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Variation of rock facies in the Higashi-Akaishi-yama ultramafic mass, Shikoku, Japan

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Variation of rock facies in the Higashi-

Akaishi-yama ultramafic mass, Shikoku, Japan

山口, 勝

九州大学理学部

大島, 恒彦

九州大学理学部

https://doi.org/10.15017/4705291

出版情報:九州大学理学部研究報告. 地質学. 12 (3), pp.255-262, 1977-02-28. Faculty of Sciences, Kyushu University

バージョン:

権利関係:

(2)

九大理研報(地質)12325526219772

四 国 東 赤 石 山 超 塩 基 性 岩 体 の 岩 相 変 化

山 口 勝 ・ 大 島 恒 彦

Variation of rock facies in the Higashi‑Akaishi‑yama  ultramafic mass,  Shikoku,  Japan 

Masaru YAMAGUCHI and Tsunehiko OSHIMA 

Abstract 

Variation of rock facies in the Higashi‑Akaishi‑yama ultramafic mass,  Shikoku,  southwest Japan were re‑examined.  The mass is  stratified,  composed of massive dunite  with rhythmic  layerings  of  chromitite  in  the  lower and middle,  and the  layerings  of  clino‑pyroxenites and dunites and chromitites or peridotites accompanied in places of thin  layers or lenticular masses of clino‑pyroxene  garnet rock (eclogite)  in  the upper and or  marginal part of the mass.  The lower marginal part of the mass is  generally schistose  and serpentinized. 

The layerings of clino‑pyroxenite and dunite  or  peridotite  in  the upper part  of  the mass grade  to  the  layerings  of  amphibole  pyroxenite,  amphibole peridotite,  garne・t  amphibolite or  epidote amphibolite,  the  members of  the  Iratsu  amphibolite・mass  (or  epidote  amphibolite mass)  in  the  north.  A possibility  is  suggested  that  the  Iratsu  amphibolite  mass and the Higashi‑Akaishi‑yama ultramafic mass are complementary to  each other,  and are  formed by cumulative separation  of  the  crystals in  the fractional  crystallization of the gabbroic magmas. 

, Fe2+‑Mg 

Partition coefficients K Ga‑Cpx are 7. 51‑7. 83 in  the eclogites and the  estimated  temperature of formation of the rocks is about 600°C.  Some petrographic characteristics  of the ultramafic mass concordant to the surrounding basic and pelitic metamorphic rocks  of the epidote amphibolite facies including Iratsu amphibolite mass suggest the multi‑stage  history in their formation. 

1.  ま え が き

東赤石山超塩華性岩体は四国三波川変成岩帯の点紋 片岩帯に産し,北海道日高帯の幌満かんらん岩体など とともに超塩基性貫入岩体として著名である.特にこ の岩体中に挟まれるエクロジャイトは日本におけるこ の種岩石の典型的なもので,興味ある研究結果が発表 されて来た(番場1953;YOSHINO 1961,  1964; 坂野 1968). 

超塩基性岩体の起源については各種の説があり,実 際にそれ程単純ではないかもしれない.東赤石山超塩 基性岩体の起源についても,し9ヽろいろの説について YOSHINO (1964)が詳しく議論しているが,当時の氏 の見解は「上部マントルから上昇した蛇紋岩が偏圧下

1976831日受理

大島恒彦:佐賀大学教育学部地学教室

で再結晶したもの」のようであり, BANNOand Yo‑

SHINO (1965)では,かんらん岩とエクロジャイトは マントルですでに形成されていたものが,固体貫入に よって持ち上げられたものではないかと述べている.

筆者らは1959年8月に協同して野外調査を行ない,

以後採取した岩石について少しずつ研究を進めて来た.

データは一部簡単に報告したものもある (YAMAGU‑

CHI,  1964,  1965). 当時の目的は,玄武岩に含まれる 超塩基性包有岩の起源に関連して貫入超塩基性岩を比 較検討することであり,玄武岩中の包有岩がより深い マントルの破片を代表し,超塩埜性貫入岩の方が浅い 上部マントル物質であろうというのが当時の結論であ った.また, この岩体は一部蛇紋石を含むかんらん岩 体が,固体貫入ののち,再結晶作用を行なったものと 考えた.最近筆者らはこの岩体が果して上部マントル から固体貫入したものかどうかに疑問をいだくように

(3)

256  山口勝・大島恒彦

なった.これは玄武岩中の超塩基性包有岩が,本来の 上部マントル物質そのものではなく,上部マントルで の結晶集積物であるという考え (O'HARA,1967)と も関連があり,今後いろいろ検討を要する問題が多い.

最近かんらん岩体の諸岩相について,化学分析が行な われた.またルビジウム,ストロンチウム,鉛の同位 体比による研究も少しずつ進行しているが,ここでは 岩相変化の問題についての考えの榔要を簡単に報告し ておく.

同位体比による地質岩石学的研究の推進について,

いろいろ御援助を賜わった松本達郎先生に深く感謝の 意を表する.化学分析を引き受けて下さった石橋澄博 士,野外調査で種々の便宜をはかって下さった明治鉱 業株式会社の各位,赤石オリビンサンド株式会社の木 下秋次氏その他の方々に厚く御礼を申し上げたい.尚 この研究の一部に文部省自然科学研究助成補助金を使 用した.

2.  東赤石山超塩基性岩体の成層構造の 問題 ・ 

a)超塩基性岩体の型

この岩体は三波川変成岩類の横臥摺曲軸部に構造運 動に伴って貫入したレンズ状の大きな岩体で(秀•吉 野・小島, 1956),HESS (1955)などによる山脈型か んらん岩体 (Alpine‑typeperidotite)に相当するで あろう.この種の岩体は,上部マントルの物質がダイ アヒ9ール状に板状体,または薄層として低温で上部地 殻に貫入するとするのが一般的な考え方である.従っ て岩体が断層で境されることが多く,熱変成作用を及 ぼすことも少ないとされる.山脈型かんらん岩体の岩 相の特徴は,かんらん岩,輝石,クローム鉄鉱が層を なすこと,斜方輝石岩,単斜輝石岩,かんらん岩,ダ ナイトなどの脈または岩脈が岩体内にあるが,これら の脈は周りの母岩を貫いていないこと,はんれい岩体 を伴うことがあるが,一般的には,はんれい岩体の量 は超塩基性岩体よりは少ないと言われている。

北海道幌満かんらん岩体は南北に連なる日高帯の東 側片麻岩と,西側千枚岩との間の,衝上断層の間に近 入した岩体で,猪木 (1953),長 崎 (1962)などの研 究がある.この岩体はダナイト,かんらん岩,含斜長 石かんらん岩,はんれい岩が成層構造を示す.輝岩層 は認められない.長崎 (1962)はこの岩体は5回にわ たる玄武岩マグマの連続的貫入と結晶分化作用によっ て成層構造が形成されたとしているが,岩体の型につ いて MIYASHIRO(1966)は,成層構造があまり顕著

でないということから,いわゆる成層型と区別し,山 脈型かんらん岩 (Alpin~-type peridotite)に入れて いるようである.

かんらん岩体のもう一つの型は成層型かんらん岩体 (Stratiform‑type peridotite)である*.もっとも典 型的なものはカナダの MUSKOX貫入岩体で IRVINE

and SMITH (1967)がよくまとめている.この岩体は 先カンブリア楯状地の花闘岩,片麻岩,片岩の基盤と それを被覆する砂岩, ドロマイト,玄武岩層の間に貫 入した平面では岩脈状,断面ではロート状の岩体であ る.かんらん岩,ダナイト,単斜輝石岩,斜方輝石岩,

クローム鉄鉱層,はんれい岩,グラノファイアーなど のくり返しによる成層構造が著しい.下部はダナイト 層が多く,上部にはかなりのはんれい岩層がある.こ の岩体の成因としては,玄武岩質マグマのくり返し注 入と,結晶の沈積に伴うその場所での結晶分化作用が 考えられている.

以上あげたような超塩基性岩体の型とその成因的解 釈を考慮しながら,東赤石山岩体を検討してみる.た だし注意しなければならないのは,成層型岩体の構造 と成因的解釈についてはあまり異論がないのに,山脈 型 (Alpinetype)については各種の説があるという

ことである.

b)東赤石山超塩基性岩体の成層構造

YOSHINO (1961,  1964), 番場 (1953)およびわれ われの調査に基づいて,問題となる点を特にとりあげ て議論を進める.

この岩体は東赤石山の北斜面(平均傾斜32°)に沿 って北に傾くレンズ状岩体で東西約5km,南北約2km

+,推定厚さ最厚600m程度である.岩体の主要部は 塊状ダナイトであるが周辺部および下盤側は片理が著 しく(片状ダナイト)縁辺部は蛇紋岩化している.ダ ナイト中にはクローム鉄鉱層の細かい縞模様が各所に みられる.クローム鉄鉱が示す縞模様は時に著しい摺 曲構造を示すところもあるが,大部分は大よそレンズ 状岩体の傾斜に沿っており,堆積岩にみられる層理と 同様である.この岩体の上盤側には単斜輝石岩とダナ イトの互層が多くなる.これは岩体の東側,権現沢よ りに多く認められる.数ミリから10センチ程度の種々 の薄層のダナイトと輝岩が互層する.このような互層 の多い部分のダナイトまたは輝岩の中に数センチの薄 層状またはレンズ状にエクロジャイトが含まれる.ェ クロジャイトのレンズの大きさは大小種々で小さいも

*他に環帯型超塩基性岩体(Zonedultramafic com‑

plex)があるが本文ではふれない。

(4)

四国東赤石山超塩基性岩体の岩相変化

2 5 1  

のは1センチ以下,大きいものは厚さ1.5m, 長径6 mに達する.ここでは,ざくろ石と輝石とが略等量の ものをエクロジャイトと呼んだが,両鉱物の量比は場 所によって変化し,輝石の多い部分とざくろ石の多い 部分とが縞をつくる場合もある.輝岩中にはしばしば 1 cmに達する黒色輝石斑晶が含まれる.以上のべたダ ナイトと単斜輝石岩の成層構造は成層ダナイト中のク ローム鉄鉱層の層理と略平行である.

以上のように東赤石山超塩基性岩体は,岩体中心部 の塊状ダナイトを別にすれば,野外で顕著な成層構造 を認めることができ,塊状ダナイト自体も,肉眼的に は塊状であるが,次にのべるように,かんらん石粒の 配列は規則的であって,全体として岩体の傾斜面と略 平行に成層していることになる.

e)東赤石山超塩基性岩体の成層構造の起源 この岩体は,周辺の結晶片岩類の形成と略同時期の 変成作用をうけながら,同時にそれ以前の構造も残し ていることが指摘されている (YOSHINO,1961, 1964). 

前節でのべたこの岩体の成層構造は,例えばカナダ のMUSKOX貫入岩体の下部・中部をしめるダナイト,

輝岩などの示す構造に類似するといえる.従って成層 構造の機構として MUSKOX岩体と同様に玄武岩質マ グマのくり返し注入と,結晶の沈下集積,分別結晶作 用を想定することもできよう.

このことは現在の構造がそのまま当初の構造と全く 同一であることを意味しない.成層構造は鉱物組成,

化学組成を異にする各岩相の重ね合せによるものであ るが,この岩体は三波川変成作用の影響をうけている から,現在の鉱物組成から初めの状態にまでさかのぼ ることができれば,生成条件,生成機構を明らかにし たと言えるであろう.

ダナイトの中に到るところでみられるクローム鉄鉱 粒の縞状構造はクローム鉄鉱とかんらん石が平面的に くり返し積み重なったもので,堆積岩が示す構造と同 じである.YOSHINO (1961)の岩石組織解析では,塊 状ダナイトのかんらん石のb軸方向の集中がもっとも 顕著である. a,  C軸では, C軸方向に多少の集中が あるが全般的なものとはみられない. b軸の集中とは,

かんらん石粒が〔010)面でならんでいることで,この 面はクローム鉄鉱粒による縞の平面と略一致する.塊 状ダナイトは,等粒状不定形のかんらん石の集合であ る.しかしよく見ると,かんらん石に2つの型がある.

一つは散点的,やや粗粒で,微細な黒色鉱物が散点し て汚濁してみえるもの,他は透明,粗粒または細粒,

間隙充填的で再結晶組織がみられるものである.汚濁

したものも周辺部は透明なことが多く,また汚濁部分 の外形が直線的なこともある.このような事実は透明 なかんらん石が汚濁部を核として成長したことを示し ている.

塊状ダナイトはこの超塩基性レンズ状岩体の中心部 をしめ,岩体の周辺部や下部が片状ダナイトまたはミ ローナイト状になっているのに,塊状のままで残って いるのは生成後の変形,偏圧の影響をあまりうけなか ったためである.従って組織解析における かんらん 石 の定向性は,後でのべる片状ダナイトのデータも 合せると.むしろ初生的なものと考えざるを得ない.

玄武岩中のかんらん石斑晶は, (010〕面の発達がよ いのが普通である.従って分別結晶作用でマグマから 晶出,沈積するかんらん石が(010〕面で横たわるであ ろうことは容易に想像がつく.YOSHINO (1961)の組 織解析で,クローム鉄鉱と同時に沈積したようなかん らん石の(010〕が,やや並びがよくなく,クローム鉄 鉱の縞から離れた部分で,よく並んでいるのも沈積の 過程の一つとして理解できよう.かんらん石の自形は,

結晶沈積後に起こった間隙充填的かんらん石の透明な 結晶の生成によって失われたとみることができる.

上にのべたことは,主としてこの岩体の中心部を占 める塊状ダナイトの観察についてであったが同様なこ とは岩体の上部を占める単斜輝石岩,エクロジャイト,

ダナイトの成層の際にも起こったのであろう.後の変 成作用の影響の明らかなところもあり,現在みられる 鉱物配列がそのまま沈積による成層構造を示すとはい えない.特にエクロジャイトについては,従来から

テクトナイト"と考える研究者も多い.

d)片状ダナイトについて

片状ダナイトは前にのべた塊状ダナイトに片理が発 達して一見片岩状となったもので,東赤石山の山頂か らこの岩体の西縁にかけ,岩体の下部に発達するもの である.片理がよく発達しているのに,かんらん石の 定向配列が認められないのは YOSHINO(1961)が指 摘している.これはもともと(010〕面でよく並んでい た塊状ダナイトのかんらん石が後の変形運動で片理が 形成される際に,かえって配列を乱されたことによる のであろう.筆者らが東赤石山頂のものについて行な った組織解析の結果を第1図に示した.この図は,さ きに塊状ダナイトのところで述べた透明な かんらん 石 と 汚濁したかんらん石 とを区別し,夫々の光 学的弾性軸X,Y,Zの方向を示したものである. 汚 濁したかんらん石"は結晶粒が大きく波動消光を示す ものが多い.測定個数が少いので精度はよくないが,

(5)

258  山口 勝・大烏恒彦

第 1 図 東亦石山頂上の片状ダナイトのかんらん石の定向性配列図 (3, 6,  9, 12, 15% in  1 % area).  X, Y, Zは光学的弾性軸. a: 透明なか んらん石, b: 汚濁したかんらん石,標本番号AK‑55,破線は1%.

Fig. 1.  Diagram showing the orientation  of optic elasticity axes of oli‑ vines in schistose dunite at the summit of Higashi‑Akaishi‑yama. 

a : Clear olivine,  b : Turbid olivine.  X=b軸か比較的せまい範囲に集中しているのがよみ

とれるであろう. これに反して 透明なかんらん石 は波動消光は恕められない.X,  Y,  Zの配列にある 程度の集中もあるが,全体的に散らばりが大きい.塊 状ダナイトのものについて,透明なものと,汚濁した ものとを区別して測定していない. しかし YOSHINO (1961, p. 391)は,塊状ダナイト中の大型のかんらん 石と小型のかんらん石を区別して測定した結果,大型 結晶の方が小型のものより定向性がよいと述べている.

この関係は,先にのべた 汚濁したかんらん石" (大 型)と 透明なかんらん石" (小型)に対比される.

塊状ダナイトと片状ダナイトの2種のかんらん石粒 子の定向性にみられる共通性から考えると, 透明か んらん石"は片状ダナイトの片理の形成以前に, 汚 濁したかんらん石 (大型)粒子を核として,あるい は間隙充填的に生成したと考える方が妥当である.筆 者の一人(M.Y.)は以前この岩体の 透明かんらん 石"と 汚濁したかんらん石"を分離して分析を行な ぃ, 透明かんらん石 の CaO含有量が 汚濁した かんらん石 よりやや高いとのべた.今からみると,

含有量が全体に高めに出ているようである. 当 時 は (YAMAGUCHI, 1964), 汚涸したかんらん石の方が後 期に結晶したものと考えたが,今回の定向性の検討結

果からすればむしろ逆で,訂正しなければならない.

光学的性質から推定したかんらん石の組成は,汚濁し た方が Fo93, 透明な方が Fo92程度,透朋なかん らん石の方が幾分Fa成分に富む傾向があるようであ る.汚獨の原因である徴細不透明鉱物の意義はよくわ からない.鉄鉱物が単に析出したものかもしれない.

3.  成 因 的 考 察

成層構造をしめすこの岩体の,各岩相の代表的な岩 石と構成鉱物の全化学分析値を第1表に示した.この 化学組成から計算した標準ノルム鉱物のモル数から,

Olivine‑Clinopyroxene‑Silica図を作り第2図 に 示 した.図の基本はMg2SiO,‑CaMgSi206‑Si02系相平 衡図で, 参考のため1気圧および 20Kbar, 水に飽 和の条件での実験 (KUSHIRO,1969)でのかんらん石 一輝石の液相境界線を入れてある.

2図で明らかなように,ダナイトはすべて, Oli‑ vine 100%に近いところに単斜輝石岩はOlivine‑CH‑ Px線に近い領域にプロットされるが,ここはかんら ん石と Ca—単斜輝石が平行晶出する領域である.ェク ロジャイトはかなり広い領域に散点する.エクロジャ イトの各点を通る直線は共存する単斜輝石および ざ くろ石"またはかんらん石の分析結果からプロットし

(6)

四国東赤石山超塩基性岩体の岩相変化 259 

Cl‑Px 

• ECLOGITE 

• CL‑PYROXENITE  0  DUNITE 

A  GARNET  ロ CL‑PYROXENE

Ol  i v  

第 2 図

S i l i c a  

東赤石山超塩基性岩体の岩石および鉱物のノルム単斜輝石ーかんら ん石一石英図(モル%).1 atom. および 20Kbar Excess H20  は,夫々の条件における CaMgSi20e‑Mg2Si04‑Si02相平衡図にお ける液相境界線(番号は第1表参照).

Fig. 2.  Normative Clino‑pyroxene‑Olivine‑Silica  diagram on rocks and  minerals  from  Higashi‑Akaishi‑yama  ultramafic  mass plotted  on phase diagram of the system Diopside‑Forsterite‑Silica (Mo‑

le  %, Numbers refer to Table 1). 

た点を結んだものである.

この地域のエクロジャイトの生成条件については,

坂野 (1968)が詳しく論じた.同氏はざくろ石と単斜 輝石の Mg: Feの分配係数が緑簾石角閃岩相として は高いことから,ェクロジャイトの鉱物が純然たる残 留鉱物の可能性があるという.それで,ェクロジャイ

トがマントルからかんらん岩が固体貫入したときに持 ち上げられたという考えが出て来る.

今回の分析値から計算したざくろ石と単斜輝石との 間の見かけの分配係数

Ga  Cpx 

K'Fe2+-Mg=~ と / 西

l ' :

Ga‑Cpx 

( X . 1 4 g )   ( X 1 , 1 g )  

は7.51 (Sp. No. 82),  7. 77 (Sp.  No. 76),  7. 83 (Sp.  No. 79)であって,かんらん石を多く含むエクロジャ

イトのK'が,かんらん石の少いものより小さい値を示

す.Sp.  No. 79はかんらん石を含まない. この値か ら推定されるエクロジャイトの生成温度は, MYSEN 

and HEIER (1972)の図にあてはめると,約600℃ と なる.

前節でのべたように,ェクロジャイトといっても,

ざくろ石と単斜輝石の量比には著しい変化があり,極 端には,単斜輝石岩またはざくろ石岩に移過する.分 析したものは両鉱物がなるべく均等なものを選んだの であるが,第2図にみられるように,構成鉱物の組成 変化と量比の変化が大きくきいているのがわかる.し たがって,東赤石山超塩基性岩体には,特定のエクロ ジャイト組成があるとはいい難い. このことは,ェク ロジャイトがたとえばある特定の はんれい岩 から 導かれたとする考えには都合が悪い.ざくろ石の生成 温度が600℃前後と推定されるから,かなり高温の変

(7)

260  山口勝・大島恒彦

第 1表 東 赤 石 山 超 塩 基 性 岩 体 Table 1.  Chemical compositions of rocks and minerals  Massive 

Dunite  No.  1 

Sp.  No.  29‑1 

Schistose  Dunite  2 

49‑1 

55  251 

Clino‑pyroxenite  5‑

27  

6‑ 28  

7‑74 

Si02  39.23  39.59  39.22  47.96  51. 75  48.96  48.34  44.08  Ti02  0.01  0.01  0.00  0.04  0.01  0.01  0.12  0.11  Al20a  1. 93  1.43  1. 39  1. 75  1. 33  1. 43  3.46  15.28  Cr20a  n.d.  n.d.  n.d.  0.52  n.d.  0.47  n.d.  n.d.  Fe20a  0.71  1.42  1. 36  2.90  1. 67  1. 32  2.42  4.78  FeO  5.40  7.72  7.33  2.55  2.11  3.00  4.21  5.89  MnO  0.10  0.15  0.12,  0.18  0.11  0.10  0.16  0.26  MgO  51.22  47.09  49.01  23.00  19.20  24.11  22.29  15.15  CaO  0.39  0.25  0.12  17.55  22.29  18.34  17.41  12.81  Na20  0.01  0.23  0.34  0.02  0.21  0.01  0.38  0.22  K20  0.00  0.00  0.04  0.02  0.01  0.01  0.07  0.02  P20.  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  H20+  0.93  1. 85  1.11  3.32  1. 25  2.04  0.95  1.23  H20‑ 0.01  0.08  0.02  0.00  0.01  0.00  0.01  0.01  Total  99. 94 

99.87  100.02  99.81  99.96  99.80  99.82  99.82 

876 

[  

No. l 塊状ダナイト,オリビンサンド株式会社採掘場附近,標本番号 AK29‑1.  No. 2 片状ダナイト,東赤石山頂上西方,標本番号 AK49‑1. 

No.3  片状ダナイト,東赤石山頂上,標本番号AK55. 

No.4  単斜輝石岩,旧ロープウェイ起点より東方'.400m,標本番号AK25‑1.  No. 5 単斜輝石岩, I日ロープウェイ起点より東方200m,標本番号 AK27.  No.6  単斜輝石岩,旧ロープウェイ起点横,標本番号AK28. 

No. 7 単斜輝石岩, I日ロープウェイ東方,権現沢ガレ部,標本番号AK74.  成作用で生成したことになる.エクロジャイトは時に

レンズ状に含まれるために, しばしば超塩基性岩体と は別の経過をたどった テクトナイト.. と考えられた.

しかし,ダナイト,単斜輝石岩とくり返し成層してい るものも多く,原岩をこれまでにのべた結晶集積物に 求めてもよいのではないか.エクロジャイトの生成反 応に関与する鉱物は,かんらん石,輝石,斜長石.ス ビネル,あるいは角閃石などである.斜長石や角閃石 が当初晶出したかどうかについては,はっきりした証 拠がなく,問題が複雑なので今回は議論出来なかった.

しかし標準ノルムで輝岩はかなりの斜長石と時に准長 石を有し.ェクロジャイトには多量の斜長石およびコ ランダムが計算される.第2図に示した各岩石相互の 関係は上記のような分別結晶作用を暗示する.輝岩の 分布領域がCa単斜輝石ーかんらん石線側に偏在する ところからマグマの組成として,アルカリかんらん石 玄武岩あるいはヒ゜クライト質玄武岩が予想できる.分 別結晶作用の問題についての議論は稿を改めて述ぺる

つもりである.

最近YOKOYAMA(1976)は五郎津緑簾石角閃岩体 に初生の斜長石が残っているのを見出し,この岩体の 源岩が はんれい岩 でグラニュライト相の変成作用 をへて現在にいたっていることを指摘している.五郎 津緑簾石角閃岩体は東赤石山岩体に整合的にのる岩体 で,東赤石山岩体の成層岩石の上部は五郎津岩体の下 部と互層する.従って東赤石山岩体と,五郎津岩体

(少くともその一部)とは,もともと一連の岩体であ ると考えられる.このようにみると五郎津岩体の源岩 である はんれい岩類 は東赤石山の超塩基性岩体と 相補的であり,従来東赤石山超塩基性岩体に欠如して いた部分を加えて,一連の成層型岩体を形成すること になる.

超塩基性岩体の型が, 山脈型 (Alpine‑type)か, 成層型 (Stratiform‑type)かの本質的な差は,岩体

の初期の生成様式よりは,生成後の構造運動,変成作 用に深く関与しているようである.

(8)

四国束赤石山超塩基性岩体の岩相変化

の 岩 石 お よ び 鉱 物 の 化 学 結 成

261 

from the Higashi‑Akaishi‑yama ultramafic mass. 

Eclogite  Garnet  Clino‑pyroxene  9  10  11  12  13  ,  14  15  16  17  79  s2  84‑2  76  79  I 82  76  79  82  48.37  42. 76  44.12  39.52  39.54  40.11  53.79  53.14  53.92 

0.09  0. 75  0.17  0.07  0.05  0.09  0.07  0.06  0.04  9.05  15.84  13.37  22.31  20.67  23.30  1.29  1. 70  0. 78  n.d.  0.54  n.d.  0.22  0.15  0.13  0.52  0.47  0.87  6.14  6.14  2.94  1.61  4.06  1.69  0.49  0.92  0.56  3.92  6.89  8. 70  14.53  17.41  13.64  2.22  I 3.05  2.15  0.17  0.32  0.21  0.39  0.56  0.43  0.03  0.02  0.03  14.47  15.22  13.08  14.32  11.36  13.48  17.23  16.43  I I 17. 75  16.87  11.11  14.25  6.67  6.29  7.01  24.21  23.15  23.60  0. 75  0.15  0.90  0.05  0.05  0.04  0.50  0. 94  ! I !  0.38  0.03  0.03  I 0.07  0.02  .02 0.02  0.02  0.01  0.02  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.01  0.25  0.17  1.65  0.10  0.02  0.08  0.02  0.02  0.04  0.01  0.01  0.09  0.03  0.01  0.02  .00  0.01  0.00  100.12  99.93  99.55  99.84  100.19  100.04  100.39  99.92  100.14 

No. 8 ェクロジャイト,旧ロープウェイ束方,権現沢ガレ部,標本番号 AK76.  ごく少量のかんら ん石を含む.

No. 9 ェクロジャイト,旧ロープウェイ東方,権現沢ガレ部,梗本番号 AK79.  かんらん石なし.

No.10  ェクロジャイト,権現沢,東赤石山頂寄り,標本番号 AK82. かんらん石を含む.

No.11  ェクロジャイト,旧ロープウェイ起点横, 1日坑,標本番号 AK84‑2. 角閃石を含む.

引 用 文 献

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