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H 2 O SiH x

V- 989 University, 2007), pp.32-44

14) T. Naito, N. Konno, T. Tokunaga and T. Itoh, “Doping characteristics of polycrystalline silicon deposited by chemical transport at atmospheric pressure and its application to MEMS sensor”, IEEE Sensors Journal, in press.

15) W. R. Thurber, R. L. Mattis, M. Y. Liu and J. J. Filliben, “Semiconductor Measurement Technology: Relationship Between Resistivity and Dopant Density for Phosphorus- and Boron-Doped Silicon,” NBS Special Publication 400-64, Apr. 1981.

16) T. Matsui, M. Kondo, A. Matsuda, “Doping properties of boron-doped microcrystalline silicon from B2H6 and BF3 : material properties and solar cell performance”, Journal of Non-Crystalline Solids, vol. 338–340, pp.646–650, Jun. 2004.

17) H. Ohmi, K. Kishimoto, H. Kakiuchi and K. Yasutake, “PFC-Free Dry Etching Method for Si Using Narrow-Gap VHF Plasma at Subatmospheric Pressure”, J. Electrochem. Soc., 157, pp. D85-D89 (2010).

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(1)-3 非真空高品位ナノ機能膜大面積形成プロセス技術の研究動向調査(H23-H24) (1)-3-1 第72回応用物理学会学術講演会(2011)

2011/8/29から9/2まで山形大学 小白川キャンパスで開催された第72回応用物

理学会学術講演会(秋の応物)に参加し、特にシリコン(Si)薄膜と有機材料系に関 しての動向調査を行った。29日には講演件数はなく、所要もあり30日午前から学 会に参加した。

まず、Si 薄膜に関して報告する。件数は少ないものの太陽電池を目指した非真 空製膜への試みがあった。山口大学の球状Siの形成(1P-ZH-1), インクジェット 法を用いたSi融液に濡れない基板の作製と評価(1P-ZH-2)である。そのほかの大半 の Si基板作製法が依然真空を用いるプロセスである中、山口大学がアルゴン雰囲 気下で実験を行っていたのは興味を引いた。ただし薄膜を目指すか、球状で行く かの違いは大きく、量子ドット型も含めた太陽電池を目指しているようである。

また東工大、日産総研からはSiナノワイヤーに関しての報告(1a-ZH-12)があり、

エッチングで作製するナノワイヤーであるが反射率の低さが興味深かった。

有機材料系においても Macro-BEANS のみならずプロジェクト全体で注目して いる材料に関して興味深い講演が相次いでいた。例えば繊維状のチームで用いて いるPEDOT:PSS[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene) poly(styrenesulfonate)]は応用物 理学会でも目立っており、その製膜、太陽電池への応用など至る所で発表が行わ れていた。特に9/1に山梨大学と理研の共同グループによるPEDOT:PSSからテラ ヘルツ分光を用いた導電性向上についての発表は非常に興味深かった(1B-ZB-13)。 このほか埼玉大のグループの静電塗布法による PEDOT:PSS 薄膜成長初期のその

場観察(31p-V-5)もダイコートとの関係で興味深かった。

有機材料系では有機太陽電池に関する件数が増大したため、有機太陽電池の特 定セッションが立ち上がった。Si 太陽電池に比べ、有機太陽電池は変換効率はま だ及ばないものの、有機薄膜で2011年にすでに10%に近づき、色素増感太陽電池 も非常に興味深くなっている。例えば愛知工大からの報告(31a-L-4)「スプレー コート法によって作製された活性層を有する有機薄膜太陽電池の性能評価」など のようにスプレー技術でデバイスを作製する報告も出ている。埼玉大からも静電 塗布法での報告(31a-L-3)があった。また安定性の観点からバルクヘテロ型有機 薄膜太陽電池に関しては、従来はITO(Indium Tin Oxide)基板上にPEDOT:PSSを 形成し、その上に発電相を形成する順接合タイプから ITO 基板上に酸化亜鉛や酸 化チタンなどの仕事関数の低い酸化物を形成する逆接合タイプに関する報告も増 えている。(例えば山形大の 31a-L-10、あるいは別セッションであったが愛知工

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大の31p-V-9など。)PEDOT:PSS の酸化力が強く、C60誘導体などを含んだ発電

相を劣化させる順接合に対し、逆接合は劣化が少ないと言われている。また山形 大の報告ではPEDOT:PSSを含まないセル構造であり、より劣化を減らそうという 姿勢がうかがえる。

それ以外にもバルクヘテロ型では新規分子の開拓など様々な発表が相次いでい た。(例えば東大理学部からの31a-L-13ジヒドロメタノフラーレン誘導体等)

色素増感太陽電池においても東大生産研の瀬川教授が「スピンマネジメントに 基づく赤外色素増感太陽電池の開発」(31p-L-1)と称した特別講演で色素の励起 状態におけるスピンマネジメントに基づいて設計した新規色素DX1による近赤 外光電変換についての結果を報告した。繊維状チームとの関係では九工大からの フレキシブル円筒色素増感太陽電池の発表が興味深かった。(31p-L-2)色素増感 太陽電池の液漏れを防ぐ意図からも注目していたが、それ以外にも光の入射角度 が変わっても効率良く発電できることや,軽量化できる等の利点が強調されてい る。変換効率は4.52%を達成している。

このほか色素増感太陽電池においては酸化物多孔質体の形成として酸化物ナノ チューブの作製(東北大31p-L-11)対極の検討(31p-L-9)などが目を引いた。

太陽電池以外の発表で面白かったのは有機太陽電池と同時に特定セッション化 された「次元制御有機ナノ材料」のセッションだった。超分子合成、高分子系の 化学者が応用物理学会にも多数進出し、応用物理学会とは思えない分子合成スキ ームを拝見できた。ただそのセッションの中で自己組織化を利用した金微粒子の1 次元製膜を透明電極に応用した発表(東北大 30p-ZQ-2)が一番おもしろかった。

このセッションの前半は超分子材料中心であったが後半は有機・無機ハイブリッ ド材料に変わっていった。ただ次元性についての流れが感じられなかった。

全般的に今回の応用物理学会では Si系薄膜、非真空系での発表は件数は少ない ものの同様の研究は報告例があること、有機太陽電池に関しては製造技術にまで 及んだ研究として一大ブームが起こっているなどの印象が深かった。

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