中学校における「発達障害通級」の役割と機能に関する研究:―支援・評価ツールの開発を通して―
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(2) 目 次. 第2章 第1節. 序論 問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・… 通級の実態・・・・・・・・・・・・・・・・… 問題提起・・・・・・・・・・・・・・・・・… 研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・…. −←9︼0 0 ド D. 節節節節 ユ リム ヨ 第第第第. 第1章. 方法 調査内容の収集・・・・・・・・・・・・・・・… 6 第1項通級の役割・機能全般について・・・・・… 6 第2項 二級の対象生徒への指導の内容・・・・・… 7 第3項 他機関・専門家との連携協力・・・・・・… 9 第4項 中学校特有の問題からの項目選定・・・・… 9 第5項 二級担当教員を対象とした項目作成のプロセス・11. 第6項表現上の妥当性の検討・・・・・・・・・… 13 第7項再現性の検討・・・・・・・・・・・・・… 13 第2節. 調査の実施・・・・…. ’ ” ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 14. 第1項調査対象・・… 第2項調査方法・・・… 第3項調査内容・・… 第3節. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 14. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 14 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 14. データの統計処理方法・・・・・・・・・・・・… 14 第1項 フェースシートの統計処理・・・・・・・… 14 第2項 実施と望まれる役割と機能の違いの検討方法・・15. 第3項等級環境が及ぼす役割と機能への影響・・… 15 第4項指導者属性が役割や機能に及ぼす影響・・… 15 第5項通級の役割や機能の分類・・・・・・・・… 16. 第3章 第1節. 結果 回収率及び統計処理・・・・・・・・・・・・・… 17. 1.
(3) 第2節. フェースシートによる発達障害通級の実態・・・… 17. 第1項 第2項 第3項 第4項 第5項 第6項 第7項 第8項 第9項 第10項 第11項 第12項 第13項 第3節. 通級における発達障害生徒の在籍率・・… 17 通回している発達障害生徒の数・・・・… 17 通級教室の種別・・・・・・・・・・・… 18. 通級の形態について・・… ●●’”●’19 指導に関わる担当者の職種・・・・・・… 20 教諭の人数分布・・・・・・・・・・・… 20 講師の配置比率・・・・・・・・・・・… 21 非常勤講師の配置比率・・・・・・・・… 21 指導者の年齢層・・・・・・・・・・・… 21. 通級の指導歴・・・・・・・・・・・・… 22 特別支援対象に対する指導歴・・・・・… 23 発達障害関連の資格・・・・・・・・・… 23 二級での指導内容について・・・・・・… 24. 通級の環境要因の関連性・・・・・・・・・・・… 25 第1項 二級の人的配置と環境要因の関連性・・・… 25 第2項 二級の指導形態と環境要因の関連性・・・… 27 第3項 二級の指導内容と環境要因の関連性・・・… 27 第4項 指導者の属性と環境要因の関連性・・・・… 28. 第4節. 役割と機能に関しての調査・・・・・・・・・・… 28 第1項 通級で実施されている役割と機能・・・・… 28 第2項 下級で実施が望まれる役割と機能・・・・… 29. 第3項項目の実施と望まれる役割と機能の違い・… 30 第5節. 学級環境が及ぼす役割と機能への影響・・・・・… 32 第1項自立活動の割合と下級の役割・機能・・・… 32 第2項 指導体制と通級の役割・機能・・・・・・… 33. 第3項指導者属性と通級の役割・機能・・・・・… 35 第4項指導形態と通級の役割・機能・・・・・・… 37 第6節. 第4章 第!節. 階級の役割と機能からのクラスタ分析・・・・・… 38. 考察 通級の現状と類型化について・・・・・・・・・… 39.
(4) 第2節. 第1項通級の類型化・・・…. ・ 39. 第2項通級の類型と指導形態・・. ・ 41. 第3項通級の類型と指導内容・・. ・ 41. 第4項通級の類型と指導者属性・. ・ 42. 通級環境が役割と機能に及ぼす影響について・・… 43 第1項 指導環境を充実させることに関連する要因… 43. 第2項生徒への直接指導に関連する要因・・・・… 44 第3項連携協力に関連する要因・・・・・・・・… 45. 第5章. 研究ll(中学校発達障害通級のスタンダードモデルの作成). 第1節. 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 47 第1項通級の役割と機能の項目の部分調整・・・… 47 第2項スタンダードモデルの作成・・・・・・・… 48. 第2節. 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 49 第1項2因子モデルの結果・・・・・・・・・・… 49 第2項 3因子モデルの結果・・・・・・・・・・… 49. 第3項MIMIC Iモデルの結果・・・・・・・・・… 49 第4項MIMIC[モデルの結果・・・・・・・・・… 50 第5項代表的なモデル適合指標・・・・・・・・… 51. 第3節. 第6章. 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・…. … 52. 第1項適切なモデルの検討・・・・・・…. ・52. 第2項スタンダードモデルに関する考察…. ・52. まとめ. 謝辞 文献 資料. iii.
(5) 第一章序説.
(6) 第1章 序論 1一一1 問題の所在. 現在の中学校は、暴力行為、いじめ、不登校等多くの問題を抱えている。そ れらの課題に対して中学校の現場は、既存の仕組みである生徒指導と新たに導 入されたスクールカウンセラーを軸とした教育相談という枠組みで対応しよう と取り組んできた。しかし、不登校の状況だけ見ても文部科学省(2009)によれ ば、平成20年度の不登校者は、小学校で22,625人(0.32%)中学校で104,153人 (2.89%)と前年より総数で1.9%の減少を見せたが相変わらず高い数値を示して. いる。率で比較してみると中学校で小学校の約9倍の発生率でありその状況が改 善されているとは言い難い。. これらの現象をよく見ていくと、その背景に発達障害の問題が見え隠れする。 暴力行為について見ると、Moffitt(1990)はNew Zealandで大規模発達疫学調査. の結果として、1,000人以上の母集団から435人を無作為に抽出し、3歳児時点 で注意欠陥障害(Attention DeficitDisorder;ADD)と診断された群とそれ以 外の群を15歳まで追跡した。その結果、ADDと診断された約半数が非行化したこ と、幼少時期の攻撃性の高さは青年期の行動の問題と密接に関連していること を明らかにした。日本でこのような大規模な縦断的疫学研究は実現していない が、松浦(2008)は全国で複数の少年院での調査を実施しており、欧米の先行研. 究と符合する結果が集積されつつある,と述べている。このことから、ADD生徒 が暴力行為をはじめとする反社会的行為のハイリスク群であることが類推され る。. いじめについて見ると、高橋(2008)は東京都内の小・中学校の通級指導教 室に通う発達障害児を対象とした調査において,顕著な不適応(中学校では孤 立,無気力,いじめ,友人のトラブル,保健室登校・不登校,身体症状等の報 告が多い)を示す事例は,注意欠陥/多動性障害(AD/HD)と高機i能自閉症を合. わせると回答数の7割以上を占めていると述べている。このように、社会性に課 題を持ったり、コミュニケーションが不得意であったりする発達障害生徒の課 題はしばしばいじめとの関連性が認められる。. 不登校については、いくつかの調査をまとめる形で加茂・東條(2008)は、. 1.
(7) 発達障害の子どもは、9.1%から33%の割合で不登校を合併していると述べている。 小枝(2001)は、「中学生のLD児の60%、 ADHD児の39%が不登校になっていた。」. と述べている。また、文部科学省(2003)は「LD、 ADHD等が不登校の背景にあ. る場合が見られることから、特別支援教育のセンター的機能を有する養護学校 との連携も望まれる。」と初めて両者の関係に言及した。このように不登校と発. 達障害の問題は以前から指摘されてきたとおりである。このようにしてみてく ると、現在の中学校が抱える大きな課題の背景に発達障害の問題があることが わかる。. 文部科学省(2003)は、今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)の 中で、LD、 ADHD、高機能自閉症のある通常の学級に在籍する障害のある児童生 徒への教育的対応は緊急かつ重要な課題となってきている,と述べている。その. 後、7年間に教育現場でも校内支援委員会の設置や特別支援コーディネーター の配置・通弊指導教室(以下通学)など多様な対策が講じられた。しかし、現 象が終息に向かう兆候はみられない。. 1−2 通級の実態 この喫緊の課題に対応するシステムの一つがしD等通級指導教室の取組であ る。久澄・石坂(2007)は地域での対応に差があること、通解したくてもでき. ない子どもが多く存在すること等を平成17年の福岡県の調査として明らかにし. た。その後、等級に平成18年4月より新たにAD/HDとしDが指導の対象に加え られたことによって通級対象者が急激に増大している中で、上野(2009)は、ふ. だん通っている小中学校に通級指導教室があるかないかで、学習条件に格差が 生じていると述べたように通級の量の問題が存在することは明白である。この ような実態に対して文部科学省は、毎年数百貫の単位で車曳担当者を増員し現 状改善のための施策を行っている。. 確かに通級の現状として、量の問題以外に制度や指導の質の問題があること は明らかである。制度上の問題として、東條・寺田・紺野(1999)が指摘したよ. うに通馬の週あたりの指導時間数は通級制度化当初の想定より長時間になって いることや中学校の情緒障害通級指導教室での不登校指導の割合の多さ等の問. 題点が存在する。このような状況の中で2005年12月の中央教育審議i会は「特. 一2一.
(8) 別支援教育を推進するための制度の在り方について」の中で通級における指導 の在り方については「現行の制度見直しを行い、障害の範囲・要件や指導内容・. 方法については国立特殊教育総合研究所の研究を推進し、検討を進める」と述. べられているのみである。これを受けて先にも述べたように平成18年4月より 新たにAD/HDとしDが障害の範囲・要件として付け加えられたが、現行制度の見 直しとしては不十分である。. それでは、中央教育審議会が現特別支援教育総合研究所に検討を委託した指 導内容・方法の問題はどうであろう。国立特殊教育総合研究所(2007)は、写 声による指導は地域の特徴によって異なる可能性があると述べているが、具体 的な要件や指導内容・方法の問題に言及してこなかった。その結果、設置歴が 小学校に比べ短い中学校では、教科補充しか行わない通暁や担当者が非常勤講 師で専門工に疑問が残る事例などが生まれ、通則の状況は混迷し、一月頃機能 不全に陥っていると言える。. 1−3 問題提起 平成20年度「通級による指導」実施状況調査結果によれば小学校通級の障害 種別は、言語障害が圧倒的に多い。それに比べ中学校では、80%近くの対象者が 発達障害をその主訴としており、中学校では発達障害への対応が重要なことが. わかる。しかし、平成18年4月より新たにAD/HDとしDおよび高機能自閉症が 通級対象として付け加えられたにすぎない。しかも、未だに発達障害を持つ子 供に対する通級には正式名称がない。このため、この論文では発達障害を持つ 子供に対する通級を「発達障害通級」と呼んでいる。. 藤井ら(2004)は、障害種別から通級指導教室の実態把握を報告しているもの. や通級担当者への調査を行った先行研究は多くみられると述べている。このよ うにこれまでの研究は、通級の実態に関する研究が主であった。また、中学校 の通級指導教室に関する研究は少なく、事例報告にとどまっている。中学校の 通級に関して表題に記載されているものは小林(2009)の「中学校教育におけ る通級指導教室の課題と展望」だけである。しかし、この論文においても実態 調査が主体であるうえに中学校の通級が少ないために小学校に調査依頼するな ど本来の表題通りの内容とは言えない。. 一3一.
(9) 通級の指導方法や専門性に関する課題として藤井ら(2004)は「もっと障害に 適した指導を行う努力が必要だ」「通級担当者としての専門性に欠ける」ように. 感じると通級担当者の課題意識を述べている。この調査は比較的指導実績が長 い小学校の三級になされたものであること、ことばの教室中心の調査であるこ とを考えると中学校の発達障害通級と直接比べることは難しい。しかし、新た に整備されつつある中学校の通級においても、通級の指導内容や専門性に関す る問題が起こってきていることが予見される。. 今後、通級の量的増加が予想される中、通級の機能の向上が問題となること が予測される。しかし、通級がどのような役割や機能を持つべきかという文献 は少ない。文部科学省の公式見解としては改訂版通級による指導の手引き (2010)があり、通級指導教室の法的な規定が説明されている。Q&A等を通じて具. 体的な役割や機能に言及しているが、具体的な示唆は少なく地域差や発展に差 がある通級の実態を総体的に表すことはできていない。中学校での状況は、久 澄・石坂(2007)が、福岡県の中学校の実態として述べるように、通級担当者 になることを希望していない者がいること、通常学級との連携が小学校に比べ 少ないこと、関係機関との連携を行っていないこと、教育相談が行われていな いこと、他の教諭からの理解が得られない等の多くの課題がある。一方、不幸 自身の役割や機能を明確に示した研究や文献はなく中学校の通学が持つ役割や 機能が不明確であり、担当者任せになっている実態がある。このような状況の 中では、通級が機能的に運用されることは難しい。. 柘植(2009)は通級指導のスタンダーズと評価システムの構築がそろそろ必 要になってきたと問題提起している。スタンダーズを作成することは、多様な 実態を持つ通級の中では非常に難しいことである。しかし、インクルーシブ教 育の進行する中で通級が今後の特別支援教育で果たすべき役割を考えることは 重要であり、現時点でその機能や役割を明確にすることが求められている。 現状に即した中学校の発達障害通男に関するスタンダーズモデルを構築する. にあたって、直接的な支援、間接的な支援、教室経営という3つ観点から項目 の整理をおこなうことが大切だと考えた。①直接的な支援としては効果的な自. 立活動、特性に応じた教科補充、効果的な指導の実現の3点から項目を作成す るのが適切だと考えた。②間接的な支援としては進路決定のような中学校通級. 一4一.
(10) 特有の問題、在籍学級での合理的な配慮、保護者の支援、コンサルテーション 等の項目を作成することがふさわしいと考えた。③教室経営としては指導計画 等の作成保管、研修の実施、教材開発や保管等の項目が必要だと思われた。そ して、それらの項目を分類し、通級指導の役割を明確にした上で個々の通級の 現状と課題を分析するための支援・評価ツールが今必要だと考え研究に取り組 んだ。. 第4節 研究の目的 本研究では、通級の役割と機能を明確にするために、中学校の発達障害通級 の全国調査をおこない、支援・評価ツールを作成する過程を通じて今後の中学 校発達通級の在り方についての提言を行いたい。(研究1). また、支援・評価ツール基礎データとなる中学校発達障害通級のスタンダー ドモデルを作成する(研究ll). 一5一.
(11) 方. 章 第. 法 二.
(12) 第2章 方法 2−1 囲査内容の収集 文部科学省の通級による指導の手引き(2010)は、専門性・指導力の向. 上のために次のような8点に関する研修を行うことが重要であると述べら れている。その8点とは、①指導の主旨・目標及び概要②障害種別に関す る基礎知識③教育課程の編成④個に応じた指導法⑤教材教具の活用⑥保護 者と関連機関との連携協力、⑦事例研究生と指導の評価⑧通級指導教室の 経営である。この研修項目は、工部に必要な役割と機能と密接に関連して いると考え項目を作成するにあたっての指針とした。. 上記8点の内、発達障害通級の役割と機能を直接的に規定する考えられ る①の目標に関する項目③の教育課程の編成④の直接的指導法⑤教材教具 の開発と活用⑥保護者・関係機関との連携⑦指導法の評価⑧教室経営を反 映した具体的な項目を構成しようと考えた。このことを指針としながら発. 達障害首級担当者が必要とする通級の役割や機能に関する項目を第1節 (Dから(5)を通じて収集・選定した。. 2−1−1 通町の役割・機能全般について 久澄・石坂(2007)は、福岡県の調査として小中学校共通の業務内容とし て「子どもの指導」「巡回指導」「教育相談」「関連諸機関との連携」「対象 児以外の指導」「対象児以外の教育相談」「理解啓発」「保護者支援」「他機. 関への指導」「検査」の項目を挙げた。この整理の仕方は概念として重複や. 未整理な部分を含んでいた。巡回指導は業務内容の中で挙げられた。しか し、すでに通級の指導形態は、年魚による指導の手引き(2010)により校 内通級・校外通級・巡回指導に大別されている。そこで、本調査では、指 導形態についてはフェースシートで確認するものとし、業務内容や指導内 容には含めないものとした。教育相談では、 「就学相談・教育相談に当た り特別支援コーディネーターのサポートを行う」を選定した。 「対象児以. 一6一.
(13) 外」のという表記は、「気になる生徒」と言われる周辺児童だと考えられ特. 別なニーズのある生徒という表現に統一した。このような生徒への指導や 教育相談が通級指導の業務内容であると考えられた。理解啓発の面では、 「学校全体に通級教室への理解を広めている」 「障害理解・発達の特徴か. ら来る学習課題などについての啓発を学校と協力して行う」の2項目選定 した。保護者支援の面では、 「通級指導開始までの手続きを正確に説明す ることができる」 「保護者同士が情報交換する場を設ける」 「保護者・担. 任が閲覧できるような図書・資料の整備を行う」の3点を選定した。関連 諸機関との連携面では、 「特別支援のセンター的役割を意識し、関連機関. との連携を図ることができている」を選定した。通級における「検査」の 扱いには、地域によってかなり異なる。そのことを考慮すれば、観察や調 査票で実施、心理検査を実施する機関を紹介、心理検査を自ら実施といっ た3つの場合が想定されると考え、「家庭環境を含めた生徒の課題を正確に 情報収集することができる(調査票や観察等)」 「生徒の現状から適切な 検査を選択し、実施する」 「生徒の現状から適切な検査を選択し、適切な 実施機関を紹介する」の3項目に分けて選定した。 高畑(2009)は神戸市の小中学校通級全般に使われている自己評価項目と して「教育相談」「子どもへの指導・支援」「家庭への支援」「在籍校との協 働」「関係機関との協働」「教育計画」「組織運営」「教室環境・危機管理」「校. 務分掌」「地域支援」「通級指導者の資質向上」の11領域と下位項目を提 案している。この自己評価は、前三者の研究と一致するところが多い。. この自己評価での特徴として「組織運営」「教育計画」「通級指導者の資. 質向上」が特徴的である。組織運営は、通級が量的増加しつつある現状と 都市部を中心に複数配置の二級が増えていることを考えると今後さらに重 要になると考え選定した。また、この項目策定においては教具・教材の開 発及び整備管理は組織運営との関連からこの領域に含んで考えることが適 当だと考えた。「開発・使用された教具教材が、いつでも誰もが使えるよう に管理する」 「生徒の発達課題や特徴に合わせた教材・教具を開発するこ. 一7一.
(14) とができる」 「教室が計画的に運用できるように、基本方針を作成してい る」 「教室が計画的に運用できるように、年間計画を作成している」 「個. 別の支援計画等の個人情報を含む書類をプライバシーに気をつけ保管管理. する」の5項目を選定した。教育計画では通級での個別の指導計画の充実 や保護者と作る個別の教育支援計画の作成が今後ますます重要性を増して くると考え、「生徒のニーズに合わせた個別の支援計画を作成する」 「指導. の目標・結果・所見をまとめ、見立て・指導方針を検討する機会を持って いる」 「個別の教育支援計画への発展を考えて保護者のニーズを配慮した. 個別の支援計画を保護者と協力して作成している」の3項目も選定した。 近々指導者の資質向上の面から、十分その機能が整理されていない中学校 の発達障害二級では、 「個別の指導計画をもとに、指導内容の検討を定期. 的に行う」通級の地域単位等での研修や共通理解を設定・運営する」の2 項目を選定した。. 2−1−2 通級の対象生徒への指導の内容 今西・玉村(2009)は、子どもに対する指導内容を自立活動として「ソ ーシャルスキルトレーニング」「コミュニケーションスキル」「学習支援」「そ. の他トレーニング」に分類している。しかし、文部科学省の手引きから見 ても学習支援を自立活動に従属させるのは形式的に無理があると考えた。. 手引きによれば、通級の指導内容は自立活動と教科の補充である。自立活. 動は、6領域の特別支援学校の自立活動に準じるものであり下位項目とし. て6領域を挙げるのが適当であると思われるので自立活動6領域を下位項 目として選定するのが適切であると考えた。学習支援をこの文献では算数 と国語に絞っているが、発達障害恒心(LD等通級指導教室と呼ばれる場合 がある)の対象がLD・AD/HDおよび高機能自閉症であることを考えると教 科の補充はLDが顕著に示す「話す」「聞く」「読み」「書き」「計算する」「推. 論する」という立場から考えることが適切ではないかと考えこの6つの指 導を下位項目とすることにした。さらに、今回の研究が中学校に限定され. 一8一.
(15) たものであることを考えると英語の内容をふくめることが必須であると考 え、英語の「話す」「聞く」を加味する形で下位項目を選定した。. 直接子どもに対する指導内容として「自立活動(健康の保持)を生徒が 効果的に学習できる工夫をする」 「自立活動(心理的安定)を生徒が効果 的に学習できる工夫をする」 「自立活動(人間関係の形成)を生徒が効果. 的に学習できる工夫をする」 「自立活動(コミュニケーション)を生徒が 効果的に学習できる工夫をする」 「自立活動(環境の把握)を生徒が効果 的に学習できる工夫をする」 「自立活動(身体の動き)を生徒が効果的に 学習できる工夫をする」 「生徒の困り感(書く力)のある教科補充指導を. 効果的に行う」 「生徒の困り感(読む力)のある教科補充指導を効果的に 行う」 「生徒の困り感(計算する力)のある」 「教科補充指導を効果的に. 行う生徒の困り感(推論する力)のある教科補充指導を効果的に行う」「生 徒の困り感(英語話す力の育成)のある教科補充指導を効果的に行う」「生. 徒の困り感(英語聞く力の育成)のある教科補充指導を効果的に行う」の 12個の項目を選定した。. 2−1−3 他機関・専門家との連携協力 藤本・井澤(2008)は、中学校情緒障害児通級指導教室での連携対象と して次の4機i関を挙げている。それは「在籍校との連携」「適応指導教室と. の連携」「子ども家庭センターとの連携」「医療機関との連携」の4つの機. 関である。ここで子ども家庭センターというのは個別名称であるので福祉 との連携と読み替えた。また、この研究では情緒障害教室が不登校生徒を たくさん抱えていることを考えれば、適応指導教室との連携の必要性は理 解できるが発達障害通年においては、小学校および高等学校との連携が非 常に重要であるので「他の教育機関との連携」という表現に改める方がよ いと判断した。連携という観点から「生徒の支援に必要な情報を医療機関 と交換している」 「生徒の支援に必要な情報を他の教育機関と交換してい る」 「生徒の支援に必要な福祉などと交換している」 「保護者のニーズを. 一9一.
(16) 把握し、適切な情報提供を行う」の4項目を選定した。. 2−1−4 中学校特有の問題からの項目選定 中学校においては、「進路課題」「二次障害」「校内・在籍校の教師へのコ. ンサルテーション」「アコモデーション」は中学校の発達障害通塞の大きな 課題である。進路課題・二次障害は、中学校において重要な課題である。. 進路課題については「本人が現実に気づき、進路決定できるような力を 育成したり支援したりする」 「保護者や進路担当と綿密に調整を図り、進. 路希望にできるだけ添えるように支援する」の2項目を選定した。二次障 害については、通級単独で対応するより生徒指導や教育相談と協働で取り 組むことが有効であると考え「二次障害の面から生徒が二次障害を起こさ ないような支援計画を作成・実施する」 「二次障害の弊害を出さないよう. に生徒指導や教育相談と連携を行う」の2項目を付け加えた。. 校内在籍校の教師へのコンサルテーションの内容は多岐にわたることが 予想されるが教科を中心とする授業面と社会的スキルに代表される自立活 動面から「校内の教師に社会的スキル等のアドバイスする」 「特別なニー. ズのある生徒について、校内の教師に授業に関してのアドバイスする」2 項目を選定した。. 笹森・渥美・伊藤他(2009)は、教科指導とアコモデーションについて次 のような整理が必要であることを「平成18年度からLD、 ADHDが新たに職級に. よる指導の対象になった。発達障害のある子どもは、学習面、行動面あるい は対人関係等において在籍学級で適応困難を示す場合が多く、通級による指 導では障害の特性に応じた指導により、在籍学級での適応状態を改善してい くことが求められてくる。発達障害のある子どもの通常の学級における教科 教育についても、通町による指導の連携と連続性が必要であり、指導・支援 の在り方に大きな役割を担うと考えられる。」と述べている。通級では、在 籍学級との関連を調整するとともにアコモデーション関しても助言・啓発の 役割が求められていると考えられた。アコモデーションの項目では、実施状. 10 一.
(17) 況を把握することから学習環境(座席やグループなど)や学習自体への配慮 については助言できること、テストアコモデーション・個別の支援計画への 反映については啓発レベルにとどめた。 「生徒に対して在籍校で学習に対し て合理的配慮がなされているか情報を収集する」 「生徒に対して在籍校で学 習に対して合理的配慮がなされるように担任等に助言する」 「在籍校で実行 可能なアコモデーションを意識して個別の指導計画に盛り込む」 「在籍校で のテスト・評価にアコモデーションの考えが盛り込まれるよう啓発する」「通. 常学級での授業でグループや席の位置に配慮がなされるように助言する」の 5項目を付け加えた。. 中学校の特徴として、さらに教科担任制が挙げられる。通級することによ って抜けた教科の補充も重要な問題となる。この課題を解決するためには、 自立活動と教科補充をどうのようにバランスよく指導計画に盛り込むかが 問題となると考えた。さらに、保護者への説明責任を考えるなら指導モデル を明示することが必要であると考え、 「生徒のニーズに配慮し、自立活動・. 教科補充の配分を定めて、指導モデルを作成する」を項目として設定した。. 以上11項目を選定した。 上記のような文献から、通覧の役割分担・機能を測定するのにふさわし. いと思われる50項目を選定した。選定した項目を検査・直接的指導・計 画の作成・アコモデーション・教材教具・場の設定・連携・コンサルテー ション・啓発の面から整理し文章化したものを「支援・評価ツールVerl−3」 として確定した。. 2−1−5 通級担当教員を対象とした項目の作成プロセス 中学校のLD等通級指導教室(発達障害に特化した通級)担当者4名を対 象に半構造的な面接を行った。評価支援ツールVer1−3を示しながら「発達 障害通級で必要な役割や働きとして適切か」「発達障害職級の働きとして他. に必要なものはありますか」と言う2観点から検査・直接的指導・計画の 作成・アコモデーション・教材教具・場の設定・連携・コンサルテーショ. ll.
(18) ン・啓発の面について尋ねた。. その結果、概ね評価支援ツールVer1−3に含まれている項目は、 LD等通級. 指導教室の役割や機能として概ね適切であるという意見を得ることはでき た。. しかし、「アコモデーションと言う用語については特別支援関係者の中で もまだ一般的とは言えず注釈をつけるべき」「アセスメントにおける心理検 査の実施は教育委員会から禁止されている」「担任の先生へのコンサルテー. ションは人間関係上難しい」などの意見がでた。アコモデーションと言う 言葉が現状において日本の特別支援教育の場面で一般化していないことや の担当者から複数の質問・課題が出たことも考え合わせると現時点では合 理的配慮という用語も併せて表記し、理解を図ることが適切だと考えた。. 心理検査の問題は、個人情報保護の観点から厳しく制限される傾向とと もに行政レベルの支援施設で実施するところが増えてきたことも考え合わ せると通級自体の要因と言うよりは他の要因で地域差が出てくる可能性が. 提起された。しかし、大別すると上記のような3つの方法になると思われ るので項目としては3項目とも残すことにした。. 通常学級の担任の先生へのコンサルテーションが誰の役割分担なのかと 言うことはあまり明確でない。地域によって指導主事や特別支援コーディ ネーター・巡回指導など多様な形態が想定される。通級がある学校におい ては、通級担当者がこの役割を果たしていることも多いのでこの項目はそ のまま残すこととした。. 支援員の配置や指導内容を誰がどう担当するのかと言う問題も昇級担当 者から複数出る疑問であった。この仕組み自体がまだ新しく十分内容が検 討されているとは言えない。その中で多くの場合、特別支援コーディネー ターがその役割を果たしているようである。通級のある学校では、通級担 当者がこの役割果たしている場合もあるが今回の支援・評価ツールではこ の部分は取り上げないこととした。. 不登校生徒に発達障害の生徒が多く含まれているのは加茂(2008)の研. 12 一.
(19) 究などからわかってきているが、生徒の対応が難しくて、分担も不明確と いう課題も複数聞かれた。通級による指導の手引き(2010)によれば不登 校状況が軽度の場合には、通級指導の対象となるものと考えられると述べ られている。教育相談所や適応指導教室との関連が重要であると述べられ ている。現状はどの学校にも適応指導教室があるわけではなし、一般的に は別室指導と呼ばれる場所だけが確保されている状況が多い。また、情緒 障害通級で不登校生徒が多く指導されている事例は多い。通級で指導する ことは一つの解決策ではある。しかし、このことが、十分議論された上で の実施されているわけではなく教育現場の実情に合わせて実施されており、. 今後の議論が必要である。このような状況下では、項目としては不適切で あると考え、今回の項目には選定しなかった。. 2−1−6 表現上の妥当性の検討 支援・評価ツールVer2−1を、 A教育大学大学院の特別支援教育学専攻学. 生10名(教育現場経験者)と特別支援教育学専攻教員によって表現上の妥 当性の検討を行った。その結果、不明確な表現や不適切な表現の修正をお こないVer3−1を作成した。. 2−1−7 再現性の検討 支援・評価ツールVer3−1を、特別支援専攻10名(教育現場経験者)に よって1週間のインターバルをとって実施した。項目への回答の一致度を 持って再現性の検討を行った。一致率は、50項目にそれぞれ10名が答える. 形式で500間中498の一致した回答を得た。その結果、50項目に対しての 一致度は99.6%であり、再現性を有していると考え、支援評価ツールVer3−1 を確定した。. 一13一.
(20) 2−2 調査の実施. 2−2−1 調査対象 全国小・中学校特別支援学級、通級指導教室一覧(2009)に記載される249 校の通級指導教室の担当者を対象とした。. 2−2−2 調査方法 対象中学校通級指導教室宛にアンケート用紙を郵送し、その通号指導教室. の主担当者に無記名での回答を依頼した。調査期間は2009年12月中旬から 2010年1月末日までとした。. 2−2−3 調査内容 同級の指導環境を知るためのフェースシートとして、発達障害生徒の実 態(発達障害生徒の有無,通級の種別,通級の形態と通級生徒の人数),通級. 教室の指導内容(自立活動と教科補充の割合),通級指導者の配置(担当者 数・担当者の職種),回答者の属性(担当者の年齢層・三級指導歴・特別支. 援対象者への指導歴・特別支援教育・心理学関連資格)についての調査を 実施した。. 支援・評価ツールVer3−1を質問内容とした通級指導教室の役割と機能に. 関する質問紙を実施した。支援・評価ツールについては、現在通級で実施. している役割や機能については、実施なら○、未実施なら×の2件法で調 査した。望まれる役割や機能についてはとても必要なら5、おおむね必要. なら4、どちらとも言えないなら3、あまり必要でないなら2、必要でな いなら1を記入する5件法で調査を行った(資料1)。. 2−3 データの統計処理方法 統計処理(スピアマンの順位相関係数,ロジスティック回帰分析,x二乗 検定、クラスタ分析)にあたっては、SPSS Statistics18(IBM)を使って処. 14 一.
(21) 産した。一部作図にはExcel 2007(Microsoft)を使用し作図した。. 2−3−1 フェースシートの統計処理 人員配置などの度数分布や記述統計を処理した。フェースシートからわ かる通級の環境要因については、諸条件をスピアマンの順位相関行列で相 関行列を作成した。通流の形態と通級生徒の人数、通級教室の指導内容、. 通級指導者の人的配置、担当者の年齢層、通級指導歴、特別支援対象者へ の指導歴について相関行列表として整理した(資料4)。. 2−3−2 実施と望まれる役割と機能の違いの検討方法 資料2・資料3では通級の役割や機能についての平均値・標準偏差を算 出した。実施と望まれる姿の違いから各項目の特徴を明確にするために、. 両調査のPearsonのX2乗値を算出した。同じく実施割合を算出し、両値 ともに標準化の作業をおこない各項目の特徴を明らかにしょうとした。. 2−3−3 通級環境が及ぼす役割と機能への影響 通級における環境要因が通級で行われる役割と機能にどのような影響を 及ぼすかを確かめるために、実施実態を行に望まれる姿を列に取りにロジ スティック回帰分析を行った。発達障害生徒が通っている教室(n=78)に対. して統計処理をおこなった。従属変数を項目、共変量をフェースシートの 内容として、変数増加法によるステップワイズ法を使用した。モデルには 定数項を含み、ステップ投入0.05 除去0.10で実施した。分類打ち切りは. 0.5 最大繰り返しは20回とした。Wald法で変数として認められた項目で 式を確定した。. 2−3一一・4 指導者属性が役割や機能に及ぼす影響. 年齢層が影響を与える項目については、実施割合と望まれる姿をクロス 集計した。その特徴を分類した。. 一15一.
(22) 2−3−5 通級の役割や機能の分類 項目を分類することによってより通級の役割や機能を明確にできると考 え、再調整された距離によるクラスタ分析(Ward法)で行った。. クラスタ分析を行うにあたって、他の項目との重複が考えられる「生徒 の支援に必要な情報を福祉などと交換している」「生徒の困り感(英語を話. す力の育成)のある教科補充指導を効果的に行う」は分析から除外して全 48項目を対象にクラスタ分析を行った。また、通級の指導内容は、法令に よって自立活動と教科補充に分けられているのでは事前に分析からはずし 37項目を対象としてそれぞれ一つのクラスタとして考えた。. また、通級には地域差や高度化に差が大きくあることを考慮して、実施 の割合と望まれる姿で平均以上の数値を示す項目だけをクラスタ分析した。. クラスタとして説明が不明確となる「通貫教室が計画的に運用できるよう に、基本方針を作成している」「通級指導開始までの手続きを正確に説明す ることができる」「本人に現状を理解させるとともに、保護者と連携して進. 路決定に協力する」を除外して分析をおこないクラスタ構造を明らかにし た。. 16 一.
(23) 第三章 結果.
(24) 3−1 回収率及び統計処理 2009年12月18日に前述の249校に質問用紙を発送した。1月末日を回収期 限とした。結果249校中94校(有効回収率37.8%)の回答を得た。フェースシ ート及び支援・評価ツールは249校中78校(有効回収率31.3%)の回答を得た。. 両回収率の違いは、前者が通院指導教室全体に対してのものであり、発達障害 島山以外のものを含んでいるが、後者は発達障害通級だけを集計の対象にした ためであった。3−2−3までは前者データを分析に活用し、それ以降は後者を分析. の対象とした。フェースシートの集計結果が資料2である。. 3−2 フェースシートによる発達陣害通級の実態 3−2−1 通級における発達障害生徒の在籍率(n=94). この調査によると通級指導教室の83%に発達障害生徒が在籍していた。通級 指導教室の多くが発達障害生徒の支援に関わっていることがわかった。LD等通 級指導教室はもとより、情緒障害通級(100%)、言語通級(89%)、自閉症通級. (100%)において発達障害のある生徒の支援がなされていることがわかった。弱. 視・肢体不自由通級では発達障害生徒はほとんど通詞していないという回答で あり、難聴通級では少数通毒しているという回答であった。. 3−2−2 通嚇している発達障害生徒の数(n=94). 文部科学省の調査によれば全障害通して一教室あたり9.8人の通級者であっ た。本調査では一教室に通級している人数は、最小0名から最大73名であった。. 通適者の平均数は、10.8人であった。通級者数の分布をまとめたものが図1で ある。一教室あたりの雲級者数に大きな差があることがわかった。文部科学省. が出している南岳教室1教室開設の目安が10名程度であることと本調査の平均 画面者数が9.8人という結果はほぼ一致していた。. 17 一.
(25) (人). 20. 15. 10. 5. o. 0人. 1∼5人 6∼10人 11∼15人 16∼20人 21人以上. 図1 通論している生徒数の分布 3−2−3 通級教室の種別(n=94) 文部科学省の平成20年度統計によれば対象者を言語障害・自閉症・情緒障害・. 弱視・難聴・学習障害・注意欠陥扇動性障害・肢体不自由・病弱/身体虚弱の8. つに分類した。平成18年に学習障害・注意欠陥多動性障害・高機能自閉症の発 達障害に対する通級が追加された経緯を持っている。追加された障害種別につ いては発達障害上級として集計した。なお、一校に複数の種別の通級が存在す る場合が存在するので複数回答を可能とする設問にした。. 発達障害通話43教室、情緒障害19教室、言語通級9教室 難聴通級8教室 弱視通級2教室 自閉症画面4教室(自閉・情緒回答を含む)、無回答9教室、 「不登校」「その他」という回答があった。中学校においては発達障害通級が多 いことがわかる。このことは、文部科学省の調査で中学校では、自閉症・情緒・. LD・AD/HDの順で指導を受けている生徒数の内訳と同じ傾向であった。中学校通. 級の中核は発達障害通運であることがわかった。本調査における通級の種別を 図2に示した。. 18 一.
(26) 50. 40 整3・. 数20 10 o. 発達. 情緒. 言語. 難聴. 弱視. 自閉. 図2 本調査における通級教室の種別 3−2−4 通級の形態について(n=78). 文部科学省の平成20年度統計によれば通級の形態を障害種別に自校三級・他 校通級・巡回指導の3形態に分けていた。本調査では、通級の形態と役割や機 能の関係を考察したいと考え、通詞の形態別の生徒の数の集計を行った。先の. 文部科学省の統計と完全に一致する訳ではないが約半数である合計1315名分の データを得ることができた。内訳は、自校通雨484名(37%)、他校二級763名(58%)、. 巡回指導68名(5%)という結果であった。. ■他校通級 ロ自校通級 圏巡回指導. 図3 通級の指導形態. 19 一.
(27) 3−2−5 指導に関わる担当者の職種(n=78複数回答可能) 文部科学省の調査では教諭数については平成20年度で360名ということがわ かっているが、講師等についての調査は行われていなかった。講獅や非常勤講 師・支援員などが関わりながら通級を運営している実態から担当者全体に対す る調査を行った。通級指導に関わっている指導者を教諭・常勤講師・非常勤講 師・支援員またはボランティアに区分して調査したところ平均で、教諭が1.81 人、常勤講i師が0.2人、非常勤講師が0.58人、支援員またはボランティアが0.33 人であった。. この結果から、教諭の複数配当が進んでいることが読み取れた。詳細に調べ てみると、東京都では小学校を含め、通級担当教諭の複数化を整備の基本方針 にしていた。また、神奈川県では、中学校に関しては100%複数配置となってい. る。神戸市では、2010年より担当者の複数化が図られたことがわかった。この 調査から、都市圏において、中学校の通級の複数担当者化が進行している様子 が読み取れた。中学校では常勤講師より非常勤講師の配置が多いことも教科担 任制をとる中学校の特徴であった。また、通級が整備されて間もない地域に通 級の主担当者が常勤講師である場合や非常勤講師である場合も見られた。. 3−2−6 教諭の人数分布(n=78). 教諭数は0名が4教室、1名が43教室、2名が10教室、3名が9教室、4名 が5教室、5名が1教室、6名が3教室、7名が1教室であった。 教諭の配置 状況を見ると圧倒的に1人の配置が多かった。教諭が配置されず、講師での運営 がなされている通級指導教室も4校あった。その反面、複数名の配置校もあり、. 最大で1校に7名の教諭が配置されている学校もあった。このことは、通級の複 数担当者化の傾向を指し示すと同時に1名の教諭配置の学校が多く人的配置が両 極化している傾向を示していた(図4)。. 20 一.
(28) 50 教. 40 数. 室 30 20 10 o. 0人. 2人. 1人. 3人. 4人. 5人以上. 図4 教諭の人数分布 3−2−7 講師の配置比率(n=78) 全体の15.4%に常勤講師の配置があり多くの学校では、複数の教諭と常勤講師. が複数配置されている通級の運営形態であった。ごく少数であるが教諭が配置 されず、常勤講師のみで通級指導教室が運営されている学校が4校あった。. 3−2−8 非常勤講師の配置比率(n=78) 全体の22.4%に非常勤講師の配置があり、非常勤講師が複数配置されている学. 校が多くみられた。これは、中学校の教科担任制の影響を受けた結果だと思わ れた。一校だけであるが、非常勤講師のみで通級指導教室が運営されている学 校もあった。. 3−2−9 指導者の年齢層(n=78). 10歳きざみで主となる指導者の年齢をたずねた。20代回答 8%、30代回答. 4%。40代回答 39%、50代回答 39%であり、40代・50代の年齢層の担当 者が多いことがわかった。若年層での任用は、講獅での任用が多かった(図5)。. 一 21.
(29) □50代 ■40代 ロ30代 ■20代. 図5 指導者の年齢層. 3−2−10通級の指導歴(n=78) 通級指導者の指導歴を調査した資料は今までの先行研究にはなかった項目で あった。通級指導歴は平均4.19年であり、標準偏差が4.06であった。結果は 1∼3年の経験者が多数を占めた。これは、平成18年4月にAD/HD、学習障害、. 高機能自閉症が通級対象になったこと時点からの担当者が大多数であった。特 にそれまで通級が未整備であった中学校においては、この時点から中学校での. 通級が急増したことと関連づけられる結果であった。3年以下が53名 4年以. 上10年未満が18名 10年以上が7名であった。平成18年度以降に担当者と なったと考えられる担当者が圧倒的に多かった。また、標準偏差が大ききこと から担当者の通級経験にはばらつきが大きいことがわかった。. 22 一.
(30) 15. ﹁癬. ⋮齢 .5一一 無麹紺 撫. ⋮眺ゴ雌 ㌣ ド灘. π一. 罵ピ. 「、. 霜⋮. 羅麟∼擁騨. 園. [鋤嘱雄踏麟嚢¥。∴、一嘱. 度数 5. 7ぜ⋮野㌧滋難灘 出門繍騨鑓. (人). 識し 鋳畿 奎 臨. 2. ,OO 1.00 2.00 3,00 4.00 5.00 6,00 7.00 8,00 9.00 12.00 13.00 14.00 15.00 16.00. 通級指導歴 (年). 図6 担当者の通級の指導歴 3−2−11特別支援対象に対する指導歴(n=78) 支援学校や支援学級の経験者が通級の指導者になっている場合を考慮して、. その影響を確かめるために支援教育に関わった教育歴(支援学校+支援学級指 導歴)を調査した。平均経験年数は6.43年であり、標準偏差が7.61であった。. 経験者が73.1%、未経験者が26.9%いることがわかった。最高経験年数は30年. であった。その一方で支援教育に全く携わった経験がなく、しかも通級の経験 が3年以下という指導者が17.・9%もいることがわかった。この結果から担当者の. 支援教育上にばらつきがあることがわかった。. 3−2−12発達陣害関連の資格(n=78) 特別支援関連の資格の有無について聞いたところ、全体の25.6%の方が何ら かの資格を持っており、特別支援教育士(9名)・臨床発達心理士(2名)・認定 心理士(2名)・学校心理士(1名)などの順であった。教員免許を記入した回答. 一23一.
(31) 者もおり、支援学校免許を持っている担当者もいたので集計には反映させた。 大半の対象者が資格について記述をしていなかった。. 3一・2−13通級での指導内容について(n=78). 通級での指導は対象や時期によって自立と教科の補充の比率に違いがあるこ とが予想された。そこで、それぞれの中学校発達障害通級が持っている指導内 容の方向性を捉えることに意義があると考え、自立活動と教科の補充の比率を. たずねた。自立活動:教科補充の割合を度数で示したものが図7である。発達 障害が在籍している調査全体に対して調査したところ、自立活動中心の集団と 教科指導中心の集団の二つの山からなることがわかった。. 教16 室. 数14 12. 10 8 6. 2. .■■ 1 1 訂 画 監 l I 曜 1. ■1 コ. 4. 0 100二〇 90=10 80:20 70:30 60:40 50:50 40:60 30:70 20:80 10二90 0:100. 図7 通級での指導内容の比率(自立:教科の補充). この統計には、情緒障害通級や言語障害通級が含まれているために、純粋に 発達障害通級での結果といえるか確かめるために、発達障害通級と次に回答の 多かった情緒通級について個別に集計をしてみた。. 両者ともに、自立活動重視と教科指導重視の二つの山が見られた。両者の特 徴をみると情緒通級では、自立活動重視の傾向があり、教科補充のみと言う通 級はみられなかった。発達障害通級では広く指導内容が分布し、二つの集団に はっきりと分かれていることと教科補充のみの通級が存在するのが特徴であっ た。. 一24一.
(32) 情緒障害通級. 教室数. 6543210 876543210. 87−. ずφ㍉㍉㌔㍉㌔㍉やず評も調 発達発達障害通級. 教室数. ボφ㌔㍉㌔懸㌔㍉やヂ評も3 図8 通級種別による指導内容の比較. 3−3 通級の環境要因の関連性. 3−3−1 通級の人的配置と環境要因の関連性 相関行列(表1)を教諭数という基準で見ていくと一つの傾向があることが わかった。教諭数の多い通級では、指導者数(講師とボランティアの総計)・他. 校通級・指導者歴間に有意な正の相関が見られ、巡回指導との間に負の相関が. 見られた。図4で示したような通級の比率の中で大きなウェートを占める教諭 一人の通級とは違った形態の通級が存在した。. 25 一.
(33) 人数. 人数. .戸 、隔、r“ 唱…”FρF .い “ 層胎 吊 ■ 腎 ρ 畠 7 用 吊. 巡回指導. 自立::舌動の冒1.合 F國係融. 1.〕Ol〕 .034. 一.129. 湘一〔1.269. 米xo.2εε. 肯意硅車. . .733. .262. .〔18. .01〔. ,209. 通級指導歴支蓑教育歴. 年齢層 .050. .1〕75 .113. .667. .517 .313. 76. 了7. 1﹂. 澗’同D. ,’. 77. 位相関係数. }旨導者数. 他校通観わ』. S5. 匡立活動率 教諭数 Spearmanの.ll萸. 自綾二級ガ. 77. .〕き4 1.0〕〕. 斗;寒。.874. .C73. *xO.55ε. :k−0,232. .022. 継〕.297 .〕〕4. 有意油槽. ,7Bβ ,. .000. .528. .〔lcc. ,042. .85’. .1〕1〕9 .372. 77 77. 76. 77 77. 77. 77. 1,000. .C55. *xO.∠〔7. :k−0,291. 一.16了. 綜〕.:317 一.〕45. .634. .〔lc〔. ,〇一〔1. ,14$. .1〕1〕5 .3ヨ7. o. 有意確車. .〕1零 .52き. .634. 77. 77. .2臼3 .55ヨ. .407. 一.εgo. 有意山車. .〕1D .0〕〕. .000. .COO. 77 77. :綜。,295. 一.035. .1〕27 一.〕53. .〔ICC. ,009. .762. 314 .314. ’.〔lc〔. 匿. 77 77. 他佼通級の人故 戸田目1繊. 77 77. 継一〇.3S〔. 〒6. 11. 1:両罰り. 76. LCOO. 77. 77. .055. 77. 77. 一.269 .073. .. 77 77 自佼通級の人数 声調係数. 77. ,2B2 .0〕〕. 1:至上り. 77. 有意璋隼. 7了 77. 一.12!〕 .875. 悶. 謡. H MH一×仙Vーアθ酬一十凹粛 横へ訟”糊昌. 指導者数 万裏目係雛. 77. 目. 祠’同D. 77. 77. 教諭数 ア醐係融. :k:杖一〇,33孟. ,16串. ,003. ,148. 77 77 **〕.371 湘〕212 .1〕1〕1 .〕34. 1:両」興D. h. 巡コ指導 ヌ圃ゴ山山. 77. 77. 一291. .296. .21〕9 .042. .010. .CO9. 77. 76. 77 77. 1,000. 一,045. 一.156 一,133. ,703. .149 .11〕. 刀 _(幽。「.㌔.馬ゴ㌔r. .〔lc竈 ■. 有意確準. η 77 .145 一.233. ll. 澗’騨D. 77. 7フ. 77. 了6. 77 7ア. ㍉167. 一.〔35. .16ε. 一,045. 1,000. 縣〕.311 繍〕.237. 有意確率 祠ll). .367 .851. ,148. .〒62. .14ε. 1了。き. 7B 73. 76. 76. 通級指導歴 唱調係数. ,〕75 .297 .517 .0〕9. .317. .〔27. .∈171. 一,’. .005. .ε14. .〔IC1. ,幽. .E14. 。〔164. 7ア 77. 77. 77. 閥. 相関孫数は1%水準で有意です. ,幽幽. .006. .[〕1〕6 .〕12. 76 73 1.1〕1〕0 .121 .295. 77 77. .2$7. .121 1.〕〕〕. .012. .295 .. 76. .697. .31’. 76. .31B .972. W∠. 76. 有意吐出. 一,’. 77. .212. k1. 一.C58. 7下. 77. 一.045. 相関係数は5%水準で有意でて. 76U6 S9. 77. ,11臼 .0〕4. 77. 77 77. 支援致育歴 弔関係激 1両’恥. 一*. 了7. ll. 祠ID. 76. 有意確率. ■. 77. .〕51〕 .022. 口. η 77. 年錦層 朝団f結!. 77 77.
(34) この結果から、指導に当たる教諭数が複数配置されている二級には共通する 特徴があると考えられ、その特徴に配慮しながら結果を分析することが重要で あることがわかった。. 5%水準正の相関関係 1%水準正の相関関係. 畷脳 》 5%水準負の相関関係 ⑭ 1%水準負の相関関係. 巡回指導. 自校下級. / 1 駕 ノボ 妻. …一. ーー. ロ ロは . kー . sg 曳曳. 藝 〆 悔. 自立活動. 他校通級. 指導者数. 教諭数 通輩下丁壮. 7支援教育歴_年齢 6. 図9 三級の環境要因についての項目結合図. 3−3−2 通年の指導形態と環境要因の関連性 相関行列からわかるように、自校通尊者数と他校通級者数は有意な負の相関 を持つ。また、巡回指導者の対象者数と自校通級者数は有意な正の相関がある ことと巡回指導と他校亭亭が負の相関であることを考え合わせると自校通級と. 巡回指導が1つのまとまりの指導形態であることがわかる。一方、他校通級が 主体の通級があることもわかった。. 3−3−3 通級の指導内容と環境要因の関連性 通級における指導内容は自立活動と教科の補充と規定されている。自立活動 の割合と他校通富者数には、有意な正の相関があることがわかった。自立活動 の割合と自校通正信二間では、有意な負の相関が見られ相対的な関連が伺われ た。. 27 一.
(35) 3−3−4 指導者の属性と環境要因の関連性 年齢と通級指導歴と支援教育歴と間には、有意な正の相関が見られた。通級 指導歴と教諭数、指導者数、他校通網田数、支援教育歴の間には有意な相関が 見られた。支援教育歴と年齢層の間に有意な正の相関が見られた。. 3−4 役割と機能に関しての調査. 3−4−1 通級で実施されている役割と機能 調査用紙「通級指導教室実施状況と必要な機能」の各項目の実施割合は資料 3のようなものであった。全項目の実施割合の平均は73.8%であった。実施割合 が最も高いものは、98.5%の実施割合であり、最低の実施割合は33.8%であった。. 50の項目の内45項目において実施率が50%を越えた(資料3)。 上位の項目には、日常的に実施する管理的内容や指導内容があがり、下位の 項目には、物理的環境整備が必要なものや新たに通級の課題となってきたもの が挙げられた。. 表2 実施割合が特徴的な項目 上位の項目 28. 平均. 個別の指導計画等の個人情報を含む書類をプライバシーに気をつけ保管管理する。. 0,985. 7. 在籍校へ通級生徒に関する適切な情報提供を行う。. 0,954. 1. 家庭環境を含めた生徒の課題を正確に情報収集することができる(調査票や観察等). 0,938. 31. 自立活動(心理的安定)を生徒が効果的に学習できる工夫をする。. 0,938. 32. 生徒の困り感(計算する力)のある教科補充指導を効果的に行う。. 0,938. 33. 生徒のニーズに合わせた個別の指導計画を作成する。. 0,938. 下位の項目 13. 保護者・担任が閲覧できるような図書・資料の整備を行う。. 0,492. 27. 通常学級の指導・テスト・評価にアコモデーションの考えが盛り込まれるよう啓発する。. 0,492. 保護者同士が情報交換する場を設ける。. 0,477. 5. 生徒のニーズに配慮し、自立活動・教科補充の配分を定めて、指導モデルを作成す 26. 0,446. 驕B 21. 生徒の支援に必要な情報を福祉などと交換している. 一28一. 0,338.
(36) 実 100% 施. 割 90% 合 800/, 700/, 600/, soe/, 400/, 300/, 200/, loo/,. oo/o 28 7 1 3132 33 1117 4342 4449 2 2934 40 18 2537 39 4 50 19 20 38 3 142336 10 30 1224 15 1622 46 47 8 45 6 41 9 48 35 1327 5 2621. 図9 役割と機能の実施割合. 項目番号. 3−4−2 通級で実施が望まれる役割と機能 調査用紙「通級指導教室実施状況と必要な機能」の各項目で望ましいと考え られる項目5件法で調査した。資料4の結果を順位整理したものが図10である。 全項目の平均値は4.33であった。通級の望まれる姿として「概ね必要である」 が4であることから考えて、4.33はかなり高い評価だと言えた(資料4)。. 望まれる姿の上位として、日常的に実施する管理的内容や学校内での啓発や 連携が挙げられた。下位の項目としては、物理的環境整備が必要なものや新た. な課題の他に英語の指導や他機関との連携の問題が挙げられた。調査1と2で は同じ傾向が見られる項目とそうではない項目が見られた。. 一29一.
(37) 表3 望まれる姿で特徴的な項目 上位の項目. 平均. 28. 個別の指導計画等の個人情報を含む書類をプライバシーに気をつけ保管管理する。. 4,941. 1. 家庭環境を含めた生徒の課題を正確に情報収集することができる(調査票や観察等). 4,843. 二次障害の弊害を出さないように生徒指導や教育相談と連携を行う。. 4,843. 在籍校へ通級生徒に関する適切な情報提供を行う。. 4765. 学校全体に通級教室への理解を広めている。. 4,725. 29 7. 50. 下位の項目 26. 生徒のニーズに配慮し、自立活動・教科補充の配分を定めて、指導モデルを作成する。. 3,902. 21. 生徒の支援に必要な情報を福祉などと交換している. 3,843. 45. 生徒の困り感(英語話す力の育成)のある教科補充指導を効果的に行う。. 3,843. 保護者同士が情報交換する場を設ける。. 3,765. 保護者・担任が閲覧できるような図書・資料の整備を行う。. 3,765. 5. 13. 4.9 4.7 定. 評4.5 4.3 4.1. 3.9 3.7 3.5 28 1 29 7 504937183331424344402039 2 11 4 34323612 1925 6 17153823224846 101430 3 163541 8 47 9 2427262145 5 13. 項目番号. 図10通級で望まれる役割と機能. 3−4−3 項目の実施と望まれる役割と機能の違い 図9と図10から各項目の実施割合と望まれる姿が一致しているものといない. 30 一.
(38) ものがあることがわかった。そこで、実施割合と望まれる姿の値の違いを明確 にするために両値をクロス集計し、X2検定を行った。 P値の大きなものは、実. 施割合と望まれる姿の分布に開きがあるものであり、両値に乖離があるものと. 考えた。このP値を標準化したものをX軸に、調査1で行った各項目の実施割 合を標準化したものをY軸にとり図11を作成し項目の特徴を明らかにした。 項目には他の項目と分布の傾向に違いが見られるものがみられた。21「生徒 の支援に必要な情報を福祉などと交換している」31r自立活動(心理的安定) を生徒が効果的に学習できる工夫をする」44「自立活動(コミュニケーション). で生徒が効果的に学習できる工夫をする」(先頭数は図11に対応)の3項目で あった。自立活動に関する項目と実施割合が一番低い項目が挙げられた。. 上記の3項目以外は、実施率が下がるにつれて、両値の分布の差が大きく考 えにばらつきがあることがわかった。多くの項目には左上から右下へ向けて分 布に方向性がみられた。左上は実施率が高く、実態と望まれる姿に分布に差が すくない項目である。右下は、実施率が低く、実態と望まれる姿の分布差が大 きい項目である。左上の通級で望まれて実施されている項目から、右下の何ら かの理由で実施される率が低い項目への分布があることがわかった。. 一31一.
(39) 2.0 0一. 28. 017. 1732. @00. O0. o. 033 S. 黛・. 投ャ鼻夕.. 0■ 1.00. りっ 14. 0 O. 一1.0 0一. 15. Z 〇. 1 O 0 608. 実施率. o,o 0. 30. o. 31. 44. 19. o. 020. O. 27. O36 ue. @16 24 l Cb. @ 46. 傷ぐ. 0 35 @1300 5 0. 6. 一2,0 〇一. 0. 一3.0. 21. 『 ■. ■. 1. 1. I l. 一2.00000 一1.00000 O.OOOOO 1.00000 2.00000 3.00000 4.00000. Z得点(X二乗). 図11 PearsonのX二乗値と正規化された実施率 3−5 通級環境が及ぼす役割と機能への影響 項目の実施実態をロジスティック回帰分析した結果が表4である。表4には ステップワイズで変数として算出されたものをすべて記述した。. このことから、通級指導者の属性によって、通級の役割や機能に影響がある こと、自校通級と校外通級では実施される役割や機能に違いがあること、教諭 数や指導者数は、通級の役割や機能に影響が少ないことがわかった。調査の母. 集団はn=78であるが部分的に欠損データがあり統計対象が77教室または76 教室となることがあった(資料5)。. 3−5−1 自立活動の割合と通級の役割・機能 「1 家庭環境を含めた生徒の課題を正確に情報収集することができる(調 査票や観察等)」「10 自立活動(身体の動き)で生徒が効果的に学習できる工. 夫をする」の項目が実施されるかどうか要因は、自立活動を中心とした指導割. 一32一.
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