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植物細胞に及ぼす2,4-Dナトリウム塩の影響 : 2)アオミドロ細胞の原形質粘性及び透過性に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)Title. 植物細胞に及ぼす2,4-Dナトリウム塩の影響 : 2)アオミドロ細胞の原 形質粘性及び透過性に及ぼす影響. Author(s). 末松, 格. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第二部, 5(1): 81-84. Issue Date. 1954-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5430. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道 学 璽大 学紀 要. 第5 巻 第1号. 植物細胞に及ぼす 2,4-D. 9年2月 昭和2. ナト リウム 塩の 影響. 2) ア オ ミ ドロ※細 胞 の 原 形 質 粘 性 及び 透過性 に及ぼす 影響 末. 三 松. 格. 北海道学蔓大学旭川分校生物学教室 8年8月27 日受領) (昭和2 .. l f nしv r t g sU ; The Bf t -Di lu SUI ec chl oro- a s of Sodi um 2 ,4- l l t e on the P1 ant Ce s at phenoxyace . i f he t Ef t onthe vi t 2) 2,4ーD Sodium Sal ec scos y and t Pe i l t lmeabi opl l n of s鳶γog’〆α as y of Prot ,. . 1 . 緒. 並びに原形質分離の型によって判定した。 透過性につい. 言. 高等植物の細胞に対する 2 ,4-D の影響については. Cur i r l nhobe (1945) er (1949) l nner 及び 1 , Tuckey , Ha. ては原形質の分離収縮及び原形質復帰に要する時間で測 定した。 ・. 及び岩波 ( 1 952 ) 等の研究により、 塞1 胞の収縮や出現、. 核の肥大や原形質分離類似現象及び半透性の変化の起る 1953 ことが知られている。 叉沢村 ( ) はムラサキッュク 胞化並びに サの雄蕊の毛を用いて、 原形質の ゲル化、 塞1 9 53 声製の異状が生ずることを報 じている。 末松(1 核分 )は. 下等藻類のアオミ ドロを用いて此等に対しても 2 ,4-D ソー ダ塩 が細胞の惨透質を左右し得ること、 偏原形質分. 離を誘起せ しめることを報告した。. 著者は更に 2,4-D ソー ダ塩によるアオミ ドロ細胞の. 原形質粘性並びに透過性の変化について 2 ,3 の知見を 得たのでその概略を報告する。 2 . 材料及び方法 供試材料のアオミ ドロは旭川市内謎園神社横の小川に 目生せるものを探駁し、2~3日暗黒中に置き飢餓状態に したものを用いた。 叉 2 ,4-D は日産工業才締継会社製の 「2 ,4-D 日蓮ソー ダ塩」 を使用した。 実験方法としてはアオミ ドロを一定時間各種モル濃度. J 一 一 3 (IXIO-2 ,5×10…,1×1O ,5×10一, 及び 1×10 ) の2 ,4 D 溶液 刺に浸して 然る後その影響を検した。. 、 原形質の粘性の変化は遠心力※※による葉緑体の移動割合. 3 . 審勝結果及び考察 実験 1) 2 ,4-D による原形質分離型の相違 前言 巳各濃度の 2 ,4-D 溶液中に浸したアオミ ドロ細胞. 5 モル蔵糖液 ( を0 4) で原形質分離型を調 べたと , PH 5 ,. ころ、 対照 (2 ,4-D に浸さない) は代表的な凸形分離 2 モル液で0 5~2時間処理 を示したが、2 . ,4-D1xlo‐. した細胞は癌挙原形質分離を行い明らかに原形質粘性の 増大せるを示した。 筒処理時間3時間以上では偶原形質 分離を生じ薦糖液による原形質分離の進行 しないのは前 5時 報の通りである。 叉2 o‐3 モル溶液で 0. ,4-D5xl 間処理した細胞では凸形、1~2時間処理では凹形の分離 型を示した。 2 o‐3モル以下の場合は ,4-D 濃度が lxl 先ず凹形に原形質分離が姶り後には凸形になるが、 側壁. との間に Hecht 糸を索くのが見られた。 この糸数は 2 ,4-D による処理時間の長い細胞程多く、 且つ糸の途 中に多数の球状体を生ずる (第1図、 第1表)。. ※ 種名不詳 糸搬体は中 80” 長 さ はけ ・倍 業 】の 約 2 、 、 績体は1個で 4~5 回 旋. ※ ※遠心力は 15 00 /秒 を3分間すべての材料に同時に 加えた。 漬心力の加え方は鳥山 (1952) の方法に. - 81 一. よ る。.

(3) . 末. 格. 松 第 1 図. Ar. B. 3 Fi 5 モル蔦緒液で原形質分 離。 He g cht糸と球欺体を示す。 .1 lxlo‐ モ ル 2 . ,4-D 液で処理、0. B, 分離の可成進行せるもの. A. 分離直後. の増大が見られる。 しかし処理時間が長時間にわたれば る現象は Webe 浅原形質の粘性低下 r(1925) に依れ{ ・ D 4 ダ塩は 第 2 圏 を示すもので、 2 - ソー 高濃度では原形質の ,. か. 粘性を高め 低濃度では粘性を低めると謂える 賓験 2). 遠心力による薬総体の移動. 前実験と同様に 2 ,4-D 処理を行った細胞の縦軸方向 5 0 0 / 秒 の遠心力を働かせ、 藁総体の移動 割合を対照 に1. 糠. ; ≦. ←÷. lx のそれと比較 した。 その結果 (第2表) は高濃度 (. 10‐2モ ル) 2 ,4-D. 溶液で処理した細胞に於ける薬総体. i F g 2 遠心力により葉総体の一方に偏せろを示す。. の移動は対照のそれよりも著るしく少く、 原形質の粘性. 第1表 2 ,4-D 処理細胞の原形質分離型. .. 2 ,4 - D 濃度 (モル) -2 1 ‐×10. 5×10‐3. 1×10-3. 5×10-4. lxlo--. 5 6 .. 5 6 .. 6 5 1. 5 6 .. 6 5 .. 1 くo. KI. 1 くo. H. H. KO. 1 くo. Kf. E. H. ・ 一 [. KO. 、対. 照 6 5 .. 0 5 . l ′. H. 三日 王. H. ト l. HHH. HH. 1 く 1 、. HHH. HHH. 1 ‐ IH. 1 く 1. 1 IHH. HHH. HHH. 2. Ko. 1 く r. 3. 1 くo. IQ. 4. KO. ) ) 1 1 ・ ・ ) P 1 ・ , P P ・ ・. Ko. 備考 K0一触形分離. Kr-痛撃分離. E. ・. E一四形分離. H一Hecht糸. p p . ,一鰐原形質分離. 第2表 遠心力による葉緑体の移 動 2 ,4-D (濃度モル) 1×104. 3 5×10-. 1×10帽3. 5xlo‐4. 1×10一4. 6 5 .. 6 5 .. 6 5 .. 5 6 .. 6 5 .. 5 6 .. 0 5 . 1 ,. 40. loo. 25. 17. 22. 35. 35. 65. 18. 22. 27. 25. 対. 照. 2. 45. 70. 20. 20. 25. 25. 3. 40. 25. 25. 20. 20. 4. 43. 〕 ) 1 1 ・ ・ ′ ) 1・ P ・. 30. 24. 20. 16. 5. 40. ) P 1 ・ ・. 45. 28. 17. 17. 備考 表 の数字は細胞長に対して梨総体 の占める中の比 - 82 -.

(4) . 植物細胞に及ぼす 2 ,4-D ナ トリウム塩の影響 偏原形質分離を生じ遼には凝固を生ずる。 2 ,4-D 濃度 3 ‐ が 5xlo モルで処 理した場合には短時間処理では薬. 液では原形質の粘性を増大せ しめ遂には凝固 せ し め る が、 低濃度溶液では粘性の低下が見られる。 賓臆 3 ) 細胞内溶液の浸出速度の変化. 総体の移動は可成大きいが、 処理時間の延長につれて移 動距離は小さくなる。 此の傾向は lxlo‐3 モ ル の 2. 4- D 溶液で処理した場合にも見られるが、 更に低濃度 ( 5 ×104,lxl04. 前言巳の如く 2 害者愛で処理したア ,4-D の各種モル濃度? 4モルヱ 舘糖液 (PH 5 4) に選し、 原形 オミ ドロ細胞を0 . .. モル) の溶液処理では薬総体の移動距. 4 に迄」総陥する時間を測定 して細胞内溶 質が細胞長の3 / 液の鯵田速度に及ぼす 2,4-D の影響を験した結果が第. 離は処理時間の延長に伴って増大する。 即ち 2 ,4-D の. 影響は原形質分離型に於いて見られたと同様、 高濃度格. 3 表である。. 4-D による細胞溶液の移出 第3表 2 , 2 ,4-D 濃. 2 3 5. ル. 5×10洲3. 1xl0一3. 5×10-4. 1×10-4. 5 6 .. 65 5 .. 5 6 .. 6 5 .. 6 5 ,. 5 6 .. 分 13 4 .. 分 72. 13 4 . 134. 9 2 , 9 5 .. 4 14 . 11 0 .. 分 11 0 . 8 8 ,. 分 lo l . 11 8 .. #. .. 9 6 . 7 6 .. 8 2 . 7 8 .. 9 8 . 7 6 .. 8 O . 8 O .. 8 O . 8 O ,. 6 7 . 6 7 .. 照. 13 4 . 13 4 . 13 4 .. 4 ‐. モ. IXIO-2. 対. 0 5 . l. 度. P P ・ ・ P P . . P P . .. 11 4 , 9 8 . 8 6 . 7 7 . 3 7 .. 備考 p p .-傷原形質分 隣 . 第3表によれば lxlo「2 モ ル の 2 ,4-D 溶液で 0.5~2 時間処理 した細胞では細胞内溶液の浸出は対照のそれよ りも著しく速く、 3 時間以上の処理では傭原形質分離を 3 モル以- 4-D 濃度が 5xlo- 下で処理した細 生ずる。 2 , 鰐原形質分離は起らず細胞内溶液の惨出は対照よ 胞では・ りも速く行われる。 且つ処理時間の延長に伴って溶液の 惨出速度も大になる。 即ち傭原形質分離を生ぜ ざる繭囲. 2 5 モルの薦縞液 (PH5 4) ,4-D で処理済の細胞を0 . . 0分間浸して充分原形質分離を行い、 次いで 0.2 モ ル に1. 4) 中にうつし水の透入状態を原形質復帰 蕉糖液 (PH5 . に要する時間で測定した。 その結 果 (第4表) によれば、. 2 ,4-D 処理細胞の原形質復帰時間は何れも対照のそれ よりも長く、 水の透入が阻害される事が明瞭である。 且. では 2 ,4-D は細胞内溶液の惨出を容易ならしめる。 賓験 4)2 ,4-D による水分透入の阻害. つ阻害程度は 2,4-D の濃度に比 例するが、 処理時間と. の関係は明らかでない。 24-D の水分吸収の阻害につ 1 1950 いては P ( ) もイ ンゲンを用いて確認している。 a r ye. 第4表 2 ,4-D による細胞の吸水阻害 塾 度 2 濃 一D I ,4-. × ‘ F ド キ1 11 一喜… 1 -す 十 字 5×10-3. 対. 娠 1. モ ノレ. 1×10‐3. 5 65 .. 6分. 25分. 6. 40分以上 40分以上. 2. 6 6. 65 5 .. 15分. 分 . 12分 ,. . 13. 8. 20. 17. 16. 16. 13. 11. 16. 15. 1 1 . 4-D の濃度が高ければ粘性を増大するが処理時間 2 は. , (凝固 ) 1951 が長ければ川田 ( ) の謂う如く原形質の破壊. 4 . 結 2 ‐〆塩で処理したアオミ ドロ細胞の原形質 ,4-D ソ‐. 1953 が生ずるが、 この前に一度沢村 ( ) の謂 う如く原形. 一 83 -. .

(5) . 末 質の膨化があると思考される。 処理 2 ,4-D が低濃度 = 3 o モル以 下) であれば原形質の水和度が大とな (lxl り粘性が低下する。 か る原形質の変化が引いては細胞 内の溶液の惨出、 或は水の透 入度を左右するものと考え. られる。 大実験に於ては 2 ,4-D は各濃度共に細胞液の 穆出を促進せ しめたが、 逆に水の透入は阻害している。. この惨出、 透入の相互関係については目下糧研究中であ る。. 稿を終るに当り御教導下された北大教授田川隆博士に 深謝の意を表する。. 文. 献. iol i Culr )hys ant1 er H. B : P1 . 24 ,601 (1949) 岩波洋造 : 科 学、 22 ,149 (1952) 川田信一郎 : 科 学、 21,332 (1951) 1950) i P1 ol ant phys I M. A : P1 aye .25 ,469 ( ,. 沢村正吾 : 植難 66,155 (1953) 末松 格 : 北海道学襲大学紀要、 第 2部 4-2,58. ・hobe: ・aln ・ba Tuckey H.B. ・nerandBa ,C,L. Han Bot .107 . Gaz ,62 (1945) 烏山英雄 ; 植難 65,68 (1952) los c ss Webe ,42 , 146 (i925) r F: Zts , Mi ,f , wi. - 84 -.

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