4−1 焼肉の現状と類型化について 4−1一一 1 通級の類型化
中学校は小学校と違い教科担任制という制度上の特徴がある。そのことは、
通級の指導内容である教科補充に大きな影響を及ぼすと考えられる。小学校で は、一人の通級指導担当者がすべての教科を補充できるが中学校では難しい。
そのために、担当者が複数配置されている通級の比率が多く、中学校特有の進 級形態があることが想定される。
そこで、本研究において通級の環境要因を結果3−3で整理し、通級の環境要 因の相関性を元に図9に示したように項目結合図を作成した。この図から見る
と中学校の通級には二つの類型が存在するように見える。教諭数と他校通級の 生徒数には有意な相関が見られた。教諭数と、自校通級者数と巡回指導者数に は負の相関が見られ、自校通級者数と巡回指導者数間には有意な正の相関が見 られた。また、結果3−2−6の教諭数に見られるように通口の多くは、1名の人 員配置となっている。本調査では、発達障害血豆(n=78)の内、講師を含む単 独配置は、51校であり、複数配置は27校であった。
自校通級者数の平均は1名配置の通級(6.33人)と複数配置の越畑(5.77人)
に大きな差は見られない。しかし、他校通癖者数の平均は、1名配置の三級(4.18 人)と複数配置の通級(18.53人)と大きな差が見られた。この傾向から見て中学 校の発達障害音画には、1名の担当者が自校通級と巡回指導を主体に指導する 更級と複数の教諭が他校幽幽を主体に指導している通級があると思われる。教 諭数と通級の形態から想定される通級の状況を示したものが図23である。
さらに、教諭または講師が単独で配置されている51校について調べてみると 自校通級が主体となっている通級が35校あり約7割が図23の単独配置通級形 態であった。さらに、講師が配置されている教室は8校であり、教諭1名で通 級が運営されている形態が84%をしめた。教諭が複数配置されている27校では、
他校通級が主体となっている学校が22校であり8割強がこの形態であった。単 独配置の学校では担当者の3割が巡回を行っているが、複数配置校では、2校
(約6%)で実施されているにすぎず、この形態の通級では巡回指導はほぼお こなわれないと考えられる。
図23に示したように、指導者から見れば単独配置型では、教諭が自校通級を
一39一
中心に自らが移動する衛星と惑星のような動きをすることからサテライト(衛 星)型通級とでも呼ぶべき形態の通級となっている。一方、教諭数が複数の通 級では他校通級が主体となり、自校に設置された通級指導教室は、対象生徒に とって支援センター的な役割を果たすこのことからこの形態の通級をセンター 型通級と呼ぶのがふさわしいのではないかと考えた。図9の項目結合図に示し たように教諭数は、通級指導歴という指導者属性、他校通解という指導形態、
指導者数という人的配置との間に有意な相関を持っている。このことは教諭数 が通級の広い範囲に影響を与えていると考えられる。そこで本研究では、教諭 単独配置の通級をサテライト型通級、教諭複数配置の通級をセンター型通級と 定義し、考察を進めていきたい。
輪 1
̲巡回構 巡回鱒
@ 目 通級教室
@ (自校通級)
@巡回指導 巡回指
繭≧(董野津)ぎ忌避
B鋤鰍轟〜愈 醒
名称 サテライト型通級 センター型通級
難論融鍵撫緯蜘歴博輪溜
灘灘購雨燕葦難 繋満幅難顯藍灘鰹蕪簾
通級形態 他校通唖者(平均4.1人) 他校通三者(平均18.5人)
無慮 撚慧晶晶導購槻漉油 灘藩鍵雛直面羅/離1黒
講師配置 講師等の配置が少ない 講師等の配置が多い
^ 諭転論 庶ト 7 悌
メ感温 欝蟹琳卸二丁輝ll零澱}饗鱒臆鶴瀬沼蝦∴へ
28
図23 教諭数と通級の形態から見た通級の類型概念図
4−1−2 通級の類型と指導形態
センター型通級においては、通級指導歴が長い担当者が複数の指導者と協力 して他校通級中心とした指導を実施している構造が浮かび上がる。また、セン ター型通級では、教諭数と通級指導歴間には有意な相関が見られること、サテ ライト型通級では指導歴が3.16年であるのに対してセンター型通級では5.5年 と通級指導歴が長くなることがわかった。このことは、通級に長く関わってい る教諭が通級教室内にいることを示し、小澤・高橋(2007)が専門性の維持のた めに必要な研修として上げた校内での研修を通級のベテランを中心に行いやす いことを示している。この想定される状況を加味し専門性の維持の観点から考 えるとセンター型通級は、有効な通級の形態であると考えられる。一方、サテ ライト型の通言では一人の教諭が自校中心の指導を行っている。巡回指導と指 導者数間に負の相関があること、巡回実施校で講師やボランティアを利用して いる学校が一校もないことから、教諭が一名で巡回指導をこなしていることが わかる。このことは中学校通級の急増の問題と関連し、今後この傾向が続くと 考えると担当者の勤務負担や専門性の面で問題となってくることが考えられる。
文部科学省(2009)によれば通論に通う生徒数は平成18年度から年々増加し、
年平均1割前後の増加を示している。中学校においての対象者は、高機能自閉 症、LD、 AD/HDが2491必中1698名と全体の約7割を占めている。このことは 発達障害に対する支援の方法として通級指導が普及してきたことを示している。
久澄(2008)が示した福岡県の2006年度調査での中学校巡回指導の状況として、
巡回は行われていない事を報告している。最新の文部科学省(2009)の調査に よれば、中学校での巡回指導の率は2.4%である。今回の調査では、他校雨蓋が 六割を占め、巡回指導は5.7%と少数であるが増加傾向が続き、状況が変化して きていることがわかった。巡回指導は広く支援の輪を広げるための手段であり、
中学校の巡回指導の普及が進みつつあることがわかる。
4−1−3 通級の類型と指導内容
通級の指導内容は、文部省公示第7号により、原則は自立活動(週3時間以 内)であり、障害の状況に合わせて各教科の補充指導をおこなうことができる
と規定されている。指導内容は個別のニーズに従って実施されるため、教室自
一 41
体の特徴をこの設問では明確にするとは難しいが一定傾向を知ることができる
と考えた。
センター型通級では他校心宿が多く、他校通級と自立活動の割合の問には有 意な相関があることがわかっている。このことは、他校通級を主体にするセン ター型通級では自立活動の割合が多いことを示している。また、自校扇面者数 と自立活動の割合には負の相関が見られる。サテライト通級では自校通級が主 体となるので、校内委員会において自校生徒の実態が交流されること、授業参 観が日常的に可能であり教科のTT指導として通女担当者が授業に入ることがあ ることなどから教科の補充と結びつき指導がなされていると考えられる。西 村・相澤(2010)によれば小学校の発達障害通級の通級者の内訳として自閉症ス
ペクトラム障害(ASD)生徒が39.3%と一番多くいることがわかっており、教科 の補充だけではなく、自立活動の充実がサテライト型通級でも望まれる。
指導内容が障害の種別によって違うかを見るために図8において情緒通級と 発達障害通級の比較を行った。両者とも自立活動重視と教科の補充重視の二つ の山に分かれた。両者の大きな違いは教科の補充がほとんどとなる強い教科補 充重視の通級があるかどうかという点である。発達障害通級の対象者として学 習の補充が中心になるしDの生徒が含まれることを考えれば、教科の補充重視の 通級がある可能性が考えられる。
4−1−4 通級の類型と指導者属性
通級指導歴と年齢、支援教育歴には有意な相関が見られること、センター型 通級の指導者像とサテライト型通級の指導者像を比較することを通じてとセン ター型通級の指導者像が浮かび上がる。通級指導歴(類型間差が2.03年)が長
く、支援教育歴(類型間差が1.16年)も長い指導者が指導にあたっていること がわかる。年齢層は、図5で示したように40代50代が全体の78%を占めるこ
とから経験を多く積んだ40代50代が担当者と考えられるだろう。
サテライト型通級の担当者には3名の講獅がいるがセンター型通級には講師 だけで運営されている所はない。20代の担当者の多くが講師であること、他の 通雨担当者との交流が難しい単独配置であることなど、通級が持つ専門性や特 殊性から考えて課題が多いといわざるを得ない。指導者属性を十分考慮した人