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東北大学遺伝生態研究センター通信 No. 21

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東北大学遺伝生態研究センター通信 No. 21

著者

東北大学遺伝生態研究センター

発行年

1993-06

(2)

遺伝生態研究センター通信 Na21

泉九九苧

A@遺碩砕畑

JGE

1993. 6. Na21 /-ー ′ー\

遺伝生態と いう 視点

本研究センターが発足してから、 5年の年月が経 過いたしました。 10年という年限が付せられたこの 研究機関にとって、折り返しとでもいうべき時点に あたります。この機会に、私どもが掲げた「遺伝生 態」という視点について、改めて考えてみたいと思 います。 5年前、 50年近い歴史をもつ農学研究所がこの用 語を付した研究センターに改組された時、この用語 は目新しくはあるが、それが生物を見る新しい視点 を内蔵しているとは思えないというのが、一般的な 理解であったかと思います。しかしこの5年の間に、 「遺伝生態」という用語は、目新しさから新鮮さへ と、そのニュアンスを微妙に変え、時には生物研究 における新しい視点としての価値が見え隠れするよ うになったように思われます。少なくとも私どもス タッフの多くにとっては、このような変化が確実に 進行していると考えます。そこで以後、この用語を 遺伝生態という視点 土壌微生物生態学と分子生物学の接点 花成誘導とフユニルプロパノイド代謝 高等植物のD-アミノ酸生合成経路について 一研究の歴史と展望-東北大学・遺伝生態研究センター長 服 部   勉 カッコ付きから、普通の表現に変えることにいたし ます。 さてそれでは、遺伝生態という視点とは、何を意 味し、どんな可能性を秘めているのでしょうか。研 究センター設立過程で企画に当たった私どもの考え は、本通信1号に菅初代センタ-長が書かれており ますように、 「ダーウィンの描いた自然生態系にお ける多様な生命の生活の遺伝的基礎」の解明をめざ すことでありました。この基本線は今でも変わって いませんが、その内容を理解する背景としての分子 生物学に大きな進歩があったことが注目されます。 生命現象の分子的機構が遺伝子とその発現の制御を 中心に解明され始めた頃、多様な生物世界がより単 純な分子レベルの法則性で明快に理解し尽くせると いう期待が高まっておりました。しかし最近の研究 により、環境情報の伝達と遺伝子発現との間に介在 する諸機構は予想外に多様、かつ動的なものである 吹 東北大学・遺伝生態研究センター長 九州大学・農学部 京都大学・農学部 1 2 5 勉徹倣 部田村 服植岩 新手法による植物の遺伝的変異解析と生態分析に関する研究 -1-会津大学・短期大学部 一一一-一・山形大学・農学部 7 9 久夫 健 鍋原 真笹

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遺伝生態研究センター通信 No21 ことがますます明らかになり、単純・明快に理解し 尽くせるという期待は新しい試練に遭遇していると 考えられます。遺伝生態という視点は、生物の動的 多様性という特性は分子レベルにおいてますますそ の重要性を増すであろうことを前提にして、はじめ て意味がありましょう。この用語が最近、次第に新 鮮に感じられてきている背景には、このような事情 があると考えます。 ところで今日の生命研究の今ひとつの顕著な特徴 は、地球環境で起きつつある重大な変動が多様な現 存生物の生活に及ぼす影響、とくにその悪影響に注 目し、これを回避する課題に大きく係ろうとしてい る点であります。 20世紀に盛んとなった実験的生物 研究は、ややもすると各々の生物のあれこれの生理 的活性の好適(または至適)条件を対象に行なわれ てきました。また生物の進化に関する議論もこうし た好適条件のみを前提にする傾向がありました。し かし多くの場合、実際の生物たちは絶えず困難な条 件に遭遇し、その中で生存し続けています。私ども はこの条件のことを、好適条件に対して臨界条件と 呼びたいと思います。こうした臨界条件から生物生 活をみるという視点は、はじめ上記地球環境の重大 な変化とだけ関連させて考えていましたが、今では、 この視点はもっと一般的で、生命研究のもうひとつ の視点ともいうべきものだと思っています。しかも より広い視野をもっているように思います。本セン ターの構想当時から、私どもは、地球外環境、また はもっと一般的にいって宇宙環境における生物の生 存条件、生命の可能性の研究に大きな関心をもって きました(センター通信、 2号、「本研究センターの 共同利用活動について」に付された資料1の2-b参 照;ただし地域外環境は、地球外環境のミスプリ)0 このような研究もまた、生物の臨界条件の探求とし て、ひいては生物の研究の発展として理解されます。 また臨界条件を考える生命研究は、地球上生物の地 球外環境への旅立ちや他の天体での定住の可能性を 考えるだけでなく、広大な宇宙における生命の発生、 進化の条件の解明でも、特別の役割が期待できます。 私どもは、遺伝生態という視点の下に、こうした未 開拓の課題をも積極的に取り入れ、次世紀の生命科 学建設という事業での貢献をめざしていきたいと考 えております。 最後になりましたが、本センター設立以来、数多く の方々に大変お世話になって参りました。ここに厚く 御礼申し上げるとともに、今後とも引き続きご支援 下さるようお願い申し上げる次第でございます。

土壌微生物生態学と分子生物学の接点

九州大学・農学部 植 田   徹 1.圧倒的多数の土壌微生物は培養困難である この問題は、今世紀初頭から議論されてきた(A. G.Lochhead∴第-回国際土壌科学会議、 1924)。低 栄養細菌の存在、培地の選択性、高濃度ショック等 の理由により、土壌中に存在する細菌のうち培養で きるのは1 %以下であるため、培養法を基盤技術と する限り99%以上の細菌に関しては手がつけられな い(服部勉、土壌の微生物社会、 1972)。更に、一 旦、自然界から分離培養した微生物は、その培養後 の諸性質が、自然界のものと異なってしまうことも 軽視できない問題である。 2.遺伝子工学的方法論の開発 最近、この培養困難な土壌微生物をも解析しうる 方法論が、開発されつつある。方法論自画ま、遺伝 子工学技術の簡単な応用である。微生物生態分野で は、このアイデアは既に10年程前からだされており (N.R. Pace et al , The Analysis of Natural Micr

obial Populations by Ribosomal RNA Sequenc

es, Advances in Microbial Ecology, Vo1 9 ,1985)、

どうして土壌分野で応用する者がいなかったのか、 疑問である(この方法論はPCR法が開発されてい ない時代でも、ある程度は可能である)。この方法 論を用いることによって、理論的には、土壌中に生 息する微生物の群集構造、およびその動態が定量的 に把握できる、はずである。以下にその手法を示す。 ■Ei

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遺伝生態研究センター通信 Na21 /一■ \ ′ ヽ まず、土壌に存在する全細胞に由来するDNA及 びRNAを抽出する。次に、細菌の16Sリボソーム R N A遺伝子の保存領域からデザインされたユニバー サルプライマーを用いてPCR増幅もしくはRT-PCR増幅する。この操作によって理論的旦こは全て の土壌中の細菌のrDNA (rcDNA)が増幅され るはずである。次に得られた増幅DNAを適当なベ クターにつなぎ、大腸菌に形質転換する。ここで一 つ一つのコロニーに入っているプラスミドは土壌中 に生息する細菌のrDNA (rcDNA)をランダム に一つずつ含んでいる。従って、このクローンを例 えば無作為に10個選択することは、理論的には土壌 から無作為に10株のバクテリアを分離することに近 似することになる。従って、得られたクローンの塩 基配列を決定し、分子進化学的解析によって菌を同 定することによって、土壌細菌群集構造の推定が可 能となる。なお、細胞当たりのリボソームRNA量 は、当然、代謝活性が高いものはど大きいことから、 RNAから解析した場合の方が、生態系において活 性のある細菌のフロラを反映しているものと考えら れる(植田ら、 1992年度日本微生物生態学会東京大 会; 1993年度日本土壌肥料学会沖縄大会; T. Ueda etal投稿中)。更に、得られたクローンを標識し、 最初に抽出した土壌DNAとハイブリダイゼーショ ンすることによって、ある菌が土壌中でどの程度、 存在しているのか定量的に推定可能になると考えら れる。 また、土壌バイオマスの約3割を占め、土壌生態 系に重要な影響を及ぼしている原生動物、糸状菌、 酵母などの土壌真核生物群の群集構造解析について も、上記の方法論が適用できるであろう。我々は、 土壌から抽出した全DNAを鋳型として、真核生物 18SリボソームRNA遺伝子ユニバーサルプライ マーセットを2種類用いてPCR増幅を試み、 18 S rDNAライブラリーを作製、解析することによっ て、土壌真核生物群集構造の解析を試みている(植 田ら、 1993年度土壌微生物研究会)。 3.根粒形成遺伝子ライブラリーを用いた土着根粒 菌群集構造の解析 上の方法論は、更に、土壌から「特定の機能をもっ た」微生物群だけの動態を解析することを可能とし ている。ここでは、マメ科植物と細胞内共生をおこ なう根粒菌の生態についての筆者らの試みを例にあ げて説明したい。 ここ数年の根粒菌宿主特異性に関する分子生物学 的研究の進展は目ざましいものがあるが、土着根粒 菌の動態に関しては未だブラックボックスに近い状 態にある。この間題については、 Richard Dawkins の遺伝子淘汰説を導入することによって、興味深い 見方ができる(行動生物学者であるDawkinsは、

その著「THE SELFISH GENE」の中で、視点を

個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうと する遺伝子の利己性から、生物学全体を捉え直す必 要性を主張している)0 この遺伝子淘汰説を、根粒菌生態研究に導入する と、個体としての根粒菌は、遺伝子という名の利己 的な存在を生き残らせるべく盲目的にプログラムさ れたロボットに例えられる。では、根粒菌の本体は 何か、というと染色体DNAとSym-プラスミド の2つの遺伝単位に大別できる(なお、ダイズ根粒 菌Bradyrhizobiumに関しては、染色体D N AにS ym一プラスミドが進化の過程で入り込んだものと 考えれば、 Rhizobiumと同様に捉えられる)。この 両者はそれぞれ別のoriをもっているだけでなく、 プラスミドは他の根粒菌に移動できることを考える と、両者は、独立した別の「利己性」を持った基本 単位として考えなければなるまい。 Sym-プラス ミドは一つの独立した利己的な遺伝単位として、自 己の遺伝子群を維持するために、根粒菌染色体D N Aとマメ科植物DNAとの2つの遺伝単位と協調し て、遺伝子淘汰に立ち向かっている、と考えられな いであろうか。一方、マメ科植物との細胞内共生を 支配しているのは、染色体DNAではなく、 SyTn-プラスミドであることが知られている。従って、細 胞内共生を念頭において、根粒菌の生態を捉えるこ とが目的ならば、個体(菌体)や染色体DNAでは なく、Sym-プラスミドの生態にまず、焦点を合 わさねばならないであろう。 しかしながら、従来の根粒菌生態研究で用いられ ている分類学的方法論は、すべて個体もしくは染色 体DNAに焦点をあわせている。例えば、現在、汎 用されている免疫学的分類法は、遺伝子のヴィ-ク ル(乗り物)に例えられる菌体の蓑層構造の違いに

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ー3-遺伝生態研究センター通信 No21 立脚している。更に、根粒菌の16S rRNA部分塩 基配列による分類が数百の株について行われている が、これは純粋な染色体DNAの解析である。また、 窒素固定遺伝子、根粒形成遺伝子、反復配列などを プローブとして用いたRFLP法も、 Sym-プラ スミドの構造のみを捉えているとは言い難い。 一方、我々は、従来の方法論とは発想を一変させ て、染色体DNAではなく、 Sym-プラスミドに 由来している遺伝子の生態から、根粒菌の生態を捉 える技術の開発を試みている。具体的には、根粒菌

のcommon nodgenes (Sym-プラスミド上の遺

伝子群であり、全ての根粒菌が保有する根粒菌形成 遺伝子)に着目して、 nodB,nod C及びnodDの それぞれの遺伝子の保存領域から、 3種類のプライ マーセットをデザインした。これらのプライマーを 用いて、 4種の根粒菌DNAを鋳型としてPCR増 幅を試みた。その結果、 nodC増幅用プライマー を用いた時にのみ、一定した増幅が認められた。こ こで増幅したDNAをクローニングし、サイクルシー ケンシング法で塩基配列決定を試み、得られた遺伝 情報を解析した。その結果、ダイズ品種間の宿主域 は大きく異なるにもかかわらず、通常の免疫学的方 法では分けられないUSDA33株とUSDA61株は、 それぞれのTWd Cが大きく異なった遺伝子構造を 有していることを兄いだした(植田ら、 1993年度日 本土壌肥料学会沖縄大会; T.Ueda et al 、投稿準 備中)。この間題に関しては、今後、更に多くのダ イズ根粒菌株についてnod C部分塩基配列を決定 し、それらの分子進化と宿主域との相関を検討して いく予定である。 我々は、更に、土壌中に生息する根粒菌相を「培 養することなしに」解析できる技術の開発を試みて いる。 TWdC増幅用(混合)プライマーを用いて、 土壌および根粒から抽出したDNAを鋳型として、 生態系に生息する根粒菌群のTWd Cを増幅するこ とによって、土着根粒菌遺伝子ライブラリーを作製 した(植田ら、 1993年度土壌微生物研究会)。今後、 この作製したライブラリーを解析してゆく予定であ る。 ところで、 nod Cは自由生活相の根粒菌では発 現しないことが知られている。マメ科植物が産生す るフラボノイドを、根粒菌の膜蛋白Nod Dが認 000000000000 識し、この複合体が根粒形成遺伝子群のプロモーター (nod box)に結合してはじめてnodCを含む一連 の根粒形成遺伝子のmRNAの転写がおこり、その 結果としてnod-factorの合成がおこる。従って、 根圏土壌ないしは根粒組織から抽出したmRNA を鋳型として、 RT-PCR反応を行うことにより、 今後、実際に細胞内共生に関与している(あるいは 関与しつつある)根粒菌の動態が解析できる道が開 かれる可能性も考えられよう。 4.生命の起源 また、この遺伝子工学的方法論は単なる(土壌) 微生物群集構造解析といった面以外にもう一つの重 要な意義を持っている。 「生命の起源」の解析であ る。この惑星上にある生命が1個の生命体、すなわ ち祖先生物(progenote )の子孫であるに違いな いことを示す証拠は十分に存在している。しかし、 この祖先がどんなもので、どのように発生し、そし て進化していったのかは皆目わからない。この生命 の起源、進化の謎を研究するのに、前述の遺伝子工 学的アプローチが強力な武器になるであろう。例え ば、シベリアには「永久凍土」と呼ばれる土壌が存 在する。この土壌は現在知られているもののうちで 最も古い微生物(約300万年前;人類誕生以前)杏 凍結状態で含んでいる。最近、 NASAエームズ研 究センター生命科学部の微生物学者がこの永久凍土 から古代の微生物を培養することに成功した。その 土壌微生物は糸状体シアノバクテリアに類似してい たという。 NASAがサンプリングしたこの永久凍 土には、おそらく培養不可能な微生物が圧倒的に多 く含まれているであろう。培養せずにこの永久凍土 から直接、遺伝子を抽出し、そのリボソームRNA 遺伝子をP C R増幅後、それらの塩断りをコンピュー ターで分子系統学的に解析することによって、現在 の生態系の解析では決して得られないような生命の 進化に関する情報が得られるに違いない。また、 N A S Aは30年以内に人類を火星に送る計画をたてて いる。興味深いことに火星には昔、大海があったが、 今は地表に染み込んで永久凍土となっているという 証拠がある。その永久凍土はなんと数十億年前のも のである! この永久凍土にもLDNAもしくはR NAを自己複製子として、 Darwin流に進化した微

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遺伝生態研究センター通信 No21 ′-I ′■ ヽ 生物が存在するならば(その可能性は十分あるだろ う)、 (RT-) PCR!こよって火星微生物遺伝子が 増幅できるかもしれない!! 5. 「微生物」の生態から「遺伝子」の生啓へ! 今、土壌微生物学分野で最も求められているのは、 既存の体系の再構築である。遺伝子のレベルで、も う一度、土壌微生物学を構築しなおさなければなら ない。医学・一般生物学分野でここ20年程において 見られた革命的ともいえる変化が、ようやくこの分 野にも訪れてきているのだ。医学・一般生物学の分 野では、.1980年代はA.Kornbergによって「遺伝 子ハンターの時代」と称される時代であった。そし て1990年代は十分に出そろった機能分子群の結果を 生かし、それらの遺伝子群の統合に踏み込む時期に さしかかっている、と言われている。歴史家の眼で (土壌)微生物生態の分野の将来を予想するのは難 しいが、今後10年間は様々な生態系の微生物群集を リボソームRNA遺伝子をはじめとする遺伝子の動 態によって解析してゆく「遺伝子ハンターの時代」 になるであろう。そして、その後の2000年代以降か らは、ある程度出そろった結果を生かして、現象間 の相関を兄いだし、定式化することによって、生態 系に秘められている普遍性、客観性を持った法則の 発見にまで踏み込む時代になると予測したい、と言 えばあまりに言い過ぎに聞こえるだろうか。 6.利己的な遺伝子群からなる微生物生態系 ともあれ、遺伝子レベルでの土壌生態系の解析は、 単に土壌の理解に留まらず、地球共生系の総体的理 解に大きく貢献するであろう。シベリア永久凍土な どの土壌微生物D N A解析を通じて生命の起源の分 子レベルでの解析が進めば、その感は大なるものが あるだろう。これら利己的な遺伝子の解析を通じて、 生態系をより深く理解してゆくにつれ、約40億年前 に広大な宇宙の小さな地球に生まれた遺伝子が、そ の後ひたすら増殖しようとするその利己性を原動力 として、かくも巧妙な生命体そして生態系を進化さ せてきたことに驚嘆するのは筆者だけではあるまい。

花成誘導とフェニルプロパノイド代謝

京都大学・農学部 岩 村   倣 フェニルプロパノイドは植物の二次代謝の中で C6 (ベンゼン環) -C。を基本骨格としたものの 総称である。その構造の起源はフェニルアラニンで あり、これから生ずるt一桂皮酸が起点となって、 フラボノイド、シアニジン(アントシアニジン)、 リグナン、リグニンなどが作られる(Fig.1)。こ の生合成系は陸上植物にのみ見られ、藻類にはない。 コケ類にも一般には無いとされている。その内容は 植物が高等化するとともに多様化しており、陸上植 物の進化と深い相関関係を持っていることを窺わせ る。 植物が陸上に出てきたのは今から約4.2億年前の シルル紀末とされている。当時の大気中の酸素濃度 は現在の10分の1ほどで、オゾン層も十分発達して いなく、地上はまだ強い紫外線に曝されていたもの と思われる。植物が陸上に進出することになった背 貴には、紫外線防御物質としてのフラボノイド合成 系の獲得があったことに疑念を差し挟む余地はない ようである。その後被子植物にまで進化した植物で、 フェニルプロパノイドは昆虫の唆害や微生物の感染 に対する防御物質、ファイトアレキシンなどとして の役割や、また花弁の色素として昆虫を誘引する役 割などを担っている。 花を咲かせて種子を作るという、現在の陸上植物 の主役である裸子植物と被子植物の繁殖法は、いわ ゆる胞子で増える維管束植物のそれと比べて格段に 有利なものと言われている。受精から膝の形成に至 るまでの過程が乾燥などの外部環境の変化から保護 されている、種子形成後は休眠により膝が成長する 機を待つことができる、などである。このような高 等植物の花成とフェニルプロパノイド代謝とが密接 に相関していることが、いくつかの事例において明

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-5-遺伝生態研究センター通信 NA21

TH_:C??_H一瞥

CH2-CH-COOH

→-a

CH=CH-COOH

フェニルアラニン、≡ゴ t一桂皮酸

R R一一 R R=H,OH

シアニジン類

(アントシアニジン類)

0-クマル酸-・クマリン

H 0-6}pc_

H=CH-C∞H

クマル酸

。  + I- P-クマロイルCoA

/\

R=H,OH

フラバノン類 クロログン酸リグナン

リグニン

R シアニジン配糖体

oR-  R=H,OH R'= gJucosyl, maJonyJgJucosyl Fig.1 7ェニルプE)パノイド代謝の概略 らかにされている。たとえば、タバコ(Nicotiana

tabacum, N.syluestris )、レムナ(Lemnagibba )

における花成の光周誘導とフェニルプロパノイド含 量(タロロゲン酸濃度でみている)との相関、オナ モミにおける光周誘導のnight breahによる阻害 との相関などである。さらにまた、フェニルプロパ ノイドー量体であるヒドロキシt一桂皮酸類とプト レシン、スペルミン、スペルミジンなどのポリアミ

(H。, n,隻}

cH=CH-CONH-(CH2)∩-NH2 Fig.2 ヒドE)牛シt-桂皮酸-ポリアミン複合体 ン類との複合体(Fig.2)の内生レベルが花成と相 関的に変動するなどである。 我々は抗サイトカイニンとして合成開発した化合 物の中に、アスパラガスの芽生えに花芽を誘導する ものがあることを兄いだした(当センターの亀谷教 授との共同研究) (Fig,3)。そしてこの花成誘導と 連動して変化する内生物質を調べたところ、フェニ

C,cP

NHCOO-CH2CH2CH3 Fig.3 アスパラガス花成誘導物質 ルプロパノイド代謝が抑制されていることを兄いだ した。精査したところ、それはt一桂皮酸が水酸化 されてp-クマル酸になる過程が花成誘導物質によ り阻害されることが原因であることが判明した。こ の過程を触媒する酵素、 t一桂皮酸 4-ヒドロキシ ラーゼ(C4H)、は小胞体上のP-450酵素である。 そこで芽生えからミクロゾームを調製して調べたと ころ、花成誘導物質は間違いなくミクロゾームに作 用し、そこにあるC4Hを阻害するものであった。 現在のところ、この化合物は少なくとも複数のP-450酵素の働きを抑え、その中の一つがC4Hであり、 別のどれかが阻害されることが花成の引き金となっ ているであろうことがわかってきた。 一方、短日植物であるシソの花成とフェニルプロ ■llq

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遺伝生態研究センター通信 Na21 ′一、 ′ 、\ パノイド代謝との関係を当センターとの共同研究で 調べている(菅教授、高橋助教授)。接木実験によっ て日長変化の感受器官は葉であると考えられている。 そこで、花成の誘導される短日条件下と誘導されな い長日条件下においた個体の葉を調べてみ多と、両 者のフェニルプロパノイド代謝に相違があることが 兄いだされた。しかもそれは花成誘導のかかる直前 から起こるものであった。したがってそれは花成誘 導の"結果"として起こったものではない。花成の 原因となっているものであるのか否かはまだわかっ ていないが、少なくとも花成と連動した現象である ことは確かと思われる。 アサガオのキダチは、芽生えを貧栄養下(水道水 のみ)で水耕すると花芽をっけない。最近我々はこ の条件下でプトレシンを与えると、 100%の個体に 花芽が誘導されることを兄いだした。同じことが非 天然の合成1,6-ジアミノヘキサンでも起こる(Fig. 4)。これらジアミンは外から与えたものなので、 これらが花成の原因として働いたことに間違いはな い。このこととフェニルプロパノイド代謝との関係 はまだ調べがついていないが、ポリアミン--ポリ アミン・フェニルプロパノイド複合体--フェニル プロパノイドという因果関係が存在している可能性 は高い。 フェニルプロパノイド合成能を獲得して陸上に進 出してきた植物は、さらに進化を重ねて花を咲かせ H2N-CH2CH2CH2CH2-NH2 日2N-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-NH2 Fig.4 アサガオ(キダチ)芽生えに花成を誘導するプ トレシンと1.6-ジアミノヘキサン て種子を作るようになった。この間にフェニルプロ パノイドの役割も、紫外線よけからファイトアレキ シンの発現のような動的な役割を担うまでに進化し てきた。種を残してゆく上で最も重要な生殖に関し、 フェニルプロパノイドの役割がはたして色素として 昆虫をおびき寄せるだけのものなのであろうか。上 記したような状況を考えるとどうもそれだけではな さそうである。原因であるとか結果であるとかいう ような単純な図式ではなく、複雑な花成誘導機構の どこかで動的かつ調節的な役割を果しているのでは ないだろうか。植物が4億年かけて築き上げてきた カラクリは、そう簡単にはその姿を見せないだろう。 しかし後塵を拝して出てきた人間としては何とかし てそれを知りたいのである。

高等植物のD-アミノ酸生合成経路について

-研究の歴史と展望-L-アミノ酸は、タンパク質をはじめとする生体 内の主要な有機化合物の構成成分です。それに対し てD-アミノ酸は、細菌の細胞壁やペプチド抗生物 質中にその存在が知られている程度で、 L-アミノ 酸の場合ほどには関心が持たれていませんでした。 しかしながら最近になって、噂乳動物や貝類など、 微生物以外の生物でも相当量のD-アミノ酸の存在 が知られるようになっています('、2)。われわれが 摂取している食品にも、無視できない量のD-アミ ノ酸が含まれている可能性を指摘する声もありま 会津大学・短期大学部 真 鍋   久 す。それらに相まって、噂乳類で古くから存在が知 られていたD-アミノ酸酸化酵素の役割について、 現実的な論議がなされるようになってきました(3)0 光学対掌体であるD-、 L一両アミノ酸の、簡便か つ正確な定量法に関心が持たれっっある(りのも、 当然のなりゆきでしょう。 D-アミノ酸を無視でき ない時代が到来したといえるのではないでしょうか? それでは高等植物についてはどうなのでしょうか。 以前から、微量ながら、いくつかの植物でD-アミ ノ酸の存在が指摘されてはいましたが、それらは微

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-7-遺伝生態研究センター通信 No21 生物が産生したものを植物が単に吸収した結果を示 すものであり、植物体内では代謝され難く、無意味 なアミノ酸であるとの考え方が支配的でした。その 後、発芽エンドウやイネ葉身から、生垂1グラムあ たり数FLモルものオーダ-でD-アミノ酸が兄いだ され、引き続いて、これらのD-アミノ酸がかなり 活発に生合成されていることも明らかになり(5・6)、 先の消極説が打ち消されました。しかしながら、ま だD-アミノ酸の生理的意義を系統立てて説明でき る状況には至っておりません。 ここでは、高等植物とD-アミノ酸の関わりにつ いてのこれまでの知見を、生合成経路を中心にしな がら、ご紹介します。 D-アミノ酸がL-アミノ酸系列の代謝産物から 生合成される場合、生物界では、 (イ) α-ケト酸 (ピルビン酸、 α-ケトグルタール酸、オギザロ酢 酸など)が_.7ミノ基転移反応でD-アミノ酸に転換 する、D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ系に よるものと(ロ) L-アミノ酸がダイレクトにD-アミノ酸に交換する、アミノ酸ラセマ-ゼ系による ものの2つが考えられます。 D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ系(上述 のイ)に関して、高等植物では、 D-Metに特異 的な(L-Metには作用しない)アミノトランス フェラーゼがピーナッツ芽生えで、種々のD-アミ ノ酸に作用するアミノトランスフェラーゼが発芽エ ンドウで、それぞれ部分精製されました。また、イ ネ葉身やイネ培養細胞をはじめとする多くの高等植 物ならびにそれらの抽出液から、 D-アミノ酸に対 するアミノ基転移活性が検出されています。これら より、 D-アミノ酸アミノトラγスフェラーゼ系は、 高等植物に普遍的な系であると思われます。 ところで、D-アミノ酸アミノトランスフェラー ゼが作動するためには、生成される予定のD-アミ ノ酸とは別のD-アミノ酸が基質として必要ですの で、このD-アミノ酸の由来が問題になってきます。 結局、アミノ酸ラセマーゼ(上述のロ)の関与がな ければ、真の意味でのD-アミノ酸生成を説明する ことができなくなるのです。アミノ酸ラセマーゼに 関しては、タバコ培養細胞、発芽エンドウ、発芽オ オムギなどからトリプトファンに対するラセマ-ゼ 活性が、また、発芽エンドウ、イネ葉身、イネ培養 細胞などから、アラニンに対するラセマーゼ活性が 兄いだされています.アミノ酸ラセマーゼはD-ア ミノ酸の生成に本質的に作用する酵素であろうにも かかわらず、高等植物における情報はこの程度のも のしかありません。本酵素の体内での活性が低いこ とや、抽出時の不安定さが、詳細な検討を妨げてい るようです。ともかく、高等植物では、ラセマ-ゼ 反応ならびにアミ基転移反応の協調のもとにD-ア ミノ酸が生合成されていることは間違いなさそうで す(図参照)0 一般代計産物 JT H † 1  ラセマtt' Dづミ)酸7ミルラ1Jス7エラーt' :1,慈--フ・肋.一一讐-7㌣ンr一批・ --AA

/

マロ=Allランス71ラ 汁-マPニ山D-ト.)7'ト7叫 a-ケ雌ID-7ミノ赦l 図 エンドウで予想されるD-トリプトファンの代謝経持 このようにして生成されたD-アミノ酸は、引き 続いて、速やかに結合型に変化するようです。たと えば、 D-アラニン、 D-アスパラギン酸、 D-グ ルタミン酸、 D-トリプトファンなどが、以下のよ うな結合型アミノ酸に転換するといった具合です。 r-L-グルタミルーD-アラニン、 N-マロニルー D-アラニン(エンドウ) ;D-アラニルグリシン、 D-アラニル-D-アラニン、 D-アラニルーL-アラニン(イネ) ;N-マロニルーD-アラニン、 N-マロニルーD-アスパラギン酸、 N-マロニルー D-グルタミン酸、 N-マロニルID-ト.)ラoトファ ン(種々の高等植物)。遊離D-アミノ酸は、対応 する遊離L-アミノ酸と括抗するなどしてL-アミ ノ酸代謝系に阻害的に働くでしょうから、結合型の 形成は、 D-アミノ酸を無毒化するための方策であ るとみなされています。 それでは、高等植物がD-アミノ酸をわざわざ合 成してしてる理由は、一体どこにあるのでしょうか? IAA生合成系との関連でその理由の一端を想像し てみます。一般代謝産物から生成されたL-トリプ トファンは、タンパク質やテルカロイド合成系など、 体内での主要な代謝系に素早く組み込まれてしまう ■ィ

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遺伝生態研究センター通信 NR21 でしょう(図参照)。このような環境下で一部のL-トリプトファンを特定の代謝系に組み入れ、しかも その代謝系を独自の調節系で作動させるためには、 細胞内でそれなりの工夫がなされていてしかるべき です。たとえば、このL-トリプトファンを他の化 合物に変換しそおけば、通常のL-トリプトファン 代謝系には組み込まれにくくなるでしょうし、関連 の代謝系を通常のL-トリプトファン代謝の場から 隔離しておけば、独自の代謝調節が可能になるはず です。実際、 L-トリプトファンをD-トリプトファ ン(引き続いてN-マロニルーD-トリプトファン) に変換する系がエンドウに存在し、しかもD-トリ プトファンを出発物質としたIAA生成経路(図参 ′へ 照)がプラスチドに局在しているようです(7、8)。 トリプトファンがD体で存在している意義を、ここ に求め得るのではないでしょうか。なお、このよう なIAAの生合成経路が高等植物で一般的な経路だ とすれば、種々の高等植物に兄いだされるD-アミ ノ酸の少なくとも一部は、 D-トリプトファンーイ ンドールピルビン酸間のアミノ基転移反応と共役し た反応産物(図参照)とみなすこともできましょう。 以上、 IAAの生合成経路とD-アミノ酸との関 係について述べてきましたが、植物組織でのエチレ / 、 ンの代謝系を内生のD-アミノ酸が調節していると の報告(9)もあり、今後、植物ホルモンとの関連で、 D-アミノ酸に関する研究が深まっていくものと期 待されます。 おわりに、この拙文を契機に、ひとりでも多くの 読者がD-アミノ酸の分野に関心をもって下さるよ うになれば、この上ない喜びです。 引用文献

(1)H.N.Christensen : Nutritional Revews,50,294 ( 1992)

(2) H・Felbeckand S・Wile : BioI Bull,173,252 (1987)

(3) R.Konno and Y.Yasumura : Tnt J Biochem,24,519 (1992)

(4)迫田、太田、妹尾、高木: Chromatography,13,377 (1992)

(5)小川  正:化学と生物、 14,610 (1976) (6)真鍋  久:化学と生物、 23,347 (1985) (7) D.M.Low : PhysioI Plantarum,70,626 (1987)

(8) S.J.McQueen-Mason and 氏.H.Hamilton : Plant

Cell Physiol,30,999 (1989)

(9) L.Y.Su, Y.Liu and S.F._Yang : Phytochemistry,24,

1141 (1985)

新手法による植物の遺伝的変異解析と生態分化に関する研究

山形大学・農学部 笹 原 健 夫 植物培養細胞から効率的に植物体を再生させる培 養系の確立は、 in vitroでの培養細胞を利用した変 異原処理による変異体の誘発と選抜、あるいは形質 転換体の作出のためにも不可欠である。本課題研究 の手始めとして、まずアプラナ属作物の花粉培養系 を例として、不定腫誘導の方法、腫発生機構の形態 的特性、人為突然変異原による変異体誘発の方法に ついて、実験結果を踏まえて概説する。次に、イネ 荊培養による色素体D NAの変異について見てみる と、イネ荊培養由来のアルビノ個体には色素体DN Aの大規模な欠失分子が観察された。このような欠 失変異色素体D NAの構造について、正常な色素体 DNAと詳細に比較した。また分析方法としてはパ ルスフィールド電気泳動法と二次元電気泳動法が有 効であることが示された。 イネオルガネラゲノムのうち、ミトコンドリアD NAについて、その構造および進化にともなう動的 な変化を見てみると、ゲノムサイズは400kbを超 え、相同配列を介して組換えが生じて、 5種類の環 状DNAを形成している。またミトコンドリアDN Aには葉緑体のDNAが至るところに挿入されてお り、さらにトランスポゾン様の60塩基からなる断片 が10ヶ所に挿入されている。このようにミトコンド リアDNAは複雑な構造になっているが、変異性に

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-9-遺伝生態研究センター通信 No.21 富み絶えず構造の変化を起こしている。次にイネ属 ミトコンドリアDNAのRFLPについて7種のプ ローブを用いて調べ、その多型から遺伝距離を求め 類縁性を推定するとAゲノムを持っ0.sativa、 0.g laberrimaおよび0.rufipogonは類縁性が高く、 一つのクラスターに属し、またAゲノム以外の0.p unctata(B,BC)、 0.eichingeri(C)、 0.1atiforia(C

D)および0.0fficinalis(C)はおのおの極めて類縁 性が高いこと、また0.australiensis(E)はいずれ とも類縁性は低いが、 0.minuta(BC)や0.alta(C D)は他のBCやCDゲノムを持っものとの類縁性 は必ずしも高くないことが明らかとなった。 またRF LPに代わるDNA多型の分析法として、 ランダムプライマーを用いてPCRで特異的DNA を増幅させて、その多型から類縁関係を推定するR APD法によって系統分類を行なった。イネ16系統 を28種類のプライマーを用いて増幅させRAPDを みると、日本型、インド型、およびジャワ型に明瞭 に分類することが出来た。 RAPD法はRFLP分 析よりも技術的にシンプルであることからRFLP に代わるものとして用いることが出来、多型の検出 が容易であることから、遺伝子地図の作成にも利用 可能であるものと考えられる。 編 集 後 記 平成4年度に実施したワークショップは、 IGE シリーズ誌16号「真核微生物の環境応答と遺伝子発 現」及び同17号「植物の形質発現と環境適応機構」 として刊行され、各方面の研究者の方々にお読みい ただいており、好評を得ております。残部が若干ご ざいますので、ご希望の方は本センター共同利用掛 までお申し出願います。 本号から、行政文書のA判化のため、本通信もA 4版に変更されました。内容については、従来どお りセンターの活動状況の他に遺伝生態という新しい 学問分野をめぐる国内外の研究上のトピックス、意 見、書評など多様な内容で構成いたしますので、皆 様のご投稿をお願いいたします。 一方、生化学的変異に関する研究は、育種ばかり でなく、物質の生合成や代謝を研究する上でも重要 である。本研究課題では受精時に雌性器官を突然変 異剤で処理し、得られた後代の種子を選抜すること によって、イネ、トウモロコシに於て遺伝的に安定 な5MT耐性株を育成することができた。この手法 は薬剤耐性株の作出に広く適用出来ることが考えら れ、細胞培養による選抜法との併用で一層効果的な 変異休作出が可能であろう。 なお、本ワークショップは、 7月15日及び16日の 両日、仙台市片平市民センター第二会議室(仙台市 青葉区米ケ袋-丁目1番35号)において開催いたし ます。 問合せ先  東北大学遺伝生態研究センター共同利 用掛 住  所  〒980仙台市青葉区片平2丁目1番1 ⊂コ弓 電  話  022-227-6200 (内3130) F AX    022-263-9845 東北大学遺伝生態研究センター通信No.21 平成5年(1993年) 6月 編集・発行 東北大学遺伝生態研究センター 〒980仙台市青葉区片平二丁目1 - 1 電話 022-227-6200 (代表) 共同利用掛(内) 3130 FAX 022-263-9845 。研究センタ-通信の題字は、元東北大学長 石田名春雄先生の自筆です。 ・ ・':'.・;;.. は、東北大学遺伝生態研窄センターの Ta〔一 シンボルマークです。

・ IGE 、 Institute of Genetic Ecologyの略称

です。

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