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前 期 日 程 令 和 # 年 度 入 学 試 験 問 題 理 科

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(1)

前 期 日 程

令 和 # 年 度 入 学 試 験 問 題

理 科

注 意 事 項

1.試験開始の合図があるまで,この問題冊子の中を見てはいけません。

2.解答はすべて別紙解答用紙に記入しなさい。

解答用紙は全科目を組み合わせてあるので,その中から自分が選択した科目 だけを取り出して解答しなさい。

解答用紙は,物理$枚,化学%枚,生物%枚,地学$枚です。

3.各解答用紙には,受験番号を記入する欄がそれぞれ"箇所あります。"箇所 とも記入しなさい。

4.試験終了後,選択した科目の解答用紙のみ回収します。

問題冊子及び選択しなかった問題の解答用紙は持ち帰りなさい。

理 科 問 題

物 理 ! 〜 &ページ 化 学 ' 〜 17ページ

生 物 18 〜 27ページ 地 学 28 〜 38ページ

◇M4(380―59)

(2)

"ページの図!のように,点Oに一端が固定された長さ〔m〕の軽い糸に質量l m〔kg〕の小球が取り付けられている。点Oの真下で距離 $

& lだけ離れた点Pに細

い釘を取り付ける。糸がたるまないように糸と鉛直線のなす角度がα〔rad〕となる 点Aの位置に小球を静止させる。小球を静かに放すと,点Oの真下で距離lだけ 離れた点Bを通過した瞬間に,糸は点Pの釘に触れ,その後,点Pを中心にして 運動する。小球は鉛直線と糸のなす角度がβ〔rad〕となる点Cまで振れ,再度,

点Aまで戻る往復運動をする。αβは十分小さく,糸と釘との間の摩擦,空気 抵抗は無視できるものとする。重力加速度をg〔m/s〕として,以下の問いに答え よ。

問 1 点Aで小球を静かに放してから,はじめに点Bを通過する瞬間までにかか る時間T〔s〕を求めよ。

問 2 点Aで小球を静かに放してから,はじめに点Aに戻ってくるまでにかかる 時間を,Tを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 3 β

α の 値 を 求 め よ。必 要 で あ れ ば,角 度θ〔rad〕に つ い て 成 り 立 つ 公 式

!−cosθ="sin θ

" ,θが非常に小さいときに成り立つ近似式sinθθ

用いてよい。計算の過程も記せ。

"ページの図"のように,釘の位置を点Oの真下で距離 #

% lだけ離れた点Q に固定した。糸がたるまないように小球を点Oと同じ高さの位置A′に静止させ,

静かに放したところ,小球の位置が点C′に到達した直後に糸がたるみ始めた。こ のとき,QC′が水平となす角度をθ〔rad〕,点 C′における小球の速さをv〔m/s〕と する。以下の問いに答えよ。

問 4 小球が点Bを通過した直後の糸の張力を,m,gを用いて表せ。計算の過程 も記せ。

物 理

― 1 ― ◇M4(380―60)

(3)

問 5 θを求めよ。計算の過程も記せ。

問 6 vを,glを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 7 小球が点C′を通過後,小球の運動として正しいものを次の選択肢から選 べ。また,その理由を述べよ。ただし,糸がたるんだ後に,小球の運動に糸は 影響しないものとする。

 小球の最高到達点の高さは点Oよりも高い。

 小球の最高到達点の高さは点Oと同じである。

 小球の最高到達点の高さは点Oより低い。

O

A

B

C l P

α 9  l 5

β

図!

O

Q

B l

7  l 3

θ0

A 

C 

図"

― 2 ― ◇M4(380―61)

(4)

#ページの図!のように,起電力E〔V〕の直流電源E,抵抗値Ra Ω〕,Rb Ω〕の

抵抗Ra,Rb,電気容量C〔F〕,Ca 〔F〕のコンデンサーb Ca,Cb,および接点a,b をもつ切り換えスイッチSからなる回路がある。はじめ,コンデンサーに電荷は 蓄えられておらず,スイッチはどちらの接点ともつながっていなかった。電源の内 部抵抗,および回路を構成する導線の抵抗は無視できるとして,以下の問いに答え よ。

問 1 スイッチSを接点aに入れた直後に回路を流れる電流〔A〕を求めよ。さらI に,十分に時間が経過した後,Caに蓄えられた電荷量Q〔C〕と静電エネルa

ギーUa J〕を,Ca,Eを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 2 次に,スイッチSを接点aから接点bに切り換えた。十分に時間が経過し た 後,Cbに 蓄 え ら れ た 電 荷 量Q〔C〕とb Cbの 極 板 間 の 電 圧V〔V〕を,Cb aCb,Eを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 3 次に,スイッチSを再び接点aに切り換え,十分に時間が経過した後,接 点bに切り換えた。十分に時間が経過した後,Cbに蓄えられた電荷量Qb〔C〕′ とCbの極板間の電圧Vb〔V〕を,C′ a,Cb,Eを用いて表せ。計算の過程も記 せ。

問 4 前問までで,スイッチSを接点aに接続し接点bに切り換えるという操作

を"回行った。引き続き同様の操作を行い,第n回目の操作が終了したとき

にCbの極板間の電圧をV〔V〕とす る と,Vn n+1EkVnE)が 成 り 立 つ。比例定数kを,Ca,Cbを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 5 Vnを,Ca,Cb,E,nを用いて表せ。計算の過程も記せ。さらに,この操 作を無限回行ったときにVnがどのような値になるか説明せよ。

― 3 ― ◇M4(380―62)

(5)

b a

S

E

R  

a

R  

b

C 

a

C 

b

図!

― 4 ― ◇M4(380―63)

(6)

$ページの図!のように,片側の閉じたピストンつきのシリンダーを水平に固定 する。シリンダーの左端の壁を通じてのみ熱の出入りがあり,シリンダーの側面お よびピストンを通して熱の出入りはない。シリンダーに単原子分子Aからなる理 想気体!molを入れた。初期状態において気体の温度はT〔K〕,気体の圧力は大気

P〔N/m 〕であった。気体の圧力を一定に保ったまま,熱源から気体に熱量を ゆ っ く り と 加 え た と こ ろ,気 体 の 温 度 はT〔K〕と な っ た。気 体 定 数 を

R〔J/(mol・K)〕とする。ここで,ピストンの質量は無視でき,ピストンはシリン ダー内をなめらかに移動できるものとする。以下の問いに答えよ。

問 1 初期状態の気体の内部エネルギーU〔J〕を求めよ。

問 2 気体の温度がTからTへ変化する間に,気体が外部にした仕事W〔J〕を求 めよ。

問 3 熱源から気体に加えた熱量Q〔J〕を,R,T,Tを用いて表せ。

問 4 分子Aの気体の定圧モル比熱を,Rを用いて表せ。

次に,同じピストン付きのシリンダーに単原子分子Aより小さい質量を持つ単 原子分子Bからなる理想気体!molを入れた。初期状態の気体の温度はT〔K〕で

気体の圧力は大気圧P〔N/m 〕であった。気体の体積を一定に保ったまま,熱源か ら気体に,問#と同じ大きさの熱量Qをゆっくりと加えたところ,気体の温度は T〔K〕となった。以下の問いに答えよ。

問 5 分子Aの気体と分子Bの気体が初期状態にあるとき,分子Aと分子Bの平 均"乗速度をそれぞれv〔mA /s〕,v〔mB /s〕とする。等号または不等号を用 いてvAvBの関係を示せ。また,その理由を述べよ。

― 5 ― ◇M4(380―64)

(7)

問 6 分子Aの気体と分子Bの気体が初期状態にあるとき,それぞれの体積を V〔mA 〕,V〔mB 〕と す る。等 号 ま た は 不 等 号 を 用 い てVA,VBの 関 係 を 示 せ。また,その理由を述べよ。

問 7 分子Bの気体の定積モル比熱を,Rを用いて表せ。

問 8 加熱された後の分子Bの気体の温度Tは,分子Aの気体の温度Tよりも 高かった。その理由を述べよ。

気体

シリンダー

大気圧

ピストン 熱  

図!

― 6 ― ◇M4(380―65)

(8)

ガラス板の片面に"cmあたり数百〜数千本の細い平行な溝をつけ,隣り合う溝 の間の部分がスリットの役割を果たすのが回折格子である。このスリットの間隔を 格子定数という。%ページの図"のように,格子定数d〔m〕の回折格子からL〔m〕

離れた位置にスクリーンを置く。回折格子に,波長λ〔m〕の単色光を垂直に入射す ると,スクリーン上に等間隔の干渉縞が観察できた。その間隔をΔ〔m〕とする。x 以下の問いに答えよ。ただし,スクリーンは回折格子から十分に離れているとす る。

問 1 入射光の光軸からθの方向に進む光が強め合う条件を,d,λ,mを用いて 表せ。ただし,mを!以上の整数とする。

問 2 Δxを,d,λ,Lを用いて表せ。計算の過程も記せ。

問 3 λ=5.30×10−7m,L=2.00×10−1mの と き,Δx=3.20×10−2mで あった。回折格子の格子定数を有効数字$桁で求めよ。計算の過程も記せ。

平板ガラスを水平に置き,さらにその上に長方形の平板ガラスを置く。一方の端 に薄いアルミ箔を挟んで,ガラス板の間にくさび型の空気層を作る(%ページの 図#に断面図を示す)。#枚のガラス板が接している辺から,挟んだアルミ箔まで の距離をH〔m〕とする。鉛直上方から波長λ〔m〕の単色光を入射すると,等間隔の′ 平行線状の干渉縞が観察できた。以下の問いに答えよ。

問 4 ある位置での空気層の厚さをh〔m〕として,その位置での上側のガラスの下 面で反射した光(経路A)と,下側のガラスの上面で反射した光(経路B)が互い に強め合う条件を,h,λ′,mを用いて表せ。ただし,mを!以上の整数とす る。また,経路Aの反射では光の位相は変化しないが,経路Bの反射では光 の位相はπずれる。

― 7 ― ◇M4(380―66)

(9)

問 5 λ′=5.90×10−7m,H=5.00×10−2mの と き,明 線 の 間 隔 は 1.00×10−3mであった。アルミ箔の厚さD〔m〕を有効数字#桁で求めよ。計

算の過程も記せ。

θ θ θ

θ 回折格子付近の拡大図

スクリーン

L d

回折格子 単色光

(波長 λ)

図!

アルミ箔

ガラス板 ガラス板

単色光

(波長 λ′)

H

h D

図"

― 8 ― ◇M4(380―67)

(10)

次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

試薬ビンに入った水酸化ナトリウムは,長期間保管しておくと,空気中の二酸化 炭素を吸収し,一部が炭酸ナトリウムとなって存在している。それぞれの物質の質 量を調べるために,次の実験を行った。ただし,乾燥した条件で保管しているため 空気中の水分による潮解,および二酸化炭素の吸収により発生する水分は無視でき るものとする。

(実験!) 十分に乾燥した無水炭酸ナトリウム5.30gを正確に量りとった。

少量 の水を入れたビーカーの中でガラス棒を用いてよくかき混ぜながら溶解し た後,ろうとを使って!Lのメスフラスコに移し替えて,さらに水をつぎ 足し正確に!Lとした。

(実験") 液体を吸ったり吐きだしたりするために,ゴム球(安全ピペッター)を上

部に取りつけたホールピペットを用いて濃塩酸10mLを!Lのメスフラ スコに入れ,水をつぎ足し正確に!Lとした。

(実験#)(実験!)で作製した炭酸ナトリウム水溶液10mLをホールピペットを 用いて ア ビーカーにとり,指示薬 イ 溶液を

"〜#滴加え た。一方,(実験")で作製した希塩酸でビュレットの内部をすすいでか ら,ビュレットに希塩酸を満たした。水溶液をかき混ぜながら,ビュレッ トを用いて希塩酸を滴下した。溶液がいったん変色したところで滴定を中 止し,

ガスバーナーで煮沸すると元の色に戻った。その後,再び変色する まで滴定を続けた。変色するのに要した塩酸の全量は8.35mLであった。

(実験$) 上記の試薬ビンから試料を約"gとり,ビーカー中で少量の水に溶解し た後,500mLのメスフラスコ中で,正確に500mLとした。

化 学

以下の問題で原子量の値が必要ならば,次の数値を用いよ。

H=!,C=12,N=14,O=16,Na=23,Cl=35

― 9 ― ◇M4(380―68)

(11)

(実験$)(実験#)で作製した試料の水溶液20mLをホールピペットを用いて ア ビーカーにとり,指示薬 ウ 溶液を!〜"滴加えた。水 溶液をかき混ぜながら,(実験")で濃度を決定した希塩酸をビュレットか ら滴下した。溶液が変色するのに要した希塩酸の量は15.45mLであっ た。

(実験%) 引き続いて,この溶液に指示薬 イ 溶液を!〜"滴加えた。その 後,再び希塩酸を滴下した。(実験")で行ったのと同様の煮沸操作をし,

最終的に溶液が変色するのに要した追加分の希塩酸の量は0.95mLで あった。

問 1 文中の空欄 ア に適切な語句を, イ , ウ に適切な化 合物名を記せ。

問 2 下線部について,濃度を正確に求める分析であることから,溶液を移し替 える際にどのような操作を行う必要があるか説明せよ。

問 3 下線部について,指示薬の分子は溶液中のHイオンが脱着することによ り,色調が変化する。これに関連して,指示薬を少量しか加えてはいけない理 由を説明せよ。

問 4 下線部について,いったん変色した溶液をガスバーナーで煮沸すると元の 色に戻る理由を,中和の化学反応式を示して説明せよ。

問 5 (実験")の実験結果から,希塩酸の濃度〔mol/L〕を有効数字"桁で計算せ よ。計算の過程も記せ。

問 6 (実験$)で観測される中和の化学反応式をすべて記せ。

問 7 (実験#)で試薬ビンからとりだした試料の中に含まれる水酸化ナトリウムと 炭酸ナトリウムの質量〔g〕を,それぞれ小数第!位まで計算せよ。計算の過程 も記せ。

― 10 ― ◇M4(380―69)

(12)

酸素およびその化合物に関する次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

天然に存在する原子には,原子番号が同じで質量数の異なる原子がある。これら の原子を互いに ア であるという。例えば,原子番号が#の酸素原子には質 量数が16,17,18の ア が存在する。酸素原子が複数個結合してできる分 子には!種類のものが知られている。ひとつは酸素分子Oであり,もうひとつは イ Oである。このように同一元素の単体で,原子の配列や結合様式が異 なる物質同士の関係を互いに ウ であるという。

酸素は エ に次いで!番目に電気陰性度が大きな元素であり,さまざまな 元素と化合物をつくる。第"周期の元素のうち,18族の オ 以外の元素に ついては酸素との化合物が知られている。これらの化合物を水と反応させたとき,

水溶液が酸性を示す場合もあれば,アルカリ性を示す場合もある。

酸素分子を還元すると過酸化水素や水が生成する。過酸化水素は不安定な分子で あり,時間が経つと徐々に分解して水と酸素分子に変化する。そのため,過酸化水 素水溶液を実験に使用するときは前もってその濃度を決定する必要がある場合があ り,硫酸酸性の条件下で過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の滴定が行われ る。

問 1 文中の空欄 ア , ウ に適切な語句を, イ に適切な物 質名を, エ , オ に適切な元素名を記せ。

問 2 第"周期の元素について,その酸化物が水と反応して酸性を示す化合物を生 成する元素は"種類ある。これら"種類の元素の酸化物について,酸化物の化 学式,水との反応により生成する酸性を示す物質(分子)の化学式をそれぞれの 元素名とともに答えよ。A欄に元素名,B欄に酸化物の化学式,C欄に酸性を 示す物質(分子)の化学式を記入せよ。なお,同一の元素について複数の酸化物 が存在する場合はその元素の酸化数が最大になるものについて答えよ。

― 11 ― ◇M4(380―70)

(13)

問 3 過酸化水素が水と酸素分子に分解する反応を化学反応式でA欄に記せ。ま た,過酸化水素,水,酸素分子の中での酸素原子の酸化数をそれぞれB欄,C 欄,D欄に記せ。

問 4 上記の過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の滴定について,そこで起こ る反応を化学反応式で記せ。

問 5 次のような過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の滴定を行った。濃度 の分からない過酸化水素水溶液を蒸留水で正確に100倍に希釈した。この 溶 液10.0mLを 量 り と り,そ こ へ 硫 酸 を 加 え て 酸 性 に し た。こ の 溶 液 を 0.0100mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液で滴定した。滴定の終点で加え た過マンガン酸カリウム水溶液の体積は15.8mLであった。100倍に希釈する 前の過酸化水素水溶液の濃度を有効数字!桁で計算せよ。計算の過程も記せ。

問 6 上記の過マンガン酸カリウムによる過酸化水素の滴定においては滴定の終点 を決定するために指示薬を添加する必要はない。その理由を説明せよ。

― 12 ― ◇M4(380―71)

(14)

希薄溶液の性質に関する次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

溶媒分子は透過させるが溶質分子は透過させない半透膜によって溶液と溶媒を仕 切っておくと,溶媒側から溶液側へ自然と溶媒が流れ込み,溶液がうすめられる。

この現象を浸透といい,浸透を防ぐためには,溶液側に圧力をかけ,溶媒側から溶 液側に溶媒が流れ込まないようにする必要がある。浸透を防ぐために必要な圧力 Π〔Pa〕を浸透圧という。希薄な非電解質溶液の浸透圧Π〔Pa〕と,溶液のモル濃度

〔mol/L〕および絶対温度c T〔K〕との間には,次式の関係が成り立つ。

ΠcRT …

ここで,Rは気体定数であり,R=8.3×10Pa・L/(mol・K)である。

電解質の希薄溶液の浸透圧は,電離していない溶質分子のみでなく電離によって 生じたイオンの影響も受ける。そのため,電解質溶液の場合,式のcが,溶液中 に存在するすべての溶質粒子(電離していない溶質分子および電離によって生じた イオン)に対するモル濃度に置き換わる。

水に可溶な非電解質Aを10.0g量りとり,水に溶かして体積を1.00Lとした水 溶液を,水溶液Xとよぶ。図!のような装置に,水溶液Xと純水を同体積ずつ入 れ,両者を半透膜で仕切っておく。装置の温度を27℃ に保って十分な時間放置し たとき,水溶液Xと純水の液面はそれぞれ細いガラス管内にあり,両液面の高さ の差はhとなった。ただし,細いガラス管内にある水溶液Xや純水の体積は,装 置内にある水溶液Xや純水の全体積に比べると非常に小さいため無視できるもの とし,水溶液Xおよび純水の体積は一定に保たれているとみなしてよいものとす る。また,以下では,純水およびいずれの水溶液の密度も1.00g/cmとする。

細いガラス管

細いガラス管

半透膜 水溶液 X 純水

h

図!

― 13 ― ◇M4(380―72)

(15)

問 1 図!において,両液面の高さの差hは,水溶液Xの浸透圧とどのような関 係にあるか。次の中から選べ。

反比例, 比 例, 無関係

問 2 図!の装置において,温度を27℃ に保って,水溶液X側の細いガラス管の 外部から,水溶液Xに対して圧力をかけたところ,水溶液Xの液面が下がっ ていき,かけた圧力が24900Paとなったときに水溶液Xと純水の液面の高さ が等しくなった。この結果から,非電解質Aの分子量を有効数字"桁で求め よ。計算の過程も記せ。なお,水溶液中のAは半透膜を透過できないものと する。

問 3 水に可溶な電解質BDは,水中で式のように部分的に!価の陽イオンB と!価の陰イオンDに電離する。電離平衡に到達時のBD,B,Dのモル 濃度〔mol/L〕を,それぞれ[BD],[B],[D]とするとき,電離定数Kaは

式で表される。

BD "#!" B+D …

Ka=[B][D

[BD] …

電 解 質BDを10.0g量 り と り,水 に 溶 か し て 体 積 を1.00Lと し た 水 溶 液 を,水 溶 液Yと よ ぶ。27℃ に お け る 水 溶 液Yの 電 離 定 数Kaは1.125×

10−2mol/L(=9/800mol/L)であることが分かっている。

1)BDの分子量をM,27℃ の水溶液Y中におけるBDの電離度をαとする とき,27℃ における水溶液Yの電離定数K〔mol/L〕と浸透圧a Π〔Pa〕は,Mαを用いて次式のように書ける。

Ka=10.0 M ×

ア イ

…

Π=10.0 M ×#

$ ウ %

&×8.3×10×300 …

式中の空欄 ア , イ , ウ に入る適切な文字式を記 せ。

― 14 ― ◇M4(380―73)

(16)

2)図!の装置に入っている水溶液Xをすべて水溶液Yに置き換えて(純水は そのままにして),温度を27℃ に保って十分な時間放置したところ,水溶 液Yの液面は純水の液面より"h高くなった。この結果から,27℃ の水溶 液Yの浸透圧の値を有効数字#桁で求めよ。なお,水溶液中のBD,B, Dはいずれも半透膜を透過できないものとする。

3)27℃ に お け る 水 溶 液Yの 電 離 定 数Kaの 値1.125×10−2mol/L

(=9/800mol/L),および前問で求めた27℃ の水溶液Yの浸透圧Πの値 を,それぞれ式と式に代入し,それらの方程式を解くことによって,

BDの分子量Mの値,および27℃ の水溶液Y中におけるBDの電離度αの 値をそれぞれ有効数字"桁で求めよ。

― 15 ― ◇M4(380―74)

(17)

炭素原子#個,酸素原子,および水素原子から成る,常温で液体の化合物ABCDEがある。化合物AEには炭素―炭素二重結合が存在せず,化合物 ACDは酸素原子!個,化合物BEは酸素原子"個を含む。これらを区別す るために次の反応試験を行った。以下の問いに答えよ。なお,有機化合物を構造式 で解答する場合,すべての価標を明記すること。また,ベンゼン環は のよう に略記すること。

 化合物Bのみ水溶液が酸性を示した。

 それぞれに,硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液を加えると,化合物CD が,緑色に色が変わった。

 化合物AEは,いずれも銀鏡反応を示さなかった。

 ヨードホルム反応を示したのは化合物ADであった。

 化合物Eのみがアルカリ性で加水分解され,化合物Fと陰イオンGとを生成 した。

問 1 化合物AGの構造式を記せ。

問 2 反応で,pH指示薬を使用する以外に,水溶液が酸性を示すことを確認で きる反応を!つ記せ。

問 3 反応で,化合物CDから生成すると予想される化合物を,それぞれ化合 物AGから選べ。

問 4 反応は,どのような官能基の存在を調べるものか,官能基の名前を記せ。

また,同じ目的で使用できる試験法と,その結果を記せ。

問 5 反応は,どのような官能基の存在を調べるものか,官能基の構造式を記 せ。また,その実験法と結果を記せ。

― 16 ― ◇M4(380―75)

(18)

有機化合物に関する次の文章を読み,以下の問いに答えよ。なお,有機化合物を 構造式で解答する場合,すべての価標を明記すること。また,ベンゼン環は のように略記すること。

(実験!) ο―キシレンを酸化すると化合物Aが得られた。化合物Aを加熱すると 水!分子がとれて,化合物Bが得られた。

工業的には,ο―キシレンやナフタレンを酸化バナジウム(V)触媒で酸化 して化合物Bを製造している。

(実験") 化合物Bをエタノール中で加熱すると化合物Cが得られた。また,硫 酸を触媒として,化合物Bをエタノール中で加熱すると化合物Dが得ら れた。

(実験#) 化合物Cの元素分析を行ったところ,成分 元 素 の 質 量 百 分 率 はC: 61.86%,H:5.15% であることが分かった。また,他の成分元素は酸素の

みであった。

(実験$) 化合物Dの元素分析を行ったところ,成分 元 素 の 質 量 百 分 率 はC: 64.86%,H:6.31% であることが分かった。また,他の成分元素は酸素の

みであった。

問 1 (実験#)の結果から化合物Cの組成式(実験式)を求めよ。計算の過程も記 せ。

問 2 (実験$)の結果から化合物Dの組成式(実験式)を求めよ。計算の過程も記 せ。

問 3 化合物ADの構造式を記せ。

― 17 ― ◇M4(380―76)

(19)

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

ゾウリムシは大型の単細胞生物であり,池などに生息している。細胞内には大 核,小核,ミトコンドリア,収縮胞などの細胞小器官が存在する。大核は栄養核と よばれ,代謝などに関する遺伝子が含まれる。小核は生殖核とよばれ,すべての遺 伝子を含み,子孫を残す際に用いられる。また,

!体表に無数の繊毛が存在し,それ らが運動することによって遊泳して生活している。この繊毛運動は,繊毛内に存在 する酵素反応によって引き起こされる。遊泳中にゾウリムシの先端部分が障害物に 接触すると後退し,向きを変え再び前進することによって障害物を回避する。ゾウ リムシの先端部分の

"細胞膜には物理的な刺激によって開くチャネルがあるため,膜

電位の変化が引き起こされる。その後,この膜電位の変化が細胞全体に伝わると,

細胞全体のチャネルが開き,細胞内にカルシウムイオンが流入する。細胞内のカル シウムイオン濃度が上昇すると,繊毛の波打つ方向が変化し,ゾウリムシは一時的 に後退遊泳を行う。後退遊泳が終わるとゾウリムシは向きを変えて再び前進するこ とによって障害物を回避することができる。これを回避行動という。

問 1 生物の生殖様式には$種類あり,ゾウリムシはその両方を行う。この$種類 の生殖様式の名称を答え,それぞれについて説明せよ。

問 2 下線部!の繊毛について,ヒトの体内で繊毛をもつ部位の例を#つあげ,そ の役割を説明せよ。

問 3 下線部"の細胞膜について,その構成物質と構造を説明せよ。

生 物

― 18 ― ◇M4(380―77)

(20)

問 4 細胞膜の内外に物質を輸送する様式はエネルギーの使用の有無によって大き く#種類に分けられる。それぞれの輸送の名称と輸送の様式について説明せ よ。

問 5 ゾウリムシの細胞膜を薬剤で溶かすことによって,細胞外液をそのまま細胞 内へ流入させることができる。このゾウリムシは自発的に遊泳することはでき なくなるが,外部からATPを作用させると人為的に遊泳させることができ る。以下の具体的な実験手順を読み,〜に答えよ。ただし,実験に用いる 薬品の濃度は,すべて最適な濃度に調製されているものとする。

(実験手順)

1.培養液で増殖させたゾウリムシを氷上で

!15分冷やした。

2.遠心分離機で遠心し,上清を捨て,沈殿にゾウリムシを回収した。

3.!良く冷やしておいた洗浄液を加え,再び遠心し,上清を除去した。

4.この操作を#回行い,ゾウリムシを洗浄した。

5.洗浄後の沈殿に細胞膜を溶かす作用のある薬剤を加え,

!氷上で30分間処 理した。

6.再び遠心し,上清を除去した。

7.その後,

!良く冷やしておいた洗浄液を加え遠心し,上清を取り除いた。こ の操作を計$回行った。

8.その後,以下の溶液Aにそれぞれ〜の条件で物質を加え,

"常温でゾ ウリムシへ作用させ,遊泳の様子を観察した。

溶液Aの組成:塩化カリウム,硫酸マグネシウム,pH調整液

 溶液A

 溶液A+ATP

 溶液A+ 塩化カルシウム

 溶液A+ATP+ 塩化カルシウム

― 19 ― ◇M4(380―78)

(21)

 下線部!のように実験手順の中で冷やす作業が多くあり,最後は下線部"

のように常温にするが,これは細胞内の酵素にどのような効果があると考え られるか説明せよ。

 ゾウリムシが前進遊泳する条件は〜のどれか,すべて答え,理由を説 明せよ。

 ゾウリムシが後退遊泳する条件は〜のどれか,すべて答え,理由を説 明せよ。

 ゾウリムシが全く遊泳しない条件は〜のどれか,すべて答えよ。

― 20 ― ◇M4(380―79)

(22)

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

酵母(酵母菌)は,円形ないし楕円形の単細胞生物である。大腸菌のような細菌も 酵母と同様に単細胞生物であるが,細菌は  生物であるのに対し,酵母は

 生物であり,細菌とは根本的に異なる。酵母には,  能力はな く,外界から有機物を吸収し,分解して得られたエネルギーを利用して生活する。

そのため,細胞小器官の  は観察されない。17世紀に自作の顕微鏡を用 いて,微生物を世界で最初に発見したとされているレーウェンフックのスケッチの 中に,酵母と思われる微生物が残されている。

酵母は,酸素の有無によって,有機物を分解してエネルギーを生産する代謝系を 使い分けることができる。この酵母の性質を利用して,パンやアルコールなどを作 る際に利用される。また,最近では,バイオエタノールといった再生可能エネル ギーの生産にも利用される,私たちの生活に密着した微生物の一つである。

問 1 文中の  〜  にあてはまる適当な語句を答えよ。

問 2 酵母細胞の大きさとして最も適切なものを下記の中から選び,記号で答え よ。

a.10nm b.100nm c.!μm d.10μm e.100μm f.!mm

問 3 下記の中から,五界説に従うと,酵母と同じ界に属する生物をすべて選び,

記号で答えよ。

a.ゾウリムシ b.センチュウ

c.アカパンカビ d.シアノバクテリア e.ミドリムシ f.キイロタマホコリカビ

g.シイタケ h.プラナリア

i.メタン菌 j.アオミドロ

k.クモノスカビ l.乳酸菌

― 21 ― ◇M4(380―80)

(23)

問 4 有機物を分解して生産されるエネルギーの生産効率は,酸素の有無によって 異なる。!分子のグルコースが,酸素を用いて完全に分解される反応式と酸素 を用いないでエタノールを生成する反応式をそれぞれ答えよ。また,その過程 で生産される最大のATPの分子数をそれぞれ答えよ。

問 5 問"の酸素を用いないでエタノールを生成する過程を何というか,答えよ。

問 6 酵母をグルコース溶液中でAあるいはBの条件で培養し,吸収された酸素と 発生した二酸化炭素の量を測定したところ,下記のような結果が得られた。そ れぞれの条件で分解されたグルコースはそれぞれ何mgか,求めよ。また,計 算式も示せ。なお,原子量はH=!,O=16,C=12とし,小数第!位を四 捨五入して計算せよ。

条 件 吸収された 酸素(mg)

発生した 二酸化炭素(mg)

A 0 110

B 64 132

問 7 酵母をすりつぶした液にグルコースを混ぜて室温で放置したところ,エタ ノールが生成された。ところが,すりつぶした液を高分子の物質は通さない が,低分子の物質は通すことができるセロハンの袋に入れて,水に浸した後,

同様にグルコースを混ぜて室温で放置したが,エタノールは生成されなかっ た。そこで,袋に残った液をツンベルク管の主室に入れて,空気を脱気した 後,副室に入れたコハク酸ナトリウムとメチレンブルー溶液を主室に流し込 み,混合して室温で放置したところ,メチレンブルーが無色に変化することが 確認された。これらの実験から,セロハンの袋に残った液を用いた場合にエタ ノールが生成されなかった理由を,補酵素という言葉を用いて考察せよ。

― 22 ― ◇M4(380―81)

(24)

問 8 バイオエタノールは,トウモロコシやサトウキビの可食部に含まれるでんぷ んや糖を原料に用いて生産される。ところが,トウモロコシやサトウキビの可 食部は食料でもあるため,食料ではない稲わらなどに含まれるセルロースを原 料に用いて生産する方法が考案されている。しかし,稲わらからバイオエタ ノールを生産するのは,トウモロコシやサトウキビの可食部に比べると難しい 点がある。その理由を簡潔に説明せよ。

― 23 ― ◇M4(380―82)

(25)

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

動物の受精は,とても神秘的な現象である。ウニの卵は,大海原で精子を誘引す る物質を分泌して,精子を引き寄せることができる。卵と出会った精子は,卵表面 にあるゼリー層に到達すると,先体反応が始まり,先体突起を形成する。先体突起 が卵の細胞膜に接触,融合すると,受精膜が形成される。そして,卵に侵入した精 子の核は,卵核と融合して受精が完了する。カエルでは,卵の動物半球に精子が侵 入すると,表層回転がおき,卵の背腹軸が決定する。

問 1 カエルの親が,卵と精子を効率よく出会わせるために行う産卵行動について 簡潔に説明せよ。

問 2 卵と精子は減数分裂により作られるが,減数分裂と体細胞分裂の異なってい る点について簡潔に説明せよ。

問 3 ウニの人工受精を行って,その受精過程を観察するとき,ウニから卵と精子 を採取する方法について説明せよ。

問 4 ウニの受精過程を顕微鏡で観察しようと卵にピントを合わせたが,視野が明 るすぎて濃淡がわかりにくく,立体感が少なかった。卵を見やすくするために はどのようにすればよいか答えよ。また,視野内にゴミが見えた場合,そのゴ ミが接眼レンズについたものか,対物レンズについたものか,ホールスライド ガラスについたものかを調べる方法について説明せよ。

問 5 ウニの卵を海水とともにホールスライドガラスに入れ,カバーガラスをか け,ウニの受精過程を観察中,対物レンズを低倍率のものから高倍率のものに するときの方法について,注意する点を含めて答えよ。

― 24 ― ◇M4(380―83)

(26)

問 6 ウニ卵における先体反応の過程について説明せよ。

問 7 ウニ卵における受精膜の形成過程について説明せよ。

問 8 ウニの16細胞期の卵を動物極側と植物極側から観察したときの,割球の様 子をそれぞれ図示せよ。

問 9 ある種類のカエル卵においては,表層回転によって精子進入点の反対側に周 囲と色調が変わった領域が生じる。この領域は将来背側になるか腹側になるか 答えよ。さらに,カエルの卵割等の発生過程における卵の変化をウニ卵の観察 に用いた顕微鏡で観察すると,黒い塊にしか見えない。カエル卵の観察には,

どんな顕微鏡が適しているか答えよ。

― 25 ― ◇M4(380―84)

(27)

次の文章を読み,下の問いに答えよ。

近年,バイオテクノロジー技術は,主に医療,農業,工業などで利用されてい る。!DNAの構造が明らかにされて以降,目的の遺伝子を含むDNA断片を取り出 しそれを別の生物のDNA中に組み込むことができるようになり,遺伝子組換え技 術と呼ばれるようになった。この技術には,

"決まったDNAの塩基配列を認識し切

断する制限酵素と,切断されたDNAをつなぐDNAリガーゼが使われる。

大腸菌に遺伝子を導入する時にベクターとして

#小さな環状のDNAが使われる。

この環状のDNAはもともと大腸菌本体のDNAとは別に,独立して増殖する性質 を持ち,接合という方法で別の種類の菌に渡されることもある。

動物細胞や植物細胞から取り出された特定の遺伝子が入ったDNA断片を制限酵 素を用いて切り出し,同じ制限酵素で切った小さな環状のDNAに組み込み大腸菌 に戻すと大腸菌の細胞分裂とともに人為的に組み込まれた配列をもつ小さな環状 DNAも複製されるので,同一のDNA断片を作るクローニングにこの方法は良く 用いられた。近年では,

$PCR法が,同一断片を作るために広く用いられている。

一方,ヒトと大腸菌の遺伝子は,mRNAのつくられる過程が異なるので,大腸 菌にヒトの遺伝子を組み込み,転写・翻訳を行わせタンパク質を作らせる形質転換 を行うときには,mRNAから逆転写という方法で作られた

%相補的DNA(cDNA)を 用いることが多い。

問 1 下線部!のDNAとRNAの構造と構成する物質にはどのような違いがある

か。&つ答えよ。

― 26 ― ◇M4(380―85)

(28)

問 2 下線部!について,制限酵素EcoRIは

GAATTC

CTTAAGの配列を上下の配列のG とAの間を切断して断片化し,AluIは

AGCT

TCGAの配列を互いのGCの間で切断 する。仮にDNAの&つの塩基はランダムに等しく出現するとした場合,100 万塩基対のDNAは,理論的にそれぞれの制限酵素でいくつの断片に切断され るか。さらに,断片の平均的な塩基対数をそれぞれ計算せよ。

問 3 下線部"の小さな環状のDNAの名称を答えよ。

問 4 下線部#について,この方法では約95℃,50〜60℃ 程度,約72℃ の%種 類の温度が一般的に使われる。それぞれの温度ではどのような反応が起こるか 詳しく説明せよ。

問 5 下線部$について,ゲノムDNAの遺伝子ではなくcDNAが使われる理由を 詳しく説明せよ。

― 27 ― ◇M4(380―86)

(29)

天体に関する次の文章を読み,下の問いに答えよ。

天の川を肉眼で見ると白い雲の帯のように見えるが,1609年に

ガリレオ・ガリ レイが自作の望遠鏡にて天の川を観測し,これが無数の恒星の集まりであることを 発見した。ウィリアム・ハーシェルは恒星の等級と数を観測し,天の川の恒星の分 布(銀河系)が凸レンズ状であることを発見した(1785年)。この観測では,太陽は 銀河系の中心付近に位置するとされた。その後,ハーロー・シャプレーによる球状 星団の観測により,

太陽は銀河系の中心から外れた位置にあることが明らかにされ た。ハーシェルの観測では,気体成分と固体成分からなる ア の存在により 太陽系に近い恒星しか観測できない事情があった。

銀河系は, イ , ウ , エ の"つの領域で構成される。

球 状星団は イ に多く含まれ,

散開星団は ウ に多く含まれる。

銀河系 のガスや恒星は銀河系中心のまわりを公転するが,その銀河系の回転曲線から推定 される銀河系の質量は,

実際に観測される物質の質量よりもはるかに大きいものと なっている。

問 1 文章中の ア に入れる語句を答えよ。また,その気体成分の元素名を

!つ答えよ。

問 2 文章中の イ , ウ , エ に入れる語句を答えよ。

地 学

― 28 ― ◇M4(380―87)

(30)

問 3 文章中の下線部に関連して,ガリレイによる観測・実験として最も適当な ものを,次の〜のうちから!つ選び番号で答えよ。

 木星近傍の小天体の運動を観測し,木星を周回していることを発見した。

 火星の軌道を観測し,これが楕円軌道であることを発見した。

 恒星の年周光行差を観測し,地球が公転していることを示した。

 恒星の年周視差を観測し,地球が公転していることを示した。

 パリの寺院で振り子の実験をし,地球が自転していることを示した。

問 4 文章中の下線部について,シャプレーがこのように判断した根拠について 説明せよ。

問 5 文章中の下線部について,球状星団までの距離を求めるため脈動変光星を 利用する方法がある。いま,ある球状星団の中に,周期が0.5日で,見かけの 等級の平均が10.5等であること座RR型変光星があるとして,この球状星団 までの距離は何パーセクか計算せよ。計算式も記すこと。なお,こと座RR型 変光星の絶対等級は,周期によらずほぼ0.5等である。

問 6 文章中の下線部について,散開星団までの距離を求めるため分光視差の方 法を用いることができる。この方法について説明せよ。

問 7 文章中の下線部について,銀河系の回転運動はどのような観測からわかる か説明せよ。

問 8 文章中の下線部について,この観測結果からどのようなことが考えられる か説明せよ。

― 29 ― ◇M4(380―88)

(31)

地球大気とそのエネルギー収支・運動に関する次の文章を読み,下の問いに答え よ。

地球の

大気圏最上部に到達する太陽放射は

約1370W/mであり,太陽定数と呼 ばれる。太陽定数は

地殻熱流量と比べて"桁以上大きいため,太陽放射が大気の主 たるエネルギー源になる。一方,地球は波長の長い ア を中心とした電磁波 を地球放射として宇宙空間に放出している。地球が受ける太陽放射と地球放射のエ ネルギー量が釣り合っている状態は イ と呼ばれ,この釣り合いが成り立つ 時,地球の内外への熱の出入り(エネルギー収支)がゼロになる。地球全体で平均し て見た場合,大気圏外と大気圏でエネルギー収支がゼロになっているだけでなく,

大気圏と地表のそれぞれにおいてもエネルギー収支が釣り合っている。一方,

緯度 毎 に 見 る と,エ ネ ル ギ ー 収 支 は 必 ず し も 釣 り 合 っ て い な い。低 緯 度 域 で は ウ が強く,高緯度域では エ が強くなっているため, オ か ら カ へのエネルギーの輸送が生じる。これが大気の大循環の要因である。

地球からの放射 70 地球が受ける

太陽放射 100

地表での

吸収 49 地表の放射

116 大気・雲 による吸収

大気の窓 からの透過

大気・雲に よる吸収 23 大気・雲

による反射

地表に よる反射

大気・雲 による放射

水の蒸発 や熱伝導

地表での 吸収 97 反射される

太陽放射 30 大気

圏外

大気圏

12 58

地表

図!:大気圏上端で受ける太陽放射エネルギーを地球全体で年平均し た量を100とした時の,地球のエネルギー収支。図中の矢印はエ ネルギーの流れを,数値は,地表や大気・雲が,吸収・反射・放 射するエネルギーの太陽放射に対する割合を表している。

― 30 ― ◇M4(380―89)

(32)

問 1 文章中の空欄 ア と イ に入れる適当な語句を答えよ。

問 2 文章中の空欄 ウ 〜 カ に入れる語句の組み合わせとして最も 適切なものを一つ選び,番号で答えよ。

 ウ.太陽放射,エ.地球放射,オ.高緯度域,カ.低緯度域

 ウ.地球放射,エ.太陽放射,オ.低緯度域,カ.高緯度域

 ウ.太陽放射,エ.地球放射,オ.低緯度域,カ.高緯度域

 ウ.地球放射,エ.太陽放射,オ.高緯度域,カ.低緯度域

問 3 文章中の下線部に関連して,大気圏に関する説明として適当なものを!つ 選び,番号で答えよ。

 大気中の二酸化炭素濃度には季節変化が見られ,特に北半球では冬季に低 く夏季に高い。

 大気中の水蒸気は,蒸発の際に潜熱を解放し大気を温めるため,大気のエ ネルギー収支で重要な役割を担う。

 対流圏の水蒸気量は,上空ほど,また高緯度に向かうほど少なくなってい る。

 対流圏では,太陽放射で温められた空気塊が上昇するため,上空ほど温度 が高い。

 成層圏では,オゾン層が太陽からの紫外線を吸収し大気を加熱するため,

上空ほど温度が低い。

 熱圏には,太陽からのX線や紫外線によって気体分子の一部が電離した 電離層が複数存在している。

問 4 文章中の下線部に関連して,単位時間あたりに地球が受ける太陽放射エネ ルギーの総量を求めよ。ただし,地球を半径6400kmの球として考えよ。計 算式も記入せよ。

問 5 文章中の下線部に関連して,地下から地表へ伝えられる熱の主な起源を! つ答えよ。

― 31 ― ◇M4(380―90)

(33)

問 6 30ページの図!は,地球のエネルギー収支を示す。30ページの下線部に 関連して,次のとに答えよ。

 図!から,水の蒸発や熱伝導にともない大気に供給されるエネルギーの太 陽放射に対する割合を求めよ。計算式も記入せよ。

 温室効果の仕組みを100字程度で説明せよ。また,図!から,地球放射の 大気・雲への吸収量を求め,温室効果による地表の加熱がその何%に相当す るか計算せよ。計算式も記入せよ。

問 7 30ページの下線部に関連して,エネルギー収支に地球の緯度による違い がある理由を説明せよ。

― 32 ― ◇M4(380―91)

(34)

地球に関する次の文章を読み,下の問いに答えよ。

地球の形は回転楕円体に近いが,大まかには

半径6400kmの球に近似できる。

実際の地球表面には陸地や海底,山脈や谷などの様々なスケールの凹凸がある。

図"は地球表面の高度の分布を示している。この図の横軸の高度は,

!kmが平均 海水面の高さを,正の値が陸地の高さを,負の値が海底の深さを表している。この 図の特徴は,明瞭なピークが#つあることである。

#つのピークは,地下の構造の 違いを反映している。地球の表層では ア を境に,その上の密度の小さな地 殻とその下の密度の大きなマントルに区分され,前者は大陸地殻と海洋地殻に分け られる。

大陸地殻と海洋地殻は構成岩石が異なるだけではなく,地殻の厚さも異な る。

0 5 10 15 20

3 4 5 6

高度

km

−2

−3

−4

−5

−6

−7 −1 0 1 2

地球表面積に対する割合

図"

問 1 文章中の ア に入れる適当な語を答えよ。

― 33 ― ◇M4(380―92)

(35)

問 2 下線部に関連して,次の文章のうち適当なものをすべて選び,番号で答え よ。

 地球が回転楕円体に近いのは,公転運動による遠心力が原因である。

 地球の赤道半径は極半径より長い。

 地球の偏平率は "

30程度である。

 地球が回転楕円体に近いため,夏至の正午の太陽が天頂にない。

 地球が回転楕円体に近いことは,高緯度ほど重力が大きい傾向があること に関係がある。

問 3 下線部に関連し て,地 球 の 半 径 をR,万 有 引 力 定 数 をG,地 球 表 面 で の重力加速度をgとしたとき,地球の平均密度を,R,G,gを使った式で 表せ。また,下線部で与えられた地球の半径から,地球の平均密度を計算 し,有 効 数 字#桁 で 答 え よ。計 算 式 も 記 入 せ よ。た だ し,g=9.8m/sG=6.7×10−11m/(kg・s)とせよ。

問 4 下線部に関連して,図"の高度!kmで地球をおおった,閉じた曲面を何 というか,答えよ。

問 5 下線部に関連して,地球表面の高度に#つのピークが生じる理由を説明せ よ。

問 6 下線部に関連して,海洋地殻を代表する玄武岩と大陸地殻上部を代表する 花崗岩について,次の文章のうち適当なものをすべて選び,番号で答えよ。

 花崗岩と玄武岩はどちらも火成岩である。

 一般に花崗岩中の斜長石は玄武岩中の斜長石よりNaに富んでいる。

 一般に花崗岩は玄武岩よりSiOに富んでいる。

 一般に花崗岩の密度は玄武岩の密度より高い。

 一般に花崗岩と玄武岩はどちらもかんらん石を含んでいる。

― 34 ― ◇M4(380―93)

(36)

問 7 海洋地域で最も大きなスケールの地形は海底山脈である中央海嶺である。こ のことに関連して,海洋地域の地殻熱流量は中央海嶺から遠ざかるほど小さく なるが,これは,プレート・テクトニクスの観点からは海洋地域の地下の冷却 を意味する。このことを踏まえて,中央海嶺が山脈になる理由を説明せよ。

― 35 ― ◇M4(380―94)

(37)

地質に関する次の文章を読み,下の問いに答えよ。

ある地域の地質図を図!に示す。図中の破線は地形等高線を示す。地層境界はす べて平面とみなせる。断層による地層のずれはないものと仮定する。

この地域には砂岩層,砂岩泥岩互層,泥岩層,石灰岩層,

安山岩層,礫岩層が分 布している。砂岩層にはヌンムリテス(貨幣石)の化石が含まれる。砂岩泥岩互層に は

各種の堆積構造が見られ,その調査結果から砂岩泥岩互層は逆転していないこと が判明している(他の地層も逆転していない)。石灰岩層にはフズリナ(紡錘虫)の化 石が含まれる。安山岩層は標高210m以上に分布し,溶岩からなり,

放射年代測 定によって新第三紀中頃の約1000万年前に形成されたと考えられている。礫岩層 は標高190〜210mに分布し,

複数の岩石種の礫が認められ,河川で堆積した地層 と推定されている。

180 200

220 泥岩層

礫岩層

砂岩層

安山岩層 砂岩泥岩互層

石灰岩層

160 140

120 100

 m

山頂

100 m 50

0

図!

― 36 ― ◇M4(380―95)

(38)

問 1 文章中の下線部に関連して,安山岩に関する記述として最も適当なものを 次の〜のうちから!つ選べ。

 安山岩は地下浅所のマグマやそれが地表に噴出した溶岩が冷却されること によって形成される火山岩の一種である。

 安山岩は主に石英,斜長石,カリ長石,黒雲母などの鉱物からなる,斑状 組織を示す岩石である。

 安山岩は泥岩が変成作用を受けてできた岩石で,もともとの泥岩の色を反 映して灰色または黒っぽい色を示すことが多い。

 安山岩には変成作用時に形成された縞模様があり,それが縦方向に発達す る場合には柱状節理と呼ばれる独特の構造が生じる。

 安山岩に含まれる元素は多い順に鉄,カルシウム,マグネシウムであり,

他に珪素や酸素もわずかに含まれることがある。

問 2 文章中の下線部に関連して,地層の上下判定に有効な堆積構造または変形 構造を!つ挙げ,その構造と上下との関係について模式図を描いて簡潔に説明 せよ。

問 3 文 章 中 の 下 線 部に 関 連 し て,放 射 年 代 測 定 法 の!つ で あ る 炭 素14法

14C法)ではこの安山岩層の形成年代を明らかにすることができない。その理 由を説明せよ。

問 4 文章中の下線部に関連して,この礫岩層に含まれる礫の岩石種(岩石名)と して可能性のあるものをすべて答えよ。なお,岩石種は36ページの図!に見 られるものとする。

― 37 ― ◇M4(380―96)

(39)

問 5 砂岩泥岩互層と泥岩層との地層境界の走向・傾斜として最も適当なものを次 の〜のうちから!つ選び,番号で答えよ。

 N10°W・45°E  N10°W・45°W  N45°W・45°NE

 N45°W・45°SW  N80°W・45°N  N80°W・45°S

 E―W・45°N  E―W・45°S

問 6 標高230mの山頂から鉛直下向きに深さ50mのボーリング(掘削)調査を 行ったときに現れると予想される地下の岩石種を,地表から地層境界までの深 さも含めて浅い方から深い方に向かって「地表から深さ""mまで〇〇,その

下は深さ " "

mまで!!,. . .」のように説明せよ。

問 7 泥岩層及び礫岩層のそれぞれの堆積年代として可能性のあるものを次の〜

のうちからすべて選び,番号で答えよ。なお,それぞれに同じ地質時代を選 択してもよい。

 シルル紀  古第三紀  オルドビス紀

 ジュラ紀  第四紀完新世  第四紀更新世

 新第三紀  白亜紀

問 8 礫岩層の底面は,整合,不整合,貫入のうちどのタイプの地質境界と判断で きるか。理由も含めて説明せよ。

― 38 ― ◇M4(380―97)

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