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担癌患者の術前自己血貯血におけるエリスロポエチン製剤と十全大補湯、人参養栄湯の効果についての有効性の客観的評価

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Academic year: 2018

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(1)

漢方治療エビデンスレポート

日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

3.

貧血などの血液の疾患

文献

青江尚志, 住田由美, 河原伸明, ほか. 担癌患者の術前自己血貯血におけるエリスロポエ

チン製剤と漢方薬の効果について. 自己血輸血 1999; 12: 100-4. MOL, MOL-Lib

1. 目的

担癌患者の術前自己血貯血におけるエリスロポエチン製剤と十全大補湯、人参養栄湯

の効果についての有効性の客観的評価

2. 研究デザイン

ランダム化比較試験 (RCT)

3. セッティング

姫路赤十字病院1施設産婦人科

4. 参加者

平成4年1月より平成9年11月末に上記施設を受診し、婦人科悪性腫瘍のため術前に

800ml以上の自己血を貯血した患者90名

5. 介入

ヘモグロビン濃度14 g/dl以上の例には鉄剤の静脈内投与、14g/dl未満の症例を鉄剤の

静脈内投与+漢方+EPOと鉄剤の静脈内投与+EPOにランダム化

Arm 1:鉄剤の静脈内投与 (週240 mg) を第1回貯血から手術前日まで続行

Arm 2: 鉄剤の静脈内投与 (週240 mg) に加えてEPO 6000単位を週3回点滴静脈内投与

を第1回貯血から手術前日まで続行

Arm 3: 鉄剤の静脈内投与 (週240 mg) に加えてEPO 6000単位を週3回点滴静脈内投与

を第1回貯血から手術前日まで続行し、さらに加えてツムラ十全大補湯エキス

顆粒あるいは人参養栄湯エキス顆粒を1回1包 (2.5g) 、1日3回 (食前) 、第1

回貯血から手術前日まで服用

6. 主なアウトカム評価項目

血液プロフィール: 貯血前 (薬剤投与前) 、手術前 (薬剤終了直後) の赤血球数、ヘモグ

ロビン、ヘマトクリット、網状赤血球数等の評価

血清生化学プロフィール: 貯血前 (薬剤投与前) 、手術前 (薬剤終了直後) の総タンパク、

アルブミン、鉄濃度の評価

ヘモグロビン増加量: 貯血前ヘモグロビン値×貯血量/循環血液量- (貯血前ヘモグロ

ビン値-手術前ヘモグロビン値) により評価

7. 主な結果

貯血から手術までの間の網状赤血球の増加幅は漢方群 (36名) およびEPO群は鉄剤群

(15名) に比べ大きかった。ヘモグロビン増加量は鉄剤群 (0.92±0.70g/dl) よりもEPO群

(1.73±1.30 g/dl) 、さらにEPO群に比べ漢方群 (2.33±1.11 g/dl) では有意に (P<0.05) 大き

かった。

8. 結論

術前自己血貯血に際して、鉄剤とEPOに漢方薬の服用を併用することは、さらに臨床

的に高い効果が得られる。

9. 漢方的考察

なし

10. 論文中の安全性評価

記載なし

11. Abstractorのコメント

十 全大 補湯 あるい は人 参養 栄湯 を術 前の貯 血管 理プ ロト コー ルに組 み込 むこ とに よ

り、血中ヘモグロビン濃度の増加量も増加することは、術前の自己血貯血に際して、

鉄剤とEPOで対応するよりも、よりよい血液プロフィールで手術に臨めることを意味

しており、本研究の成果の臨床的意義は高いと考えられる。安全性に関しては、補剤

が癌細胞増殖に対して促進的に働く可能性も含め、さらに症例を集積して検討してい

ただきたい。

12. Abstractor and date

後山尚久 2008.4.1, 2013.12.31

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