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STIMULATE PULSE

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 112-115)

5.2: パルス列

5.2は定常刺激(Regular stimuli)におけるトリガーパルスとの関係を示す。トリガー パルス用コンピュータから、パラメータで指定されたタイミングでトリガーパルスが発生 し、パターン刺激(この場合はレギュラーパターン)が開始される。この際、トリガーパ ルスは刺激装置および応答記録装置、さらには印刷装置にも送られ、必要に応じてそれぞ れの動作が開始される。

パターン刺激ではパルス列の間隔を2種類用意し、この組合せを確率的な指標として相 関係数で表した刺激パターンを用いる。ここでパターンの種別を表すためにはなんらかの 指標が必要である。そこで、刺激パルスの時間間隔の違いを数学的な指標で表すものとし て、相関係数を用いた。相関係数自体の生理学的な意味の検討は次章で行う。刺激パルス 列は正の相関、負の相関、無相関のパターン刺激3種類と定常刺激、計4種類用意した。

この際、一次の統計量としてのパターン刺激の平均パルス頻度は8Hzですべて同一とし、

二次の統計量であるパルス間隔のみが異なるものとした。なお定常刺激はパルスの間隔が すべて同一の8Hzによるものである。

この頻度の決定は、刺激頻度が15Hzで長期抑圧、50Hz以上で長期増強が起こる細胞 があると考えられていることから行った。かりにこれらの周波数帯域を用いてしまうと、

時間コーディングの判断以前に長期増強または長期抑圧が起きてしまうことになる。可塑 性を決める要素として平均頻度は大前提として重要な要素であるが、頻度だけで結果があ る程度決まってしまう帯域を用いた場合、時間パターンによる比較がしにくくなる。そこ で周波数頻度に依存しない形で時間パターンの実験を行うには、この間の周波数が適して いると判断した。また長期増強も長期抑圧も起こらなかった10Hzでも燐酸化をはじめとす る変化が起きた報告例があり、生化学的になんらかの影響が示唆されている。そこで5Hz を越えた数Hzが適していると判断し、パターン刺激の平均頻度および定常刺激を8Hzに 設定した。なお8Hzでの長期増強の報告が同様の実験系で報告されているが[56]、これは まだ必ず起きると確定されたものではなく、この現象が高い確率で起きるものでなければ 本実験への悪影響はない。

実験では、パターン刺激前後のプルキンエ細胞の応答変化をパッチクランプ法により測 定する。なお前にも検討したとおり、長期増強や長期抑圧の刺激頻度による基準は部位に よってまちまちであり、海馬CA1野では15Hzで長期抑圧が起きるとされるのに対し、

3章でも行った海馬CA3ではこの周波数では長期抑圧が起きないとされる。さらにリズ ムなど、平均頻度以外の要素も大きく関係することが分かっている。したがって、部位を

考慮せずに頻度だけでは長期増強や長期抑圧の起きる基準を決めるのは不可能であり、だ いたいの目安として本実験では低頻度と高頻度の刺激を用いなかったものである。

5.5.2

時間パターン刺激で用いるパルス列

2つの隣接するパルスの間隔に50ms(短い間隔)と200ms(長い間隔)の2種類を設定 し、15秒間に120発の刺激をするように配列した(一次の統計量は等しくなっている)。そ の刺激パターンはマルコフ相関を指標にして、異なる3種類の配列を作成した。また、コ ントロールとして8Hz120発の定常刺激(Regularstimuli)を用いた(図5.3)。

定常(Regular)

8Hz120回の刺激(刺激はつねに125msecsごとに行われる)。 正の相関(Positive correlation):

・相関係数P=0.8になるようにパルスを配列したもの。刺激間隔は90%の確率で、その 直前の刺激間隔に等しい。

負の相関(Negative correlation):

・相関係数がP=-0.8になるようにパルスを配列したもの。刺激間隔は90%の確率で、そ の直前の刺激間隔と異なる。

無相関(Uncorrelated):

・相関係数P=0

5.5.3

パターン刺激およびテスト刺激の方法

パターン刺激を行う際、その前後でシナプス後膜のある樹状突起上で応答がどう変化す るかを測定しなければならない。そこで測定用の電極を樹状突起に刺入する必要があるが、

使用するプルキンエ細胞の樹状突起は比較的太い基底部でも数マイクロといった細さであ り、現存する実験技法では困難である。そこで3050マイクロメートルと大きい、プル キンエ細胞の細胞体で測定を行う。樹状突起で発生した電位変化は細胞体へと流れるため、

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