を交えて概説してみたい。  肝疾患は主としてB型肝炎ウイルス(HBV) やC型肝炎ウイルス(HCV)感染により,肝臓 の細胞に壊死炎症が起こることにより引き起こ される。本邦の肝疾患の約 6 割がC型肝炎,約 2 割がB型肝炎,残りがアルコールや脂肪性肝疾患 (NASH,NAFLD)などにより引き起こされる。 肝臓は沈黙の臓器ともいわれるように,病気が進 行しないとあまり症状が出ずに気づかれないこと が多く,そのまま放置すると,徐々に肝炎が進行 して,肝硬変に進展し,肝がんの発生がみられる。 本稿では,初めにB型肝炎,続いてC型肝炎,そ の他の肝炎などについて,最後に肝がんについて 述べたい。 Ⅰ.B型肝炎  B型肝炎ウイルス(HBV)の発見は1965年に遡 り,抗原抗体反応を用いて,Blumberg博士が, HBVの表面抗原をAustralia抗原として発見した ことに始まる。1970年には,DaneがB型肝炎ウイ ルスの本体である42nmの粒子を見出した。Dane 粒子はエンベロープとコアの二重構造となってい る。エンベロープは蛋白,脂質から構成され,脂 質膜の一部に糖蛋白が付着している。コアはHBc 抗原,ウイルス遺伝子,DNAポリメラーゼ/逆転 写酵素などより成り立つ。ウイルス遺伝子(HBV DNA)は,一部に一本鎖DNAをもつ約3,200塩基 対からなる環状二本鎖DNAであり,エンベロー プ蛋白をコードするpre-S/S遺伝子,コア蛋白 (HBc抗原)とHBe抗原をコードするpre-C/C遺 伝子,DNAポリメラーゼ/逆転写酵素などをコー ドするP遺伝子,X蛋白をコードするX遺伝子の

4 種類のopen reading frameが存在する。  HBVは肝細胞内に取り込まれる際エンベロープ が外れ,さらにコア粒子は核内へ移行する。その 際DNAは閉環状完全二本鎖DNA(cccDNA)と なり,これを鋳型としてRNAが合成される。この うちのプレゲノムRNAは逆転写されることにより DNAを合成し,HBVを複製する(図 1 )[1,2]。急 性肝炎の治癒後やキャリアの回復期においては, 血中にはHBs抗原や血中HBV DNAは検出され ないが,肝細胞の核内にはcccDNAの形でHBV DNAが残存するので,HBVは完全に排除された ことにはならない[3]。すなわち,HBVは一度感 千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学

Osamu Yokosuka. Past achievements and future perspectives on clinical medicine of liver diseases.

Department of Gastroenterology and Nephrology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba 260-8670. Phone: 043-226-2083. Fax: 043-226-2088. E-mail: [email protected]

Received August 18, 2016.

〔 最終講義 〕

肝疾患診療のこれまで・これから

横須賀   收 (2016年 8 月18日受付)

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染すると容易にはウイルスを完全に排除すること が難しいことが大きな問題点である。  HBVは,世界人口の約 3 分の 1 に当たる20億 人に感染の既往があり,HBs抗原陽性の持続感染 者も 3 億 5 千万人に上るといわれている。また, 毎年100万人以上もの人がHBVに関連した肝疾患 で亡くなっている。我が国のHBs抗原陽性者は HB免疫グロブリン,HBワクチンによる母子感 染の予防により,若年者では激減しているものの, 現在約90−100万人程度存在すると推定される。  HBVのgenotypeはAからHまでの 8 つに分類 され,日本におけるgenotypeは,genotype Cが 85%程度,genotype Bが10%程度とされ,沖縄 県や東北地方(特に山形県)ではgenotype Bの 割合が比較的高い。また最近では,都市部を中心 としたgenotype Aの性感染による急性肝炎が増 加しており,慢性化例も散見される。  HBVキ ャ リ ア の 経 過 はALT値,HBV DNA 量,HBe抗原の状態よりいくつかの病期に分け られる(図 2 )。これらの病期はHBVとヒト側の 免疫反応により変化するものと考えられる(図 3 )。「HBe抗原陽性無症候性キャリア期−免疫 寛容期」では,HBV増殖は活発であるがALT値 は正常で,組織学的にも正常か軽度の炎症に留ま る。「HBe抗原陽性慢性肝炎期」では,HBV排除 に働く宿主の免疫反応が起こり,肝炎が惹起され る。「HBe抗原陽性慢性肝炎期」が長期に続くと 肝硬変へ進行するが,多くの患者ではHBe抗体 へseroconversionし「非活動性キャリア期」に移 行する。一般にHBe抗原が陰性化すると,総じ て予後が良いと考えられてきたが,HBe抗原が陰 性にもかかわらず肝炎の持続する「HBe抗原陰性 慢性肝炎期」が存在する。この「HBe抗原陰性慢 性肝炎期」は,HBe抗原が抗体へseroconversion してもHBV DNA量が十分に低下せず慢性肝炎 が持続する場合や,一旦「非活動性キャリア期」 に移行した後に肝炎の再活性化を来たした病態で ある。HBV DNA量は中等量で変動し,間欠的に 強い肝炎を引き起こす傾向がある。我々は最近, 同じHBe抗原陰性でも,HBV DNA量の持続的 に少ない「非活動性キャリア」では予後はそれほ HBV 複製と cccDNA の意義 B 型肝炎を治癒させるためには supercoiled DNA の 排除が必要である。(Yokosuka, Hepatology 1984) 図 1 図 2 図 3

(3)

ど悪くないと考えられることを示してきた(投稿 中)。「非活動性キャリア期」を経過した後,一 部ではHBs抗原も陰性化し,「回復期」となる。 HBs抗原消失率は年率 1 − 2 %とされる。この時 期は,肝炎はなく肝発癌率も低いとされている。 しかし,高齢者や肝硬変においてはHBs抗原消 失例であっても肝発癌に対する注意が必要であ る。また,HBs抗原が陰性化しても肝細胞の核内 にcccDNAの形でHBVは残存するので,HBVが 完全に排除されたことにはならないことに注意し たい。  また,高度な免疫抑制を伴う治療による「回復 期」からの再活性化,すなわちDe novo肝炎が最 近問題となっている。De novo肝炎の発症率は免 疫抑制剤により異なり,抑制作用が強いほど起こ りやすい。特に,リツキシマブなどの使用が肝炎 の再活性化と有意に関連している。De novo肝炎 は免疫抑制により,HBV DNA量の増加が起こり, 免疫反応の増強により,増殖したHBVが免疫機 構により強く認識され,激しい肝炎が起こるもの である。  B型慢性肝炎の治療の目標は,HBVの完全排 除が困難な現時点では,ウイルス増殖を抑制し, HBV DNA量を一定量以下に抑制することによ り,B型肝炎を寛解状態に導き,肝硬変・肝不全 への進展や肝癌の発生を抑制し,良好なQOLの もとでの生存期間を延長させることである。肝硬 変,特に非代償性肝硬変においては,肝不全への 進展を抑制するために,検出感度以上あれば抗ウ イルス治療の導入が望ましいと考えられる。  本邦では1986年よりインターフェロン(IFN) 療法が導入された。IFNには抗ウイルス作用のほ か免疫賦活作用もあり,HBe抗原陽性慢性肝炎 に対してseroconversionを目標に用いられたのが 最初である。以後, 4 週間の短期投与が行われて きたが,投与期間が短いことから期待されたほど の効果は得られなかった。2000年からは24週間投 与が保険適応となり,また週一回の注射で良い PEG-IFNα製剤が認可され,治療成績も向上し ているが,それでもseroconversion率は 2 − 3 割 にすぎない。  B型肝炎の増殖経路には逆転写のステップがあ ることから逆転写酵素の阻害剤である核酸アナロ グ製剤としてはラミブジン(LAM),アデホビル (ADV),エンテカビル(ETV),テノホビル(TDF) の有用性が示されてきた(図 4 )。  2000年からはLAMが使用可能となり,B型肝 炎治療は大きく変化した。核酸アナログ製剤は 投与が簡単で,比較的副作用も少なく,IFNに比 べて普遍的に使用できる。しかし,LAMは耐性 株出現頻度が 5 年で60−70%と高く,また,中止 後のリバウンドの問題などがあり,さらに,一度 LAM耐性株になると,他の薬剤に対しても耐性 を獲得しやすくなるため,本邦では新規導入され ることはあまり無くなった。  2004年からはLAM耐性株に対してADVが併 用可能となった。ADVはLAM耐性株に対する 交叉耐性がないため,LAM耐性株に対しても治 療効果があり,LAMとADVの併用療法が推奨 されている。ADVの主な副作用として腎毒性が あるため,現在認可されている投与量では十分と はいえない欠点がある。  2006年からは新たな核酸アナログ製剤として ETVが認可された。ETVはLAMに比べ優れた 抗ウイルス効果を示し,耐性株の出現頻度も 5 年 で約 2 − 3 %未満と極めて低率であることから, 現時点では広く用いられている[4]。  また,ETVと並んで第一選択薬に位置付けら れているのがTDFである。2014年からB型肝炎 に保険認可されたTDFはADVに似た構造を有し ているが,腎毒性が少ないため,十分な投与量が 使用可能であり,高い抗HBV効果が期待できる。  核酸アナログ製剤は簡便に投与でき,副作用も 少ない,良い治療法であるが,長期間にわたり ኺӝ৴ǦǤȫǹᕤƷ଺ˊ ͌ࢍщȍǪȟȎȕǡȸDzȳ%Ტ࠰Უ ͌ǦȫǽȇǪǭǷdzȸȫᣠᲢ࠰Უ  U U  ;GCT ͌ǹȆȭǤȉᩉᏮၲඥƷإԓᲢ࠰Უ U ͌ݱ௷ᏙืᲢ Ტ࠰Უ Ტ࠰Უ Ტ࠰Უ ࠰Უ  ͌ȩȟȖǸȳᲢ࠰Უ ͌ǤȳǿȸȕǧȭȳᲢ࠰Უ䜰䝕䝩䝡䝹䜶䞁䝔䜹䝡䝹

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䝔䝜䝩䝡䝹 図 4

(4)

要なプロテアーゼ,ポリメラーゼ,NS5A蛋白の 阻害剤が開発されてきた。これらのプロテアーゼ 蛋白阻害剤をIFNやリバビリンと併用すること で,より短期間で,より高い抗ウイルス効果が得 られることが分かってきた。すなわち,テラプレ ビル,シメプレビル,バニプレビルといった薬剤 をIFNとリバビリンと一緒に使うことで,約70% の著効率が得られることが明らかになった(図 5 ) [8]。  その後,このようなウイルス増殖阻害剤(Directly Antiviral Agents-DAA製剤)を組み合わせるこ とで,IFNを使わなくとも(IFNフリー治療でも) HCVを消失しうることが明らかになった。NS5A阻 害剤とプロテアーゼ阻害剤の組み合わせを使うこ とで,約80%の症例で有効であるが,治療抵抗性 のウイルス変異株が存在する場合,その効果が弱 いことが問題であった。  その後,NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソフォスブ ビルが開発され,HCV Genotype 1 型にはソフォ スブビルとレヂパスビルの併用療法により,12週 間の治療で,例外的な症例を除きほぼ全例で著 効が得られることが明らかとなった[9]。また, HCV Genotype 2 型を対象としたソフォスブビル とリバビリン(SOF+RBV)併用療法の有効性 も明らかにされた[10]。初回治療例での著効率は, 全体で98%,前治療無効例に対しても,慢性肝炎 で96%,代償性肝硬変で89%であり,高い奏功率 である。SOFに対する耐性変異としては,NS5B 蛋白のS282T変異が知られているが,これまで 治験例では治療不成功例でこの変異は検出されて 投与を持続しなければいけないという問題があ る。投与をやめるために,核酸アナログ投与後に IFN治療を加えるなどの工夫がなされているが, cccDNAを減少させるような新しい製剤の開発が 望まれる。 Ⅱ.C型肝炎  C型肝炎は当初,非A非B型肝炎として検討 されてきた肝炎である。このC型肝炎ウイルス (HCV)は,肝炎の感染源と考えられる血液を濃 縮して,核酸を抽出し,その核酸をウイルスベク ターに組み込んで,蛋白を発現させ,発現した蛋 白と患者血液とで抗原抗体反応をさせ遺伝子断片 を見つけるという,遺伝子学的な手法で発見さ れた初めてのウイルスである。HCVは約60nm, 10kbのRNAウイルスである。HCVのǸ端には 構造タンパクが,C端寄りには非構造タンパクが 位置している。その後,その遺伝子断片から作成 された抗原抗体系を用いてHCV抗体の検出が可 能となったが,ほぼ相前後してPCR法でウイル スのHCV RNAを高感度に検出,また定量するこ とが可能になった[5]。  全世界には1.7億人のC型肝炎患者が,日本に は約100−200万人のC型肝炎患者がいると推定さ れている。日本ではGenotype 1bが約 7 割を占め, 1aは 少 数 で あ り,Genotype 2aが20−25 %,2b は 5 −10%を占めると推定される。C型肝炎はウ イルスに汚染された血液を介して感染するが,違 法な薬物の回し打ちや刺青などによる血液汚染に 気を付けることで感染を防ぐことができる。  我々は急性肝炎ではIFNの有用性が高いこと [6],2 型あるいは低ウイルス量の場合,IFNは 有効であることを示してきた[7]。しかしながら, Genotype 1 かつ高ウイルス量の症例ではIFN単 独では約 6 %と有効率が低かった。その後,抗ウ イルス剤のリバビリンを使うことで,また48週の 長期治療を行うことで,約50%の著効が得られる ことが示されてきた。その後,ヒトのIL28B遺伝 子(IFNλ関連遺伝子)の変異がこの治療法の効 果に関わることが明らかとなった。また,この間, 培養細胞にHCVを感染させることで,ウイルス の増殖経路が明らかになり,ウイルスの増殖に必 ᵡ׹ॸࣱᏁ໒඙ၲỉᡶഩ (䝆䜶䝜䝍䜲䝥㻝㼎䞉㧗䜴䜲䝹䝇㔞 ึᅇ἞⒪౛䛻䛚䛡䜛ⴭຠ⋡) 6 % 20% 24% 43% 59% (%) IFN䃐 -2a IFN䃐-2b +RBV PEG䃐 -2a PEG䃐-2b +RBV PEG䃐 -2a +RBV 73% 88.6% 100 80 60 40 20 0 SMV /PEG /RBV TPV /PEG /RBV 1992 2001 2003 2004 2007 2011 2013 89.1% 100% 94.2% DCV

/ASV /SOFLDV OBV/PTV /r 24w 24w 48w 48w 48w 24w 24w 24w 12w 12w

2014 2015 2015 図 5

(5)

Ⅳ.肝がん  このようにC型肝炎の大多数の症例でHCV が排除可能になり,また, B型肝炎においても, HBVのコントロールが可能となり,肝炎の鎮静 化が可能となった。我々はウイルス著効後には, 肝がんの発生は低下することを示しているが,皆 無ではなく今後も発生することが想定される(図 7 )[12]。患者が老齢化することで,遺伝子に異 常が蓄積して癌化した細胞が増加し,また免疫機 能の低下のために,これらの癌化細胞が排除しが たくなり,肝発がんに至る可能性が考えられる。 近年,非B非C肝癌が増加しており,メタボリッ ク症候群や糖尿病,アルコール性肝障害の増加と 相まって,今後も増加傾向が続くと考えられる。  肝癌の予後に関しては,恩師である奥田邦雄教 授が肝機能と肝がんの進展度の双方によることを 示して以来,世界的にも同様の趣旨の分類に基づ いて治療法が選択されている。比較的小さな肝癌 いない。このように,Genotype 1 型や 2 型に対 するIFNフリーの治療は高い効果がみられるが, 腎障害患者や進行した非代償性肝硬変患者への治 療が今後の課題である。 Ⅲ.自己免疫性肝炎・NASH・門脈圧亢進症  我々は,急性肝障害のうちでも予後の悪い,劇 症肝炎の原因についても,検討を行っているが, 特にこれまで原因不明であった劇症肝炎の多くに 自己免疫性肝炎の関与があることや診断における AIH scoreの有用性を明らかにしてきた(図 6 ) [11]。また,自己免疫性肝炎では組織学的に不規 則性がみられることが,画像所見の不規則性の原 因であることが推測され,診断に有用であること を示してきた。肝再生の在り方が,予後を示すも のと考えられ,CK7 などの染色の有用性につい ても検討している。  近年,栄養の過多によるメタボリック症候群, 糖尿病などによる,脂肪肝・脂肪肝炎が問題であ り,日本人の人口の約 2 割が脂肪肝ともいわれて いる。今後も多くの患者が脂肪肝から脂肪肝炎へ, さらには肝硬変へと進展し,肝がんの発症が問題 になると考えられるが,肝がんを発症する患者の 囲い込みが難しいなどの問題が残されている。  また,我々は門脈圧亢進症に関しても,画像や ドップラーを用いた血流計測の面から多くの研究 を行ってきたが,本稿では紙面の都合上割愛させ ていただく。 図 6 図 8 図 7 HBV acquired 30% HAV 5% HBV carrier 12% Drug 12% AIH 29% Unknown 12% (2000-2009, n=41) (1990-1999, n=54) HBV acquired 32% HAV 9% HBV carrier 13% Drug 13% AIH 6% Unknown 26% HEV 2% HBV acquired 32%

(Fujiwara, Yokosuka, et al. Hepatol Int 2011)

p=0.002

p=0.08

1999 AIH scoring system

Etiology of fulminant hepatitis (Chiba University) ᵆᵷ ᶍ ᶑᶆ ᶇᶂ ᵿ ᴾᵦ ᵊ ᴾᶃᶒ ᴾᵿ ᶊᵌ ᴾᵟ ᵬ ᵬ ᵟ ᵪᴾᵧ ᶌ ᶒ ᴾᵫ ᶃᶂ ᴾᵏᵗᵗᵗᵇ

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(6)

 B型肝炎と肝発がんについても,我々は検討し てきたので,その関連に触れてみたい。B型肝炎 ウイルスは東南アジアを中心に広く感染がみら れ,感染多発地域と肝癌発生地域が重なることか ら肝癌の主要な原因であることは疫学的に示され ているが,その発癌機序の全容は未だ解明され ていない。台湾における疫学的な検討からHBV DNA量が多いほど累積発癌率は高く,肝癌の危 険因子であることが示されている。ウイルス量が 少ない場合でもHBs抗原量が高い場合は肝癌の 危険が増加することが示されている。我々の検討 では,ジェノタイプCはBよりも肝癌の危険が高 く,ジェノタイプCで高頻度にみられるコアプロ モーター領域のA1762T/G1764Aの変異は肝癌例 で多くみられる[15]。1762/1764変異はプロモー ター活性へ影響しHBe抗原の産生低下やウイル ス複製と関連することがわかっている。さらに同 部位はHBxとオーバーラップしており130/131番 アミノ酸の変異を起こす。またT1753変異やエン ハンサーⅡ領域のC1653Tが肝癌と関連すること を示してきた。  HBV DNAがヒトゲノムに組み込まれることは よく知られており肝癌では90%程度で組み込みが 認められる。組み込みにより宿主染色体の不安定 性が増加し,遺伝子の重複や欠失,転位などを生 じやすくなると考えられている。また組み込み近 傍の遺伝子の発現を変えたり,近傍の遺伝子と融 合タンパクを形成し機能異常を引き起こしたりす ることが確認されている。hTERTへの組み込み によりテロメア活性が亢進し細胞増殖が促進され ることなどが報告されている。  ウイルス側の組み込み端としてはHBx末端や preC領域に多くみられている。組み込まれてい るウイルスの配列はHBx領域やpreS2/S領域が 報告され[16],これらはいずれも発癌との関連が 指摘されているウイルス蛋白である。  HBVと発がんの関連についての検討から想定さ れるHBVの発癌機序を図 9 に示す。B型肝癌はC 型肝癌と同様にその原因として炎症が重要な役割 を果たしている。しかしながら,HBVではヒトゲ ノムへの組み込みやHBxタンパクなどが肝発癌の 病態に関与する結果,他の原因による肝癌と遺伝 的に異なる特徴を形成すると考えられる。 は肝切除やラジオ波焼灼治療(RFA)により治 療が行われているが,中等度の肝癌は経血管的化 学塞栓療法(TACE)による治療が主流になって いるものの,治療法の選択に難渋することが多く, 今後の問題である。教室ではRFAやTACEを行 い肝がんの治療に努め(図 8 ),ある程度の成績 を修めてきたが,肝炎という発がんの母地が残さ れていたために,長期の成績が不良であったと考 える。今後は,C型肝炎,B型肝炎の治療により, 肝機能は改善がみられるであろうが,問題は進行 した肝がんの治療を如何にすべきかである。  VEGF,RAFの阻害薬であるソラフェニブが 2008年に認可されて以来,スニチニブなど肝がん に対する新しい抗ガン剤の開発はことごとく失 敗に終わっていたが,最近我々もglobal治験に加 わった新しい抗ガン剤が有効であるというデー タが示された(投稿中)。また,レチノイドや免 疫チェックポイント薬である抗PD-1 抗体や抗 CTLA4 薬の有効性が示されてきており,今後さ らに肝がんの治療効果は改善すると思われる。  肝癌は多種多様な遺伝子異常が関与し多段階の 発癌プロセスを経て形成される癌である。長期に 持続する炎症と線維化の進展が肝発癌において中 心的な役割を果たす。肝の炎症と再生の繰り返し は酸化ストレスを誘導し,細胞周期を促進させ, DNA損傷を生じやすくすると考えられる。近年, 肝がん組織などを用いて,遺伝子発現プロファイ リングや全ゲノムシークエンスなどによる網羅的 な遺伝子解析が行われている。βカテニンなど の遺伝子異常に加えて,ARIDファミリー遺伝子 やMLLなどのクロマチン制御に関連する遺伝子 の異常,h-TERTの異常が多くの症例で見られる など,肝がんの遺伝子異常の特徴が明らかになり つつある。その結果,肝癌の原因(ウイルス性/ 非ウイルス性など)の違いや共通性,癌部と非癌 部の比較,経時的な検討ができるようになった。 教室においてもエピジェネテックな変化や癌幹細 胞の検討を行っており,いろいろな薬剤の治療応 用について検討しているが,まだ克服すべき道は 遠いと言わざるを得ない[13,14]。しかしながら, 今後個々の肝がんの遺伝子異常に応じたテーラー メイドの分子標的治療法が開発されてくるものと 確信している。

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12) Yoshida H, Shiratori Y, Moriyama M, Arakawa Y, Ide T, Sata M, et al. Interferon therapy reduces the risk for hepatocellular carcinoma: national surveillance program of cirrhotic and noncirrhotic patients with chronic hepatitis C in Japan. IHIT Study Group. Inhibition of Hepatocarcinogenesis by Interferon Therapy. Ann Intern Med 1999; 131: 174-81.

13) Chiba T, Kita K, Zheng YW, Yokosuka O, Saisho H, Iwama A, et al. Side population purified from hepatocellular carcinoma cells harbors cancer stem cell-like properties. Hepatology 2006; 44: 240-51. 終わりに  以上,これまでの肝疾患の研究の流れについて 述べてきたが,C型肝炎は今後殆どの症例が治癒 されてくるものと考えられ,B型肝炎は殆どの症 例がコントロール可能となるが根治には今後の さらなる検討が必要である。肝がんはウイルス を抑え込むことが出来ても,高齢化や非B非Cの NASH,NAFLDにより今後も当分の間,発症予 防や治療が困難な時期が続くと考えられる。  教授就任以来,千葉大学安全衛生機構長今関文 夫教授,教室の講師の先生方を中心とした若い先 生方の努力により,また看護師長はじめ,多くの 医療スタッフに支えられて,外来患者数,入院患 者数共にこれまでより増やすことが可能であり, 研究でも多くの論文を出すことが可能であった(図 8 )。教育では露口利夫,丸山紀史,神田達郎,新 井誠人,千葉哲博講師のもとに,多くの多士済々 な若い先生方が育ちつつあるものと考えている。 稿を終えるに当たり,記して感謝したい。 文  献

1 ) Yokosuka O, Omata M, Imazeki F, Okuda K. Active and inactive replication of hepatitis B virus deoxyribonucleic acid in chronic liver disease. Gastroenterology 1985; 89: 610-6.

2 ) Yokosuka O, Omata M, Imazeki F, Ito Y, Okuda K. Hepatitis B virus RNA transcripts and DNA in chronic liver disease. N Engl J Med 1986; 315: 1187-92.

3 ) Yokosuka O, Omata M, Imazeki F, Okuda K, Summers J. Changes of hepatitis B virus DNA

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(8)

genotypes on the progression of chronic type B liver disease. Hepatology 2003; 37: 19-26.

16) Zhang KY, Imazeki F, Fukai K, Arai M, Kanda T, Mikata R, Yokosuka O. Analysis of the complete hepatitis B virus genome in patients with genotype C chronic hepatitis and hepatocellular carcinoma. Cancer Sci 2007; 98: 1921-9.

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15) Sumi H, Yokosuka O, Seki N, Arai M, Imazeki F, Kurihara T, et al. Influence of hepatitis B virus

参照

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