No.2 シャヴァ アーサナ
シャヴァアーサナに入る前に
1. ヨーガとは、一人の人間を、肉体ばかりで なく、精神、魂をも合わせて全人格的にと らえ、それらすべてを向上させ調和させ ていく、包括的な修行体系である。 2. しかしこの調和の過程で、人間を「崩壊」
に招くような困難に出合うことがある。 その一つに、心や身体の病気が挙げられ るが、そのとき、病気に立ち向かう方法が 必要になる。健康な心身はヨーガの高度 な行法を実践するには欠くことができな いものである。
3. ヨーガについての論書『ヨーガ・シャー ストラ』には、心と身体に積極的な健康を もたらすための具体的な方法が定められ ており、それらはクリヤー・ヨーガと呼 ばれる。
4. 「クリヤー」には浄化法や心身改善法とい う意味がそなわっており、具体的に心身 を完全に改善して、適応能力と反応性の 大幅な向上を目指して行われる準備段階 そのものを指している。
5. ヨーガは次の三段階を介して実践される。
(1) 正しい心の状態をつくる。
(2) <神経―筋肉>系、<神経―腺> 系を調え、強いストレスや緊張に 対して抵抗できるようにする。
(3) 健康に良い食事をとり、自然な排 泄をうながす。このために必要な ときはいつでも、特別な浄化法や 入浴を用いる。
6. ヨ ー ガ 行 法 で 大 切 な の は 姿 勢 反 応 系 (postural substrate)の形成である。激 しい体操や運動などによる筋肉の収縮は 内受容系にはほとんど影響をもたらさな い。「姿勢反応」とは姿勢を維持しようと する無意識のコントロール機能のこと。 バランスが崩れたときなどに、重力に抗 して自動的に姿勢を調節したり、ストレ スに対して精神を安定させようとする不 随意の反射機構の事をいう。
7. ヨーガ行法は内受容性緊張反射に直接取 り組み、規則正しい実践によって心理的 にも生理的にも行動全体に有益な影響を 与えていく。具体的に(1)アーサナ
(2)ムドラーとバンダ(3)調気法、と いった方法を用いる。
シャヴァアーサナの手順
1. あおむけになる
2. 両足を約 45cm、両手を体から約 15cm 開く。手のひらは上に向け、目を閉じる。 3. 胸→腹→両足→両手→頭の順に全身をリ
ラックスさせていく。
4. リラックスした筋肉に、しばらく意識を 向ける。
5. 呼吸の観察
第一段階―自然な呼吸をつづけ、息が 入ってくる様子、出ていく様子を観察 する。はじめは 2,3 分間行い、徐々に 10分間まで伸ばしていく
第二段階―約二週間経つと自分の呼吸 が不規則なのに気づき始める。今度は 吸う息と吐く息が同じ長さになるよう に呼吸をし、観察する。これを毎日 15 分間行う。
第三段階―約一ヶ月経つとリズミカル な呼吸を心地よく感じるようになる。 今度は少し深いリズミカルな呼吸をし、 観察する。
ポイント
・リラックスさせる部位の順番は自分のやり やすいように変えても構わない。
・注意が散漫にならないように、呼吸を観察 し続ける。
・呼吸に集中できない人は、はじめは吸気と ともに腹部を膨らませ、呼気とともに腹部 をへこませ、まずその動きに注意を向ける。
・呼吸の観察で、第一段階だけで満足する人 もいるが、第二段階は神経のバランスをと るため、第三段階は霊的な収容のために非 常に重要。
・心地よい気持ちで全過程を行う。ただし眠 ってはいけない。
・ほかのポーズを行った直後、このポーズを とってリラックする。一日 2、3 回、十分な リラクゼーションをするようにする。
効果
・筋肉の働きが良くなる。
・静脈の血行が良くなるので、疲労が取れる。
・神経を活性化し、精神力を強化する。
参考:S.KUVALAYANANDA 他(1995)
『ヨーガ・セラピー』春秋社