中核市移行に関する検討結果報告書
平成 30 年 2 月
目次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
Ⅰ 松本市の地方分権の取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ 中核市制度の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1 中核市とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2 中核市の事務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3 全国の中核市指定状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
Ⅲ 中核市移行により移譲される事務・・・・・・・・・・・・・・・ 8 1 法定移譲事務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 2 法定外移譲事務(県単独事業)・・・・・・・・・・・・・・・ 11
Ⅳ 各項目の検討結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 1 職員・組織体制の構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 2 条例の制定・改正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 3 附属機関の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 4 情報システムの整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 5 包括外部監査制度の導入、高度救助隊の設置・・・・・・・・・21 6 保健所の設置・運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 7 財政への影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
Ⅴ 中核市移行により期待される効果・・・・・・・・・・・・・・・38 1 「健康寿命延伸都市・松本」の推進・・・・・・・・・・・・・38 2 市民サービスの向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 3 市民の安全・安心の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 4 松本地域の持続的な発展・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
Ⅵ 中核市移行における課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 1 中核市移行全体に関する主な課題・・・・・・・・・・・・・・46 2 移譲事務に関する主な課題・・・・・・・・・・・・・・・・・48
はじめに
松本市はこれまで、平成 12 年の特例市移行を始めとして、長野県から事務権 限の移譲を積極的に受け、地方分権の観点から、市民サービスの向上に努めて きました。
市政においては、将来の都市像として「健康寿命延伸都市・松本」を掲げ、 安全・安心で、いきいきと暮らせる地域社会の構築を目指し、各施策に取り組 み、特に健康福祉政策においては、先進的な施策を実施してきました。
そのような中で、平成 27 年4月の地方自治法の一部改正により、中核市の指 定要件が、法定人口 30 万人から 20 万人に緩和され、人口約 24 万人の松本市は、 中核市の指定要件を満たすことになりました。
超少子高齢型人口減少社会を迎え、今後、社会構造や経済情勢が大きく変化 していくことが予想されます。行政には、多様化する市民ニーズや地域の課題 を迅速に把握し、的確に対応していくことが求められます。そして、都市とし ての高度な自主性と自立性を備えることで、持続可能な行政運営を行っていか なければなりません。
また、近隣市村の首長の皆様からは、松本地域の持続的な発展のため、松本 市がリーダーシップを発揮し、地域の中核としての役割を果たして欲しいとの 声があり、松本地域全体の将来を見据えた取組みが求められています。
住民に最も身近な基礎自治体として、長野県から更なる事務権限の移譲を受 けることで、自らの責任と判断による主体的なまちづくりと、市民サービスの 更なる向上が期待できることから、松本市は、20 年、30 年先の将来を見据え、 移行時期の目標を平成 32 年4月1日とし、中核市への移行の検討を行いました。
中核市移行の検討に当たっては、移行により長野県から移譲される見込みの 約 2, 300 の事務について、事務内容や事務量などを把握し、事務の執行におけ る課題の整理を進めてきました。
Ⅰ
松本市の地方分権の取組み
松本市はこれまで、市民サービスの向上を図り、主体的なまちづくりを 推進するため、特例市移行や長野県の「知事の権限に属する事務の処理の特 例に関する条例(以下「県特例条例」という。)の活用などにより、長野県 から積極的に事務権限の移譲を受け、地方分権を進めてきました。
特例市移行により移譲された主な事務
移譲年月 行政分野 事務内容
平成 12 年 11 月 (特例市移行日)
環 境
・ 騒 音 を規 制 する 地域 の指 定 、 規制 基準 の 設定 等
(騒音規制法に基づく事務)
・悪臭物質の排出を規制する地域の指定、規制基 準の設定 等
(悪臭防止法に基づく事務)
都 市 計 画 ・ 建設
・ 都 市 計画 の 決定 又は 変更 に 当 たっ ての 土 地の 試掘等の許可 等
(都市計画法に基づく事務)
・土地区画整理組合の設立の認可 等 (土地区画整理法に基づく事務)
県特例条例の活用により移譲された主な事務
移譲年月 行政分野 事務内容
平成 21 年 4 月
都 市 計 画 ・ 建設
・一定面積以上の土地について取引を行う場合 の届出の受理 等
(公有地の拡大の推進に関する法律)
平成 28 年 4 月
都 市 計 画 ・ 建設
・市街地再開発事業における組合の設立及び個 人施行の認可 等
Ⅱ
中核市制度の概要
1
中核市とは
⑴ 中核市制度の趣旨
全国には、現在、人口 1, 000 人未満の村から 100 万人を超える大都市 まで約 1, 700 の市町村があります。以前は、指定都市以外の市は、同じ ような権限を持っていましたが、「都市の規模能力に応じて事務権限を強 化して、できる限り住民の身近なところで地域の実情に沿った行政を行 う」という、地方自治の理念を実現するため、平成7年に中核市制度が 創設されました。
⑵ 中核市指定要件の変遷
制度創設当初は、中核市の要件として人口・面積・昼夜間人口比率の 3つの要件がありましたが、順次緩和され、現在は人口のみが要件とな っています。
中核市指定要件の変遷
改正年 人口 面積
昼夜間人口比率
※ 1
平成 7 年
(中核市制度創設)
30 万人以上
100km²以上
100 超※ 2
平成 11 年
なし 平成 14 年 100km²以上※ 2
平成 18 年
なし 平成 27 年 20 万人以上
※ 1 昼夜間人口比率:(昼間人口÷ 夜間人口)× 100 ※ 2 人口 50 万人未満の場合
平成 27 年4月の地方自治法の改正で、中核市の指定要件が人口 30 万 人から 20 万人に緩和されたことにより、人口 24. 4 万人(平成 27 年国勢 調査)の松本市は、中核市の指定要件を満たすことになりました。
なお、施行時特例市は、経過措置として、2020 年3月末日までは人口 が 20 万人未満となっても、中核市の指定を受けることができます。松本 市の推計では、2040 年の松本市の人口が 21. 5 万人であり、今後 20 年ほ どは 20 万人を切ることはないものと想定されます。そのため、当面の間 は、中核市の要件を満たし続けるものと見込まれます。
⑶ 中核市指定の手続き
中核市の指定を受けるためには、市議会の議決、県議会の議決、県知 事の同意を経て、市が国に申出を行う必要があります。国は、市の申出 に基づき中核市の指定を行います。
中核市指定の手続き
2
中核市の事務
中核市、施行時特例市及び市町村が、それぞれ処理する主な事務は、次 の表のとおりです。
中核市・施行時特例市・市町村が処理する主な事務
行政分野 中核市
施行時特例市
市町村
民生
・ 身 体 障 害 者 手 帳 の 交 付
・ 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム の設置認可、監督 ・ 母 子 父 子 寡 婦 福 祉 資 金の貸付
・保育所の設置、運営 ・ 生 活 保 護 ( 市 及 び 福 祉 事 務 所 設 置 町 村 が 処理)
・障害者自立支援給付 ・介護保険事業 ・国民健康保険事業
保健衛生
・保健所の設置 ・診療所等開設の許可 ・感染症の予防、対策 ・飲食店営業等の許可 ・理美容所開設の許可 ・薬局開設の許可 ・温泉の利用許可 ・ 食 肉 衛 生 検 査 所 の 設 置
・ 市 町 村 保 健 セ ン タ ー の設置
・健康増進事業の実施 ・ 定 期 の 予 防 接 種 の 実 施
・結核に係る健康診断 ・埋葬、火葬の許可
環境
・ 一 般 廃 棄 物 、 産 業 廃 棄 物 処 理 施 設 の 設 置 許可
・ ば い 煙 発 生 施 設 の 設 置の届出受理
・ 一 般 粉 じ ん 発 生 施 設 の設置の届出受理 ・ 汚 水 又 は 廃 液 を 排 出 す る 特 定 施 設 の 設 置 の届出受理
・ 一 般 廃 棄 物 の 収 集 、 処理
・ 騒 音 、 振 動 、 悪 臭 を 規制する地域の指定、 規制基準の設定(市の み)
都市計画・ 建設
・ 屋 外 広 告 物 の 条 例 に よる設置制限
・ 市 街 化 区 域 又 は 市 街 化 調 整 区 域 内 の 開 発 行為の許可
・ 土 地 区 画 整 理 組 合 の 設立の認可
・ 上 下 水 道 の 整 備 、 管 理運営
・都市計画決定
・ 市 町 村 道 、 橋 梁 の 建 設管理
・準用河川の管理 産業・経済
・ 計 量 法 に 基 づ く 勧 告、定期検査
文教
・ 県 費 負 担 教 職 員 の 研 修
3
全国の中核市指定状況
⑴ 現在の中核市
現在、全国で 48 市が中核市に指定されています。
このうち、呉市、佐世保市及び八戸市の3市は、施行時特例市から中 核市に移行しています。
全国の中核市一覧
移行年月日 自治体名
人口 ( 万人)
移行年月日 自治体名
人口 ( 万人) 平成 8 年
4 月 1 日
栃木県 宇都宮市 51. 9 平成 17 年 4 月 1 日
大阪府 東大阪市 50. 3 富山県 富山市 41. 9
石川県 金沢市 46. 6 平成 17 年 10 月 1 日
北海道 函館市 26. 6 岐阜県 岐阜市 40. 7 山口県 下関市 26. 9 兵庫県 姫路市 53. 6 平成 18 年
10 月 1 日
青森県 青森市 28. 8 鹿児島県鹿児島市 60. 0
平成 9 年 4 月 1 日
秋田県 秋田市 31. 6 平成 20 年 4 月 1 日
岩手県 盛岡市 29. 8 福島県 郡山市 33. 6 千葉県 柏市 41. 4 和歌山県和歌山市 36. 5 兵庫県 西宮市 48. 8 長崎県 長崎市 43. 0 福岡県 久留米市 30. 5 大分県 大分市 47. 9 平成 21 年
4 月 1 日
群馬県 前橋市 33. 7 平成 10 年
4 月 1 日
愛知県 豊田市 42. 3 滋賀県 大津市 34. 1 広島県 福山市 46. 5 兵庫県 尼崎市 45. 3 高知県 高知市 33. 8 平成 23 年
4 月 1 日
群馬県 高崎市 37. 1 宮崎県 宮崎市 40. 2
平成 11 年 4 月 1 日
福島県 いわき市 35. 1 平成 24 年 4 月 1 日
大阪府 豊中市 39. 6 長野県 長野市 37. 8
愛知県 豊橋市 37. 5 平成 25 年 4 月 1 日
沖縄県 那覇市 32. 0 香川県 高松市 42. 1
平成 12 年 4 月 1 日
北海道 旭川市 34. 0 平成 26 年 4 月 1 日
大阪府 枚方市 40. 5 愛媛県 松山市 51. 5
平成 13 年 4 月 1 日
神奈川県横須賀市 40. 7
平成 27 年 4 月 1 日
埼玉県 越谷市 33. 8 東京都 八王子市 57. 8 平成 14 年
4 月 1 日
奈良県 奈良市 36. 1 平成 28 年 4 月 1 日
広島県 呉市※ 22. 9 岡山県 倉敷市 47. 8 長崎県 佐世保市※ 25. 6 平成 15 年
4 月 1 日
埼玉県 川越市 35. 1 平成 29 年 1 月 1 日
青森県 八戸市※ 23. 2 千葉県 船橋市 62. 3
愛知県 岡崎市 38. 2 大阪府 高槻市 35. 2 (注1)人口は、平成 27 年の国勢調査の数値
⑵ 今後の中核市移行予定市
今後、全国で 12 市が中核市への移行を予定しています。
このうち、11 市が施行時特例市から中核市への移行となります。
中核市移行予定市一覧
移行予定 年月
自治体名
人口 ( 万人)
移行予定 年月
自治体名
人口 ( 万人) 平成 30 年
4 月
福島県 福島市 29. 5 平成 31 年 4 月
山形県 山形市※ 25. 4 埼玉県 川口市※ 57. 9 福井県 福井市※ 26. 6 大阪府 八尾市※ 26. 9 山梨県 甲府市※ 19. 4 兵庫県 明石市※ 29. 4 大阪府 寝屋川市※ 23. 8 鳥取県 鳥取市※ 19. 4 平成 32 年
4 月
茨城県 水戸市※ 27. 1 島根県 松江市※ 20. 7 大阪府 吹田市※ 37. 5 (注1)人口は、平成 27 年の国勢調査の数値
Ⅲ
中核市移行により移譲される事務
中核市移行により移譲される事務は、法令で定められており必ず移譲を 受けなければならない「法定移譲事務」と、長野県が独自で実施している事 務で、法定移譲事務に関連しているため移譲することが望ましいと考えられ る「法定外移譲事務(県単独事業)」の2つに分類されます。
松 本 市 が 、 中 核 市 移 行 に よ り 移 譲 さ れ る 事 務 の 数 は 、 法 定 移 譲 事 務 が 1, 776、法定外移譲事務が 533 となっており、合計 2, 309 と見込まれます。 なお、この事務数は、平成 29 年3月末時点のものであり、今後、法令の 改正等により増減する可能性があります。
中核市への移行に伴う移譲事務数
行政分野(法令数) 法定 法定外 計
民 生 (19) 519 20 539
保健衛生 (53) 860 479 1, 339
環 境 (17) 255 28 283
都市計画・建設 (23) 83 0 83
産業・経済 ( 1) 0 0 0
文 教 ( 6) 24 6 30
その他 ( 6) 35 0 35
計 (125) 1, 776 533 2, 309
主な移譲事務
行政分野 移譲事務の内容
民 生
身 体 障 害 者 手 帳 の交付
・身体障害者手帳の交付申請の受付 ・添付する診断書を作成する医師の指定 ・身体障害者手帳の返還命令 等 特 別 養 護 老 人 ホ
ームの設置認可、 監督
・設置、廃止又は休止の届出の受付
・設置者、管理者又は介護等受託者に対する報告徴 収
・設置者に対する改善命令 等 母 子 父 子 寡 婦 福
祉資金の貸付
・福祉資金の貸付け
・貸付けを受けた者の所得の状況等による償還免除 ・福祉団体に対する資金の貸付け 等
児 童 福 祉 施 設 の 設置
・児童福祉施設の設置
障 害 福 祉 サ ー ビ ス事業者の指定
・障害福祉サービス事業者の指定 ・指定障害者支援施設の指定
・障害福祉サービス事業者に対する勧告 ・障害者支援施設に対する勧告 等 小 児 慢 性 特 定 疾
病 医 療 費 の 支 給 認定
・小児慢性特定疾病医療費の支給
・添付する診断書を作成する医師の指定、小児慢性 特定疾病医療費の支給申請の受付
・指定小児慢性特定疾病医療機関への指導 等
保健衛生
保健所の設置
・企画、調整、指導及びこれらに必要な事業の実施 ・地域住民の健康の保持及び増進を図るための事業 の実施 等
病院、診療所等の 開 設 等 の 手 続 き や立入検査
・診療所・助産所の開設許可 ・施設の使用制限命令
・欠格事由による開設許可の取消、期限を定めた閉 鎖命令 等
飲 食 店 営 業 等 の 許可
・飲食店営業等を行う者に対する許可 ・違反営業者等に対する廃棄命令
・食中毒患者等の発生に関する保健所長への報告の 受付 等
理・美容所の開設 の許可
・理容所及び美容所の開設許可 ・理・美容所への立入検査 等
温泉の利用許可
・温泉の成分等の掲示の届出の受理
・温泉利用の制限又は危害予防措置の命令に係る聴 聞
・公衆衛生上の見地からの立入検査 等
薬局の開設許可
・薬局開設の許可
・薬局製造販売医薬品の製造業の管理者の兼務許可 ・薬局開設者及び店舗販売業者への立入検査 ・医薬品等を業務上扱う者への立入検査 等 食 肉 衛 生 検 査 所
の設置
・と畜検査、食鳥検査、と畜場における牛海綿状脳 症に係る検査 等
環 境
ば い 煙 発 生 施 設 の 設 置 の 届 出 受 理
・施設の設置の届出の受理
・基準に適合しない場合の改善等の命令 ・排出又は飛散の抑制についての勧告 等 産 業 廃 棄 物 の 収
集 運 搬 業 者 等 に 対する措置命令
・産業廃棄物処理施設の設置許可
・産業廃棄物の収集運搬業者・処分業者に対する業 務停止命令 等
ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ル 廃 棄 物 の 保 管 及 び 処 分 に か かる届出、命令
・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管・処分の状況の 公表
・事業者に対する指導・助言
・事業者等の事務所等への立入検査 等
都市計画・ 建設
屋 外 広 告 物 の 条 例 に よ る 設 置 制 限
都市計画・ 建設
サ ー ビ ス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 事 業の登録
・サービス付き高齢者向け住宅事業の登録 ・登録事業の登録事項等の変更の届出の受理
・登録事業者等からの報告受理、事業者等に対する 検査 等
文 教
県 費 負 担 教 職 員 の研修
・県費負担教職員の研修
重 要 文 化 財 の 現 状変更等の許可
・重要文化財の現状変更等の停止命令、許可の取消 し 等
1
法定移譲事務
法定移譲事務は、法律や政令に基づき移譲される「法律・政令」事務と、 法律や政令に基づき定められた、省令、通知及び要綱等に基づき移譲される 「補助要綱関連」事務に区分されます。
「法律・政令」事務において、中核市が担う事務の数は、2, 264 あり、そ のうち、特例市移行、景観行政団体移行及び県特例条例の活用により、既に 640 の事務が松本市に移譲されています。
松本市が、中核市へ移行すると、「法律・政令」事務 1, 627 に、「補助要 綱関連」事務 149 を加えた、1, 776 の事務が新たに移譲されることになりま す。
法定移譲事務の事務数(法令の条項数)
行政分野(法令数)
法律・政令
補助要綱 関連
( d)
計 ( c ) +( d) 中核市
事務 ( a)
移譲済 事務
( b)
新たな 移譲事務 ( a) - ( b) =( c )
民 生 (19) 491 1 491 28 519 保健衛生 (53) 763 20 745 115 860 環 境 (17) 372 115 250 5 255 都市計画・建設 (23) 536 461 82 1 83
産業・経済 ( 1) 43 43 0 0 0
文 教 ( 6) 24 0 24 0 24
その他 ( 6) 35 0 35 0 35
計 (125) 2, 264 640 1, 627 149 1, 776 ※ 特例市、景観行政、特例条例で重複する条項があるため、全体からの差し引きは一致
しない場合がある。
2
法定外移譲事務(県単独事業)
法定外移譲事務は、「条例移譲」、「経由事務」、「補助事業」の3つに区分 されます。
「条例移譲」は、特例条例により、知事から市長へ権限を移譲し、市で 処理することが適当と考える事務で、「経由事務」は、県の事務のうち、市 において経由事務を行うことが適当と考える事務です。「補助事業」は、県 で実施する事業のうち、中核市移行に伴う法定移譲事務との密接性・関連性 を考慮し、市で実施することが適当と考える事業です。
松本市が、中核市へ移行すると、「条例移譲」198、「経由事務」317、「補 助事業」18 の合計 533 の事務が移譲される見込みとなります。
法定外移譲事務の事務数
(条例移譲、経由事務は法令の条項数、補助事業は事業数)
行政分野 条例移譲 経由事務 補助事業 計
民 生 0 2 18 20
保健衛生 164 315 0 479
環 境 28 0 0 28
都市計画・建設 0 0 0 0
産業・経済 0 0 0 0
文 教 6 0 0 6
その他 0 0 0 0
Ⅳ
各項目の検討結果
1
職員・組織体制の構築
⑴ 新たに必要となる職員数
移譲事務の処理件数(平成 27 年度の長野県実績)から算出した必要人 員を基に、職員数を検討した結果と、中核市先行市等の事例を踏まえ、 移譲事務の執行に必要な職員数を算出しました。
中核市移行に伴い、新たに必要となる職員数は、90 人前後と見込まれ ます。
新たに必要となる職員数(単位:人)
行政分野 職員数
民 生 13
保健衛生 65
環 境 6
都市計画・建設 1
文 教 3
その他 1
合 計 89
※ 保健衛生に、保健所と食肉衛生検査所の職員を含む。
なお、中核市移行に伴う組織再編や、法令等の改正による事務の増加 等が想定されるため、職員数は増減する可能性があります。
<参考> 中核市先行市の増加職員数
(単位:人)
自治体名
人口 (万人)
移行 年月日
増加職員数
職員数のう ち、保健所の
人数
⑵ 新たに必要となる専門職
移譲事務には、法令等で専門職の配置が定められている事務のほか、 高度な知識や技術が求められる業務があり、専門職の配置が必要になり ます。
長野県に配置されている専門職を参考に、移譲事務の内容及び事務量 を基に検討した結果から、配置が必要となる専門職を整理しました。
配置が必要な専門職 (単位:人)
専門職 主な業務 人数
医師 保健所長 1
獣医師
乳肉等食品の衛生管理、動物愛護管理、 食肉衛生検査
25
薬剤師 薬局開設に係る施設等の検査 6
保健師 感染症予防に係る業務、精神保健相談 5
臨床検査技師 感染症等の検体検査 6
診療放射線技師 結核患者への対応 1
管理栄養士 栄養相談の実施 2
保育士 保育施設の指導監査 1
社会福祉士
高齢者福祉サービス事業所に対する実地 指導
1
介護支援専門員 〃 1
技術職(化学) 水質及び大気汚染に関する検査 8
小中学校教職員 県費負担教職員の研修 2
⑶ 組織体制の整備
移譲事務を執行するに当たり、市民サービスの向上や事務の効率化の 観点から、新たな組織体制を整備する必要があります。
現時点で想定される新たな部署は、保健所の業務を担う「保健総務課」、 「保健・予防衛生課」、「食品・生活衛生課」、「検査課」の4課と、食肉 検査や衛生指導等を担う「食肉衛生検査所」があります。(課名はすべて 仮称です。)
また、「障害者、高齢者及び児童福祉に関する施設、事業所及び社会福 祉法人の指定及び施設の監査等を専門的に担う部署」や、「産業廃棄物処 理に関する業務を担う部署」の新設などが必要になると見込まれます。
食肉衛生検査所とは
と畜※場法により、都道府県や保健所を設置する市は、管轄区域内にと畜場があ る場合に、と畜の検査やと畜場の衛生指導を実施することが定められています。
※ と畜… 牛や豚などの家畜を食肉等に処理すること。
松本市内には、と畜場が1施設(株式会社長野県食肉公社)あり、県内全域から 家畜を受け入れています。
現在は、長野県が株式会社長野県食肉公社に隣接して、食肉衛生検査所を設置し、 検査等の業務を行っています。
松本市が中核市に移行すると、松本市域を管轄する市の保健所が設置されるため、 松本市が、県食肉衛生検査所の業務を引き継ぐことになります。
2
条例の制定・改正
移譲される事務を執行するに当たり、基準や手続等の必要な事項を定め た条例等の整備が必要になります。
⑴ 新たに制定が必要な条例
移譲事務の内容を精査した結果、新たに制定が必要な条例数は、36 と 見込まれます。
新たに制定が必要な条例
条例名(仮称) 概 要
民 生
1
児童福祉施設の設備及び運営の基準に 関する条例
児童福祉施設のうち、助産施設、母子生 活支援施設及び保育所の設備及び運営 に関する基準を定めるもの
2 民生委員の定数を定める条例 民生委員の定数を定めるもの
3
保護施設の設備及び運営の基準に関す る条例
保護施設(救護施設、更生施設、授産施 設及び宿所提供施設)の設備及び運営に 関する基準を定めるもの
4
軽費老人ホームの設備及び運営の基準 に関する条例
軽 費 老 人 ホ ー ム の 設 備 及 び 運 営 に 関 す る基準を定めるもの
5 社会福祉審議会条例
社 会 福 祉 審 議 会 の 設 置 に つ い て 定 め る もの
6
社会福祉審議会の調査審議事項の特例 を定める条例
社 会 福 祉 審 議 会 の 調 査 審 議 事 項 の 特 例 を定めるもの
7
養護老人ホームの設備及び運営の基準 に関する条例
養 護 老 人 ホ ー ム の 設 備 及 び 運 営 に 関 す る基準を定めるもの
8
特別養護老人ホームの設備及び運営の 基準に関する条例
特 別 養 護 老 人 ホ ー ム の 設 備 及 び 運 営 に 関する基準を定めるもの
9
児童福祉法に基づく事業者等の指定に 係る申請者の要件等に関する条例
事 業 者 等 の 指 定 に 係 る 申 請 者 に 関 す る 基準を定めるもの
10
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく指定 障害福祉サービスの事業等の従業者、 設備及び運営の基準に関する条例
指 定 障 害 福 祉 サ ー ビ ス の 事 業 等 の 従 業 者、設備及び運営に関する基準を定める もの
11
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく障害 福祉サービスの事業の設備及び運営の 基準に関する条例
障 害 福 祉 サ ー ビ ス の 事 業 の 設 備 及 び 運 営に関する基準を定めるもの
12
児童福祉法に基づく指定通所支援の事 業の従業者、設備及び運営の基準に関 する条例
条例名(仮称) 概 要
民 生
13
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく指定 障害者支援施設の従業者、設備及び運 営の基準に関する条例
指定障害者支援施設の従業者、設備及び 運営に関する基準を定めるもの
14
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく障害 者支援施設の設備及び運営の基準に関 する条例
障害者支援施設の設備及び運営に関す る基準を定めるもの
15
児童福祉法に基づく指定障害児入所施 設の事業の従業者、設備及び運営の基 準に関する条例
指定障害児入所施設の事業の従業者、設 備及び運営に関する基準を定めるもの
16
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく地域 活動支援センターの設備及び運営の基 準に関する条例
地 域 活 動 支 援 セ ン タ ー の 設 備 及 び 運 営 に関する基準を定めるもの
17
障害者の日常生活及び社会生活を総合 的に支援するための法律に基づく福祉 ホームの設備及び運営の基準に関する 条例
福 祉 ホ ー ム の 設 備 及 び 運 営 に 関 す る 基 準を定めるもの
18
介護保険法に基づく指定居宅サービス 等の事業の従業者、設備及び運営の基 準に関する条例
指定居宅サービス等の事業の従業者、設 備及び運営に関する基準を定めるもの 保 健 衛 生
19 食品衛生法施行条例
飲食店等営業施設の営業者が講ずべき 公衆衛生の措置の基準、食品衛生検査施 設の設備及び職員の配置基準等を定め るもの
20 興行場法施行条例
興行場の設置の場所、構造設備の基準、 衛生上の措置等について定めるもの
21 旅館業法施行条例
旅館の営業者が講ずべき衛生上の措置、 宿泊を拒むことのできる事由、施設の構 造設備の基準等を定めるもの
22 公衆浴場法施行条例
公衆浴場の設置場所の配置基準、衛生上 の措置等を定めるもの
23 感染症診査協議会条例
感 染 症 診 査 協 議 会 の 設 置 に つ い て 定 め るもの
24 保健所設置条例
保 健 所 の 設 置 及 び 管 理 に つ い て 定 め る もの
25 保健所運営協議会条例
条例名(仮称) 概 要 保 健 衛 生
26 保健所使用料等徴収条例
保 健 所 の 使 用 に 係 る 手 数 料 等 を 定 め る もの
27 理容師法施行条例
理 容 業 及 び 理 容 所 の 衛 生 上 の 措 置 等 に ついて定めるもの
28 クリーニング業法施行条例
ク リ ー ニ ン グ 業 の 営 業 者 が 講 ず べ き 衛 生上の措置等について定めるもの 29
一般と畜場の構造設備の基準に関する 条例
一 般 と 畜 場 の 構 造 設 備 の 基 準 等 を 定 め るもの
30 美容師法施行条例
美 容 業 及 び 美 容 所 の 衛 生 上 の 措 置 等 に ついて定めるもの
31
浄化槽保守点検業者の登録等に関する 条例
浄 化 槽 の 保 守 点 検 を 行 う 事 業 を 営 む 者 の登録に関し必要な事項を定めるもの 32
温湯温泉利用施設の設置及び管理に関 する条例
温泉の利用許可証の交付、掲示等につい て定めるもの
環 境
33
廃棄物の適正な処理の確保に関する条 例
廃 棄 物 の 処 理 に 関 す る 事 項 に つ い て 定 めるもの
そ の 他
34
幼保連携型認定こども園の設備及び運 営に関する条例
幼 保 連 携 型 認 定 こ ど も 園 の 設 備 及 び 運 営に関する基準について定めるもの 35 幼保連携型認定こども園審議会条例
幼 保 連 携 型 認 定 こ ど も 園 審 議 会 の 設 置 について定めるもの
36
外部監査契約に基づく監査に関する条 例
⑵ 改正が必要な条例
移譲される事務の内容や、既存の条例を確認、精査した結果、改正が 必要な条例数は、6と見込まれます。
なお、このほかに、事務分掌、人事・給与、服務等に関する条例の改 正が必要となります。
改正が必要な条例
条例名 概要
民 生
1 松本市個人番号の利用に関する条例
小 児 慢 性 特 定 疾 病 医 療 費 の 支 給 等 に 当 た っ て の 個 人 番 号 の 利 用 を 追 加 す る も の
2 松本市健康福祉21市民会議条例
松 本 市 健 康 福 祉 2 1 市 民 会 議 の 設 置 に ついて改正するもの
3 松本市特別会計設置条例
母子福祉資金、父子福祉資金及び寡婦福 祉 資 金 の 貸 付 け を す る に 当 た っ て の 特 別会計の設置を追加するもの
保 健 衛 生 、 環 境
4 松本市手数料条例
各種申請、登録等に係る手数料等を追加 するもの
環 境
5
松本市廃棄物の処理及び清掃に関する 条例
産 業 廃 棄 物 に 関 す る 事 項 に つ い て 追 加 するもの
都 市 計 画 ・ 建 設
6 松本市屋外広告物条例
3
附属機関の設置
移譲される事務を実施するに当たり、有識者等で構成される審議会、協 議会等の附属機関の設置が必要となります。
移譲される事務の内容を精査した結果、設置が必要な附属機関数は、7 と見込まれます。
設置が必要な附属機関
機関名(仮称) 概要
民 生
1 社会福祉審議会
社会福祉に関する事項を調査・審議
・参考(長野市) 委員 24 名(学識経験者、 社会福祉関係者等)、年 3 回開催(H28 実績)、 別途 5 つの専門分科会を設置
2 小児慢性特定疾病審査会
小児慢性特定疾病医療費の支給に係る認定等 に関する事項を審査
・委員 5 名(小児科医)、毎月 1 回開催
3
社会 福祉法人・社 会福祉施設整 備審査会
社会福祉法人の設立の認可及び社会福祉施設 等の整備に対する補助金の支出等に関する事 項を審査
・参考(長野市) 委員は関係部課長、施設整 備審査会は年 3 回開催(H28 実績)
保 健 衛 生
4 感染症診査協議会
感染症の患者の入院勧告や措置等に関する事 項を協議
・参考(長野市) 委員 10 名(医師等)、別途 「結核審査専門部会」を設置
5 保健所運営協議会
保健所の運営に関する事項を協議
・参考(長野市) 委員 17 名(保健所関係団 体等)
環 境
6 廃棄物処理施設設置審査会
廃棄物処理施設設置許可における生活環境の 保全に関する事項を審査
・委員 4 名程度、廃棄物処理施設設置許可申請 を受理した際に開催
そ の 他
7 幼保連携型認定こども園審議会
幼保連携型認定こども園の設置認可に関する 事項を審議
4
情報システムの整備
移譲される事務の内容を整理した結果、新たに整備が必要な情報システ ムは、13 と見込まれます。
整備が必要な情報システム
システム名(仮称) 概 要
民 生
1 小児慢性特定疾病システム
医 療 費 の 執 行 管 理 、 登 録 患 者 台 帳 の 管 理、医療受給者証の交付 等
2 身体障害者手帳交付システム
申 請 者 の 障 害 情 報 及 び 指 定 医 情 報 の 管 理 等
3 母子父子寡婦福祉資金貸付システム 貸付台帳の管理 等 4 障害福祉サービス事業者管理システム 指定事業者情報の管理 等
5 介護保険指定機関等管理システム
居宅介護サービス事業者、指定居宅介護 支援事業者の指定の管理 等
保 健 衛 生
6 保健医療情報システム(台帳システム)
食 品 衛 生 法 、 営 業 6 法 等 に 係 る 営 業 許 可、監視情報の管理 等
7 保健医療情報システム(検査システム)
食 品 衛 生 法 等 の 検 査 に 係 る 検 体 や 検 査 結果の管理 等
8
感 染 症 サ ー ベ イ ラ ン ス シ ス テ ム (NESI D)
医師からの届出内容や検査結果 等
9 政府統計共同利用システム 調査票データの受付・審査 等 10 薬事関係許認可・監視業務システム 薬事に関する許認可や監視業務 等 11 と畜検査結果集計システム と畜に関する検査結果 等
12 人口動態調査オンライン報告システム 調査票データの受付・審査 等
環 境
5
包括外部監査制度の導入、高度救助隊の設置
⑴ 包括外部監査制度の導入
地方公共団体の組織に属さない外部の専門的な知識を有する者による 監査を導入することにより、地方公共団体の監査機能の専門性・独立性 の強化を図るとともに、監査機能に対する住民の信頼性を高めるための、 外部監査制度があります。
外部監査には、包括外部監査契約に基づく監査と、個別外部監査契約 に基づく監査があり、都道府県、政令指定都市及び中核市は、地方自治 法の規定により、包括外部監査契約が義務付けられています。
そのため、松本市が中核市に移行すると、包括外部監査契約を締結す る必要があります。
包括外部監査契約とは、団体が最小の経費で最大の効果、組織及び運 営の合理化を達成するために、外部監査人と監査契約を結び、監査結果 の報告を受ける契約のことをいいます。
都道府県、政令指定都市、中核市及び外部監査を受けることを条例で 定めた普通地方公共団体の長は、あらかじめ監査委員の意見を聴き、議 会の議決を経て、契約を締結します。
外部監査契約を締結できる者は、弁護士、公認会計士、税理士又は地 方公共団体において監査等の行政事務に従事した者など監査の実務に精 通している者です。
⑵ 高度救助隊の設置
中核市は、消防法及び総務省令により、「高度救助隊」の編成が必要と なります。
松本地域3市5村※では、松本広域消防局を組織しており、総務省令に 基づき、特別救助隊が編成されています。
現在の松本広域消防局は、高度救助隊に必要な救助工作車や資機材を 保有し、救助隊員は専門的かつ高度な教育を受けていることから、高度 救助隊の編成が可能です。
6
保健所の設置・運営
⑴ 保健所の概要
保健所は、食品衛生や感染症対策等の広域的な業務、医事・薬事衛生 や精神・難病対策等の専門的な業務を行うとともに、感染症や食中毒の 他、自然災害等における健康危機管理に取り組み、地域住民の健康・衛 生の維持向上を図る機関です。
地域保健法において、中核市には保健所の設置が義務付けられている ため、松本市が中核市に移行すると、新たに松本市の保健所(以下、「市 保健所」という。)を設置する必要があります。
地域保健には、下図のように、様々な法律等に基づく多様な施策が関 連しています。
⑵ 松本地域の保健所
現在は、松本地域3市5村を管轄する保健所として、松本合同庁舎内 に松本保健福祉事務所があり、長野県が保健所業務を行っています。
松本市が中核市に移行すると、松本市域を管轄する保健所を松本市が 新たに設置し、保健所業務を行うことになります。
松本地域2市5村の保健所業務は、引き続き、松本保健福祉事務所が 行います。
【中核市移行前】
【中核市移行後】
長野県松本保健福祉事務所 所管区域:松本地域3市5村
人口:約 42.8 万人
(仮称)松本市保健所 所管区域:松本市 人口:約 24.4 万人
長野県松本保健福祉事務所 所管区域:松本地域2市5村
⑶ 市保健所設置の検討における考え方
松本市はこれまで、「健康寿命延伸都市・松本」の創造の取組みとして、 健康福祉施策の積極的な取組みを進めてきました。
超少子高齢型人口減少社会の進展を見据える中で、松本市が中核市に 移行し、新たに保健所を設置することで、既存の健康・保健・福祉施策 に、保健所の専門性を加えた、新たなステージにおける健康福祉政策の 実現を目指すという考え方の下、市保健所設置の検討を行いました。
⑷ 松本市保健所設置検討有識者会議
保健所設置の検討に当たっては、保健所の専門家や関係者等から、松 本市が設置する保健所の在り方についてご意見をお聞きするため、「松本 市保健所設置検討有識者会議」を設置しました。
平成 29 年7月から 11 月にかけて計4回の会議を開催し、市が保健所 を設置することによる効果や課題、今後検討が必要な事項等について協 議いただきました。
11 月 30 日には、各委員の意見を取りまとめた、「松本市が設置する保 健所の在り方に関する提言書」が、松本市長に提出されました。
※ 有識者会議の概要及び提言書は、資料(58∼60 ページ)に掲載
⑸ 市保健所のシミュレーション
市保健所を設置した際の職員・組織体制、施設・設備及び経費につい て、シミュレーションを行いました。
市保健所を設置した際には、保健所の専門的な業務と、既存の健康福 祉施策との一体的な取組みを目指して体制の構築を進めていきますが、 具体的な業務体制については、今後更なる検討が必要です。
ア 職員・組織体制
市保健所で移譲事務を執行するに当たり、中核市先行市の保健所を 参考に、必要な組織体制と職員数を取りまとめました。
市保健所の組織体制と職員数 (単位:人)
課名(仮称) 主な事務内容 職員数
保健総務課
・保健所業務の企画・調整 ・各種統計調査
・診療所、助産所の開設許可、立入検査 等 ・医師、歯科医師、薬剤師等の免許受付 等
6
保健・予防衛生課
・感染症予防及び発生時の対策 等 ・精神障害者の相談、支援 等 ・難病患者の相談、支援 等
12
食品・生活衛生課
・飲食店等の営業許可、監視指導 等
・興行場、旅館業等の営業許可、立入検査、営 業停止命令 等
・理容所及び美容所の開設届出、立入検査、閉 鎖命令 等
・薬局の開設許可、立入検査 等
・温泉の採取、利用の許可、立入検査、許可の 取消 等
・動物愛護に関する管理及び指導 等
15
検査課
・各種検査業務(食品検査、臨床検査、環境検 査)
12
合 計 45
※ 職員数に、嘱託・臨時職員は含まない。
市保健所の専門職別職員数 (単位:人)
専門職 主な業務等 職員数
医師 保健所長 1
獣医師 乳肉等食品の衛生管理、動物愛護管理 8
薬剤師 薬局開設に係る施設等の検査 5
保健師 感染症予防に係る業務、精神保健相談 4
臨床検査技師 感染症等の検体検査 6
診療放射線技師 結核患者への対応 1
管理栄養士 栄養相談の実施 2
技術職(化学) 水質及び大気汚染に関する検査 5
イ 施設・設備
市保健所に必要な施設・設備について、中核市先行市の保健所の事 例を参考に整理しました。
市保健所に必要な施設・設備
施 設 設 備
事務室 保健所業務の執務スペース、窓口カウンター、会議室 等 診察室・相談室 難病や感染症等の診察室、相談室
検査施設
食品検査 食品の規格検査などの食品衛生検査機器
臨床検査 感染症、食中毒、ウイルス検査などの病原体検査機器 環境検査 大気の監視、河川の水質測定などの環境検査機器 犬猫舎
動物管理業務に係る事務室
犬、猫の保護に係る収容施設、不妊・去勢手術室 等 共用部 通路、階段、トイレ、更衣室、空調機械室 等
市保健所の施設については、質の高い保健所サービスの提供に向け、 新しく施設を建設し、検査設備を整備することを前提に試算した結果、 必要な延べ床面積は 3, 000∼3, 500 ㎡程度と見込まれます。
なお、今後の市の施設の改修・改築計画により、既存施設の改修・ 改築となる可能性もあります。
<参考> 中核市先行市の保健所施設
越谷市 長野市
人口 33. 8 万人 37. 8 万人 竣工 平成 27 年 1 月 平成 11 年 3 月 敷地面積 約 5, 900 ㎡ 約 6, 000 ㎡ 延床面積 3861. 06 ㎡ 3435. 94 ㎡
構造 鉄骨造 4 階 鉄筋コンクリート造 3 階
高さ 17. 45m 15. 8m
駐車場 42 台 97 台
犬猫舎
なし(郊外のごみ収集業務セ ンターを改修し、食肉衛生検 査所と兼用で使用)
あり
敷地
旧 看 護 専 門 学 校 宿 舎 跡 地 を 解体
民 有 地 を 土 地 開 発 公 社 が 購 入し、その後市が購入
その他
保 健 所 内 に 夜 間 急 患 診 療 所 を併設(530 ㎡)
ウ 設置・運営に係る経費
市保健所で移譲事務を実施するに当たり、必要な職員及び施設・設 備を試算した結果を基に、市保健所の設置・運営に必要な経費につい て取りまとめました。
市保健所の設置に係る施設建設等の初期的経費は、保健所施設を新 設した中核市先行市の事例を参考に試算した結果、14 億円と見込まれ ます。
なお、市保健所施設の試算には、用地費は含まれていません。
市保健所の運営に係る事務費や施設管理等の経常的経費は、保健所 で実施する移譲事務の内容や、中核市先行市の事例を参考に試算した 結果、1億 2, 800 万円/ 年と見込まれます。
なお、試算には人件費は含まれていません。
経常的経費の内訳 (単位:千円)
項目 内容 経費
事業費
検査業務経費
保健所検査業務に係る費用
(検査機器保守点検料・借上料、検査委託
料(県、専門機関等)、医薬材料費等) 105, 000 一般事務経費
人件費や検査業務経費を除く、諸経費(報 償費、旅費、需用費、役務費等)
施設管理費 清掃や冷暖房等、施設維持に係る費用 23, 000
<参考> 保健所の設置方法
これまで中核市に移行した市は、市が単独で保健所を設置していますが、地域の 事情に応じて、
・中核市と都道府県との「共同」による設置方法
・周辺市町村の保健所の事務を、中核市が都道府県から「受託」する設置方法 にて、保健所を設置することも可能です。
【「共同」・「受託」による保健所の設置事例】 1 「共同」による保健所の設置事例
現在、島根県松江保健所では、松江市( 人口 201 千人) と安来市( 人口 40 千人) の2市を管轄区域として保健所業務を行っています。
松江市が中核市へ移行すると、松江市は市の保健所を設置することになりま すが、県松江保健所は安来市分の保健所業務のみとなることから、圏域の事情 を踏まえ、保健所の運営方法を検討した結果、松江市と島根県との共同で保健 所を設置することになりました。
共同設置による保健所の開所は、松江市の中核市移行と同日の平成 30 年4月 1日の予定です。
<参考> 中核市先行市の保健所経費
① 保健所整備経費
越谷市 約 19 億 7 千万円(平成 23 年度∼26 年度決算額ベース) ※ 越谷市は、保健所に夜間急患診療所が併設されています。
② 保健所運営経費
項目 内容 経費(千円)
事業費 越谷市 長野市
検査業務 経費
保健所検査業務に係る費用
(検査機器保守点検料・借上料、検査委 託料(県、専門機関等)、医薬材料費等)
49, 150 46, 540
一般事務 経費
人件費や検査業務経費を除く、諸経費 (報償費、旅費、需用費、役務費等)
⑹ 今後の検討事項
保健所設置の庁内検討や有識者会議の提言を踏まえ、設置に向けた検討 を進めてまいりました。これまでの検討で明らかになった効果や課題を踏 まえ、今後は、県、周辺2市5村、関係団体から意見を伺うなどして、よ り具体的な検討が必要です。
ア 市民や地域全体に関する検討事項
松本市内に県保健所と市保健所の2つの保健所が併存することによ って、市民や地域全体に関する事項として、以下の検討が必要になり ます。
( ア) 利用者への配慮
・申請手続きや相談窓口等の分かりやすい広報や周知 ( イ) 関係団体への配慮
・医師会などの三師会を始めとする保健所の関係団体の円滑な運営 に向けた配慮
( ウ) 業務体制
・利用者や関係団体の利便性を考慮した業務体制の構築 ( エ) 県及び周辺自治体との連携
・平時及び非常時(健康危機や災害の発生時)における市保健所と 県保健所との連携体制の構築
・県や2市5村との連携による松本医療圏の医療体制の維持 2 「受託」による保健所の設置事例
現在、鳥取県鳥取保健所では、1市4町(鳥取市、岩美町、若桜町、智頭町、 八頭町)を管轄区域として保健所業務を行っています。
鳥取市が中核市へ移行すると、鳥取市( 人口 190 千人) は市の保健所を設置す ることになりますが、県鳥取保健所は4町( 人口 40 千人) の保健所業務のみとな ることから、人口や地域の実情を考慮した結果、鳥取市が、県の4町分の保健 所の事務を受託することになりました。
受託方式による保健所の開所は、鳥取市の中核市移行と同日の平成 30 年4月 1日の予定です。
イ 市保健所の設置や運営における具体的な検討事項
質の高い保健所サービスの提供に向けた整備や運営に必要な事項と して、以下の検討が必要になります。
( ア) 保健所と健康福祉部の組織や連携体制の構築
・市保健所設置の考え方(新たなステージにおける健康福祉政策の 実現)に基づく組織や連携体制の構築
( イ) 質の高い人材の確保及び育成
・採用の難しい医師や獣医師、薬剤師などの専門職の人材確保 ・高度な知識や技術が必要な公衆衛生業務に精通する高いレベルの
人材育成
( ウ) 場所の選定や施設・設備の整備
・市民の利便性や市役所本庁、県松本保健福祉事務所等との連携を 踏まえた場所の選定
・新たに整備が必要となる施設・設備や検査機器等の整備内容 ( エ) 経費の精査
7
財政への影響
⑴ 歳入における影響 【経常的経費】
ア 地方交付税(普通交付税)における基準財政需要額
中核市移行に伴う事務経費の増加により、普通交付税における基準 財政需要額が増加します。
松本市の平成 29 年度交付税算定ベースで試算すると、8億 5, 480 万 円/ 年の歳入の増加が見込まれます。
中核市移行に伴う基準財政需要額 (単位:千円)
区分
基準財政需要額の試算額
影響額 平成 29 年度 中核市移行後
都市計画費 256, 300 258, 600 2, 300 その他土木費 456, 600 458, 200 1, 600 その他教育費 1, 206, 700 1, 249, 200 42, 500 生活保護費 1, 248, 400 1, 253, 000 4, 600 社会福祉費 6, 103, 600 6, 260, 900 157, 300 保健衛生費 2, 638, 500 3, 143, 900 505, 400 高齢者保健福祉費 4, 153, 100 4, 292, 000 138, 900 地域振興費 2, 616, 400 2, 618, 600 2, 200 合計 18, 679, 600 19, 534, 400 854, 800
イ 地方交付税(特別交付税)
中核市移行に伴い新たに実施する包括外部監査の経費のうち、委託 料相当分について、特別交付税が措置されることから、1, 300 万円の歳 入の増加が見込まれます。
ウ 国庫支出金
・移譲事務に対する支出金
移譲事務に対して交付される国の補助金や負担金が増加します。 松本市の平成 28 年度実績で試算すると、1億 620 万円/ 年の歳入 の増加が見込まれます。
事業名 影響額(千円)
母子父子寡婦福祉資金貸付、小児慢性特定疾病医療費支 給、感染症予防、特定不妊治療費助成 等
・既存事業における支出金
現在、市が実施している事業の中には、中核市移行により、要綱 等の規定で国からの補助金が減少する事業があります。
松本市の平成 28 年度実績で試算すると、1, 790 万円/ 年の歳入の減 少が見込まれます。
国庫支出金の影響額を合計すると、8, 830 万円/ 年の歳入の増加が見 込まれます。
エ 県支出金
・特例処理事務交付金
県特例条例により移譲された事務に対しては、事務の経費として、 県から特例処理事務交付金が交付されています。
中核市移行により、新たに交付金の対象となる事務や、対象から 除外される事務があり、松本市及び長野県の平成 28 年度実績から影 響額を試算すると、1, 010 万円/ 年の歳入の増加が見込まれます。
区分 事務数 影響額(千円)
新たに対象となる事務
医療法に基づく事務のほか、20 項目
11, 500
除外される事務
民 生 委 員 法 に 基 づ く 事 務 の ほ か、6 項目
△ 1, 400
計 10, 100
・法定外移譲事務(県単独事業)
法定外移譲事務(県単独事業)の移譲を受けると、市の事業とし て実施することになるため、今まで交付を受けていた県の補助金が なくなります。
長野県の平成 28 年度実績で試算すると、3, 710 万円/ 年の歳入の減 少が見込まれます。(経常的経費のみ算出)
事業名 影響額(千円)
子育て支援総合助成金交付事業、心身障害者・児タイム ケア事業、緊急宿泊支援事業 等
△ 37, 100
事業名 影響額(千円)
・既存事業における負担割合の変更
現在、市が実施している事業の中には、要綱等の規定により、中 核市移行で県と市との経費の負担割合が変わる事業があります。
松本市の平成 28 年度実績で試算すると、4, 410 万円/ 年の歳入の減 少が見込まれます。
事業名 影響額(千円)
生活保護費、老人クラブ活動助成事業、助産施設措置費 負担金、母子生活支援施設措置費負担金
△ 44, 100
負担割合の例 (単位:千円)
事業名 区分
負担割合 経費
移行前 移行後 移行前 移行後 老 人 ク ラ ブ 活 動 助 成
事業
国 1/ 3 1/ 3 1, 783 1, 783 県 1/ 3 ― 1, 783 0 市 1/ 3 2/ 3 1, 783 3, 566
県支出金の影響額を合計すると、7, 110 万円/ 年の歳入の減少が見込 まれます。
オ 手数料等
移譲事務には、保健所や産業廃棄物に関する事務などで手数料等を 徴収する事務があるため、歳入が増加します。
長野県の平成 28 年度実績で試算すると、4, 700 万円/ 年の歳入の増加 が見込まれます。
【初期的経費】
カ 地方交付税(特別交付税)
中核市移行の準備に充てることを目的に、移行前年度に特別交付税 が地方交付税に加算されますので、歳入が増加します。
⑵ 歳出における影響 【経常的経費】
ア 事業費(人件費を除く。)
中核市移行に伴い、移譲事務の執行に必要な事業費が増加します。 長野県の実績等から、松本市で実施した場合の事業費を試算すると、 3億 5, 740 万円/ 年の歳出の増加が見込まれます。
移譲事務の事業費の増加額(単位:千円)
行政分野 増加額
民 生 191, 800
保健衛生 138, 100
保健所 128, 000
食肉衛生検査所 10, 100
環 境 19, 200
文 教 8, 300
合 計 357, 400
※ 保健所と食肉衛生検査所の管理運営費を含む。
イ 人件費
移譲事務の執行に必要な職員の人件費が増加します。
行政職は、平成 29 年度給与実態調査を基に、医療職は、全国保健所 長会の報酬目安を基に試算すると、6億 8, 390 万円/ 年の歳出の増加が 見込まれます。
職種別の人件費の増加額
職種
平均人件費 (単位:千円/ 人)
必要職員数 (単位:人)
人件費増加額 (単位:千円)
行政職 7, 600 88 668, 800
医療職 15, 100 1 15, 100
合 計 89 683, 900
※ 保健所と食肉衛生検査所の人件費を含む。
ウ 包括外部監査に係る経費
中核市移行に伴い、新たに実施する包括外部監査の経費が増加しま す。
【初期的経費】
エ 保健所施設の整備費
新たに設置する保健所の施設については、中核市移行時の初期的経 費として施設や設備、検査機器等の整備が必要になります。
「6 保健所の設置・運営」の項目で試算したとおり、整備費とし て 14 億円の歳出の増加が見込まれます。
オ 食肉衛生検査所の整備費
新たに設置する食肉衛生検査所については、現在と同様に、株式会 社長野県食肉公社内への設置を前提とすると、中核市移行時の初期的 経費として備品や検査機器等の整備が必要になります。
県 松 本 食 肉 衛 生 検 査 所 の 実 績 を 参 考 に 試 算 す る と 、 整 備 費 と し て 3, 900 万円の歳出の増加が見込まれます。
カ 情報システムの整備費
⑶ 本市における財政への影響 ア 初期的経費の推計
中核市移行時に必要となる経費の推計は、歳入で 1, 000 万円、歳出で 16 億 730 万円となります。
結果として、歳出が 15 億 9, 730 万円上回ることが見込まれます。
初期的経費推計
【歳入】 (単位:千円)
項 目 影響額
地方交付税(特別交付税) 10, 000
歳入影響額(A) 10, 000
【歳出】 (単位:千円)
項 目 影響額
保健所設置関係 1, 400, 000
食肉衛生検査所関係 39, 000
情報システム関係 78, 300
備品・機器関係
(保健所、食肉衛生検査所を除く。)
90, 000
歳出影響額(B) 1, 607, 300
差引影響額 (A)−(B)
イ 経常的経費の推計
⑴の歳入、⑵の歳出の試算から、経常的に必要となる経費の推計は、 歳入で9億 3, 200 万円/ 年の増加、歳出で 10 億 5, 430 万円/ 年の増加とな ります。
結果として、歳出が、1億 2, 230 万円/ 年上回ることが見込まれます。
経常的経費推計
【歳入】 (単位:千円)
項 目 影響額
影響額のう ち、保健所の
額
影響額のう ち、食肉衛生
検査所の額 地方交付税(普通交付税)にお
ける基準財政需要額の増加額
854, 800 ※ ※
地方交付税(特別交付税) 13, 000 0 0
国庫支出金 88, 300 36, 500 0
県支出金 △ 71, 100 9, 900 0
手数料等 47, 000 22, 070 23, 950 歳入影響額(C) 932, 000 68, 470 23, 950 ※ それぞれの影響額は、基準財政需要額の項目の保健衛生費に含まれます。
【歳出】 (単位:千円)
項 目 影響額
影響額のう ち、保健所の
額
影響額のう ち、食肉衛生
検査所の額 事業費(人件費を除く。) 357, 400 128, 000 10, 100
民生 191, 800 0 0
保健衛生 138, 100 128, 000 10, 100
環境 19, 200 0 0
文教 8, 300 0 0
人件費 683, 900 349, 500 152, 000
包括外部監査に係る経費 13, 000 0 0
歳出影響額(D) 1, 054, 300 477, 500 162, 100
差引影響額 (C)−(D)
Ⅴ
中核市移行により期待される効果
中核市への移行により事務権限が移譲されることで、一層、地域の特色 を生かした自主的・自立的なまちづくりが推進できるとともに、市が自らの 判断と責任において、より高度な行政運営が可能となります。
更に、中核市として質の高い行政を実施することで、職員の一層の資質 向上や、都市として更なるレベルアップを図ることが期待できます。
1
「健康寿命延伸都市・松本」の推進
市保健福祉政策と医療との連携強化
現在、地域の限りある資源(医療・保健・福祉・介護)を結び、効果的・ 効率的に提供して、子どもから高齢者まですべてのライフステージで、安心 して在宅生活を送ることができる「地域包括ケアシステム・松本モデル」の 推進に取り組んでいます。市保健所を設置することにより、今まで関与が希 薄であった医療行政の一翼を担うことになることから、医療との連携を深め、 「地域包括ケアシステム・松本モデル」の更なる推進を図ることができるよ うになります。
また、これまで先進的に取り組んできた健康増進や発達障害児支援など の子育て支援においても、保健所の設置により医師、薬剤師などの今までに ない専門職の視点が加わることにより、専門知識や分析力が強化され、医学 的な見地を加えた新たなステージでの施策展開が可能になります。
⑴ 市保健福祉政策と医療・介護との連携強化
子どもから高齢者までの幅広い世代の医療や介護の連携強化として、 市保健所と医療機関が、医療・介護・地域との調整機能を担い、難病や 重度の障害児・者、高齢者等の在宅医療介護の連携推進や地域包括ケア の推進を図ることができます。
⑵ 精神保健福祉分野での迅速な対応
精神障害者の支援に当たっては、病院、市保健所との情報共有が容易 となり、迅速な支援が可能となります。
加えて、家庭児童相談や、養育相談、教育相談から推測される精神疾 患等について、精神保健相談に基づく医療的見地から、医療行為につな げやすくなります。
⑶ 新たな専門職の配置による施策強化
2
市民サービスの向上
⑴ 一元的、総合的な相談・支援
県と市で分担している福祉や子育てに関する相談・支援の事務を、市 が一括して行うことで、一元的かつ総合的に実施でき、より充実した施 策の展開が可能になります。
移譲された事務権限と既存の事務権限を組み合わせ、新たな施策を実施 することにより、より効果的で効率的な相談・支援体制を構築し、サービ スの向上を図ることができます。
一元的、総合的な相談・支援の具体例
次の事務を市が実施することにより、妊娠・出産から育児、高等教育の機会の提 供やひとり親の就労支援まで、子育て支援の更なる充実が期待できます。
1 特定不妊治療費の助成
国では、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、特定不妊治療に対する治 療費の助成を行っており、県が事務を行っています。
この助成を市が実施することにより、市で現在実施している不妊治療助成(こ うのとり支援事業)や不育症治療費助成などと合わせて、妊娠を希望される方 に対する支援を一体化させることができるようになります。
2 小児慢性特定疾病等への自立支援
小児がんや慢性的な難病にかかっている子どもとその家族を支えるため、療 育相談指導や医療費助成などの事務を県が行っています。
松本市において、この事務と現在実施している子育て相談や助成支援とを一 緒に行うことで、より多くの子どもやその家族に対する相談・支援を行うこと ができるようになります。
3 母子・父子・寡婦福祉資金の貸付
20 歳未満の子どもを扶養しているひとり親家庭や寡婦(配偶者のいない女性 でかつて母子家庭の母であった方)に対して、子どもの教育資金や、親自身が 就職するための技能取得の資金の貸付制度があります。
⑵ 手続きの迅速化と効率化
申請・受付は市で行い、審査や認定などを県で行っている2段階の手 続きを、市が一括して処理することにより、申請手続の迅速化や効率化 が図られ、市民の利便性が向上します。
手続きの迅速化と効率化の具体例
次の事務を市が実施することにより、申請者はより早く手続きを行うことができ、 市はより効率良く事務を行うことができるようになります。
身体障害者手帳の交付
現在は、市役所の窓口で申請の受付をしてから、県に進達し、県で審査され、 決定されたものが市に送付され、申請者に手帳を交付しています。
中核市に移行すると、市が、受付から審査、決定、手帳の交付を一括して処 理することになるため、申請受付から交付までの日数を短縮することができま す。
①申請
③交付
②審査・認定 市民
市 市民
①申請 ②送付
③審査・認定 ④送付
⑤交付
市 県