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教員・受講生間の1対1非同期テキストベースコミュニケーションにおけるテキスト装飾機能が受講生に与える効果

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(1)

教員・受講生間の1対1非同期テキストベースコミュ

ニケーションにおけるテキスト装飾機能が受講生に

与える効果

著者

村上 郷

学位授与機関

Tohoku University

URL

http://hdl.handle.net/10097/55517

(2)

平成

24 年度 東北大学大学院 教育情報学教育部 修士論文

教員・受講生間の

1 対 1 非同期テキストベースコミュニケーション

におけるテキスト装飾機能が受講生に与える効果

Effects of Text Decoration on Students in One-to-One Text-based Asynchronous Communication

between a Teacher and a Student

東北大学大学院 教育情報学教育部 博士課程前期2 年 B0FM1009

村上 郷

Satoru MURAKAMI 2013 年 2 月 指導教員:三石 大 准教授 副指導教員:大河 雄一 助教

(3)
(4)

Effects of Text Decoration on Students in One-to-One Text-based

Asynchronous Communication between a Teacher and a Student

Satoru MURAKAMI

Abstract

The purpose of this study is to clarify the effect of the decorative function of the text in the one-to-one text-based asynchronous communication between a teacher and a student, when the decorative function is given to students as an addition of pictograms, emoticon, and text color. To that end, various data that is necessary to was gathered from 2class conducted with the same teacher, during the whole year at 2012, as the appearance of the additional function was on only one-side. And necessary examinations and a questionnaire were collected. By the analyzation of the acquired data, neither the increase of sentences nor the variation of the impression of the teacher was confirmed. Therefore, the demand of the decorative function was higher from the group which the function was given. Also the decoration function was much often used instead of emoticon, when the function was given.

(5)

i

目次

第 1 章 序論 ... 1 1.1 背景 ... 1 1.2 目的 ... 2 1.3 本論文の構成 ... 3 第 2 章 テキスト装飾機能の提案 ... 4 2.1 大学教育における紙媒体コミュニケーション・ツール ... 4 2.2 コミュニケーション・ツールの電子化と懸念される問題 ... 6 2.3 電子的なコミュニケーション・ツールへのテキスト装飾機能の導入 . 9 2.4 本章のまとめ ... 11 第 3 章 iConversation システム ... 12 3.1 テキスト装飾機能の検証のための iConversation システムの利用 .. 12 3.2 iCon におけるテキスト装飾機能 ... 18 3.3 本章のまとめ ... 20 第 4 章 テキスト装飾機能の導入が受講生に与える効果の分析 ... 21 4.1 実験方法 ... 21 4.2 アンケートの設計 ... 23 4.3 実験結果 ... 25 4.3.1 テキスト装飾機能の利用の有無,利用傾向 ... 25 4.3.2 メッセージの構成の変化 ... 30 4.3.3 アンケートの回答結果の分析 ... 36 4.3.4 テキスト装飾機能の利用件数と教員に対する印象の相関 ... 51 4.3.5 教員のメッセージと教員に対する印象の相関 ... 53

(6)

ii 4.4 考察 ... 56 4.5 本章のまとめ ... 58 第 5 章 結論 ... 59 謝辞 ... 60 参考文献 ... 61 付録 ... 63 初回アンケート ... 64 中間アンケート ... 72 期末アンケート ... 97

(7)

iii

図目次

図 2.1 紙媒体のコミュニケーション・ツール ... 5 図 2.2 大福帳を用いた授業の流れ ... 6 図 2.3 電子化したコミュニケーション・ツール ... 7 図 2.4 イラストで表現を補足した手書きメッセージ ... 8 図 2.5 装飾機能で表現を補足したメッセージ ... 9 図 3.1 クライアントのログインからメッセージ送信までの推移 ... 16 図 3.2 iCon の受講生用クライアントシステム ... 17 図 3.3 iCon における装飾機能 ... 20

(8)

iv

表目次

表 3.1 既存のコミュニケーション・ツールとの比較(1) ... 14 表 3.2 既存のコミュニケーション・ツールとの比較(2) ... 15 表 3.3 絵文字を作成するために選定した特徴 ... 18 表 3.4 iCon で利用可能な絵文字の種類 ... 19 表 4.1 対象とした授業と受講生 ... 22 表 4.2 分類した各アンケートの設問項目 ... 24 表 4.3 授業実施計画とアンケート実施計画 ... 24 表 4.4 受講生のテキスト装飾機能の利用件数について ... 27 表 4.5 教員のテキスト装飾機能の利用件数について ... 29 表 4.6 受講生のメッセージの構成についての集計結果(文字数) ... 31 表 4.7 受講生のメッセージの構成についての集計結果(文章数) ... 31 表 4.8 教員のメッセージの構成についての集計結果(文字数) ... 32 表 4.9 教員のメッセージの構成についての集計結果(文章数) ... 32 表 4.10 受講生と教員の顔文字や記号の利用状況 ... 34 表 4.11 個人的親しみやすさに関する印象の比較 ... 37 表 4.12 社会的望ましさに関する印象の比較 ... 39 表 4.13 力本性に関する印象の比較 ... 41 表 4.14 メッセージ作成時に関する受講生の印象の比較 ... 42 表 4.15 メッセージ閲覧時に関する受講生の印象の比較 ... 43 表 4.16 テキスト装飾機能の必要性や要求に対する印象の比較 ... 45 表 4.17 テキスト装飾機能の必要性についての自由記述回答結果(統制群) ... 46 表 4.18 テキスト装飾機能の必要性についての自由記述回答結果(実験群)

(9)

v ... 47 表 4.19 テキスト装飾機能使用の要求の自由記述回答結果(統制群) . 48 表 4.20 テキスト装飾機能使用の要求の自由記述回答結果(実験群) . 49 表 4.21 iCon の必要性に関する印象の比較 ... 50 表 4.22 装飾機能の利用件数と教員の印象の相関 ... 52 表 4.23 教員のメッセージ構成と教員の印象の相関 ... 55

(10)

1

第1章 序論

本章では,大学教育における教員と受講生のコミュニケーションに用いられ るコミュニケーション・ツールの背景について述べる.その上で本研究の目的 を明らかにし,本論文の構成を述べる.

1.1 背景

授業の各回において,無地の用紙や専用に設計されたカード等による紙媒体 のコミュニケーション・ツールを用い,教員と受講生が1 対 1 のコミュニケー ションを行う機会を授業に取り入れることは,受講生に対し,積極的な受講態 度の形成や授業内容の理解向上,教員に対する親近感・信頼関係の形成の効果 があるといわれている[1][2]. 近年では,教育現場におけるインターネット環境の整備に伴い,上記のよう なコミュニケーション・ツールを紙媒体から電子化する事例も増えつつある [3][4].これらの電子化されたテキストベースのコミュニケーション・ツールで は,メッセージ記入用の用紙を毎回用意する必要がない,メッセージの収集, 保存が容易等の利点がある.しかし,その反面,プレーンテキストによりメッ セージを作成する必要があり,手書きにより自由に作成できる紙媒体のコミュ ニケーションと比較して表現上の制約があり,場合によっては無味乾燥的な印 象を与える可能性もある.このため,電子化の利点がある一方で,受講生のメ ッセージ作成時や教員のメッセージ閲覧時に抱く印象にも影響し,紙媒体での コミュニケーションと同様の効果が得られず,コミュニケーションの本来の目

(11)

2 的が十分に達成できない可能性も予想される.

1.2 目的

本研究では,電子化に伴い,表現方法が制約されることにより生じる可能性 のある問題に対し,電子的なコミュニケーション・ツールにテキストの装飾機 能を拡張することで問題の解決に寄与すると考えた.具体的には,電子的なテ キストベースのコミュニケーション・ツールを利用することで無味乾燥的にな る可能性のあるコミュニケーションにおいて,当該ツールに太字や色の付加に, 顔の表情を表現した絵文字の挿入等のテキスト装飾機能を実装することにより, 紙媒体でのコミュニケーション・ツールでも確認されたような感情や気持ちの 補足的な表現を可能にし,授受されるメッセージ上での感情や気持ちの表現な らびにその把握に寄与できるものと考えた.そこで本研究では,本研究が対象 とする教員と受講生の非同期コミュニケーションにおいてテキスト装飾機能を 付加した際,これがどのような効果を与えるのかを実証的に明らかにする.

(12)

3

1.3 本論文の構成

本論文は,全5 章から構成される.序論に続く第 2 章では,大学教育で用い られている紙媒体のコミュニケーション・ツールの有効性について取り上げる. また,紙媒体のコミュニケーション・ツールの電子化と問題について述べ,こ の問題に対し,本研究が提案するテキストの装飾機能について述べる. 第3 章では,本研究で提案するテキスト装飾機能の効果を検証するために, 開発したコミュニケーション・ツールであるiConversation システムと,その 機能拡張モジュールとして導入したテキスト装飾機能について述べる. 第4 章では,テキスト装飾機能の効果を明らかにするための比較実験を行い その分析を行う. 最後に第5 章では,本研究のまとめの行い,今後の課題について述べる.

(13)

4

第2章 テキスト装飾機能の提案

本章では,まず大学教育で用いられる紙媒体の教員と受講生のコミュニケー ション・ツールを取り上げ,その効果と課題について述べる. 次に,紙媒体のコミュニケーション・ツールの電子化と,電子化に伴い生じ ていると懸念されるコミュニケーションの問題について述べる.さらに,この 問題に対し,本研究が提案するテキストの装飾機能の導入と期待される効果を 述べる.

2.1 大学教育における紙媒体コミュニケーション・ツール

対面授業において教員と受講生でコミュニケーションを行うことは,受講生が 授業に対してどのような感情を抱いているのかの把握や,受講生の授業への参 加意識を高めることに貢献することから,授業に双方向性を取り入れる重要性 が述べられている[5].しかしながら一般的な講義形式の対面授業において,教 員と受講生の対面コミュニケーションを授業時間内に行う機会は質疑応答の場 程度と少なく,また,授業時間外にコミュニケーションを行う機会を設けよう にも,教員の時間的制約もあり,全ての受講生と十分なコミュニケーションを 行うことは難しい.このようなコミュニケーション機会の不足を補うことを目 的として,紙媒体のコミュニケーション・ツールを用いた取り組みがある.例 えば,大福帳(図 2.1)では授業終了間際の数分間を用いた受講生のメッセー ジ記入,教員による授業時間外の返答メッセージの記入,授業開始時のメッ

(14)

5 セージの開示,という形で非同期コミュニケーションを繰り返し行えるよう設 計されており(図 2.2),これにより教員は全ての受講生と1 対 1 のコミュニ ケーションを行うことが可能となっている.既存研究からは,このようなコミ ュニケーション・ツールを授業に取り入れることによって,積極的な受講態度 の形成や授業理解の向上,教員に対する親近感・信頼感の形成などの効果があ ると指摘されている[1][2]. 図 2.1 紙媒体のコミュニケーション・ツール(文献[3]より)

(15)

6

2.2 コミュニケーション・ツールの電子化と懸念される問題

近年のICT の発展に伴い,紙媒体によるコミュニケーション・ツールを web アプリケーションの形で電子化し(図 2.3),利用する試みも多い[3][4].この ように電子化することによって,教員はメッセージの記入用紙を毎回用意する 必要がなく,メッセージの収集と保存が容易になるほか,授業に対するアンケ ートを併用して実施していた場合,その集計などが容易になるという利点があ る. しかしながら,教育現場で利用することを目的に開発された既存の電子化さ れたコミュニケーション・ツールでは,そこで指定のフォントスタイルによる プレーンテキストのみを使用する必要があるなど,交わされるメッセージの表 現方法に制約がある.このような表現方法の制約は,交わされるメッセージに 第1回目授業 第1回目大福帳 学生の記入 大福帳朱書 次回授業準備 第2回目授業 第2回目大福帳 学生の記入 大福帳朱書 次回授業準備 ・・・・・ 最終回 授業 大福帳朱書 次回授業準備 最終回 大福帳 学生の記入 最終回 授業 図 2.2 大福帳を用いた授業の流れ(文献[6]より)

(16)

7 込められる感情や気持ちの表現や把握を困難とし,結果的にコミュニケーショ ンを阻害する要因になる可能性がある.例えば,教員と受講生とのコミュニケ ーションでは,受講生が理解に苦しんでいるようであれば補足の説明を行ない, 落ち込んでいるようであれば励ましの言葉をかけるなど,教員は受講生がどの ような状況なのかを受けとったメッセージから把握し,必要な対応をとること となる.しかし,「難しかったが,なんとか課題ができました」というメッセー ジが受講生から送られてきた場合,文面だけからは,難題をやり遂げたという 達成感を伝えたいのか,それとも何とか乗り越えたが次回は不安であるという 気持ちを伝えたいのか,受講生がどのような感情や気持ちをメッセージに込め ているのかを判断することが難しいことも考えられる.また,メッセージ 図 2.3 電子化したコミュニケーション・ツール(文献[4]より)

(17)

8 を作成する受講生側としても,教員に対して誤解を与えないように表現するこ とに気を遣うことも考えられ,場合によって伝えたい内容を明文化する事がで きず,メッセージそのものの作成を諦めてしまうことも考えられる.一方,紙 媒体によるコミュニケーション・ツールでは,手書きによる顔の表情を表した イラストの付加(図 2.4)やカラーペンによる重要箇所の強調など,多様な表 現が可能となっている.また,手書きによるメッセージには,親しみや温かみ があると考えられるが,電子化された画一的なテキスト表現によるメッセージ の場合,機械的でどこか作業的な印象を抱いてしまう可能性も考えられ,紙媒 体のコミュニケーション・ツールによる親近感や信頼感の形成等の効果を得ら れない可能性も考えられる. 図 2.4 イラストで表現を補足した手書きメッセージ

(18)

9

2.3 電子的なコミュニケーション・ツールへのテキスト装

飾機能の導入

コミュニケーション・ツールの電子化による表現方法の制約の問題を解決す る方法として,本研究は無味乾燥的になってしまったコミュニケーションに, 拡張機能として太字や色の付加による強調や,顔の表情を表現した絵文字を容 易に挿入できる工夫など,近年,携帯電話の電子メール等で広く利用されるよ うなテキストを装飾する機能を支援方法として実装することにより,紙媒体で のコミュニケーション・ツールでも確認されたような感情や気持ちの補足的な 表現(図 2.5)を可能にし,問題視していたメッセージに込めた感情や気持ち の表現と把握の難しさの解決に寄与すると考えた.そこで本研究は,対象であ る教員と受講生の非同期コミュニケーションに装飾機能がどのような効果を与 えるのか明らかにすることを目的としている.すなわち,紙媒体でのコミュニ ケーション・ツールにおける多様な感情や気持ちの表現の代わりとして,この ようなテキストの装飾機能を利用できると予想している.

難しかったがなんとか出来た

⇒ 達成感の表現

難しかったがなんとか出来た

⇒ 次回への不安を表現

図 2.5 装飾機能で表現を補足したメッセージ

(19)

10 一般に,電子的なコミュニケーション・ツールを用いて交わされる文章にお いて,その利用者は非言語表現の代替として,大文字/小文字の使い分けや,文 字の組み合わせにより顔の表情を表現した文字絵(顔文字)を付加するなどの 工夫を行なっている[7].このように,言葉だけでは表現しきれない感情や気持 ちの誤解を避けるために,その感情や気持ちを具体的に表現しようという目的 や,また,携帯電話の電子メールや各種ソーシャルメディア等,日常的に利用 するメッセージ交換においても,会話を盛り上げる等の目的で,テキスト装飾 機能を利用し,表現を工夫することは多い. 一方,このようなテキスト装飾機能の利用により感情や気持ちの表現が容易 になると予想される反面,テキスト装飾機能は友人同士のコミュニケーション など,親しい間柄のコミュニケーションで利用されることが多く,娯楽的な印 象も強い.そのため,時と場合によっては,文字絵などのテキスト装飾機能の 利用は相手に軽薄な印象を与えてしまう可能性もある[8][9].そのため受講生も, 教育場面であることや,教員という立場が異なる相手とのコミュニケーション であるといった理由から,装飾機能の使用が相応しくないと判断し,使用をた めらう可能性も予想される. しかしながら教育現場でなんらかのコミュニケーション・ツールを用いて, 教員・受講生間でコミュニケーションを行うそもそもの目的は,授業内容に対 してどの程度理解できているのか,疑問点等はないのか,またその際にどのよ うな感情や気持ちを抱いているのか等,学習状況やこれに伴う学生の印象を把 握するためであり,希薄になりがちな対面コミュニケーションでは足りない分 のコミュニケーションを補うことにある.すなわち,教員としては,より正確 な表現かつ素直な感情や気持ちを表現したメッセージを必要としていると考え られる.

(20)

11 これに対し,テキスト装飾機能を電子的なコミュニケーション・ツールに設 けることによって,受講生自身の意識にも変化が生じ,これにより受講生が記 述するメッセージや教員に対する印象に変化が生じることも予想される.具体 的には,テキスト装飾機能の導入によって表現の幅が広がり,感情や気持ちの 表現が容易になれば,プレーンテキストによるメッセージの作成時において表 現に時間がかかる,メッセージ作成そのものを諦めるといった問題を解消し, これによりメッセージ量の増加が誘発され,結果的に教員と受講生の人間関係 構築を促し,受講生の学習意欲を向上させるといった効果が期待できる.

2.4 本章のまとめ

本章では,大学の授業場面で用いられている紙媒体のコミュニケーション・ ツールを取り上げ,電子化によってメッセージをプレーンテキストで作成しな ければならない特徴から,コミュニケーションを阻害する可能性があることを 述べた.この問題に対し,文字の着色や絵文字を付加し表現を多様化させる手 段としてテキストの装飾機能を電子コミュニケーション・ツールに実装するこ とを提案した.

(21)

12

第3章 iConversation システム

本章では,テキストの装飾機能を導入したことによる効果を明らかにするため, テキスト装飾機能の有無の選択を可能とする電子的コミュニケーション・ツー ルの必要性,ならびに当該ツールに求められる機能を明らかにすると共に,こ れに基づき開発した電子コミュニケーション・ツールであるiConversation シ ステムについて述べる.

3

3.1 テキスト装飾機能の検証のための iConversation シス

テムの利用

本研究で提案するテキスト装飾機能の有効性を検証するためには,教員と受 講生の1 対 1 のコミュニケーションにおいてテキスト装飾機能の実装の有無に よる変化を確認する必要がある.しかし,既存の電子的コミュニケーション・ ツール[3][4]では,必ずしも新規機能の追加が容易でなく,また,本研究で検証 しようとする内容以外にも多数の工夫が施されており,テキスト装飾機能のみ の影響を分析することが難しい.そこで本研究では,斐品,三池らと共に開発 した教員と受講生の 1 対 1 非同期テキストコミュニケーション・ツールである iConversation システム(以下 iCon と称す)を用いることとした. iCon では,既存の電子コミュニケーション・ツールの機能を参考に(表 3.1, 表 3.2),共通する項目からコミュニケーションに必要と考えられる基本的な機 能を仕様として,①受講生がメッセ―ジを作成し,担当教員に送信する機能,

織田

(1)

須曽

野,

下村

,織田

,小山

(2)

向後

(3)

本研究

A4

の厚

We

bア

プリ

ショ

We

bア

プリ

ショ

We

bア

プリ

ショ

1担当

教員

1受講

1担当

教員

1受講

1ア

シス

タン

1受講

多受

講生

1受講

1担当

教員

1受講

1メ

ンタ

1受講

1担当

教員

1受講

毎回授業

毎回授業

毎回授業

毎回授業

授業開始時

不明

(環境

とし

ては授

業時

間外

も可能

)

不明

授業開始時

担当教員

終了

後か

ら次回

授業

開始

時まで

終了

後か

ら次回

授業

開始

時まで

終了

後か

ら次回

授業

開始

時まで

終了

後か

ら次回

授業

開始

時まで

受講生

授業

終了

5~1

0分前

不明

(環境

とし

ては授

業時

間外

も可能

)

不明

(環境

とし

ては授

業時

間外

も可能

)

授業

終了

5~1

0分前

授業終了時

不明

(環境

とし

ては授

業時

間外

も可能

)

不明

(環境

とし

ては授

業時

間外

も可能

)

授業終了時

利用

者(

著者

)

メデ

ィア

コミ

ュニ

ショ

ン形態

利用

使用方法

配布

(教員

のメ

ッセ

ジ確認

)

記入

回収

(22)

13 ②担当教員がメッセージを作成し,受講生に送信する機能,③互いのメッセー ジを確認する機能,④ユーザーを認証する機能,⑤どの授業回に対するメッセ ージか判別する機能,⑥アンケート機能の6 機能がコミュニケーション・ツー ルに必要な基本的な機能だと考え,システムの機能として用意されている.ま た,本研究における検証や実授業での利用に必要な機能として,装飾機能の追 加が可能なスペースの確保,ならびに iCon の受講生用ユーザインタフェース において,過去に教員と交わしたメッセージのやり取りの履歴の確認機能を備 えている.加えて,本システムの導入,修正時の更新においてクライアント側 でのセットアップ作業を不要にするために web アプリケーションとして実装 されている. 以上のiCon のシステム・アーキテクチャ(図 3.1)に,また受講生用ユーザイ ンタフェース(図 3.2)を示す.この iCon は web アプリケーションとして実行 できるようHTML4.01 と PHP5,JavaScript,ライブラリである jQuery を使 用して実装されており,その実行環境としては,web サーバーとして Apache, データベース管理システムとしてMySQL を使用している. このようにiCon は web アプリケーションとして実装されているため,教員 と受講生はパソコンやスマートフォンのweb ブラウザ上で容易にコミュニケ ーションを行うことが可能となっており,受講生は毎回の授業終了時に,iCon 上で教員へ向けたメッセージの記入や,授業に関するアンケートの回答を行う 一方,教員は,次回の授業開始時までに,iCon 上で各受講生へ向けたメッセー ジの記入しコミュニケーションを行う.

(23)

14 織田 (1 ) 須曽 野, 下村 , 織田 , 小山 (2 ) 向後 (3 ) 本研究 A4 の厚 紙 W e bア プ リ ケ ー シ ョ ン W e bア プ リ ケ ー シ ョ ン W e bア プ リ ケ ー シ ョ ン 1 担当 教員 対 1 受講 生 1 担当 教員 対 1 受講 生 1 ア シ ス タ ン ト 対 1 受講 生 多受 講生 対 1 受講 生 1 担当 教員 対 1 受講 生 1 メ ン タ ― 対 1 受講 生 1 担当 教員 対 1 受講 生 毎回授業 毎回授業 毎回授業 毎回授業 授業開始時 不明 (環境 と し て は授 業時 間外 も 可能 ) 不明 授業開始時 担当教員 終了 後か ら 次回 授業 開始 時まで 終了 後か ら 次回 授業 開始 時まで 終了 後か ら 次回 授業 開始 時まで 終了 後か ら 次回 授業 開始 時まで 受講生 授業 終了 5 ~1 0 分前 不明 (環境 と し て は授 業時 間外 も 可能 ) 不明 (環境 と し て は授 業時 間外 も 可能 ) 授業 終了 5 ~1 0 分前 授業終了時 不明 (環境 と し て は授 業時 間外 も 可能 ) 不明 (環境 と し て は授 業時 間外 も 可能 ) 授業終了時 メ デ ィ ア コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 形態 利用 使 用 方 法 配布 (教員 のメ ッセ ー ジ 確認 ) 記入 回収 表 3.1 既存のコミュニケーション・ツールとの比較(1)

(24)

15 織田 (1 ) 須曽 野, 下村 , 織田 , 小山 (2 ) 向後 (3 ) 本研 究  (iC o n シ ス テ ム ) 記入式 選択式 不明 自動 (事前 に 授業 計画 を 登録 ) 記入式 ロ グ イ ン 形式 ロ グ イ ン 形式 ロ グ イ ン 形式 言いた いこ と , 聞き た いこ と , な ん で も あ り の伝 言板 レ ク チ ャ ー や教 材, また 課題 を やっ て みて の感 想や 質問 な ど を 自由 に 書いて く だ さ い. 大福 帳に書かれた 内容 は, 教員 と コ ー チ だ けが読み ます . た だ し , みん な で 共 有し た い質問につ いて は, お名前を 伏せ て 「 質問 B B S 」 で 回答 す る こ と があり ます 記入欄のみ 先生 への メ ッセ ー ジ 手書 き (筆記 具の 使用 ) キ ー ボ ー ド 入力 キ ー ボ ー ド 入力 キ ー ボ ー ド 入力 文字表現 イ ラ ス ト カ ラ ー ペン の使 用 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 1 行2 5 文字 (原稿 で は1 メ ッセ ー ジ 3 , 4 行程 度) 1 行3 5 文字 (原稿 で は1 メ ッセ ー ジ 3 , 4 行程 度) 不明 1 行1 6 文字 ×複 数行 可 あ な た への 伝言 板 教師 コ メ ン ト 不明 受講 生へ のメ ッセ ー ジ 手書き キ ー ボ ー ド 入力 キ ー ボ ー ド 入力 キ ー ボ ー ド 入力 文字表現 イ ラ ス ト カ ラ ー ペン の使 用 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 テ キ ス ト に よ る 文字 表現 受講 生の コ メ ン ト の 隣に表示 ボ ー ド (掲示 板) に 表示 機能 はある が配 置は 不明 受講 生の メ ッセ ー ジ と 同エ リ ア に 表示 1 行1 0 文字 (原稿 で は1 メ ッセ ー ジ 3 , 4 行程 度) 1 行1 8 文字 ×複 数行 可 (原稿 で は1 メ ッセ ー ジ 3 行程 度) 不明 1 行1 6 文字 ×複 数行 可 3 段階 の回 答方 法の ア ン ケ ー ト 機能 (担当 教員 の評 価, 自分 自身 の評 価) 担当教員の未読・ 既読 チ ェ ック 機能 ボ ー ド (掲示 板機 能) の実 装 学生 から 学生 への メ ッセ ー ジ が可 能 メ ッセ ー ジ の公 開・ 非公 開の 選択 公開 = ボ ー ド (掲示 板) へ公 開 非公 開= 担当 教員 のみ 公開 メ ッセ ー ジ の分 類 ( 感想 ・ 質問 ・ 仲間 へひ と り 言・ 発見 ・ そ の他 ) 記入 で き る 文字 量 そ の他 機能 3 段階 の回 答方 法の ア ン ケ ー ト 機能 (担当 教員 の評 価, 自分 自身 の評 価) 共 通 項 目 記入 日( 日付 , 受講 回) 受講者情報 (氏名 , 学籍 番号 な ど ) メ ッ セ ー ジ 入 力 欄 受 講 生 の 受講 生の メ ッセ ー ジ 記入欄の説明 記入形式 表現方法 記入 で き る 文字 量 メ ッ セ ー ジ 入 力 欄 教 員 の 項目の説明 作成 者( 著者 ) 特に無し 7 段階 の回 答方 法の S D 法によ る ア ン ケ ー ト 機能 (織田 (1 )参考, 質問項目は担当教員のニ ー ズ ) こ れまで のメ ッセ ー ジ のや り 取り を 閲覧 で き る よ う に す る (織田 (1 )向後 (3 )参考) 記入形式 表現方法 配置 表 3.2 既存のコミュニケーション・ツールとの比較(2)

(25)

16

サーバ

④ ⑦ 担当教員

クライアント

Webブラウザ

• Internet Explorer

• Firefox

・ 受講生のメッセージ記入 ・ 互いのメッセージの閲覧 ・ 担当教員のメッセージ記入 ③ ⑤ ⑥ ⑧ ① ② 受講生 ① Webアプリケーションにアクセス ② ログインページの表示 ③ ユーザID+パスワードの入力 ④ ユーザーの認証 ⑤ ユーザー専用のHTMLページの表示 ⑥ 受講生はテキストのメッセージとアンケート送信 担当教員は受講生へのメッセージの送信 ⑦ テーブルへデータの書き込み ⑧ 送信完了のメッセージ表示 ※①,⑤,⑧の要求などに対応したページデータの提示 DBMS MySQL 名簿 メッセージ iConversationシステム PHP5 Apache JavaScript HTML4.01 クライアント用 Webページデータ ※ 図 3.1 クライアントのログインからメッセージ送信までの推移

(26)

17

これまでの会話

を表示するエリア

教員へのメッセージ

を記入するエリア

アンケートの

回答履歴を

表示するエリア

SD法による

アンケート回答

エリア

テキスト装飾機能

の表示エリア

図 3.2 iCon の受講生用クライアントシステム

(27)

18

電子メール 携帯メール SNS(PC) システム名称 yahoo

mail

Thunder

bird gmail homail Android iPhone mixi Facebook サイズ変更 指定 ○ × 4 段階 ○ × × × × 拡大 × ○ × × △※1 × × × 縮小 × ○ × × △※1 × × × 色変更 フォント ○ ○ ○ ○ ○ × × × 背景 △※2 ○ △※2 × ○ × × × 装飾 太字 ○ ○ × ○ × × × ○ 斜体 ○ ○ × ○ × × × ○ 下線 ○ ○ × ○ × × × ○ インデント 右寄せ ○ ○ ○ ○ ○ × × × 左寄せ ○ ○ ○ ○ ○ × × × 中央寄せ ○ ○ ○ ○ ○ × × × 挿入 画像 ○ ○ △※3 △※3 ○ △※3 ○ ○ 文字絵 × × × × ○ ○ × × 絵文字 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × リンク ○ ○ ○ ○ ○ × × × リスト 中点 ○ ○ ○ ○ × × × ○ 番号付き ○ ○ ○ ○ × × × ○

3.2 iCon におけるテキスト装飾機能

iCon におけるテキスト装飾機能は,既存の電子メールや携帯メール,SNS など,受講生の多くが使用経験のあると思われるコミュニケーション・ツール [10]~[18]が有するテキスト装飾機能を参考に非言語メッセージの 6 つの主機能 [7]を代替して表現している装飾なのかを確認し,該当項目の多い項目である 「太字」,「下線」,「絵文字の挿入」,「フォントサイズの変更」,「テキストの色 の変更」の5 つの装飾機能が実装されている.また,絵文字については,基本 感情を参考に,「喜び」,「楽しみ」,「驚き」,「興味」,「悲しみ」,「怒り」,「恥じ 表 3.3 絵文字を作成するために選定した特徴 ※1:1段階のみ変更可能 ※2:テキストの背景のみ変更可能 ※3:添付ファイルのみとしてのみ

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19 らい」,「不安」の8 種の感情が,教育場面における教員とのコミュケーション 必要な感情であると想定し,日本の携帯キャリアやSNS[13]~[17]などに実装さ れている絵文字の特徴を参考に筆者らが独自に作成した(表 3.4).以上に示す テキスト装飾機能を利用するためのユーザインタフェースを図 3.3 に示す. なお,本研究で想定しているコミュニケーションでは大福帳と同様,授業終 了間際の5~10 分程度の短時間でメッセージを作成する必要がある.そのため, 装飾機能を利用する際に,その操作が複雑でわかりにくく,受講生に煩わしさ を感じさせるようなものとなっていてはならない.そのため,iCon においても, ①装飾したいテキストの範囲を選択し,任意の装飾ボタンを選択することで装 飾が反映される,②任意の装飾ボタンを選択すると以降に入力する文字に装飾 が反映される,という既存のコミュニケーション・ツールにも実装されている 2 種類の操作方法のどちらの操作方法でもテキストの装飾が行えるようになっ ている. 表 3.4 iCon で利用可能な絵文字の種類

感情 ・ 気持ち

特徴

絵文字

 楽しみ

 目を笑わす、大きく口をあける

 喜び

 微笑、口角を上げる

 驚き

 目を見開く、眉を上げる

 興味

 注視

 悲しみ

 涙、伏し目

 怒り

 つり上がりの眉、口角を下げる 

 恥じらい

 ほほを赤らめる、目をそらす

 不安

 下がり眉、汗、青ざめ

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20 図 3.3 iCon における装飾機能

3.3 本章のまとめ

本章では,既存の電子的コミュニケーション・ツールの機能を比較し,テキ スト装飾機能の効果を検証するためには専用の電子コミュニケーション・ツー ルを開発する必要があることを明らかにし,斐品,三池らと共同開発したiCon システムを用いることとした.このiCon システムでは,電子メールや携帯メ ール,SNS などの既存のコミュニケーション・ツールに実装されている機能を 参考としたテキスト装飾機能が実装されており,また,テキスト装飾機能の有 無の比較に必要なデータの取得を可能としている.

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第4章 テキスト装飾機能の導入が受講生に与える効

果の分析

本章では,テキスト装飾機能の導入に対する効果を確認するために,テキス ト装飾機能が教員と受講生のコミュニケーションにおいてどのように利用され るのか,また,受講生が作成するメッセージの内容や,メッセージの作成や閲 覧における印象の変化の有無について,実証実験を通じて確認する.

4.1 実験方法

2012 年度の前期と後期に実施された T 大学の情報実習系科目であり,同一 教員が担当する「ネットワーク論」と「web デザイン入門」を対象として評価 実験を行なった.両科目とも連続2 コマ(90 分×2)の情報系の実習科目であ り,後期のweb デザイン入門は 8 名程度と少ないが,20~25 名程度の学生が 受講している.前期54 名,後期 36 名,合計 82 名の受講生を対象に比較検証 を実施した.なお,前期と後期の科目はそれぞれのセメスターで完結するため, 前期と後期では受講生は異なる.また,両科目を同時に履修している受講生, 前期と後期の科目を重複して履修している受講生及び,iCon システムに関する 共同研究に携わり,本研究の概要を知る受講生は,今回被験者から除き,分析 を実施した(表 4.1).テキスト装飾機能の有無による違いを確認するためには, 統制群と実験群による比較実験を実施することが望ましいが,同じ授業内で, テキスト装飾機能を使用出来る被験者と使用できない被験者を設定することは 難しい.そこで今回の実験では,前期のweb デザイン入門を統制群,ネットワ

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22 大学名 T 大学 担当教員 教員 A 時期 前期 後期 科目 web デザイン入門 ネットワーク論 web デザイン入門 ネットワーク論 (統制群) (実験群) (実験群) (統制群) 授業回数 14 14 14 14 授業時間 90 分 2 コマ 90 分 2 コマ 90 分 2 コマ 90 分 2 コマ 受講人数 29 25 9 27 分析対象 者数 28 22 8 24 男女比 (男:女) 25:3 16:6 7:1 18:6 表 4.1 対象とした授業と受講生 ーク論を実験群とし,また,後期では統制群と実験群を入れ替えることとした. ここで,統制群で利用するiCon にはテキスト装飾機能は導入せず,iCon を利 用した全ての授業回(第2 回~13 回)はプレーンテキストのみのメッセージで コミュニケーションを実施した.また,実験群では,授業の前半(第 2 回~7 回)までは,統制群と同様にテキスト装飾機能は導入せずプレーンテキストで のコミュニケーションを実施し,各セメスターの後半(第 8~13 回)からはテキ スト装飾機能を導入した iCon を利用し,教員とコミュニケーションを実施し た.この形式では,科目が異なるが,両群ともにプレーンテキストでのコミュ ニケーションを行った前半(第2 回~7 回)での結果を比較し,差が検出され なければ,ほぼ同質の標本であると仮定でき,科目は異なるが実験群と統制群 の比較が可能である予想される.

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4.2 アンケートの設計

受講生のメッセージ作成や閲覧時に対する印象や,授業や教員に対する印象 を確認するために,毎授業と前期授業の初回・中間・期末の3 期間を対象とし たアンケート調査を実施することにした.設問項目として,6 つの分類を設け, テキスト装飾機能の導入後の変化を確認する(表 4.2).をメッセージの作成と 閲覧の際にどのような印象を抱いたのかをユーザビリティの 3 要素である効 果・効率・満足度を指標としてアンケートを作成した[19].また,初回から期 末までに教員に対しての印象はどのように変化したのかを確認するために,対 人認知の基本三次元を参考に,教員の印象を 15 項目の SD 法で評価する質問 項目を設定した[20][21]. なお,初回アンケートはiCon での初回メッセージ送信後,中間アンケート は,各セメスターの前半終了回のiCon でのメッセージ送信後,期末アンケー トは最終授業回でのiCon で最終メッセージを送信した後に実施した(表 4.3) . アンケートの様式及び,各設問の回答の原文は付録に示す. 教員のパーソナリティに対する記憶や推測に関する自由記述式の設問は, iCon に関する共同研究で設定した設問であり,今回の分析対象としていないた め,本件の回答結果は割愛する. 教員のパーソナリティに対する記憶や推測に関する自由記述式の設問は, iCon に関する共同研究で設定した設問であり,今回の分析対象としていないた め,本件の分析結果は割愛する.

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24 表 4.2 分類した各アンケートの設問項目 設定した質問項目 各アンケートの構成 初回 中間 期末 教員に対する印象 ○ ○ (質問 D) ○ (質問 F) メッセージ作成時の効果・効率・満足度 ○ (質問 A) ○ (質問 A) メッセージ閲覧時の効果・効率・満足度 ○ (質問 B) ○ (質問 B) 教員のパーソナリティに対する記憶や推測 ○ (質問 C) ○ (質問 C) テキストの装飾に対する必要性と要求 ○ (質問 D) iCon の必要性 ○ (質問 E) 表 4.3 授業実施計画とアンケート実施計画 授業回 iCon 実施回数 前期 後期 web デザイン 入門 (統制群) ネットワーク論 (実験群) web デザイン 入門 (実験群) ネットワーク論 (統制群) 1 2012/4/13 2012/4/13 2012/9/21 2012/9/21 2 1 2012/4/20 2012/4/20 2012/9/28 2012/9/28 初回アンケート 実施 初回アンケート 実施 初回アンケート 実施 初回アンケート 実施 3 2 2012/4/27 2012/4/27 2012/10/5 2012/10/5 4 3 2012/5/18 2012/5/18 2012/10/12 2012/10/12 5 4 2012/5/25 2012/5/25 2012/10/19 2012/10/19 6 5 2012/6/1 2012/6/1 2012/10/26 2012/10/26 7 6 2012/6/8 2012/6/8 2012/11/16 2012/11/16 中間アンケート 実施 中間アンケート 実施 中間アンケート 実施 中間アンケート 実施 8 7 2012/6/15 2012/6/15 2012/11/23 2012/11/23 9 8 2012/6/22 2012/6/22 2012/11/30 2012/11/30 10 9 2012/6/29 2012/6/29 2012/12/7 2012/12/7 11 10 2012/7/6 2012/7/6 2012/12/14 2012/12/14 12 11 2012/7/13 2012/7/13 2012/12/21 2012/12/21 13 12 2012/7/20 2012/7/20 2012/1/11 2012/1/11 iCon 入力最終日 iCon 入力最終日 iCon 入力最終日 iCon 入力最終日

期末アンケート 実施 期末アンケート 実施 期末アンケート 実施 期末アンケート 実施 備考 5/11 休講 11/9 休講 前半と後半の iCon の 使用回数の比率 6:6 6:6

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4.3 実験結果

今回の実験を行った結果,前期においては統制群であるweb デザイン入門で は27 名の受講生から 258 件,実験群であるネットワーク論では,22 名の受講 生から223 件のメッセージデータ,後期は統制群と実験群を対象とする科目を 入れ替え,実験群であるweb デザイン入門では 8 名の受講生から 75 件,統制 群であるネットワーク論では,24 名の受講生から 236 件のメッセージデータ (ここでの1 メッセージとは 1 人の受講生が 1 回の授業毎に送信した文章全体 を示す)を取得した.また,アンケート調査では,前期科目においては,統制 群である web デザイン入門は初回アンケート27 名,中間アンケート 20 名,期 末アンケート19 名,実験群であるネットワーク論は初回アンケート 19 名,中 間アンケート18 名,期末アンケート 18 名の回答を得た.また,後期科目にお いては統制群と実験群を入れ替え,実験群である web デザイン入門は初回アン ケート8 名,中間アンケート 6 名,期末アンケート 6 名,実験群であるネット ワーク論は初回アンケート21 名,中間アンケート 22 名,期末アンケート 22 名の回答を得た.

4.3.1 テキスト装飾機能の利用の有無,利用傾向

(1)受講生のテキスト装飾機能の利用傾向 先ず,受講生によるテキスト装飾機能の利用について,前期のネットワーク 論の後半6 回分の授業(第 8 回~第 13 回)から 109 件のメッセージデータが 確認された.また,後期 web デザイン入門の後半 6 回分の授業(第 8 回~第

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26 13 回)から 34 件のメッセージデータが確認された.各実験群で交わされたメ ッセージで用いられた装飾の利用件数を示す(表 4.4).前期ネットワーク論で 交わされた109 件のメッセージにおいて文字サイズの変更などのフォントスタ イルの装飾は59 件,テキストの色を変更するフォントカラーの装飾は 102 件, 絵文字の付加によってテキストを装飾する絵文字の利用は231 件,計 392 件の 装飾が確認された.また,後期web デザイン入門で交わされた 34 件のメッセ ージにおいて文字サイズの変更などのフォントスタイルの装飾は6 件,テキス トの色を変更するフォントカラーの装飾は 14 件,絵文字の付加によってテキ ストを装飾する絵文字の利用は28 件,計 48 件の装飾が確認された. すなわち,1 メッセージあたり前期のネットワーク論では平均 3~4 件,後期 web デザイン入門では平均 1~2 件の利用が行われていることが判る.装飾の 利用傾向としては,フォントスタイルの装飾においては太字の装飾が多く,フ ォントカラーの装飾では赤色の着色の装飾が最も多いことが確認された.また, 絵文字の付加による装飾では,肯定的な感情や気持ちを表していると予想され る「楽しみ」と「喜び」の絵文字と,悲観的,否定的な感情や気持ちを表す「不 安」の3 種が多く利用されており,今回実装した絵文字の割合の 80%以上を占 めていた.一方,最も利用されなかった絵文字は「怒り」であり,使用率は1% 未満であり,両群共に同様の利用傾向であることが確認できた. そのため,教員と受講生のコミュニケーションにおいてテキスト装飾機能の 利用は相応しくないという意識を受講生が抱き,利用をしない可能性があると 考えていたが,本件の利用傾向から,テキスト装飾機能が利用されることが明 らかになった.

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27 表 4.4 受講生のテキスト装飾機能の利用件数について 対象 太字 下線 文字大 文字小 赤 青 黄 緑 橙 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 1 0 9 ) 30 5 35 9 34 33 6 23 30 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 4 ) 4 1 1 0 6 2 1 1 4 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 1 0 9 ) 0 .2 8 0 .0 5 0 .3 2 0 .0 8 0 .3 1 0 .3 0 0 .0 6 0 .2 1 0 .2 8 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 4 ) 0 .1 2 0 .0 3 0 .0 3 0 .0 0 0 .1 8 0 .0 6 0 .0 3 0 .0 3 0 .1 2 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 1 0 9 ) 0 .6 4 0 .2 5 0 .9 2 0 .3 4 0 .5 2 0 .6 0 0 .2 7 0 .5 1 0 .5 8 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 4 ) 1 .0 7 0 .3 5 0 .3 5 0 .0 0 0 .8 9 0 .4 6 0 .3 5 0 .3 5 0 .7 6 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 1 0 9 ) 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 4 ) 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 1 0 9 ) 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 4 ) 1 .1 6 126 79 0.72 フ ォ ント ス タ イ ル・ カ ラ ー の利用件数 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 標準偏差 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 フ ォ ント ス タ イ ル・ カ ラ ー の利用件数 6 14 0 .4 1 0 .1 8 対象 楽 し み 喜び 驚き 興味 悲 し み 怒り 恥 じ ら い 不安 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 1 0 9 ) 88 55 6 8 17 2 14 41 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 4 ) 7 6 4 1 0 0 0 10 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 1 0 9 ) 0 .8 1 0 .5 0 0 .0 6 0 .0 7 0 .1 6 0 .0 2 0 .1 3 0 .3 8 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 4 ) 0 .2 1 0 .1 8 0 .1 2 0 .0 3 0 .0 0 0 .0 0 0 .0 0 0 .2 9 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 1 0 9 ) 1 .9 0 1 .6 2 0 .2 3 0 .2 6 0 .4 9 0 .1 3 0 .3 6 0 .7 0 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 4 ) 0 .9 9 0 .8 9 0 .7 6 0 .3 5 0 .0 0 0 .0 0 0 .0 0 1 .2 8 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 1 0 9 ) 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 4 ) 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 1 0 9 ) 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 4 ) 2 .1 2 231 絵文字毎の 利用件数 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 標準偏差 絵文字の 総利用件数 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 28 0.82

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28 (2)教員の装飾機能の利用状況 次に,教員によるテキスト装飾機能の利用は,前期のネットワーク論の後半 6 回分の授業(第 8 回~第 13 回)から 92 件のメッセージデータが確認された. また,後期web デザイン入門の後半 6 回分の授業(第 8 回~第 13 回)から 39 件のメッセージデータが確認された.各実験群で交わされたメッセージで用い られた装飾の利用件数を示す(表 4.5).前期ネットワーク論で交わされた 92 件のメッセージにおいて文字サイズの変更などのフォントスタイルの装飾は 240 件,テキストの色を変更するフォントカラーの装飾は 179 件,絵文字の付 加によってテキストを装飾する絵文字の利用は183 件,計 602 件の装飾が確認 された.また,後期web デザイン入門で交わされた 39 件のメッセージにおい て文字サイズの変更などのフォントスタイルの装飾は 75 件,テキストの色を 変更するフォントカラーの装飾は 76 件,絵文字の付加によってテキストを装 飾する絵文字の利用は64 件,計 215 件の装飾が確認された. すなわち,1 メッセージあたり前期のネットワーク論では平均 5~6 件,後期 web デザイン入門では平均 2~3 件の利用が行われていることが判る.装飾の 利用傾向としては,フォントスタイルの装飾においては文字サイズを大きくす る装飾が多く,フォントカラーの装飾では赤色と青色の着色が多いことが確認 された.また,絵文字の付加による装飾では,肯定的な感情や気持ちを表して いると予想される「楽しみ」と「喜び」の絵文字が多く受講生の利用で多かっ た,悲観的,否定的な感情や気持ちを表す「不安」の絵文字は受講生程多く利 用されていなかった.実装した絵文字の割合の半数が「楽しみ」と「喜び」で あり,教員は肯定的な感情を表した絵文字を利用する傾向にあることを確認し た.一方,最も利用されなかった絵文字は「怒り」であり,使用率は 1%未満 であることが確認できた.

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29 表 4.5 教員のテキスト装飾機能の利用件数について 対象 太字 下線 文字大 文字小 赤 青 黄 緑 橙 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 9 2 ) 80 37 120 3 53 53 1 33 39 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 9 ) 4 2 68 1 25 23 0 11 17 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 9 2 ) 0 .8 7 0 .4 0 1 .3 0 0 .0 3 0 .5 8 0 .5 8 0 .0 1 0 .3 6 0 .4 2 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 9 ) 0 .1 0 0 .0 5 1 .7 4 0 .0 3 0 .6 4 0 .5 9 0 .0 0 0 .2 8 0 .4 4 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 9 2 ) 1 .0 8 0 .6 6 0 .8 7 0 .1 8 0 .7 0 0 .6 8 0 .1 0 0 .5 5 0 .5 4 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 9 ) 1 .0 1 0 .6 7 6 .0 6 0 .3 3 1 .7 2 2 .4 6 0 .0 0 1 .4 8 1 .4 5 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 9 2 ) 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 9 ) 前期 ネッ ト ワ ー ク 論( n = 9 2 ) 後期 w e bデ ザイ ン入門 (n = 3 9 ) 2 .6 1 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 1 .9 5 1 .9 2 1 .9 5 フ ォ ント ス タ イ ル・ カ ラ ー の利用件数 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 標準偏差 フ ォ ント ス タ イ ル・ カ ラ ー の利用件数 240 179 75 76 対象 楽 し み 喜び 驚き 興味 悲 し み 怒り 恥 じ ら い 不安 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 9 2 ) 50 55 16 16 13 5 13 15 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 9 ) 17 15 8 14 1 1 2 6 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 9 2 ) 0 .5 4 0 .6 0 0 .1 7 0 .1 7 0 .1 4 0 .0 5 0 .1 4 0 .1 6 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 9 ) 0 .2 2 0 .1 9 0 .1 0 0 .1 8 0 .0 1 0 .0 1 0 .0 3 0 .0 8 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 9 2 ) 0 .6 0 0 .5 6 0 .4 6 0 .4 6 0 .3 5 0 .2 7 0 .4 3 0 .4 5 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 9 ) 1 .5 4 1 .5 0 1 .2 7 1 .4 2 0 .3 3 0 .3 3 0 .4 4 1 .0 0 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 9 2 ) 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 9 ) 前 期 ネッ ト ワ ー ク 論 (n = 9 2 ) 後 期 w e bデ ザ イ ン入 門 (n = 3 9 ) 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 1 .9 9 1 .6 4 絵文字毎の 利用件数 1 メ ッ セ ー ジ あ た り の 平均利用件数 標準偏差 絵文字の 総利用件数 183 64

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4.3.2 メッセージの構成の変化

(1)メッセージの文字数と文章数 装飾機能の導入によって受講生が作成するメッセージの構成内容に変化があ るのか明らかにするために,1 メッセージあたりの文字数の増減や,どの程度 の文章数で構成されているか確認した. 1 メッセージを「.」や「!」,「?」, 「改行」を目安に,主観を抑えるため,複数人で確認しながらメッセージを文 単位に分解した. 集計した各項目を前期と後期科目の実験群と統制群および,実験群前半と実 験群後半の数値を確認した(表 4.6,表 4.7).その結果,本研究では,テキス ト装飾機能の導入によってメッセージの作成が促進され,雑談などの話題も増 加すると予想していたが,今回取得したコミュケーション・データからは,実 験群と統制群ともに,前半から後半にかけて数値が大きく増減すること確認さ れなかった. また,教員が受講生に対してどの程度の文字数,及び文章数でメッセージを 作成していたのかを受講生同様に集計を行い確認した(表 4.8,表 4.9).受講 生に比べ,教員においては前半と後半の数値に差があるように思えるが,これ は,教員は前半のウェルカムメッセージがあり,また,後半では最終回の受講 生からのメッセージには返信を行わない.しかし,1 メッセージあたりの文字 数については受講生の1.5 倍程の文量で返答を行なっていることが確認された.

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31 表 4.6 受講生のメッセージの構成についての集計結果(文字数) 被験者群 メッセージ数 1 メッセージあたりの 平均文字数 標準偏差 前 期 統制群(web デザイン) 前半 135 258 69.81 69.22 38.63 42.43 後半 123 68.57 46.24 実験群(ネットワーク論) 前半 114 223 61.47 62.13 44.19 43.24 後半 109 62.83 42.22 後 期 統制群(ネットワーク論) 前半 123 236 65.68 62.54 24.98 23.01 後半 113 59.141 23.79 実験群(web デザイン入門) 前半 41 75 42.49 45.28 22.92 20.84 後半 34 48.65 22.99 同 一 科 目 統制群(web デザイン入門) 前半 135 258 69.81 69.22 38.63 42.43 後半 123 68.57 46.24 実験群(web デザイン入門) 前半 41 75 42.49 45.28 22.92 20.84 後半 34 48.65 22.99 統制群(ネットワーク論) 前半 123 236 65.68 62.54 24.98 23.01 後半 113 59.141 23.79 実験群(ネットワーク論) 前半 114 223 61.47 62.13 44.19 43.24 後半 109 62.83 42.22 表 4.7 受講生のメッセージの構成についての集計結果(文章数) 被験者群 メッセージ数 1 メッセージあたりの 平均文章数 標準偏差 前 期 統制群(web デザイン) 前半 135 258 2.28 2.47 1.11 1.28 後半 123 2.67 1.44 実験群(ネットワーク論) 前半 114 223 2.47 2.62 1.31 1.44 後半 109 2.77 1.51 後 期 統制群(ネットワーク論) 前半 123 236 2.11 2.10 0.79 0.78 後半 113 2.09 0.76 実験群(web デザイン入門) 前半 41 75 1.56 1.69 0.53 0.52 後半 34 1.85 0.66 同 一 科 目 統制群(web デザイン入門) 前半 135 258 2.28 2.47 1.11 1.28 後半 123 2.67 1.44 実験群(web デザイン入門) 前半 41 75 1.56 1.69 0.53 0.52 後半 34 1.85 0.66 統制群(ネットワーク論) 前半 123 236 2.11 2.10 0.79 0.78 後半 113 2.09 0.76 実験群(ネットワーク論) 前半 114 223 2.47 2.62 1.31 1.44 後半 109 2.77 1.51

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32 表 4.8 教員のメッセージの構成についての集計結果(文字数) 被験者群 メッセージ数 1 メッセージあたりの 平均文字数 標準偏差 前 期 統制群(web デザイン) 前半 191 294 113.82 95.03 27.46 29.64 後半 103 60.20 28.23 実験群(ネットワーク論) 前半 158 250 110.12 90.2 22.99 20.83 後半 92 56.03 19.08 後 期 統制群(ネットワーク論) 前半 147 240 82.49 78.9 27.94 21.30 後半 93 73.09 22.7 実験群(web デザイン入門) 前半 49 77 73.27 71 19.14 15.25 後半 28 67.04 31.48 同 一 科 目 統制群(web デザイン入門) 前半 191 294 113.82 95.03 27.46 29.64 後半 103 60.20 28.23 実験群(web デザイン入門) 前半 49 77 73.27 71 19.14 15.25 後半 28 67.04 31.48 統制群(ネットワーク論) 前半 147 240 82.49 78.9 27.94 21.30 後半 93 73.09 22.7 実験群(ネットワーク論) 前半 158 250 110.12 90.2 22.99 20.83 後半 92 56.03 19.08 表 4.9 教員のメッセージの構成についての集計結果(文章数) 被験者群 メッセージ数 1 メッセージあたりの 平均文章数 標準偏差 前 期 統制群(web デザイン) 前半 191 294 3.84 3.43 0.63 0.69 後半 103 2.69 0.76 実験群(ネットワーク論) 前半 158 250 3.63 3.20 0.55 0.46 後半 92 2.59 0.50 後 期 統制群(ネットワーク論) 前半 147 240 2.99 2.90 0.66 0.44 後半 93 2.72 0.53 実験群(web デザイン入門) 前半 49 77 2.80 2.77 0.52 0.35 後半 28 2.71 0.22 同 一 科 目 統制群(web デザイン入門) 前半 191 294 3.84 3.43 0.63 0.69 後半 103 2.69 0.76 実験群(web デザイン入門) 前半 49 77 2.80 2.77 0.52 0.35 後半 28 2.71 0.22 統制群(ネットワーク論) 前半 147 240 2.99 2.90 0.66 0.44 後半 93 2.72 0.53 実験群(ネットワーク論) 前半 158 250 3.63 3.20 0.55 0.46 後半 92 2.59 0.50

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33 (2)メッセージに含まれる感情や気持ちの代替表現 各メッセージを観察すると,自身の感情や気持ちを表現するために,記号を 組み合わせて顔の表情を表現した「(^o^)」や「(T-T)」などの文字絵を用いるこ とや,文章で表現せず「(笑)」や「(泣)」,や三点リーダー「…」などメッセー ジに付与することで感情や気持ちを補足した表現が含まれるメッセージ作成さ れていると予想される.これらの利用は文章のみでは感情や気持ちをうまく表 現出来ない場合に用いられる.テキストの装飾機能を導入した場合,これらの 代替としてテキスト装飾機能が用いられ,文字絵の利用件数が減少するという 変化が確認できると予想され,結果的にテキスト装飾機能が感情や気持ちの表 現に寄与したといえる.また,テキスト装飾機能により容易に表現が行えるよ うになるため,文字絵の利用者に比べて多くの受講生が感情や気持ちを表現し たメッセージを教員に送るようになる可能性も考えられる.そこで,どの程度 文字絵や記号などの利用があるのか,また,特定の受講生に利用が偏っている のかについて確認し,装飾機能を導入した場合に変化が起きるのか分析した. 科目毎に受講生と教員が用いた文字絵や記号「(笑)」,「(泣)」,「♪」,「…」, 「;」を含んだメッセージを集計した(表 4.10).まず,受講生が文字絵を利 用することは非常に少なく,20 メッセージ中 1 メッセージの割合で利用する受 講生いる程度ということがわかる.また,記号などの利用は文字絵に比べ 10 メッセージ中 1 メッセージの割合での利用が確認され比較的利用しやすい表現 ということが予想される.また,文字絵や記号を含んだメッセージは特定の受 講生が作成する傾向があり,受講生中の 4 割程度の受講生が複数回送信してい るという傾向にあることを確認した.

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34 表 4.10 受講生と教員の顔文字や記号の利用状況 作成者 時期 科目名 被験者数 メ ッ セ ー ジ 数 期間 前 半 8 0. 03 5 0. 02 3 0. 12 後 半 29 0. 11 6 0. 02 23 0. 88 前 半 22 0. 10 4 0. 02 18 0. 08 後 半 9 0. 04 1 0. 00 8 0. 04 前 半 9 0. 04 2 0. 03 7 0. 03 後 半 16 0. 07 4 0. 02 12 0. 08 前 半 0 0. 00 0 0. 00 0 0. 00 後 半 2 0. 03 0 0. 00 2 0. 03 作成者 時期 科目名 被験者数 メ ッ セ ー ジ 数 期間 前 半 45 0. 15 34 0. 12 11 0. 04 後 半 25 0. 09 17 0. 06 8 0. 03 前 半 37 0. 15 35 0. 14 2 0. 01 後 半 3 0. 01 0 0. 00 3 0. 01 前 半 93 0. 39 91 0. 38 2 0. 01 後 半 67 0. 28 65 0. 27 2 0. 01 前 半 32 0. 42 28 0. 36 4 0. 36 後 半 2 0. 03 2 0. 03 0 0. 03 0. 67 34 0. 44 文字 絵や 記号 を 含ん だ メ ッ セ ー ジ 数 文字 絵や 記号 を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 70 0. 24 40 0. 16 0. 06 文字 絵や 記号 を 含ん だ メ ッ セ ー ジ 数 文字 絵や 記号 を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 37 0. 14 31 0. 14 25 0. 11 0. 17 記号 な ど で の表 現を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 0. 10 0. 12 0. 08 0. 03 0. 05 4 4 0. 02 0. 02 5 77 文字 絵を 含ん だ メ ッ セ ー ジ 数 文字 絵を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 記号 な ど で の表 現を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の数 51 35 156 30 294 250 240 0. 14 0. 65 0. 39 19 160 統制 群( ネ ッ ト ワ ー ク 論) 実験 群( w ebデ ザイ ン 入門 ) 実験 群( ネ ッ ト ワ ー ク 論) 統制 群( w ebデ ザイ ン 入門 ) 27 22 24 8 記号 な ど で の表 現を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 記号 な ど で の表 現を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の数 文字 絵を 含ん だ メ ッ セ ー ジ 数 0. 04 0. 02 文字 絵を 含ん だ メ ッ セ ー ジ の出 現割 合 0. 03 0. 00 26 26 19 2 258 223 236 75 11 5 6 0 2 0. 03 統制 群( w ebデ ザイ ン 入門 ) 実験 群( ネ ッ ト ワ ー ク 論) 統制 群( ネ ッ ト ワ ー ク 論) 実験 群( w ebデ ザイ ン 入門 ) 27 22 24 8 後 期 後 期 受 講 生 教 員 前 期 前 期

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35 一方,教員の場合,記号の利用は受講生とあまり差はないが,文字絵の利用 が非常に多いことが確認された.特に,後期の統制群であるネットワーク論で は 240 メッセージ中 156 メッセージに文字絵を含んでおり.科目毎に大きな差 があった.156 メッセージと他の科目に比べて利用件数が多い理由としては, 開講前のメッセージや第 1 回目のメッセージは受講生個別に作成したメッセー ジではなく,全体に同じメッセージをコピー&ペーストして送信しており,そ のメッセージに文字絵が含まれていたため,多くの利用を検出した.しかしな がら,そのメッセージは 40 件程度であり,除いても 100 件は個別のメッセージ で文字絵を利用しており,科目毎に利用件数に差があることが明らかになった. なお,各科目において,教員が何か意識をしてメッセージを作成したのかなど の調査は現段階では行なっておらず,なぜ科目毎で利用に大きな差があったの かについての詳細の調査は今後の課題とする.

(45)

36

4.3.3 アンケートの回答結果の分析

iCon システムにテキストの装飾機能を導入した後に実施した期末アンケー ト回答結果に差があるかを確認するため,選択式の設問への回答を対象に有意 差検定を実施した.検定手法は,ノンパラメトリック法のU 検定を適用し,有 意水準5%で検定を実施した.以下に表 4.2 で提示した質問項目毎の分析結果 を述べていく.なお,教員のパーソナリティに対する記憶や推測に関する自由 記述式の設問は,iCon に関する共同研究で設定した設問であり,今回の分析対 象としていないため,本論文では割愛する. 教員に対する印象 教員に対する印象(1~15 項目)を個人的親しみやすさ,社会的望ましさ, 力本性の3 項目毎に集計し分析を行った. (1) 個人的親しみやすさ 前期に実施した科目同士,後期に実施した科目同士,前期と後期にそれぞれ 実施した共通の科目同士(以下同一科目と称す)で有意差を求めるため独立 2 群 のノンパラメトリックの検定手法であるマン・ホイットニーU 検定を用いた. 前期及び後期に実施した同一科目同士で検定をかけたものは4.1 で述べたよう に異なる科目であるが,同大学の同一教員が実施した情報実習系科目という共 通点から同一標本と見なせるかどうかを確認するために,前期と後期において 異なる科目であるが統制群と実験群で比較を行った(表 4.11).その結果,印象 項目1~5 において,「3:人のよい・人のわるい」の項目以外で有意差が検出 された.前期と後期の異なる科目同士においては中間や期末アンケートにおい て7 項目に有意差が検出された.また,同一科目同士の比較においては,ネッ トワーク論の中間アンケートにおいて,「5:親切な・いじわるな」のみ有意差 が検出されただけで標本の差は検出されなかった.そのため,異なる科目間の

表 4.4  受講生のテキスト装飾機能の利用件数について
表 4.5  教員のテキスト装飾機能の利用件数について

参照

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