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胃癌術後補助化学療法 (UFT300mg日) 中の患者に対する十全大補湯の免疫能改善効果の評価

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Academic year: 2018

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(1)

漢方治療エビデンスレポート

日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

2.

(

癌の術後、抗癌剤の不特定な副作用

)

文献

今野弘之, 丸尾祐司, 馬塲正三, ほか. 胃癌術後補助化学療法における十全大補湯併用に

よる免疫能改善効果. Biotherapy 1997; 11: 193-9. MOL, MOL-Lib

1. 目的

胃癌術後補助化学療法 (UFT300mg/日) 中の患者に対する十全大補湯の免疫能改善効果

の評価

2. 研究デザイン

ランダム化比較試験 (封筒法) (RCT- envelope)

3. セッティング

大学1施設 (浜松医科大学第2外科) 。他に病院2施設

4. 参加者

肉眼的治癒切除 (ステージI-III) の胃癌術後患者 23名

5. 介入

Arm 1: UFT300mg/日+ツムラ十全大補湯エキス顆粒7.5g/日、術後2週間後から14週後

まで7.5g分3投与、11名 Arm 2: UFT300mg/日単独例、12名

6. 主なアウトカム評価項目

血液像 (ヘモグロビン、白血球数、リンパ球数、サプレッサーT細胞%、細胞障害性T

細胞%) : 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月後

自覚症状 (PS、食欲不振、全身倦怠感) : 月1回

7. 主な結果

ヘモグロビン、白血球数、リンパ球数: 有意差なし

サプレッサーT細胞%: 1ヶ月後でのみArm 1の方が有意に低値(P<0.05

細胞障害性T細胞%: 1ヶ月後でのみArm 1の方が高値の傾向(P=0.076

自覚症状の改善の程度 (著者らは、食欲不振は介入群の方が改善しているとしている

が、nが少ないため統計処理をしていない) : 有意差なしと考えられる

8. 結論

胃癌術後補助化学療法 (UFT投与) 中の患者において、十全大補湯併用群では非併用群

に比較して、サプレッサーT細胞の比率が3ヶ月間にわたり低下し、細胞障害性T細胞

が 1 ヶ月後に増加し、さらに食欲不振や全身倦怠感などの自覚症状が改善している。

従って、胃癌術後のUFTを用いた補助化学療法中の患者に、十全大補湯は有用である。

9. 漢方的考察

なし

10. 論文中の安全性評価

有害事象: 白血球数、顆粒球数の減少がArm 1で1名、Arm 2で1名にみられた。

11. Abstractorのコメント

著者らは、十全大補湯の抗癌剤 (UFT) との併用は、免疫能の改善と抗癌剤の副作用軽

減に有用である、と結論している。しかし、統計学的に有意差が得られたのは、サプ

レッサーT 細胞%が 1 ヶ月後で十全大補湯併用群の方が非併用群よりも有意に低値で

あることのみであり、それ以外の時期には両群間でサプレッサーT細胞%に有意な差は

なく、また細胞障害性 T細胞%では全観察期間を通じて有意差はなかったため、その

結論には無理がある。明らかに全経過を通じて見られる傾向は、白血球数とリンパ球%

が併用群で非併用群よりも多いことであり、リンパ球の実数は併用群で有意に多い可

能性がある。また食欲不振の改善が (症例数が少ないので有意差検定は困難だが) 、併

用群で優れていると考えると、併用群は非併用群よりも栄養状態の改善が大きかった

可能性がある。体重の変化は評価していないが、体重増加率にも有意差が得られた可

能性はある。結果として得られたデータの処理と解釈に改善が望まれる論文である。

12. Abstractor and date

星野惠津夫 2009.2.15, 2010.1.6, 2010.6.1, 2013.12.31

参照

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